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1 第 1 章海洋気象観測船 啓風丸 からの地形および熱観測 * I Terrain and thermal observations of Nishinoshima from the Keifu-Maru research vessel** 1.1 はじめに 2013 年 11 月に 39 年ぶりに噴火していることが確認された小笠原諸島の西之島では, 活発な火山活動によって大量の溶岩が噴出するとともに, 新たな陸地が広がった. しかし, 西之島は最も近い有人島である父島からも 130 km 離れており, 火山活動の観測は困難である. 気象研究所では, 西之島の火山活動を評価する取り組みとして 2015 年から 2016 年にかけて船上において 3 回の観測を行った. 船上では水平方向からの観測しかできないものの, 飛行機等に比べて滞在時間の長い観測が可能である. 船上における 3 回の観測はいずれも気象庁の海洋気象観測船 啓風丸 によるもので, 火山活動が活発な時期から終息する時期までの貴重な観測結果を得ることができた. また, マグマの噴出に伴って地形が刻一刻と大きく変化していく中では, 水平方向からの観測しかできない船上からの火山観測も飛行機等による観測を補完し有効な知見が得られることが示された 年 6 月 4 日における観測気象研究所の観測に先立ち, 海洋研究開発機構 (JAMSTEC) 東京大学地震研究所 京都大学大学院理学研究科は,2015 年 2 月 26 日から 27 日にかけて JAMSTEC の深海調査研究船 かいれい で西之島から 6 km 離れた船上で連続的に噴火していることを確認した ( 東京大学地震研究所 JAMSTEC 京都大学,2015). また, 国土地理院 (2015a) は 2015 年 3 月 1 日に無人航空機 (UAV) による観測を行い, 西之島の面積が約 2.55 km 2, 最高標高が 137 m, 新たな噴出した溶岩等の海面上の体積が約 6,446 万 m 3 という観測結果を得た. さらに, 海上保安庁 第三管区海上保安本部 海上自衛隊は 2015 年 3 月から 5 月にかけて計 12 回の飛行機による西之島の観測を行った ( 海上保安庁,2015a). 本航海直前の最新の観測は 2015 年 5 月 26 日の第三管区海上保安本部によるものであり, 最も活発な活 Fig. 1.1 Track chart of the Keifu-Maru on 4 June 図 年 6 月 4 日の啓風丸の航路図. 航路図の作成には国土地理院の 2015 年 3 月 1 日における標高データ ( 国土地理院技術資料 C1-No.448) 及びカシミール3D ( 杉本,2002) を使用. 図中の1~7は可視画像及び熱赤外画像の撮影位置. * 木村一洋 ( 地震火山部火山課, 火山研究部併任 ), 長岡優 ( 火山研究部 ) ** Kazuhiro Kimura, Yutaka Nagaoka -1-

2 気象研究所技術報告 Fig. 1.2 図 1.2 Fig. 1.3 図 1.3 第 78 号 2017 (1, 2) Photographs of Nishinoshima from the northwest on (1) 4 June and (2) 1 March (3, 4) Photographs from the southeast on the same dates, respectively. 西之島全体を 2 方向から撮影した可視画像及び数値地図から推定された可視画像と同じ場所 からの展望図 (1) 西之島の西北西 Fig.1.1 の① からの可視画像 2015 年 6 月 4 日 8:33 撮 影 (2) (1)と同じ場所からの展望図 (3) 西之島の南東 Fig.1.1 の② からの可視画像 2015 年 6 月 4 日 14:19 撮影 (4) (3)と同じ場所からの展望図 展望図の作成には国土地理院の 2015 年 3 月 1 日における標高データ 国土地理院技術資料 C1-No.448 及びカシミール3D 杉 本 2002 を使用 火砕丘北東斜面に地形の盛り上がり 図中の矢印 を確認した この地形 の盛り上がりは 2015 年 3 月 1 日における標高データを用いた展望図では確認できない (1) Detailed view of ballistic ejecta above the cinder cone. (2) Photograph of Nishinoshima cinder cone from the southeast on 4 June (3) Detailed view of the hornito on the northeast slope of the cinder cone. (1) 火砕丘上部の拡大 有色噴煙とともに直径 1m 程度の噴石が真上に噴出する様子が確認できる (2) 西 之島の南東から撮影した火砕丘周辺の可視画像 Fig. 1.1 の③から 2015 年 6 月 4 日 14:20 撮影 火砕丘 上部からは有色噴煙が噴出しているほか 海岸付近では溶岩流と海水の接触によると見られる水蒸気が 立ち上がっていた (3) ホルニトの噴気孔の拡大 ここから青白い噴煙が立ち上がっていた 動を続ける主火口である第 7 火口で灰色の噴煙を伴う噴火が発生していること 第 7 火口から噴出した火砕物で火砕 丘が形成されていること その火砕丘北東斜面に形成された側火山状の溶岩流出口から溶岩が流出して南東方向へ流 下し海岸線に達して先端で水蒸気を上げていることを確認した 熱赤外温度の観測も行われ 2015 年 3 月 25 日の観 測では目視観測と同様に北側に扇状に広がる溶岩流の他 水蒸気が上がっていた東側海岸に小規模な溶岩流による高 温域を確認した 気象研究所は 気象庁の海洋気象観測船 啓風丸 の 2015 年 6 月の航海時に 1 日のみ行った 本航海は 2015 年 2 月 24 日に西之島の警戒範囲が 6 km から 4 km に縮小された後初めての観測であり 2015 年 5 月 20 日の海上保安庁 の飛行機による観測で西之島の南西約 10 m の海上で変色水が確認されたことや 2015 年 5 月 30 日に小笠原諸島西 方沖でマグニチュード 8.1 の大きな深発地震が起きたことから 安全を考慮して西之島の南西領域での観測を避ける とともに西之島周辺海域での滞在時間を極力短くする行程となった 西之島周辺海域では海底地震計の設置及び火山 ガスの観測等が行われ それらの作業の合間を縫って 船上からの火山観測 可視画像撮影 動画撮影及び熱赤外温 2

3 Fig. 1.4 Thermal infrared image (top) and photograph (bottom) of Nishinoshima from the south on 4 June 図 1.4 西之島の南から撮影した熱赤外画像及び可視画像 (Fig. 1.1 の4から 2015 年 6 月 4 日 15:29 撮影 ). 使用機器 : 赤外熱映像観測装置 NEC Avio H2640, レンジ :2(-40~120 ), 放射率 :1.0. 度の観測 ) を行った.2015 年 6 月 4 日の航路を Fig. 1.1 に示す. まず地形変化について,Fig. 1.2 に西之島全体を 2 方向から撮影した可視画像と, 国土地理院の 2015 年 3 月 1 日に おける標高データ ( 国土地理院技術資料 C1-No.448) を元にカシミール 3D( 杉本,2002) を用いて可視画像と同じ 場所からの展望図の比較を行った結果を示す.Fig. 1.2(1) 及び (3) の可視画像からは,2015 年 3 月 1 日における標高デ ータからは確認できない火砕丘北東斜面に地形の盛り上がりを確認することができた.Fig. 1.3(2) に火砕丘周辺を西 之島南東から撮影した可視画像を示し, この地形の盛り上がりを拡大したものを Fig. 1.3(3) に示す. 本航海直前の海 上保安庁等の飛行機による観測では火砕丘北東斜面に側火山状の溶岩流出口が形成されていたことが確認できていた ものの, 明瞭な地形の盛り上がりとしては確認できていない. 形成された時期は特定できていないが 2015 年 3 月 1 日から本航海の間に形成されたことに間違いない. この結果は, 航海直後の 2015 年 6 月 15 日に開催された第 132 回 火山噴火予知連絡会にて報告し ( 気象研究所 気象庁,2015), 関係機関に情報共有された. その後,6 月 18 日の海 上保安庁の飛行機による観測で, この地形の盛り上がり ( ホルニト ) が溶岩流出口そのものであることが確認された ( 海上保安庁,2015c). 次に, 噴火活動や噴煙の状況について説明する. 火砕丘からは 1 分に数回程度の間歇的な噴火が断続的に続いてい た. また,Fig. 1.3(1) の火砕丘上部を拡大した可視画像で示すように有色噴煙とともに直径 1m 程度の噴石が真上に噴 出する様子を時折確認した. 火砕丘から噴火とともに立ち上がる有色噴煙は徐々に白色噴煙となり, その後も雲とな って遠方まで流れていた. これらの雲は間歇的に発生しており, 噴火活動に対応しているものとみられる. また, ホ ルニトからは青白い噴煙が立ち上がっていることが確認できた. その他,Fig. 1.2(3) の島の南東からの可視画像のよ うに, 島の南東から南にかけての海岸線では溶岩流と海水の接触によると見られる水蒸気が上がっていることを確認 した. 熱赤外温度の観測について, 西之島の南から撮影した熱赤外画像及び可視画像を Fig. 1.4 に示す. 水蒸気が上がっ ている島の南部から南東部にかけての海岸で高温域が確認できた. また, 島の東部でやや高温であることが確認でき ており, 本航海直前の 2015 年 5 月 26 日の飛行機による観測で確認されていたように溶岩流出口から火砕丘の東側を 南東方向に流下していた溶岩流に対応しているものとみられる. 火砕丘の上部では, 噴火活動に対応して設定してい た計測レンジ (-40 度 ~+120 度 ) の上限である 120 度を超える高い温度を時折確認した. 火砕丘から噴出する噴煙や 噴石がかなりの高温であることが示唆される. -3-

4 年 10 月 3 日から 4 日における観測その後 2015 年 10 月の気象研究所の観測までの間,JAMSTEC 産業技術総合研究所 東京大学地震研究所では 2015 年 6 月 13 日から 18 日の 6 日間にかけて JAMSTEC の海洋調査船 なつしま で, 産業技術総合研究所 JAMSTEC 海上保安庁 (2015) では 2015 年 6 月 26 日から 7 月 3 日の 8 日間にかけて 第三開洋丸 で, 海上保安庁では 2015 年 6 月 24 日から 7 月 7 日もの 2 週間という長い期間にかけて測量船 昭洋 で, それぞれ船による観測を行った. これらのうち, 海上保安庁 (2015b) では,7 月 6 日 10 時 50 分頃に発生した側噴火も観測した. 海上保安庁, 第三管区海上保安本部は 2015 年 6 月から 9 月にかけて 12 回の飛行機による観測を行い, 溶岩流や噴煙の状況を報告した ( 海上保安庁,2015c). これらのうち 8 月 19 日の観測では火砕丘北東側斜面の山頂からホルニトまでの場所が陥没し, その陥没部分に 2015 年 7 月 6 日の側噴火跡と考えられる凹地があることを確認した. そして,8 月 23 日以降本航海直前の最新の観測である 9 月 20 日まで, 溶岩流は確認できるものの噴火活動は確認できなかったことを報告した. 国土地理院 (2015b) では 2015 年 7 月 28 日に UAV による観測を行い, 面積は約 2.74km 2, 最高標高は 150 m, 体積は約 8,511 万 m 3 という結果が得られており, 前回 3 月 1 日に比べて面積がやや拡大し, 最高標高も 13 m 高くなったという報告を行った. また, この標高データ ( 国土地理院技術資料 C1-No.453) からも海上保安庁が指摘した陥没の様子を確認できる. 気象研究所は, 気象庁の海洋気象観測船 啓風丸 の 2015 年 9-10 月の航海時に 2015 年 10 月 3 日から 4 日にかけて,2 日間行われた. 本航海中の 10 月 2 日に大型の台風 23 号が西之島の東の海上で発生し, 南鳥島周辺に達する 10 月 6 日頃まで西向きに進行しており, 西之島周辺海域でもうねりが及ぶことから滞在時間を短くする行程となった. その 2 日間に 2016 年 6 月に気象研究所が設置した海底地震計 (OBS) 及び 2016 年 2 月に東京大学地震研究所 JAMSTEC 京都大学が設置した OBS の回収と東京大学地震研究所による OBS の設置, その他火山ガスの観測作業 Fig. 1.5 Track charts of the Keifu-Maru on 3 and 4 October 図 年 10 月 3 日及び 4 日の啓風丸の航路図. 航路図の作成には国土地理院の 2015 年 7 月 28 日における標高データ ( 国土地理院技術資料 C1-No.453) 及びカシミール3D( 杉本,2002) を使用. 図中の1~4は可視画像の撮影位置. -4-

5 Fig. 1.6 Photographs of Nishinoshima from the northwest on (1) 4 June and (2) 3 October 図 1.6 西之島全体を北西から撮影した可視画像.(1) 2015 年 6 月 4 日 9:27(Fig. 1.1 の5から撮影 ).(2) 2015 年 10 月 3 日 13:20(Fig. 1.5 の1から撮影 ).(1) に比べて (2) は西之島の北東側の厚みが増しており, ホルニトが目立たなくなっている. Fig. 1.7 (1, 2) Photographs of Nishinoshima cinder cone from the north on (1) 4 June and (2) 3 October 2015 and from the east-northeast on (3) 4 June and (4) 4 October 図 1.7 火砕丘周辺を 2 方向から撮影した可視画像.(1) 西之島の北 (Fig. 1.1 の6) から撮影 (2015 年 6 月 4 日 11:36).(2) 西之島の北 (Fig. 1.5 の2) から撮影 (2015 年 10 月 3 日 12:11).(3) 西之島の東 (Fig.1.1 の7) から撮影 (2015 年 6 月 4 日 14:07).(4) 西之島の東 (Fig.1.5 の 3) から撮影 (2015 年 10 月 4 日 6:28).(1) や (3) の可視画像では確認できないが,(2) や (4) の可視画像では火砕丘からホルニトにかけて陥没している様子が確認できる. が行われた合間を縫って, 船上からの火山観測を行った.10 月 3 日及び 4 日の航路を Fig. 1.5 に示す. まず地形変化について,Fig. 1.6 に島の北西方向から撮影した島全体の可視画像を示す.2015 年 6 月撮影の可視画 像に比べて,2015 年 10 月 3 日撮影の可視画像は西之島の北東側の厚みが増しており, ホルニトは目立たなくなっ ていることが確認できる. 国土地理院の UAV による観測では,2015 年 3 月 1 日から 7 月 28 日にかけて, 西之島の 面積は約 7 % しか増えていないにも関わらず西之島の体積は 32% も増えている. 比較した期間は異なるものの, 溶岩 の流出によって島の厚みが増している傾向は整合している. さらに,Fig. 1.7 に火砕丘周辺を 2 方向から撮影した可 視画像を示す. 火砕丘の形状に着目すると, 第 7 火口からホルニトにかけての火砕丘が陥没している箇所が確認でき る. この陥没は 2015 年 6 月撮影の可視画像では確認できず, 海上保安庁等の飛行機による観測等とも整合する. ま た, 火砕丘では広範囲にわたって硫黄とみられる黄色い析出物が確認できる. この硫黄の析出は 2015 年 6 月撮影の 可視画像では確認できていない. -5-

6 Fig. 1.8 Photograph of Nishinoshima cinder cone in the early morning of 4 October 図 1.8 早朝に火砕丘周辺を撮影した可視画像 (Fig. 1.5 の4から 2015 年 10 月 4 日 5:07 撮 影 ). 第 7 火口内部とホルニト付近から北側で赤く光る現象が確認できた. Fig. 1.9 図 1.9 Schematic representation of glowing lava near the bottom of the crater and along a lava flow on 4 October The horizontal axis indicates time elapsed since the glow began at the bottom of the crater 年 10 月 4 日 21 時頃に観測された第 7 火口内部と溶岩流沿いの赤熱現象の時間推移の概略図. 横軸に時間をとり, 第 7 火口内部での赤熱現象の始まり (1 回の噴煙放出の始まり ) を 0 秒としている. 次に, 噴火活動や噴煙の状況について説明する. 噴火活動に伴う有色噴煙は確認できたが前回の航海時ほど活発ではなく, 前回の航海で見られた溶岩流と海水の接触によるとみられる水蒸気や, 噴石が上向きに飛ぶ様子は確認できなかった. 但し, 夜間には島の一部が赤く光る現象が確認できており,Fig. 1.8 に示す 2015 年 10 月 4 日の早朝に撮影された可視画像ではこれら赤く見えた位置が第 7 火口内部と, 溶岩流出口でもあるホルニト付近から北側であることが特定できた. このことは熱赤外温度の観測とも整合しており, ホルニト付近から火砕丘の北側にかけて高温域が確認できた. また, 夜間に赤く光る現象をより詳細に観察すると, まず第 7 火口内部が明るく光り始め ( その後約 30 秒間継続 ), その約 10 秒後から約 90 秒かけて, ホルニト付近から北側へ向かって明るく光る部分が移動していく, というプロセスを繰り返していた (Fig. 1.9). 第 7 火口内部が明るく光る現象は噴煙放出に伴う赤熱現象または火映現象であり, ホルニト付近から北側へ向かって明るく光る部分が移動していく現象は溶岩流出に伴う赤熱現象であると推測される 年 6 月 5 日から 8 日における観測その後 2016 年 6 月の気象研究所の観測までの間, 海上保安庁 第三管区海上保安本部 海上自衛隊は 2015 年 10 月から 2016 年 5 月にかけて計 18 回の飛行機による西之島の観測を行った ( 海上保安庁,2015d,2016a,2016b). これらのうち,2015 年 10 月 13 日,10 月 18 日,11 月 12 日,11 月 17 日の観測では, 第 7 火口で灰色の噴煙を伴う噴火が発生していたことが報告された.11 月 12 日の観測では, 火砕丘の南側中腹に新たな溶岩流出口が形成され, そこから溶岩が流出していることが報告された. さらに 11 月 17 日の観測では,14:54 に第 7 火口から火山弾の放出 爆発音及び激しい空振を伴うブルカノ式噴火があり, 約 500~1000 m の範囲に火山弾が到達したことが報告された. その後, 噴火活動は確認できず,2016 年 5 月 20 日の観測では火砕丘の南縁部一帯の領域にクラックがあり火口 -6-

7 Fig Daily track charts of the Keifu-Maru on 5 8 June 図 年 6 月 5 日から 8 日にかけての啓風丸の航路図. 航路図の作成には国土地理院の 2016 年 3 月 3 日における標高データ ( 国土地理院技術資料 C1-No.462) 及びカシミール 3D( 杉本,2002) を使用. 図中の1~5は可視画像及び熱赤外画像の撮影位置. 方向に落ち込んでいたことが報告された. また, 国土地理院は 2015 年 12 月 9 日に測量用航空機 くにかぜⅢ, 2016 年 3 月 3 日に UAV による観測を行い, それぞれ面積は約 2.71 km 2 及び 2.73 km 2, 最高標高はいずれも 142m, 体積は約 8,801 万 m 3 及び約 8,721 万 m 3 という結果を得た.2015 年 7 月 28 日に比べて島の面積はほとんど変わらないものの, 火砕丘の標高が 8 m 低くなったことや, 体積が若干増えたことが報告された. この間, 火山活動が低調になったことから 2016 年 2 月 17 日に西之島の警戒範囲は 4 km から 1.5 km に縮小された.2016 年 6 月の気象研究所の観測までの間, 海上保安庁 東京工業大学 (2016) は 5 月 4 日から 6 日の 3 日間にかけて測量船 昭洋 で西之島を中心とする半径 4 km から 1.5 km の範囲における海底地形調査等を行った. 灰色の噴煙を伴う噴火や, 活発な火山活動を示唆する高温域は確認できなかったものの, 第 7 火口の火口縁, 火砕丘南側斜面及び北東の溶岩流の一部で比較的高温な場所が確認された. 気象研究所は, 気象庁の海洋気象観測船 啓風丸 の 2016 年 6 月の航海時に 2016 年 6 月 5 日から 8 日にかけての 4 日間の観測を行った. 東京大学地震研究所による無人ヘリを用いた西之島の空撮及び火山礫採取を行う合間を縫って, 船上からの火山観測を行った.2015 年の 2 回の航海に比べて西之島の警戒範囲が縮小されたことから, 西之島により接近した火山観測を行うことができた.6 月 5 日から 8 日にかけての航路を Fig に示す. -7-

8 気象研究所技術報告 第 78 号 2017 Fig 図 1.11 Photograph of Nishinoshima cinder cone from the south on 7 June 西之島の火砕丘を南から撮影した可視画像 Fig の①から 2016 年 6 月 7 日 11:48 撮影 火砕丘の南斜面に 2015 年 11 月頃に形成されたとみられ る溶岩流跡が確認できたほか その上部の火口縁が陥没していた Fig 図 1.12 Photograph of Nishinoshima cinder cone from the north on 5 June 西之島の火砕丘を北から撮影した可視画像 Fig の②から 2016 年 6 月 5 日 14:28 撮影 ほぼ同じ方角から撮影された Fig. 1.8 と比べると 火砕丘の陥没が大きく広がっている様子が確認できる Fig 図 1.13 Photograph of Nishinoshima cinder cone from the east on 6 June 西之島の火砕丘を東から撮影した可視画像 Fig の③から 2016 年 6 月 6 日 11:58 撮影 火砕丘東斜面の上部に周辺と異なる大きな岩塊が確認できる まず地形変化について 前回の航海に比べて島全体の形状に大きな変化はないものの 火砕丘周辺の地形変形が顕 著であった Fig に西之島の火砕丘を南から撮影した可視画像を示す 火砕丘の南斜面の中腹のやや低いところ から 2015 年 11 月頃に形成されたとみられる溶岩流跡が確認できたほか その上部の火口縁が陥没していた この地 形変化は 2015 年 11 月 12 日の第三管区海上保安本部の飛行機による観測でも確認できる また 国土地理院の 2015 年 12 月 9 日の標高データ 国土地理院技術資料 C1-No.458 でもこの溶岩流を確認することができるが 火砕 丘の北東斜面に形成されていた溶岩流出口の標高よりも低い 何かしらの要因で火砕丘の南側に亀裂が入って溶岩が 流れやすくなったために 火口内に溜まっていた溶岩が火砕丘の南斜面を流れた可能性がある 逆に言えば それ以 8

9 気象研究所技術報告 Fig 図 1.14 Fig 図 1.15 第 78 号 2017 Thermal infrared image (top) and photograph (bottom) of Nishinoshima from the east on 7 October 西之島の東から撮影した熱赤外画像及び可視画像 Fig の④から 2016 年 6 月 7 日 9:13 撮影 使 用機器 赤外熱映像観測装置 NEC Avio H2640 レンジ 放射率 1.0 Thermal infrared image (top) and photograph (bottom) of Nishinoshima from the south on 7 October 西之島の南から撮影した熱赤外画像及び可視画像 Fig の⑤から 2016 年 6 月 7 日 11:33 に撮影 使用機器 赤外熱映像観測装置 NEC Avio H2640 レンジ 放射率 1.0 降はこの南斜面の溶岩流出口から溶岩が流出するはずで 2016 年 11 月以降溶岩流出跡の地形が変わっていない以 上 これが 2016 年 9 月時点で西之島の最後の溶岩流出であるのかもしれない また Fig に西之島の火砕丘を 北から撮影した可視画像を示す 前航海でほぼ同じ方角から撮影された Fig. 1.8 と比べると 火砕丘上部の陥没が大 きく広がっている様子が確認できる 海上保安庁等の飛行機による観測でも 2016 年 4 月 14 日に比べて 5 月 20 日 に火砕丘上部の陥没が大きく広がっている様子が確認できることから この間に大きな地形変化を伴う現象があった と考えられる その他 Fig に西之島の火砕丘を東から撮影した可視画像を示す 前航海では確認できなかった が 火砕丘東斜面の上部に周辺と異なる大きな岩塊が確認できる 海上保安庁等の飛行機による観測では 2016 年 11 月 12 日や 17 日の観測では確認できないものの 2016 年 12 月 22 日の観測では確認できることから この間に地 表面に現れた可能性が高いと考えられる 次に 噴火活動や噴煙の状況について説明する 噴火活動に伴う有色噴煙は確認できなかったほか 夜間に島の一 部が赤く光る現象も確認できなかった Fig に西之島の東から撮影した熱赤外画像及び可視画像を示す 火砕丘 の北側にやや高温域が確認できるものの 火砕丘本体には高温域を確認できない また Fig に西之島の南から 撮影した熱赤外画像及び可視画像を示す 陥没している火砕丘南側斜面一帯でやや高温域が確認できるほか 溶岩流 9

10 出跡も若干高温域であることが確認できる. 但し, 溶岩流出跡に比べて火砕丘南側斜面の方が温度が高い. 溶岩流出 跡の温度がそれほど高くないということは, それほど流出量がなかったということかもしれない. 謝辞本観測に際し, 気象庁の海洋気象観測船 啓風丸 の乗組員並びに観測員に多大なる協力を得るとともに, 同乗していた東海大学海洋学部及び京都大学防災研究所, 東京大学地震研究所が撮影した写真も活用した. 関係者各位には, ここに記して御礼申し上げる. 参考文献海上保安庁 (2015a): 西之島周辺海域における噴火の概況 ( 続報 ), 第 132 回火山噴火予知連絡会資料. 海上保安庁 (2015b): 西之島周辺海域における海洋調査結果, 第 133 回火山噴火予知連絡会資料. 海上保安庁 (2015c): 西之島周辺海域における噴火の概況 ( 続報 ), 第 133 回火山噴火予知連絡会資料. 海上保安庁 (2015d): 西之島周辺海域における噴火の概況 ( 追加資料 ), 第 133 回火山噴火予知連絡会資料. 海上保安庁 (2016a): 西之島周辺海域における噴火の概況 ( 続報 ), 第 134 回火山噴火予知連絡会資料. 海上保安庁 (2016b): 西之島最近の活動について, 第 135 回火山噴火予知連絡会資料. 海上保安庁 東京工業大学 (2016): 西之島周辺海域における海洋調査結果, 第 135 回火山噴火予知連絡会資料. 気象研究所 気象庁 (2015): 気象庁海洋観測船啓風丸からの西之島火山活動の観測について, 第 132 回火山噴火予知連絡会資料. 国土地理院 (2015a): 空中写真に基づく西之島の地形変化に関する計測結果, 第 132 回火山噴火予知連絡会資料. 国土地理院 (2015b): 空中写真に基づく西之島の地形変化に関する計測結果, 第 133 回火山噴火予知連絡会資料. 産業技術総合研究所 JAMSTEC 海上保安庁 (2015): 第三開洋丸 による研究航海で採取した西之島火山礫, および海上保安庁測量船で 6 月 26 日 -7 月 3 日に採取した火山灰の岩石学的特長, 第 133 回火山噴火予知連絡会資料. 杉本智彦 (2002): カシミール3D 入門, 実業之日本社,148p. 東京大学地震研究所 JAMSTEC 京都大学 (2015): 西之島火山の かいれい による観測と最近の活動, 第 132 回火山噴火予知連絡会資料. -10-

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火山活動解説資料平成 31 年 4 月 19 日 19 時 40 分発表 阿蘇山の火山活動解説資料 福岡管区気象台地域火山監視 警報センター < 噴火警戒レベル2( 火口周辺規制 ) が継続 > 中岳第一火口では 16 日にごく小規模な噴火が発生しました その後 本日 (19 日 )08 時 24 の火山活動解説資料 福岡管区気象台地域火山監視 警報センター < 噴火警戒レベル2( 火口周辺規制 ) が継続 > 中岳第一火口では 16 日にごく小規模な噴火が発生しました その後 本日 (19 日 )08 時 24 分に再びごく小規模な噴火が発生し 噴煙は火口縁上 500mまで上がりました 本日 九州地方整備局の協力により実施した上空からの観測では 中岳第一火口から白色の噴煙が上がっているのを確認しましたが

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