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まいえうるしはた
5 years ago
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1 Wrapping Transfer Technology of DocuPrint C525A 要旨 DocuPrint C525A は新開発弾性中間転写ベルト +Wrap 転写技術の 4 サイクルカラーエンジンの採用により小型軽量の A4 プリンターとして高画質を実現している本エンジンでは従来使用していたポリイミド製の中間転写ベルトに替わって弾性を有するゴムベルトを使用することにより張架ロールの小型化や感光体ドラムとの一体化消耗品を実現しユーザーが交換する消耗品をトナーと感光体ユニットのみにすることが実現できている Abstract DocuPrint C525A achieves high quality print output as a small and lightweight A4-size printer based on a 4-cycle color engine which employs a newly developed "elastic intermediate transfer belt and wrap transfer technology." This engine adopts an elastic rubber belt as an intermediate media that replace the conventional polyimide belt. The C525A utilizes a single-unit consumable cartridge comprising a photoconductive drum and intermediate belt, in which users only have to change toner and drum cartridges. 執筆者進藤和紀 (Kazunori Shindo)* 佐伯智也 (Tomoya Saeki)** 岡本昌也 (Masaya Okamoto)** 須田正毅 (Masaki Suda)* * FXPS 商品開発統括部マーキングプラットフォーム開発部 (Marking Platform Development Product Development Unit) ** FXPS 商品開発統括部イメージングプラットフォーム開発部 (Imaging Platform Development Product Development Unit) 104 富士ゼロックステクニカルレポート No

1. 緒言年々オフィスにおけるパーソナルコンピュータの高性能化インターネット技術の浸透によってカラードキュメントの流通が多くなっているしかしながら未だにモノクロレーザープリンタやカラーインクジェットプリンタに比べてカラーレーザープリンタの普及は遅れているこれは従来のカラーレーザープリンタが高価で大型でありデスクサイドに設置できる商品が少なかったためであるそこで

2 1. 緒言年々オフィスにおけるパーソナルコンピュータの高性能化インターネット技術の浸透によってカラードキュメントの流通が多くなっているしかしながら未だにモノクロレーザープリンタやカラーインクジェットプリンタに比べてカラーレーザープリンタの普及は遅れているこれは従来のカラーレーザープリンタが高価で大型でありデスクサイドに設置できる商品が少なかったためであるそこでカラーレーザの入門機として低価格で小型の装置の出現が望まれていた 2. 商品概要カラー毎分 5 枚モノクロ毎分 25 枚の印字速度を有し当社レーザープリンタの上位機種で採用している EA トナーとクイックオイルレス定着技術を使用しているこのためテカリやギラツキを抑えオフィスに求められるグラフや図デジタル写真が混在するドキュメントを高画質で再現することができ書き込みや付箋紙の貼り付けにも優れているさらに自動両面プリント機能をオプションとして用意し最大 950 枚まで拡張できる給紙トレイにより高い拡張性を有しているまたベルト中間転写体と感光体を一体化したドラムカートリッジを採用し 4 色のトナーカートリッジとドラムカートリッジの消耗品をすべて装置前面側から交換できるようにしたことにより日常のメンテナンスは手を汚すことなく簡単に行うことができる DocuPrint C525A 図 1 装置外観写真 Photograph of DocuPrint C525A 3. 弾性中間転写ベルトの採用従来 4 サイクル方式のカラープリンタでは高剛性高強度な材料としてポリイミド樹脂をベースとした材料を中間転写ベルトとして使用することが一般的となっていたしかし剛性の高いベルトは折れや割れが起きやすく取り扱いが困難であるまた材料単価が高く製造方法も複雑であるため部品として高価になってしまうという問題点があったこれを解決する為ゴム材料をベースとした弾性中間転写ベルトを採用することにした 4. 中間転写ベルトレイアウトの特徴 C525A では感光体ドラムを介して中間転写ベルト上に 4 色のトナー画像を重ねることによりフルカラー画像を得るいわゆる 4 サイクルのカラーエンジンを採用している画像形成プロセス上中間転写ベルトから印刷用紙へ画像を転写する二次転写工程および中間転写ベルト上の転写残トナーを除去するクリーニング工程が必要であるこれらの工程は二次転写ロールやクリーニングユニットを中間転写ベルトへ圧接する工程であり中間転写体に弾性体ベルトを採用した本エンジンではベルトの伸縮すなわち画像の伸縮を伴うという問題を抱えていたこれらを打開しかつ消耗品のフルフロントアクセスを実現するために特徴的なベルトレイアウトを採用している転写ベルトの外周長は印刷可能な最大用紙長さ ( トナー画像を保持すべきエリア ) に相当するイメージ領域と画像を保持しない ( このエリアで現像器の切り替えなどの処理を行う ) インターイメージ領域に分けられる本エンジンでは断続的に行う二次転写動作ベルトクリーニング動作による画像形成中の画像伸縮像乱れを回避するため二次転写ユニットやベルトクリーニングユニットの中間転写ベルトへの接離動作による影響を最小限にするレイアウトとなっているベルト上のトナー画像は感光ドラムから転写ベルト上に転写された後に二次転写ロールによって印刷用紙に転写されるベルトクリーニングの工程を二次転写工程の反対側に配置することによってベルト張力変動のドラム回富士ゼロックステクニカルレポート No

3 転むらへの影響の最小化圧接荷重ベクトルの相殺効果が得られている中間転写ベルト感光ドラムと廃トナーボックスは一体のドラムカートリッジとすることで装置上面側から脱着を行えるようになっているまたトナーカートリッジの交換はドラムカートリッジとは別に装置前面から操作できるようにすることで日常の交換作業を簡単にしている消耗品交換時 5. 感光体従動駆動方式ゴム材料は張力に応じて伸びるためベルトの厚みを一定にすることが難しいこのため中間転写ベルトとして使用する際に従来と同じように駆動ロールを用いて内周面で回転すると厚みのバラツキが表面速度のバラツキとなってしまい速度誤差がカラー画像の色ズレとなってしまうそこでゴムベルトを感光体表面で駆動する従動駆動方式を採用し感光体とゴムベルトの駆動面積を確保するために感光体を包み込むようにベルトを巻き付けて一次転写を行う Wrap 転写方式を考案した 6. Wrap 転写技術印刷動作時イメージ領域インターイメージ領域ベルト回転方向ベルトクリーニング図 2 二次転写画像形成機構レイアウト Layout of imaging units 弾性体を中間転写ベルトとして採用することにより以下の効果を得ることができている 1 画像欠陥の抑制 : 従来の転写方式に比べ 1 次転写 ( 感光体から中間転写ベルトへの画像転写工程 ) による電界エリアが広く感光体ドラムとベルトが密着した状態で画像転写が行われるため微小空間における放電現象が少なく画像の飛び散りや文字の中抜けといった画像欠陥の発生が著しく少なくなっている 2 感光体ドラム傷の抑制 : 従来の剛性ベルトと感光体ドラムの組合せでは両者の間に異物が混入すると感光体表面を容易に傷つけてしまったが弾性体を用いることにより感光層への攻撃性が減少し耐異物性が飛躍的に向上した 3 1 次転写による像乱れの抑制 : 1 次転写領域はベルトが感光体ドラムに巻きついた状態で行われるため外部からの振動衝撃などによりベルトと感光体ドラムがスリップすることにより発生する像乱れを抑制することができた 4 感光体ドラム駆動によりベルト駆動ロールが不要 : 感光体ドラム自身がベルトを駆動する機構となっているためベルトを駆動するための特別な機構を設ける必要がなく装置の小型化低コスト化高信頼性に寄与している 5 弾性体の自己張力により張架機構が不要 : 従来の方式では転写ベルトを駆動するために駆動ロールとベルト間の摩擦力を維持しなければならずバネ等を用いた張架機構が必要であった C525A では弾性ベルトを用いることによりベルト自身の弾性張力により感光体ドラムへの摩擦力を発生でき装置の小型化低コスト化に貢献している 7. ベルト蛇行制御技術従来の高剛性の中間転写ベルトではベルトの端部にリブを設け張架ロールでリブをガイドする事によってベルトが左右に蛇行するのを防止する方法が一般的であったしかしながらゴム材料では伸縮が大きいため接着などによりリブを形成することができないそこでベルトの端部に補助ローラを設けることでゴムの弾性を利用し自己復元力による蛇行抑制技術を採用した 8. 転写残トナークリーニング技術二次転写ローラに電圧を印加することによって中間転写ベルトから印刷用紙に画像を転写するが転写後のベルト上には未転写の残留トナーが存在するそのため転写残トナーをクリーニングしないと次の頁にうっすらと画像が残ってしまう本製品では従来のカラー 106 富士ゼロックステクニカルレポート No

4 エンジンで採用された技術を応用し金属製クリーニングロールにてベルト上の画像を静電的に転写しブレードで掻き取り回収するさらに残ったトナーは導電性ブラシロールで回収するというクリーニング方式を採用している 9. カラーレジ (Color registration) 制御技術 4 サイクルカラープリンタは 4 連タンデム方式のプリンタと比較して単一の感光体単一の露光ユニット構成のためカラーレジずれの要因が少ないともいえるが一方で露光一次転写動作中に二次転写ユニットやベルトクリーニングユニットの中間転写ベルトへの接離動作を断続的に行うためカラーレジがずれやすいまた DocuPrint C525A では中間転写体としてゴムベルトを採用しているためこれらのユニットが中間転写ベルトに接触しているときの負荷によってベルトが伸び縮みしてしまいカラーレジに影響してしまうという課題があったさらに中間転写ベルトの伸び量が環境変化や寿命までの経時的変化で比較的大きく変化すると言う課題があった一方で DocuPrint C525A は高性能を維持しつつ低価格を実現することが商品コンセプトであるため高速かつ高精度なセンサーやコントローラを搭載することなく高精度なカラーレジ性能を発揮するという課題もあったこれらの課題を克服するために下記のような技術を採用している 1 イベントに対してロバストなベルトレイアウト 2 カラーレジ性能と操作性の両立をはかった CRU 固定構造 3 中間転写ベルトの感光体への wrap 従動技術 4 中間転写ベルトの自己復元力による蛇行抑制技術 5 二次転写ユニットのトルクアシスト駆動 6 ベルトクリーニングユニットの回転速度制御技術 7 カラーレジコントロール技術ここでは DocuPrint C525A に新規搭載しカラーレジ制御技術の特徴となっている3 6 7 項について説明する 3wrap 従動技術張架状態にある中間転写ベルトを感光体に巻き掛けることによりベルトテンション圧力 ( ベルト張架力によりベルトを感光体に押し付けようとする力 ) が生じるまた一次転写電圧を印加することにより中間転写ベルトと感光体との間に静電吸着力が生じるこれらの合力により中間転写ベルトを感光体に従動させ回転駆動している 3 中間転写ベルトの感光体への wrap 従動技術 wrap 従動 ( ベルトテンション + 静電吸着力 ) ベルトテンション圧力静電吸着力 wrap 上流 1BTR wrap 下流 wrap 位置図 3 特別なテンション機構を持たないことは機構を単純にする効果だけでなくベルトの張架時周長がベルトの伸縮影響で変化することがないという特長があるベルトの張架時周長をベルト張架ロール径の整数倍化することで張架ロール偏芯により生じるカラーレジずれを抑制する効果を発揮できるが前記特長によってこの効果を安定的に発揮することができるロール偏芯影響の抑制 ( ロール周長 vs. ベルト周長の整数倍化 ) 感光体ローラ A ローラ B ベルトテンション圧力と静電吸着力 Belt tension pressure and electrostatic attachment force ベルト周期図 4 ベルト周期 6 回転速度制御技術ベルトのクリーニング性能を発揮するためには中間転写ベルトとクリーニングロールの相対速度差をもたせる必要があるが相対速度差が変化するとベルトの伸縮状態が変化しカラーレジに悪影響を及ぼす金属ロールの製造上の外径公差やベルトへのニップ量公差が影響するためモータを高精度に回転制御するだけでは相対速度のばらつきを適切なレンジに収められな合成波ベルト周期を整数倍化合成波量量カラーレジずれ抑制効果 Suppression of color-to-color mis-registration 富士ゼロックステクニカルレポート No

5 いことがわかった DocuPrint C525A ではベルトの周回周期を測定することで中間転写ベルトとクリーニングロールとの相対速度差によるベルトの伸縮状態を必要充分な精度で検知しこれが適切なレンジに収まるようクリーニングロールの回転速度制御を行っている 7カラーレジコントロール技術コストを最小限に抑えつつ高精度なカラーレジを実現するべく種々の設計配慮を行ったが温湿度の変化や経時的な変化たとえば中間転写ベルトの表面摩擦係数の変化や伸縮による張架力の変化などを考慮するとカラーレジ補正制御が必要となった DocuPrint C525A では画像形成タイミングを生成している中間転写ベルトの基準マーク検出信号のみを使用して副走査方向の露光ピッチならびに露光開始タイミングの補正制御を行っている制御はフィードフォワード方式でありカラーレジずれ量と前述の中間転写ベルトの基準マーク検出信号とを同時に実験測定しこの結果からシステムをモデル化し補正制御パラメータを設計した図 5 に示したとおり例えばイエロー画像のベルトへの転写時とマゼンタ画像の転写時ではベルト周りの負荷が変化しこの変化によるベルトの伸縮によって中間転写ベルト上の画像が伸縮するためを生じてしまう一方でこのベルトの伸縮状態はベルトの基準マーク検出信号によってベルトの周回周期を測定することで精度良く検知することができるためベルトの伸縮を補うように露光開始タイミングと露光ピッチを補正することでを抑制することができる制御アルゴリズムの設計に際しては例えば中間転写ベルトの周長などの経時環境の変化個体ばらつき影響を受けないロバストなものとなるよう配慮したこれらにより DocuPrint C525A では常に安定して良好なカラーレジ性能を発揮している 10. 結び C525A は小型低コスト高画質で市場に置けるローエンドカラーレーザプリンターとして好評を博しています新規技術を採用した商品開発には様々な困難が伴いますが市場からはさらなる小型化低コスト化高画質化が求められており今後もカラープリンタ技術の展開進歩をはかっていきたいと思っております 7 カラーレジコントロール技術副走査方向の露光ピッチならびに露光開始タイミングの補正イエロー一次転写時マゼンタ一次転写時ベルトは伸びるベルトは復元 ( イエロー画像は縮む ) イエロー一次転写時 ( 補正なし ) 露光開始タイミングのずれマゼンタ一次転写時 ( イエロー補正なし ) 露光ピッチのずれイエロー一次転写時 ( 補正あり ) 露光開始タイミングの補正マゼンタ一次転写時 ( イエロー補正あり ) 露光ピッチの補正図 5 カラーレジ制御 Color registration control 108 富士ゼロックステクニカルレポート No

筆者紹介進藤和紀 2004 年 FXPS 入社以来カラープリンタの商品開発に従事

6 筆者紹介進藤和紀 2004 年 FXPS 入社以来カラープリンタの商品開発に従事現在 FXPS 商品開発統括部マーキングプラットフォーム開発部に所属佐伯智也 2004 年 FXPS 入社以来カラープリンタの画像技術開発に従事現在 FXPS 商品開発統括部イメージングプラットフォーム開発部に所属岡本昌也 2004 年 FXPS 入社以来カラープリンタの商品設計に従事現在 FXPS 商品開発統括部イメージングプラットフォーム開発部に所属須田正毅 1984 年富士ゼロックス入社製造技術部をへて 4 年後に開発部に異動以来プリンターの商品開発に従事現在 FXPS 商品開発統括部マーキングプラットフォーム開発部部長富士ゼロックステクニカルレポート No

DocuColor 1450 GA

DocuColor 1450 GA DocuColor 1450 GA Dreams Come True! 2 DocuColor 1450 GA Comprehensive Layout Printing Designing Printer Proofing Processing 3 New Product Topics ムラなくズレなく鮮やかにゼログラフィーの頂点へ比類ない高画質を実現する富士ゼロックスのテクノロジー