Windows Server 2019 記憶域スペースダイレクト S2D Windows Admin Center 利用ガイド 2019 年 7 月 10 日作成 日本仮想化技術株式会社

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1 Windows Server 2019 記憶域スペースダイレクト S2D Windows Admin Center 利用ガイド 2019 年 7 月 10 日作成 日本仮想化技術株式会社

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3 本書について 本書は Windows Server 2019 記憶域スペースダイレクト構築ガイド で構築した環境を Windows Admin Center で管理および利用するための手順をまとめたものです S2D 環境の構築については別冊 Windows Server 2019 記憶域スペースダイレクト構築ガイ ド をご覧ください 本書の記述について 本書では 次のような表記規則に従って記述しています ボタンについては OK ボタンのように記述します ウィンドウについては サーバーマネージャー ウィンドウのように記述します 画面上の選択項目については 要素をかっこで括って表記します 大きな画面では 画面全体の左側を 左ペイン 中央を 中央ペイン 右側を 右ペイン と表記します ウィザードの画面遷移については 次へ ボタンをクリックするといった一般的に操作され るであろうボタンや項目の操作については省略しています 要件 Windows Admin Center をインストールするには 次のソフトウェアおよびハードウェアが必要で す Windows 10 もしくは Windows Server 2016/2019 Active Directory があり 各ノードはそれによって管理されていること 推奨 Windows Admin Center を利用するには 次のソフトウェアが必要です Microsoft Edge もしくは Google Chrome の安定最新版 Windows Admin Center は Windows Server ベースのシステムおよび Windows 10 の管理 できる Web ベースのアプリケーションです 任意のノードに Windows Admin Center をインストールして 対応する Web ブラウザーでアク セスして利用します 詳細については後述します 3

4 1. Windows Admin Center の概要 Windows Admin Center は Windows Server および Windows 10 を管理するためのブラウ ザーベースの GUI アプリケーションです 従来 Microsoft 管理コンソール MMC やリモートサーバー管理ツール RSAT で行ってきた サーバーの管理を Web ブラウザーで利用できます もちろん従来のツールも引き続き利用できま すので 状況に応じて最適なツールを利用して Windows プラットフォームの管理をすることがで きます 従来のサーバー管理は様々なツールを組み合わせて実施 Windows Admin Center は一つの画面に管理ツールを集約 4

5 2. Windows Admin Center の動作要件 以下 バージョン 時点の情報です 2-1 Windows Admin Center の動作要件 Windows Admin Center のサービス動作に必要な最小要件は次の通りです Windows 10 Windows Server 2016/ 管理ノードの動作要件 Windows Admin Center で管理するノードに必要な最小要件は次の通りです Windows Server 2019 Windows Server 2016 Windows Server 2012 および 2012 R2 Windows Server 2008 R2 一部機能のみ Windows 10 Microsoft Hyper-V Server 2012R2 および アクセスクライアントの動作要件 Windows Admin Center を利用するクライアントに必要な最小要件は次の通りです Microsoft Edge Google Chrome Mozilla Firefox 一部機能は非対応 Windows 10 LTSB や Windows Server では Edge は利用できません Chrome や Firefox を 利用する必要があります 5

6 現在開発中の Chromium 版 Microsoft Edge での動作について Windows 10 に現在開発中の Chromium 版 Microsoft Edge をインストールして Windows Admin Center を利用してみました Microsoft による正式なサポート表明は現時点でないものの 一通りの画面へのアクセスやノード への PowerShell コマンドレットの実行 リモートデスクトップアクセスなど実行してみましたが 問 題なく動作しているようにみえました サーバーマネージャーのリモートデスクトップで Windows Server 2019 にアクセスした例 6

7 3. Windows Admin Center のインストール Windows Admin Center をワークグループ環境で利用する場合やドメイン環境下でローカル管 理者の資格情報を使って認証する場合は TrustedHosts の構成が必要になります ドメイン環境下でドメイン管理者の資格情報を使う場合は TrustedHosts の構成は不要です 本 書は Active Directory 配下にあるノードを管理するのを前提としています 3-1 ダウンロード Windows Admin Center は公式サイトからダウンロード可能です 執筆日現在の最新バージョ ンは です Windows 10 へのセットアップ Windows Admin Center は Windows 10 および Windows Server 2016 以降のバージョン に導入できます 次の手順で Windows 10 にセットアップできます 1 ダウンロードした Windows Admin Center のインストーラーをダブルクリックすると セット アップウィザードが起動します 2 使用許諾契約書が表示されます 利用するには使用許諾契約書への同意が必要です 同意 します にチェックを入れて次へ進みます 7

8 3 Microsoft Update 利用の有無を選択します Windows Admin Center を実行するマシン がシングルクライアントの場合は Microsoft Update の利用を推奨します WSUS などでパッチ 管理を行っている場合は Microsoft Update を使用しません を選択して次へ進みます 4 Windows 10 にインストールする場合の説明が表示されます 読み終わったら次へ進みます 8

9 5 Windows Admin Center サイトを表示するためのポート デフォルトは 6516 と Windows Admin Center がホストの設定の変更を許可するか デスクトップにショートカットを作成するかを 設定します 準備ができたら インストール ボタンをクリックして Windows Admin Center のイ ンストールを開始します 6 最後の画面で 完了 ボタンをクリックすると セットアップ終了です セットアップウィザード終 了後に自動的に Windows Admin Center を開く オプションを利用することができます 7 初回アクセス時は Windows Admin Center に関する紹介 ツアー が表示されます 次へ ボタンをクリックするとツアーが開始されますが スキップも可能です 9

10 4. Windows Admin Center の利用 Windows Admin Center にブラウザーでアクセスすることで リモートマシンの操作や設定変更 が可能になります 早速 サーバーを登録して Windows Admin Center で管理できるようにセッ トアップしてみましょう 4-1 フェールオーバークラスターノードの登録 次の手順により フェールオーバークラスター を Windows Admin Center で管理できます 1 メニューから フェールオーバークラスターマネージャー をクリックします 2 フェールオーバークラスター接続 画面で + 追加 ボタンをクリックします 3 クラスター名を入力します 4 既存のクラスターが入力されるとクラスターが検出され クラスターに所属するサーバーも検 出されます 5 さらにクラスターにサーバーを追加 をチェックし 追加 ボタンをクリックします 4-2 ハイパーコンバージドクラスターノードの登録 次の手順により ハイパーコンバージドクラスター を Windows Admin Center で管理できます 1 メニューから ハイパーコンバージドクラスターマネージャー をクリックします 2 ハイパーコンバージドクラスター接続 画面で + 追加 ボタンをクリックします 3 クラスター名を入力します 4 既存のクラスターが入力されるとクラスターが検出され クラスターに所属するサーバーも検 出されます 5 さらにクラスターにサーバーを追加 をチェックし 追加 ボタンをクリックします 10

11 4-3 フェールオーバークラスターの管理 Windows Admin Center のフェールオーバークラスター マネージャーを使えば 主にシステム の可用性に関するクラスター状態の確認や 様々な設定変更が可能です クラスターで実行され ている 役割 によって 表示される項目は様々です 本例ではその一部を紹介します 概要 この画面では クラスター名や現在のホスト クラスターマスター リソースの正常稼働状態など が表示されます クラスターの検証や削除 クラスターリソースの開始や停止なども可能です 11

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13 4-3-2 ディスク この画面では クラスターで使用中のディスクや所有するノード 容量などが表示されます ネットワーク この画面では 現在クラスターネットワークが一覧表示されます ネットワークをクリックすると ノー ドごとのアダプターと IP アドレスなどの状態が表示されます 13

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15 4-3-4 ノード この画面では クラスターに所属するサーバーが一覧表示されます クラスターへのノードの追加 ノードの停止 再開などができます ノードを選んで 管理 をクリックすると サーバーマネージャー を開くことができ サーバー個別の設定をブラウザーから実行可能です 仮想スイッチ この画面では クラスターのノード毎に設定されている 仮想スイッチが一覧表示されます 仮想マシン この画面では クラスターで実行中の仮想マシンの性能 CPU メモリー パフォーマンス情報とし て IOPS 待機時間 スループットなど や電源の状態 仮想マシンのハードウェア情報 vcpu メ モリー OS のバージョンや稼働時間など が表示されます 15

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17 インベントリーを開くと 仮想マシン毎のリソース使用状況を確認したり 仮想マシンの設定変更や 操作ができます ブラウザーから仮想マシンへのリモートアクセス可能です Windows 仮想マシンの操作はもちろ んのこと Linux 仮想マシンの操作も可能になっています Windows 仮想マシンの場合は リモートデスクトップのための RDP ファイルをエクスポートできま す このファイルを使うと リモートデスクトップ専用クライアントを使って接続できます 17

18 4-3-7 更新プログラム この画面では クラスター対応更新 機能により クラスターに所属するノードのパッチ管理や更 新履歴の表示されます クラスター対応更新 は Windows Update と異なり 可用性が考慮されています アップデートの適用にサーバーの再起動が必要な場合は 仮想マシンなどのクラスターの役割は 中断を回避するために別のサーバーに移動されてからサーバーが再起動されます 役割 この画面では クラスターの役割一覧表示と 役割の設定変更などが可能です 役割一覧ではそ の役割に対してどのようなリソースが提供されているかや 現在の状態の確認 役割の開始と停止 が可能です 18

19 4-4 ハイパーコンバージドクラスターの管理 Admin Center のハイパーコンバージドクラスター マネージャーを使えば 主に HCI システムに 関するクラスター状態の確認や 様々な設定変更が可能です クラスターで実行されている 役 割 によって 表示される項目は様々です 本例ではその一部を紹介します ダッシュボード サーバー ドライブ 仮想マシンの正常稼働の有無とリソースの使用量を一覧表示できます 仮想マシン フェールオーバークラスターのツールと同様の画面が表示されます 仮想スイッチ フェールオーバークラスターのツールと同様の画面が表示されます サーバー クラスターに所属するサーバー全体の状態とリソースの使用状況を確認できます 19

20 インベントリー表示ではサーバー毎の状態とリソースの使用状況を確認できます ボリューム クラスターで使用中のディスクが表示されます 概要表示では４段階評価による ボリュームの状 態やアラートが表示されます インベントリー表示では ボリューム毎の状態や記憶域のサイズと使用量などを表示できます 20

21 4-4-6 ドライブ 概要表示ではドライブの状態を４段階評価による表示とアラートの表示 記憶域プールの状態が 表示されます インベントリー表示では ディスク毎の状態やシリアル番号 モデル番号 ディスクのサイズ クラス ターでの利用用途 接続しているノード 使用量などを確認できます 更新プログラム フェールオーバークラスターのツールと同様の画面が表示されます 診断 クラスターに関する問題をトラブルシュートするための情報を収集するためのツールのインストー ル 診断情報の収集 などを行うことができます 21

22 4-5 サーバーマネージャーをつかったノードの管理 Remote PowerShell を利用する Windows Admin Center のサーバーマネージャーでは Remote PowerShell 機能が使えます 通常 PowerShell で別のサーバーにアクセスするにはリモート管理の有効化 ファイアーウォール の設定 接続するサーバーのアカウント パスワードなどといった様々な設定変更やアカウント情報 が必要ですが シングルサインオンで目的のサーバーにアクセスできます 初回接続時はパスワードの入力を求められますが 以降は接続毎にパスワード入力を求められる ことなく アクセスできます イベントを確認する Windows でなんらかのトラブルが発生した時 状況の把握のために イベントビューアー を使っ てログを確認すると思います Windows Admin Center のイベントをクリックすると イベント ビューアーと同等の機能を有する画面を表示できます Windows ログやアプリケーションログなどを表示できます 22

23 4-5-3 サービスやプロセスの状態を確認する Windows Admin Center のサービスをクリックすると Windows のサービスの状態の確認と サービスの開始と終了 設定の変更が可能です Windows Admin Center のプロセスをクリックすると Windows 上のプロセスの状態の確認と プロセスの開始と終了が可能です 23

24 5. Windows Admin Center を使った高可用仮想マシンの作成 別冊 Windows Server 2019 記憶域スペースダイレクト構築ガイド では MMC 版のフェール オーバークラスターマネージャーを使って 高可用仮想マシンをセットアップしました ここでは同じ 作業を Windows Admin Center を使って作成する方法についてまとめます Windows Admin Center を使う場合でも基本的な流れは同一で S2D クラスターからストレー ジボリュームを役割用に確保し 仮想マシンを作成時に確保したボリュームを使う流れになります 5-1 ボリュームの作成 はじめに 高可用仮想マシンに割り当てるボリュームを作成します 1 サーバーマネージャーに切り替えます 2 次のような PowerShell コマンドレットを実行して ストレージプールからボリュームを確保しま す サイズは仮想マシンで利用したいサイズを指定します PS> New-Volume -FriendlyName "newvmdisk" -FileSystem CSVFS_ReFS -StoragePoolFriendlyName S2D* -Size 40GB 以上で ボリュームを作成できます 5-2 仮想マシンの作成 次に仮想マシンを Admin Center のウィザードを使って作成します 1 フェールオーバークラスター マネージャーに切り替えます 2 左ペインで 仮想マシン を選択します 3 右ペインで インベントリー を選択します 4 現在稼働中の仮想マシンが表示されます 5 + 新規 をクリックします 6 新しい仮想マシン ウィザードが右ペインに表示されます 7 仮想マシンに割り当てる 名前 ホスト パス ネットワーク vcpu メモリーサイズなどを適切な ものを設定します 8 パスとして C: ClusterStorage ディレクトリーの作成した Disk を選択します 9 記憶域 の +ディスクの追加 をクリックします 空の仮想ハードディスクを作成する を選び 今回の場合はサイズとして 40 を入力します 10 オペレーティングシステム は iso からオペレーティングシステムをインストールする を選 びます 高可用仮想マシンに OS をセットアップする際 ISO イメージもクラスターに所属するホス トの両方からアクセスできるパスにある必要があります 以上で 仮想マシンを作成できます 24

25 5-3 仮想マシンのセットアップ 作成した仮想マシンに OS をセットアップする前に ブートデバイスのブート順 の設定と セキュ アブート の設定を行います 最近のバージョンの Windows であれば セキュアブート の設定はデフォルトのままで動作します が Linux などを使う場合は デフォルトの設定から変更する必要があります 次の手順で設定を 行います 1 先の手順で作成した仮想マシンをクリックします 2 仮想マシンの概要画面が表示されます 3 詳細 をクリックして メニューから 設定 を選びます 4 仮想マシンの設定画面が開かれます 5 ブート順 を開き DVD > ハードディスク > ネットワークアダプター の順に変更します 6 セキュリティ を開き セキュアブートを設定します 設定が終わったら 閉じる ボタンをクリックし 仮想マシンの設定画面を閉じます 25

26 5-4 仮想マシンの OS のインストール ブートデバイスの設定 セキュアブートの設定を行なったら OS をインストールします 1 仮想マシンインベントリー画面で仮想マシンをクリックします 2 開始 をクリックします 仮想マシンが起動します 3 詳細 をクリックして メニューから 接続 を選びます 4 XXX により提示された証明書を使用して接続しますか? ダイアログに対して 接続 ボタンを クリックします 5 リモート デスクトップ接続用の資格情報の入力 が表示されます AD ドメイン管理者のユー ザー名とパスワードを入力します 6 ブートデバイスのブート順 と セキュアブート の設定が適切であると ISO イメージを使った セットアップが可能です 左:openSUSE 15 Leap 右:Windows Server 2019 この後は画面指示に従って OS をインストールします 26