臨床とウイルス

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1 資 料 - おたふくかぜワクチンに 関 するファクトシート ( 平 成 年 月 日 版 ) 国 立 感 染 症 研 究 所

2 目 次 1. 対 象 疾 患 の 基 本 的 知 見 (1) 疾 患 の 特 性 1 臨 床 症 状 等 不 顕 性 感 染 鑑 別 を 要 する 他 の 疾 患 検 査 法 治 療 法 予 防 法 () 我 が 国 の 疫 学 状 況 1 患 者 数 報 告 重 症 者 数 死 亡 者 数. 予 防 接 種 の 目 的 と 導 入 により 期 待 される 効 果 (1) 感 染 症 対 策 としての 観 点 () 公 共 経 済 学 的 な 観 点 () 諸 外 国 等 の 状 況.ワクチン 製 剤 の 現 状 と 安 全 性 (1)おたふくかぜワクチンの 種 類 等 1 わが 国 の 主 なおたふくかぜワクチン 諸 外 国 のおたふくかぜワクチン 開 発 の 歴 史 わが 国 のおたくふかぜワクチン 開 発 の 歴 史 わが 国 における 新 規 おたふくかぜワクチン 開 発 の 動 きについて ()おたふくかぜワクチンの 特 性 1 諸 外 国 のワクチンの 有 効 性 わが 国 のワクチンの 有 効 性 ワクチンの 剤 型 および 接 種 回 数 ()おたふくかぜワクチンの 副 反 応 1 諸 外 国 のワクチンの 副 反 応 わが 国 のワクチンの 副 反 応 () 国 産 おたふくかぜワクチンの 問 題 点 () 海 外 おたふくかぜワクチンの 問 題 点 1 1 ワクチンの 免 疫 持 続 期 間 について 海 外 おたふくかぜワクチンの 輸 入 と 問 題 点 () 需 要 と 供 給 の 見 込 み 1 1 供 給 について 需 要 について 1

3 １ 対象疾患の基本的知見 １ 対象疾患の特性 ① 臨床症状等 おたふくかぜ(流行性耳下腺炎 ムンプス)はムンプスウイルスによる感 染症である 基本的な感染経路は唾液を介した飛沫によるヒト-ヒト間の感 染である 耳下腺腫脹の 日前~ 日後までの間に唾液中へのウイルスの排 泄があり 感染源となる 尿中にもウイルスは排泄されるので 感染源と なりうる 1) 感染から発症までの潜伏期間は ~ 日 ピークは ~ 日で ある ウイルスは上気道粘膜や頸部の局所リンパ節で増殖後 一次ウイル ス血症を経て唾液腺 髄膜 膵臓 睾丸 卵巣 甲状腺 腎臓 中枢神経 組織などに到達し そこで増殖して全身的な二次感染を起こし 臨床症状 や合併症をひきおこす(表 1) 主に発熱と耳下腺の腫脹と疼痚をもって発症するのでおたふくかぜ 流 行性耳下腺炎と呼ばれている 耳下腺腫脹は発症後 1~ 日でピークとなり その後 ~ 日かけて消退する(図 1) 腫脹部位に疼痚があり 唾液分泌によ り疼痚が増強する 発熱は１~ 日間続く 頭痚 倦怠感 食欲低下 筋肉 痚 頚部痚を伴う事がある ) 思春期以降になって初めてムンプスウイルスに感染すると睾丸炎 (~0%)や卵巣炎 (%)の合併頻度が高くなる 睾丸炎を合併した患者には 様々な程度の睾丸萎縮を伴い 精子数は減尐するが 不妊症の原因となるの はまれである 合併症としての無菌性髄膜炎(1~%)は一般に予後良好であ るが ムンプス脳炎(0.~0.0%)やムンプス難聴 (0.~0.01%)の場合は予後不 良である ) ムンプス難聴は片側性の場合が多いが 時に両側難聴となり 人工内耳埋込術等が必要となる場合もある ムンプス難聴の発生頻度は従来 ムンプス脳炎と同程度とされていたが それよりも高く数百人に 1 人の割合 表 1 自然感染の症状とワクチンの合併症 ) 図 1 おたふくかぜの臨床症状 臨床症状 腺組織 耳下腺腫脹 顎下腺腫脹 睾丸炎 卵巣炎 膵炎 耳下腺 舌下腺 体温 0 顎下腺 耳下腺の腫れ ワクチン(%) 0~0 ~0 0. ほとんどなし ほとんどなし ほとんどなし 神経組織 髄液細胞増多症 無菌性髄膜炎 ムンプス脳炎 ムンプス難聴 0 1~ 0.0~ ~0. 不明 0.1~ 不明 その他 腎機能低下 心電図異常 0 ~1 不明 不明 無菌性髄膜炎 まれに 耳下腺の痛み ムンプス脳炎 ムンプス難聴 自然感染(%) 潜伏期 0 1 頭痛 食欲低下 倦怠感 筋肉痛 頸部痛 思春期以降 睾丸炎 卵巣炎 乳腺炎

4 とも 言 われている,,,) 無 菌 性 髄 膜 炎 及 びムンプス 脳 炎 の 発 生 頻 度 は 女 性 より 男 性 の 方 が 高 い 妊 娠 ヶ 月 期 ( 第 一 三 半 期 )までの 妊 婦 が 感 染 すると 流 産 の 危 険 率 が 高 くなるが 胎 児 への 催 奇 形 性 は 報 告 されていない 不 顕 性 感 染 各 症 状 ( 表 1)は 必 発 症 状 ではなく 無 菌 性 髄 膜 炎 (1~%) 睾 丸 炎 膵 炎 などを 主 徴 とする 場 合 もある 歳 以 下 の 顕 性 感 染 の 場 合 約 %は 発 熱 が なく 耳 下 腺 等 の 腫 脹 のみで 経 過 する 全 年 齢 を 平 均 化 した 不 顕 性 感 染 率 は 約 0%であるが 乳 児 に 多 く 年 齢 と 共 に 不 顕 性 感 染 率 が 低 下 し 腫 脹 期 間 が 長 くなる 傾 向 がある 1) 不 顕 性 感 染 例 も 唾 液 中 にウイルスを 排 泄 してお り 感 染 源 になる ) 鑑 別 を 要 する 他 の 疾 患 おたふくかぜ 流 行 時 に 片 側 もしくは 両 側 の 耳 下 腺 腫 脹 を 呈 するような 典 型 例 の 場 合 には 臨 床 診 断 が 容 易 であるが 非 流 行 時 の 急 性 耳 下 腺 腫 脹 で は 反 復 性 耳 下 腺 炎 急 性 化 膿 性 耳 下 腺 炎 頸 部 リンパ 節 炎 唾 石 症 また は コクサッキーウイルス パラインフルエンザウイルス1 型 型 EB ウイルス( 伝 染 性 単 核 症 )などの 感 染 による 場 合 もあり 診 断 は 容 易 ではない また 耳 下 腺 腫 脹 を 伴 わない 無 菌 性 髄 膜 炎 睾 丸 炎 卵 巣 炎 甲 状 腺 炎 腎 炎 感 音 性 難 聴 などの 病 因 として 周 囲 の 流 行 状 況 からムンプスウイルス 感 染 が 疑 われる 場 合 もある ) 検 査 法 (ア) 血 清 学 的 検 査 法 表. ムンプスウイルス 血 清 学 的 検 査 法 診 断 方 法 機 材 手 技 感 度 補 体 結 合 (CF) 試 験 補 体 やや 煩 雑 低 い 感 作 赤 血 球 赤 血 球 凝 集 抑 制 (HI) 試 験 ムンプスウイルス 容 易 やや 低 い モルモット 赤 血 球 ウイルス 中 和 (NT) 試 験 ムンプスウイルス 煩 雑 高 い 培 養 細 胞 ELISA 試 験 市 販 キット 読 取 り 装 置 容 易 高 い 補 体 結 合 (CF) 試 験 法 赤 血 球 凝 集 抑 制 (HI) 試 験 法 ウイルス 中 和 試 験 (NT) 法 酵 素 抗 体 (ELISA) 法 等 の 方 法 があり それぞれ 長 所 短 所 を 持 つ( 表 ) ウイルス 中 和 試 験 (NT) 法 は 感 度 特 異 性 ともに 最 も 優 れた 方 法 であ る ) しかし 細 胞 培 養 を 必 要 とし 煩 雑 で 時 間 を 要 することから 大 量 に 検 査 する 場 合 には 有 用 ではない 過 去 の 感 染 歴 を 判 断 する 上 では 血 清 抗 体 価 がHI 法 で 倍 以 上 CF NT 法 で 倍 以 上 であればムンプスウイル スの 感 染 既 往 があると 判 断 できる ただし これらの 方 法 で 抗 体 陰 性 で

5 あっても 感 染 既 往 が 無 いとは 言 えない 感 染 既 往 があるかどうかの 判 断 には HI 法 やCF 法 よりも 次 に 述 べるELISA 法 が 有 用 である 急 性 期 の 血 清 と~ 週 間 程 度 の 間 隔 をあけて 採 取 した 回 復 期 の 血 清 (ペア 血 清 )でHI CF NT 抗 体 価 を 測 定 するとき 倍 ( 管 ) 以 上 の 上 昇 があればムンプスウ イルスの 感 染 を 受 けたと 判 断 できる ) ELISA 法 は IgM 抗 体 とIgG 抗 体 を 測 定 するキットが 複 数 市 販 されている 陰 性 陽 性 を 決 めるカットオフ 値 の 設 定 に 曖 昧 な 点 があること 異 なるキット 間 での 測 定 数 値 の 比 較 が できないことなどの 問 題 点 はあるものの 準 備 に 手 間 を 取 られず 手 技 の 容 易 さから 近 年 は 汎 用 されている 一 般 的 に 急 性 期 のIgM 抗 体 を 検 出 す るか ペア 血 清 でIgG 抗 体 価 の 倍 以 上 の 上 昇 をもっておたふくかぜと 診 断 される 1) (イ)ウイルス 学 的 検 査 法 ムンプスウイルスは1 本 鎖 マイナス RNA をゲノムとして 持 つパラ ミクソウイルス 科 ルブラウイルス 属 のウイルスである Vero 細 胞 などが ムンプスウイルスに 感 受 性 を 示 し 感 染 により 融 合 細 胞 が 見 られる こ の 様 な 細 胞 変 性 効 果 (CPE)は ウイルスの 株 毎 に 異 なるため 不 明 瞭 な 場 合 には 0.%モルモット 赤 血 球 を 細 胞 表 面 に 重 層 し 細 胞 の 赤 血 球 吸 着 (HAD) 能 を 確 かめる CPE 又 は HAD 陰 性 の 場 合 は 培 養 上 清 を 再 び 別 の 細 胞 に 接 種 し 継 代 しても HAD 陰 性 の 場 合 は 検 体 中 にムンプスウイル スは 含 まれていないと 判 断 する ムンプスウイルスの 同 定 試 験 としては RT-PCR によるウイルス 遺 伝 子 検 ) 出 法 抗 ムンプスウイルス 血 清 を 使 用 して 中 和 指 数 を 出 す 方 法 ある いは 組 織 免 疫 染 色 により 感 染 細 胞 のウイルス 抗 原 を 検 出 する 方 法 などあ り いずれかでも 陽 性 の 場 合 は 検 体 中 にムンプスウイルスが 含 まれて いると 判 断 する ムンプスウイルス 遺 伝 子 のうち 最 も 小 さい SH 遺 伝 子 ( 塩 基 )は 多 型 性 に 富 んでおり ) その 塩 基 配 列 を 元 にして 年 現 在 で A から M まで 1 種 類 の 遺 伝 子 型 が 報 告 されている (ウ) 生 化 学 検 査 法 血 液 と 尿 中 には S P と SP 型 の 三 種 類 のアミラーゼアイソザイムが 存 在 する S は 唾 液 腺 型 P は 膵 臓 型 で SP はどちらにも 共 通 の 型 である ムンプスウイルス 感 染 により 唾 液 腺 腫 脹 をきたすと S 型 アミラーゼが 顕 著 に 上 昇 し 正 常 値 に 戻 るには ~ 週 間 を 要 する ムンプスウイルス 感 染 により まれに 膵 炎 を 併 発 することがあり この 場 合 には P 型 アミ ラーゼも 正 常 値 より 上 昇 する 血 清 中 アミラーゼは 新 生 児 ではほとん ど 認 められないが 年 齢 とともに 上 昇 し ~ 歳 でほぼ 成 人 の 値 に 達 する 正 常 成 人 の 血 清 中 の 総 アミラーゼの 基 準 値 (IU/l)は 0~0 尿 中 の 総 ア ミラーゼは 0~0 である また 血 清 中 に 含 まれるアミラーゼは S 型 が ~% P 型 が 1~% 尿 中 に 含 まれるアミラーゼは S 型 が ~% P 型 が 1~%である これらの 基 準 値 及 び S 型 の 割 合 が 増 えたときには 頸 部 リンパ 節 炎 との 識 別 が 可 能 である )

6 治 療 法 おたふくかぜに 特 異 的 な 治 療 法 はなく もっぱら 発 症 後 に 解 熱 鎮 痚 剤 な どの 対 症 療 法 が 行 われる 首 やほかの 腫 脹 箇 所 を 冷 やしたり 温 めたりするこ とで 症 状 が 軽 減 される 場 合 もある 無 菌 性 髄 膜 炎 や 睾 丸 炎 等 合 併 症 を 併 発 した 場 合 には 入 院 加 療 を 行 う 場 合 が 多 い 予 防 法 ムンプスには 不 顕 性 感 染 があり 発 症 者 の 隔 離 では 流 行 を 阻 止 すること ができない ムンプスウイルスの 曝 露 を 受 ける 前 に 発 症 予 防 効 果 のある 生 ワクチンの 接 種 を 受 けて 免 疫 を 獲 得 しておくことが 唯 一 有 効 な 手 段 である 多 くの 先 進 国 では 回 の 定 期 接 種 が 行 われている ムンプスはヒト 以 外 に 宿 主 がないため ワクチンの 徹 底 により 撲 滅 可 能 な 疾 患 である ()わが 国 の 疫 学 情 報 図. 定 点 あたりの 流 行 性 耳 下 腺 炎 (おたふくかぜ) 患 者 報 告 数 1 患 者 報 告 数 1 年 1 年 1 年 と ~ 年 周 期 で 全 国 規 模 の 流 行 が 起 きてい たが 麻 しんワクチンの 定 期 接 種 時 に MMR( 麻 しん おたふくかぜ 風 疹 )ワクチン( 後 述 )を 選 択 することが 可 能 とな 図. 流 行 性 耳 下 腺 炎 (おたふくかぜ) 患 者 の 年 齢 別 分 布 った 1 年 より 1 年 の 間 は ~ 年 周 期 の 山 が 認 められなかった MMR ワクチン 見 合 わせ 後 の 1 年 後 半 から 1 年 1 年 から 1 年 には 再 び 小 さな 流 行 が 見 ら れ 01 年 から 0 年 には MMR ワクチンが 定 期 接 種 利 用 される 前 に 見 られたのと 同 程 度 の 流 行 が 見 られた おたふくかぜの 年 間 推 定 患 者 数 は 0~0 年 における 全 国 年 間 罹 患 数 の 推 計 値 [% 信 頼 区 間 ] によると 患 者 報 告 数 が 多 かった 0 年 で 1. 万 人 [.~1.0 万 人 ] 最 も 尐 なかった 0 年 は.1 万 人 [.~0. 万 人 ]と 推 定 された ) かつてはおたふくかぜの 流 行 は 初 めて 集 団 生 活 に 入 る 入 園 入 学 後 の 春 に 多 く 夏 休 みのある 夏 に 尐 ない 傾 向 があった しかし 近 年 は 季 節 性 が あまりなくなっている 患 者 の 年 齢 は 0 歳 では 尐 なく 年 齢 とともに 増 加 し 歳 歳 でピークに 達 し それ 以 降 は 減 尐 する( 図 ) ~ 歳 で 全 患 者 数 の 約 0 %を 占 める

7 重 症 者 数 死 亡 者 数 おたふくかぜ 患 者 が 重 症 化 あるいは 死 に 至 ることはまれとされている が ) 全 国 約,000 の 内 科 泌 尿 器 科 皮 膚 泌 尿 器 科 皮 膚 科 小 児 科 産 科 産 婦 人 科 耳 鼻 咽 喉 科 を 対 象 としたアンケート 調 査 によると 0 年 1 年 間 に 回 収 率 0.%の 時 点 で 1, 人 の 入 院 例 が 報 告 された 1) 合 併 症 併 発 した 入 院 例 はおたふくかぜ 年 齢 別 罹 患 率 と 一 致 して 歳 をピ ークとしていた 診 療 科 は 分 の を 小 児 科 が 占 めたが 次 いで 多 かったの が 泌 尿 器 科 で 内 科 耳 鼻 咽 喉 科 産 婦 人 科 が 続 いた 合 併 症 として 最 も 多 く 報 告 されたのは 髄 膜 炎 で 次 いで 睾 丸 炎 熱 性 痙 攣 難 聴 内 耳 炎 内 耳 障 害 経 口 摂 取 不 良 脱 水 膵 炎 副 睾 丸 炎 喉 頭 浮 腫 呼 吸 困 難 髄 膜 脳 炎 脊 髄 炎 等 の 重 症 の 合 併 症 例 が 報 告 された 同 時 におたふくかぜワクチン による 副 反 応 で 入 院 加 療 した 症 例 も 調 査 したが 報 告 数 は 0 年 1 年 間 に 回 収 率 0. %の 時 点 で 人 であった 1) 0 年 も 同 じ 医 療 機 関 に 対 して 同 様 の 全 国 調 査 を 実 施 したが 回 収 率. %の 時 点 で 歳 をピークとして,0 人 のおたふくかぜに 関 連 した 入 院 例 が 報 告 された 回 収 割 合 から 全 国 でおよそ,000 の 入 院 例 があったと 推 察 された 合 併 症 の 種 類 は 第 1 位 が 髄 膜 炎 位 が 睾 丸 炎 位 熱 性 痙 攣 位 難 聴 内 耳 炎 内 耳 障 害 位 膵 炎 であった 入 院 理 由 は 0 年 と 0 年 どちらも 合 併 症 併 発 が 最 も 多 かった 年 間 の 調 査 で 死 亡 例 は 報 告 さ れなかった 1). 予 防 接 種 の 目 的 と 導 入 により 期 待 される 効 果 (1) 感 染 症 対 策 としての 観 点 本 疾 病 は 類 感 染 症 定 点 把 握 疾 患 に 定 められている 飛 沫 による 気 道 感 染 のためヒト-ヒト 間 の 伝 搬 力 は 比 較 的 強 く( 基 本 再 生 産 数 ~1) 容 易 に 家 族 内 感 染 施 設 内 感 染 を 起 こす 発 症 者 の 多 くが 特 異 的 な 治 療 を 施 さなくても 自 然 に 治 癒 軽 快 することもあり 深 刻 な 健 康 被 害 を 被 った 症 例 の 存 在 が 一 般 に 認 知 されていない しかしながら ムンプス 脳 炎 やムンプス 難 聴 などの 重 篤 な 合 併 症 がまれならず 存 在 する ヒト 以 外 にムンプスウイルスの 自 然 宿 主 が 存 在 せず 生 ワクチンによる 感 染 防 御 効 果 が 高 い 感 染 症 である おたふく かぜワクチンは 積 極 的 に 使 用 すべきとするのが 世 界 の 趨 勢 であり WHO はお たふくかぜを 撲 滅 可 能 な 疾 病 としてリストしている 1,1) ところが わが 国 のワクチン 接 種 率 は 0% 程 度 であり およそ 年 に 一 度 の 全 国 規 模 の 流 行 を 今 も 繰 り 返 している () 公 共 経 済 学 的 な 観 点 本 疾 病 は 学 校 保 健 安 全 法 で 第 二 種 の 感 染 症 に 属 し 耳 下 腺 腫 脹 が 消 失 する まで 学 校 への 出 席 を 停 止 とすることが 定 められている なお 近 年 米 国 では 唾 液 に 含 まれ 不 ウイルス 量 の 検 討 から 学 校 への 出 席 停 止 期 間 を 腫 脹 日 後 までとしている そのため 病 気 による 経 済 的 損 失 として 治 療 費 の 他 に 家 族 が 看 病 等 で 仕 事 を 休 まざるを 得 ない 事 態 も 考 慮 しなければならない 弱 毒 生

8 ワクチンの 接 種 費 用 を 1 としたときに 罹 患 し た 際 に 生 じる 損 失 を 数 字 で 表 す benefit-cost ( 費 用 対 効 果 ) 比 は オース トリアでは. イスラ エルでは. アメリカ では. と 報 告 され ワ クチンの 使 用 が 経 費 節 減 に 有 効 であることが 示 されている 1,1) 国 内 における 大 日 らによ る 試 算 において 後 遺 症 死 亡 例 の 情 報 を 検 討 に 加 えた 上 で 予 防 接 種 費 用 を,000 円 とすると 定 期 接 種 化 することに よる 費 用 対 効 果 は. で あり 諸 外 国 と 同 様 に 高 い ) 表. 世 界 のおたふくかぜワクチン 定 期 接 種 回 数 地 域 国 数 1 回 接 種 回 接 種 使 用 国 アフリカ 0 (%) 南 北 アメリカ 1 (0%) 東 地 中 海 (%) ヨーロッパ 1 (0%) 東 南 アジア 0 (%) 西 太 平 洋 1 (1%) 全 体 1 1 (1%) (WHO Vaccine Preventable Diseases Monitoring System 0 よ り) 図. おたふくかぜワクチン 定 期 接 種 国 (WHO Vaccine Preventable Diseases Monitoring System 0 より) () 諸 外 国 等 の 状 況 おたふくかぜは 前 世 紀 では 世 界 中 で 見 られる 病 気 であった 米 国 では 1 年 からワクチンの 使 用 が 始 まり 1 年 からは 1 歳 以 上 の 幼 児 の 定 期 接 種 に 組 み 入 れられ 国 内 のおたふくかぜの 発 生 件 数 は 順 調 に 減 った 1 年 から 1 年 に 起 きた 流 行 を 契 機 として ワクチンの 回 接 種 が 実 施 されるように なり 今 世 紀 に 入 ってからの 患 者 数 は 年 間 00 例 以 下 で しかもヒトからヒ トへの 伝 播 はせいぜい ~ 回 で 終 息 する 程 度 の 散 発 的 なものに 抑 えこむ 迄 に 成 功 した ) 1 年 から 1 年 間 MMR ワクチンを 使 用 したフィンランドでは 1 年 に 国 内 発 生 件 数 0 を 達 成 した 1) 0 年 時 点 世 界 1 ヵ 国 で 麻 疹 風 疹 おたふくかぜ 混 合 (MMR) 生 ワク チンなどの 定 期 接 種 が 行 なわれる 様 になり ほとんどの 国 で 回 接 種 が 行 わ れている( 表 ) それにともない 世 界 的 におたふくかぜの 発 生 件 数 は 激 減 して おり おたふくかぜの 流 行 を 繰 り 返 しているのはエジプト リビア 以 外 のア フリカ 諸 国 と 日 本 を 含 む 東 アジア 地 域 の 一 部 の 国 だけに 限 られてきつつある ( 図 ) )

9 ワクチン 表. わが 国 の 主 なおたふくかぜワクチン 武 田 薬 品 工 業 北 里 研 究 所 阪 大 微 生 物 病 研 究 会 化 学 及 血 清 療 法 研 究 所 単 味 MMR 単 味 MMR 単 味 MMR 単 味 M-M-R TM II ムンプス Torii Torii Hoshino-L Hoshino-L Urabe AM Urabe AM Miyahara Jeryl-Lynn 麻 しん Edmonston Schwarz FF Edmonston AIK-C Tanabe Edmoston Enders 風 しん To- Takahashi Matsuura Wistar RA / 備 考 1 年 月 日 承 認 書 返 納 0 年 月 1 日 承 認 書 返 納 中 止 中 中 止 中 休 止 中 Merck Sharp & Dohme 製 品 輸 入 申 請 中.ワクチン 製 剤 の 現 状 と 安 全 性 (1)おたふくかぜワクチンの 種 類 等 1 わが 国 の 主 なおたふくかぜワクチン 年 現 在 わが 国 で 製 造 承 認 を 受 けているおたふくかぜワクチンには 武 田 薬 品 工 業 株 式 会 社 ( 以 下 武 田 ) 学 校 法 人 北 里 研 究 所 ( 以 下 北 里 )と 財 団 法 人 化 学 及 血 清 療 法 研 究 所 ( 以 下 化 血 研 )の 製 剤 がある それに 加 え て 化 血 研 は Merck Sharp & Dohme 社 の MMR ワクチン(M-M-R TM II)の 輸 入 販 売 を 申 請 中 である( 表 ) 国 産 MMR ワクチンは 武 田 北 里 財 団 法 人 阪 大 微 生 物 病 研 究 会 ( 以 下 微 研 会 )が 承 認 を 得 て 1 年 から 利 用 された しかし 副 反 応 の 項 で 説 明 す る 無 菌 性 髄 膜 炎 の 発 生 頻 度 の 問 題 から 1 年 以 降 は 利 用 が 中 止 され そ の 後 武 田 と 北 里 は 承 認 書 を 返 納 した 微 研 会 の 単 味 及 び MMR ワクチン は 後 述 する 品 質 管 理 上 の 理 由 により 製 造 が 中 止 されている そのため 現 在 はおたふくかぜ 単 味 ワクチンのみが 任 意 接 種 用 ワクチンとして 年 間 にお よそ 0 万 ドーズが 出 荷 されているにすぎない 諸 外 国 のおたふくか ぜワクチン 開 発 の 歴 史 世 界 最 初 の 生 ワクチ ン 株 は Hillemann らに よって 開 発 された Jeryl-Lynn 株 である( 表 ) この 株 は 1 年 アメリ カで 承 認 され 世 界 で 最 も 広 く 用 いられているワ クチン 株 となっている 商 業 的 にも 成 功 した Jeryl-Lynn 株 をさらにプ ラッククローニングした ものは RIT 株 と 呼 表. 世 界 のおたふくかせ 生 ワクチン 株 ワクチン 株 遺 伝 子 型 製 造 国 使 用 細 胞 Jery-Lynn A 米 国 英 国 ニワトリ 胚 RIT- A 米 国 英 国 ニワトリ 胚 Rubini A スイス MRC- Urabe-AM B 日 本 ニワトリ 胚 Torii B 日 本 ニワトリ 胚 Hoshino-L B 日 本 ニワトリ 胚 Miyahara B 日 本 ニワトリ 胚 NK M- B 日 本 ニワトリ 胚 Leningrad- D ロシア ニワトリ 胚 L-Zagreb D クロアチア ウズラ 胚 Sofia- 不 明 ブルガリア モルモット 腎 S- H イラン MRC- BBM- H スイス MRC-

10 ばれている 一 方 旧 ソ 連 邦 では 1 年 に Smorodintrev らによって Leningrad- 株 が 開 発 されている クロアチア 及 び 旧 ユーゴスラビアでは Leningrad- 株 から 派 生 した L-Zagreb 株 が 1 年 以 降 用 いられている これ らの 株 は おたふくかぜ 患 者 から 分 離 した 株 をニワトリあるいはウズラ 初 代 胚 細 胞 に 継 代 して 作 られたものである この 他 に スイスではヒト 二 倍 体 細 胞 で 分 離 後 ニワトリ 初 代 胚 細 胞 で 継 代 し 再 びヒト 二 倍 体 細 胞 に 馴 化 した Rubini 株 が 1 年 以 降 用 いられた また 年 イランではおたふくか ぜ 患 者 からアフリカミドリザルの 腎 細 胞 で 分 離 した 株 をヒト 二 倍 体 細 胞 に 馴 化 した S- 株 が 開 発 されている 1,1) わが 国 のおたふくかぜワクチン 開 発 の 歴 史 わが 国 では 1 年 にムンプスワクチン 研 究 会 が 発 足 し いくつかの 試 作 ワクチンが 検 討 された 1) ヒト 胎 児 腎 細 胞 を 用 いて 患 者 より 分 離 後 アフ リカミドリザル 腎 細 胞 で 継 代 し さらに 発 育 鶏 卵 羊 膜 腔 (Am)を 経 てニワト リ 胚 細 胞 に 馴 化 させたのが Urabe-AM 株 ( 表 )である 発 育 鶏 卵 羊 膜 腔 で 分 離 後 牛 腎 細 胞 に 継 代 し ニワトリ 胚 細 胞 に 馴 化 させたのが Torii 株 ) 発 育 鶏 卵 羊 膜 腔 で 分 離 後 低 温 のニワトリ 胚 細 胞 に 馴 化 させたのが Hoshino-L 株 1) アフリカミドリザル 腎 細 胞 を 用 いて 分 離 後 ニワトリ 胚 ) 細 胞 に 馴 化 させたのが Miyahara 株 アフリカミドリザル 腎 細 胞 を 用 いて 分 離 し ニワトリ 胚 細 胞 とカニクイザル 腎 細 胞 で 継 代 後 再 びニワトリ 胚 細 胞 に 馴 化 させたのが NK-M 株 である ) わが 国 における 新 規 おたふくかぜワクチン 開 発 の 動 きについて 1 年 に 国 産 MMR ワクチンの 定 期 接 種 が 中 止 されて 以 降, 新 規 おたふく かぜワクチン 開 発 の 試 みもある 微 研 会 は Urabe-AM 株 から 新 たにウイル スクローニングを 行 い 承 認 申 請 段 階 から 再 スタートする 動 きを 見 せてい る また 千 葉 県 血 清 研 究 所 ( 以 下 千 葉 血 )では 新 たに 野 外 分 離 株 から 温 度 感 受 性 を 指 標 に 弱 毒 株 Y 株 を 作 出 し 動 物 実 験 レベルでは 有 望 な 結 果 を 得 ている ) ()おたふくかぜワクチンの 特 性 1 諸 外 国 のワクチンの 有 効 性 既 に 世 界 ヶ 国 に 供 給 され 億 ドース 以 上 の 接 種 実 績 をもっている Jeryl-Lynn 株 を 単 味 ワクチン 一 回 接 種 した 場 合 に 有 意 な 抗 体 上 昇 が 期 待 で きる 割 合 ( 抗 体 陽 転 率 )は 0~0% 一 方 MMR ワクチンとして 接 種 した 場 合 の 抗 体 陽 転 率 の 平 均 値 は 単 味 ワクチン 接 種 より 若 干 低 下 し %にな ると 報 告 されている 二 回 接 種 にした 場 合 には 平 均 抗 体 陽 転 率 は %に 上 昇 する おたふくかぜワクチン 接 種 後 に おたふくかぜを 発 生 した 患 者 (ワ クチン 不 全 :VF)の 調 査 より ワクチン 接 種 による 防 御 効 果 は ~1%と 見 積 もられている 1,) ロシアで 用 いられている Leningrad- 株 の 抗 体 陽 転 率 は ~%であり ワクチンの 有 効 性 は ~%と 見 積 もられている クロアチア スロベニア

11 Sofia- RIT- Jeryl-Lynn Lenigrad- L-Zagreb Urabe-AM インドで 用 いられている L-Zagreb 株 は Leningrad- 株 とほぼ 同 等 で 抗 体 陽 転 率 は ~0%であり ワクチンの 有 効 性 は ~0%とされている ) スイスで 開 発 された Rubini 株 は 抗 体 陽 転 率 は %とされ ヒト 由 来 培 養 細 胞 を 使 う 点 で 他 のワクチンに 比 べて 品 質 管 理 上 の 利 点 があるため 多 く の 国 々で 使 われた しかし ワクチン 接 種 後 におたふくかぜに 罹 患 する 例 (VF)が 多 発 し その 後 の 調 査 でワクチンの 有 効 性 が.%あるいは.% と 報 告 されるに 至 った ) 現 在 では 過 剰 に 弱 毒 化 された 株 と 考 えられ ワ クチンとして 用 いられなくなった イランで 開 発 されたヒト 由 来 培 養 細 胞 (MRC-)を 使 う S- 株 の 抗 体 陽 転 率 は 1~ 歳 児 及 び 大 人 のボランティアで %と 報 告 されている ) S- 株 からスイスで 作 られた BBM- 株 は Rubini 株 と 置 き 換 えた MMR ワク チンとして 試 験 利 用 された ~ ヶ 月 児 に 接 種 した 場 合 の 平 均 抗 体 陽 転 率 は 中 和 抗 体 価 で %になり Jeryl-Lynn 株 と 同 等 と 報 告 された ) しかし その 後 の 試 験 で Jeryl-Lynn 株 に 対 する 優 位 性 が 乏 しいとの 理 由 で 開 発 が 中 止 された わが 国 のワクチンの 有 効 性 わが 国 で 開 発 され 承 認 された Urabe-AM 株 Torii 株 Hoshino-L 株 Miyahara 株 NK-M 株 は いずれもほぼ 同 様 の 性 状 を 示 す,1.,,) 抗 体 陽 転 率 は ~ ヶ 月 児 で ~0%になる 英 国 とカナダで 行 われた 調 査 結 果 では Urabe-AM 株 を MMR ワクチンとして 接 種 した 場 合 の 平 均 抗 体 陽 転 率 はそれぞれ %と %となり Jeryl-Lynn 株 を MMR ワクチンとして 用 いた 場 合 の 1%と %よりもよい 成 績 が 得 られている 1) ワクチンの 剤 型 および 接 種 回 数 おたふくかぜワクチンは 単 味 MM( 麻 しん おたふくかぜ 混 合 ) MMR( 麻 しん おたふくかぜ 風 疹 混 合 )ワクチンに 加 え Merck Sharp & Dohme 社 は MMR に 微 研 会 から 輸 入 し ライセンス 生 産 した 水 痘 ワクチンを 加 えた MMRV 種 混 合 ワクチンを 製 品 化 し 欧 米 で 用 いられている 0,1,,,,) WHO は MMR ワクチンによるおたふくか ぜの 予 防 効 果 は1 回 接 種 では 十 分 では 無 く 回 接 種 を 奨 励 している 1) MMR ワクチン 00 頻 度 を 小 児 の 定 期 接 種 用 に 導 入 している 国 々の 0 ほとんどは 回 接 種 を 導 入 している( 表 ) 近 年 MMR ワクチンの 回 目 接 種 率 が 0%を 上 回 る 地 域 においても 青 年 層 におた 1 ふくかぜの 発 生 があり 欧 米 の 一 部 では 回 接 種 を 奨 励 している 地 域 もある ) 回 接 種 0.1 を 実 施 したオランダの 事 例 では 再 感 染 が 尐 ないことが 報 告 されている ) 0.01 回 接 種 を = 採 用 した 時 の 費 用 対 効 果 比 の 解 析 はまだ 無 い 図. 万 人 あたりの 無 菌 性 髄 膜 炎 発 生

12 ()おたふくかぜワクチンの 副 反 応 1 諸 外 国 のワクチンの 副 反 応 おたふくかぜワクチンの 軽 度 な 副 反 応 として 接 種 後 時 間 以 内 の 接 種 部 位 の 痚 みがある これらのほとんどは 一 過 性 で 何 も 処 置 をしなくても 消 失 する また 接 種 後 ~1 日 後 に 微 熱 あるいは 軽 度 の 耳 下 腺 腫 脹 を 呈 す る 場 合 があるが(1~%) 特 に 治 療 を 必 要 とすることはない,) この 他 に 頻 度 は 高 くないが 発 疹 痒 みあるいは 紫 斑 が 現 れることもある(1% 以 下 ) 感 音 性 難 聴 睾 丸 炎 急 性 筋 炎 が 起 こることもあるが きわめてまれであ る,) 一 方 入 院 加 療 が 必 要 なおたふくかぜワクチンの 副 反 応 として 無 菌 性 髄 膜 炎 が 起 こり 得 る( 表 1) ワクチン 接 種 後 週 間 目 に 髄 液 中 の 細 胞 数 の 増 多 が 認 められ それに 伴 い 発 熱 頭 痚 嘔 吐 などの 髄 膜 刺 激 症 状 が 出 現 する 無 菌 性 髄 膜 炎 の 重 症 度 は 自 然 感 染 例 とワクチン 接 種 例 で 変 わらな い 無 菌 性 髄 膜 炎 の 治 療 方 法 は 自 然 感 染 時 と 同 様 である 一 般 に 予 後 はど ちらも 良 好 である ワクチン 接 種 後 の 無 菌 性 髄 膜 炎 の 発 生 頻 度 は 調 査 方 法 地 域 によって も 差 があるが 概 ね 接 種 されたワクチン 株 によって 決 まっている( 図 ) ) Jeryl-Lynn 株 は 万 人 あたり 0~1 件 程 度 ( 接 種 者 0 万 人 ) RIT 株 は 万 人 あたり 0 件 ( 接 種 者 万 人 ) Leningrad- 株 では 万 人 あたり 0.0 件 ( 接 種 者 000 万 人 )となっている 一 方 Leningrad- 株 から 派 生 したにも かかわらず L-Zagreb 株 は 万 人 あたり ~0 件 ( 接 種 者 0 万 人 )に 達 する いずれのワクチンも 自 然 感 染 時 の 発 生 頻 度 が 1~%であるのに 比 べてワク チン 接 種 時 の 頻 度 は 以 下 ~0.%と 低 い( 図 ) ) MMR ワクチン ウイルス 株 表.おたふくかぜワクチン 株 による 無 菌 性 髄 膜 炎 発 生 頻 度 統 一 株 武 田 自 社 株 北 里 自 社 株 微 研 会 自 社 株 Urabe-AM AIK-C To Torii Schwarz To Hoshino-L AIK-C Takahashi Urabe-AM CAM-0 Matsuura 対 象 数,,,0, 無 菌 性 髄 膜 炎 発 生 数 1 発 生 頻 度 0. % 0.0 % 0.0 % 0.00 % (MMR ワクチン 接 種 後 の 無 菌 性 髄 膜 炎 研 究 班 集 計 より) ウイルス 株 国 産 単 味 ワクチン 武 田 Torii 化 血 研 Miyahara 北 里 Hoshino-L 野 生 株 対 象 数,0,, 1,01 無 菌 性 髄 膜 炎 発 生 数 1 発 生 頻 度 0.0 % 0.0 % 0.0 % 1. % ( 厚 生 労 働 科 学 研 究 医 薬 品 安 全 総 合 事 業 永 井 らの 報 告 0 より) )

13 わが 国 のワクチンの 副 反 応 わが 国 でおたふくかぜワクチンの 副 反 応 として 無 菌 性 髄 膜 炎 が 大 きく 問 題 とされたのは 欧 米 に 習 って 1 年 月 から 国 産 MMR ワクチンが 定 期 接 種 に 組 み 入 れられた 以 降 である,0) 年 から 国 産 おたふくかぜワク チンが 使 われていたが 接 種 数 が 尐 なかったこと 当 時 の 技 術 では 自 然 感 染 ウイルスとワクチン 接 種 ウイルスの 識 別 が 技 術 的 に 困 難 であったことか ら 副 反 応 としての 無 菌 性 髄 膜 炎 が 問 題 にされた 形 跡 は 無 い 1 年 当 時 わが 国 では おたふくかぜワクチン 種 に 加 えて 麻 疹 ワ クチン 種 風 疹 ワクチン 種 が 認 可 されていた そこで 国 産 MMR ワ クチンには 実 績 のあるワクチン 株 として おたふくかぜワクチンに 微 研 会 の Urabe-AM 株 麻 疹 ワクチンに 北 里 AIK-C 風 疹 ワクチンに 武 田 の To 株 を 含 んだ MMR ワクチン 統 一 株 で 使 用 がはじまった 定 期 接 種 化 ととも に 無 菌 性 髄 膜 炎 の 発 生 が 表 面 化 し その 頻 度 は 0.%( 接 種 者 約 万 人 )に 達 した( 表 ) ) 原 因 がワクチンウイルスであることを 証 明 することも 技 術 的 に 可 能 になっていた ) MMR ワクチンに 含 まれる 麻 しんウイルス 成 分 が 免 疫 抑 制 を 起 こし それがムンプスウイルスと 混 合 されことによりムンプ スウイルス 成 分 の 副 反 応 が 強 くでる 可 能 性 が 指 摘 され 統 一 株 MMR ワク チンの 使 用 を 中 止 し ワクチン 製 造 所 独 自 の 麻 疹 おたふくかぜ 風 疹 ワ クチンを 混 合 した 自 社 株 MMR ワクチンの 使 用 が 選 択 された しかし Hoshino-L 株 使 用 による MMR ワクチン 自 社 株 ( 北 里 )の 髄 膜 炎 発 生 頻 度 は 0.0%( 接 種 者 約 1 万 人 ) Torii 株 使 用 による MMR ワクチン 自 社 株 ( 武 田 )で は 0.0%( 接 種 者 約 万 人 )となり 大 きな 改 善 は 見 られなかった( 表 ) 1) 他 の 国 産 ワクチン 株 である Miyahara 株 ( 化 血 研 ) NK-M 株 ( 千 葉 血 )につい ても 髄 膜 炎 発 生 頻 度 に 差 異 がなかった 1 年 定 期 接 種 開 始 後 わずか 年 で 国 産 MMR ワクチンの 定 期 接 種 は 中 止 された この 間 のワクチン 接 種 による 健 康 被 害 者 として 死 亡 一 時 金 受 給 者 名 障 害 児 養 育 年 金 名 医 療 費 医 療 手 当 1,0 名 があった おたふくかぜワクチンはその 後 単 味 の 任 意 接 種 ワクチンとして 利 用 さ れている 0 年 おたふくかぜワクチン 単 味 接 種 後 の 副 反 応 調 査 が 厚 生 科 学 研 究 医 薬 品 安 全 総 合 事 業 でおこなわれた ) 無 菌 性 髄 膜 炎 の 発 生 頻 度 は %であり どの 国 産 単 味 ワクチンも MMR ワクチン 時 と 大 差 が なかったことから 無 菌 性 髄 膜 炎 の 発 生 は 他 のワクチン 株 成 分 と 混 合 し た 結 果 生 じたものではなく おたふくかぜワクチンそれ 自 身 によって 起 こ ることが 確 認 された( 表 ) ) () 国 産 おたふくかぜワクチンの 問 題 点 わが 国 のおたふくかぜワクチンは ムンプスワクチン 研 究 班 が 組 織 され 先 行 する Jeryl-Lynn 株 に 追 いつく 意 気 込 みで 開 発 が 進 められた,) しかし おたふくかぜワクチンとして Urabe-AM 株 を 含 む 国 産 MMR ワクチン 統 一 株 の 無 菌 性 髄 膜 炎 頻 度 は 0.%で ムンプスウイルス 自 然 感 染 (1% 以 上 )に 比 べ て 低 いものの 麻 疹 単 味 ワクチンには 無 い 副 反 応 であったため 混 乱 が 生 じ 国 産 MMR ワクチンを 麻 疹 の 定 期 接 種 ワクチンとして 使 う 事 は 中 止 された

14 ところで Urabe-AM 株 を 含 む 国 産 MMR ワクチン 自 社 株 ( 微 研 会 )が 使 われた ところ 無 菌 性 髄 膜 炎 の 発 生 頻 度 は 0.00%( 接 種 者 約 万 人 )と 激 減 し 副 反 応 の 尐 ないワクチンであることが 示 された( 表 ) 微 研 会 の MMR ワクチン 自 社 株 は 安 全 性 の 点 で 優 れていたが このことが 逆 に 混 合 された 他 の 麻 疹 風 疹 ワクチン 成 分 との 相 性 で 片 付 けられないワクチンの 品 質 管 理 上 の 問 題 を 生 んだ 1) なぜワクチン 品 質 上 の 差 が 生 じたのかの 理 由 が 明 らかでないため 微 研 会 の Urabe-AM 株 を 含 むおたふくかぜワクチンの 製 造 販 売 は 中 止 され ている () 海 外 おたふくかぜワクチンの 問 題 点 1 ワクチンの 免 疫 持 続 期 間 について 米 国 は 既 に 述 べた 様 に MMR ワクチンの 回 接 種 により 順 調 におたふく かぜ 患 者 が 減 尐 していたが 0 年 月 からアイオワ 州 を 中 心 におたふく かぜが 発 生 し 総 患 者 数 は, 名 に 達 した( 図 ) アイオワ 州 の 調 査 によ ると 罹 患 者 の 1%はワクチンの 回 接 種 者 で %は1 回 接 種 者 であった ワクチンの 有 効 性 に 疑 問 を 抱 かせる 結 果 であるが (1) 感 染 の 広 がり 状 況 を 調 査 するとワクチンを 回 接 種 している 人 は1 回 接 種 の 人 より また 1 回 接 種 をしている 人 はまったく 接 種 を 受 けていない 人 より 罹 患 率 が 低 い 事 更 に() ワクチン 接 種 者 の 罹 患 年 齢 層 は 歳 が 最 も 多 く 乳 幼 児 には ほとんど 罹 患 者 が 出 なかったことから CDC は Jeryl-Lynn 株 は 未 だにワク チンとして 有 効 であるが 接 種 後 長 期 間 経 過 し 抗 体 価 が 低 下 したために 発 生 したと 結 論 し ワクチン 未 接 種 者 及 び 接 種 後 長 期 経 過 者 に 対 してワクチ ン 接 種 を 行 う 対 策 を 実 施 してこの 時 の 流 行 は 終 息 へと 向 かった ) さらに 0 年 月 英 国 旅 行 から 帰 国 した 歳 男 児 を 初 発 例 として 米 国 ニューヨーク 州 ニュージャージ 州 及 びカナダのケベック 州 で,000 人 を 越 える 大 規 模 な 集 団 発 生 がおこった,) 現 在 米 国 カナダの 一 部 の 州 では ~ 歳 の 青 年 層 を 対 象 に MMR ワクチンの Catch-Up あるいは 回 目 接 種 プログラムが 実 施 されている 0~0 年 及 び 0 年 に 米 国 で 流 行 したムンプスウイルスは すべて 遺 伝 子 型 G に 属 し ヨ ーロッパで 10 年 代 半 図. 米 国 の 流 行 性 耳 下 腺 炎 (おたふくかぜ) 発 生 患 者 数 ばごろから 分 離 された 比 較 的 新 しいウイルス である G 遺 伝 子 型 ウ イルスは 今 や 我 が 国 で も 分 離 されており 世 界 的 流 行 株 となっている,) 0~0 及 び 0 年 の 米 国 での 流 行 は ワクチン 免 疫 の 持 続 期 間 が 新 型 株 に 対 し て 短 くなっている 可 能 1

15 性 を 示 している 0~0 年 にかけて 英 国 でも G 遺 伝 子 型 ムンプスウイルスの 流 行 があ り 米 国 を 凌 ぐ 万 千 人 の 患 者 がでていた ) 英 国 は MMR ワクチン 接 種 により 自 閉 症 が 発 症 するという 風 評 によりワクチン 接 種 率 が 低 く 罹 患 者 の %がワクチン 非 接 種 者 であったため 米 国 とは 状 況 が 異 なる しかし ワク チン 接 種 者 でも 1 歳 で 罹 患 するという 状 況 が 見 られ その 点 では 米 国 の 場 合 と 類 似 している ) Jeryl-Lynn 株 の 遺 伝 子 型 は A に わが 国 のワクチン 株 はいずれも B に 分 類 される( 表 ) B 遺 伝 子 型 ワクチンにより 誘 導 された 抗 体 は B 遺 伝 子 型 ウ イルスと 同 程 度 に G 遺 伝 子 型 ウイルスも 中 和 できるが A 遺 伝 子 型 ワクチ ンにより 誘 導 された 抗 体 はG 遺 伝 子 型 ウイルスに 対 する 中 和 能 が 若 干 落 ち ることが 報 告 されている ) ムンプスウイルスの 血 清 型 は 現 状 では 1 つで あるが 麻 疹 ウイルスで 指 摘 されている 様 にワクチンの 遺 伝 子 型 がその 有 効 性 に 影 響 している 可 能 性 は 否 定 できない ) 海 外 おたふくかぜワクチンの 輸 入 と 問 題 点 Merck Sharp & Dohme 社 の M-M-R TM II ワクチンは 化 血 研 が 製 品 輸 入 を 目 指 し 承 認 申 請 を 行 っている( 表 ) M-M-R TM II ワクチンには 安 定 剤 として 加 水 分 解 ゼラチン(.%) 及 びヒト 血 清 アルブミン(0.0%)が 含 まれている 日 本 では ゼラチンによるアナフィラキシーが 1 年 頃 より 問 題 となり 1 年 には DTaP ワクチンからゼラチンが 除 かれた 経 緯 がある 現 在 の 国 内 ワク チンには ゼラチン 加 水 分 解 ゼラチンのどちらも 含 まれていない Merck Sharp & Dohme 社 は M-M-R TM II ワクチンが 世 界 ヶ 国 で 億 ドース 以 上 の 接 種 実 績 があるにもかかわらず 特 に 回 目 の 接 種 でアナフィラキシーの 頻 度 が 上 昇 するという 知 見 が 得 られていないので ワクチン 中 に 含 まれる 加 水 分 解 ゼラチンは 日 本 国 内 で 問 題 となった 高 分 子 ゼラチンと 比 べて 免 疫 原 性 が 低 く 加 水 分 解 ゼラチンが 原 因 でアナフィラキシーをおこす 可 能 性 は 低 い としている しかし わ が 国 で は 1 年 か ら 生 後 ~ ヶ 月 児 に 高 分 子 ゼ ラ チ ン を 含 む DTaP ワ ク チ ン の 接 種 が 開 始 さ れ 1 年 に ワクチンからゼラチンが 除 かれるまでの 間 にゼラチン 感 作 世 代 を 生 み 続 けた 事 情 がある 既 に 感 作 されている 者 に 対 して 加 水 分 解 ゼラチ ンがアレルギー 反 応 を 惹 起 しないというデータは 無 い M-M-R TM IIワクチン 接 種 後 は 通 常 発 熱 を 伴 うと 添 付 書 類 に 書 かれている 米 国 で 行 われた 試 験 では.0 以 上 の 発 熱 が%に 認 められ 0) わが 国 で 行 われた 化 血 研 による 健 康 小 児 を 対 象 に 行 ったM-M-R TM IIワクチンの 臨 床 第 II 層 試 験 では. 以 上 の 発 熱 が.% 程 度 そのうち.0 以 上 の 発 熱 は.%に 認 められた 1) 発 熱 のピークは 麻 疹 ウイルスの 潜 伏 期 間 と 一 致 す る 接 種 後 日 前 後 であることから その 原 因 が 主 にM-M-R TM IIワクチン 中 の 麻 疹 ウイルスに 由 来 すると 考 えられる 一 方 国 産 の 麻 疹 あるいはMRワク チン 接 種 後 の 発 熱 は 武 田 の 添 付 書 類 によると 接 種 後 ~1 日 を 中 心 に. 以 上 が% 程 度.0 以 上 の 発 熱 は% 程 度 と 記 載 されている また 厚 生 労 働 省 が 集 計 した 予 防 接 種 後 健 康 状 況 調 査 集 計 報 告 書 平 成 1 年 度 前 期 分 に 1

16 は,0 人 を 対 象 に 接 種 後 ~1 日 に. 以 上 の 発 熱 が.%( 例 ) ) 同 後 期 分 には,0 人 を 対 象 に 接 種 後 ~1 日 に. 以 上 の 発 熱 が.%( 例 )と 報 告 され ) いずれの 場 合 もM-M-R TM IIワクチンより 低 い わが 国 においては 一 般 に 発 熱 率 の 高 いワクチンに 対 しては 接 種 者 被 接 種 者 共 に 抵 抗 感 があると 言 われている そのため 国 産 麻 しんワクチンの 開 発 も 発 熱 率 の 低 いワクチンを 目 指 して 行 われた 経 緯 がある たとえば10 年 代 初 めの 麻 しんEndersワクチン(Edmonston 株 ) 伝 研 松 本 ワクチン( 杉 山 株 ) 微 研 奥 野 ワクチン( 豊 島 株 )では 発 熱 率 %であった 10 年 代 後 半 のSchwarz CAM CAM-CEFワクチンでそれが0% 台 に 下 がり 現 在 の CAM-0 Schwarz FF AIK-Cワクチンに 至 りようやく 社 会 的 に 受 け 入 れら れるようなったとされている この 点 から 言 うとM-M-R TM IIワクチンに 含 ま れる 麻 疹 ワクチンは 一 世 代 前 の 日 本 のワクチンと 同 じである () 需 要 と 供 給 の 見 込 み 1 供 給 について 製 造 販 売 業 者 によると 供 給 量 は 0 年 度 約 1. 万 本 ( 実 績 ) 年 度 約 万 本 ( 見 込 み)である 需 要 について 需 要 量 については 接 種 対 象 者 や 接 種 スケジュール 等 を 踏 まえ 今 後 検 討 が 必 要 である 1

17 参 考 文 献 1. 庵 原 俊 昭 :おたふくかぜワクチン ワクチンの 事 典 ( 日 本 ワクチン 学 会 編 集 ), p-, 朝 倉 書 店, 0. 木 村 三 木 夫 :ムンプスの 臨 床 と 予 防 接 種 臨 床 とウイルス :-, 10. 庵 原 俊 昭 任 意 接 種 対 象 疾 患 おたふくかぜワクチン 臨 床 と 微 生 物 :1-, 0. Hashimoto H, Fujioka M, Kinumaki H; Kinki Ambulatory Pediatrics Study Group. An office-based prospective study of deafness in mumps. Pediatr Infect Dis J. :-, 0. 青 柳 憲 幸 他 :ムンプス 難 聴 小 児 科 ():-, 1. 川 島 慶 之 他 : 流 行 性 耳 下 腺 炎 (ムンプス)と 難 聴 小 児 内 科 (1):-, 0. 橋 本 裕 美 :ご 存 知 ですか? ムンプス 難 聴 チャイルドヘルス ():-, 0. 千 葉 峻 三 :< 類 感 染 症 > 定 点 把 握 流 行 性 耳 下 腺 炎 日 本 医 師 会 雑 誌 臨 時 増 刊 () :-, 1. 菱 山 美 智 子 他 :ムンプスウイルスの 補 体 添 加 中 和 試 験 に 関 する 研 究 臨 床 とウイルス :-0, 1. Takeuchi K. et al: Variations of nucleotide sequences and transcription of the SH gene among mumps virus strains, Virology 1:-,. 加 藤 篤 : 広 範 囲 血 液 尿 化 学 検 査 免 疫 学 的 検 査 ムンプスウイルス 日 本 臨 床 ( 第 版 ) -,. 永 井 正 規 他 疫 学 的 統 計 学 的 なサーベイランスの 評 価 と 改 善 グループ 研 究 報 告 書 (-その-) 感 染 症 発 生 動 向 調 査 に 基 づく 流 行 の 警 報 注 意 報 お よび 全 国 年 間 罹 患 数 の 推 計 厚 生 労 働 科 学 研 究 費 補 助 金 ( 新 興 再 興 感 染 症 研 究 事 業 ) 効 果 的 な 感 染 症 サーベイランスの 評 価 並 びに 改 良 に 関 する 研 究 ( 研 究 代 表 者 : 谷 口 清 州 ) 平 成 年 度 報 告 書 : p0-1, 0 1. 多 屋 馨 子 他 水 痘 帯 状 疱 疹 ムンプスに 関 する 臨 床 疫 学 的 研 究 厚 生 労 働 科 学 研 究 費 補 助 金 ( 新 興 再 興 感 染 症 研 究 事 業 ) 水 痘 流 行 性 耳 下 腺 炎 肺 炎 球 菌 による 肺 炎 等 の 今 後 の 感 染 症 対 策 に 必 要 な 予 防 接 種 に 関 する 研 究 ( 研 究 代 表 者 : 岡 部 信 彦 ) 平 成 1 年 度 平 成 年 度 総 合 研 究 報 告 書 : p0-, "Mumps virus vaccines". WHO position paper. Weekly Epidemiological Record, :, "Mumps virus vaccines". WHO position paper. Weekly Epidemiological Record, :0-, 0. 大 日 康 史 他 :ムンプスの 疾 病 負 担 と 定 期 接 種 化 の 費 用 対 効 果 分 析. 厚 生 労 働 科 学 研 究 費 補 助 金 ( 新 興 再 興 感 染 症 研 究 事 業 ) 水 痘 流 行 性 耳 下 腺 炎 肺 炎 球 菌 による 肺 炎 等 の 今 後 の 感 染 症 対 策 に 必 要 な 予 防 接 種 に 関 する 研 究 研 究 代 表 者 : 岡 部 信 彦 ) 平 成 1 年 度 平 成 年 度 総 合 研 究 報 告 書 :p1-1, 0.. Anderson LJ: Mumps Outbreak, United Sates 0. NVAC meeting, CDC, 0

18 Galazka AM, Robertson SE, Kraigher A: Mumps and mumps vaccine: a global review. Bulletin of the World Health Organization, : 1, 1 1. 宍 戸 亮 他 : 1 年 度 ムンプスワクチン 開 発 に 関 する 研 究 報 告 ムンプスワ クチン 研 究 会 1. 星 野 正 雄 他 : 弱 毒 ムンプスウイルス 鳥 居 株 ( 武 田 )の 開 発 に 関 する 研 究 I ムンプスワクチン 株 ( 鳥 居 株 )の 開 発 とその 生 物 学 的 性 状 の 解 析 臨 床 とウイ ルス :-0, 1. Sasaki K, et al. Studies on the development of a live attenuated mumps virus vaccine. I. Attenuation of the Hoshino wild strain of mumps virus. Kitasato Arch Exp Med (1 ):, 1.. 吉 川 ひとみ 他 : 弱 毒 おたふくかぜ 宮 原 株 ワクチン( 化 血 研 )の 開 発 に 関 する 研 究 I. 弱 毒 おたふくかぜ 宮 原 株 ワクチン( 化 血 研 )の 生 物 学 的 性 状 臨 床 と ウイルス :0-0, 1. 斉 加 志 津 子 他 : 弱 毒 おたふくかぜワクチン( 千 葉 血 清 )の 開 発 に 関 する 研 究 I. NK-M 株 の 開 発 とその 生 物 学 的 性 状 臨 床 とウイルス 1:-, 1. Saika, S., M. Kidokoro, H. Kubonoya, K. Ito, T. Ohkawa, A. Aoki, N. Nagata, and K. Suzuki. Development and biological properties of a new live attenuated mumps vaccine. Comp Immunol Microbiol Infect Dis :-, 0. McLean, M: The relative clinical safety of different mumps vaccine strains: A review for the Global Advisory Committee on Vaccine Safety W.H.O., 0. Odisseev H, Gacheva N. Vaccinoprophylaxis of mumps using mumps vaccine, strain Sofia, in Bulgaria: Vaccine. :1-, 1. Sassani A, Mirchamsy H, Shafyi A, Ahourai P, Razavi J, Gholami MR, Mohammadi A, Ezzi A, Rahmani M, Fateh G, Paravandi T: Development of a new live attenuated mumps virus vaccine in human diploid cells. Biologicals. 1:-, 1. Feiterna-Sperling C, Bronnimann R, Tischer A, Stettler P, Durrer P, Gaedicke G. Open randomized trial comparing the immunogenicity and safety of a new measles-mumps-rubella vaccine and a licensed vaccine in - to -month-old children: Pediatr Infect Dis J. :-, 0. 宍 戸 亮 : ムンプスワクチン 臨 床 とウイルス :1-, CDC. Update: recommendations from the Advisory Committee on Immunization Practices (ACIP) regarding administration of combination MMRV vaccine. MMWR Morb Mortal Wkly Rep :-0, Gillet, Y., G. C. Steri, U. Behre, J. P. Arsene, X. Lanse, K. Helm, S. Esposito, N. Meister, M. G. Desole, M. Douha, and P. Willems. Immunogenicity and safety of measles-mumps-rubella-varicella (MMRV) vaccine followed by one dose of varicella vaccine in children aged 1 months- years or - years primed with measles-mumps-rubella (MMR) vaccine. Vaccine :-, 0.. Goh, P., F. S. Lim, H. H. Han, and P. Willems. Safety and immunogenicity of early vaccination with two doses of tetravalent measles-mumps-rubella-varicella (MMRV) vaccine in healthy children from months of age. Infection :-, 0.. Hammerschmidt, T., H. Bisanz, and P. Wutzler. Universal mass vaccination against varicella in Germany using an MMRV combination vaccine with a two-dose schedule: an economic analysis. Vaccine :0-, 0.

19 Nolan, T., P. McIntyre, D. Roberton, and D. Descamps.Reactogenicity and immunogenicity of a live attenuated tetravalent measles-mumps-rubella- varicella (MMRV) vaccine. Vaccine 1:1-, 0.. Reuman, P. D., M. H. Sawyer, B. J. Kuter, and H. Matthews. Safety and immunogenicity of concurrent administration of measles-mumps-rubella-varicella vaccine and PedvaxHIB vaccines in healthy children twelve to eighteen months old. The MMRV Study Group. Pediatr Infect Dis J :-, 1.. CDC. Update: mumps outbreak - New York and New Jersey, June 0-January. MMWR Morb Mortal Wkly Rep :-,.. J Whelan, R. v. B., K Greenland, E Fanoy, M Khargi, K Yap, H Boot, N Veltman, C Swaan, A van der Bij, H de Melker, S Hahné. Ongoing mumps outbreak in a student population with high vaccination coverage, Netherlands,. Eurosurveillance 1:,.. Clements C.J. ed: Adverse events following measles, mumps and rubella vaccines. In Supplementary information on vaccine safety. Part : Background rates of adverse events following immunization. Department of Vaccines and Boologicals WHO, 00. 宍 戸 亮 : おたふくかぜワクチンと 開 発 の 経 緯 臨 床 とウイルス :-, 境 春 美 木 村 三 木 夫 :MMRワクチン 臨 床 とウイルス 1:-, 1. 木 村 三 木 夫 他 :わが 国 における 自 社 株 および 統 一 株 MMRワクチンに 関 す る 研 究 臨 床 とウイルス :1-0, 1. 永 井 崇 雄 他 :ムンプスワクチンの 副 反 応 調 査 ( 最 終 報 告 ) 厚 生 労 働 科 学 研 究 医 薬 品 等 医 療 技 術 リスク 評 価 研 究 事 業 安 全 なワクチン 確 保 とその 接 種 方 法 に 関 する 総 合 的 研 究 平 成 1 年 度 研 究 報 告 書 p0-. Nagai, T, Okafuji T, Miyazaki C, Ito Y, Kamada M, Kumagai T, Yuri K, Sakiyama H, Miyata A, Ihara T, Ochiai H, Shimomura K, Suzuki E, Torigoe S, Igarashi M, Kase T, Okuno Y, Nakayama T., A comparative study of the incidence of aseptic meningitis in symptomatic natural mumps patients and monovalent mumps vaccine recipients in Japan. Vaccine :, 0. 宍 戸 亮 他 : 1 年 度 ムンプスワクチン 開 発 に 関 する 研 究 報 告 ムンプスワ クチン 研 究 会 1. Mumps Outbreak -- New York, New Jersey, Quebec, 0 CDC MMWR Vol No ;0- November, 0. Jin L, Rima B, Brown D, Orvell C, Tecle T, Afzal M, Uchida K, Nakayama T, Song JW, Kang C, Rota PA, Xu W, Featherstone D: Proposal for genetic characterisation of wild-type mumps strains: preliminary standardisation of the nomenclature. Arch Virol. :10-10, 0. 木 所 稔 :おたふくかぜの 再 感 染 と vaccine failure の 基 礎 臨 床 とウイルス :-, 0. "Mumps epidemic-united kingdom, 0-0". MMWR Morb Mortal Wkly Rep :-. CDC, 0. Inou Y, Nakayama T, Yoshida N, Uejima H, Yuri K, Kamada M, Kumagai T, Sakiyama H, Miyata A, Ochiai H, Ihara T, Okafuji T, Okafuji T, Nagai T, Suzuki E, Shimomura K, Ito Y, Miyazaki C: Molecular epidemiology of mumps virus in Japan and proposal of two new genotypes. J Med Virol. :-, 0

20 LeBaron WC, Bi D, Sullivan JB, Beck C, Gargiullo P, Evaluation of potentially common adverse events associated with the first and second doses of measles-mumps-rubella vaccine. Pediatrics 1:-10, 0 1. 木 村 三 生 夫 平 山 宗 宏 堺 春 美 編 予 防 接 種 の 手 引 き 第 八 版 pp-pp 近 代 出 版 00. 予 防 接 種 後 健 康 状 況 調 査 集 計 報 告 書 平 成 1 年 度 前 期 分 予 防 接 種 後 健 康 状 況 調 査 集 計 報 告 書 平 成 1 年 度 後 期 分 < 作 成 > 国 立 感 染 症 研 究 所 ウイルス 第 三 部 加 藤 篤 ( 室 長 ) 木 所 稔 ( 主 任 研 究 官 ) 久 保 田 耐 ( 主 任 研 究 官 ) 竹 田 誠 ( 部 長 ) 感 染 症 情 報 センター 多 屋 馨 子 ( 室 長 ) 山 下 和 予 ( 主 任 研 究 官 ) 大 日 康 史 ( 主 任 研 究 官 ) 岡 部 信 彦 (センター 長 ) < 協 力 > 予 防 接 種 推 進 専 門 協 議 会 1