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1 Okayama University Formula Project 08 年 間 報 告 書 ~

2 目 次 1 はじめに 年 度 プロジェクトリーダーから 1.2 学 生 フォーミュラ 大 会 (Formula SAE)の 設 立 に 関 して 1.3 OUFP の 設 立 に 関 して 2 今 年 度 の OUFP 2.1 組 織 図 2.2 メンバー 紹 介 2.3 活 動 日 程 2.4 シェイクダウン~ 大 会 までの 活 動 報 告 3 第 6 回 全 日 本 学 生 フォーミュラ 大 会 について 3.1 大 会 レギュレーション 3.2 競 技 概 要 3.3 第 6 回 大 会 レポート 3.4 各 種 目 別 考 察 4 OUFP-04 車 両 説 明 4.1 コンセプト 正 常 進 化 4.2 パーツ 説 明 パワートレイン フレーム 操 作 系 カウル サスペンション 年 度 チームに 関 して - 1 -

3 1. はじめに 年 度 プロジェクトリーダーから 日 頃 はたいへんお 世 話 になっております.この 度, 年 間 報 告 書 として 2008 年 度 チームが 結 成 さ れた 2007 年 10 月 から 2008 年 10 月 までの 1 年 間 の 活 動 内 容 をまとめさせて 頂 きました.シェイ クダウン 後 からの 活 動 報 告 も 年 間 報 告 の 中 に 含 めさせて 頂 きました.2008 年 度 チームは 結 成 時 9 名 という 大 幅 な 人 数 の 減 少 はありましたが,1 年 間 全 力 で 活 動 して 参 りました. この 場 をお 借 りし 1 年 間 私 どもの 活 動 に 関 わって 下 さった 全 ての 皆 様 に 心 より 御 礼 申 し 上 げます. 岡 山 大 学 フォーミュラプロジェクト 2008 年 度 プロジェクトリーダー 大 浦 佑 介 1.2 学 生 フォーミュラ 大 会 (Formula SAE)の 設 立 に 関 して 学 生 フォーミュラ 大 会 は 1981 年 に, 教 室 の 中 では 優 秀 なエンジニアが 育 たないことにいち 早 く 気 づいた 米 国 が ものづくりによる 実 践 的 な 学 生 教 育 プログラム として Formula SAE(SAE International 主 催 )を 開 催 したことに 始 まり, 現 在 ではアメリカをはじめ,イギリス(Formula Student 1998~),オーストラリア(Formula SAE-A 2000~)で 同 様 の 大 会 が 開 催 されている. 日 本 では 全 国 的 なものづくりコンテストとして, 鳥 人 間 コンテストやソーラーカー 大 会,ロボットコンテス トが 開 催 されているが, 自 動 車 技 術 分 野 においてはそのような 大 会 は 存 在 しなかった.その 間 ア メリカでは Formula SAE というものづくりコンテストの 歴 史 を 積 み 重 ねていった.このような 経 緯 を 経 て, 日 本 では 2003 年 より 自 動 車 技 術 会 主 催 のもと 全 日 本 学 生 フォーミュラ 大 会 -もの づくり デザインコンペティション- として 米 国 の Formula SAE と 同 様 のルールの 下, 大 会 が 開 催 されている. 日 本 大 会 は 今 年 度 で 6 回 目 の 開 催 となり, 過 去 5 回 の 大 会 において 当 初 17 チームという 参 加 校 だったのに 対 し,2 回 大 会 34 校,3 回 大 会 45 校,4 回 大 会 51 校,5 回 大 会 では 62 チームがエン トリーし, 参 加 数 は 年 々 増 加 している. 第 6 回 大 会 からは 書 類 選 考 が 導 入 され 大 会 参 加 上 限 65 チ ームとなり,アジアなどからのエントリーも 含 め 77 チームのエントリーがあった. 学 生 が 主 体 となって 大 会 出 場 用 の 車 両 を 開 発 製 作 することにより,ものづくりの 本 質 やその プロセスを 学 び,ものづくりの 厳 しさ おもしろさ 喜 びを 実 感 するだけでなく, 車 両 のマーケ ティング, 企 画 設 計 製 作,コスト 管 理 等 のものづくりにおける 実 戦 力 を 向 上 させることが 可 能 なため, 学 生 に 対 しては 自 己 能 力 向 上 の 場 として, 企 業 に 対 しては 将 来 を 担 う 有 能 な 人 材 発 掘 の 場 としても 効 果 的 である. 1.3 OUFP の 設 立 に 関 して 岡 山 大 学 フォーミュラプロジェクト( 以 下 OUFP)は,2004 年 10 月 に,1 年 目 のプロジェクト リーダーである 福 原 の 提 案 のもと, 機 械 工 学 科 有 志 が 集 まり 工 学 部 機 械 工 学 科 のバックアップを 受 け 創 設 された. 当 時 のメンバーは 2 回 生 6 名,1 回 生 3 名 の 計 9 名 であり, 車 が 好 き だった り, ものづくりが 好 き な 学 生 ばかりであった 年 度 チームは 多 くは 工 学 部 機 械 工 学 科 に 所 属 しているが, 工 学 部 システム 工 学 科, 環 境 理 工 学 部 所 属 のメンバーもおり, 所 属 学 部 にはまったくとらわれない 活 動 を 行 っている

4 2. 今 年 度 の OUFP 2.1 組 織 図 2008 年 度 OUFP は,2007 年 度 に 引 き 続 き 図 2.1 のようにマネージメント 班 と 車 両 製 作 班 を 完 全 に 分 けて 活 動 を 行 った. 目 的 としてはデータ 整 理 をより 効 率 よく 行 うため, 製 作 班 がより 製 作 に 集 中 できるようにするためである. プロジェクトリーダー(1) マネージメント 静 的 審 査 班 デザイン 審 査 担 当 (1) プロジェクトサブリーダー(1) コスト 審 査 担 当 (1) 車 両 開 発 製 作 統 括 (1) パワートレイン 班 (4) プレゼン 審 査 担 当 (1) ドライバー(5) フレーム 班 (5) サスペンション 班 (3) ( ) 内 は 人 数 は 兼 任 図 年 度 OUFP 組 織 図 2.2 メンバー 紹 介 以 下 に 2008 年 度 のメンバーを 紹 介 する.3 回 生 が 5 名,2 回 生 が 4 名,1 回 生 が 5 名 で 構 成 され ており,Dr はドライバー 担 当 を 示 している.1 回 生 は 2009 年 度 より 担 当 を 持 つ マネージメント 班 大 浦 佑 介 プロジェクトリーダー 渉 外 コスト 審 査 環 境 理 工 学 部 環 境 物 質 工 学 科 3 回 生 青 田 寿 大 プロジェクトサブリーダー 会 計 ホームページ デザイン 審 査 インパクトアッテネータ 環 境 理 工 学 部 環 境 デザイン 工 学 科 3 回 生 パワートレイン 班 藤 谷 宇 リーダー 電 装 燃 料 冷 却 ドライブトレイン Dr 工 学 部 機 械 工 学 科 3 回 生 鬼 丸 裕 美 吸 排 気 潤 滑 工 学 部 機 械 工 学 科 2 回 生 青 木 健 祐 工 学 部 機 械 工 学 科 1 回 生 澤 田 雅 人 Dr 工 学 部 機 械 工 学 科 1 回 生 - 3 -

5 フレーム 班 家 守 進 リーダー 製 作 統 括 操 作 系 内 装 ブレーキ Dr 工 学 部 システム 工 学 科 3 回 生 河 田 良 介 フレーム Dr 工 学 部 機 械 工 学 科 2 回 生 小 林 ミカ カウル 環 境 理 工 学 部 環 境 数 理 学 科 1 回 生 板 野 光 司 工 学 部 機 械 工 学 科 1 回 生 佐 々 木 祐 太 工 学 部 機 械 工 学 科 1 回 生 サスペンション 班 上 田 篤 史 リーダー アーム アップライト ハブ Dr 工 学 部 機 械 工 学 科 3 回 生 高 橋 直 也 ショックアブソーバ ベルクランク スタビライザ 工 学 部 機 械 工 学 科 2 回 生 二 川 卓 也 工 学 部 機 械 工 学 科 1 回 生 ファカルティアドバイザー 河 原 伸 幸 自 然 科 学 研 究 科 産 業 創 成 工 学 専 攻 2.3 活 動 日 程 以 下 に 今 年 度 の 活 動 日 程 を 示 す. 以 下 に 示 した 他, 週 に 1 回 全 体 ミーティング, 班 別 ミーティング, 月 に 1 回 関 西 フォーミュラ 委 員 会 への 出 席 を 行 っている. 10 月 13 日 オスコ 産 業 株 式 会 社 様 へ 第 5 回 大 会 結 果 報 告 10 月 14 日 岡 山 国 際 サーキットにてテスト 走 行 10 月 21~22 日 関 西 支 部 合 同 走 行 会 ( 岡 山 国 際 サーキットにて) 10 月 27 日 学 内 駐 車 場 走 行 ( 全 メンバーが 試 乗 ) 11 月 2~6 日 第 19 回 全 国 生 涯 学 習 フェスティバル まなびピア 岡 山 2007 出 展 11 月 7 日 内 山 工 業 株 式 会 社 様 へ 第 5 回 大 会 結 果 報 告 11 月 29 日 川 崎 重 工 業 株 式 会 社 様 へ 第 5 回 大 会 結 果 報 告 12 月 2 日 学 内 駐 車 場 での 走 行 ( 大 学 プロモーションビデオの 撮 影 ) 12 月 7 日 岡 山 大 学 知 恵 の 見 本 市 2007 出 展 12 月 13 日 RCCテレビ 遮 二 無 二 番 組 映 像 撮 影 ( 作 業 風 景,ミーティング 風 景 等 ) 12 月 15 日 岡 山 国 際 サーキットカートコースにてテスト 走 行,RCC テレビ 撮 影 12 月 17 日 三 菱 自 動 車 株 式 会 社 水 島 製 作 所 様 へ 第 5 回 大 会 報 告, 玉 野 地 区 中 小 企 業 の 活 動 視 察 12 月 22 日 三 菱 自 動 車 株 式 会 社 水 島 製 作 所 様 にて 溶 接 講 習 (1 回 生 2 名 参 加 ) 1 月 13 日 Solid Works 講 習 会 ( 大 阪 大 学 吹 田 キャンパス)に 1 年 生 3 人 参 加 2 月 14 日 岡 山 科 学 技 術 専 門 学 校 様 へ 第 5 回 大 会 報 告 2 月 21 日 三 国 工 業 株 式 会 社 様 へ 工 場 見 学 3 月 1 日 岡 山 国 際 サーキットにて 試 走 3 月 3 日 山 陽 レジン 工 業 株 式 会 社 様 訪 問 3 月 7 日 三 国 工 業 株 式 会 社 様 にてメインフープ,フロントフープ 曲 げ 加 工, 関 西 支 部 主 催 静 的 競 技 勉 強 会 参 加 3 月 15 日 学 内 駐 車 場 での 走 行 4 月 1 日 機 械 工 学 科 新 入 生 オリエンテーションにて OUFP 活 動 紹 介 4

6 4 月 6 日 ダイハツ 工 業 株 式 会 社 様 主 催 アルミ 溶 接 講 習 会 4 月 8 日 岡 山 大 学 入 学 式 車 両 展 示 と 新 入 生 勧 誘 4 月 12~13 日 岡 山 国 際 サーキットにて SUPER GT 第 2 戦 OKAYAMA GT300KM RACE オフィシ ャル 4 月 19 日 マツダ 株 式 会 社 様 主 催 講 習 会 4 月 22 日 株 式 会 社 ヤスヒラ 様 活 動 視 察 4 月 28 日 新 入 生 5 名 入 部 5 月 3~4 日 三 菱 自 動 車 工 業 株 式 会 社 水 島 製 作 所 様 にて 溶 接 講 習 5 月 17 日 シェイクダウン 予 定 日 パーツ 未 完 成 の 為 6/1( 日 )に 延 期 6 月 1 日 第 6 回 大 会 参 戦 車 両 OUFP-04 シェイクダウン 6 月 2 日 等 価 構 造 計 算 書 インパクトアッテネータデータ 提 出 6 月 7~8 日 Formula Nippon オフィシャル( 岡 山 国 際 サーキット) 6 月 15 日 岡 山 国 際 サーキット 走 行 6 月 16 日 デザインスペックシート,デザインレポート 提 出 6 月 22 日 関 西 支 部 合 同 走 行 会 ( 北 神 戸 サーキット) 7 月 1 日 コストレポート 提 出 7 月 7 10 日 創 造 工 学 センター 安 全 講 習 会 7 月 19 日 日 信 工 業 株 式 会 社 様 主 催 ブレーキ 講 習 会 8 月 1 日 支 部 合 同 走 行 会 見 学 8 月 3 日 学 内 駐 車 場 走 行 トラブルの 為 走 行 できず 8 月 5 6 日 岡 山 大 学 オープンキャンパス 8 月 8 日 機 械 の 日 学 内 イベント 展 示 8 月 9 日 学 内 駐 車 場 走 行 8 月 11 日 次 年 度 構 想 会 議 ( 第 1 回 ) 8 月 12 日 岡 山 国 際 サーキット 走 行 8 月 23 日 学 内 駐 車 場 走 行 8 月 日 岡 山 科 学 技 術 専 門 学 校 でカウル 塗 装 8 月 25 日 岡 山 国 際 サーキット 走 行 8 月 26 日 岡 山 国 際 サーキット 走 行 8 月 28 日 三 菱 自 動 車 工 業 株 式 会 社 水 島 製 作 所 様 にて 溶 接 講 習 8 月 30 日 学 内 駐 車 場 走 行 9 月 1 日 岡 山 国 際 サーキット 走 行,K-max SPEED 様 にてシャーシダイナモ 測 定 9 月 2 日 RSK 取 材, 本 番 想 定 車 検 9 月 3 日 岡 山 大 学 学 長 視 察,RSK 取 材, 静 的 競 技 本 番 想 定 発 表 練 習 9 月 5 日 静 的 競 技 本 番 想 定 発 表 練 習 9 月 6 日 お 披 露 目 会 (スポンサー 様 向 け) 9 月 8 日 静 岡 へ 向 け 出 発 9 月 9~13 日 第 6 回 全 日 本 学 生 フォーミュラ 大 会 ( 小 笠 山 総 合 運 動 公 園, 静 岡 県 ) 9 月 16 日 第 6 回 大 会 反 省 会 9 月 28 日 おかやまバンバンマーケット 展 示 (オレンジホール 岡 山 市 ) 10 月 4 日 学 内 走 行 (OUFP PV 撮 影 ) 10 月 12~13 日 関 西 支 部 合 同 走 行 会 ( 岡 山 国 際 サーキットにて) 5

7 2.4 シェイクダウン~ 大 会 までの 活 動 報 告 ( 主 なもの) 6 月 22 日 関 西 支 部 合 同 走 行 会 兵 庫 県 の 北 神 戸 サーキットにて 社 団 法 人 自 動 車 技 術 会 関 西 支 部 学 生 フォーミュラ 委 員 会 主 催 関 西 支 部 合 同 走 行 会 が 行 われた. あいにくの 雨 の 中 だったが, 関 西, 九 州 地 区 のチーム 計 14 大 学 ( 内 3 校 見 学 )が 集 まり, 盛 大 にかつ 安 全 に 行 うことができた. OUFP は 他 校 が, 車 両 トラブルやブレーキテストの 不 合 格 など に 悩 む 中, 全 体 の 3 番 目 にすべての 車 検 を 通 過 し, 順 調 にテス ト 走 行 を 重 ねることが 出 来 た. 試 走 ( 岡 山 国 際 サーキット, 学 校 内 駐 車 場 ) 今 年 度 は 昨 年 度 トラブルが 頻 発 していた 足 回 りの 信 頼 性 獲 得 に 努 め, 大 会 まで 1 度 も 足 回 りにトラブルが 発 生 することな く, 順 調 に 走 行 練 習, 走 行 テストを 行 うことができた. 最 終 的 にシェイクダウンから 本 大 会 まで 岡 山 国 際 サーキット で 180km 以 上 の 走 行 を 行 った. また 学 内 の 駐 車 場 では 昨 年 度 ほとんど 行 うことのできなか ったスキッドパッドの 練 習 を 積 極 的 に 行 い 計 4 回 大 学 内 の 駐 車 場 で 走 行 した. 学 内 の 参 考 タイムではあるが 5 秒 フラットに 近 いタイムを 何 度 か 記 録 し, 手 ごたえを 掴 むことが 出 来 た. アクセラレーションに 関 しては 学 内 でスタートの 練 習, 岡 山 国 際 サーキットで 数 回 本 番 と 同 じ 条 件 で 練 習 した. 9 月 3 日 学 長 視 察 岡 山 大 学 の 千 葉 喬 三 学 長 に 視 察 して 頂 き, 多 くの 教 職 員, 学 校 関 係 者 に 向 けて OUFP-04 のお 披 露 目 を 行 った. また 山 陽 放 送 様, 岡 山 放 送 様, 朝 日 新 聞 社 様, 山 陽 新 聞 社 様 に 取 材 して 頂 き,ニュース, 新 聞 で 取 り 上 げて 頂 いた. この 場 をお 借 りし, 再 度 厚 く 御 礼 申 し 上 げます. 6

8 3. 第 6 回 全 日 本 学 生 フォーミュラ 大 会 について 3.1 大 会 レギュレーション 以 下 に 第 6 回 全 日 本 学 生 フォーミュラ 大 会 の 主 なレギュレーションを 示 す.なお,これは 大 会 概 要 より 抜 粋 した 物 である. 排 気 量 610cc 以 下 の 4 サイクルエンジンを 使 用 し,φ20mm 以 下 の 吸 気 制 限 を 行 うこと.タイ ヤをカウルで 覆 わないオープンホイールスタイルであること. 車 両 価 格 はコストテーブル 上 にて$25,000 未 満 で 製 作 し, 日 産 4 台 を 想 定 したラインを 考 え, 提 出 する 書 類 によってそれらを 証 明 しなければならない. 車 両 は 自 分 たちで 立 案, 設 計, 製 作 を 行 うことが 原 則 である. フレームに 使 用 する 部 材 は, 主 催 者 側 が 規 定 したパイプ 径 肉 厚 を 使 用 するか,それらと 同 等 以 上 のパイプを 使 用 すること. 規 定 以 外 のパイプを 使 用 する 場 合, 事 前 に 提 出 する 等 価 構 造 計 算 書 において 規 定 のものと 同 等 以 上 の 性 能 であることを 証 明 しなければならない. 3.2 競 技 概 要 ( 本 チーム 2007 年 度 企 画 書 から 抜 粋 ) 大 会 の 概 要 を 表 に 示 す.なお,この 表 は 本 チームの 2008 年 度 企 画 書 から 抜 粋 したもので ある. 表 競 技 概 要 競 技 計 1000 点 競 技 の 詳 細 評 価 内 容 静 的 競 技 動 的 競 技 車 検 0 車 両 の 安 全 設 計 要 件 の 適 合,ドライバーの5 秒 以 内 脱 出,ブレー キ 試 験, 騒 音 試 験,チルトテーブル 試 験 コスト 審 査 100 事 前 に 提 出 した 書 類 を 基 に, 車 両 の 前 でコストに 関 してどのように 心 がけたかを 口 頭 試 問 する.また 部 品 の 製 造 過 程 などを 説 明 し, 質 問 に 対 して 回 答 をする 提 出 書 類 の 完 成 度,コストの 工 夫 点, 部 品 の 理 解 度 設 計 審 査 150 事 前 に 提 出 した 設 計 資 料 と 車 両 をもとに,どのような 技 術 を 採 用 し,どのような 工 夫 をしているか,またその 採 用 した 技 術 が 市 場 性 のある 妥 当 なものかを 評 価 する. 具 体 的 には, 車 体 および 構 成 部 品 の 設 計 の 適 切 さ, 革 新 性, 加 工 性, 補 修 性, 組 立 性 などについて 口 頭 試 問 する. 設 計 内 容, 熟 考 度 など 競 技 のコンセプトに 沿 い, 製 造 会 社 の 役 員 に 設 計 上 の 優 れている プレゼンテーション 75 ことを 確 信 させる という 仮 想 のシチュエーションのもとで 行 う プレゼンテーション 能 力, 車 両 との 統 一 性 アクセラレーション m 加 速 加 速 力 の 評 価 スキッドパッド 50 オートクロス 150 エンデ タイム 350 ュラン ス 燃 費 50 8 の 字 走 行 コーナリング 性 能 の 評 価 直 線 ターン スラローム シケインなどによる 約 1000mのコース を2 周 走 行 する. 走 行 性 能 の 評 価 直 線 ターン スラローム シケインなどによる 約 1000mのコース を 各 ドライバー2 名 が 11 周 ずつ 走 り, 計 22 週 のタイムを 競 う. 総 合 評 価 - 7 -

9 3.3 第 6 回 大 会 レポート ここで,2008 年 9 月 10 日 から 13 日 までの 4 日 間, 静 岡 県 小 笠 山 総 合 運 動 公 園 で 行 われた 第 6 回 学 生 フォーミュラ 大 会 での, 本 チームの 動 向 を 示 す. 9 月 10 日 ( 大 会 1 日 目 ) 車 検 目 視 車 検 : 1 回 目 不 合 格 2 回 目 再 車 検 合 格 重 量 測 定 :245kg チルト 試 験 : 合 格 騒 音 試 験 : 合 格 (109.8dB) ブレーキ 試 験 : 合 格 (1 回 目 ) コスト 審 査 担 当 : 大 浦 + 製 造 担 当 ( 各 班 リーダー)+パーツ 製 造 工 程 ( 佐 々 木, 澤 田 ) デザイン 審 査 担 当 : 青 田 + 各 班 リーダー プレゼンテーション 担 当 : 河 田 大 会 までに OUFP の OB の 方 に 事 前 車 検 を 行 って 頂 き, 車 検 対 策 を 念 入 りに 行 って 大 会 に 臨 ん だ.2 日 目 までに 車 検 に 通 過 しないと 動 的 競 技 に 参 加 できなくなる 上,2 日 目 の 動 的 競 技 も 時 間 的 制 約 があることから 1 日 目 での 全 車 検 項 目 通 過 を 目 標 としていた. 1 回 目 の 技 術 車 検 では 大 きな 問 題 点 は 指 摘 されず, 数 点 指 摘 事 項 を 受 けピットに 戻 ってただち に 修 正 した. 今 年 度 からは 再 車 検 の 際, 指 摘 事 項 のみをチェックするという 新 しいシステムが 導 入 され OUFP もその 再 車 検 ブースで 再 車 検 を 受 けた.その 再 車 検 時 では 新 たに 問 題 点 等 指 摘 され ず 無 事 技 術 車 検 を 通 過 し,チルト 試 験 に 進 んだ.チルト 試 験 も 無 事 通 過 し 事 前 にチェックして いた 中 では 規 定 値 近 くの 値 を 示 していた 騒 音 検 査 に 進 んだ. 結 果 は 109.8dB という 規 定 値 より 0.2dB 低 いというギリギリのものであったが, 無 事 1 度 で 通 過 できた. その 後 のブレーキ 試 験 では, 練 習 時 と 大 会 時 の 路 面 状 況 の 違 いなど 多 少 の 不 安 はあったが 無 事 1 回 目 で 通 過 することができた. 結 果 的 に 1 日 目 で 全 車 検 項 目 を 通 過 でき,2 日 目 からの 動 的 種 目 の 予 定 を 立 てやすくなった. 各 静 的 競 技 の 考 察 は 3.4 を 参 考 にして 頂 きたい. 次 年 度 はすべての 静 的 競 技 において 更 なる 熟 慮, 対 策 が 必 要 であると 感 じた. 無 事 1 日 目 で 車 検 通 過! コスト 審 査 の 様 子 (サス 班 上 田 ) - 8 -

10 9 月 11 日 ( 大 会 3 日 目 ) 動 的 競 技 アクセラレーション,スキッドパッド,オートクロス 結 果 アクセラレーション (17 位 /35 台 出 走 ) Dr 家 守 スキッドパッド 5 491(15 位 /28 台 出 走 ) Dr 澤 田 オートクロス (37 位 /47 台 出 走 ) Dr 藤 谷 前 日 の 夜 のミーティングで 11 日 の 当 日 の 動 きに 関 して 話 し 合 った.2 日 目 は 前 日 までに 技 術 車 検 を 通 過 したチームが 多 く,プラクティスの 回 数 が 多 くとれないと 考 えたため 1 年 生 で 車 両 にま だ 不 慣 れと 考 えた 澤 田 をまずプラクティスに 乗 せ 車 両 の 状 態 をチェックした 後, 家 守 がアクセ ラレーションに 臨 んだ. アクセラレーションは 今 年 度 チーム 発 足 時,1 位 目 標 を 掲 げていた 競 技 であった. 結 果 は と 目 標 からは 離 れたタイムとなってしまったが,2 度 目 にかけることにした. その 後,ピットに 戻 りエンジンの 燃 調 の 調 整 を 行 った.しかしこの 際 エンジンがかからなくなる トラブルが 発 生 し, 調 整 にかなりの 時 間 がかかってしまった. またこの 時,スキッドパッドの 計 測 器 が 破 損 し,2つあるうち 1 つのコースが 使 えなくなったと の 連 絡 を 受 けた.この 時 点 で 残 り 時 間 を 考 え,スキッドパッドに 出 走 した. スキッドパッドに 関 しては 練 習 を 重 ね, 最 終 的 に 学 校 内 の 参 考 記 録 ではあるが 5 秒 フラット 近 くのタイムを 出 していたので 期 待 していた 競 技 である. 結 果 は で 昨 年 度 のタイムからは 大 幅 に 向 上 したものの, 事 前 の 手 ごたえから 考 えると 物 足 りないものであった. その 後,アクセラレーションの 2 度 目 に 向 かったが,すでに 時 間 的 に 出 走 する 余 裕 は 無 く, 最 終 的 にどちらの 競 技 も 1 回 の 出 走 にとどまってしまった.この 事 に 関 してはタイムマネジメント の 重 要 性,1 発 勝 負 の 中 でタイムを 出 すことの 難 しさを 実 感 することとなった. 午 後 からはオートクロス 競 技 が 行 われた. 澤 田, 藤 谷 ともプラクティスを 出 走 し, 競 技 に 臨 ん だ.1 回 目 は 澤 田 が 出 走 したタイム 的 には 55 秒 台 と 中 位 につけていたがパイロンタッチ,オフコ ースのペナルティを 受 け 最 終 的 なタイムは 1 分 8 秒 と 下 位 のタイムであった.これを 受 け 2 人 目 の 藤 谷 にはペナルティを 最 優 先 に 回 避 し,タイムを 出 すよう 指 示 した. 藤 谷 のベストタイムは と 24 位 相 当 のタイムであったが,これもパイロンタッチ,オ フコースのペナルティを 受 け 1 分 12 秒 と 下 位 タイムに 沈 んでしまった. 最 終 的 にオートクロスのタイムは 藤 谷 の 1 週 目 の が 採 用 され,37 位 という 下 位 タイム に 終 わることとなった. 得 点 は 7.5/150 というものであり, 仮 にペナルティを 受 けなかった 場 合 50 点 程 度 の 得 点 を 獲 得 できたので,このペナルティが 大 きく 悔 やまれる 結 果 となってしまった

11 9 月 12 日 ( 大 会 3 日 目 ) 最 後 の 動 的 種 目 であるエンデュランスの 出 走 順 はオートクロスのタイム 順 となった. 19 組 目 の 出 走 ということもあり, 大 会 4 日 目 に 出 走 か 3 日 目 の 最 後 に 出 走 か 微 妙 な 出 走 順 であっ た. 朝 は 上 位 校 の 走 行 をチーム 全 体 で 見 学 に 行 った. 上 位 校 の 走 りは 中 位 校 とは 明 らかに 異 なる もので, 車 両 面,ドライビング 技 術 面 でもまだまだ 差 があると 感 じた.その 後,プラクティス, エンジン 調 整 を 行 い, 当 日 出 走 となっても 対 応 できるよう 準 備 を 進 めた. 午 後 になってからは, 出 走 するチームにリタイアが 相 次 ぎ,3 日 目 の 出 走 を 覚 悟 した. この 時 点 で 出 走 の 列 に 並 び,3 日 目 の 最 後 の 出 走 順 での 出 走 が 決 定 した. 時 間 的 には 17 時 半 と 日 も 暮 れ 始 め 気 温, 路 温 とも 下 がっている 頃 に 出 走 となった.エンデュランスに 関 しては 昨 年 度 のリタイアという 結 果 を 受 け, 完 走 が 第 一 目 標 であることを 事 前 にチーム 全 体 の 意 識 として 確 認 していた.またオートクロスでのペナルティを 受 けた 結 果 から,ペナルティを 受 けないことを 意 識 するよう 家 守, 藤 谷 と 話 し 合 った. 1 人 目 のドライバーは 家 守 であった.オートクロスに 出 走 していない 為, 実 際 のコース 走 行 は これが 初 めてであり, 不 慣 れな 中 であったが 順 調 にタイムをあげながら 走 行 し,2 人 目 のドライ バーの 藤 谷 に 交 代 した.ドライバー 交 代 はうまく 終 えたが,この 時 エンジンがなかなか 再 始 動 し ないというトラブルが 発 生 した. 頭 の 中 にリタイアがよぎったが,なんとか 規 定 時 間 ギリギリで エンジンがかかり,コースに 出 て 行 った.この 時 は 本 当 にホッとしたというのが 正 直 な 感 想 であ る. 藤 谷 は 家 守 よりも 良 いタイムで 周 回 を 重 ねていった. 足 回 りのトラブルを 心 配 していたが, 車 体 に 不 調 と 思 われる 点 は 見 られなかった.そのまま 藤 谷 もリタイアにつながるような 大 きなミス を 犯 すことなく 11 周 の 周 回 数 を 走 り 終 え,エンデュランスを 完 走 という 結 果 で 終 えた. エンデュランスの 様 子 エンデュランス 完 走! 9 月 13 日 ( 大 会 4 日 目 ) 午 前 中 はデザインファイナルが 行 われ, 上 位 校 のデザイン 審 査 の 様 子 を 見 学 した. 普 段 なかなか 交 流 することのできない 他 大 学 のメンバーと 情 報 を 交 換 したり, 実 際 車 両 を 目 の 前 にして 様 々な 車 体 技 術 に 関 して 質 問 するなどして, 次 年 度 車 両 にフィードバックできる 点 を 吸 収 できる 非 常 に 貴 重 な 時 間 である. 個 人 的 には 1 年 生 が 自 発 的 に 他 校 を 見 学 しに 行 っていた ことが 頼 もしく 見 えた

12 夕 方 は 表 彰 式 がアリーナで 行 われた.OUFP が 大 会 に 出 場 し 今 回 で 3 回 目 であるが 過 去 の 大 会 では 表 彰 台 に 登 ることは 出 来 なかった. しかし 今 年 は 省 エネ 賞 2 位 と 日 本 自 動 車 工 業 会 会 長 賞 5 位 と 思 いもかけないところで 2 つ のトロフィーを 獲 得 し, 表 彰 台 に 上 がることができた.2008 年 度 チームが 結 成 された 際, 今 年 は 何 としても 最 低 1 つトロフィーを 獲 得 するという 目 標 を 掲 げ,そこからアクセラレーション 1 位 を 目 指 したのだが, 思 いもかけなかったところで 賞 を 獲 得 することができ, 私 の 中 では 正 直 あまり 実 感 のないまま 表 彰 台 に 上 がった.しかしトロフィーを 受 け 取 った 瞬 間, 何 ともいえな い 喜 びの 気 持 ちがこみ 上 げてきた.1 年 間 OUFP を 支 えてくださった 方 々になんとか 恩 返 しをで きたと 感 じた. /75) 最 終 成 績 省 エネ 賞 プレゼンテーション 2 位 獲 得! 審 査 27 位 (33.75 コスト 審 査 27 位 (50.3/100) 獲 得 したトロフィー デザイン 審 査 26 位 (108/150) アクセラレーション 17 位 (45.37/75) スキッドパッド 15 位 (26.07/50) オートクロス 35 位 (7.5/150) エンデュランス 燃 費 16 位 (110.69/400) 総 合 19 位 (381.88/1000) 特 別 賞 省 エネ 賞 ( 燃 費 ) 2 位 日 本 自 動 車 工 業 会 会 長 賞 5 位 ( 設 計 衝 突 安 全 軽 量 化 努 力 燃 費 騒 音 スポーツシップ 等 を 基 に 評 価 ) 3.4 各 種 目 別 考 察 プレゼンテーション 審 査 プレゼンテーション 審 査 は 大 会 初 日 の 10 日 に 行 われた. 本 チームには 8:45 から 9:15 までの 30 分 間 が 与 えられ, 発 表 時 間 10 分, 質 疑 応 答 5 分, 残 り 15 分 でプロジェクターのセットやパソコンの 準 備, 片 付 けなどを 行 わなければならない. 本 校 は 8:30 には 会 場 である 静 岡 アリーナに 着 いていたため, 指 定

13 時 間 になるとすぐに 準 備 を 開 始 した.そして 準 備 完 了 後, 審 査 員 の 合 図 があるとプレゼン 開 始, 発 表 を 行 った. 発 表 は 9 分 40 秒 ほどで 終 了.3 人 の 審 査 員 からの 質 問 が 始 まった. 市 場 規 模 の 算 出 方 法 部 品 価 格 について 車 の 工 夫 した 点 について 質 問 をされた. 事 前 の 発 表 準 備 練 習 が 不 足 していたため, 思 うように 説 明 することが 出 来 なかった. 審 査 員 からは 車 の 性 能 についてはよくまとまっているが 生 産 販 売 面 での 考 慮 が 不 足 しているとの 評 価 を 受 けた.また, 今 回 の 発 表 ではプロジェクターを 使 用 したが 発 表 の 際 に 会 場 の 照 明 を 消 し 忘 れ 画 面 が 見 にくくなってしまうというミスもあった. 結 果 は 点 で 27 位 となった(75 点 満 点 参 加 校 62 校 ). 成 績 向 上 のためには, 今 年 度 では 大 会 直 前 になってしまったプレゼンテーションの 制 作 および 発 表 練 習 を 早 期 から 行 うこと, 販 売 面 での 内 容 の 充 実, 審 査 員 からの 見 え 方 に 気 を 配 ることなどが 必 要 だと 思 った. ( 河 田 良 介 ) デザイン 審 査 デザイン 審 査 は, 発 表 時 間 10 分, 質 疑 応 答 15 分, 講 評 5 分 の 計 30 分 で 行 われた. 正 常 進 化 とい うコンセプトのもと, 昨 年 度 の 車 両 を 軽 量 化 性 能 の 向 上 を 達 成 した 点 が 評 価 された. 具 体 的 には,サスペンションの 調 整 にトーコンロッド 式 シム 式 を 採 用 し 簡 易 化 した 点,パドルシフ ト 採 用 による 操 作 性 の 向 上,CFD 解 析 と 実 物 によるサージタンクの 形 状 の 比 較 試 験,エキマニの 内 径 を 最 適 化 しターボラグを 軽 減 した 点,CFD 解 析 によるカウル 内 への 導 風 効 果 の 比 較 を 評 価 された. 逆 に 改 善 すべきと 指 摘 を 受 けた 部 分 は 平 行 等 長 のサスペンションジオメトリ.セカンダリーインジ ェクションの 制 御 距 離 の 理 論 的 な 設 計. 見 た 目 最 終 的 な 仕 上 がり 品 質 のさらなる 向 上. 結 果 は 108 点 で 77 校 中 26 位 ( 全 エントリー 中 )となった. 昨 年 よりは 1 点 上 がったが,デザインレポ ート 当 日 審 査 の 内 容 が 良 ければさらに 上 の 順 位 が 期 待 できた. 上 位 を 狙 うために,デザインレポート 提 出 に 関 しては, 全 メンバーが 積 極 的 に 協 力 し, 早 い 時 期 に 解 析, 実 験 を 行 い 結 果 及 びデータを 集 める ことが 必 要 である.また,ねじり 剛 性 の 実 験 や 空 力 における 考 慮 等 が 必 要 であると 感 じた. ( 青 田 寿 大 ) コスト 審 査 コスト 審 査 は, 車 両 を 前 にした 発 表, 質 疑 応 答 時 間 20 分, 部 品 の 製 造 工 程 討 議 5 分 2 の 計 30 分 で 行 われた. 今 年 度 のコストレポートは, 制 作 を 開 始 をしたのが 遅 く, 正 直 あまり 満 足 の 出 来 ではなかっ たが, 昨 年 度 の 反 省 から, 審 査 員 に 見 やすくするよう 図 を 多 く 取 り 入 ることや, 購 入 部 品 の 選 定 を 煮 詰 めるなどして, 車 両 価 格 の 低 減 につとめた. 当 日 の 審 査 では,サスペンション,フレーム,カウル,ファイナルアッセンブリの 各 項 目 ごとに 審 査 員 と 車 両 を 前 にして 議 論 し,コスト 低 減 の 工 夫 や, 製 造 工 程 の 正 当 性, 工 夫 等 をアピールした. 製 造 工 程 討 議 では, 事 前 に 発 表 されている 8 種 類 の 部 品 のうち, 当 日 2 種 類 の 部 品 が 指 定 され,その 製 造 工 程 を 審 査 員 に 説 明 するものである. 今 年 度 はリアミラーとイグニッションコイルの 2 品 目 につい て 1 年 生 の 佐 々 木 と 澤 田 が 発 表 した. 審 査 員 からの 質 問 に 詰 まる 場 面 も 見 られ, 審 査 員 からも 準 備 不 足 との 指 摘 を 受 けた. 私 が 資 料 作 りを 指 示 したのが 夏 休 みごろと 遅 く, 情 報 収 集 量 が 不 足 していた. 来 年 度 に 関 しては,とにかく 早 い 時 期 から 情 報 を 集 めておくのが 重 要 だと 思 う. 結 果 であるが,50.3 点 で 77 校 中 27 位 と 昨 年 度 より 点 数 のアップは 果 たすことができた. 当 日 の 講 評 では,レポートは 見 やすく 作 られていて 良 いという 評 価 を 受 けたが,エンジン 関 係 のパーツ の 製 造 時 間 を 短 く 見 積 もりすぎペナルティ 対 象 となったとの 指 摘 を 受 けた. 昨 年 度 の 反 省 から 修 正 を 行 った 箇 所 であったが,まだまだ 認 識 が 甘 かったと 反 省 した. 来 年 度 に 関 しては,レポートの 書 き 方 は 固 まってきたので, 日 産 4 台 を 想 定 した 生 産 工 程 の 考 慮,さ らにレポートを 見 やすくする 工 夫, 適 切 な 製 造 時 間 見 積 りなどで, 点 数 アップはまだまだ 可 能 である. 2 年 間 コスト 審 査 を 担 当 した 者 として 悔 やまれる 結 果 となったが, 総 合 上 位 を 目 指 すためには 得 点 率 を

14 上 げる 必 要 があるので, 来 年 度 はさらなる 高 得 点 につながるコストレポート 制 作 を 目 指 して 欲 しい. ( 大 浦 佑 介 ) アクセラレーション 個 人 的 に 今 回 で 3 度 目 の 挑 戦 となったアクセラレーションであったが 結 果 は 残 念 なものとなってしま った. 前 大 会 では, 初 めてターボチャージャーを 搭 載, 練 習 不 足,シフトミスなどがあった 中, 思 ったより もよい 結 果 を 残 すことができた. 今 大 会 では 大 会 前 の 練 習 中,エンジンのミッショントラブルや,シフ トチェンジ 用 のアクチュエータの 動 作 不 良 のために 正 直 なところ 満 足 な 練 習 が 出 来 たとは 言 えなかった. しかし, 大 会 本 番 ではこれらの 問 題 点 を 解 決 して 臨 むことができた.また, 前 大 会 後 からターボチャ ージャーの 熟 成 を 行 ったことで, 車 体 の 加 速 性 能 は 飛 躍 的 に 向 上 していた.そのため, 今 大 会 では 前 大 会 でのミスなどを 無 くすことでより 速 いタイムを 出 そうと 意 気 込 んで 臨 んだ. いよいよ 本 番 1 本 目 をスタートしたのだが, 練 習 走 行 の 時 に 比 べスピードが 伸 びないことに 気 付 いた. そして,2 本 目 もスタートしたのだが,ここでも 1 本 目 同 様 スピードは 伸 びなかった.その 後, 他 の 競 技 で 車 体 のオーバーヒートが 起 こったため, 結 局 私 が 走 ったタイムが 記 録 として 残 された. 大 会 終 了 後 に 判 明 したことであったが,ターボチャージャーの 整 備 不 良 でブースト 圧 がかかっていな かったことが 分 かった. 痛 すぎるミスであった. ( 家 守 進 ) スキッドパッド スキッドパッドに 関 しては, 練 習 走 行 の 総 計 時 間 も 多 く,オートクロスやエンデュランスと 比 べ 単 純 な コースであり,セッティングもドライビングも 問 題 ないと 考 えていたが, 大 会 本 番 ではコンディション にマッチしておらず, 結 果 的 に 車 体 性 能 を 生 かさないまま 終 了 してしまった.その 主 な 原 因 が 大 会 と 同 じ 状 況 での 練 習 をしていないことが 考 えられる. 一 度 だけでも 大 会 前 に, 大 会 時 のコンディションを 想 定 した 練 習 をするのが 好 ましい.とくに 足 回 り( 挙 動 )に 関 しては, 出 来 るだけ 同 じ 状 況 で 走 らなけれ ば, 大 会 にマッチするセッティングが 出 しにくい.それだけでも 大 きくタイムに 響 いてくると 考 えられ る. セッティングの 方 向 性 としては, 全 体 的 に 弱 オーバーステアよりにし,レスポンスを 良 くする 方 向 に もっていけば,タイムが 出 やすくなると 思 う. ( 澤 田 雅 人 ) オートクロス 1 本 目 はコース 状 況 を 把 握 しつつ 走 行 した. 走 行 し 始 めてすぐに, 練 習 時 と 路 面 のグリップが 違 った ため 滑 りやすい 印 象 を 受 けた.コースレイアウトのほとんどがテクニカルなので, 事 前 に 確 認 したライ ンをなるべく 走 行 できるよう 心 がけた.2 本 目 はペースアップして 走 行 しようとしたが, 低 速 コーナー やスラロームでリアが 不 安 定 であり, 曲 がりにくかった.また, 練 習 時 よりもコーナーの 立 ち 上 がりが 悪 く, 大 会 後 に 調 べてみると,タービンのバイパスバルブが 常 時 開 いている 状 態 であり, 結 果 としてタ ーボの 持 ち 味 が 全 く 使 えていない 大 会 となってしまった. 自 身 は 走 行 技 術 も 未 熟 であり,また1 周 でタイムを 出 すというプレッシャーも 感 じた.エンジンの 特 性 を 昨 年 より 低 回 転 よりに 振 ったため 立 ち 上 がりは 改 善 していたが, 前 記 の 問 題 があったために 活 かしき れたわけではなかった.OUFP04 の 車 両 バランスでは, 上 位 校 と 比 べて 足 回 りが 足 りないと 感 じた. 現 状 のエンジンはセッティング 等 を 煮 詰 めていけば 上 位 校 に 引 けを 取 らないと 思 われるが, 足 回 りが 足 りないと 感 じる. 特 に,コースレイアウトは 年 々テクニカルになってきているので,レイアウトが 大 幅 変 更 されない 限 り,また,OUFP02 よりあまり 変 化 が 見 られないため, 足 回 りの 抜 本 的 な 改 善 が 必 要 で あると 強 く 感 じる.また, 本 番 で 使 われるコースを 事 前 に 走 行 し, 路 面 の 状 況 に 慣 れることが 必 須 であ る.そうすることで, 本 番 で 多 少 余 裕 が 出 来 るように 感 じる. ( 藤 谷 宇 )

15 エンデュランス エンデュランスは 私 自 身 初 めての 挑 戦 であった. 今 大 会 に 向 けての 練 習 走 行 では,シフトチェンジ 用 の アクチュエータの 動 作 不 良 により,シフトチェンジを 行 わない 状 態 での 走 行 が 続 いていたものの, 足 回 りなどに 目 立 ったトラブルもなく 今 までで 最 も 走 行 練 習 ができたと 思 われる.しかし,オーバーヒート という 大 きな 問 題 があったため 不 安 は 残 っていた. 大 会 本 番 では,エンデュランス 1 日 目 の 最 後 ギリギリで 走 行 の 順 番 が 回 ってきた. 夕 暮 れ 前 で 気 温 も 下 がってきていたため, 私 たちには 絶 好 のタイミングで 競 技 に 臨 む 事 が 出 来 たと 思 われる. 前 大 会 では 足 回 りのトラブルにより 完 走 を 逃 したということもあり,チームの 方 針 として 今 大 会 では 完 走 を 目 指 し ていたため, 私 は 無 理 をせず 走 りきることを 念 頭 において 競 技 に 臨 んだ.しかし, 本 番 では 路 面 状 況 が 練 習 時 と 大 幅 に 異 なっていたこと,ドライビングテクニックの 未 熟 さなどから 多 数 のミスをしてしまっ た. 結 果 としてスピードにも 乗 れず,ミスも 多 かったため 自 分 の 中 では 最 悪 の 結 果 になってしまったと 感 じた. 今 大 会 を 終 えて 感 じたことは, 速 い 車 両 を 作 ることはもちろんであるのだが,それと 同 時 にドライバ ーの 育 成 にも 力 を 入 れることが 重 要 だと 感 じた. 次 大 会 に 向 けての 試 みとしてドライビングシミュレー タの 導 入 が 行 われるので, 有 効 に 活 用 してほしいと 思 う. ( 家 守 進 ) コースがオートクロスより 変 更 され, 多 少 テクニカルとなっていた. 自 身 は2 番 手 であり,ドライバ ーチェンジ 時 の 再 始 動 にてこずったが, 何 とか 始 動 することができた.1 番 手 が 走 行 し 始 めた 時 は 夕 暮 れだったが, 走 行 している 間 に 日 没 となり, 気 温 が 急 激 に 変 化 した.そのため 走 行 前 に 行 ったセッティ ングは 合 わなくなっており,オートクロスの 時 より 立 ち 上 がりが 悪 い, 伸 びないといった 状 態 であった. そのため 前 半 は1 2 速 で 走 行 していた.また 路 面 温 度 も 下 がったのか,オートクロスの 時 よりも 滑 り やすい 状 態 だった.ペースアップしようとすると 低 速 コーナーやスラロームでリアが 不 安 定 であり, 曲 がりにくく 止 まりにくかった. 中 高 速 コーナーではいつスピンするかわからなかったので, 抑 えて 走 行 することにした. 後 半 では 水 温 が 高 くなりすぎたために, 当 初 の 目 標 であった 完 走 を 目 指 し,2 速 ホ ールドで 走 行 することにした. 一 度 コースオフもしてしまい, 走 行 技 術 の 未 熟 さも 感 じた. 結 果 として 課 題 だけが 残 った 大 会 となったように 思 う. 事 前 のチェック 体 制 やセッティングの 煮 詰 め, 当 日 のタイムスケジュール 等 を 徹 底 していったほうが 良 いと 思 われる.また,オートクロスやエンデュ ランスでタイムを 伸 ばすためには,トータルのバランスが 必 要 だと 感 じた.OUFP04 の 車 両 バランスでは, 上 位 校 と 比 べて 足 回 りが 足 りないと 感 じた. ( 藤 谷 宇 ) すべてを 終 えて 最 終 的 に 動 的 競 技 全 種 目 完 走,2つのトロフィーを 獲 得 することができ,2008 年 度 チームの 最 低 限 の 目 標 を 達 成 できたと 考 えている.ただ 動 的 競 技 では 本 来 のポテンシャルを 発 揮 できず, たいへん 悔 しい 思 いをした.チーム 運 営 を 担 当 した 者 としては,タイムマネジメントの 失 敗 が 大 変 悔 やまれた. また 静 的 競 技 も 上 位 校 と 比 べ 定 量 的 評 価 が 絶 対 的 に 不 足 していた.このあたりは 上 位 校 との 車 両 の 完 成 度 の 違 いにも 関 わってきていることだと 思 う

16 動 的 競 技, 特 にオートクロス,エンデュランスはパイロンで 作 られた 広 いコースに 不 慣 れという 原 因 もあるが,ドライバーがペナルティ 覚 悟 で 攻 めないとタイムを 出 せないという 車 両 面 の 原 因 が 大 きいと 感 じた 年 度 チームは 人 数 不 足 という 課 題 があったが,2009 年 度 チームも 引 き 続 きメンバー 数 の 少 ない 中 で 活 動 していかなければならない.1,2 回 生 が 中 心 となり, 今 まで 設 計 に 携 わったこ とのないメンバーが 主 要 な 設 計 製 作 を 担 当 することになる. 私 は 第 1 線 から 退 き,マネージメント 担 当 という 形 でチームに 残 るが, 手 伝 える 範 囲 でできるか ぎりサポートしていきたいと 考 えている. ( 大 浦 佑 介 ) 大 会 4 日 目 集 合 写 真

17 4. OUFP-04 車 両 説 明 4.1. コンセプト 正 常 進 化 我 々 岡 山 大 学 フォーミュラプロジェクト( 以 下 OUFP)は, 今 年 度 の 車 両 コンセプトを 正 常 進 化 とし, 昨 年 度 車 両 ( 以 下 OUFP-03)からのフィードバックを 基 に, 軽 量 化 と 走 行 性 能 の 向 上 を 目 標 に 今 年 度 車 両 ( 以 下 OUFP-04)の 設 計 を 行 った.ドライバーの 真 の 実 力 を 引 き 出 すための 操 作 性 と 安 定 性,どのマシン にも 引 けを 取 らないトルク パワー,コーナリング 時 にも 安 定 した 力 が 出 せるシャシー, 攻 めたドライ ビングをする 上 で 必 要 なドライバーとマシンとの 信 頼 を 持 つ 車 両 という OUFP-03 の 設 計 思 想 を OUFP-04 でさらに 実 現 することを 目 標 とした. 以 下 に, 設 計 内 容 を 記 す. OUFP-03 からのフィードバックを 基 に,パッケージングに 関 する 車 両 特 性 の 目 標 を 次 のように 掲 げた. レーシングカーの 開 発 において, 最 も 重 要 なファクターは 重 量 である.OUFP-03 では, 過 給 機 の 装 着 によるエンジン 出 力 の 向 上 を 受 け, 安 全 係 数 を 大 きく 取 った 設 計 を 行 った.その 結 果,265kg という 車 体 重 量 になり, 昨 年 度 大 会 参 加 チームの 中 で 重 いグループに 位 置 することになった.OUFP-04 では,コ ンパクト 化,デッドスペースの 削 減, 安 全 係 数 の 見 直 しを 行 うことで 軽 量 化 をはかることとし, 目 標 車 体 重 量 を 225kg とした. 以 下 に, 各 部 門 の 昨 年 度 重 量 と 目 標 重 量 を 示 す. OUFP-03 OUFP-04 Power train 93 kg 85 kg Suspension 100 kg 85 kg Frame 41 kg 30 kg Interior Exterior 31 kg 25 kg Total 265 kg 225 kg 走 行 性 能 の 向 上 に 関 して,OUFP-04 では OUFP-03 に 引 き 続 き 過 給 機 を 搭 載 した. 過 給 機 を 最 大 限 に 生 かすために, 旋 回 性 能 とのバランスを 考 えながらも 加 速 性 能 の 向 上 を 最 優 先 とした. 具 体 的 には,エン ジンレスポンスの 向 上, 最 終 減 速 比 の 最 適 化, 点 火 カットシステムの 採 用 である.また, 旋 回 性 能 を 犠 牲 にしないために, 目 標 前 後 重 量 バランス 50:50, 目 標 左 右 重 量 バランス 50:50 とした. OUFP-04 CAD 図 OUFP

18 4.2. パーツ 説 明 パワートレイン エンジンは 同 じ 排 気 量 においても 高 回 転 高 出 力 を 誇 る Kawasaki ZX-6RR の 599cc エンジンを 使 用 した. 昨 年 度 と 同 様 にエンジンの 低 重 心 化, 高 出 力 化,レスポンスの 向 上 に 重 点 を 置 き, 設 計 を 行 っ た. 目 標 を 達 成 するために, 過 給 機 搭 載 による 高 出 力 化,ツインインジェクション 化 による 燃 焼 の 効 率 化 やレスポンスの 向 上, 点 火 カットシステムの 採 用 によるドライバビリティの 向 上,オイルパン 自 作 による 低 重 心 化 を 行 った.また,スロットルボディ インジェクターマウント サージタンク 等 の 吸 気 パーツ,エキゾーストマニホールド サイレンサー 等 の 排 気 パーツを 自 作 することにより, 低 コ ストと 軽 量 化 を 目 指 した. 排 気 による 脈 動 の 利 用 や 抵 抗 の 軽 減, 過 給 機 のインペラに 送 られる 排 気 量 の 安 定 化 や 排 圧 の 安 定 化 を 目 的 とし,エキマニの 集 合 部 までにおける 各 気 筒 間 距 離 が 等 長 となるように 設 計 製 作 した. OUFP-03 では, 過 給 機 を 搭 載 したことで 最 大 出 力 105PS と, 過 給 機 非 搭 載 時 よりも 40%の 出 力 向 上 を 達 成 できた.そのため OUFP-04 でも, 引 き 続 き 過 給 機 を 搭 載 し,さらなる 効 率 化 を 目 指 した.OUFP-03 ではエキマニの 集 合 部 の 径 が 大 きく, 過 給 機 が 本 来 の 性 能 を 発 揮 する 排 圧 よりも 低 い 値 となっていた ため, 過 給 圧 が 設 定 値 になるまでに 大 きなタイムラグがあった.OUFP-04 はエキマニの 集 合 部 以 降 の 径 を 小 さくして 排 圧 を 高 め,さらに 過 給 機 に 近 づくにつれテーパー 状 にして 排 気 効 率 を 高 めることで, 吸 気 管 内 が 正 圧 になる 回 転 数 を6000rpmから3000rpmまで 引 き 下 げることに 成 功 した.それとともに, 過 給 圧 が 最 大 となる 回 転 数 も 下 がり, 最 大 出 力 最 大 トルクも 低 回 転 よりにふることが 出 来 た.これ により 加 速 性 能 の 向 上 レスポンスの 向 上 を 実 現 した. OUFP-04 では LSD に 軽 量 コンパクトな F.C.C Trac を 採 用 した.チェーンテンションの 調 節 は 整 備 性 を 考 えロッド 方 式 とした.また,OUFP-03 ではリアスプロケットの 下 に 補 強 パイプが 配 されていたた めに, 歯 数 の 自 由 な 調 整 に 制 限 があった.OUFP-04 では,そこを 改 善 した.まず,デフマウントとフ レームの 固 定 部 には 横 方 向 に 力 が 加 わるため,デフマウントを 横 方 向 のパイプが 入 っているリアセク ションの 前 後 で 固 定 した.LSD 本 体 に 受 ける 横 方 向 の 力 は,ドライブシャフトの 軸 方 向 に 伝 わり,ほ とんど 力 を 受 けないと 想 定 した.デフマウント 自 体 においては 強 度 解 析 を 行 い, 昨 年 度 比 約 30% 軽 量 化 を 達 成 した. シャーシダイナモでの 測 定 ターボチャージャー

19 4.2.2 フレーム 車 両 の 性 能 を 引 き 出 すために, 軽 量 で 高 剛 性 なフレーム 構 造 を 目 指 した.この 目 標 を 達 成 するため, トラス 構 造 を 中 心 としたフレーム 設 計 を 行 った.さらに,ドライバースペースを 決 定 するために,1/1 スケールのモックアップを 木 材 で 製 作 した.ドライバーのモデルは 日 本 人 男 性 の 平 均 身 長 である 170 cmとした.モックアップ 製 作 の 際 に, 昨 年 度 問 題 になっていたコックピット 開 口 部 の 広 さを 見 直 した. OUFP-04 ではサイドプロテクターの 上 にパイプを 配 置 することで 開 口 部 の 面 積 を 小 さくし, 剛 性 強 度 の 向 上 を 達 成 した. また,デッドスペースを 減 らしコンパクトなフレームとすることが 出 来 た. エンジンの 換 装 を 容 易 にするため,メインフープブレースを 取 り 外 し 可 能 な 機 構 とした.これによっ て エンジン 周 りの 整 備 性 を 向 上 させた. 1/1 モックアップ フレームの 製 作 風 景 操 作 系 エンジンの 高 出 力 化 に 伴 い,それに 見 合 った 制 動 力 を 得 るため, 昨 年 に 引 き 続 き 4 輪 アウトボー ドブレーキとした.4 輪 ブレーキで 数 が 多 い 分 マスターシリンダーとキャリパーは 軽 量 なものを 選 定 した. また,4 輪 アウトボードブレーキとすることでコーナリング 進 入 時 のブレーキングにおけるブレー キバランスの 乱 れを 少 なくし, 制 動 力 の 安 定 化 も 実 現 した.また, 制 動 力 配 分 図 を 描 くことによっ て, 実 際 の 制 動 力 を 減 速 Gが 1.6Gの 時 の 理 想 制 動 力 の 値 にすることにより 制 動 力 を 最 適 化 している ( 踏 力 を 50kgf と 想 定 ).ペダルについては, 昨 年 はアルミの 削 り 出 しで 製 作 したが, 今 回 は 鉄 板 の 溶 接 で 製 作 することによって,アクセル ブレーキペダル 合 わせて 昨 年 度 比 約 45%の 軽 量 化 を 達 成 した. また,ペダルボックスは 体 の 小 さい 女 性 にも 配 慮 し,155 cm 以 上 のドライバーであれば, 適 切 な 位 置 に 設 置 できるように, 総 量 80 mm,5 段 階 の 調 整 機 構 を 設 けた.また, 調 整 機 構 を 工 夫 したこと で, 昨 年 度 よりも 調 整 時 間 を 大 幅 に 短 縮 することが 出 来 た. ドライバーの 実 力 を 引 き 出 す 操 作 性 を 達 成 するために, 電 気 シフターを 利 用 したパドルシフトを 採 用 した.クラッチレバーをステアリングホイールと 連 動 させることで,ドライバーは 両 手 でステ アリング 操 作 しながらクラッチを 操 作 することが 出 来 る

20 ペダルボックス パドルシフト カウル 速 いだけでなく 見 る 人 を 魅 了 する 車 両 とするため,いくつかのデザイン 案 を 作 成 し 最 終 デザインを 決 定 した. 昨 年 度 のカウルから,マットの 厚 さ, 樹 脂 の 無 駄 を 省 くことで 約 40%の 軽 量 化 を 達 成 した. また,カウルの 装 着 によりラジエターへの 導 風 効 果 を 期 待 し 流 体 解 析 を 行 い, 形 状 を 決 定 した. カウル 流 体 解 析 図 OUFO-04 カウル サスペンション サスペンションの 基 本 的 役 割 である タイヤの 特 性 を 最 大 限 に 発 揮 させる ことを 目 標 に 設 計 を 行 った.そこで, 昨 年 度 に 引 き 続 き, 車 両 フロントビューでのピボット 点 が 近 似 的 に 平 行 四 辺 形 と なるように 設 計 し,バウンド リバウンド 時 のキャンバ 変 化 がほぼ 0 となるようにした.また 同 様 の 理 由 により,ロールセンターの 移 動 もほぼ 0 となるようにした. OUFP-03 のアームでは,トー 角 を 調 整 するためにはアームを 取 り 外 してロッドエンドで 調 整 して いた.この 方 法 ではトー 角 を 調 整 するために,ほとんどのサスペンション 部 品 を 取 り 外 さなければ ならず, 非 常 に 整 備 性 が 悪 かった.OUFP-04 ではトーコントーロールロッドを 採 用 し, 整 備 性 の 向 上 簡 便 化 を 図 った.また,パイプ 径 を 15.9 mmから 12.7 mm 形 状 を 台 形 から 三 角 形 へと 見 直 し 軽 量

21 化 を 図 った. アップライトは 昨 年 度 に 引 き 続 きアルミ 削 り 出 しで 製 作 することで, 精 度 とアセンブリでの 整 備 性 を 確 保 した. また,アップライトのマウントにシムの 厚 みによって 位 置 調 整 できる 機 構 を 持 たせ,キャンバー 角 調 整 を 可 能 とした. フロントハブはアルミ 削 り 出 しとし, 軽 量 かつ 精 度 のよいハブを 目 指 した. リアハブにおいては 軽 自 動 車 用 のものを 使 用 し,ブレーキディスクのマウントはアルミで 自 作 した. 昨 年 度 破 損 したリアハブベアリングについて,OUFP-04 では 荷 重 計 算 安 全 係 数 を 見 直 し, 十 分 耐 えうるベアリングを 選 定 した. ベルクランクに 関 しては 生 産 性 軽 量 化 を 考 慮 し, 昨 年 度 のアルミ 削 り 出 しから 鉄 板 の 溶 接 に 変 更 し 昨 年 度 比 約 55%の 軽 量 化 を 実 現 した.また, 整 備 性 を 考 慮 しプルロッドの 先 端 に 右 ねじ, 左 ね じのロッドエンドを 採 用 することで, 車 高 調 整 しやすくなった. スプリングを 硬 くしてロールを 抑 えようとすると, 乗 り 心 地 が 悪 くなりドライバーの 操 縦 性 が 低 下 すると 考 え,スタビライザーを 設 計 した. 設 計 するにあたり, 出 来 るだけ 簡 略 なものを 考 え, 軽 量 化 を 図 った.スタビライザーのロール 剛 性 は,スタビライザー 本 体 を 状 況 に 即 して 付 け 替 えるこ とにより,スプリング 単 体 でのロール 剛 性 より 30~40% 向 上 させることができる.スタビライザー の 取 り 付 けロッドをダンパーと 同 軸 上 から 出 すことにより,スタビライザー 動 作 時 に 左 右 の 動 きを 小 さくすることができた.また,スタビライザーの 腕 部 に 無 理 な 力 がかからないようになった. OUFP-04 リアハブ OUFP-04 サスペンション サスペンション 調 整 機 構

22 年 度 チームに 関 して マシンコンセプト ~ 加 速 旋 回 性 能 の 向 上 ~ 現 在 検 討 中 の 主 な 技 術 ターボチャージャー 吸 排 気 系 統 の 見 直 し フレームの 小 型 化 リーダーから 2009 年 度 車 体 のコンセプトですが, 部 員 一 同 で 話 し 合 った 結 果 昨 年 度 と 同 様 に 加 速 旋 回 性 能 の 向 上 と 決 定 しました.2008 年 度 車 両 ではコンセプトのように 加 速 および 旋 回 性 能 の 向 上 は 果 たしましたが, 大 会 で 性 能 を 生 かしきることができずに 悔 やむ 結 果 となってしまいまし た.この 二 つの 性 能 をさらに 発 展 させ 使 いこなすことが,チームで 掲 げた 目 標 総 合 順 位 一 桁 を 達 成 するためには 必 要 不 可 欠 であります.2008 年 度 車 両 の 高 出 力, 低 重 心, 高 安 定 性 といっ た 要 素 も 発 展 させることを 意 識 しつつ 今 後 設 計, 製 作 を 行 ってまいります 年 度 大 会 終 了 後, 皆 様 に 良 い 報 告 ができるよう 大 会 までの 約 1 年 間 しっかりとチームを まとめていきますので, 今 後 ともご 指 導,ご 鞭 撻 の 程 よろしくお 願 い 致 します. (2009 年 度 プロジェクトリーダー 高 橋 直 也 )