マ ン ハ ッ タ ン の 浜 に き 然 と そ び え る 平 和 の シ ン ボ ル - 平 和 の 女 神 の 像 を 模 造 し 今 は 世 界 平 和 撹 乱 の 罪 で 天 の 制 裁 と し て あ と か た も な く な っ た 広 島 城 跡 に 軍 閥 横 行 の 地 を

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1 戦 争 被 害 と 憲 法 ( レ ジ メ ) 宇 吹 暁 ( う ぶ き さ と る ) 憲 法 9 条 を 守 る 第 7 回 音 楽 と 講 演 の 集 い ( 於 ビ ュ ー ポ ー ト く れ ) Ⅰ. 憲 法 成 立 過 程 に お け る 戦 争 被 害 論 議 < 資 料 1-1> 日 本 政 府 が 1946 年 4 月 17 日 に 発 表 し た 憲 法 改 正 草 案 全 文 の 抄 録 現 行 憲 法 = 1946 年 11 月 3 日 公 布 1947 年 5 月 3 日 施 行 1946 年 6 月 14 日 モ ン ト ゴ メ リ ー ア メ リ カ 軍 中 尉 ( 広 島 市 の 復 興 顧 問 )の 帰 国 に 当 た っ て の 談 話 = 広 島 市 が 計 画 し て い る 戦 災 者 の 供 養 塔 の 建 立 に 反 対 し 私 は こ れ を 供 養 塔 で は な く 世 界 最 初 の 原 子 爆 弾 の 洗 礼 を あ び 第 二 次 大 戦 の 平 和 を 招 来 す る 因 と な っ た の だ か ら 世 界 永 遠 の 平 和 の シ ン ボ ル 国 際 平 和 記 念 塔 と し て 欲 し い ( 中 国 新 聞 6 月 16 日 ) 1946 年 7 月 婦 人 代 議 士 会 が 永 遠 に 戦 争 を 放 棄 し 全 人 類 の 幸 福 に 寄 与 し よ う と す る 日 本 の シ ン ボ ル と し て 国 際 平 和 記 念 塔 を 建 て よ う と の 建 議 を 準 備 広 島 県 選 出 の 武 田 キ ヨ の 努 力 で 建 設 予 定 地 は 広 島 と 決 定 ( 中 国 新 聞 7 月 21 日 ) < 資 料 1-2> 平 和 運 動 促 進 に 關 す る 建 議 [016/020] 90 - 衆 - 建 議 委 員 会 - 6 号 ( 回 ) 1946 年 08 月 23 日 最 上 英 子 = 1947 年 4 月 25 日 第 23 回 衆 議 院 議 員 総 選 挙 群 馬 3 区 当 選 ( 2 回 目 ) < 資 料 1-3> 中 尾 一 真 ( 元 東 洋 工 業 株 式 会 社 教 育 主 任 ) の 発 言 < 資 料 1-4> 永 井 隆 著 長 崎 の 鐘 に 付 さ れ た マ ニ ラ の 悲 劇 に 関 す る 発 言 1947 年 の 被 爆 地 広 島 で 新 憲 法 の 精 神 を 具 体 化 し よ う と す る 二 つ の 動 き 平 和 祭 = 石 島 治 志 広 島 中 央 放 送 局 長 の 提 案 に 端 を 発 し た も の で 被 爆 市 民 の 平 和 へ の 意 志 を 全 世 界 に 公 表 す る た め 8 月 6 日 を 中 心 と し て 大 々 的 な 平 和 祭 を 開 催 し よ う と い う も の 彼 は こ れ を 初 の 公 選 ( 4 月 ) に よ り 就 任 し た 浜 井 信 三 市 長 に 提 言 す る と と も に 広 島 観 光 協 会 で も 提 唱 日 本 文 化 平 和 協 会 = 長 田 新 ( 広 島 文 理 科 大 学 学 長 ) 長 谷 信 夫 ( 医 師 ) ら 7 月 中 旬 戦 争 放 棄 を 条 文 の み に と ど め な い た め に 設 立 を 計 画 広 島 市 を 文 化 都 市 と し て 建 設 す る こ と を 目 的 と し た も の 具 体 的 な 構 想 と し て は ノ ー ベ ル 平 和 賞 と 同 じ よ う な 広 島 平 和 賞 を 設 け る 1

2 マ ン ハ ッ タ ン の 浜 に き 然 と そ び え る 平 和 の シ ン ボ ル - 平 和 の 女 神 の 像 を 模 造 し 今 は 世 界 平 和 撹 乱 の 罪 で 天 の 制 裁 と し て あ と か た も な く な っ た 広 島 城 跡 に 軍 閥 横 行 の 地 を 清 め 平 和 の 芽 ば え を 守 護 す る 意 味 で こ れ を 建 て る こ と な ど ( 中 国 新 聞 7 月 9 日 ) 二 つ の 動 き に 対 す る 占 領 軍 の 好 意 的 な 対 応 < 資 料 1-5> 広 島 平 和 記 念 都 市 建 設 法 の 目 的 < 資 料 1-6> 旧 軍 港 市 転 換 法 の 目 的 < 資 料 1-7> 特 定 都 市 を 対 象 と す る 特 例 立 法 戦 艦 大 和 ブ ー ム 宇 宙 戦 艦 ヤ マ ト へ の 夏 目 房 之 介 の 評 価 ( マ ン ガ と 戦 争 講 談 社 現 代 新 書 1997 年 ) = 戦 艦 大 和 が も は や 軍 国 主 義 の 象 徴 で あ る こ と を や め て も 誰 も 文 句 を 言 わ な い 時 代 が き た こ と を 意 味 し て い た 太 平 洋 戦 争 の 象 徴 で あ っ た 戦 艦 大 和 の ポ ッ プ な 戯 画 化 1990 年 基 本 計 画 策 定 2005 年 4 月 23 日 呉 市 海 事 歴 史 科 学 館 ( 大 和 ミ ュ ー ジ ア ム ) 開 館 2005 年 7 月 22 日 NHK そ の 時 歴 史 は 動 い た 放 映 ( 上 半 期 再 放 送 リ ク エ ス ト No.1) 10 月 10 日 呉 市 海 事 歴 史 科 学 館 ( 大 和 ミ ュ ー ジ ア ム ) 主 催 シ ン ポ ジ ウ ム 戦 後 六 十 年 戦 艦 大 和 を 語 る 呉 市 文 化 ホ ー ル シ ン ポ ジ ウ ム パ ネ リ ス ト: 阿 川 弘 之 松 本 零 士 氏 的 川 泰 宣 ( 宇 宙 航 空 研 究 開 発 機 構 ) 半 藤 一 利 坂 上 順 ( 東 映 常 務 取 締 役 ) 小 笠 原 臣 也 市 長 戸 高 一 成 館 長 12 月 17 日 東 映 男 た ち の 大 和 公 開 日 立 造 船 向 島 西 工 場 男 た ち の 大 和 映 画 ロ ケ セ ッ ト 海 上 自 衛 隊 呉 史 料 館 ( 仮 称 ) 整 備 等 事 業 自 平 成 17 年 3 月 30 日 至 平 成 26 年 3 月 31 日 て つ の く じ ら 館 2007 年 2 月 13 日 開 館 大 和 ミ ュ ー ジ ア ム てつのくじら 館 は 平 和 産 業 港 湾 都 市 ( 旧 軍 港 市 転 換 法 の 目 的 )に ふ さ わしいか 広 島 呉 の 重 要 文 化 財 原 爆 ド ー ム 文 化 財 ( 史 跡 ) 広 島 平 和 記 念 資 料 館 世 界 平 和 記 念 聖 堂 旧 呉 鎮 守 府 司 令 長 官 官 舎 本 庄 水 源 地 堰 堤 水 道 施 設 近 代 化 産 業 遺 産 群 ( 経 済 産 業 省 ) 旧 呉 海 軍 工 廠 関 連 遺 産 呉 海 軍 工 廠 造 船 船 渠 大 屋 根 ( ア イ エ イ チ ア イ マ リ ン ユ ナ イ テ ッ ド 呉 工 場 内 ) 戦 艦 大 和 設 計 図 面 1 0 分 の 1 戦 艦 大 和 巡 洋 戦 艦 金 剛 搭 載 の ヤ ー ロ ー 式 ボ イ ラ ー 戦 艦 大 和 型 150 セ ン チ 探 照 灯 反 射 鏡 呉 市 海 事 歴 史 科 学 館 ( 大 和 ミ ュ ー ジ ア ム ) の 所 蔵 物 2

3 Ⅱ. 平 和 原 水 爆 禁 止 運 動 と 基 地 問 題 会 場 問 題 : 第 四 回 原 水 爆 禁 止 世 界 大 会 = 藤 居 平 一 日 本 被 団 協 事 務 局 長 と 大 浜 信 泉 < 沖 縄 県 石 垣 島 生 ま れ 第 7 代 早 稲 田 大 学 総 長 ( 1954 年 年 ) > の 尽 力 日 本 の 運 動 は 原 水 爆 禁 止 と 被 爆 者 救 援 援 護 を 課 題 と す る 大 会 を 継 続 的 に 開 催 < 資 料 2-1 > 大 会 本 会 議 ( 総 会 ) に お け る 意 見 発 表 者 被 爆 者 ( 広 島 長 崎 )( 第 1 回 ) ビ キ ニ 被 害 者 ( 第 1 回 ) 沖 縄 ( 第 2 ~ 8 回 瀬 長 亀 次 郎 : 第 2 回 世 界 大 会 に 出 席 ) 平 和 行 進 ( 第 4 ~ 7, 9 回 ) 基 地 ( 第 4 ~ 7 回 ) < 資 料 2-2 > 第 1 回 大 会 の 分 散 会 に お け る 代 表 の 発 言 内 容 基 地 問 題 が 原 水 爆 被 害 問 題 に つ い で 大 き く 取 り 上 げ ら れ た( 分 散 会 で の 発 言 の 26%にあ たる 58 件 が 言 及 ) こ の 問 題 は 各 地 の 大 会 代 表 に よ り 持 ち 込 ま れ た も の < 資 料 2-3 > 世 界 大 会 分 科 会 一 覧 ( 第 2 ~ 4 回 ) 原 子 力 平 和 利 用 ( 第 2 ~ 4 回 ) 日 本 の 核 武 装 禁 止 ( 第 4 回 ) 第 二 回 大 会 = 原 水 爆 禁 止 運 動 と 基 地 反 対 沖 縄 支 援 闘 争 護 憲 運 動 日 ソ 国 交 回 復 運 動 と の 有 機 的 関 連 の 検 討 を 目 的 と し た 分 科 会 議 事 運 営 を め ぐ っ て 議 場 が 非 常 に 混 乱 し た た め 予 定 よ り 1 時 間 以 上 も お く れ て よ う や く 開 会 ( 議 事 録 よ り ) < 資 料 2-4> 世 界 大 会 で 採 択 さ れ た 宣 言 決 議 勧 告 ( 第 1 ~ 4 回 ) 第 4 回 = レ バ ノ ン ヨ ル ダ ン 問 題 日 中 日 朝 国 交 正 常 化 問 題 に 関 す る 決 議 < 資 料 2-5> 第 1 回 大 会 宣 言 < 抄 > 人 類 破 滅 観 森 滝 市 郎 = 被 爆 実 態 の 普 及 と 被 害 者 の 救 済 = 原 水 爆 禁 止 運 動 の 基 礎 平 野 義 太 郎 = 原 水 爆 が 禁 止 さ れ て こ そ 真 に 被 爆 者 を 救 う こ と が で き る < 資 料 2-6 > 第 2 回 大 会 第 4 決 議 原 子 力 の 平 和 利 用 に つ い て の 決 議 平 和 利 用 の み 原 子 力 利 用 を 認 め る < 資 料 2-7 > 第 2 回 大 会 第 6 決 議 放 射 線 症 の 根 治 と 予 防 の た め の 国 際 的 研 究 機 関 の 設 置 に 関 す る 決 議 平 和 利 用 の 前 提 と し て 放 射 線 症 予 防 法 の 根 本 的 治 療 の 確 立 ( 原 爆 症 の 根 治 療 法 ) < 資 料 2-8 > 第 2 回 大 会 第 7 決 議 沖 縄 問 題 の 平 和 解 決 に 関 す る 決 議 プライス 勧 告 = 米 軍 が 定 め た 年 間 借 地 料 ( 地 価 の 6 % )の 年 分 つ ま り 地 価 相 当 額 を 一 括 し て 支 払 う こ と に よ り 永 代 借 地 権 設 定 を ね ら う < 資 料 2-9 > 第 3 回 日 本 に 対 す る 核 兵 器 持 込 み と 自 衛 隊 の 核 武 装 に 反 対 す る 決 議 ( 抄 ) 第 5 回 大 会 で 安 保 条 約 改 定 反 対 の 立 場 の 明 確 化 3

4 < 資 料 2-10> 世 界 大 会 で 採 択 さ れ た 宣 言 決 議 勧 告 ( 第 5 ~ 9 回 ) 第 6 回 以 降 ア メ リ カ の 核 政 策 と の 対 決 を 強 調 大 会 の 公 式 文 書 に ア メ リ カ 帝 国 主 義 と い う 表 現 を 使 用 そ の 後 の 展 開 1957 年 美 保 基 地 闘 争 1958 年 9 月 27 日, 広 島 平 和 委 員 会 の 結 成 総 会 11 月 8 日 ~9 日 広 島 か ら 岩 国 ま で 4 0 人 近 く の 人 々 が 徒 歩 行 進 第 7 回 大 会 広 島 集 会 ( 一 般 ) 決 議 ( 抄 ) 第 7 回 原 水 爆 禁 止 世 界 大 会 は, 国 際 法 に 違 反 し て 広 島 長 崎 に 原 爆 を 投 下 し た ア メ リ カ 政 府 の 責 任 追 求 と, サ ン フ ラ ン シ ス コ 条 約 に よ っ て ア メ リ カ 政 府 に た い す る 賠 償 請 求 権 を 放 棄 し, 核 武 装 の 準 備 を す す め て い る 日 本 政 府 の 責 任 追 求 に, 特 別 の 重 大 な 関 心 を は ら っ た わ れ わ れ は, 米 日 両 国 政 府 の こ の よ う な 責 任 を, 大 衆 的 な 運 動 を も っ て, 断 固 追 求 す る と と も に, 被 爆 者 に た い す る 完 全 賠 償 を 要 求 す る も の で あ る ア メ リ カ の 原 子 力 潜 水 艦 の 寄 港 問 題 = ア メ リ カ 政 府 1963 年 1 月 9 日 攻 撃 型 原 子 力 潜 水 艦 の 日 本 寄 港 を 正 式 に 申 し 入 れ 中 国 核 実 験 = 1964 年 10 月 16 日 新 疆 ウ イ グ ル 自 治 区 の ロ プ ノ ー ル 湖 で 初 の 核 実 験 1967 年 6 月 17 日 初 の 水 爆 実 験 1972 年 5 月 15 日 の 沖 縄 祖 国 復 帰 1975 年 4 月 30 日 の ベ ト ナ ム 解 放 Ⅲ. 被 爆 者 援 護 原 爆 裁 判 の 中 に 生 き る 憲 法 < 資 料 3-1> 吉 田 一 人 ( 長 崎 被 爆 ) の 発 言 : ノ ー モ ア ヒ バ ク シ ャ と 憲 法 9 条 抄 < 資 料 3-2> 全 国 空 襲 被 害 者 連 絡 協 議 会 憲 法 は 戦 争 被 害 の 受 忍 を 許 さ な い 東 日 本 大 震 災 を 経 て 東 日 本 大 震 災 に よ る 津 波 被 害 核 戦 争 に よ る 人 類 絶 滅 観 終 末 観 フ ク シ マ 被 災 者 広 島 長 崎 ビ キ ニ 風 評 被 害 = Radio_phobia 被 災 者 の 組 織 化 行 政 ( 国 策 に 基 づ く 被 害 ) 福 島 第 一 原 発 事 故 科 学 観 文 明 観 国 家 プ ロ ジ ェ ク ト 巨 大 科 学 地 域 と 国 家 宇 宙 地 球 遺 伝 子 ( i P S 細 胞 = 人 工 多 能 性 幹 細 胞 ) 呉 4

5 戦 争 被 害 と 憲 法 ( 資 料 ) 宇 吹 暁 ( う ぶ き さ と る ) 憲 法 9 条 を 守 る 第 7 回 音 楽 と 講 演 の 集 い ( 於 ビ ュ ー ポ ー ト く れ ) Ⅰ. 憲 法 成 立 過 程 に お け る 戦 争 被 害 論 議 現 行 憲 法 = 1946 年 11 月 3 日 公 布 1947 年 5 月 3 日 施 行 < 資 料 1-1 > 日 本 政 府 が 1946 年 4 月 17 日 に 発 表 し た 憲 法 改 正 草 案 全 文 の 抄 録 第 二 章 戦 争 の 抛 棄 第 九 条 国 の 主 権 の 発 動 た る 戦 争 と 武 力 に よ る 威 嚇 又 は 武 力 の 行 使 は 他 国 と の 間 の 紛 争 の 解 決 の 手 段 と し て は 永 久 に こ れ を 抛 棄 す る 陸 海 空 軍 そ の 他 の 戦 力 の 保 持 は 許 さ れ な い 国 の 交 戦 権 は 認 め ら れ な い [ 現 行 憲 法 ] 第 九 条 日 本 国 民 は 正 義 と 秩 序 を 基 調 と す る 国 際 平 和 を 誠 実 に 希 求 し 国 権 の 発 動 た る 戦 争 と 武 力 に よ る 威 嚇 又 は 武 力 の 行 使 は 国 際 紛 争 を 解 決 す る 手 段 と し て は 永 久 に こ れ を 放 棄 する 2 前 項 の 目 的 を 達 す る た め 陸 海 空 軍 そ の 他 の 戦 力 は こ れ を 保 持 し な い 国 の 交 戦 権 は こ れ を 認 め な い < 資 料 1-2 > 平 和 運 動 促 進 に 關 す る 建 議 [016/020] 90 - 衆 - 建 議 委 員 会 - 6 号 ( 回 ) 1946 年 08 月 23 日 最 上 英 子 君 只 今 上 程 さ れ ま し た 平 和 運 動 促 進 に 關 す る 建 議 案 に 對 し 提 出 者 の 一 人 と し て 提 案 の 理 由 を 簡 單 に 申 上 げ ま す 最 初 に 案 文 を 朗 讀 致 し ま す 平 和 運 動 促 進 に 關 す る 建 議 終 戰 の 大 詔 が 發 せ ら れ 休 戰 條 約 が 締 結 せ ら れ て か ら 早 く も 一 週 年 こ の 間 わ が 國 は ポ ツ ダ ム 宣 言 履 行 の た め 平 和 日 本 の 建 設 と 民 主 政 治 の 確 立 を 目 指 し て 政 治 經 濟 文 化 の 各 部 面 に 亙 り 革 新 が 行 は れ よ う と し て ゐ る 私 達 は 渾 身 の 努 力 を 傾 注 し て 文 化 を 高 め 道 義 を 昂 揚 し て 萬 人 齋 し く 平 和 に 志 向 せ し め る と と も に 猜 疑 憎 惡 等 凡 そ 平 和 に 矛 盾 す る 事 態 を 根 本 的 に 排 除 せ ね ば な ら ぬ 帝 國 憲 法 も こ の 線 に 沿 つ て 改 正 せ ら れ よ う と し ゐ る が 戰 爭 放 棄 の 條 項 は わ が 國 の 恒 久 平 和 國 家 と し て の 存 在 を 世 界 に 示 す も の で あ る 戰 爭 に 因 る 慘 禍 の 恐 る べ き こ と は 今 更 言 ふ ま で も な い が 酸 鼻 を 極 め た 未 曾 有 の 戰 禍 は 窮 乏 と 飢 餓 と を 招 來 し そ の 深 刻 な る 苦 難 は 實 に 名 状 す べ く も な い 戰 爭 に よ り 夫 を 失 ひ わ が 兒 を 失 つ た 女 性 が 再 び か か る 事 の な い こ と を 冀 ふ の は 共 通 の 心 理 で あ る こ と を 確 信 す る 5

6 日 本 女 性 は 戰 爭 放 棄 の 眞 意 を 全 世 界 の 女 性 に 愬 へ 世 界 永 久 平 和 の 達 成 に 協 力 せ ら れ ん こ と を 切 望 す る も の で あ る 又 内 に 向 つ て 率 直 に 過 去 の 一 切 を 清 算 し 秩 序 の 確 立 と 民 生 の 安 定 を 圖 り 戰 爭 に 因 る 犧 牲 者 を 速 か に 救 濟 し て 平 和 日 本 の 礎 石 と な り 祖 國 に 殉 じ た 幾 多 の 同 胞 に 報 い な け れ ば な ら ぬ こ れ が た め 政 府 の な す べ き 事 は 多 い し か し 私 達 は 茲 に 女 性 の 息 吹 き と 血 を 通 は せ た 政 治 力 を 具 現 し 國 を 擧 げ て 眞 摯 な る 平 和 運 動 を 展 開 す る 必 要 が あ る 特 に 婦 人 の 政 治 的 社 會 的 自 覺 と そ の 使 命 の 重 大 な 所 以 を 喚 起 す る と 共 に 政 府 に 要 請 し て 左 の 諸 施 策 を 急 速 に 斷 行 せ ら れ ん こ と を 望 む 次 第 で あ る 一 平 和 塔 の 建 設 ( 構 想 平 和 の 女 神 ) 二 女 子 再 教 育 機 關 と し て 婦 人 局 と 特 設 三 戰 爭 犧 牲 者 の 救 濟 施 設 擴 充 四 平 和 博 物 館 の 開 設 五 平 和 産 業 博 覽 會 の 開 催 右 建 議 す る 昨 年 の 今 頃 私 達 は 毎 日 幾 度 と な く 空 襲 を 受 け 右 往 左 往 し て 焦 慮 と 不 安 の 日 を 送 つ て 參 り ま し た 然 る に 一 年 後 の 今 日 は 多 數 の 婦 人 代 議 士 が 帝 國 議 會 の 議 席 を 占 め 今 此 の 席 上 で 平 和 に 關 す る 説 明 を す る と は 當 時 誰 が 之 を 想 像 し た で あ り ま せ う 是 が 蘇 つ た 民 主 日 本 の 姿 で あ り ま す 更 に 憲 法 改 正 に 於 て 平 和 日 本 の 歴 史 が 切 り 拓 か れ よ う と し て 居 り ま す 今 や 我 が 國 は 全 世 界 に 向 つ て 戰 爭 の 放 棄 を 宣 言 し 内 に 於 て は 信 義 と 道 義 の 文 化 國 家 の 建 設 に 努 力 し て 居 り ま す 日 本 の 女 性 は 今 次 戰 爭 の 恐 る べ き 慘 禍 と 原 子 爆 彈 の 威 力 を 自 ら 體 驗 し 未 來 永 劫 戰 爭 を 避 く べ き を 念 願 し て 已 ま ぬ も の で あ り ま す 是 に 於 て 私 達 は 内 は 勿 論 全 世 界 の 女 性 に も 呼 び 掛 け 平 和 の 聖 火 を 高 々 と 揚 げ た い と 思 ひ ま す 此 の 平 和 日 本 の 誕 生 に 當 り 政 府 は 速 か に 以 下 の 諸 施 策 を 實 施 さ れ ん こ と を 要 望 す る も の で あ り ま す そ の 内 容 を 御 説 明 申 上 げ ま す 第 一 は 平 和 塔 の 建 設 で あ り ま す 講 和 會 議 の 開 催 さ れ な い 今 日 時 期 尚 早 の 感 も あ り ま す が 此 の 運 動 と 切 り 離 す こ と が 出 來 ま せ ぬ の で 取 り 上 げ た 次 第 で ご ざ い ま す 構 想 は ニ ュ ー ヨ ー ク の ハ ド ソ ン 河 口 に 立 つ 自 由 の 女 神 の 像 に 因 ん で 平 和 の 女 神 に し た い と 思 ひ ま す 自 由 の 國 ア メ リ カ で は 自 由 の シ ン ボ ル と し て 國 民 の 信 仰 を 集 め て 居 り ま す 又 ロ ン ド ン 及 び パ リ ー に あ る 無 名 戰 士 の 墓 は 國 民 の 崇 敬 の 的 と な り 道 行 く 人 は 何 れ も 帽 子 を 取 り 頭 を 下 げ て 黙 禮 す る の が 習 慣 と な つ て 居 り ま す 此 の 平 和 塔 も 兩 者 を 兼 ね た 記 念 碑 と し て 平 和 を 象 徴 す る と 共 に 國 家 に 殉 じ た 戰 爭 犧 牲 者 を 永 久 に 記 念 し た い と 思 ひ ま す 是 が 經 費 は 全 國 四 千 萬 の 女 性 よ り 零 細 な 資 金 を 集 め て 其 の 一 部 に 當 て た い と 存 じ ま す [ 以 下 略 ] 1946 年 10 月 11 日 衆 議 院 本 会 議 可 決 6

7 < 資 料 1-3> 中 尾 一 真 ( 元 東 洋 工 業 株 式 会 社 教 育 主 任 ) の 発 言 我 等 は 無 力 に し て 戦 争 と そ の 惨 禍 の 防 止 に 対 し 為 す な か り し こ と を 神 と 人 と の 前 に 衷 心 よ り ざ ん げ す る 1946 年 8 月 6 日 中 央 教 会 の 焼 け 跡 で 開 催 さ れ た 信 徒 大 会 で 一 同 を 代 表 し て の 宣 言 ( 抄 ) お ぢ さ ん た ち は 世 界 中 の お と な に な り 代 っ て み な さ ん に お わ び を 申 し ま す お と な の み に く い 心 が 戦 争 を ひ き お こ し み な さ ん を こ ん な ひ ど い 目 に あ わ せ て し ま い ま し た ど ん な に 沢 山 み な さ ん の お 友 達 が 死 ん だ で し ょ う 広 島 で 長 崎 で 南 京 で マ ニ ラ で 今 日 は 戦 災 児 育 成 所 か ら も 見 え て い ま す が ど ん な に 沢 山 罪 の な い 子 供 が 辛 い 思 い を し て る で し ょ う 世 界 中 で 本 当 に 戦 争 責 任 の な い の は み な さ ん だ け 子 供 だ け み な さ ん こ そ 戦 争 の 被 害 者 お と な は み ん な 大 馬 鹿 者 ( 以 下 略 ) 広 島 Y M C A が 市 内 11 校 の 6 年 生 の 学 童 1400 名 を 招 待 し て 開 催 し た ク リ ス マ ス 映 画 鑑 賞 会 で の 発 言 ( 抄 ) ( 日 本 基 督 教 青 年 会 同 盟 天 よ り の 大 い な る 声 東 京 ト リ ビ ュ ー ン 社 一 九 四 九 年 ) < 資 料 1-4 > 永 井 隆 著 長 崎 の 鐘 に 付 さ れ た マ ニ ラ の 悲 劇 に 関 す る 発 言 [メモ] 日 比 谷 出 版 社 刊 年 1 月 3 0 日 初 版 発 行 マ ニ ラ の 悲 劇 Japanese Atrocities in Manilla 連 合 軍 総 司 令 部 諜 報 課 Military Intelligence Division Supreme Command of The Allied Powers マ ニ ラ の 悲 劇 は こ の 本 の 総 ペ ー ジ 数 ( 391 ペ ー ジ ) の 40%(129 ペ ー ジ ) 付 録 に つ け た マ ニ ラ の 悲 劇 の ド キ ュ メ ン ト は 軍 政 部 の 提 供 に な る も の で あ る 私 た ち は 長 崎 の 悲 劇 に 頭 を さ げ る と と も に マ ニ ラ の 事 件 に つ い て も 深 い 反 省 を も た ね ば な ら ぬ 永 井 氏 の 記 録 は 世 界 最 初 の 原 爆 体 験 記 と し て 世 界 中 か ら 注 目 さ れ る で あ ら う し 必 ず 後 世 に の こ る 名 著 で あ る そ し て わ れ わ れ 日 本 人 は そ れ と と も に マ ニ ラ 事 件 を 厳 粛 な 気 持 で 読 ま ね ば な ら ぬ 巻 頭 に 掲 載 さ れ た 式 場 隆 三 郎 永 井 博 士 の た め に よ り こ の 本 の 目 的 は 原 子 爆 弾 の 実 相 を ひ ろ く 知 ら せ 人 々 に 戦 争 を き ら い 平 和 を 守 る 心 を 起 こ さ せ る に あ り ま す そ の 点 か ら 考 え て 占 領 軍 の 方 か ら マ ニ ラ の 記 録 を 頂 い て 合 本 に し て 出 す よ う に な っ た こ と は 大 変 良 い 効 果 を あ げ る の で 感 謝 に 堪 え な い 処 で す 永 井 隆 自 序 よ り 7

8 < 資 料 1-5 > 広 島 平 和 記 念 都 市 建 設 法 の 目 的 第 1 条 こ の 法 律 は 恒 久 の 平 和 を 誠 実 に 実 現 し よ う と す る 理 想 の 象 徴 と し て 広 島 市 を 平 和 記 念 都 市 と し て 建 設 す る こ と を 目 的 と す る < 資 料 1-6 > 旧 軍 港 市 転 換 法 の 目 的 第 一 条 こ の 法 律 は 旧 軍 港 市 ( 横 須 賀 市 呉 市 佐 世 保 市 及 び 舞 鶴 市 を い う 以 下 同 じ ) を 平 和 産 業 港 湾 都 市 に 転 換 す る こ と に よ り 平 和 日 本 実 現 の 理 想 達 成 に 寄 与 す る こ と を 目 的 と す る < 資 料 1-7 > 特 定 都 市 を 対 象 と す る 特 例 立 法 大 蔵 省 財 務 局 3 0 年 史 昭 和 24 年 の 広 島 平 和 記 念 都 市 建 設 法 ( 法 律 219 号 ) 及 び 長 崎 国 際 文 化 都 市 建 設 法 ( 法 律 220 号 ) は 特 定 都 市 を 対 象 と す る 特 例 立 法 の 初 め で あ る 次 い で 昭 和 25 年 に 横 須 賀, 呉, 佐 世 保 及 び 舞 鶴 各 市 を 対 象 と す る 旧 軍 港 市 転 換 法 ( 法 律 220 号 ) 及 び 別 府 国 際 観 光 温 泉 文 化 都 市 建 設 法 ( 法 律 221 号 ) の ほ か 伊 東, 熱 海, 横 浜, 神 戸, 奈 良, 京 都 の 各 市, 昭 和 26 年 に は, 松 江, 芦 屋, 松 山, 軽 井 沢 の 各 市 を 対 象 と す る 特 例 立 法 が な さ れ た こ れ ら の 特 例 法 中, 特 に 一 際 目 立 っ た の は, 旧 軍 港 市 転 換 法 で あ る こ の 法 律 は, 旧 軍 港 市 を 平 和 産 業 港 湾 都 市 に 転 換 を 図 る た め, 各 自 治 体 の 使 命 と 国 の 助 成 を 規 定 し た も の で, 国 有 財 産 の 転 用 に つ い て は 他 に 例 を み な い 特 別 措 置 が 規 定 さ れ て い る 本 法 は 憲 法 95 条 の 規 定 に よ り 4 市 の 市 民 投 票 の 結 果, 横 須 賀 87%, 呉 92%, 佐 世 保 87% 及 び 舞 鶴 81% の 支 持 を 得 て, 同 年 6 月 28 日 に 公 布 さ れ 即 日 施 行 と な っ た 同 年 10 月, 法 第 6 条 の 規 定 に 基 づ い て 大 蔵 省 に 設 置 さ れ た 旧 軍 港 市 国 有 財 産 処 理 審 議 会 は, 開 催 さ れ て 以 来 第 66 回 を 最 後 に 行 政 簡 素 化 の 一 環 と し て, 昭 和 53 年 に 関 係 財 務 局 の 諮 問 機 関 に 移 さ れ た 朝 鮮 戦 争 が 終 そ く し, 米 国 に お け る 軍 事 費 の 大 幅 な 削 減 等 に 伴 っ て, 提 供 施 設 も 大 量 に 返 還 さ れ, 6 万 人 に 及 ぶ と い わ れ た 被 解 雇 者 の 救 済 問 題 が 国 会 に お い て も 大 き な 問 題 と し て 取 り 上 げ ら れ, 返 還 施 設 の 転 用 を 促 進 す る 必 要 も あ り, 昭 和 35 年 に は 審 議 会 は 実 に 6 回 開 催 さ れ て い る そ れ ぞ れ の 立 地 条 件 等 地 域 的 偏 差 は 免 れ な い と し て も, 本 法 の 貢 献 度 は 大 き い 8

9 Ⅱ. 平 和 原 水 爆 禁 止 運 動 と 基 地 問 題 < 資 料 2-1 > 大 会 本 会 議 ( 総 会 ) に お け る 意 見 発 表 者 大 会 第 1 回 発 言 者 高 橋 昭 博 ( 広 島 原 爆 被 害 者 ), 山 口 み さ 子 ( 長 崎 原 爆 乙 女 の 会 々 長 ), 久 保 山 す ず ( 久 保 山 愛 吉 夫 人 ) 第 2 回 渡 辺 千 恵 子 ( 長 崎 被 爆 者 ), 村 戸 よ し 子 ( 広 島 被 爆 者 ), 頼 長 亀 次 郎 ( 沖 縄 代 表 ) 第 3 回 第 4 回 久 保 山 す ず, 永 富 郁 子 ( 長 崎 被 爆 者 ). 中 谷 広 明 ( 漁 民 代 表 ), 中 村 栄 ( 沖 縄 代 表 ), 高 橋 昭 博 西 本 あ つ し( 平 和 行 進 代 表 ), 渡 辺 千 恵 子, 竹 内 武 ( 広 島 被 爆 者 ), 福 田 須 磨 子 ( 長 崎 被 爆 者 ), 衣 親 山 勲 正 ( 沖 縄 代 表 ), 山 西 き よ ( 百 里 ケ 原 基 地 代 表 ) 岡 村 広 子 ( 広 島, 被 爆 者 ), 中 川 勝 ( 岩 国 原 水 協 ), 親 父 祖 善 範 ( 沖 縄 代 表 ), 大 木 第 5 回 行 治 ( 平 和 行 進 東 京 - 広 島 コ ー ス 代 表, 日 本 山 妙 法 寺 住 職 ), 保 科 三 男 ( 平 和 行 進 新 潟 広 島 コ ー ス 代 表, 新 潟 基 地 拡 張 反 対 期 成 同 盟 事 務 局 次 長 ), 西 本 あ つ し( 平 和 行 進 沖 縄 - 広 島 コ ー ス 団 長, 日 本 山 妙 法 寺 住 職 ) 中 沢 ひ ろ や( 平 和 行 進 東 日 本 コ ー ス ), 真 鍋 松 男 ( 平 和 行 進 西 日 本 コ ー ス ), 山 口 仙 第 6 回 二 ( 長 崎 被 爆 者 ), 亀 甲 康 吉 ( 沖 縄 代 表 ), 吉 崎 務 代 ( 厚 木 基 地 代 表 ), 前 田 春 代 ( 新 島 ミ サ イ ル 基 地 反 対 同 盟 ) 第 7 回 亀 甲 康 吉 ( 沖 縄 代 表 ), 大 沼 清 志 ( 新 島 ミ サ イ ル 試 射 場 設 置 反 対 同 盟 ), 中 沢 ひ ろ や ( 平 和 行 進 代 表 ), < 閉 会 > 辻 原 光 男 ( 長 崎 被 爆 者 ) 第 8 回 大 島 修 ( 沖 縄 代 表 ), 伊 藤 栄 ( 被 爆 者 代 表 ) 第 9 回 高 橋 昭 博, 田 畑 瑞 泰 ( 国 民 平 和 大 行 進 団 団 長 ), 佐 藤 行 通 ( 広 島 ア ウ シ ュ ビ ッ ツ 行 進 団 団 長 ), < 閉 会 > 大 島 修, 牧 二 郎 ( 科 学 者 代 表 ) 出 典 : 各 大 会 議 事 録 < 資 料 2-2 > 第 1 回 大 会 の 分 散 会 に お け る 代 表 の 発 言 内 容 ( 6 分 散 会 の 合 計 ) 原 水 爆 被 害 基 地 署 名 その 他 発 言 総 数 発 言 数 割 合 (%) 出 典 : 原 爆 許 す ま じ 原 水 爆 禁 止 世 界 大 会 の 記 録 編 集 発 行 : 原 水 爆 禁 止 世 界 大 会 日 本 準 備 会 発 行 所 : 日 本 労 働 組 合 総 評 議 会 9

10 < 資 料 2-3 > 世 界 大 会 分 科 会 一 覧 ( 第 2 ~ 4 回 ) 大 会 第 2 回 第 3 回 分 科 会 の 名 称 1 原 水 爆 禁 止 の た め に 2 原 水 爆 実 験 阻 止 の た め に 3 原 子 力 平 和 利 用 に つ い て 4 原 水 爆 被 害 の 実 相 と 被 爆 者 救 援 に つ い て 5 平 和 運 動 に つ い て 6 生 活 を 守 る た め に 1 原 水 爆 禁 止 と 軍 縮 2 原 水 爆 実 験 禁 止 3 原 水 爆 禁 止 と 原 子 力 平 和 利 用 4 被 害 者 対 策 及 び 被 害 者 救 援 5 国 際 緊 張 緩 和 の 諸 問 題 1 原 水 爆 実 験 の 即 時 停 止, 原 水 爆 禁 止 と 軍 備 縮 小 2 日 本 の 核 武 装 禁 止 に つ い て 3 原 第 4 回 子 戦 争 準 備 と 国 民 生 活 4 放 射 能 害 と そ の 対 策 5 原 水 爆 被 害 の 実 相 と 被 害 者 救 援 6 原 水 爆 禁 止 運 動 と 平 和 運 動 原 子 力 時 代 に お け る 人 間 の 新 し い 道 徳 的 意 義 に つ い て 出 典 : 各 大 会 議 事 録 < 資 料 2-4> 世 界 大 会 で 採 択 さ れ た 宣 言 決 議 勧 告 ( 第 1 ~ 4 回 ) 大 会 第 1 回 宣 言 決 議 勧 告 宣 言 宣 言 決 議 1 軍 縮 協 定 の 締 結 を 要 請 す る 決 議 2 原 水 爆 実 験 禁 止 協 定 の 締 結 を 要 請 す る 決 議 3 原 水 爆 禁 止 と 軍 備 縮 小 の 世 界 大 会 開 催 に 関 す る 決 議 4 原 子 力 の 平 和 利 用 第 2 回 に つ い て の 決 議 5 原 水 爆 被 害 に 関 す る 科 学 者 の 国 際 会 議 開 催 を 要 請 す る 決 議 6 放 射 線 症 の 根 治 と 予 防 の た め の 国 際 的 研 究 機 関 の 設 置 に 関 す る 決 議 7 沖 縄 問 題 の 平 和 解 決 に 関 す る 決 議 第 3 回 東 京 宣 言 国 連 と 各 国 政 府 に 対 す る 訴 え 原 水 爆 禁 止 と 軍 縮 の た め の 共 同 行 動 に 関 する 勧 告 ( ア ジ ア ア フ リ カ 諸 国 代 表 の 共 同 宣 言 ) [ 日 本 代 表 団 会 議 の 決 議 ]1 原 水 爆 実 験 禁 止 協 定 締 結 の 促 進 に 関 す る 決 議 2 日 本 に 対 す る 核 兵 器 持 込 み と 自 衛 隊 の 核 武 装 に 反 対 す る 決 議 3 沖 縄 の 原 水 爆 基 地 化 反 対 に 関 す る 決 議 4 原 子 力 平 和 利 用 に 関 す る 決 議 5 原 水 爆 被 害 者 救 援 に 関 す る 決 議 6 原 水 爆 禁 止 と 平 和 の た め の 日 本 国 民 の 統 一 行 動 の 一 層 の 強 化 に 関 す る 決 議 第 4 回 大 会 宣 言 世 界 の 平 和 勢 力 に 対 す る 勧 告 日 本 大 会 の 宣 言 決 議 核 武 装 禁 止 宣 言 1 レ バ ノ ン ヨ ル ダ ン 問 題 に か ん す る 決 議 2 日 中 日 朝 の 国 交 正 常 化 と 友 好 に か ん す る 決 議 3 米 国 政 府 の 原 水 爆 実 験 に 抗 議 する 決 議 4 南 太 平 洋 住 民 の 被 害 調 査 を 国 連 に 提 案 す る 決 議 < 資 料 2-5 > 第 1 回 大 会 宣 言 < 抄 > こ の 広 島 に 集 ま っ た す べ て の 人 々 は 原 水 爆 被 害 者 の 苦 し み を ま の あ た り に 見 ま し た 10

11 10 年 の 悲 劇 の あ と は 今 な お ぬ ぐ い さ ら れ て お り ま せ ん ま た こ の 会 議 に 参 加 し た 各 専 門 科 学 者 の 意 見 を き い て い よ い よ 非 人 道 的 な 恐 ろ し さ が 私 た ち の 心 を 強 く う ち ま し た 将 来 も し 原 子 戦 争 が 起 こ る な ら ば 世 界 中 が ヒ ロ シ マ ナ ガ サ キ ビ キ ニ に な り 私 た ち の 子 孫 は 破 滅 す る で し ょ う 原 水 爆 被 害 者 の 不 幸 な 実 相 は 広 く 世 界 に 知 ら れ な け れ ば な り ま せ ん そ の 救 済 は 世 界 的 な 救 済 運 動 を 通 じ て 急 が な け れ ば な り ま せ ん そ れ が 本 当 の 原 水 爆 禁 止 運 動 の 基 礎 で あ り ま す 原 水 爆 が 禁 止 さ れ て こ そ 真 に 被 爆 者 を 救 う こ と が で き ま す 原 子 ロ ケ ッ ト 砲 の 持 ち 込 み 原 子 兵 器 の 貯 蔵 基 地 拡 張 が す べ て 原 子 戦 争 準 備 に 関 連 し て お り ま す 日 本 や 沖 縄 ば か り で な く 世 界 の あ ら ゆ る 地 点 に 原 子 戦 争 準 備 が 停 止 さ れ て お り ま せ ん そ れ 故 に 基 地 反 対 の 闘 争 は 原 水 爆 禁 止 の 運 動 と 共 に 相 た ず さ え て た た か わ な け れ ば な り ま せ ん < 資 料 2-6 > 第 2 回 大 会 第 4 決 議 原 子 力 の 平 和 利 用 に つ い て の 決 議 原 子 力 は 平 和 的 の み に 利 用 さ れ な け れ ば な ら な い 原 子 力 が 平 和 的 に 利 用 さ れ る よ う に な れ ば 人 類 に と っ て 限 り な い 幸 福 が 期 待 さ れ る が そ の た め に は 次 の 諸 条 件 が 必 要 で あ る ( 1) 研 究 は 公 開 で 行 わ れ ね ば な ら な い ( 2) 能 力 の あ る も の は す べ て こ の 研 究 に 参 加 で き な け れ ば な ら な い ( 3) 平 和 利 用 は 他 国 の 紐 つ き で あ っ て は な ら な い ( 4) 放 射 線 に 対 す る 安 全 保 障 施 設 と 健 康 管 理 が 必 要 で あ る ( 5) 一 部 の 人 だ け の 利 益 追 求 の 手 段 に つ か わ れ て は な ら な い ( 6)そ れ に よ り 産 業 が 発 展 し 労 働 者 の 雇 用 が 増 し 社 会 が 進 歩 す る も の で な け れ ば な ら ない < 資 料 2-7 > 第 2 回 大 会 第 6 決 議 放 射 線 症 の 根 治 と 予 防 の た め の 国 際 的 研 究 機 関 の 設 置 に 関 す る 決 議 原 爆 症 の 根 本 治 療 の 確 立 な く し て は 原 水 爆 被 害 者 の 救 済 は あ り 得 な い 一 般 に 放 射 線 症 の 予 防 法 の 根 本 的 治 療 を 確 立 せ ず し て の 原 子 力 平 和 利 用 は あ り 得 な い ゆ え に わ れ わ れ は 人 類 共 通 の 課 題 と し て そ の 根 本 的 予 防 法 な ら び に 治 療 法 確 立 の た め に 国 際 的 研 究 機 関 を 設 置 す る こ と を 要 望 す る な お 大 会 で 決 議 さ れ た 世 界 科 学 者 会 議 の 議 題 と し て と り あ げ ら れ る こ と を 要 望 す る < 資 料 2-8 > 第 2 回 大 会 第 7 決 議 沖 縄 問 題 の 平 和 解 決 に 関 す る 決 議 日 本 国 内 に お け る 原 水 爆 基 地 の 拡 大 と プ ラ イ ス 勧 告 と に 反 対 し 沖 縄 県 民 の 人 権 が 擁 護 さ れ る こ と を 要 求 す る 11

12 わ れ わ れ は こ の 要 求 を 支 持 し こ の 問 題 が 武 力 に よ っ て で な く 対 等 の 立 場 で の 話 し 合 い に よ っ て 解 決 さ れ る こ と を 希 望 す る < 資 料 2-9> 第 3 回 日 本 に 対 す る 核 兵 器 持 込 み と 自 衛 隊 の 核 武 装 に 反 対 す る 決 議 ( 抄 ) 日 米 共 同 宣 言 に よ っ て 日 本 国 内 に 核 兵 器 が 持 ち 込 ま れ よ う と し さ ら に 自 衛 隊 の 核 兵 器 武 装 計 画 が 進 め ら れ ま た 横 須 賀 の 第 7 艦 隊 は 核 兵 器 に よ っ て 装 備 し て い る と 報 道 さ れ て い ま す す で に 沖 縄 に お い て は ナ イ キ 基 地 が 建 設 さ れ ま た 中 距 離 誘 導 弾 が 配 備 さ れ つ つ あ る こ と が 伝 え ら れ て お り ま す ま た 憲 法 の 改 訂 や 沖 縄 砂 川 な ど の 軍 地 基 地 の 拡 張 が 大 多 数 の 国 民 の 反 対 に 逆 ら っ て 着 手 さ れ よ う と し 秘 密 保 護 法 の 制 定 が 示 唆 さ れ て い ま す 私 た ち は 国 会 の 議 決 や 国 民 の 同 意 を 得 な い で も 核 兵 器 を 持 ち 込 む こ と が で き る 仕 組 み つ ま り 日 米 安 全 保 障 条 約 日 米 行 政 協 定 な ど の 条 約 が 現 に 効 力 を も っ て い る こ と を 指 摘 し な く て な り ま せ ん こ の 立 場 か ら 日 本 代 表 団 は 両 条 約 の 廃 棄 な い し 改 廃 が 緊 急 な 課 題 で あ る こ と を 確 認 い た し て お り ま す < 資 料 > 世 界 大 会 で 採 択 さ れ た 宣 言 決 議 勧 告 ( 第 5 ~ 9 回 ) ヒ ロ シ マ ア ピ ー ル 原 水 爆 禁 止 運 動 の 原 則 目 標 共 同 行 動 に つ い て の 勧 告 第 5 回 日 本 国 民 へ の 訴 え 第 五 回 原 水 爆 禁 止 世 界 大 会 に お け る 日 本 代 表 の 決 議 原 水 爆 禁 止 の た め の 国 内 に お け る 諸 行 動 に か ん す る 勧 告 第 6 回 第 五 回 原 水 爆 禁 止 世 界 大 会 に 集 ま っ た 科 学 者 の ア ピ ー ル 東 京 ア ピ ー ル 一 般 決 議 国 際 共 同 行 動 の 勧 告 日 本 代 表 団 決 議 原 水 爆 禁 止 運 動 の た め の 勧 告 [ 特 別 決 議 ]1 北 富 士 闘 争 支 援 決 議 2 黒 い 潜 水 艦 の 国 外 退 去 を 要 求 す る 決 議 3 沖 縄 原 水 爆 基 地 撤 去 と 沖 縄 の 日 本 返 還 要 求 決 議 4 新 島 ミ サ イ ル 基 地 反 対 運 動 の 展 開 と 現 地 の 闘 争 を 支 援 す る 決 議 第 7 回 宣 言 決 議 軍 備 全 廃 促 進, 原 水 爆 禁 止 の た め の 国 際 行 動 に か ん す る 勧 告 日 本 代 表 団 決 議 特 別 決 議 1 新 島 ミ サ イ ル 基 地 化 反 対 運 動 を 推 進 す る 決 議 2 沖 縄 に 関 す る 決 議 3 被 爆 者 救 援 に 関 す る 決 議 第 8 回 第 9 回 宣 言 国 際 共 同 行 動 の 勧 告 国 際 共 同 行 動 の た め の ア ピ ー ル 1 当 面 の 統 一 行 動 強 化 に 関 す る 決 議 2 被 爆 者 救 援 運 動 の 強 化 に 関 す る 決 議 出 典 : 原 水 爆 禁 止 世 界 大 会 宣 言 決 議 集 第 1 回 ~ 第 2 0 回 12

13 Ⅲ. 被 爆 者 援 護 原 爆 裁 判 の 中 に 生 き る 憲 法 < 資 料 3-1 > 吉 田 一 人 ( 長 崎 被 爆 ) の 発 言 : ノ ー モ ア ヒ バ ク シ ャ と 憲 法 9 条 抄 年 4 月 28 日 ノ ー モ ア ヒ バ ク シ ャ 9 条 の 会 発 足 の つ ど い 於 : 東 京 都 内 2008 年 5 月 4 日 ~6 日 9 条 世 界 会 議 於 幕 張 メ ッ セ 5 月 5 日 9 条 世 界 会 議 シ ン ポ ジ ウ ム 5 核 時 代 と 9 条 1. ヒ ロ シ マ ナ ガ サ キ と 憲 法 9 条 9 条 が ヒ ロ シ マ ナ ガ サ キ に 根 ざ し た も の で あ る こ と は 憲 法 制 定 議 会 で の 政 治 指 導 者 た ち の 提 案 説 明 に も は っ き り 示 さ れ て い ま す 原 子 爆 弾 が 生 ま れ た 以 上 戦 争 は も う で き な い 戦 争 の 否 認 を 提 唱 す る の は 世 界 文 明 を 破 壊 か ら 救 わ ん と す る た め で あ る 最 早 文 明 と 戦 争 は 両 立 で き な い 第 9 条 は 戦 争 の 放 棄 を 宣 言 し わ が 国 が 世 界 中 で 最 も 徹 底 的 な 平 和 運 動 の 先 頭 に 立 つ こ と を 示 す も の で あ る と 繰 り 返 し 強 調 し て い ま す 憲 法 9 条 は ま さ に ふ た た び 被 爆 者 を つ く る な ノ ー モ ア ヒ バ ク シ ャ の 願 い を 表 し た も の で あ り ま す 1. 憲 法 は 受 忍 政 策 を 許 さ な い 日 本 被 団 協 ( 日 本 原 水 爆 被 害 者 団 体 協 議 会 )は 1956 年 の 結 成 の 初 め か ら 原 水 爆 禁 止 と 原 爆 被 害 へ の 国 家 補 償 を 要 求 し て き ま し た 原 爆 被 害 へ の 国 家 補 償 の 要 求 は 戦 争 を 開 始 遂 行 し た 日 本 国 の 責 任 に 基 づ い て 原 爆 被 害 を 償 う よ う 求 め る も の で す 被 害 へ の 補 償 は 同 じ 被 害 を 繰 り 返 さ せ な い た め の 第 一 歩 な の で す こ の 要 求 は ま た 戦 争 を 反 省 し 政 府 の 行 為 に よ つ て 再 び 戦 争 の 惨 禍 が 起 る こ と の な い や う に す る こ と を 決 意 し た 憲 法 前 文 と 9 条 を 実 体 化 す る も の で も あ る と 思 い ま す と こ ろ が 日 本 政 府 は 被 爆 者 の 国 家 補 償 要 求 を 一 貫 し て 拒 み 続 け て き ま し た 1980 年 厚 生 大 臣 の 諮 問 機 関 原 爆 被 害 者 対 策 基 本 問 題 懇 談 会 ( 基 本 懇 )が 国 民 は 戦 争 被 害 を 受 忍 す べ き だ が ま ん せ よ と い う 答 申 を 出 し ま し た 原 爆 被 害 は 悲 惨 き わ ま り な い も の 人 間 の 想 像 を 絶 し た 地 獄 と 言 い な が ら そ の 地 獄 を 受 忍 せ よ と 言 っ た の で す 原 爆 被 害 だ け で は あ り ま せ ん 基 本 懇 は こ う い っ て い ま す お よ そ 戦 争 と い う 国 の 存 亡 を か け て の 非 常 事 態 の も と に お い て は 国 民 が 何 ら か の 犠 牲 を 余 儀 な く さ れ た と し て も そ れ は 国 を あ げ て の 戦 争 に よ る 一 般 の 犠 牲 と し て す べ て の 国 民 が ひ と し く 受 忍 し な け れ ば な ら な い 13

14 戦 争 被 害 に た い す る 国 の 責 任 を 認 め ず 国 民 は 戦 争 被 害 を 受 忍 せ よ と い う こ の 政 策 を 国 は 今 も 取 り 続 け て い る の で す 戦 争 へ の 反 省 か ら 生 ま れ た 憲 法 の も と で 戦 争 被 害 を 受 忍 さ せ る 政 策 が 許 さ れ る も の で は あ り ま せ ん い わ ん や 核 戦 争 被 害 が 人 間 と し て 絶 対 に 受 忍 で き る も の で は な く 受 忍 さ せ て は な ら な い も の で あ る こ と は 私 た ち 被 爆 者 が 自 ら の 体 験 を 通 じ て 訴 え 続 け て き た と こ ろ で す も し も 9 条 を 壊 し て 戦 争 す る 憲 法 に 変 え た ら 戦 争 被 害 受 忍 政 策 は 憲 法 に 従 っ た 政 策 と な る で し ょ う 戦 争 に 反 対 し 戦 争 被 害 の 受 忍 に 反 対 す る 運 動 は 憲 法 上 の 根 拠 を 失 う こ と に な り ま す 9 条 改 憲 は ま さ に ノ ー モ ア ヒ バ ク シ ャ の 願 い を 踏 み に じ る も の な の で す 3. 次 の 戦 争 に も 受 忍 政 策 が も う ひ と つ 見 落 と し て な ら な い こ と は 戦 争 被 害 受 忍 政 策 が 決 し て 過 去 の も の で は な い 次 の 戦 争 に も 適 用 さ れ る と い う 問 題 で す 武 力 攻 撃 事 態 等 国 民 保 護 法 に 基 づ く 政 府 の 国 民 保 護 基 本 指 針 ( 閣 議 決 定 )は 核 攻 撃 に は 雨 ガ ッ パ や マ ス ク で 逃 げ れ ば 助 か る と 言 っ て い ま す 当 時 の 石 破 防 衛 庁 長 官 は 国 会 ( ) で 広 島 長 崎 で は 爆 心 地 近 く で も 生 き 残 っ た 方 が た く さ ん お ら れ る と 原 爆 被 害 の 実 態 を ま っ た く 無 視 し た 答 弁 を し て い ま し た 原 爆 核 兵 器 被 害 を で き る だ け 小 さ く 見 せ て 受 忍 さ せ よ う と い う 意 図 で あ る こ と は 明 ら か で し ょ う 被 害 を 矮 小 化 す る 政 府 の 手 口 は 原 爆 症 認 定 問 題 で も 使 わ れ て き ま し た ま た 国 民 保 護 法 に は 次 の 戦 争 の 被 害 を 受 忍 さ せ る 条 項 も あ り ま す 戦 時 ( 武 力 攻 撃 事 態 ) に 生 じ た 被 害 に は 政 府 の 措 置 に 協 力 し た 者 に し か 補 償 し な い こ と に な っ て います(160 条 ) こ れ は 受 忍 政 策 の 現 代 版 と い う べ き も の で し ょ う と こ ろ で 自 衛 隊 の イ ラ ク 派 兵 は 憲 法 違 反 と い う 名 古 屋 高 裁 の 画 期 的 な 判 決 が 出 ま し た ( =5.2 確 定 ) 判 決 は 平 和 的 生 存 権 を 全 て の 基 本 的 人 権 の 基 礎 基 底 的 権 利 と 位 置 づ け 平 和 的 生 存 権 の 具 体 的 権 利 性 の 例 と し て こ う 言 っ て い ま す 憲 法 9 条 に 違 反 す る 国 の 行 為 す な わ ち 戦 争 の 遂 行 武 力 の 行 使 等 や 戦 争 の 準 備 行 為 等 に よ っ て 個 人 の 生 命 自 由 が 侵 害 さ れ あ る い は 現 実 的 な 戦 争 等 に よ る 被 害 や 恐 怖 に さ ら さ れ る よ う な 場 合 ま た 戦 争 の 遂 行 等 へ の 加 担 協 力 を 強 制 さ れ る よ う な 場 合 に は そ の 当 該 違 憲 行 為 の 差 止 請 求 や 損 害 賠 償 請 求 等 が で き る こ れ は 平 和 的 生 存 権 に 照 ら し て 国 家 補 償 要 求 の 正 当 性 受 忍 政 策 の 違 憲 性 を 明 確 に 立 証 し た 判 決 で あ り 被 爆 者 を 励 ま す 判 決 だ と 思 い ま す 14

15 < 資 料 3-2 > 全 国 空 襲 被 害 者 連 絡 協 議 会 全 国 空 襲 被 害 者 連 絡 協 議 会 と は 2010 年 3 月 10 日 衆 議 院 第 1 議 員 会 館 に て 国 会 議 員 議 員 秘 書 と 立 法 化 に 向 け て の 懇 親 会 が な さ れ ま し た 同 年 8 月 14 日 に は 全 国 の 各 空 襲 被 害 都 市 か ら の 代 表 者 被 害 者 ら 300 名 が 台 東 区 民 会 館 に 集 い 日 本 の 戦 後 補 償 の ゆ が み の 象 徴 で あ る 空 襲 被 害 の 国 に よ る 放 置 を 告 発 し 団 体 個 人 で 連 帯 の 輪 を 広 げ 立 法 化 運 動 を と 新 た な 第 一 歩 を 踏 み 出 し ま し た 戦 後 65 年 空 襲 被 害 者 は 国 家 か ら 見 放 さ れ 死 者 の 追 悼 碑 も 資 料 館 も な く 障 害 者 や 孤 児 に な っ た 人 々 は 地 を 這 う よ う な 苦 労 を 重 ね て き ま し た が 全 く 何 ら の 補 償 も 受 け て い ま せ ん 他 方 軍 人 軍 属 に は 50 兆 円 に 上 る 手 厚 い 援 助 を 行 っ て い ま す こ の 差 別 は 戦 争 被 災 者 へ の 人 権 侵 害 で あ り そ の 人 権 侵 害 を 正 す た め 全 国 の 空 襲 被 害 者 が 手 を 取 り 合 っ て 全 国 空 襲 被 害 者 連 絡 協 議 会 を 結 成 し ま し た 当 会 で は 空 襲 被 害 者 の 人 間 回 復 た め の 差 別 な き 戦 後 補 償 を 求 め て 立 法 化 運 動 を 進 め て 参 り ま す Q1. 何 故 今 空 襲 被 害 者 等 援 護 法 の 制 定 を 求 め て い る の で す か 東 京 大 阪 で 相 次 い で 提 訴 2007 年 3 月 に は 東 京 で 2008 年 12 月 に は 大 阪 で 国 を 被 告 と し て 空 襲 被 害 の 補 償 を 求 め る 訴 訟 が 提 訴 さ れ ま し た そ し て 2009 年 11 月 か ら は 空 襲 被 害 者 の 援 護 立 法 を め ざ す 運 動 が 本 格 的 に 進 め ら れ る よ う に な り ま し た 多 く の 方 々 は 戦 後 60 年 以 上 も 経 っ て か ら 何 故 訴 訟 に 立 ち 上 が っ た り 立 法 を 求 め る よ う に な っ た の か と 思 わ れ る か も 知 れ ま せ ん 東 日 本 大 震 災 が 起 こ り 国 の 財 政 状 況 が 極 め て 悪 い と 言 わ れ る 中 で 何 故 そ ん な こ と を 要 求 す る の か と 思 わ れ る 方 も 多 い と 思 い ま す 何 故 今 援 護 立 法 な の か ま ず 何 故 今 に な っ て な の か と い う 点 で す 現 在 で は あ ま り よ く 知 ら れ て い な い か も し れ ま せ ん が 空 襲 被 害 者 の 援 護 法 の 制 定 を 求 め る 運 動 が 続 け ら れ た 長 い 歴 史 が あ り ま す し か し 国 家 の 非 常 事 態 で あ る 戦 争 で は 国 民 み ん な が 何 ら か の 被 害 を 受 け た の だ か ら 生 命 身 体 被 害 も 我 慢 し け れ ば な ら な い ( こ れ を 戦 争 被 害 者 受 忍 論 と 言 い ま す ) と す る 裁 判 所 の 判 断 を 盾 に し て 政 府 は 空 襲 被 害 者 の 補 償 を 拒 否 し て き ま し た 15

16 そ れ を 乗 り 越 え 空 襲 被 災 後 60 年 以 上 を 経 過 し こ の ま ま で は 1 度 の 死 者 と し て は 広 島 長 崎 の 原 爆 被 災 以 上 の 被 害 者 数 と い わ れ る 東 京 大 空 襲 で す ら 歴 史 の 闇 に 埋 も れ て し ま う こ の 思 い に 駆 ら れ た 被 害 者 達 は 自 ら の 生 き て い る う ち に と 人 生 の 終 盤 を 前 に し て 訴 訟 に 立 ち 上 が り ま し た 孤 立 し て い た 被 害 者 ら の 間 で 少 し ず つ 横 の 連 絡 が と ら れ る よ う に な り 沖 縄 で も 民 間 被 害 者 の 援 護 を 求 め る 運 動 が 始 ま り ま し た そ の 中 心 に な っ た の は 親 族 に 預 け ら れ 辛 い 思 い を し た 戦 争 孤 児 で し た 彼 ら 彼 女 ら は 戦 後 の 苦 労 を 口 に す る こ と が 育 て て く れ た 親 類 へ の 恨 み に つ な が る こ と を 慮 っ て こ れ ま で 口 を つ ぐ ん で こ ざ る を 得 ま せ ん で し た 訴 訟 活 動 や 立 法 運 動 の 中 で 空 襲 被 害 者 等 の 民 間 戦 争 被 害 者 は 軍 人 軍 属 へ の 補 償 と の 格 差 や 欧 米 各 国 の 軍 人 と 民 間 人 と を 差 別 し な い 戦 争 被 害 補 償 制 度 が 存 在 す る こ と を 知 り 今 人 の 命 に 尊 い 命 と そ う で な い 命 は な い と の 思 い か ら 立 法 の 必 要 性 へ の 確 信 を ま す ま す 強 め て い ま す 今 東 日 本 大 震 災 と 国 家 の 財 政 危 機 の 中 で 民 間 戦 争 被 害 者 に 対 す る 補 償 は 巨 額 に の ぼ り 震 災 の 復 興 や 原 発 の 被 災 者 へ の 補 償 そ し て 財 政 危 機 の 中 で 国 に そ ん な 余 裕 は な い と 思 わ れ る 方 も 少 な く な い で し ょ う 東 日 本 大 震 災 の 復 興 費 用 の 問 題 や 更 に 日 本 の 財 政 状 況 の 問 題 が あ る こ と は 原 告 ら 民 間 人 戦 争 被 災 者 は 十 分 に 認 識 し て い ま す し か し 天 災 に つ い て さ え 災 害 弔 慰 金 等 支 給 法 が 存 在 し そ の 遺 族 や 障 害 を 受 け た 人 に 対 す る 補 償 が な さ れ て い ま す そ れ な の に 国 家 の 行 為 で あ る 戦 争 の 被 害 に つ い て そ れ に 対 す る 補 償 が な い の は あ ま り に 不 合 理 で す み ん な 我 慢 す べ き だ と い う 戦 争 被 害 受 忍 論 は そ の 実 は よ り 大 き な 被 害 を 受 け た 弱 者 に よ り 苛 酷 な 犠 牲 を 強 い る も の で す 天 災 で さ え 国 家 共 同 体 の 税 金 に よ り 被 災 者 を 支 え る と し た ら 国 家 の 行 為 で あ る 戦 争 に つ い て そ の 補 償 を し て 被 災 者 を 支 え る の は 当 然 だ と 思 わ れ ま す 同 時 に 大 震 災 か ら の 復 興 に 当 た り 何 を 基 本 的 価 値 に お く の か 何 を 守 リ 何 を 放 置 し で は な ら な い の か が こ の 国 に 間 わ れ て い ま す 何 よ り も 守 る べ き 価 値 が 人 々 の 生 命 や 身 体 で あ る と す れ ば そ の 原 点 を 確 認 す る 上 で も 今 空 襲 被 害 者 等 援 護 法 の 立 法 は 財 政 問 題 を 超 え て 重 要 な 意 義 を 持 っ て い ま す 少 な く と も こ の 国 が 人 間 を 大 切 に す る 国 で あ る こ と を 確 認 す る た め に も 一 定 の 政 策 を と る こ と が 日 本 の 危 機 を 考 え る 上 で も 大 切 な こ と だ と 考 え ま す 16

17 憲 法 改 正 の 現 状 報 告 ( 呉 地 区 九 条 の 会 連 絡 センター 朝 倉 邦 夫 ) 改 憲 派 民 自 公 議 員 ら 大 会 民 主 自 民 公 明 み ん な 国 民 新 た ち あ が れ 日 本 な ど の 各 党 の 改 憲 派 議 員 で つ く る 新 憲 法 制 定 議 員 同 盟 ( 会 長 中 曽 根 康 弘 元 首 相 ) が 4 月 28 日 国 会 内 で 新 し い 憲 法 を 制 定 す る 推 進 大 会 を 開 き 各 党 代 表 が 改 憲 へ 決 意 を 述 べ ま し た 民 主 党 の 鳩 山 由 紀 夫 前 首 相 ( 議 員 同 盟 顧 問 ) は 憲 法 改 正 を 行 う 大 き な き っ かけの 年 と し た い と 発 言 自 民 党 の 大 島 理 森 副 総 裁 は 今 年 憲 法 改 正 に 全 力 をあげる 認 識 で 改 正 試 案 の 詰 め の 作 業 を 進 め て い る と 表 明 衆 参 で 憲 法 審 査 会 を し っ か り 設 置 す る と 述 べ ま し た 2 月 15 日 の 審 査 会 には 緊 急 事 態 に 関 す る 憲 法 改 正 試 案 を 発 表 した 元 衆 院 憲 法 調 査 会 長 の 中 山 太 郎 前 衆 院 議 員 を 招 き 地 震 津 波 等 に よ る 大 規 模 な 自 然 災 害 テ ロリズムによる 社 会 秩 序 の 混 乱 そ の 他 の 緊 急 事 態 で 緊 急 事 態 の 宣 言 を 行 い 内 閣 総 理 大 臣 へ の 権 限 の 集 中 や 財 産 権 居 住 移 転 の 自 由 な ど 国 民 の 人 権 に 対 す る 新 た な 制 限 を 可 能 と す る 改 憲 を 提 言 し ま し た 9 条 改 正 議 論 維 新 の 会 公 約 2 月 24 日 9 条 の 改 正 に つ いて 2 年 か け て 議 論 し 国 民 投 票 を や る ( 9 条 は ) 日 本 の 国 柄 を 決 める 天 皇 制 と 同 じぐらいの 問 題 政 治 家 がああだこうだと 決 め ず 国 民 の み な さ ん に 決 め て 頂 く 国 民 が(9 条 を 犠 牲 に し て ) 自 己 犠 牲 を し な い こ とを 選 ぶ の な ら そういう 国 でやっていけば 良 い そ れ な ら 僕 は こ の 国 と は 別 の 所 に 住 も う と 思 う ( 朝 日 新 聞 ) 成 文 改 憲 の 危 機 が 迫 っ て い る 憲 法 九 条 は 実 質 的 に は 解 釈 改 憲 さ れ 軍 事 費 は 世 界 第 六 位 の 軍 事 大 国 に な っ て い る 解 釈 改 憲 の 制 約 を 脱 し 西 太 平 洋 東 ア ジ ア の 支 配 権 を 確 保 で き る 軍 事 力 の 強 化 を 目 指 す に は 九 条 を 成 文 改 憲 し 原 爆 保 有 海 外 派 兵 な ど を 正 当 化 し よ う と し てい て 改 憲 の 危 機 は 増 大 し て い る 世 界 の 九 条 の 意 義 20 世 紀 の 前 半 日 本 が 起 こした ア ジ ア 太 平 洋 15 年 戦 争 で は 他 国 の 人 を 二 千 万 人 以 上 殺 害 し 日 本 人 も 三 百 十 万 人 以 上 が 犠 牲 と な っ た こ の 惨 状 を 踏 ま え て 新 憲 法 が 制 定 さ れ た 特 に 原 爆 は 人 類 滅 亡 の 危 機 と し て 捉 え ら れ 戦 後 の 日 本 人 の 反 戦 平 和 へ の 志 向 を 強 めた 新 し い 日 本 の 憲 法 は 平 和 主 義 を 付 け 加 え 世 界 史 に 新 た な 地 平 を 切 り 開 い た 17

18 解 釈 改 憲 の 進 展 東 西 冷 戦 の 進 展 の 中 朝 鮮 戦 争 が 勃 発 し た ア メ リ カ は 日 本 の 再 軍 備 を 指 令 し た 前 の 大 戦 の 余 波 も 醒 め や らぬ 間 国 民 の 平 和 の 志 向 は 強 く 憲 法 九 条 を 改 正 し て 再 軍 備 を す る な ど で き る 状 況 で は な か っ た そ れ 以 後 日 本 政 府 は 憲 法 の 解 釈 を 都 合 の 良 いように 解 釈 し 再 軍 備 を 開 始 し 日 米 安 保 を 基 軸 に し た 日 米 軍 事 同 盟 を 進 展 さ せ 逆 コ ー ス を 進 め て いった し か し 護 憲 反 戦 平 和 の 運 動 を 反 映 し て 憲 法 改 正 は 実 現 不 可 能 な 状 況 が 続 き 自 民 党 や 一 部 の 右 派 が 研 究 す る の が 精 一 杯 で 政 府 な ど が 口 に で き る 状 況 で は なかった 非 核 三 原 則 武 器 輸 出 禁 止 海 外 派 兵 の 禁 止 防 衛 費 の G N P 1 % 枠 は 解 釈 憲 法 で は 突 破 が 困 難 で あ っ た 国 民 投 票 法 の 制 定 80~ 90 年 代 に 入 り 戦 後 政 治 の 総 決 算 が 唱 えられ 国 際 国 家 日 本 の 復 権 を 進 め る 中 で 日 米 安 保 へ の 積 極 的 関 与 国 際 的 責 任 論 が 台 頭 し PKO 協 力 が 始 ま り 海 外 派 兵 へ の 道 を 開 いた 憲 法 の 改 正 は 各 議 院 の 総 議 員 の 3 分 の 2 以 上 の 賛 成 と 国 民 投 票 で 過 半 数 の 賛 成 を 必 要 と するので 2007 年 自 公 政 権 は 国 民 投 票 法 を 強 行 採 決 し た こ れ は 改 憲 が 実 質 的 な 段 階 に 入 っ た こ と を 意 味 する た だ 実 施 ま で に は 投 票 法 の 細 部 が 未 定 な の で 時 間 は 残 さ れ て い る こ こ に 九 条 の 会 の 運 動 の 強 化 発 展 が 求 め ら れ ている 憲 法 審 査 会 で 論 議 さ れ て い る 内 容 憲 法 審 査 会 は 2007( 平 成 19) 年 の 国 民 投 票 法 の 成 立 を 受 けて 新 たに 衆 参 両 院 に 設 置 された 憲 法 を 総 合 的 に 調 査 し 初 め て 憲 法 改 正 原 案 改 正 の 発 議 を 審 議 で きると 規 定 さ れ 憲 法 改 正 を 具 体 的 に 進 めていく 場 と 位 置 づ け ら れ た 2012( 平 成 24) 年 2 月 より 9 月 までに 9 回 開 催 さ れ た 5 回 目 の 5 月 に 第 一 章 天 皇 6 回 目 に 第 二 章 戦 争 の 放 棄 7 回 目 は 6 月 第 三 章 国 会 8 月 に 8 回 目 第 四 章 国 民 の 権 利 を 審 議 し た こ れ に 先 立 っ て 自 由 民 主 党 は 4 月 に 日 本 国 憲 法 改 正 草 案 を 発 表 し み ん な の 党 が 改 正 の 基 本 的 考 え 方 を た ち あ が れ 日 本 も 自 主 憲 法 大 綱 案 を 発 表 し 憲 法 審 査 会 で の 発 言 に 反 映 さ せ た 共 産 党 や 社 民 党 な ど は 改 正 に 反 対 し 憲 法 に 照 ら し て 現 実 が ど うなってい る か 憲 法 を 守 り 実 情 を 憲 法 に 合 致 さ せ て い く ことを 提 唱 し た 憲 法 審 査 会 で は ま ず 憲 法 審 査 会 事 務 局 が 憲 法 に 関 す る 主 な 論 点 ( 論 点 表 )を 提 示 し その 大 綱 論 点 に 従 い 各 党 が 意 見 を 発 表 し そ の 後 委 員 が 意 見 を 述 べ て いった 18

19 第 二 章 戦 争 の 放 棄 の 論 点 第 九 条 に 関 す る 政 府 解 釈 の ポ イ ン ト 説 明 を 事 務 局 が お こ な っ た 第 一 項 前 半 の 国 権 の 発 動 た る 戦 争 は 国 家 の 行 為 と し て の 国 際 法 上 の 戦 争 第 一 項 後 半 の 国 際 紛 争 を 解 決 す る 手 段 と し て は 侵 略 戦 争 だ け を 放 棄 自 衛 戦 争 や 制 裁 の た め の 戦 争 な ど は 九 条 一 項 限 りでは 放 棄 さ れ て い ない 第 二 項 冒 頭 の 前 項 の 目 的 を 達 す る た め は 自 衛 や 制 裁 の た め の 武 力 行 使 を 行 う た め の 実 力 装 置 戦 力 な ら 持 ってもいい 第 二 項 の 前 項 の 目 的 を 達 するため は 第 一 項 全 体 の 趣 旨 を 指 す 戦 力 と は 何 か 当 初 は 近 代 戦 争 遂 行 能 力 だ ったが 自 衛 隊 法 昭 和 二 十 九 年 以 降 は 自 衛 の た め の 必 要 最 小 限 度 の 実 力 を 超 え るものと 解 釈 警 察 力 以 上 戦 力 未 満 と し て 自 衛 力 は 認 め ら れ 自 衛 力 を 行 使 す る 実 力 部 隊 と し て の 自 衛 隊 の 合 憲 性 も 導 き 出 さ れてくる 憲 法 九 条 のもとで 個 別 的 自 衛 権 は 行 使 で き る が 集 団 的 自 衛 権 は 行 使 で きない 我 が 国 自 身 が 攻 撃 されていない 場 合 の 集 団 的 自 衛 権 の 行 使 は その 範 囲 を 超 え 許 さ れ な いと 解 釈 日 米 安 保 条 約 に 基 づ く 日 米 同 盟 を 堅 持 す べ き で 国 連 中 心 主 義 を よ り 重 視 す べ き である 明 文 改 憲 立 法 措 置 に よ る 補 充 は い ず れ も 必 要 ない 日 米 安 保 在 日 米 軍 基 地 の 問 題 や 国 際 協 力 核 兵 器 廃 絶 等 の 問 題 国 際 協 力 に 関 す る 論 点 1990 年 代 湾 岸 戦 争 以 来 PKOを 初 め と す る 国 際 貢 献 の 一 環 と し て 自 衛 隊 の 海 外 派 遣 は 他 国 の 武 力 行 使 と 一 体 化 す るような 活 動 は で き ない 武 力 行 使 一 体 化 論 集 団 的 自 衛 権 に 関 す る 明 文 改 憲 武 力 の 行 使 を 伴 った 国 際 協 力 核 兵 器 の 廃 絶 や 非 核 三 原 則 を 規 定 す る べ き で は な いか などが 論 点 で ある 各 党 の 意 見 表 明 主 な 論 点 は1 自 衛 隊 の 位 置 づ け 2 自 衛 隊 と 共 に 行 動 する 他 国 の 軍 隊 が 攻 撃 を 受 け た 時 に 防 衛 す る な ど の 集 団 的 自 衛 権 の 行 使 3 日 米 安 保 条 約 の 3 点 だ った 民 主 党 二 〇 〇 五 年 の 民 主 党 憲 法 提 言 平 和 主 義 を 基 調 と す る 平 和 創 造 国 家 を 形 成 す る 歯 止 め の な い 解 釈 改 憲 に よ る 憲 法 の 空 洞 化 を な く す る 国 際 法 の 枠 組 みに 対 応 したより 厳 格 な 制 約 された 自 衛 権 や 平 和 主 義 に 徹 する 国 連 憲 章 上 の 制 約 さ れ た 自 衛 権 を 明 確 に し 国 連 の 集 団 安 全 保 障 活 動 民 主 的 統 制 シ ビ リ ア ン コ ン ト ロールの 4 点 を 明 確 化 す る 19

20 自 由 民 主 党 九 条 一 項 を 大 幅 に 改 める 自 衛 隊 の 位 置 づ け 国 防 軍 と して 憲 法 に 位 置 づ け 集 団 的 自 衛 権 の 行 使 を 認 め 国 防 軍 が 武 力 行 使 を 伴 う 国 際 平 和 活 動 に 参 加 で き るように 軍 事 審 判 所 の 設 置 や 領 土 等 の 保 全 に つ い て の 規 定 を 加 え 日 米 安 保 と 在 日 米 軍 等 は 外 交 の 基 軸 で あ り ア ジ ア 太 平 洋 地 域 の 平 和 と 安 定 の 基 礎 で あ る 在 日 米 軍 再 編 を 着 実 に 進 め る 非 核 三 原 則 は 立 法 化 す る 必 要 は ない 公 明 党 明 文 改 憲 の 必 要 も 加 憲 の 必 要 も な い 海 外 派 兵 は 自 衛 の た め の 必 要 最 小 限 の 範 囲 を 超 え 憲 法 上 許 さ れ な い 日 米 安 保 条 約 に 基 づ く 一 連 の 矛 盾 が 集 中 的 に 発 生 してきているのが 沖 縄 集 団 的 自 衛 権 を 認 め る の な ら 憲 法 に 明 文 の 規 定 を 置 く こ と を 必 要 と する 日 本 共 産 党 憲 法 九 条 の 原 則 に 照 らして 現 実 がどうなっているか を 検 証 自 衛 隊 は 米 国 の 意 向 で 9 条 に 反 し て 創 設 さ れ た 9 条 を 踏 みにじる 現 実 こ そ 徹 底 検 証 す べ き だ 第 九 条 は 国 連 憲 章 に 実 っ た 平 和 の ル ー ル を 受 け 継 ぎ そ の 理 想 と 精 神 は 日 本 軍 国 主 義 の 侵 略 を 受 け た アジア 諸 国 の 共 有 財 産 と も 言 え る 日 米 安 保 条 約 と 在 日 米 軍 基 地 の 問 題 は 全 土 基 地 方 式 が と ら れ 核 兵 器 が 持 ち 込 ま れ 出 撃 基 地 に さ れ 戦 後 六 十 七 年 の 今 も 外 国 軍 事 基 地 が 居 座 り 続 け て い る 現 実 は 憲 法 九 条 の じ ゅ う り んが 集 中 的 に あ ら わ れている 日 米 安 保 条 約 の も と で の 実 態 こ そ 徹 底 的 に 検 証 す べきである 専 守 防 衛 といいながら 自 衛 隊 を 日 米 安 保 条 約 と 一 体 に 米 軍 の 補 完 部 隊 と し て 増 強 してきたというのが 実 態 である 米 世 界 戦 略 のもとで 80 年 代 には 日 本 列 島 不 沈 空 母 三 海 峡 封 鎖 シ ー レ ー ン 防 衛 な ど が 米 軍 と 自 衛 隊 の 共 同 軍 事 作 戦 が 問 題 地 球 的 規 模 の 日 米 同 盟 へ の 変 質 を 強 め る 90 年 代 以 降 周 辺 事 態 法 テ ロ 特 措 法 イ ラ ク 特 措 法 な ど 海 外 派 兵 の た め の 法 律 体 制 装 備 を 強 化 し て きている 新 党 きづな 憲 法 の 中 に 軍 を 明 記 する 個 別 的 自 衛 権 国 連 憲 章 の 集 団 的 自 衛 権 を 憲 法 に 明 記 す る こ と な く 自 衛 そ し て 国 際 貢 献 のためにも 軍 を 置 く ことを 明 記 社 会 民 主 党 個 別 的 自 衛 権 や 集 団 的 自 衛 権 の 行 使 の 明 文 改 憲 に 反 対 自 衛 隊 の 実 態 は 違 憲 状 態 だ 平 和 的 生 存 権 は 憲 法 九 条 の 一 項 二 項 の 不 戦 戦 力 の 不 保 持 交 戦 権 の 否 認 と 一 体 の も の だ 自 衛 隊 は 縮 小 し 国 境 警 備 災 害 救 助 国 際 協 力 などの 任 務 別 組 織 に 改 編 し 非 武 装 の 日 本 を 目 指 す 現 実 との 乖 離 が あ る か ら 改 憲 と い う の は 詭 弁 だ みんなの 党 二 年 間 の 国 民 的 議 論 を 行 っ た 上 で 国 民 投 票 を 実 施 し て 最 終 的 に 決 定 し た らよい 防 衛 に 関 す る 根 幹 的 な 国 家 方 針 の 法 的 正 当 性 の 有 無 が 内 閣 法 制 局 の 憲 法 解 釈 に 基 づ い て い る ことは 好 ま し く な い 憲 法 九 十 六 条 の 改 正 を 先 行 す ることを 掲 げ て い る 20