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2 JRA 育成牧場管理指針 - 生産編 - 発刊に寄せて JRA 日高 宮崎育成牧場においては 海外の競馬先進国での研修から得られた知見や技術を参考として 強い馬づくりに向けた生産および育成に関する調査 研究を実施しています 平成 18 年 騎乗馴致以降の後期育成に関する知見や成果の普及を目的とし JRA 育成牧場の管理指針 を発刊しました 育成に関する講習会や研修会などにおいて本冊子を活用したところ 競馬サークルからの反響は大きく 平成 21 年には第 3 版を発刊しました 一方 今後のわが国の生産育成の方向性やビジョンの提示を目的として開催された 軽種馬生産育成のあり方に関する検討会 においては レベルアップが著しい後期育成に比較し 生産から初期 中期育成は いまだ多くの課題が残されていることから 早急に技術の向上に取組む必要があると結論付けられました 具体的には 不受胎 早期胚死滅の予防 発育期整形外科疾患 (DOD) の予防 効果的な昼夜放牧の方法 などの問題の克服であり 国際競争力をもつ強い馬づくり のためには これらの解決が不可欠です そこで JRAでは平成 20 年から わが国の気候風土に適応した生産および初期 中期育成技術を確立するため 自らが生産 育成を実施する JRA 生産馬 を用いた 生産からの育成 に着手しました 今回 これまでの研究馬を対象とした研究成果に加え JRA 生産馬 を供試した調査 研究成果を JRA 育成牧場の管理指針 - 生産編 - として発刊する運びとなりました 皆様の生産 育成活動の参考書として 本書を活用していただければ 幸いです 平成 22 年 12 月 JRA 日高育成牧場 JRA 宮崎育成牧場 JRA 馬事部生産育成対策室 1

3 目次

4 1. 繁殖牝馬の交配管理 1. 繁殖牝馬の交配管理 - ポイント - 分娩後 3 ヶ月間は 養分要求量が最大となる 1) 交配に向けた馬体管理 - ポイント - BCS は 9 段階に区分され 5.0 が 普通 である 分娩前には BCS を 5.5~6.0 に維持する 妊娠馬のエネルギー要求量 ( 可消化エネルギー :DE) および胎子体重の推移 妊娠馬は分娩後に BCS が 0.5 程度低下し 授乳前期 ( 分娩後 3 ヶ月間 ) に栄養分の要求量が最大となる このため 妊娠後期の繁殖牝馬の BCS は最低でも 5.5 以上 理想的には 6.0( 多少肉付きがよい程度 ) にコントロールされることが望ましい 分娩後の BCS が 5.0 以下の場合 授乳前期に適正な BCS に回復させることは困難であるため 注意が必要である 2) ライトコントロールによる排卵促進処置 空胎馬は冬至(12 月 20 日 ) 頃から 出産予定日が 1~2 月の馬は予定日の 1~1.5 ヶ月前から ライトコントロール (100W 電球 ) を実施する ボディコンディションスコア (BCS) は 馬のコンディション ( 脂肪のつき具合 ) を指数化したものであり スコアは 1.0( 極度のやせ細った状態 )~9.0( 非常に太っている ) までの 9 段階に区分されている スコア =5.0 は太り過ぎず 痩せ過ぎず 普通 の状態である BCS が適切な繁殖牝馬は 発情周期が遅延することなく 受胎率も良好である 一方 BCS の低いそれは シーズン最初の発情や発情周期の遅延 受胎率の低下傾向が認められる また 妊娠 40 日前までに起こる 早期胚死滅 には 受胎前後の栄養摂取状態の関与が指摘されている 卵巣静止 排卵遅延の予防に有効 受胎後の黄体機能を高めるため 3 月中 ~ 下旬までライトコンロールを継続する 馬は 日照時間が長くなることによって発情期が出現する 長日性季節繁殖動物 に属する この特性を利用し 馬房内に電灯を点灯して人工的に明期を延長することにより 排卵を誘発させる処置が ライトコントロール である 12 月中旬からのライトコントロールの実施により 初 3

5 1. 繁殖牝馬の交配管理 回排卵は 2 月下旬までに 70% 3 月下旬までに 90% 認められ 無処置例に比較して初回排卵が約 1.5~2 ヶ月早期化する また その後の発情周期は正常であり 受胎率も高く 効率的な繁殖管理が可能となる ライトコントロールにより 性腺機能が賦活化される ライトコントロール処置による月別初回排卵の割合 ライトコントロールの方法 112 月 20 日 ( 冬至付近 ) から 昼 14.5 時間 夜 9.5 時間の環境を設定する すなわち 早朝は 5 時 30 分から 7 時 30 分まで点灯し 収牧後は 15 時 30 分から 20 時まで点灯する 照明は ワットの白色電球 ( 蛍光灯でも可 ) を馬房天井の中央付近に設置する 高さは m である 点灯および消灯はタイマーで作動させ 開始および終了時刻を正確に設定する 2 夜間は可能な限り暗くする 24 時間の照明は逆効果であり 一定時間の 夜 が必要である すなわち 明るい時間と暗い時間の明確な区分が重要である 3 飼付けなどのため 短時間の馬房や厩舎電灯の点灯は問題ない 一方 馬房や厩舎の廊下の長時間にわたる点灯や 馬房の窓から薄明かりが入る環境では効果が減少する 4 適切な栄養管理は ライトコントロール効果に影響を及ぼすことから BCS は 5.5~6.0 に維持する 5ライトコントロールにより 黄体機能が賦活化される このため 受胎の確認後も 妊娠の維持を目的として 3 月中旬 ~ 下旬まで継続することが推奨される 3) 未経産馬 ( 上がり馬 ) の管理 未経産馬の管理 種付けを実施する前年 10 月までには 繋養を開始する BCS を 5.5~6.0 に維持する ライトコントロールを実施する 馬鼻肺炎の発生予防のため 妊娠馬と隔離する 繁殖牝馬として繋養を開始する時期は 現役の引退時期に関係するが 10 月までには馬産地に繋養することが望ましい これは 北海道の気温が著しく低下する前に 気候や飼育環境に馴化させておくことが ストレスを最小限に留め 精神を安定させるからである 繁殖シーズンの開始までに BCS を 5.5~6.0 に維持するため 前年秋から適切な栄養管理を開始する 交配の直前になって飼養管理を変更しても 厳冬期の 1~2 月に適正な BCS を維持することは困難である また 当然のことながら 急激な体重の増加や減少は回避するべきである 4

6 1. 繁殖牝馬の交配管理 排卵時期は超音波検査 膣検査および直腸検査によって予測される 排卵が起こる状態は 以下の所見によって推測できる 1 試情が良好であり 40mm を超える卵胞 ( 軽種馬 ) が確認できる 2 排卵窩側の触診に対し 馬が敏感に反応する また 排卵窩が開存している 3 超音波検査により 卵胞の形状が円形から楕円形 あるいは洋梨状に変化している しかし 1の卵胞の大きさは馬の個体差や季節への依存度が高く 2および3の変化は必ずしもすべての個体に発現する変化ではないため 慎重な診断が必要となる 繁殖シーズン前に BCS を 5.5~6.0 に維持しておく 未経産馬は 遅くとも 3 月後半までに 安定した発情周期が得られる管理が必要である このためには ライトコントロールの実施が推奨される 一方 未経産馬は環境変化などのストレス負荷により 流産を引き起こす馬鼻肺炎を発症しやすく 妊娠後期の妊娠馬に対する感染源になる可能性がある このため 新たに未経産馬を生産牧場に入厩させる際は 妊娠馬と隔離する必要がある また ワクチンの接種によってウイルスの増殖を防止する 4) 交配適期 5) 発情検査 試情検査 ( あて馬 ) 発情期の牝馬における牡馬の許容程度から交配適期を判断する方法としては 獣医師の診断に依存しない試情検査 ( あて馬 ) が知られている 試情検査は 牡馬 ( あて馬 ) と牝馬の間に試情板を挟み 牝馬の背部の におい をあて馬に嗅がせた際 以下の行動を観察する 1あて馬に対する攻撃姿勢 2 尾の挙上 3 陰唇下部の開口 ( ライトニング ) 4 排尿姿勢 尿あるいは粘調液の排出 - ポイント - 発情期 ( 発情行動時期 ) は 交配適期に一致しない 排卵時期に近い交配は 受胎率が高い 発情行動は排卵後 24 時間まで持続し 排卵後の交配でも受胎可能である 試情 ( あて馬 ) 検査の様子 ( 日本軽種馬協会静内種馬場 ) 軽種馬生産では 一回の交配での受胎精度を高めるため 適切な交配時期を判断する必要がある 子宮 卵管内における精子の生存時間は 48~72 時間であることから 交配適期は排卵前 48 時間から排卵後 12 時間以内である 馬の排卵は 発情行動が終了する 24 時間前に起こり 非発情時の牝馬は 牡馬の接近に対して試情板を激しく蹴り上げ 牡馬を受け入れない また 産後間もない仔馬連れの牝馬は 母性本能が極めて強く 発情徴候が隠蔽される場合がある 馬の発情期間は1 週間から 10 日間に及ぶ場合もあるため 発情期が交配適期に一致していないことも 念頭におく必要がある 5

7 1. 繁殖牝馬の交配管理 6) 獣医師による主な交配前検査 獣医師による発情の確認検査 超音波検査( エコー検査 ) 膣検査これらの検査により 交配適期に関する一定の診断が可能となる 獣医師による早期診断が不可欠である 超音波検査 ( エコー ) 現在 エコー検査は最も一般的な交配適期の判定方法である 直腸検査と併用して実施され 超音波断層装置によって卵巣および子宮の断面像が描出される 発情時の卵胞の大きさ 形状および排卵の確認 黄体の有無 発情状態にある子宮および子宮内の貯留液の観察 高齢馬の子宮内シストの確認などに有用である 膣検査 直腸検査直腸検査は 直腸壁を介して卵巣や子宮などの生殖器を触診する方法である 卵巣の大きさ 卵胞の大きさと波動感 子宮の大きさ 貯留感および硬度などを総合的に判断し 交配適期を決定する 7) 排卵誘発処置 排卵誘発処置は 排卵時期を人為的に管理し 1 回発情周期当りの交配回数を減少させる 排卵誘発処置は双胎率を上昇させるため 獣医師による適期の妊娠鑑定が必要となる 近年 効率的な交配適期の管理を目的として 排卵誘発 左 : 発情子宮の超音波エコー像 ( 特徴的なレモンの輪切り像 ) 右 : 排卵前の卵胞 ( 直径 4cm) の超音波エコー像 膣検査膣検査は膣鏡を陰門から挿入し 膣粘液の量 膣壁の充血程度 子宮頸管の形状などを把握する視診法である 繁殖シーズンの移行期には 大型卵胞が触診されるにも拘らず しばしば試情を示さないことがある このような場合は 膣検査が極めて重要であり 超音波検査との併用によって交配適期の診断が可能となる 処置が実施されている この処置によって排卵時期を人為的に管理することにより 発情周期当りの交配回数を減少させることが可能になった 人絨毛性性腺刺激ホルモン (hcg) 人絨毛性性腺刺激ホルモン (hcg) は 馬の排卵を直接的に誘発する黄体形成ホルモン (LH) 様の作用を有するため ある程度排卵時期をコントロールできる hcg1,500~ 3,000iu の静脈内投与により 投与後 24~48 時間内の排卵確率が高くなる このため 交配の前日の投与は受胎率を増加させる しかし hcg は馬にとって 異物 であり 免疫反応によって 抗体 が産生されるため 複数回の投与では効果が減少する可能性がある したがって 1 シーズンでの使用回数には注意が必要である 6

8 1. 繁殖牝馬の交配管理 8) 分娩後の初回発情での交配 分娩後の初回発情での交配におけるデメリット 受胎率が低い(46%: 初回発情以外は 65%) 受胎後の早期胚死滅率が高い(15%: 初回発情以外は 4%) 馬運車による長時間輸送により 仔馬には強いストレスが負荷される 多くの牝馬 ( 約 90%) は 分娩後 5~12 日の間に発情行 排卵誘発剤として最も一般的に使用されている hcg 酢酸ブセレリン hcg は馬の排卵を直接的に誘発する黄体形成ホルモン (LH) 様の作用をもつが 酢酸ブセレリンはゴナドトロピン放出ホルモン (GnRH) 作用を有している この GnRH 作用によって LH の放出が促され 排卵が誘発される 酢酸ブセレリンは hcg 投与の有無に拘らず 交配 6 時間前の 5ml( ブセレリンとして 20μg) の投与が推奨されている 投与から 24 時間後に排卵していない場合は 5ml を再投与する 動を発現し 平均 10.2 日で排卵する 分娩後の初回発情時に交配した場合の受胎率は 46% であり この値は 2 回目以降の発情時に交配した場合の受胎率 (65%) に比較し 明らかに低い 特に 加齢とともに分娩後の初回発情時の受胎率は低下し 16~18 歳では 36.8% に留まる この低い受胎率の原因は 卵巣機能障害による子宮機能の回復遅延と考えられている この他 分娩後の初回発情での交配におけるデメリットとしては 早期胚死滅率が 15%( 初回発情以外は 4%) と高率であること 種馬場までの長時間輸送により 仔馬には強いストレスが負荷されることがあげられる 排卵誘発剤である酢酸ブセレリン 分娩後の初回発情時の交配率および受胎率 (904 例 ) ( 日高軽種馬防疫推進協議会による調査 ) やむを得ない事情により 初回発情時の交配を実施する必要がある場合の実施基準を以下に示す 1 牝馬の年齢が 12 歳以下 2 胎盤の排出時間が 1 時間以内 3 胎盤重量が 8kg 以下 4 交配が分娩後 10 日目以降 5 子宮頚管スワブの細菌検査が陰性 7

9 1. 繁殖牝馬の交配管理 2~5はいずれも子宮機能の回復に関連している事項であるため これらの条件をすべて満たしていれば ある程度の高い受胎率を期待できる しかし すべてを満たしていない場合 受胎率は著しく低下する 子宮機能の完全回復は最低 16 日とされていることから 受精後の胚の子宮への移動を交配後 5~6 日目として逆算した場合 特に 4の分娩後 10 日目以降の交配条件が重要である 受胎する可能性が低い無駄な交配は 経済的な損失および種牡馬の負担を考慮して回避するべきである が存在していることが前提となる このため 処置前には必ず超音波検査によって黄体が存在していること あるいは血液検査によって血中プロジェステロン濃度が 1ng/ml 以上であることを確認する必要がある PGF2αによる発情周期の短縮方法分娩後の初回排卵から 7 日目に 超音波検査によって黄体を確認して PGF2α 製剤 10mg を投与する 投与から 3~5 日以内に発情が発現して卵胞が発育し さらに軟化して 35mm を超えた後に 排卵誘発処置を実施して翌日に交配する この方法による分娩から交配までの日数は最短 20 日 平均 24 日程度である すなわち 黄体退行処置を実施しない場合に比較し 7 日程度の短縮が可能である 細菌検査のための子宮頚管スワブの採取 ( 分娩後の初回発情時の交配判断には 細菌検査が必要である ) ( クールモアスタッド ) 9) 分娩後の初回排卵後の発情周期の短縮 PGF2α の投与により 非発情期を短縮できる プロスタグランジン (PGF2α) の投与によって黄体を退行させることにより 発情休止期の短縮が可能になる すなわち 発情の発現を早期化できる 初回発情時の交配の見送りが 推奨されている 一方 1 年 1 産を前提として 分娩後の可能な限り早期に受胎させるためには 発情休止期間を短縮させる黄体退行処置を実施する プロスタグランジン (PGF2α) の効果発情休止期は 子宮から分泌されるプロスタグランジン (PGF2α) が黄体を退行させることによって終了する このため 黄体機能がピークを迎え 黄体から分泌されるプロジェステロンの血中濃度が最高値に達する排卵後 7 ~9 日目に PGF2α 製剤 10mg を投与する この処置によって卵胞が発育し 3~5 日以内に発情が発現する この処置が効果的に機能するためには 卵巣内に黄体 8

10 2. 妊娠期の管理 2. 妊娠期の管理 1) 妊娠鑑定 超音波検査による妊娠鑑定の実施時期 1 妊娠 ( 交配後 )14 日目 受胎および双胎の有無の確認 2 妊娠 ( 交配後 )16 日目 胚胞の発育状態の確認 シストとの識別 双胎の有無の確認 不受胎の場合は卵胞の発育状態を確認 3 妊娠 ( 交配後 )35 日目 胎子心拍の確認 早期胚死滅の場合は PGF2αの投与 4 妊娠 ( 交配後 )49 日目 胎子心拍の確認 最終の妊娠鑑定検査 育が低調な場合は 早期胚死滅の可能性がある 初回検査時に胚胞とシストの識別が困難であった場合は シストは大きさが不変であり 移動しない点に注意して識別する また 双胎の有無も再確認する 一方 初回検査時に胚胞が確認できなかった場合は不受胎を再確認し 次回発情での交配に備え 卵胞の発育状態を確認する 超音波 ( エコー ) 検査の普及により 交配後 14 日目の妊娠鑑定が可能となった この検査は 生産効率を向上させるために不可欠である また 胚胞の着床時期は受精後 37~40 日であり 長期間にわたり不安定な状態が継続する この期間における胚胞の消失 すなわち 早期胚死滅 の発生率は 6~9% であるといわれている したがって 交配後 14 日目の検査において妊娠が確認された後も 着床時期である 40 日後までは 定期的な検査が必要である 妊娠 ( 交配後 )14 日目初回の妊娠鑑定は 交配後 14 日目に実施する この時期の胚胞は直径 16~20mm 程度あり 子宮内に浮遊しながら移動している この検査においては 双胎の有無を確認する この時期の胚胞は定着していないため 人為的な破砕が比較的容易であり 双胎の確認時に的確な減胎処置 ( 胎胞の片側に対する破砕処置 ) が実施できるからである また 子宮内にシストが存在する場合は 胚胞とシストの識別が必要である 妊娠 ( 交配後 )16 日目 2 回目の妊娠鑑定は 初回の 2 日後 交配から 16 日目に実施する 初回検査で受胎が確認された場合は 2 日前の前回に比較して胚胞が 7mm 程度発育していることを確認する ( この時期は 1 日当り 3~4mm ずつ発育する ) 発 左 : 交配後 14 日目の胚胞 ( 直径 20mm) 右 : 交配後 16 日目の胚胞 ( 直径 27mm) 妊娠 ( 交配後 )35 日目 3 回目の妊娠鑑定は 交配から 35 日目に実施する 交配から 26 日目以降には 尿膜および胎子の認識が可能となるため この妊娠鑑定時には胎子の心拍動を確認する 胎子の心拍動が弱い場合や 心拍数が少ない場合は 早期胚死滅の予兆である可能性が高いため 数日後の再検査が不可欠である 早期胚死滅が確認された場合 PGF2αの投与による黄体退行処置により 発情を誘発できる可能性が高く 同一シーズン内の再交配が可能となる したがって 交配後 35 日目の妊娠鑑定は 経済的な観点から重要な検査といえる 妊娠 ( 交配後 )49 日目超音波検査による最終の妊娠鑑定は 交配から 49 日目に実施する この検査も前回と同様 胎子の心拍動を確認する この時期は すでに着床が開始しており 着床の有無 副黄体形成不全による胎子の死滅や異常の有無を確認する また この時期に胎子の生存が確認できた場合 子宮内シストの存在下においても 早期胚死滅が発症する可能性は極めて低いことから 最終の妊娠鑑定とする 9

11 2. 妊娠期の管理 左 : 交配後 35 日目の胎子 ( 全長 15mm) 右 : 交配後 49 日目の胎子 ( 全長 44mm) 左 : 同時期に 2 個の排卵となった双胎 ( 大きさが同じ ) 右 :1 日遅れて 2 個の排卵となった双胎 ( 大きさが異なる ) 2) 双胎時の減胎処置 双胎妊娠は流産のリスクが高いため 早期診断および早期の減胎処置の実施が望ましい 双胎確認のためには 交配後 14 および 16 日目の超音波検査が不可欠である 軽種馬生産において 双胎は流産を発生しやすい ま た 分娩時まで無事に成長したとしても 難産や未熟子である可能性が高い さらに 僅か1% の確率で無事に生まれたとしても 競走馬としての十分な発育は期待できない このように 双胎は経済的に大きな損失をもたらすことから 早期に双胎の有無を確認し 減胎処置を実施する必要がある 胚胞は交配後 16 日目まで子宮内を浮遊しているため 容易に移動させることが可能である しかし それ以降は 胎胞が子宮角基部に固着して減胎処置が困難になるため 交配後 14~16 日目に 必ず妊娠鑑定を実施する必要がある 特に 交配前に 2 個の排卵が確認されている場合は 交配から 14 日目までに初回の妊娠診断を実施し その 1~2 日後の再検査が不可欠である 左 : 子宮角の先端に 片方の胚胞のみを誘導した状態である 右 : 破砕直後の子宮には 貯留液が確認できる 3) 早期胚死滅 (Early Embryonic Loss) 早期胚死滅は 高齢(15 歳以上 ) 不適切な栄養管理 あるいは分娩後の初回発情での交配によって発症しやすい 早期胚死滅の診断においては 交配後 35 日目の妊娠鑑定が極めて重要となる 交配後 40 日目までに胚胞が消失する現象は 早期胚 死滅 (EEL:Early Embryonic Loss) と呼ばれている 日高軽種馬防疫推進協議会の調査では 交配後 15~35 日間に 5.8% 米国ケンタッキー州での調査では 交配後 15~35 日間に 9.5% の早期胚死滅が発生することが報告されている なお 前者における流産率は 8.7% であり 母馬の死亡を含め 初回の妊娠鑑定によって妊娠と診断された馬の 14.7% が 分娩までに至っていない 10

12 2. 妊娠期の管理 初回妊娠鑑定で妊娠と診断された馬の流産率 ( 日高軽種馬防疫推進協議会による調査 ) 馬の早期胚死滅率が高い原因は 交配後 40 日まで胚胞は着床せず 不安定な状態が継続するためであると考えられている 早期胚死滅が確認された場合は PGF2αの投与による黄体退行処置によって再発情を誘発できる可能性が高く 同一シーズン内に再交配できる このため 交配後 35 日目の妊娠鑑定が極めて重要となる 一般的に早期胚死滅は 以下の条件において発生しやすいと考えられている 1 高齢 (15 歳以上 ) 2 体重や BCS の低下 3 分娩後の初回発情での交配による受胎年齢の要因はやむを得ないが エネルギー要求量に見合った適切な飼養管理を実施するとともに 分娩後の初回発情での交配を見送ることが推奨されている 4) 妊娠初期 ( 授乳期 ) の栄養管理 妊娠初期 ( 授乳期 ) の栄養管理 出産後 8 週までの授乳初期は エネルギー要求量が最大となり 授乳後期のそれは減少する 仔馬の母乳摂取量は 週齢とともに低下する ( 日高育成牧場における調査 ) 授乳初期 ( 出産後 8 週間 ) の栄養管理仔馬の栄養源となる母乳を分泌する授乳期には エネルギー要求量が著しく増加する 仔馬の母乳摂取量は 出産 1 週後に最大に達し 1 日当りの総泌乳量は 19kg である 授乳初期は各ステージの中で最大のエネルギー要求量となり 一般的なサラブレッド種 ( 出産後体重 :570kg) では 31Mcal に達する これは胎子が急成長する妊娠後期に比較して エネルギー要求量は 25% タンパク質の要求量は 45% 増加するからである 授乳中 後期 ( 出産後 2~6カ月 ) の栄養管理仔馬の母乳摂取量は個体差がみられるが 出産後 8~12 週以降は急激に減少する このため エネルギー摂取量も減少させる必要がある その後 離乳が近づくにしたがって さらに仔馬の母乳摂取量は減少し 離乳後は泌乳のためのエネルギー摂取が不要となる 授乳期の注意事項仔馬の母乳摂取量は 青草やクリープフィードなどの母乳以外から摂取されるエネルギー量に 大きく影響されることを理解する必要がある クリープフィードや青草からのエネルギー摂取量の増加に伴い 母乳の摂取量は減少する この場合は 母馬のエネルギー要求量も減少するため BCS を観察しながら 給餌量を減少させる必要がある また 1~3 月の出産と 4~5 月のそれとでは 青草からのエネルギー摂取量が著しく異なることを考慮し 授乳初期の給餌量を決定する 1~2 月の出産馬は青草を摂取できないため 乾草および濃厚飼料によるエネルギー供給が不十分な場合は 容易に削痩する 一方 昼夜放牧を実施している 4~5 月の出産馬は 青草からのエネルギー摂取が十分であるため 規定の濃厚飼料の給餌でも容易 11

13 2. 妊娠期の管理 に肥大する この場合は 青草の摂取によってアンバランスになるミネラルの補給が必要となる すなわち 早生まれの場合は授乳前期の母馬のエネルギー不足に 遅生まれの場合は授乳前期の母馬のエネルギー過剰 および適正なミネラルバランスの維持に注意する必要がある また 授乳期はエネルギー要求量以外に水分の要求量も増加する 特に 泌乳量が多い授乳前期は 1 日当り 50~ 70lを飲水するため 馬房内はもちろん 放牧地においても十分な飲水を可能にする設備が必要である 5) 妊娠中期の栄養管理 妊娠馬の過肥は 裂蹄などの蹄疾患を発症しやすい 妊娠中期( 離乳後 ~ 分娩 3 か月前 ) のエネルギー供給は 維持量で十分である 胎子の骨格を形成するミネラルの供給が 不可欠である 6) 妊娠後期の栄養管理 妊娠後期( 分娩前 3 ヶ月 ) から エネルギー摂取量を増加させる (DE:25Mcal) 濃厚飼料の給餌を減少させるため 植物油やビートパルプの併用など 線維質の高い配合飼料を効果的に給餌する ( 粗飼料率 50~70%) 妊娠後期には サプリメントの給餌などによる十分なミネラル供給が不可欠である 妊娠中期 ( 離乳後 ~ 分娩前 3 カ月 ) は 泌乳のためのエネルギー供給が不要になるため 概ね維持量の供給で十分である 一方 胎子の正常な骨格形成のため 十分かつ適切なバランスのミネラルの供給が不可欠である この期間は昼夜放牧が可能であるため 放牧地において十分量の青草を摂取できる場合は サプリメントの給与のみによって適切な BCS を維持できる この時期の濃厚飼料の多給は 過肥の原因となり 蹄疾患などの発症リスクが増加する このため ミネラルバランスを重視した飼料給与を心がける必要がある 胎子は妊娠期間の最後の 3 カ月間で著しく発育し 発育量は全体の 60~65% に達するため 妊娠後期 ( 分娩前 3 ヶ月 ) はエネルギー摂取量を増加させる必要がある 妊娠後期の一般的な繁殖牝馬 ( 出産前体重 :640kg) のエネルギー要求量は 25Mcal に達する エネルギー要求量の増加から 濃厚飼料の給餌割合を増加させる傾向がみられるが 疝痛や胃潰瘍などの消化器疾患を予防するためには 少なくとも総飼料の半分以上の粗飼料を給餌する必要がある また エネルギー源として植物油やビートパルプの併用 線維質が高い配合飼料の効果的な給餌が推奨される 一方 この時期には胎子の急成長により 胎子や羊水 12

14 2. 妊娠期の管理 を含む子宮が膨化して消化管を圧迫する このため 消化管の容積を増加させる粗飼料の給餌量は 全投与量の 70% 程度に留める必要がある 妊娠後期にはエネルギー摂取量を意識しがちであるが 胎子の正常な骨格形成のためには 繁殖牝馬に対する十分かつ適切なバランスのミネラルの供給が不可欠である この時期には骨を形成するカルシウムのみならず 銅 亜鉛 マンガンなど 軟骨あるいは骨代謝に関わる微量元素の供給が重要である 一般的な飼料であるエンバクや乾草のみでは ミネラルが不足するため ミネラル含有量を増加させた配合飼料やサプリメントの供給が不可欠である 7) 流産 馬鼻肺炎の予防のためには ワクチン接種が推奨される 妊娠後期には 上がり馬や育成馬と接触させないよう心がける 流産の発生時には 伝染性であることを前提とする対応によってウイルスの拡散を防止する 流産を誘発する主な原因 1ウイルス感染 2 細菌感染 3 真菌 ( カビ ) 感染 4 双胎妊娠 5 臍帯捻転による酸素供給の低下 6 母体および胎子のホルモン分泌の低下 馬の流産通常 胎盤内に微生物やウイルスは存在しない しかし 母馬の感染によって微生物やウイルスが胎盤関門を通過し 胎子に感染する場合がある 胎子は免疫機能を有していないため しばしば感染によって流産が引き起こされる また 胎盤の細菌感染や双胎妊娠による流産の場合は 分娩直前と同様に乳房の腫脹や時には漏乳など 流産の前兆が確認されることがある 特に 双胎妊娠時に片方の胎子が死亡した場合は その後 数週間にわたって乳房の腫脹 漏乳が認められることがある このような乳房の腫脹が認められる場合は 胎盤の感染や損傷が疑われるため 早急に獣医師の診断を受ける必要がある 流産の対処法流産が発生した場合は 馬鼻肺炎ウイルス あるいは馬パラチフスなどの伝染性疾患の可能性を前提に 対応する必要がある 1 流産胎子および母馬に触れる前に 獣医師に連絡する その後 馬房前に逆性石鹸などの消毒液を入れた消毒槽を設置し 馬房に出入りする際は 必ず消毒槽で長靴を消毒する 妊娠中期に発生した羊膜に包まれた流産胎子 日高軽種馬防疫推進協議会の調査においては 妊娠 5 週目の最終妊娠鑑定から出産までの流産の発生率は 8.7% であるとしている 厩舎前の踏込み消毒槽と手洗桶 13

15 2. 妊娠期の管理 2 流産胎子と胎盤を処理するスタッフは 1 名に限定し この担当者が流産胎子および胎盤をプラスチック製の密閉容器に入れる また 羊水が付着したと考えられるすべての場所を直ちに消毒する 後にリンパ節や神経内に潜伏し 輸送や急激な気候の変化などのストレスにより 再活性化して再発する特徴をもつ さらに このウイルスに対する免疫反応の持続期間は短期間であり このことが効果的なワクチンの開発を困難にしている 現在の不活化ワクチンは 妊娠後期における 3 回の接種が推奨されている 流産後の消毒に推奨される希釈倍率 3その後の胎子処理は 獣医師あるいは管轄家畜保健衛生所の指示に従う 4 流産した牝馬および羊水が付着した寝藁は 他の妊娠馬に接触しないように処理する 基本的には 流産した牝馬を馬房から出すことなく 少なくともその両隣の妊娠馬は他の馬房に移動させる 5 馬房内の藁 特に羊水で濡れた藁は 十分に消毒液をかけて堆肥下に埋めるなど 適切に処理する 6 流産の原因が非伝染性であることが判明するまで 特定の1 名のスタッフのみに 流産した牝馬の手入れや馬房清掃などを担当させる また 作業中は作業着を着替え 他の妊娠馬への伝染の予防に努める 7 作業着は他の作業に使用せず 必ず消毒後に洗濯する 馬鼻肺炎ウイルス (ERV) による流産予防 胎齢に合わせて 不活化ワクチンを 3 回 ( 妊娠 ヶ月目 ) 接種する 未経産馬 ( あがり馬 ) は環境の変化などによるストレス 育成馬は初発感染によって馬鼻肺炎を発症しやすい 未経産馬や育成馬と妊娠後期の繁殖牝馬の接触を回避するためには 両者の隔離飼育が不可欠である 妊娠後期の放牧群の入れ替え 長距離輸送 あるいは給餌量などの飼養管理の著しい変更は可能な限り控え ストレスを最小限に抑止する 馬鼻肺炎による流産胎子 流産胎子および胎盤は 必ず密封容器に入れる 馬の流産予防 1 馬鼻肺炎ウイルスによる流産の予防馬鼻肺炎は妊娠 7~9 ヶ月に発症しやすく 流産を誘発させる最も警戒するべきウイルス感染症である このウイルスによる流産は前兆がなく 突発性であり 胎盤に損傷が認められない特徴をもつ また このウイルスは感染 2 乳房の腫脹などの流産兆候が認められた場合の処置出産予定日の 1 ヶ月以上前に 乳房の腫脹や漏乳などの流産兆候が認められた場合は 流産の予防を目的として抗生物質 非ステロイド性抗炎症剤 プロジェステロン製剤などを投与する 抗生物質および非ステロイド性抗炎症剤は 胎盤炎の治療として投与される 一方 プロジェステロン製剤の有効性に関しては 今後の調査が必要である 14

16 3. 分娩管理 3. 分娩管理 1) 分娩前の運動 分娩 1 ヶ月前から開始するウォーキングマシン運動 (20~30 分間 ) は 難産の予防に有効である 2) 分娩の兆候 分娩兆候には個体差がみられ 同じ兆候が認められたとしても 分娩までの日数は異なることを理解しておく必要がある 1 乳房の腫脹 ( 成熟 ) 分娩 2~6 週間前から乳房が少しずつ腫脹し始め 分娩直前には さらに腫脹して成熟する 妊娠後期の適度な運動は 子宮動脈の血流を増加させて胎子への酸素供給量を増大させるため 低酸素脳症に起因する虚弱子の発生リスクを低下させる また 子宮内に胎子スペースを確保する肥満の予防 分娩に耐えられる健康状態と体力の維持にも有効であり 難産を予防すると考えられている 妊娠後期 特に分娩 1~2 週間前の運動不足は 下肢部や乳房前方から帯径にかけて浮腫を誘発させる この場合は ウォーキングマシン運動あるいは引き運動の実施により 循環系を改善する必要がある 分娩 1 ヶ月前からの乳房の変化 分娩予定日の 1 ヶ月前から ウォーキングマシン運動を実施する 2 乳頭先端の乳ヤニの付着約 60% の妊娠馬においては 分娩 2~4 日前から乳ヤニの付着が認められ その 90% は付着から 72 時間以内に分娩に至る 日高地方の冬期間は雪で覆われ 放牧地では歩行が困難となり 運動不足に陥りやすいことから 強制的な運動が不可欠である 理想的には馬の息づかいを感じる程度の引き運動が望ましいが ウォーキングマシンの応用が効率的である 分娩予定日の 1 ヶ月前から 5km/h の速度で 20~30 分間の運動を開始する ただし ウォーキングマシンに入れる前には 繁殖牝馬へのストレス負荷を考慮して歩様などをチェックする 特に 肥満傾向がみられる繁殖牝馬は 蹄疾患を発症しやすいことから 注意が必要である 分娩直前には 乳頭にワックス ( 乳ヤニ ) が付着する 15

17 3. 分娩管理 3 漏乳 ( 分娩に先立つ泌乳 ) 乳頭先端の乳ヤニ付着の過剰状態は ホルモン異常に起因すると考えられている 歩行時に乳頭から乳汁がしたたり落ちる状態も認められるが 後肢に付着した乳汁によって漏乳に気づく場合が多い 漏乳は 初乳中の免疫グロブリン (IgG) が漏出することから問題となる 漏乳が認められてから 24~48 時間で分娩に至る 分娩 1 ヶ月前 ( 左 ) と分娩当日 ( 右 ) の外陰部 6 体温の低下 一般的に 午後の体温は朝より高いが 出産当日には同 体温か 若干低下する 漏乳によって乳汁が付着した後肢 4 臀部の平坦化分娩 1~3 週間前から腹部を支持している仙坐靭帯の弛緩により 臀部の平坦化が起こる 仙坐靭帯の弛緩によって腹筋群の収縮が緩和し 胎子の娩出がスムーズになると考えられている 3) 分娩日の推定 乳汁の ph 値および Brix 値の測定は 夜間分娩監視の必要性の指標として極めて有用である ph> 時間以内の分娩確率は 1% 未満である Brix 値 <20% 24 時間以内の分娩確率は 4% 未満である 上記値の場合 分娩監視は不要である 分娩 1~3 週間前から 臀部の平坦化が認められる 5 外陰部の弛緩外陰部の弛緩が認められる場合は 48 時間以内に分娩に至るとされているが 弛緩状態の識別は容易ではない この兆候は産道を形成するための変化であり 概ね同時に尾根部の沈下が認められる 乳汁の ph 値を指標とする分娩日の推定市販の ph 試験紙 (6.2~7.6 の範囲の測定が可能な ph- BTB 試験紙 ) により 乳汁の ph 値を測定する ph の測定には 特殊な機器は不要である 市販の試験紙を乳汁に 1~2 秒間浸すのみであり 極めて簡便かつ迅速な方法である 出産 10 日以前の ph 値は 7.6 以上を示すが 分娩が近づくにしたがって低下し 6.4 に達してから 48~72 時間以内に出産する確率は 85%~98% である ph 値は分娩日の推定というより むしろ分娩が起こらない日の推定指標として有用性が高い 例えば ph 値が 6.4 に達していなければ 24 時間以内の分娩確率は 1% 未満であることから 夜間の分娩監視は不要と判断できる 16

18 3. 分娩管理 左後肢を後踏みさせ 乳汁を採取する ( クールモアスタッド ) 分娩 10 日前からの乳汁色と ph 試験紙の変化 採乳および ph 値の測定手順 1 採乳者の手 指および乳頭の消毒採乳前には 必ず石ケンなどによって手 指を洗浄するとともに 逆性石ケンで濡らしたガーゼで乳頭を拭く また 軽く乳頭をマッサージして乳 腺を活性化させる 2 乳汁の採取採乳側の後肢を後踏みさせてから 採乳を実施する 初産の場合は 必要であれば肩を取ったり 鼻ネジ 枠場保定を実施して徐々に慣らす 乳汁の採取は 新生子の吸乳馴致としても有効である 3ガーゼによる濾過採取した容器から測定用の容器に移す際には ガーゼで濾過してゴミを除去する 4pH 試験紙容器に入った乳汁中に ph 試験紙を 1~2 秒間浸す 5pH 値の確認 ph 試験紙を浸した直後の色調を標準色と比較し 乳汁の ph 値を決定する 標準色と比較して ph 値を決定する 乳汁の Brix 値を指標とする分娩日の推定市販の糖度計によって乳汁の Brix 値を測定し 分娩日を推定する 測定に使用する糖度計は 溶液中のショ糖濃度の測定機器であり 乳汁の測定では可溶性固形分をパーセント表示している 測定手順は 糖度計のプリズム面に 採乳後にガーゼ濾過によってゴミを除去した乳汁 0.3ml をたらすのみである デジタル式では 3 秒後に Brix 値が画面に表示され アナログ式では小窓をのぞいて Brix 値を確認する 測定時間は 5 秒以内であり 簡便かつ迅速な方法といえる デジタル式は 3 秒で Brix 値が表示される 17

19 3. 分娩管理 アナログ式は 小窓をのぞいて Brix 値を確認する 乳汁の Brix 値は 出産 10 日以前は 10% 以下で推移するが 分娩が近づくにしたがって上昇する 20% に達してから 72 時間以内の分娩確率は 73% である 一方 Brix 値が 20% に達していない場合 24 時間以内の分娩確率は 4% 未満である したがって Brix 値も ph 値と同様 夜間の分娩監視の必要性を示す指標として有用性が高い 本来 糖度計による Brix 値は 初乳中の免疫グロブリン (IgG) 濃度の推定指標として応用されている このため 分娩日の推定のみならず 分娩前に初乳の質をある程度把握するためにも有効である 分娩時に必要な器材は まとめて容器に入れる ( クールモアスタッド ) また 遅くとも分娩予定日の 1 週間前から 十分量の良質な寝藁を敷く必要がある 分娩直前に寝藁を補充する場合は ホコリを立てないように注意し 臍からの感染予防に心がける 4) 分娩に向けた準備 破水後は 1 時間以内に仔馬の誕生を迎える このため 破水を確認してから あわてて分娩の準備を開始するのではなく 事前に分娩に必要な器材を準備しておく必要がある 特に シーズン最初の分娩時には 余裕をもって準備しておく 分娩時に準備する器材は 以下のとおりであり プラスチックの容器にまとめておくことが推奨される 分娩時には 十分量の良質な寝藁を敷く ( クールモアスタッド ) 分娩に必要な器材 尾巻き用包帯 臍帯消毒用の消毒薬( ポピドンヨード液など ) 難産時の介助用ロープ 介助用のゴム手袋 新生子を拭くためのバスタオル 胎盤( 後産 ) を吊るすための麻ヒモ 糖度計( 初乳の質の確認 ) 浣腸液( リン酸ナトリウム緩衝液など ) 胎盤重量の測定器 18

20 3. 分娩管理 5) 分娩のステージ 分娩は 以下の 3 つのステージに区分される 第 1 段階 ( 陣痛症状発現 ~ 破水 ) 分娩の第 1 段階は 馬房内での旋回 前掻き 発汗など 疝痛症状に類似する行動が観察される これは 子宮の収縮に伴う疼痛に起因する反応と考えらえている その他 陰唇下部の開口 ( ライトニング ) や脇腹を見るしぐさが認められることもある 第 1 段階の疼痛程度や継続時間には個体差がみられ 断続的に数時間継続した場合 その兆候に気づくことなく第 2 段階に進むこともある また 分娩の数日前から 第 1 段階の兆候が断続的に認められることもある 兆候の発現後 数日間の間隔が空くことも珍しくはなく これを異常と判断する必要はない このため 静かな環境を維持して静観するが 漏乳などの異常所見の有無を注意深く観察する必要がある 第 2 段階 ( 破水 ~ 娩出 ) 第 2 段階は 破水から胎子が娩出されるまでの間であり 一般的には 20~30 分程度であるが 大きな個体差がみられる 経産馬では 出産を重ねる毎に短縮される傾向がみられ 5 分間程度で終了する場合もある 一方 初産馬は時間を要する場合が多い 破水から 40 分を経過しても胎子が娩出されない場合は 胎子の生死に関わる可能性があるため 早急な人為的介助が必要となる 破水からの経過時間を把握するため 必ず破水時刻を記録する (1) 破水分娩の第 2 段階は 子宮頸管の拡張と胎盤の絨毛尿膜が破れることによる外陰部からの尿膜水の排出 いわゆる 破水 に始まる 破水によって排出される尿膜水は黄色 ~ 茶色であり その量には個体差がみられる 破水 は 分娩の第 2 段階の開始サインである 馬房内での旋回 陰唇下部の開口 19

21 3. 分娩管理 (2) 子宮内での姿勢妊娠後期における子宮内の胎子は 頭部を後方 ( 子宮口方向 ) に背中を下方にした 頭位下胎向 の姿勢をとっている ( 下図 Ⅰ) 分娩の直前に長軸上で 180 度回転し 頭部を後方 ( 子宮口方向 ) 背中を上方にする 頭位上胎向 の姿勢で娩出される ( 下図 Ⅳ) この胎子の転位は 分娩の第 1 段階 遅くても第 2 段階の早期に起こる め 比較的容易に触知できる しかし 子宮の収縮に伴う 疼痛によって蹴ることもあるため 横臥姿勢での検査時 には注意が必要である 子宮内における胎子 破水から 5 分以内に 胎子の姿勢を確認する (4) 足胞 ( 羊膜に包まれた前肢 ) の出現 娩出時胎子の姿勢変化 破水から 5 分以内に 足胞 ( 羊膜に包まれた前肢 ) が出現する 羊膜は通常白っぽく 光沢があり 滑らかである 羊膜中の羊水は通常透明色であるが 茶色に混濁している場合や羊膜が肥厚している場合は 胎子の異常が疑われるため 獣医師による早期の処置が必要となる (3) 胎子の姿勢確認胎子は 頭位上胎向 の姿勢で娩出を迎えるため 胎子が正常姿勢で産道を通過する際は 両前肢に続いて鼻端が娩出される 胎子が正常な胎位であるか否かは 外陰部を洗浄後 ビ ニール手袋を装着して経膣で手を挿入し 蹄底を下向きに伸展した両前肢と鼻端の触知によって確認できる この作業は 破水が認められてから 5 分以内に実施する 破水直後において胎子の転位が完了していなければ 上向きの蹄底が触知される この場合は 5 分後に再確認する 母馬が起立している場合は 胎子は重力によって腹腔内に沈んでいるため より深く腕を挿入する必要がある 横臥している場合 胎子は子宮口へ押し出されているた 破水後は 足胞 ( 羊膜に包まれた前肢 ) が出現する 直ちに 羊膜中の羊水の色調を確認する (5) 娩出時の母馬の行動母馬は娩出時に横臥姿勢を好むが これは重力の影響を最小限に留め 娩出を容易にするためである さらに 腹筋を最大限に機能させるため しばしば背中を壁に接することを好み 息みながら娩出する 一方 破水直後は 頻繁に寝返りを打ったり 横臥と起 20

22 3. 分娩管理 立を繰り返すことも少なくない これらは胎子の姿勢を 変位させる行動と考えられているが 著しい場合は 何ら かの異常が発生している可能性がある 胎子の胸部が娩出されなければ 臍帯機能が維持されて胎盤から酸素が供給される 寝返りにより 胎子の姿勢を変位させる (6) 胎子の娩出胎子は 片側の前肢を反対側より若干先に出した状態で娩出される このことにより 両肘部が骨盤を同時に通過することを回避し 娩出に際して最大の難関であるき甲部と肘部の骨盤通過が可能となる 胎子の胸部が娩出されなければ 臍帯機能は維持されて胎盤から酸素が供給されるため 胎子は呼吸活動を開始する必要はない しかし 胎子の胸部が骨盤を通過する 際には 臍帯が骨盤の縁と胎子の腹部で圧迫され 酸素供給が阻害される また 胸部圧迫によって胎子の呼吸が困難になる可能性もある このため 胸部の骨盤通過は迅速に実施する必要がある 片側の前肢は 反対側より若干先に娩出される 胎子の胸部の骨盤通過時には 臍帯および胸部が圧迫され 酸素供給が不十分になる危険性がある 第 3 段階 ( 娩出 ~ 後産の排出 ) 分娩の第 3 段階は 胎子の娩出後から後産 ( 胎盤膜と羊膜 ) が排出されるまでの間である 娩出後の母馬の起立 あるいは仔馬の動きによって臍帯が切れた後も 胎盤は子宮壁に付着している しかし 臍帯が切れた後は 子宮が急速に収縮を開始するため 通常後産は 3 時間以内に自然に排出される 子宮の収縮に伴って横臥 発汗 前掻きなどの疝痛様症状が認められる場合があるが その多くは一過性である しかし 疼痛が著しく 長時間にわたって持続する場合は 合併症が疑われる 後産は胎盤血液の消失に伴い 子宮から剥がれやすくなる このため 胎子は完全に娩出させず 飛節以下が羊膜に包まれた状態で産道内に残す このことにより 母馬の娩出直後の起立を回避できるため 臍帯は切れることなく血行が維持され すべての胎盤血液が仔馬に移行されるからである 21

23 3. 分娩管理 母馬の産道内に 飛節以下を残した状態で維持する このことによって臍帯が切れることなく すべての胎盤血液は仔馬 に移行され 後産の排出が容易になる 母馬が後産を踏まないように 麻ヒモで束ねる 後産の排出後には 異常の有無を確認する 可能な限り 娩出後 5 分間は臍帯を切らずに連結を維持する 臍帯が切れた後は 母馬が羊膜を踏まないように 羊膜と臍帯を麻ヒモで束ねて垂れ下がった状態とし 重力に従った自然な後産の排出を待つ 人為的な牽引は 後産の一部を子宮内に残存させる可能性があることから禁忌である 後産の重量は 8~10kg であり これ以上の場合は感染や浮腫などの異常が疑われる また 排出された後産を広げ 子宮内に残存していないこと 両方の角に損傷がみられないことを確認する 分娩時の対処方法 (1) 破水が確認されたら まずその時刻を書き留め 関係者へ連絡する 電話連絡の発信履歴が 破水時刻として役立つこともある その後 専用の清潔なつなぎなどの作業服に着替え 消毒液を混合した湯を準備する (2) 白い羊膜で包まれた足胞を確認する 陰部から赤い胎盤 ( レッドバック ) が認められる場合は 早期胎盤剥離 と呼ばれる異常であり この胎盤を破り 早急に胎子胎膜を露出させて娩出する必要がある また 羊水は透明あるいは薄黄色であるが 茶色あるいは赤色に混濁している場合は 胎子の異常が疑われるため 早急に分娩介助を開始する (3) 足胞の確認後は 人馬ともに十分に安全を確保できる体勢を整える 次に 外陰部を洗浄後 洗浄および消毒した手を膣に挿入し 羊膜を介して蹄底が下方を向いた両前肢および鼻部を確認する 両前肢は前後に若干ずれて娩出されるため 先に一方の蹄底が触知される (4) 胎位に問題がなければ 必要以上の分娩介助は実施せ 22

24 3. 分娩管理 ず 馬に任せる 横臥と起立を繰り返す行動は 娩出しやすい胎位に導く正常行動である 著しい発汗や疼痛などの異常が認められる場合は 胎位修正の試みや獣医師への連絡などの迅速な判断が要求される また 胎位に異常がない場合でも 破水から 40 分間を経過後は息みに同調するゆっくりした牽引を開始する (5) 頭部が陰門付近にある時期には 鼻端を覆っている羊膜を破る必要はない 胎子の胸部が娩出されるまで そのままの状態で問題はない (6) 肩部の娩出後は 速やかに胸部が娩出される 胸部の娩出に時間を要する場合は 臍帯が骨盤によって圧迫され 酸素供給が停止する可能性があるため 早急に人為的に娩出させる必要がある (7) 分娩介助を実施する場合であっても 羊膜に包まれた仔馬の飛節以下は 母馬の産道内に残存させた状態で介助を終了する このことにより 母馬の起立を遅延できるため 臍帯が切れず 胎盤から仔馬への血液供給が維持される (8) 胎盤から仔馬へ最大限の血液を供給するためには 5 分以上臍帯が切れないことが理想である このためには 娩出直後に母馬が起立しないように 母馬と仔馬には近寄らず しばらく静観する (9) 臍帯は 自然に切れることが理想である 胎盤から仔馬への血液の移行終了後は 血管組織が脆弱化するため 母馬あるいは仔馬の動きにより 臍帯は仔馬の腹部から 3~4cm の部位で自然に切れる 臍帯が切れた後に出血が認められる場合は 指による断端の圧迫によって止血する (10) 臍帯の断端は 1~2% ポピドンヨード希釈液 ( イソジン ) あるいは 0.5% クロルヘキジン希釈液 ( ヒビテン ) などによって消毒する 臍帯の消毒は出産後 3~4 日間 少なくとも 1 日 2 回実施して断端の濡れを確認する 濡れている場合は 尿膜管遺残 が疑われるため 獣医師に連絡する必要がある (11) 出産が 1~2 月の厳冬期の場合 体温維持のために仔馬の体表を早急にタオルで拭く必要がある しかし 母馬と仔馬のスキンシップを重視するためには 母馬が起立して仔馬の馬体を舐めた後の実施が望ましい この馬体を拭く目的は 体温低下の防止や反射運動の促進のみならず 仔馬を人に慣らすための 刷り込み を含んでおり 仔馬がリラックスするまで継続する必要がある (12) 後産は母馬が踏みつけないように ヒモ ( 滑りにくい麻ヒモ ) で結札する 分娩から 3~5 時間以上を経過しても 後産が排出されない場合は 胎盤停滞と判断す る この場合においても決して牽引することなく 状況に応じて獣医師に連絡する (13) 分娩後は子宮動脈破裂 疝痛 蹄葉炎などを発症しやすいため 母馬の様子を注意して観察する必要がある 通常 後産を排出する子宮収縮に伴う 軽度の疝痛様症状は珍しくない 発汗の程度 粘膜の色 虚脱状態 下肢部温の確認によって疼痛の程度を判断する 6) 自然分娩 分娩は 子宮および腹筋の収縮によって誘発される このため 胎子は後方から押されることが自然な動きであり 胎子の前肢を牽引することは 不自然な力の負荷を意味する 破水後の検査によって異常が認められなければ 人為的な分娩介助は可能な限り実施しない 自然分娩は 結果として最適な分娩に帰着する 胎子が後方から押されることが 分娩の自然な動きである 胎子の牽引は 不自然な力の負荷を意味する 自然分娩は様々な利点があるが 緊急時には介助が必要である 23

25 3. 分娩管理 自然分娩の利点 1 子宮機能の早期回復 2 仔馬の損傷リスクの軽減 3 新生仔馬の早期起立 4 新生仔馬の循環血流量の維持分娩の 90% は人為的な介助が不要であり 破水から 30 分程度で自然に娩出される 自然分娩は母子ともに様々な利点をもつが 緊急時には介助が必要であるため 異常状態の認識が重要である 自然分娩の利点 1 子宮機能の早期回復人為的な胎子の牽引は 胎盤を子宮から剥ぎ取る行為であり 子宮壁に損傷をもたらす危険性がある 一方 自然分娩では臍帯が切れることなく 胎盤から仔馬への血液供給が維持される 胎盤の血液が仔馬に完全移行することにより 後産は子宮から剥がれやすくなる この場合 3 時間以内に自然排出され 出血や子宮壁の損傷は殆ど生じない このことにより 次の妊娠に向けた子宮機能の早期回復が可能となる 2 産道通過時の仔馬に対する損傷リスクの軽減人為的な介助によって強く前肢を牽引した場合 仔馬は肘関節 肩関節 さらには肋骨を損傷する可能性がある 一方 自然分娩では 仔馬の損傷リスクが軽減される 3 分娩後の新生子の早期起立狭い骨盤を通過するストレスは 仔馬への刺激の付与として重要な役割を果たしている この刺激により 新生子は生後から短時間内の起立が可能になるとも考えられている 人為的な介助によって短時間内に分娩を終えることは 仔馬への刺激の軽減を意味し 出生後の起立時間に影響を及ぼす可能性がある 4 新生子の循環血流量の維持分娩介助においては 自然分娩に比較して母馬の疲労が軽減されること また 娩出後に仔馬の周囲に人の気配を感じることから しばしば母馬は分娩直後に起立を試みる この起立に伴って臍帯が切れるため 胎盤血液の仔馬への完全移行が困難となる 胎盤血液の流出 ( 仔馬への不完全移行 ) は 特に虚弱子の場合に重大な影響を及ぼすことがある 一方 自然分娩では分娩による疲労が著しいため 分娩直後の母馬の起立は稀であり 横臥状態が維持される このことにより 臍帯の結合が維持されて新生子に十分な血液が供給される 7) 胎位の修正 頭部と前肢が子宮口に向かっている異常体位の場合は 母馬を起立させて胎子を子宮内に戻すことが基本となる 胎子への酸素供給の阻害が疑われる場合( 後肢の異常 逆子など ) は 早急に人為的な介助によって娩出させる 正常な胎位は胎子の長軸と子宮の縦軸が同軸 胎子の背側が子宮の背側に位置し 頭部と前肢が子宮口に向かっている状態である 頚部と 2 本の前肢は伸展し 蹄底は下方に向いている また 産道を容易に通過するため 片側の前肢は反対側より若干先に出した状態になっている 正常胎位 ( 頭位下胎向 ) 異常胎位の修正方法重度の難産の場合は 胎位を修正するため 局所麻酔によって母馬の腹筋運動を抑制し 子宮内に広いスペースを確保する必要がある このように 獣医師による修正が必要な異常胎位も存在することから その重症度の見極めが重要となる また 早期過ぎる胎位の修正は 逆に難産を誘発することもある このため 分娩の経験を積む必要があるが ある程度の知識があれば 適切に対応できる 以下に 異常胎位とその修正方法を示す 異常胎位 (1) 頭位下胎向腕節部屈曲姿勢正常胎位で前肢の両側あるいは片側が 腕節部において屈曲している 処置 頭部および屈曲肢を子宮腔内に戻すとともに 屈曲肢の管部を保持して腕節を背側に挙上し 球節および蹄が子宮口に向くよう導く 24

26 3. 分娩管理 頭位下胎向腕節部屈曲姿勢 (2) 頭位下胎向肩関節部屈曲姿勢正常胎位で前肢の両側あるいは片側が 肩関節部で屈曲している 処置 肩関節屈曲姿勢から腕節部屈曲姿勢になるように 整復を試みる まず 前腕部を保持して腕節部を屈曲させた状態で 腕節部屈曲姿勢に整復する その後は 頭位下胎向腕節部屈曲姿勢の整復と同様である 前腕部を保持する必要があるため ある程度の腕の長さが必要である 頭位下胎向頭上前肢姿勢 (4) 頭位下胎向後肢伸展 ( 犬座 ) 姿勢正常胎位であるが 後肢が伸展している 処置 頭部および前肢は 正常姿勢時と同様に娩出する 頭部および前肢を牽引するとともに 子宮内に挿入した手によって後蹄を子宮内に戻すように押さえることにより 膝関節と飛節を屈曲させる整復を試みる 後蹄を子宮内で押さえるためには ある程度の腕の長さが必要である また 若干回転させながら頭部および前肢を牽引することにより 整復が容易になる 頭位下胎向肩関節部屈曲姿勢 (3) 頭位下胎向頭上前肢姿勢正常胎位で前肢の両側あるいは片側が 胎子の頭上に位置している この姿勢は 比較的発症率が高い異常胎位である 処置 頭部を挙上するとともに 前肢の蹄尖が子宮を損傷しないように球節を保持し 下方に牽引して子宮口から娩出する 頭上に位置している前肢は背側の子宮壁に接しているため 子宮壁を損傷させないこと 子宮口からの娩出後も膣壁を損傷させないことに注意する 頭位下胎向後肢伸展 ( 犬座 ) 姿勢 25

27 3. 分娩管理 (5) 頭頂位下胎向頚部屈曲姿勢正常胎位で頚部が屈曲し 胎子の鼻梁部が母馬の骨盤に引っ掛かる 処置 前肢を子宮腔内に戻すとともに 子宮内に挿入した手によって胎子の下顎部を保持し 子宮口に向くよう導く 胎子の下顎部が母馬の骨盤に引っ掛かからないように 子宮腔内に戻すことによって整復が容易になる (7) 骨盤位下胎向姿勢 ( 逆子 ) いわゆる逆子である 正常胎位と同様 胎子の長軸と子宮の縦軸は同軸 胎子の背側は子宮の背側に位置している 前肢ではなく 後肢が子宮口に向かって伸展している 処置 産科チェーンあるいはヒモを胎子の後肢に連結し 牽引するのみである 臍帯部が子宮口の通過時に圧迫され 低酸素血症が引き起こされる可能性があるため 可能な限り短時間内に娩出する必要がある 頭頂位下胎向頚部屈曲姿勢 (6) 頭位上胎向姿勢正常胎位と同様 胎仔の長軸と子宮の縦軸は同軸に位置し 頭部と前肢は子宮口に向かう しかし 胎子の背側が正常胎位とは逆に 子宮の腹側に位置している 処置 両前の球節を縛った 2 本のヒモを牽引するとともに 子宮内に挿入した手によって胎子の前腕部を保持する その後は 若干捻転させながら側胎位にするように 前肢および頭部を子宮口に向ける 娩出時の胎子の回転により 子宮捻転が引き起こされる可能性があるため 確実に前腕部を保持する必要がある また 胎子の前肢によって背側子宮壁が損傷する可能性もあるため 作業は慎重に実施する 骨盤位下胎向姿勢 ( 逆子 ) 頭位上胎向姿勢 26

28 3. 分娩管理 8) 分娩時および分娩後の繁殖牝馬の疾病 (1) 早期胎盤剥離通常 破水後に陰部から脱出する羊膜は白色であるが 稀に破水が認められず 陰部から赤い胎盤 ( レッドバック ) が観察される場合がある この状態は 早期胎盤剥離 と呼ばれ 子宮と胎盤に早期剥離が起こっている このため 胎子は酸素が供給されず 低酸素状態に陥っている可能性が高い したがって 獣医師の到着を待つ間に 陰部から露出している赤い胎盤の中心にある白い星の部分を破り 早急に胎子胎膜を露出させ 羊膜を破って胎子の前肢を迅速に牽引する必要がある 牽引後の新生子は 低酸素脳症や感染症を発症している可能性が高いことから 早急かつ適切な処置が必要となる 限り清潔に保つ必要がある このため 母馬は起立状態を維持させ 垂れ下がった子宮は 食塩水 (1 リットルの水に小さじ 2 杯弱の食塩を混和 ) で湿らせた新しいタオルで覆って乾燥を防止する 子宮脱の処置が遅延した場合は 子宮機能が回復せず 受胎に影響を及ぼす場合があるため 獣医師による早急な処置が不可欠である (4) 胎盤停滞一般的に 分娩から 3~5 時間以上を経過しても 後産が排出されない場合は 胎盤停滞と考えられる 後産は子宮角 続いて子宮体部 最後に子宮頸部の順に脱落する 後産の排出には 子宮の収縮と後産自体の重力が関与している このため 排出されないからとの理由により 引っ張り出すべきではない 胎盤停滞に対しては 子宮収縮作用をもつオキシトシンの投与が必要であるため 獣医師に連絡する 最も胎盤停滞が起こりやすい部位は子宮角部であり 用手による除去が困難な部位でもある このため 排出後には必ず後産を広げ 両方の子宮角における損傷の有無 すべての排出を確認する必要がある 子宮角に残存した胎盤膜は 数日間放置しても影響はないと考えられていることから 早急に引っ張り出すことは禁忌である 赤い胎盤 ( レッドバック ) が認められた場合は 早急に胎子胎膜を 露出させて羊膜を破って胎子を牽引する ( 帯広畜産大学石井三都夫准教授提供 ) (2) 子宮動脈破裂母馬の生死に関わる疾病である 主な症状は 腹腔内への大量出血による貧血に起因する可視粘膜の蒼白 および著しい疼痛である 腹腔内への大量出血であることから 分娩時に外貌上の出血は認められない このため 出産後の母馬の注意深い観察が必要である 特に 高齢馬における発症率が高いことから このような症状が出産後の高齢馬に認められる場合は 直ちに獣医師に連絡する必要がある (3) 子宮脱子宮脱は分娩後に胎盤のみならず 子宮自体が膣外に脱出した状態である 子宮脱が認められた場合は 直ちに獣医師に連絡して早急な治療が必要である 獣医師が到着するまで 膣から脱出した子宮を可能な 27

29 4. 分娩直後の新生子の管理 4. 分娩直後の新生子の管理 1) 出生直後の新生子の行動 で吸乳の仕草をみせる いななきや音への反応など 聴覚および視覚が活性化する (3) 娩出から 5 分以内に 体温調節のための馬体の震えが認められる - ポイント - 分娩のワン ツー スリー 11 時間までに 新生子は起立する 22 時間までに 新生子は哺乳する 33 時間までに 後産が排出される 分娩直後 ~1 分後新生子は胸部が産道を通過後 30~60 秒で呼吸を開始する 正常な仔馬は娩出時に自ら羊膜を破り 呼吸を開始する しかし 低酸素脳症などによって羊膜を破ることができない場合は 胸部が産道を通過した後も 羊膜が鼻孔を被覆していることがある この場合は 強制的に羊膜を除去する必要がある 娩出から 5 分後には 聴覚と視覚が活性化する 分娩 15 分後前肢を前方に伸展させて 後肢を体下に引き寄せ 起立を試み始める 娩出から 15 分後には 起立を試み始める ( クールモアスタッド ) 新生子は 娩出後 30~60 秒で呼吸を開始する 分娩 5 分後 (1) 娩出から 5 分以内に 横臥状態から頭頚部を挙上し 両前肢の間に体を置くようになる 娩出から 5 分間が経過しても後肢が産道に残存している場合は これを膣外に出す (2) 吸乳反射が娩出から 5 分以内に発現し 新生子は舌 分娩 1 時間後起立の試みを繰り返した後 分娩 1~1.5 時間後には起立に成功する この時間内に起立できれば 正常である 一方 分娩から 2 時間以上を経過しても起立できない場合は 何らかの異常が疑われる 28

30 4. 分娩直後の新生子の管理 ことである また 馬房内を駆け回ることも可能になる (2) この時期までに吸乳が安定していれば 胎便の排出および排尿を確認できる 頻繁に尾を挙上して排尿姿勢を呈するが 糞尿が排出されない場合は 疝痛あるいは尿路系の疾病が疑われる 出生後の初回排尿の時期は 牡馬と牝馬で異なり 通常牡馬では 6 時間以内 牝馬では 12 時間以内である (3) 乳汁が鼻梁や鼻端部に付着している場合は 乳房付近には接近しているが 乳首の吸引が不十分であることを示唆している 一方 鼻孔から逆流している場合 異常がなければ 娩出から 1 時間後には起立する ( クールモアスタッド ) は 口蓋裂が疑われる 母馬の乳房の膨化程度や乳首の乾燥状態によっても 吸乳の有無を確認できる 分娩 2 時間後 (1) 安定した起立状態を維持できるようになれば 母馬を後追いして乳房を探し始め 分娩から 2 時間後には吸乳を開始する 3 時間以上を経過しても 乳房を探さなかったり 母馬を後追いせずにふらつく場合は 異常が疑われる (2) 吸乳の開始により 反射的に消化管の蠕動運動が促進されて胎便が排出される 新生子の健康状態の把握出産の翌朝 ( 生後 12~24 時間 ) には 獣医師の臨床検査により 新生子の健康状態を把握することが望ましい この臨床検査は 先天的および分娩後の疾病に関する検査 血清中の IgG 濃度の測定による移行免疫不全の検査である 呼吸状態外貌上で最も新生子の健康状態の指標となる所見は 呼吸状態である 肺の異常をはじめ 高体温や疼痛 さらには溶血性貧血の発症時は 浅表性の呼吸となって呼吸数が増加する 正常の呼吸数は 30 回 / 分程度であり 60 回 / 分以上の呼吸数や鼻翼の開張は 異常と判断する ただし 分娩直後は代謝が亢進しているため 呼吸数は高く 15 分後では 30~50 回 / 分 1 時間後では 40~60 回 / 分に達する 異常がなければ 娩出から 2 時間後には吸乳する ( クールモアスタッド ) 分娩 3 時間後分娩から 3 時間後までに 吸乳行動および母馬の後産の排出を確認できれば 概ね正常と判断する 以後は親子のみの時間とし 馬房の電気を消し スタッフは翌朝まで休憩できる 分娩 12 時間後 (1) 分娩 12 時間後までに 新生子は安定状態となる 安 定状態とは 容易に意識的な起立と吸乳が可能になる 29

31 4. 分娩直後の新生子の管理 2) 初乳 初乳は 分娩から 24 時間後までに分泌される特殊な乳汁である 初乳中には 抗体( 免疫グロブリン ) が含有されている 初乳中の抗体量を増加させるためには 分娩前の母馬へのワクチン接種など 計画的な管理が必要である 時間から著しく減少し 10 時間以内に枯渇する 初乳の質および産生量には 個体差がみられる 初産や 15 歳以上の高齢馬 分娩が予定日より 2 週間以上早い場合などは 質あるいは分泌量の低下がみられる また 分娩前に漏乳が認められる場合も 分娩後の乳中に十分量の免疫グロブリンが含有されていない可能性が高く 注意が必要である 一方 初乳は下剤効果を有するとともに 吸乳行為は反射的に消化管の蠕動運動を促すため 胎便の排出が促進されると考えられている 移行免疫馬の胎盤と子宮の接合は緩い組織構造であり 母体と胎子の血液は直接的に混合することはなく 胎子は妊娠期間中に移行免疫を獲得できない また 出生直後も 自身による免疫物質の産生は困難である 免疫物質の産生は生後 2 週齢から開始されるが 約 3 ヶ月齢までは十分量に達しない このため 十分な免疫物質の産生が可能になるまでの期間は 初乳を介して母親の抗体 ( 免疫グロブリン ) を摂取することにより 様々な細菌やウイルスの感染から生体を防御している このように 母馬から免疫物質を獲得することを 移行免疫 という 新生子馬は 初乳を介して抗体を獲得する 初乳初乳は分娩から 24 時間後まで母馬から分泌され 黄色味を帯びた粘張性の高い特殊な乳汁である また その後に分泌される通常乳に比較し 高濃度のタンパク質 ( 特に グロブリンおよびアルブミン ) および電解質を含有している 初乳は分娩 2~4 週間前から産生され 母馬が豊富な免疫グロブリンを保有している場合は 初乳中にも高濃度の免疫グロブリンが含有されている 分娩予定日の 1~2 ヶ月以前までに 母馬に各種ワクチン ( 馬インフルエンザ 馬ロタウイルス 破傷風 馬鼻肺炎など ) を接種することにより さらに高濃度の免疫グロブリンが初乳中に含有される また 出生後の仔馬の環境下における細菌やウイルスに対する免疫物質を初乳中に含有させるためには 分娩予定日の 1 ヶ月前までに 母馬を出生後に仔馬と過ごす馬房や放牧地に移動させておくことが推奨される このようなワクチン接種や母馬の繋養場所の変更を計画的に実施することにより 良質の初乳の産生が可能となる 初乳の総量は 3~5lとされており その分泌量は経時的に減少する また 新生子が生後 2 時間以内に初乳を摂取した場合 初乳中の免疫グロブリン濃度は娩出後 3~4 初乳 ( 左 ) と通常乳 ( 右 ) の色調 30

32 4. 分娩直後の新生子の管理 新生子の腸管における初乳の吸収 初乳の質 ( 免疫グロブリン濃度 ) の測定方法 生後 24 時間に限り 初乳の吸収が可能である 生後 6 時間までの吸収率が高い 生後 6 時間以内に初乳を摂取できない場合は 500~1,000ml の初乳を投与する必要がある - ポイント - Brix 値から推測される初乳の質 出生直後の新生子の消化管は 大型分子 すなわち初乳 中の免疫グロブリンを効率よく吸収できる特殊機能を有 している 特に 生後 6 時間までの吸収率は高い 一方 この消化管の特殊機能は 細菌なども吸収するため 吸収率は経時的に低下して 生後 24 時間までに失活する このため 分娩後 6 時間以内に 新生子が自力で初乳を摂取できたかを確認する必要がある 分娩後 6 時間以内に摂取できなかった場合は 母馬から初乳を 500~1,000ml 程度搾乳し 哺乳瓶などを用いて投与する 最も確実な方法は 経鼻カテーテルを用いる直接投与法であるが このためには獣医師のサポートが不可欠である このような人為的な初乳の投与は 遅くとも生後 24 時間以内に実施する必要がある 可能であれば 12 時間以内 理想的には 6 時間以内に実施する 新生子の摂取前の初乳 Brix 値が 25% 以上の場合 免疫グロブリンの豊富な良質の初乳と推測される 一方 20% 未満の場合は良質でないことから Brix 値は冷凍保存された初乳の補助的な投与の必要性を示す指標といえる 仔馬の初乳摂取量の推測 哺乳前後の Brix 値から推測される仔馬の初乳摂取量子馬が摂取前の初乳の Brix 値 (1) を測定 (Brix 値が 20 以上である良好な初乳 ) 分娩 10~12 時間後の乳汁の Brix 値 (2) を測定 この値が 10 以上であれば十分量の抗体が移行 1-2=>10 採乳のみによって初乳摂取量を容易に推測できる 初乳中の免疫グロブリンが新生子に移行した量を正確に把握するためには 新生子の血液中の免疫グロブリン (IgG) 濃度を測定する方法が知られている ( 獣医師に依頼 ) 一方 牧場において 簡易的に免疫グロブリンの新 自力で初乳を摂取できない場合は 経鼻カテーテルを用いて 確実 に 500~1,000ml の初乳を投与する ( クールモアスタッド ) 生子への移行量を推測するためには 糖度計によって測定された Brix 値を指標とする 哺乳前の初乳の Brix 値を事前に測定し 出産 10~12 時間後の Brix 値を再測定して比較する その数値の差が 10 以上であれば 仔馬は十分量の初乳を摂取し 満足できる移行免疫を獲得したと推測できる 一方 Brix 値の差が 10 未満の場合 仔馬は十分量の初乳を摂取しておらず 移行免疫不全の状態にあると判断する 31

33 4. 分娩直後の新生子の管理 移行免疫不全と治療 哺乳前後の Brix 値の差から 不十分な初乳の摂取が疑われた場合は 可及的速やかに 500~ 1,000ml の初乳を投与する 有事に備えて -20 の冷凍庫に 25% 以上の Brix 値をもつ初乳を保存しておく いは冷蔵庫で解凍する 電子レンジによる解凍は タンパク質が分解されるために禁忌である また 保存期間は 1 ~1.5 年間を目安とする なお 後述する新生子黄疸を発症させた母馬の初乳は 良質であっても 冷凍保存の条件を満たすものではない (1) 移行免疫不全仔馬は初乳に含有される免疫グロブリンの吸収により 細菌やウイルスの感染を防御している したがって 生後 24 時間以内の仔馬の初乳摂取量が不十分な場合 あるいは消化管からの初乳の吸収が不完全な場合は 移行免疫不全 ( 仔馬の血中 IgG 濃度が 400mg/ml 以下 ) に陥り 感染症を発症する可能性が高くなる (2) 移行免疫不全の治療法海外における移行免疫不全の仔馬に対する治療としては 抗体を含有する血漿輸液製剤の投与が一般的である 現在のところ わが国において血漿輸液製剤は市販されていない 血漿輸液製剤の投与以外の移行免疫不全に対する予防法は 冷凍保存した良質の初乳を生後 24 時間までに投与することである すなわち 可及的速やかな 500~1,000ml の初乳の投与が推奨される この場合 母馬の初乳の質が高ければ母馬の初乳を 低ければ冷凍保存した初乳を投与する 25% 以上のBrix 値をもつ初乳を冷凍保存しておく ( クールモアスタッド ) 3) 生後 1 週齢までの管理 様々な環境の変化に順応する必要がある 感染症に対する十分な注意が必要である 体重の増減は 健康状態を知る有用な指標となる この時期の仔馬の取り扱いは しつけの面でも極めて重要な意味をもつ 生後 2~7 日目の仔馬は 出生直後の虚弱な状態を乗り越え 健康状態が安定する また 初めての放牧など 環境の変化に順応する必要がある さらに 新規環境におけるウイルスや細菌の暴露に加え 新規刺激によるストレスに起因する感染症に対し 細心の注意を払わなければならない このため 少なくとも 1 日に 1 回は 体温 心拍数および呼吸数などを測定する必要がある 可能であれば 体重の測定が推奨される この時期における体重の増減は 健康状態を知るうえで有効な指標となるからで 初乳摂取量が少なければ 可及的速やかに初乳を投与する ( クールモアスタッド ) 冷凍保存する初乳は 25% 以上の Brix 値をもつことが条件であり 採乳量は 500ml を目安とする 採取した初乳は ガーゼを用いて異物を除去して清潔な容器に移し替え -20 の冷凍庫に保存する 投与の際は 自然解凍ある ある 一方 この時期は不適切な仔馬の取扱いに起因する事故や外傷が多発する この時期の取り扱いは その後の騎乗を含めた人馬の関係に強い影響を及ぼす 以上のように 生後 1 週間は極めて重要な時期であると位置付ける必要がある 32

34 4. 分娩直後の新生子の管理 母乳の摂取 生後 1~2 ヶ月齢までは 母乳のみで成長するため 母乳の摂取量は成長に大きな影響を及ぼす 体重の増減は 母乳の摂取量の有用な指標となる により 乳房を刺激して泌乳を促す 十分量の母乳の摂取後は 横臥して休息することが多い 一方 十分量の母乳が産生されていない場合は 繰り返して鼻端あるいは頭で乳房を突つき 乳房から離れた後も休息しようとしない 乳房の状態母乳摂取量を把握するもう一つの指標は 母馬の乳房の状態である 泌乳量が十分な乳房はある程度の張りがあるが 不十分な乳房は皺が寄って十分な張りが認められない 生後 2 週間までは 唯一の栄養源である母乳の摂取量が 仔馬の健康状態に大きな影響を及ぼす 1~2 ヶ月齢までは 十分量の母乳が産生されていれば 仔馬は母乳のみによって要求栄養量を満たすことが可能である 体重の増減母乳摂取量の測定は 仔馬を管理するうえで極めて重要であるが 実際には測定困難である 最も簡便かつ確実な方法は 毎日の体重測定である 1 日当りの増体量の目安は 生後 1 週までは 1.75kg 1~2 週は 1.5kg 2~8 週までは 1.35kg である 増体量は仔馬の健康状態の指標となるため 日々の継続的な測定が推奨される 乳房の状態を観察する際は 乳頭の湿潤程度にも注意する必要がある 搾乳の実施も 泌乳量を把握する方法の一つである 通常 1 回の搾乳によって 1l 以上の採乳が可能であるが 100ml 程度の採乳量に留まる場合は 仔馬は十分量の母乳を摂取していないことが推測される 一方 泌乳量が十分であっても 仔馬が病気などによって食欲が低下している場合は 乳房が膨張して乳頭が乾燥する 母乳の摂取量が不十分であると推測された場合は 仔馬が削痩する前に 人工哺乳を併用する必要がある 母馬の乳房の状態から 母乳摂取量を推測できる ( クールモアスタッド ) 新生子期の体重測定は 母乳の摂取量および健康状態の有用な指標となる ( クールモアスタッド ) 仔馬の吸乳回数および吸乳後の行動母乳摂取量をある程度把握する方法としては 仔馬の増体量の他に その吸乳回数と吸乳後の行動の観察があげられる 生後 2 週齢までの仔馬は 1 時間に 7~8 回吸乳する 仔馬は乳房に接近して鼻端あるいは頭で乳房を突つくこと 33

35 4. 分娩直後の新生子の管理 生後 1 週間までの放牧 生後数日間は 1 組の親子のみで暖かい時間帯に 1~2 時間 小パドックに放牧する 雪上では寝藁を敷き 仔馬の休息場所を確保する 放牧の開始時期新生子の出産翌日の放牧は 仔馬の状態を確認してから実施する 放牧は 新生子の外部環境への適応を促すために重要である 健康な仔馬であれば 出産翌日から小パ ドックでの放牧が可能である 一方 歩行時にふらつき 母馬を速歩で追いかけることが困難な虚弱子の場合 少なくとも 生後 24 時間は馬房内での収容が望ましい 虚弱状態が著しい場合は 放牧の開始までに 2~3 日が必要である 生後 4~5 日間は 他の親子と一緒に放牧せず 1 組の親子のみで実施する これは この時期の母馬は神経質に仔馬を守ろうとするため 母馬のみならず 仔馬も負傷する可能性が高いからである 生後 2 週間が経過する頃には 2ha 以上の大きな放牧地に 複数組の親子の放牧が可能となる 雪上では寝藁を敷いて 仔馬の休息場所を確保する 生後 1 週齢までの放牧時間仔馬の成長には 睡眠と休息が不可欠であり 馬房内では 40% 以上の時間を横臥して休息に費やしている このため 生後 1 週齢までの仔馬は 1 時間程度の放牧が望ましい これ以上の時間の放牧では 駐立状態を継続していることが多い 特に 天候が優れない場合 仔馬は横臥しないため このような放牧は殆ど意味がない 1~3 月の日高地方の放牧条件は恵まれたものではないため 生後 3 日目までは暖かい時間帯に 1~2 時間 小パドックに放牧する程度で十分である その後は 状況に応じて放牧時間を延長する 放牧と仔馬の成長仔馬の成長には適度な運動が重要であるため この時期の放牧は疲労とストレスを軽減させるとともに 効果的な運動を実施できることが理想である 仔馬の行動は 吸乳 睡眠および自由運動の 3 要素が基本であり それぞれが重要な役割を担っている 特に 3 ヶ月齢までの仔馬の成長は その後の成長に比較して急激であり 成長ホルモンが豊富に分泌されている 成長ホ 健康であれば 出産翌日から小パドックに放牧する ( クールモアスタッド ) 気候と放牧放牧の実施に際して 仔馬の健康状態とともに重要な要素は天候である 新生子は体温の調節機能が未発達であるため 長時間の寒冷下での放牧によって体温が低下しやすい このため 雨 雪あるいは強風時などの放牧は 見合わせた方がよい また 放牧地の地面は乾燥していることが望ましく 雪や泥などで覆われている場合は 寝藁や乾草を敷いて休息場所を確保する必要がある さらに 仔馬用の馬着を着せて体温の低下を防止する ルモンの分泌は母乳からの栄養 良質の睡眠 そして適度な運動によって亢進するため 適切な放牧環境の整備が重要である このため 厳冬期の日高地方では生後 4 日目以降から 2 週間程度まで パドック放牧と馬房内休息を繰り返すことが推奨される 以下に 厳冬期における放牧例を示す 18 時に放牧早朝の放牧でフレッシュ ハッピーになる 211 時に馬房に収容疲労した頃に収容して 休息させる 314 時に再放牧再び放牧し フレッシュな状態で遊ばせる 416 時に馬房に収容 34

36 4. 分娩直後の新生子の管理 特徴である また 出産直後は異常に気付かないが 起立困難や起立までに時間を要すること 乳房の探査が困難であること あるいは吸乳姿勢を維持できないことにより 初めて明らかとなる場合がある 重症例では脳の損傷程度が著しく 突発的な痙攣 横臥状態での遊泳運動 頭頚の振り回し 突発的に駆け出して壁に激突するなどの異常行動が観察される これらの症状は 生後 3 時間から遅くても 24 時間以内に発現する また 発作や痙攣による呼吸困難に起因する犬の遠吠え あるいは豚のような鳴き声を発することから 吠える仔馬 (Barker foals) といわれる 母馬の認識が困難となり 仔馬の成長にとって 放牧地での運動は極めて重要である 馬房内をふらつくことから さ迷う仔馬 (Wanderers) あ るいは歩行時にふらつくことから のろまの仔馬 (Dummy foals) など 様々な名称で呼ばれている 処置方法この疾患に対する処置は 確実に初乳を給与して馬体を保温することである また 発作および痙攣を起こして馬房内を歩き回る場合は 寝藁を深く敷くとともに 馬房の壁の周りに梱包された寝藁を置く さらに 四肢に保温を兼ねたバンテージを装着することにより 衝突時の受傷を予防する 重症例に対しては 獣医師によって発作に対する鎮静処置 脱水を含む循環系の改善 感染症や膀胱破裂の予防処置が実施される 仔馬の正常な発育に睡眠は不可欠であり 放牧と馬房内休息を繰り 返すことが推奨される 4) 新生子の各種疾病 虚弱子虚弱子は 仔馬の適応障害症候群 (NMS:Neonatal maladjustment syndrome) と呼ばれている この疾患は早産 帝王切開 難産 早期胎盤離脱 ( レッドバッグ ) 胎子期の成熟異常あるいは子宮内感染などによって発症する 妊娠後期あるいは分娩時に これらの状態に陥った場合 脳の低酸素状態が誘発されて虚弱子となる 酸素は体内のすべての細胞に必要であるため 多くの組織に障害が起こる 特に 脳障害による異常行動が最も明らかである また 障害程度は低酸素状態に陥っていた時間に応じて異なる 発作時の受傷を予防するため 梱包された寝藁で囲む ( クールモアスタッド ) 症状 この疾患を発症した新生子の外貌は 小型 絹のような 細かい被毛による被覆 あるいは濃い色調を帯びた舌が 35

37 4. 分娩直後の新生子の管理 口カゴを装着して初乳を摂取させてはならない また 母馬からの初乳の代用として 冷凍保存した初乳を投与する 出産前に発症原因となる Aa および Qq 抗体の検出検査が実施されているが その精度は高くない また 仔馬が初乳を吸乳するまでに 仔馬の血液と初乳を混合する凝集試験も実施されているが この精度も低い 早期に発見できれば 治療によって十分な回復が見込めるため 初乳の摂取後の注意深い仔馬の観察が最良の対処法である 初乳の摂取後に元気消沈 口腔粘膜の帯白黄色化 血色素尿の排出などが認められた場合は 直ちに獣医師に連絡する必要がある 四肢にバンテージを装着して受傷を予防する ( クールモアスタッド ) 新生子溶血性貧血新生子溶血性貧血 (NI:Neonatal Isoerythrolysis) は 新生子黄疸とも呼ばれている 新生子の赤血球 ( 抗原 ) に対する抗体を母馬が保有し その抗体を含有する初乳の摂取によって発症する 母馬由来の抗体が 新生子の赤血球を異物と認識して攻撃し 溶血させた結果 貧血および 黄疸が引き起こされる 本疾患の発症率は 0.5% 以下とさ 新生子溶血性貧血 ( 左 ) と正常 ( 右 ) な口粘膜 れている 胎便の停滞 症状この疾病において 貧血に起因する症状が認められる 症状の発現時間は 仔馬の初乳の吸収状態と母馬の抗体の保有程度によって差異がみられる 早くて生後 8 時間 遅いものでは生後 4 日目までに発症する まず 呼吸数が上昇して粘膜が白色調を呈し 元気消沈して哺乳回数が減少する さらに症状が進行した場合は 粘膜が黄色を呈して赤色尿が認められるとともに 虚脱状態に陥ることから 獣医師の処置が必要となる 症状胎便の停滞は 牝馬に比較して骨盤が狭い牡馬に発症しやすい 胎便の停滞を起こしている新生子は 背中をアーチ状にして尾を挙上し 胎便の排出姿勢を頻繁に取ることから容易に気づく 軽症例では不快感を呈して馬房内を歩き回ったり 落ち着きがなかったりする 一方 重症例では疝痛様症状を呈し 前掻き 横臥などの苦悶症状が認められる 治療法輸血の実施が 第一選択となる ユニバーサルドナー ( 溶血を誘発させる抗体を保有していない馬 ハーフリンガー種に多い ) の血液であれば 全血輸血が可能である 母馬の血液を輸血する場合は 血漿と血球の分離処置が必要となる これは母馬の血漿中には初乳と同様 抗体が含有されているからである その他の処置は 貧血および黄疸の対症療法である 予防法過去に出産した仔馬が溶血性貧血を発症している場 合 その母馬が出産した仔馬には 生後 24~36 時間まで 胎便の停滞では 頻繁に排尿姿勢を呈する 36

38 4. 分娩直後の新生子の管理 処置方法腸管の蠕動運動を促進するため 初乳を十分に摂取させる その後も胎便が排出されない場合は グリセリン リン酸ナトリウムあるいは流動パラフィンによる浣腸処置を実施する また 初回の浣腸から 30 分間は 2 回目の処置を実施してはならない 浣腸後に症状が悪化する場合や 2 回目の実施後も胎便排出が認められない場合は 獣医師に連絡する必要がある 正常 口蓋裂 臍帯の異常 ( 尿膜管遺残 ) 症状胎子期には膀胱から胎盤に通ずる管が存在し これを経由して尿が尿膜腔に排出される この管は尿膜管といわれ 通常は分娩後に臍帯が切れる際 臍帯内の血管とともに閉鎖する しかし 何らかの理由によって閉鎖しない場合は 尿が臍帯から漏出する これが尿膜管遺残であり 臍帯感染の誘発要因となる 臍帯感染が悪化した場合は 関節炎 肺炎 下痢 敗血症などが引き起こされる可能性がある 尿膜管遺残が認められる症例においては 臍帯周囲の被毛が尿で濡れた状態が認められることから 比較的容易に診断できる 処置方法臍帯感染 あるいはこれに起因する感染症を予防するためには 抗生物質の投与が必要となる 感染症が誘発されなかった場合は自然閉鎖するが 治癒しない場合は外科手術が適応される 先天性口蓋裂 症状口蓋裂は先天性疾患の一つであり 軟口蓋の奇形によって口腔と鼻腔が連絡している状態である 口蓋裂をもつ新生子は 吸乳後に鼻孔からミルクが滴下しているため 容易に確認できる 確定診断は 内視鏡検査によって実施する 処置方法母乳を誤嚥するために誤嚥性肺炎を発症しやすく 外科的手術が実施されることもあるが 予後は不良である 口蓋裂の確定診断は 内視鏡検査によって実施する 肋骨骨折 発生原因難産などの分娩時のトラブル あるいは大型の新生子の場合は 産道の通過時に肋骨を骨折することがある また 分娩時の人為的な介助における力任せの牽引によっても発症することがあるため 注意が必要である 症状肋骨々折を発症している新生子は 運動を嫌い 呼吸が浅速になり 吸気時に低いうめき音を発することもある 肋骨々折が疑われる場合は 肋部の優しい触診によって骨折部位を確認する 肋骨の骨折端が 腸管などの内臓を損傷させる可能性があるため 骨折側を下方にした横臥は回避する 肢勢異常 1 屈腱拘縮に起因する屈曲肢勢屈腱拘縮に起因する屈曲肢勢は 先天性と生後に発症する後天性のものに区分され 後者はクラブフットに代表される ここでは 先天性の屈曲肢勢に関して説明する 発生原因および症状主に深指屈腱が付着する蹄骨 あるいは浅指屈腱が付着する第 1 および第 2 指骨の牽引によって屈曲が起こるため 腱拘縮との病名をもつ 実際には 屈腱のみの拘縮ではなく 筋肉および腱の複合組織の拘縮により 関節の屈曲が引き起こされる 球節が挙上する程度の軽症例から 屈曲した球節前面の接地によって自力での起立が困難な重症例まで 幅広い症状が認められる 腱拘縮の原因は明らかにされていないが 先天性のものは胎子期の異常胎位 妊娠時の母馬の不適切な栄養管理 あるいは遺伝的な要因の関与が示唆されている また 難産や大型仔馬の場合にも 発症しやすいといわれている 37

39 4. 分娩直後の新生子の管理 処置方法殆どの場合は 特別な処置を実施することなく 生後 3 ~5 日以内に自然治癒する しかし 重症例では球節の褥創を予防するために乾包帯を装着し 馬房の寝藁を厚く敷く必要がある また 蹄踵と蹄球を保護するため 蹄踵部にエクステンション蹄鉄を装着する場合もある 重症例では 屈曲した球節の前面が接地する ( クールモアスタッド ) 処置方法治療はオキシテトラサイクリンの投与や 屈曲の程度によってはギプスなどによる固定である オキシテトラサイクリンは筋収縮を誘発するカルシウムイオンをキレート化させ 筋線維へのカルシウムイオンの流入を抑制することにより 筋線維および腱線維を弛緩させる 一方 患肢を固定するギプスなどの長時間にわたる装着は 浮腫や擦過傷を引き起こすため 最低でも 12 時間毎に取り替える必要がある 新生子において 屈腱の弛緩による球節の沈下は稀ではない 多くの場合は 生後 3 日 ~5 日以内に自然治癒する 3 新生子の肢軸異常先天的な腕節部 飛節部あるいは球節部の肢軸異常は 未成熟な新生子に認められる傾向があり 腱の弛緩を併発している場合も少なくない 新生子の多くは胸前が狭く 脚が長い体型をしている このような体型では 体重を支えるために両腕節の外反 (X 脚 ) あるいは両飛節の外反(X 脚 ) 姿勢になりやすい また 虚弱による外反姿勢は 力学的に正常姿勢といっても過言ではなく 多くの場合は成長に伴って改善される 一方 腕節あるいは飛節の内反に対しては エクステンシ 重症例では ギプスによる固定が必要となる ( クールモアスタッド ) 2 屈腱弛緩に起因する屈曲肢勢 発生原因および症状屈腱の弛緩に起因する屈曲肢勢は 先天的に認められる 基本的に 起立直後の新生子に観察される屈腱弛緩は異常ではない 球節が軽度沈下する軽症例から 蹄尖が地面から浮遊して球節の掌側面が接地する重症例まで 幅広い症状が認められる 前肢に比較して後肢での発症が多く また未成熟な新生子に多発するといわれている ョン蹄鉄を用いる装蹄処置や外科的手術による矯正が必要となる また 内反を呈する場合は 反対側の肢が外反していることが多い 手根あるいは足根関節の構成骨が形成不全によって楔状を呈し 内外の成長が不均衡になっている場合 あるいは周囲靭帯の弛緩に起因している場合があることから X 線検査による診断が不可欠である 38

40 4. 分娩直後の新生子の管理 この呼吸状態の観察により 重症度を把握できる 症状は膀胱の損傷程度に依存して様々であり 少量ながら排尿する場合もある 一方 尿が貯留しない重度の損傷を受けている場合 排尿は認められない 通常 出生後 2~3 日以内に異常に気づく 処置方法 外科手術が不可欠であり 早期発見 早期治療によって 完全治癒を期待できる 両腕節の外反 (X 脚 : 左 ) と飛節の左内反 右外反 ( 右 ) ( クールモアスタッド ) 下眼瞼の内反 発生原因および症状下眼瞼の内反は先天性疾患であるが 分娩時に発症する可能性もある この疾病により 睫毛 ( まつげ ) が眼球に接触して角膜が損傷し 重症例では角膜潰瘍に進行することもある 流涙によって気付き 眼瞼検査によって確 定診断する 処置方法軽症例では 指によって下眼瞼を外反させて保持することにより 治癒する場合もある 処置後に再び内反する場合は 縫合によって下眼瞼を外反させ 2 週間程度にわたって固定する必要がある 膀胱破裂 発生原因膀胱破裂は 娩出時に発症することが多い これは 狭い産道の通過時における膀胱圧迫が原因である 胎子期に膀胱から胎盤へ尿を排出させる尿膜管は 通常分娩後に閉鎖するが この尿膜管が分娩前に閉鎖する場合がある このことにより 膀胱が尿で充満され 産道の通過時に圧迫されやすい また 牝馬に比較して牡馬に多発する 症状背中をアーチ状にして尾を挙上し 胎便を排出しようと踏ん張る姿勢 あるいは腹囲の膨満状態が胎便停滞と酷似しているため 類症鑑別が必要である 新生子が初乳を大量に摂取し 破れた膀胱から尿が漏れて腹腔内に貯留した場合 横隔膜が圧迫され呼吸運動が不十分になる 膀胱破裂は早期発見 早期手術が必要である ( 膀胱破裂に対する術後に 尿道カテーテルが装着されている仔馬 ) ( クールモアスタッド ) ヘルニア 1 臍ヘルニア 症状臍帯周辺の腹壁欠損に起因し 腸管の一部が腹壁から脱出した状態である 本症例の診断に際しては 感染による臍部の腫脹との類症鑑別が必要である 臍ヘルニアは皮下に柔らかい腸管が触知できるが 感染による腫脹は全域に硬結感が認められ 触診を嫌うことが多い 処置方法通常 腹壁から脱出した腸管を触知しても疼痛をみせず 容易に腹腔内に還納できる 疼痛を呈する場合や還納できない場合は 外科手術が適応される また 外貌上の問題から外科手術が実施されることもある 一方 2~3cm の大きさのヘルニアの場合は 自然治癒することが多い 39

41 4. 分娩直後の新生子の管理 臍ヘルニアは 臍部感染による腫脹との鑑別が必要である ( クールモアスタッド ) 5) 育子放棄 育子放棄の発生率は 1% 未満であり しばしば初産に認められ 以下の 3 つのタイプに分類される 1 仔馬を怖がる 2 仔馬自体は容認するが 授乳を嫌う 3 授乳時のみならず 常に仔馬を容認しない 育子放棄が起こった場合は 唯一の栄養源である母乳の代用 すなわち 人工哺乳 あるいは 乳母 のいずれかを選択する また 虐待程度が激しい場合は 母馬の攻撃によって仔馬が重篤な状態に陥る危険性があるため 早急に母子を離別させる必要がある 2 陰嚢ヘルニア 発生原因および症状陰嚢ヘルニアは 腸管が鼠径輪を通過して陰嚢内に脱出した状態である 当然 牡馬のみに発症するが 鼠径輪が大きい場合に発症しやすいと考えられている 処置方法腹壁から脱出した腸管を触知しても疼痛を呈さず 容易に腹腔内に還納できる場合は 精巣を下方に保持しながら ゆっくり上方の腹腔内に腸管を還納する この処置 を 1 日に数回繰り返すことにより 2 ヶ月以内に治癒する場合もある 一方 疼痛を呈する場合 還納できない場合 陰嚢内で腸管が膨張して硬結感が触知される場合は 外科手術が適応される また 手術の際には 同時に去勢術の実施が推奨される 特に 総鞘膜の破損に対して鼠径輪を閉鎖する必要がある場合は ヘルニアの還納処置と去勢術の実施が不可欠である 総鞘膜の破損は 後天性であると考えられている 育子放棄がエスカレートした場合は 虐待へ進展する 人工哺乳の実施人工哺乳を実施する場合 哺乳瓶による投与の継続は 仔馬の馬社会性が欠如しやすく しつけ面でのトラブルが発生しやすい このため 可及的速やかなバケツによる投与への変更が推奨される 人工哺乳の利点と欠点 利点 乳母に比較して費用を軽減できる 欠点 代用乳の費用(30~40 万円 ) 多大な労力(2 時間毎の授乳 ) 仔馬の馬社会性の欠如 母馬の乳量が少ないため 補助的な人工哺乳を実施する場合は 仔馬の反対側から経口投薬器を用いて哺乳する この方法により 人から乳を与えられているのではなく 母馬の乳首から得ている意識を仔馬にもたせること 軽症例では 自然治癒する場合が多い が可能である また 仔馬の吸乳刺激によって母馬に母性 40

42 4. 分娩直後の新生子の管理 本能が誘発され 泌乳量を増加させる効果も期待できる 仔馬の舌と硬口蓋の間に経口投薬器の先端を挟むことにより 陰圧状態になるため 仔馬自身の意思による吸い込みが可能となり 誤嚥の危険性が低下する 人工哺乳はある程度の費用が必要であり 夜間の哺乳などの労働力も多大である さらに 母馬が存在しないことによる仔馬の精神面を考慮した場合 人工哺乳より乳母の導入が推奨される 乳母の導入乳母の導入は高額な費用が必要であり また乳母と仔馬との相性も問題となる 乳母導入の利点と欠点 利点 仔馬の馬社会性の形成が可能 労力が不要 欠点 費用が高額(80~100 万円 ) 乳母の手配が困難 乳母と仔馬との相性の問題 人口哺乳は 哺乳瓶よりバケツでの投与が推奨される 乳母に孤児を許容させる方法乳母に孤児を許容させることは 極めて困難なことである 乳母および孤児はもちろん 取扱いスタッフの安全確保が最も重要である 乳母を導入する際 胎子の産道通過に類似した刺激を子宮頸管に与えることにより 母性本能を誘発できる つまり 乳母を枠馬に保定し 用手によって子宮頸管を刺激する 孤児は空腹であれば 比較的容易に乳房に接近し 吸乳を試みる 一方 乳母が孤児を許容するためには 時間を要する場合が多い 以下に 乳母と孤児を対面させる推奨法を示す 仔馬の反対側から 経口投薬器を用いて哺乳する 乳母と孤児を対面させる推奨法 馬房内に 乳母の移動を制限する簡易枠場を設置する 乳母を枠場内に保定する 馬房内に仔馬のみが通過できる高さに鉄パイプを通し 仔馬専用のスペースを作る 乳母に鼻捻保定および鎮静処置を実施する 乳母の鼻孔周囲および孤児の顔や尾の周囲に ペパーミントやメンソールなどの刺激臭をもつ軟膏を塗布し 嗅覚を麻痺させる 孤児に対しては 乳母自身の仔馬の皮膚の匂いや糞 あるいは乳母自身の糞 尿 母乳を塗り込む 41

43 4. 分娩直後の新生子の管理 馬房内に簡易枠場を設置し 乳母の移動を制限する 他の母馬から孤児を保護する母性本能の覚醒を期待できる 空胎馬に対するホルモン剤の投与による泌乳の誘発 馬房内に鉄パイプを通し 仔馬専用のスペースを作る 乳母は対面から早くて 12 時間 一般的には 3 日以内に孤児を許容する 孤児との対面から 5 日以上経過しても乳母が許容しない場合は 当該乳母をあきらめる 乳母の気性によって孤児の許容が困難な場合は 乳母の母性本能を覚醒させるため 乳母と仔馬を収容した馬房の前に 他馬を連れて来る方法が推奨される この方法により 他馬から孤児を守ろうとする母性本能の覚醒を期待できる 特に 牡馬を連れて来ることは 効果的であるといわれている 同様に 他の親子と一緒に放牧することによっても 他の母馬の威嚇から孤児を保護する母性本能の覚醒を期待できる 空胎馬に対するホルモン剤の投与による泌乳の誘発方法 1 プロジェステロンとエストラジオールを 14 日間投与する 2 1の処置 7 日目に プロスタグランジンおよび高濃度のエストラジオールを投与する 3 1の処置 7 日目から スルピリド ( ドパミン D2 受容体拮抗薬 ) を 21 日目まで投与する 4 1の処置 11 日目から 4 日間搾乳を実施し 1 日の搾乳量が 5l 以上となった場合 乳母として導入できる 日高育成牧場では 経産空胎馬にホルモン剤を投与して泌乳を誘発させることにより 乳母を導入する方法を実施している ホルモン剤の投与開始から 4~7 日で泌乳が可能となる その後 1 日に 5~7 回の搾乳を 3~4 日継続することにより 1 日当り 5~10lの泌乳量となったこ 42

44 4. 分娩直後の新生子の管理 とを確認後 乳母として導入する しかし 必ずしも泌乳量が十分ではない可能性もあり この場合は補助的な人工哺乳の併用が推奨される ホルモン処置に関わる費用は 乳母の導入や人工哺乳による飼育に比較して安価であり この方法は経済的な効果および仔馬の精神的な安定を満たす効果を期待できる また 乳母として導入してから 30 日後には排卵が確認され その後の妊娠も可能であったことから 前年の未交配馬あるいは不受胎馬の活用が推奨される ホルモン処置前 ( 左 ) と処置 13 日後の乳房 ( 右 ) 43

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<4D F736F F D E94C C4946E82CC8CF0947A8AC7979D2E646F63> 1. 繁殖牝馬の交配管理 1) 交配に向けた馬体管理 分娩後 3 ヶ月間は 養分要求量が最大となる BCS は 9 段階に区分され 5.0 が 普通 である 分娩前には BCS を 5.5~6.0 に維持する 妊娠馬のエネルギー要求量 ( 可消化エネルギー : DE) および胎子体重の推移妊娠馬は分娩後に BCS が 0.5 程度低下し 授乳前期 ( 分娩後 3 ヶ月間 ) に栄養分の要求量が最大となる

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