災害リスク情報プラットフォームが目指す情報社会

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いつやかりこめ
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過去の災害事例のオープンデータ化の試み ~ 1964 年新潟地震オープンデータの開設 ~ http://ecom-plat.

1 過去の災害事例のオープンデータ化の試み ~ 1964 年新潟地震オープンデータの開設 ~ 田口仁 1 内山庄一郎 1,2 鈴木比奈子 1,2 臼田裕一郎 1,2 1 防災科学技術研究所災害リスク研究ユニット 2 防災科学技術研究所自然災害情報室 2014 年 10 月日日本災害情報学会大会 in 長岡 1

新潟地震発生日 1964( 昭和 39) 年 6 月 16 日発生時刻 13 時 01 分 40.7 秒震央深さ 38 22.2'N 139 12.

2 新潟地震発生日 1964( 昭和 39) 年 6 月 16 日発生時刻 13 時 01 分 40.7 秒震央深さ 'N 'E 34km 震央地名新潟県下越沖規模 M7.5, 震度 :5 津波あり震後 15 分 ~ 日本海沿岸に襲来波高 : 4.0m*( 新潟県村上市府屋 ) 1.8m*( 新潟市 ) * 波高の基準 : 地震発生時の直江津潮位 T.P.+35 cm ( 相田他,1964) 地殻変動隆起 :1m( 粟島 ) 被害概要死者 :26 人傷者 :447 人全壊 :1,960 棟半壊 6,640 棟新潟市では石油タンクの火災鉄筋コンクリート建物の液状化被害が発生した防災科学技術研究所撮影 2

3 背景目的過去の災害に関する情報 ( 以下災害事例 ) は災害への教訓や経験知として重要災害の教訓や経験知の根拠となる一次情報として災害事例は可能な限り利用しやすい状態で流通公開されることが大切政府の IT 戦略本部等が推進しているオープンデータの方針に基づいた利用しやすいフォーマットおよび形式による災害事例の流通公開の有効性可能性今回の報告内容» 防災科学技術研究所が所蔵している 1964 年の新潟地震に関する空中写真およびスナップ写真をオープンデータとして HP から公開したのでその概要を紹介 3

4 オープンデータとは内閣官房 IT 戦略本部 : 電子行政オープンデータ戦略 ( 平成 24 年 7 月 4 日 )» 透明性信頼性の向上国民参加官民協働の推進経済の活性化行政の効率化のために公共機関等が保有するデータを Web 上に公開オープンデータの条件» 下記を満たす必要がある (1) 機械判読に適したデータ形式 ( バルクデータ & API) データの論理的な構造を識別 ( 判読 ) でき構造の中の値 ( 表の中に入っている数値テキスト等 ) を処理できるようになっている必要がある一覧リスト PDF 画像 CSV, API 地図データ PDF 画像 GIS データ (2) 二次利用が可能な利用ルールで公開されたデータデータの二次利用等をデータ所有者が予め許諾していることを明示することが必要クレジット表記は? 改変は? 商用利用は? ライセンスは? 4

5 対象データライセンスデータ : 防災科研の当時の職員が現地で撮影および取得したもの» スナップ写真 27 地点計 54 枚の現像済み写真をスキャナーでデジタル化» 空中写真撮影日ライセンス枚数飛行高度 m 撮影縮尺 (1/ x) カメラフィルム写真をスキャンしてデジタル化 SfM 法に基づくデジタル写真測量 ( 内山ら, 2014) を実施しオルソモザイク画像を生成» IT 戦略本部では府省の二次利用を認めるライセンスとしてクリエイティブコモンズライセンスの CC-BY に基づく公開が望ましいとしている CC-BY: 商用利用を許可し作品の二次利用を許可今回公開するデータについても CC-BY で公開する方針とした 5 一辺 cm 焦点距離 mm 解像度ステータス /6/ ,500 RC μ 処理中 /6/ ,000 RC-8 No μ 処理中 /6/ ,000 RC-8 No μ 処理中 /7/ ,520/750 10,000/5,000 RC-5a No μ 公開済

6 データフォーマットおよび流通方式データ ZIP 形式で圧縮して公開» スナップ写真 TIFF 形式 ( 高解像度用 ) JPEG 形式 ( 低解像度用 )» 空中写真 Geotiff 形式 (GIS ソフトウェアで取り扱い可能なラスタ画像形式 ) Web 地図等で使うタイル形式 (XYZ タイル TMS タイル ) Web API ( 空中写真のみ ) サービスの URL を公開» タイル形式国土地理院の地理院タイルと同じ方式 (256x256px の画像をズームレベル Z と X,Y 座標で敷き詰めて地図画像を構成する方式 ) で公開 URL の例 : {z}/{x}/{y}.png» Web Map Service(WMS) 国際標準の地図画像 API( リクエスト : GetCapabilities, GetMap) に基づき公開 KML ファイルファイルを公開» Google Earth で閲覧できるよう上記タイル形式と地図上にスナップ写真がオーバーレイするファイルを生成 6

ウェブサイトの概要主要コンテンツ ( メニュー ) Web サイトのキャプチャ No メニュー概要 1 新潟地震の概要 2 3 データを見る - 空中写真 - スナップ写真オープンデータ - 空中写真 - スナップ写真 4 調査報告書 5 元研究員の体験談 6 蔵書リスト 7 リンク集新潟地震に関する基本的な情報を記載空中写真とスナップ写真を地図の上に重ね合わせて閲覧が可能

7 ウェブサイトの概要主要コンテンツ ( メニュー ) Web サイトのキャプチャ No メニュー概要 1 新潟地震の概要 2 3 データを見る - 空中写真 - スナップ写真オープンデータ - 空中写真 - スナップ写真 4 調査報告書 5 元研究員の体験談 6 蔵書リスト 7 リンク集新潟地震に関する基本的な情報を記載空中写真とスナップ写真を地図の上に重ね合わせて閲覧が可能オープンデータとして空中写真とスナップ写真をダウンロードでき Web API 参照ための技術情報を記載 1960 年代に出版した報告書を公開当時の研究員が現地調査した際の体験談自然災害情報室で所蔵している書籍や資料リスト新潟地震に関するウェブサイトのリンク集注意 : オープンデータライセンスとしての公開は No.2 と 3 のみ 7

8 Web-GIS+ タイル地図による公開 1 8

9 Web-GIS+ タイル地図による公開 2 9

10 Web-GIS+ タイル地図による公開 3 10

11 公開後の外部利用状況 1 パンフレット等への利用深田地質研究所の一般公開の開催案内チラシへのスナップ写真の掲載出展元を明記しており適切に利用している 11

12 公開後の外部利用状況 2 出版物への利用日本地図センター発行地図中心 10 月号への掲載空中写真およびスナップ写真を利用過去の地形図等も組み合わせて記事を作成 12

13 公開後の外部利用状況 3 API を利用した事例広告 13

14 公開後の外部利用状況 3 Web ページでオープンデータを動的に取得して重ね合わせ例 14

15 オープンデータによる利用方法 1 公式サイトから直接閲覧 ( 写真地図 ) Web-GIS Google Earth 2 Web サイトからデータをダウンロードして利用 ( 写真地図 ) 1964 年新潟地震オープンデータ 3 データを API に基づき取得して公開者サイトで表示 ( 地図 ) 印刷物出版物 Web-API タイル地図 15

16 まとめ 1964 年新潟地震の空中写真スナップ写真をオープンデータで公開するウェブサイトを構築クリエイティブコモンズのライセンスに基づき公開チラシ刊行物 Web-GIS による利用を確認今後の予定課題» 利用状況のモニタリング» オープンデータとして公開したことの効果の定量化次のオープンデータのターゲット» 水害地形分類図 ( 準備中 ) 16

17 参考文献宇佐美龍夫石井寿今村隆正武村雅之松浦律子 (2013), 日本被害地震総覧 , 東京大学出版会, pp 相田勇梶浦欣二郎羽鳥徳太郎桃井高夫 (1964) 新潟地震による津波, 東京大学地震研究所研究速報,No. 8, pp リンク内山庄一郎井上公鈴木比奈子 (2014), SfM を用いた三次元モデルの生成と災害調査への活用可能性に関する研究, 防災科学技術研究所研究報告, No.81, pp リンク 17

補足タイル地図形式について http://{hostname/path/zoomlvdir}/{x}/{y}.

: 佐藤崇徳 Google マップの投影法インターネット時代におけるメルカトル図法の再評価より http://user.numazu-ct.ac.jp/~tsato/tsato/document/mapcenter460/ 地図範囲タイル分割方法ズームレベルタイルサイズタイル座標西経 180 度 ~ 東経 180 度北緯 85.051128779807 度 ~ 南緯 85.

18 補足タイル地図形式について拡張子 } hostname/path/ zoomlvdir 特定のズームレベルのタイルを提供する URL そのズームレベルを特定できればどのような表記 ( 文字列階層 ) でも良いためサービスの提供者によって任意に決定される X, Y タイル座標の X 値, タイル座標の Y 値拡張子タイル画像ファイルの拡張子 png や jpg 等一般的には画像の形式を表す図の出展 : 佐藤崇徳 Google マップの投影法インターネット時代におけるメルカトル図法の再評価より地図範囲タイル分割方法ズームレベルタイルサイズタイル座標西経 180 度 ~ 東経 180 度北緯度 ~ 南緯度地図投影法は球面メルカトル図法 (EPSG:3857 旧 EPSG:900913) 地図の左上 ( 西経 180 度北緯度 ) を原点とする地図範囲全体の縦と横を2^nで分割する nは0 以上の整数 2^nで分割した際のnをズームレベルと呼ぶズームレベルは通常 0~ ピクセル固定地図範囲左上のタイルの座標を原点 (0,0) とし X 座標は東 ( 右 ) 方向に増加 Y 座標は南 ( 下 ) 方向に増加する以下の URL の地理院タイル (XYZ タイル ) 18

19 参考クリエイティブコモンズについて出典 : オープンデータガイド 1 版 19

第三者の権利を侵害しないようにすることコンテンツの中に第三者 ( 国以外の者 ) が著作権等の権利を有しているものがある場合利用者の責任で当該第三者から利用の許諾を得ること 3) 一定の利用形態の禁止法令条例又は公序良俗に反する利用や国家国民の安全に脅威を与える利用は禁止 4) 個別法令による利用の制約があるコンテンツについての注意 5)

20 参考国のオープンデータ関係の動向政府標準利用規約 ( 第 1.0 版 ) の公開 ( 平成 26 年 6 月 ) 1. 基本的なコンテンツの利用ルールホームページで公開しているコンテンツは 2. の別の理由ルールが適用されるコンテンツを除き 1)~7) に従って自由に利用 ( 複製翻案等 ) できる 1) 出典の記載ア利用する際は出典を記載することイコンテンツを編集加工等して利用する場合は出典とは別に編集加工等を行ったことを記載することまた編集加工した情報をあたかも国が作成したかのような態様で公表利用することは禁止 2) 第三者の権利を侵害しないようにすることコンテンツの中に第三者 ( 国以外の者 ) が著作権等の権利を有しているものがある場合利用者の責任で当該第三者から利用の許諾を得ること 3) 一定の利用形態の禁止法令条例又は公序良俗に反する利用や国家国民の安全に脅威を与える利用は禁止 4) 個別法令による利用の制約があるコンテンツについての注意 5) 準拠法と合意管轄 6) 免責 7) その他本利用ルールについては平成 27 年度に見直しの検討を行うものとする IT 戦略本部決定政府標準利用規約 ( 第 1.0 版 ) の概要より 2. 別の利用ルールが適用されるコンテンツについて各府省において 1. とは異なる利用ルールが適用されるコンテンツを定めることができる ( その具体的合理的な根拠と併せ該当するコンテンツを示すことが必要 ) CC-BY と同様の記載としつつも国のできるだけ多くのコンテンツに適用できるように利用規約の標準テンプレートを作成 20

レイアウト 1

レイアウト 1 OSS を利用した簡易な地図画像配信とその利活用について髙橋洋二嘉山陽一沼田圭太 ( ) 1. はじめにインターネット上で地図を表示する仕組みとして地図の閲覧者が利用する PC が要求する情報をもとに MapServer 1) 等による Web マッピングサーバを利用し表示に必要な地図画像を動的に作成して配信する手法が利用されてきたこの手法は配信する地図画像を動的に作成するための Web