Size: px
Start display at page:

Download ""

Transcription

1 第 31 回 中国ブロック理学療法士学会 テーマ : 分科と包括 会期 : 平成 29 年 9 月 2 日 ( 土 ) 9 月 3 日 ( 日 ) 会 場 : 広島市西区民文化センター 主催 / 担当 : 中国ブロック理学療法士会公益社団法人広島県理学療法士会 後援一覧 広島県 / 広島市 / 一般社団法人広島県医師会 / 一般社団法人広島市医師会 / 一般社団法人広島県歯科医師会 / 一般社団法人広島市歯科医師会 / 公益社団法人広島県看護協会 / 公益社団法人広島県薬剤師会 / 広島県病院薬剤師会 / 一般社団法人広島県作業療法士会 / 一般社団法人広島県言語聴覚士会 / 一般社団法人広島県介護支援専門員協会 / 公益社団法人広島県介護福祉士会 / 公益社団法人広島県社会福祉士会 / 広島県医療ソーシャルワーカー協会 / 公益社団法人広島県診療放射線技師会 / 一般社団法人広島県臨床検査技師会 / 一般社団法人広島県臨床工学技士会 / 広島県精神保健福祉士協会 / 広島県臨床心理士会 / 公益社団法人広島県栄養士会 / 一般社団法人広島県歯科衛生士会 / 一般社団法人日本福祉用具供給協会中国支部広島県ブロック / 社会福祉法人広島県社会福祉協議会 / 社会福祉法人広島市社会福祉協議会 / 中国新聞社

2

3 学会長あいさつ 学会長甲田宗嗣

4

5 目 次

6

7 大会次第 平成 29 年 9 月 2 日 ( 土 ) 1. 開会式 10:40~ ホール 1 ) 開会宣言第 ₃₁ 回中国ブロック理学療法士学会副学会長廣澤隆行 2 ) 挨拶 第 ₃₁ 回中国ブロック理学療法士学会 学会長甲田宗嗣 3 ) 祝辞 平成 29 年 9 月 3 日 ( 日 ) 2. 次期学会長挨拶 12:10~ ホール第 ₃₂ 回中国ブロック理学療法士学会学会長大床桂介 3. 表彰式次期学会長挨拶終了後ホール第 ₃₀ 回中国ブロック理学療法士学会学会奨励賞演題名 1 年後の筋量サルコペニア発生頻度とその危険因子および転倒リスクの検討 大山リハビリテーション病院中祖直之氏 4. 閉会式 15:20~ ホール 閉会の辞 第 ₃₁ 回中国ブロック理学療法士学会準備委員長谷口亮治 - 1 -

8 会場アクセス JR をご利用の方 横川駅 ( 広島駅から西へ 2 駅 ) 南口から約 ₂₀₀m です 案内図をご参考ください お車をご利用の方案内図をご参考ください 施設駐車場には住宅用駐車場が併設されていますので お間違えのないようお願いいたします * 可能な限り公共交通機関をご利用ください ₇33 ₀₀13 広島市西区横川新町 6 番 1 号 TEL:₀₈₂ ₂3₄ 1₉₆₀ - 2 -

9 会場案内 広島市西区民文化センター 階段を使用して 2 階入口より直接お入りください 1 階よりエレベーターを使用することもできます 2 階 3 階 - 3 -

10 - 4 - 伊藤超短波株式会社株式会社クリニコ株式会社セリオ株式会社フロンティア株式会社ホーマーイオン研究所帝人ファーマ株式会社日本基準寝具株式会社パシフィックサプライ株式会社ミナト医科学株式会社有限会社であい工房 ギャラリー大会議室機器展示業者機器展示 ポスター会場

11 参加者の方へ 当学会は 会員証 ( 右記デザイン : 緑色 ) による会員証明 参加受付 ポイント管理をしております 会員の皆様におかれましては 会員証を当日は忘れずにお持ちください NICOS カード 楽天カードではありません 当日登録 事前登録のどちらであっても忘れずにお持ちください 1. 参加登録費 日本理学療法士協会中国ブロック会員の皆様には事前参加登録を推奨しております 当日登録に比べお安くなります (₄,₀₀₀ 円が₃,₀₀₀ 円となります ) 当日登録は受付にて現金支払いのみの取り扱いとなります 参加者種別事前受付当日受付日本理学療法士協会会員 ( 中国ブロック会員 ) ₁ ₃,₀₀₀ 円 ₄,₀₀₀ 円日本理学療法士協会会員 ( 他ブロック会員 ) ₁ ₅,₀₀₀ 円日本理学療法士協会非会員 ₁₂,₀₀₀ 円事前受付できません他職種 ( 理学療法士以外 ) ₅,₀₀₀ 円学生 ( 学生証の提示 ) ₂ ₁,₀₀₀ 円 ₁ 理学療法士資格のある方については 協会への入会予定者であっても 日本理学療法士協会会員としては認められません 事前の入会をお願いします ₂ 学生とは医療系養成校在学者を指しますが 理学療法士の資格がある方は該当しません 参加登録の際は学生証を提示してください 2. 事前参加登録について ( 中国ブロック会員のみ ) 事前参加登録は日本理学療法士協会中国ブロック会員のみ可能なサービスとなります ( 他ブロック会員 非会員 学生は当日登録のみとなります ) A. 日本理学療法士協会指定クレジット払いと B. 日本理学療法士協会指定バーコード式請求書による支払い ( コンビニエンスストア支払い ) の 2 種類の登録方法があります 事前参加登録時にお支払い方法を決定しご登録ください バーコード式請求書による事前登録は 収納手数料を加算させていただきます 事前参加登録後はキャンセル 返金できませんのでお気をつけください また 期日内に参加費の支払い確認が取れない場合は ご登録いただきました事前申込は無効とさせていただきます 3. 事前参加登録締め切り ( 中国ブロック会員のみ ) 日本理学療法士協会指定クレジットカード : 平成 ₂₉ 年 8 月 ₂₃ 日 ( 水 ) ₂₃:₅₉ 日本理学療法士協会指定バーコード式請求書 : 平成 ₂₉ 年 8 月 ₁₃ 日 ( 日 ) ₂₃:₅₉ バーコード式請求書支払期日 : 平成 ₂₉ 年 8 月 ₂₅ 日 ( 金 ) ₂₃:₅₉ - 5 -

12 4. 事前参加登録方法 ( 中国ブロック会員のみ ) インターネットでのオンライン登録になります 第 ₃₁ 回中国ブロック理学療法士学会ホームページ ( または 日本理学療法士協会ホームページ ( 内に設置しているマイページにログインし お申し込みください 事前参加登録には アドレスの登録が必要です 協会ホームページから会員専用マイページにログインの上 アドレスの登録を行ってください オンライン事前登録終了後 日本理学療法士協会よりご登録 アドレスへの受付完了メールが送信されます ( 送信には手続き上 時間を要する場合がございます ) このメールは参加の事前登録を証明するものとなりますので 当日まで大切に保管してください A. 日本理学療法士協会指定クレジット払い 協会指定クレジットカードは楽天カードです ( 楽天カードは 会員専用マイページからお申し込みください ) 参加費の引き落とし日は 楽天カードサイト内にてご確認ください 決済状況はマイページ内よりご確認ください 開催 1 週間前迄にご請求が確定しなかった場合 ( 決済状態が 未納 の場合 ) は事前参加登録を無効とさせていただきます 必ず事前に決済状況をご確認ください B. 日本理学療法士協会指定バーコード式請求書による支払い 事前参加登録後 ご登録のご住所へバーコード式請求書を郵送します その際 収納手数料 (₂₇₀ 円 ) を加算させていただきます 請求書裏面記載のコンビニエンスストアにて請求書に記載されている支払期日内にお支払いください 支払期日までにご入金がなかった場合は 事前参加登録を無効とさせていただきます 事前参加申込後 ₁₀ 日以上経過してもバーコード式請求書が届かない場合は協会事務局へご連絡ください 請求書が手元に届かなかった場合も 支払期日までに入金ができなければ事前参加登録を無効とさせていただきますので 予めご了承ください 5. 出張許可願いについて 出張許可願いは 本学会ホームページよりダウンロードし使用してください 6. 会場受付について 事前登録の会員の方は 受付にて会員証を提示してください 新人教育プログラム修了者には 生涯学習ポイント ( 認定 専門理学療法士 ) が自動的に付与されます マイページへの反映は大会終了後 ( 約 1 ヶ月後 ) となります 新人教育プログラム未修了者には生涯学習ポイントは付与されません ( 新人教育プログラムの単位認定受付は別に行われます ) 当日受付の会員の方は 会員証を提示し参加費をお支払い ( 現金支払いのみ ) ください ポイント付与に関しては下記に準じます - 6 -

13 参加登録費領収書は再発行できません 大切に保管してください 7. 新人教育プログラム 及び生涯学習ポイント ( 認定 専門理学療法士 ) について 新人教育プログラム 生涯学習ポイント ( 認定 専門理学療法士 ) 講演他 取得対象 履修ポイント 教育講演 1 C-₁ 学会参加 ₁₅P 教育講演 2 C-₂ 学会発表 ₅P シンポジウム C-₅ 学会発表 C-₆ 新人教育プログラムは学会受付とは別に設けてありますのでご注意ください 8. ポスター発表演題へのコメントのお願い〇本学会ポスターセッションでは 発表演題に対する意見 感想等を書いた付箋の張り付けが行えるスペースをパネル内に設けます 付箋は学会側で用意します 記載された内容をディスカッション等にお役立ていただければと思います 所属 氏名を記載のうえ貼り付けをお願いいたします 付箋は発表時間前に貼り付けていただいても構いません 記名がなく また明らかに中傷するような内容が記載されている場合は 学会側で判断し撤去する場合があります 予めご了承ください ポスターを閲覧された方は 発表内容が発展的になるようご意見をよろしくお願いします 9. 会場内での注意 各会場へご入場の際には 名札を必ず付けて確認できるようにしてください 会場内でのカメラ ビデオ撮影 ( カメラ付き携帯電話含む ) 録音などは 講演者や発表者の著作権保護や対象者のプライバシー保護のため禁止させていただきます 携帯電話の使用については会場内では必ず電源を切るかマナーモードでご使用ください プログラム中の通話は禁止させていただきます 施設内禁煙です 駐車場については台数に限りがあります 可能な限り公共交通機関でお越しください 会場内での飲食は 指定された時間内 ( 1 日目 ₁₂:₀₀~₁₃:₀₀ 2 日目 ₁₂:₂₀~₁₃:₀₀) は可能ですが ゴミはお持ち帰りいただくようお願いいたします 10. 託児所について 学会開催中は託児所を準備しています 託児所のご利用を希望される方は 学会ホームページ ( より 平成 ₂₉ 年 8 月 ₂₁ 日 ( 月 ) までにお申し込みください ( 定員になり次第 締め切らせていただきます ) 当日受付は行いませんのでご了承ください - 7 -

14 11. クロークサービスについて貴重品および雨具等はお預かりできませんので 予めご了承ください クローク場所 : 2 階美術工芸室 ご利用可能時間 : 9 月 2 日 ( 土 ) ₁₀:₀₀~₁₇:₃₀ 9 月 3 日 ( 日 ) 9 :₃₀~₁₆:₀₀ 12. 物販について 物品販売はございません ご了承ください 13. 学会を中止にする場合について 台風等の天候不順 その他の理由で学会を中止する場合は 学会ホームページ ( cbpt₃₁st-hiroshima.jp/) にて中止の案内をさせていただきます ご確認お願いいたします - 8 -

15 座長 演者の方へ 1. 口述発表 ポスター発表時間と内容セッション分類発表形式発表時間口述発表発表 7 分以内 質疑 3 分以内一般演題ポスター発表発表 5 分以内 質疑 : 座長采配指定演題口述発表発表 7 分以内 質疑 : 座長采配 2. 座長へのお願い 口述発表( 一般 指定演題 ) 担当座長 参加受付を済ませた後 担当セッション開始時刻 ₃₀ 分前までに座長受付をお済ませください セッション開始時刻の ₁₀ 分前までに担当セッション会場内の 次座長席 にお越しください 担当セッションの進行は座長へ一任いたします 1 演題あたりの発表時間は 7 分 質疑応答 3 分以内 ( 指定演題の質疑応答時間は座長の采配 ) で執り行っていただくようお願いします 演者に対して発表時間を厳守するように注意を促してください また 予定時間内に終了するよう調整をお願いいたします 質疑の際は 所属 氏名を確認するようお願いいたします 発表及びディスカッションに対して適切なアドバイスをお願いいたします 演題の内容及びディスカッションを含めた総括をお願いいたします ポスター発表担当座長 参加受付を済ませた後 担当セッション開始時刻 ₃₀ 分前までに座長受付をお済ませください セッション開始時刻の₁₀ 分前までに担当セッション付近に待機してください 担当セッションの進行は座長へ一任いたします 1 演題当たりの発表時間は 5 分 質疑応答は座長の采配で執り行っていただくようお願いいたします 演者に対して発表時間を厳守するように注意を促してください また 予定時間内に終了するよう調整をお願いいたします 質疑の際は 所属 氏名を確認するようお願いいたします 発表及びディスカッションに対して適切なアドバイスをお願いいたします 演題の内容及びディスカッションを含めた総括をお願いいたします 〇ポスター発表では 各パネルに演題に対する意見 感想を記載できる付箋を貼り付けられるスペースを用意しております 付箋に記載された事項をディスカッション等にお役立てください 3. 演者へのお願い 口述発表( 一般 指定演題 ) 演者 〇プレゼンテーションデータについて 本学会での口述発表は パソコンとプロジェクターによる発表としています 学会側では OS;Windows ₁₀-PowerPoint ₂₀₀₇/₂₀₁₀/₂₀₁₃/₂₀₁₆をインストールされた PC を発表 - 9 -

16 用に用意いたします Macintosh はご使用いただけません Macintosh 版 PowerPoint で作成したデータは 互換性が損なわれる可能性があります 事前に Windows PC にて文字のずれ等の動作確認を行ってください 原則として動画およびアニメーション機能の使用は禁止とします フォントは OS 標準のもののみ用意いたします また 以下のフォントを推奨いたします ( 日本語 :MS ゴシック MSP ゴシック MS 明朝 MSP 明朝英語 :Times New Roman Arial Arial Black Arial Narrow Century Century Gothic) 特別なフォントをご使用になると 文字 段落ずれ 文字化け 表示されないなどの問題が発生する可能性があります データを作成した PC 以外で正常に動作するかを事前にご確認ください 発表に使用する PC は全て XGA(₁₀₂₄ ₇₆₈) に統一してあります PowerPoint のスライドサイズを₁₆: 9 で作成した場合は上下が切れて小さく表示されることがありますので スライドサイズは 4 : 3 で作成してください スライドの枚数には制限がありませんが 制限時間内に終了するようにしてください 〇スライド受付について 参加受付を済ませた後 担当セッション開始時刻 ₃₀ 分前までに スライド受付 をお済ませください 指定演題 一般演題は ( 参加受付横 ) スライド受付 にて データ(USB フラッシュメモリーまたは CD-R にて ) の提出を行ってください 受付時に修正や変更作業を行うことはできません 学会の PC にコピーしたデータは 会期終了後に学会主催者側で責任を持って削除いたします 〇演題発表について セッション開始時刻の₁₀ 分前までに会場内の次演者席へお越しください 1 演題あたりの発表時間は 7 分以内です 発表時間を厳守してください プレゼンテーションの操作は原則 演者に行っていただきます 発表時間の終了 1 分前に ベル 1 回 終了時に ベル 2 回 で合図します ベル 2 回後 は速やかに発表を終了してください ポスター発表演者の方 〇該当するポスターパネルに演題番号と画鋲 演者リボンを学会側で用意いたします 〇演者受付は行いません ポスター貼付時間内に指定のパネルへポスターを貼付してください 〇ポスター貼付についてポスターは指定された時間内に自身の演題番号のパネルに貼付してください ポスター貼付時間 1 日目 2 日目貼付 ₁₀:₃₀~₁₃:₀₀ 9 :₃₀~₁₀:₀₀ 〇ポスター掲示には ポスターパネルを下図のように用意いたします 掲示スペースは横 ₉₀cm 縦 ₁₆₀cm の範囲とします パネル左上に演題番号を学会側で用意いたします その右に縦 ₂₀cm 横 ₇₀cm のサイズ内で演題タイトル 発表者氏名 共同演者氏名 所属を表記してください 〇演者リボンを胸の見える所に付け 発表開始時刻 ₁₀ 分前に各自ポスター前に待機してください

17 〇発表時間は 5 分以内となっています 質疑応答は 座長の采配で執り行います 各発表の終了時間になりましたら会場担当者より案内いたします わかりやすい発表となるように努めてください 〇意見 感想等を書いた付箋の張り付けが行えるスペースをパネル内に設けます 付箋は学会側で用意します 記載された内容をディスカッション等にお役立てください 〇付箋は発表時間前に貼り付けられますので予めご了承ください * ポスター 1 枚刷りの方はタイトルをポスター内に記載いただいても構いません その際 付箋は指定のポスター貼り付けスペースより上方に張り付けていただいても構いません ただし タイトルスペースは付箋貼り付けのために空けておいてください 〇ポスター撤去についてポスター撤去時間 1 日目 2 日目撤去 ₁₇:₀₀~₁₇:₃₀ ₁₄:₃₀~₁₅:₀₀ 発表後は すぐに撤去せずに貼り付けたままでお願いいたします 発表後 すぐに自身で持ち帰る場合には 学会会場受付にお申し出ください 撤去時間以降に残っているポスターに関しては 学会運営部で撤去し処分いたします 4. その他 注意点について 質問の際は 座長の指示に従って質疑を行ってください 座長 演者が不測の事態で発表時間に間に合わない場合は 速やかに学会緊急番号 ( 広島市西区民文化センター ₀₈₂-₂₃₄-₁₉₆₀) へ 中国ブロック理学療法士学会事務局 宛に電話にてご連絡ください 万が一ご連絡がない場合は発表を放棄したものと判断いたします

18 学会奨励賞について 中国ブロックにおける学術研究の発展と奨励のために 若手会員 (₄₀ 歳未満 ) の優秀な業績に対して学会奨励賞として表彰いたします 年度毎の中国ブロック理学療法士学会で発表された全演題の中から 1 ~ 2 演題選出し その筆頭演者に贈呈いたします 受賞者の決定は 選考委員会の推薦に基づき学会長が行います 賞の贈呈は発表の次年度の中国ブロック理学療法士学会において 前年度学会長が行います ホームページ上の案内 第 ₃₁ 回中国ブロック理学療法士学会ホームページ ( 上に 抄録集の PDF データを掲載いたします ぜひご活用ください

19 広島県理学療法士会から 心をこめたおもてなしを 美味しい料理とお酒を酌み交わしながら 広島ならではの音楽演奏による心の共鳴を体験してみませんか? 多くの若手会員が気軽に意見交換に参加できる場もご用意いたしました 理学療法士として経験したことや 心に秘めている思いを 会場の仲間たちとシェアしませんか? 沢山の皆様のご参加をお待ちしております 日時 : 2017 年 9 月 2 日 ( 土 ) 19 時 ~21 時 ( 受付開始 :18:30~) 会場 : 広島グランドインテリジェントホテル 2 階芙蓉の間 住所 : 広島市南区京橋町 1-4 TEL: 学会会場からのアクセス 学会会場から直通の無料リムジンバスを運行いたします 電車をご利用の場合:JR 横川駅から 2 駅 JR 広島駅下車南口から徒歩 3 分 ( 駅前大橋南詰 ) 参加費 PT1~3 年目の方 4,000 円 (20%OFF) 発表者の方 (PT4 年目以降 ) 4,500 円 (10%OFF) 通常参加の方 (PT4 年目以降 ) 5,000 円 参加費のお支払いは 当日会場の受付にてお願いいたします お土産付き 1 PT1~3 年目の方 は発表の有無に関わらず会員番号の上 2 桁が 15~17 までの方が対象です 2 若手会員の方々の積極的な参加 を願って 経験年数による優遇があることを予めご了承ください 申し込み方法 / 問い合わせ ( 31st-cbpt@hpta.or.jp レセプション担当 : 木下 ) < からお申し込みの場合 > 件名を レセプション参加申し込み として (1) 氏名 (2) 会員番号 (3) 所属県士会 (4) 発表の有無を明記のうえ 上記アドレスまでお送りください 複数人分をお申し込みされる場合は をご利用ください < 専用フォームからお申し込みの場合 > 右の QR コードを読み取り 必須事項を入力のうえ お送りください (1 人分のみ申し込み可 ) 締め切りは 8 月 10 日 ( 木 ) 申し込み後のキャンセルは 8 月 15 日 ( 火 ) までに にてご連絡ください 会場の詳細や追加情報は 学会ホームページをご覧ください 第 31 回中ブロ

20 学会日程表 1 日目 ホールスタジオ大会議室ギャラリー小会議室 ₁ 小会議室 ₂ 8 :₃₀ 9 :₀₀ ₁₀:₀₀ 受付開始 ₁₀:₀₀ 開会式 ₁₀:₄₀ ₁₁:₀₀ ₁₂:₀₀ 学会長基調講演 ₁₁:₀₀~₁₁:₃₀ 一般演題口述 ₁ O-₁~O-₆ ₁₁:₀₀~₁₂:₀₀ ポスター貼付 ₁₀:₃₀~₁₃:₀₀ ポスター貼付 ₁₀:₃₀~₁₃:₀₀ 中国ブロック理事会 ₁₁:₀₀~₁₃:₀₀ 生涯学習担当者会議 ₁₂:₀₀~₁₃:₀₀ ₁₃:₀₀ 教育講演 ₁ ₁₃:₀₀~₁₄:₀₀ 大畑光司 ( 京都大学 ) サテライト中継 ₁₄:₀₀ ₁₅:₀₀ シンポジウム ₁₄:₁₀~₁₅:₅₀ 岩田健太郎高橋真吉田俊之 一般演題口述 ₂ O-₇~O-₁₂ ₁₄:₁₀~₁₅:₁₀ 一般演題ポスター ₁ P-₁~P-₅ ₁₄:₁₀~₁₅:₁₀ 一般演題ポスター ₂ P-₆~P-₁₀ ₁₄:₁₀~₁₅:₁₀ ₁₆:₀₀ 一般演題口述 ₃ O-₁₃~O-₁₈ ₁₆:₀₀~₁₇:₀₀ 一般演題口述 ₄ O-₁₉~O-₂₄ ₁₆:₀₀~₁₇:₀₀ 一般演題ポスター ₃ P-₁₁~P-₁₆ ₁₆:₀₀~₁₇:₀₀ 一般演題ポスター ₄ P-₁₇~P-₂₁ ₁₆:₀₀~₁₇:₀₀ ₁₇:₀₀ ポスター撤去 ₁₇:₀₀~₁₇:₃₀ ポスター撤去 ₁₇:₀₀~₁₇:₃₀ ₁₈:₀₀ ₁₉:₀₀~ ウェルカム レセプション於 ) 広島グランドインテリジェントホテル

21 2 日目 ホールスタジオ大会議室ギャラリー小会議室 ₁ 小会議室 ₂ 8 :₃₀ 9 :₀₀ 受付開始 9 :₃₀ ポスター貼付 9 :₃₀~₁₀:₀₀ ポスター貼付 9 :₃₀~₁₀:₀₀ ₁₀:₀₀ 教育講演 ₂ ₁₀:₀₀~₁₁:₀₀ 木藤伸宏 ( 広島国際大学 ) サテライト中継 ₁₁:₀₀ ₁₂:₀₀ 指定演題 ₁ 分科 D-₁~D-₄ ₁₁:₁₀~₁₂:₁₀ 次期学会長挨拶 表彰式 ₁₂:₁₀~₁₂:₂₀ 一般演題口述 ₅ O-₂₅~O-₃₀ ₁₁:₁₀~₁₂:₁₀ 一般演題ポスター ₅ P-₂₂~P-₂₆ ₁₁:₁₀~₁₂:₁₀ 一般演題ポスター ₆ P-₂₇~P-₃₁ ₁₁:₁₀~₁₂:₁₀ ₁₃:₀₀ 市民公開特別講座 ₁₃:₀₀~₁₄:₀₀ 松本方哉 サテライト中継 一般演題ポスター ₇ P-₃₂~P-₃₆ ₁₃:₀₀~₁₄:₀₀ 一般演題ポスター ₈ P-₃₇~P-₄₁ ₁₃:₀₀~₁₄:₀₀ ₁₄:₀₀ ₁₅:₀₀ 指定演題 ₂ 包括 D-₅~D-₈ ₁₄:₁₀~₁₅:₁₀ 一般演題口述 ₆ O-₃₁~O-₃₆ ₁₄:₁₀~₁₅:₁₀ ポスター撤去 ₁₄:₃₀~₁₅:₀₀ ポスター撤去 ₁₄:₃₀~₁₅:₀₀ 閉会式 ₁₅:₂₀~₁₅:₄₀ ₁₆:₀₀ ₁₇:₀₀ ₁₈:₀₀

22 プログラム一覧 1. 学会長基調講演分科と包括の視座を保つ講師甲田宗嗣 ( 広島都市学園大学 ) 座長大床桂介 (YMCA 米子医療福祉専門学校 ) 日時 9 月 2 日 ( 土 ) ₁₁:₀₀~₁₁:₃₀( ホール ) 2. 教育講演教育講演 1. 神経理学療法の Up to Date 講師大畑光司 ( 京都大学医学部人間健康科学系専攻リハビリテーション科学コース ) 座長島谷康司 ( 県立広島大学保健福祉学部 ) 日時 9 月 2 日 ( 土 ) ₁₃:₀₀~₁₄:₀₀( ホール ) 教育講演 2. 運動器理学療法の Up to Date 講師木藤伸宏 ( 広島国際大学総合リハビリテーション学部 ) 座長島田昇 ( 広島大学病院診療支援部リハビリテーション部門 ) 日時 9 月 3 日 ( 日 ) ₁₀:₀₀~₁₁:₀₀( ホール ) 3. シンポジウム理学療法士の 分科 と 包括 について考えるシンポジスト岩田健太郎 ( 神戸市立医療センター中央市民病院 ) 高橋真 ( 広島大学大学院医歯薬保健学研究科 ) 吉田俊之 ( 株式会社 NTT データ経営研究所事業戦略コンサルティングユニット産業戦略グループ ) 座長廣澤隆行 ( 広島市立安佐市民病院 ) 猪村剛史 ( 広島大学大学院医歯薬保健学研究科 ) 日時 9 月 2 日 ( 土 ) ₁₄:₁₀~₁₅:₅₀( ホール ) 4. 市民公開特別講座突然 妻が倒れたら 家族の立場から介護社会最前線を斬る 講師松本方哉 ( 介護ジャーナリスト 元ニュース JAPAN キャスター ) 座長崎元直樹 ( 市立三次中央病院 ) 日時 9 月 3 日 ( 日 ) ₁₃:₀₀~₁₄:₀₀( ホール )

23 5. 指定演題 9 月 3 日 ( 日 ) ホール指定演題 1 分科座長庄原赤十字病院 ₁₁:₁₀~₁₂:₁₀ 演題番号 D-₁~D-₄ 井上和章 指定演題 2 包括 座長県立広島大学保健福祉学部 ₁₄:₁₀~₁₅:₁₀ 演題番号 D-₅~D-₈ 田中聡 6. 一般演題 1 ) 口述演題 9 月 2 日 ( 土 ) 一般演題口述 1 内部障害 ( スタジオ ) ₁₁:₀₀~₁₂:₀₀ 座長広島大学大学院医歯薬保健学研究科 演題番号 O-₁~O-₆ 関川清一 一般演題口述 2 教育 管理 その他 ( スタジオ ) ₁₄:₁₀~₁₅:₁₀ 演題番号 O-₇~O-₁₂ 座長広島国際大学総合リハビリテーション学部徳森公彦 一般演題口述 3 神経 生活環境 その他 ( ホール ) ₁₆:₀₀~₁₇:₀₀ 演題番号 O-₁₃~O-₁₈ 座長吉備高原医療リハビリテーションセンター武田正則 一般演題口述 4 運動器 基礎 ( スタジオ ) ₁₆:₀₀~₁₇:₀₀ 座長県立広島大学保健福祉学部 演題番号 O-₁₉~O-₂₄ 金井秀作 9 月 3 日 ( 日 ) 一般演題口述 5 運動器 基礎 ( スタジオ ) ₁₁:₁₀~₁₂:₁₀ 座長 YIC リハビリテーション大学校 演題番号 O-₂₅~O-₃₀ 山本悟 一般演題口述 6 運動器 基礎 ( スタジオ ) ₁₄:₁₀~₁₅:₁₀ 座長松江総合医療専門学校 演題番号 O-₃₁~O-₃₆ 内田武

24 2 ) ポスター演題 9 月 2 日 ( 土 ) 一般演題ポスター 1 内部障害 神経 ( 大会議室 ) ₁₄:₁₀~₁₅:₁₀ 演題番号 P-₁~P-₅ 座長広島大学病院診療支援部リハビリテーション部門河江敏広 一般演題ポスター 2 運動器 基礎 物理療法 ( ギャラリー ) ₁₄:₁₀~₁₅:₁₀ 演題番号 P-₆~P-₁₀ 座長浜脇整形外科リハビリセンター葉清規 一般演題ポスター 3 運動器 基礎 物理療法 ( 大会議室 ) ₁₆:₀₀~₁₇:₀₀ 演題番号 P-₁₁~P-₁₆ 座長あさひ整形外科クリニック森田哲司 一般演題ポスター 4 教育 管理 その他 ( ギャラリー ) ₁₆:₀₀~₁₇:₀₀ 演題番号 P-₁₇~P-₂₁ 座長 IGL 訪問看護ステーション菅原道俊 9 月 3 日 ( 日 ) 一般演題ポスター 5 生活環境 その他 ( 大会議室 ) ₁₁:₁₀~₁₂:₁₀ 演題番号 P-₂₂~P-₂₆ 座長広島南診療所訪問看護ステーションみなみ片山旭 一般演題ポスター 6 運動器 基礎 物理療法 ( ギャラリー ) ₁₁:₁₀~₁₂:₁₀ 演題番号 P-₂₇~P-₃₁ 座長県立広島大学保健福祉学部長谷川正哉 一般演題ポスター 7 教育 管理 その他 ( 大会議室 ) ₁₃:₀₀~₁₄:₀₀ 演題番号 P-₃₂~P-₃₆ 座長 YMCA 米子医療福祉専門学校岩﨑裕子 一般演題ポスター 8 運動器 基礎 物理療法 ( ギャラリー ) ₁₃:₀₀~₁₄:₀₀ 演題番号 P-₃₇~P-₄₁ 座長広島市立広島市民病院政森敦宏

25

26 学会長基調講演 大会 1 日目 9 月 2 日 ( 土 ) 11:00~11:30 ホール 分科と包括の視座を保つ 講師 甲田宗嗣 広島都市学園大学 ( 第 31 回中国ブロック理学療法士学会学会長 ) 学歴広島県立保健福祉短期大学卒業 ( 平成 ₁₁ 年 ) 放送大学教養学部発達と教育専攻卒業 ( 平成 ₁₃ 年 ) 広島大学大学院保健学研究科博士課程後期保健学専攻修了 ( 平成 ₁₉ 年 ) 職歴赤穂市民病院理学療法士 ( 平成 ₁₁~₁₃ 年 ) 広島県立保健福祉大学助手 県立広島大学助教 ( 平成 ₁₃~₁₉ 年 ) 広島市総合リハビリテーションセンター 広島市立リハビリテーション病院理学療法士 ( 平成 ₂₀~₂₇ 年 ) 広島都市学園大学准教授 ( 平成 ₂₇ 年 ~ 現在 ) 社会活動公益社団法人広島県理学療法士会常任理事 ( 平成 ₂₃~₂₇ 年 ) 公益社団法人広島県理学療法士会副会長 ( 平成 ₂₇ 年 ~ 現在 ) 公益社団法人日本理学療法士協会代議員 ( 平成 ₂₂ 年 ~ 現在 ) 日本理学療法士学会精神 心理領域理学療法部門運営幹事 ( 平成 ₂₂ 年 ~ 現在 ) 日本神経理学療法学会運営幹事 ( 平成 ₂₅ 年 ~ 現在 ) 取得資格等専門理学療法士 ( 神経 教育 運動器 基礎 ) 博士( 保健学 ) 専門健康心理士 呼吸療法認定士

27 分科と包括の視座を保つ 甲田宗嗣広島都市学園大学 ( 第 ₃₁ 回中国ブロック理学療法士学会学会長 ) 分科と包括と聞くと何を想像するだろうか? また これら 2 つの言葉の関係性をどのように感じるだろうか? 多くの理学療法士は分科学会と地域包括ケアの単語を連想するのではないだろうか 私たちの業界において分科と包括という単語が単独で使われることは少ないが ここでは 分科とは分科学会のように専門的に分かれて学術活動や臨床業務を行うこと 包括とは地域包括ケアシステム構築のための連携や協業を促進することと定義する 学会テーマを 分科と包括 に決めるにあたり 学会役員で分科と包括の認識に関するアンケートを行った 対象は第 ₃₀ 回中国ブロック理学療法士学会と第 ₂₁ 回広島県理学療法士学会の参加者 ₁₀₀ 人とした それによると 分科していくことは必要か との問いに対し 約 7 割が必要と回答した 包括化していくことは必要か との問いに対しても約 7 割が必要と回答した また 分科と包括のバランスを保つことは難しいか との問いに対し 約 5 割が難しいと回答し 約 4 割がどちらでもないと回答した これらのことから主な意見として 分科や包括化を推進することは必要と感じながらも バランスを保って研鑽することの難しさを感じる人が少なくないと推察された また このアンケートの自由記述では 分科と包括の定義が不明確なので回答できないなどの意見が少数あったが それでも 分科と包括化していくことに対して不安や危惧することがあるかとの問いに対する自由記述では 分科で₅₄ 人 包括化で₄₂ 人が何らかの不安や危惧する内容を記載した さらに対象者の属性と分科と包括の認識について分析を進めたところ 最終学歴との間に興味深い関連が認められた 学会長基調講演では この分科と包括の認識に関するアンケートを始め 広島県理学療法士会における学術活動の変遷 地域包括ケアの現状 新人理学療法士のキャリア形成に対する認識などのデータを提示し 分科と包括の視座をバランスよく保つための心構えについて検討する

28 教育講演 1 大会 1 日目 9 月 2 日 ( 土 ) 13:00~14:00 ホール 神経理学療法の Up to Date 講師 大畑光司 京都大学医学部人間健康科学系専攻リハビリテーション科学コース 学歴平成 6 年 京都大学医療技術短期大学部理学療法学科卒業 学位授与機構にて学士 ( 保健衛生学 ) 授与 大阪教育大学大学院教育学研究科にて修士修了後 平成 ₂₂ 年に京都大学医学研究科医学専攻にて論文博士 ( 医学 ) 職歴平成 6 年に大阪府立大手前整肢学園勤務 平成 9 年に大阪府立看護大学医療技術短期大学部 ( 現大阪府立大学 ) 助手を経て 平成 ₁₁ 年に京都大学医療技術短期大学部の助手となる 現在 京都大学大学院医学研究科人間健康科学専攻講師 所属学会は日本リハビリテーション医学会会員 日本義肢装具学会正会員 日本神経理学療法学会副代表運営幹事及び日本小児理学療法学会運営幹事 APTA( 米国 PT 協会 ) の小児部門機関誌 Pediatric Physical Therapy の Editorial Board を務める

29 神経理学療法の Up to Date 大畑光司京都大学医学部人間健康科学系専攻リハビリテーション科学コース 日本理学療法士学会は本格的に分科学会へと移行し これからそれぞれの分野別により専門的な活動を開始することになる 現在の神経理学療法学は理学療法学におけるメインストリームとして独自の発展を遂げており 学術的に期待される内容は高度化している 運動器系や内部疾患を中心とした理学療法と比較して 競合職種が存在しないこの領域では特に理学療法士の真価が問われるだろう 現在 神経理学療法学における議論は いわゆる伝統的な神経生理学的アプローチなどの主張に見られた一種のトートロジーから脱却し より柔軟な議論が可能になっている 特に 運動機能回復の背景である脳の機能的再組織化は使用 ( 学習 ) 依存性であり 機能向上のためには高頻度の課題特異的トレーニングが重要であることが本領域の専門家の間で一致を見ている 臨床においては 未だ過剰な努力が回復を阻害するかもしれないという疑いを持つという議論はあるが これまで多かったベッド上での他動的な理学療法のみを行うという状況は改善されつつある しかし 依然として座位での姿勢矯正のみに終始するような理学療法が行われている地域もあり 神経理学療法学の啓蒙活動が今後も重要な課題である このような観点に立ってアプローチを進める上で 高リスクの患者に対して いかに高頻度の課題特異的トレーニングを提供するかが現実的な課題である さらに 効果的な運動学習を促す上でのインストラクションやフィードバック さらに報酬系に対する考え方など様々な新しいリハビリテーション技術に目を向けることが求められている 神経理学療法の近年の動向は 三つの関連する領域の進歩により基礎付けられている 一つは 脳科学 の進歩であり 半球間抑制や強制使用がトレーニング効果に与える影響などの様々な研究がリハビリテーションに役立てられてきた TMS や tdcs などのいわゆる Neural Modulation のような手段の影響だけでなく 運動学習に関与する中枢機構についての知見も理学療法に役立てられようとしている また 二つめとして 運動科学 支援工学 の進歩があげられる 疾患特異的な運動障害により生じる力学的問題点が様々な研究において明確化されてきている そのような知識を基づいて 従来的な装具の利用だけでなく 現在では疾患の状況に合わせたロボット技術などのデバイスの利用なども積極的に進められている しかし それらの領域からの提案を実際にトレーニングに取り入れるためには エビデンス についての蓄積が求められる 臨床医学としての神経理学療法学において 脳科学や工学的技術を用いた新しい取り組みに対するエビデンスの構築が求められるだろう 本講演では 神経理学療法における Up to Date を 脳科学 運動科学 支援工学 エビデンス 視点からまとめ直してみたい

30 教育講演 2 大会 2 日目 9 月 3 日 ( 日 ) 10:00~11:00 ホール 運動器理学療法の Up to Date 講師 木藤伸宏 広島国際大学 ( 日本運動器理学療法学会代表運営幹事 ) 学歴昭和 ₆₁ 年 4 月労働福祉事業団九州リハビリテーション大学校理学療法学科入学平成元年 3 月労働福祉事業団九州リハビリテーション大学校理学療法学科卒業平成 ₁₈ 年 3 月広島大学大学院保健学研究科保健学専攻博士課程前期修了平成 ₂₁ 年 5 月広島大学大学院保健学研究科保健学専攻博士課程後期 ( 博士 ( 保健学 )) 修了平成元年 6 月理学療法士免許 ( 第 ₁₇₄₉₂ 号 ) 平成 ₁₇ 年 7 月骨関節系専門理学療法士 ( 登録番号 ₃-₈₃) 職歴平成元年 4 月医療法人玄真堂川嶌整形外科病院リハビリテーション科理学療法士平成 ₁₁ 年 4 月医療法人玄真堂川嶌整形外科病院リハビリテーション科科長平成 ₁₈ 年 4 月広島国際大学保健医療学部理学療法学科講師平成 ₂₃ 年 4 月広島国際大学保健医療学部総合リハビリテーション学科准教授平成 ₂₄ 年 4 月広島国際大学大学院医療 福祉科学研究科准教授平成 ₂₅ 年 4 月広島国際大学総合リハビリテーション学部リハビリテーション学科准教授平成 ₂₉ 年 4 月広島国際大学総合リハビリテーション学部リハビリテーション学科教授現在に至る 学会及び社会における活動等平成 ₂₆ 年 2 月公益社団法人日本理学療法士協会日本理学療法学会日本運動器理学療法学会代表運営幹事現在に至る平成 ₂₇ 年 6 月公益社団法人日本理学療法士協会日本理学療法学会運営審議委員現在に至る

31 運動器理学療法の Up to Date 木藤伸宏広島国際大学 ( 日本運動器理学療法学会代表運営幹事 ) この 1 世紀ほどで医学 医療は進歩したが ほとんどの疾患に対する特効薬はいまだ存在せず 生命の自然治癒力に依存した治療が多い そして医療は すべての疾病を治すことが可能なほど万能ではない また 多くの疾患は病理学的変化が必ずしも症状に直結しているわけではなく 症状を引き起こす一要因にすぎない つまり 医療は疾患を治すことも重要であるが それ以上に患者の持つ問題を解決することが重要となる 多くの要因が複雑に関与し症状を起こし問題を引き起こしているため その解決策として多くの方法が存在する 理学療法士は医療チームの一員として患者の問題解決に当たる 医療チームは患者が有している問題を解決するために機能する では 理学療法士は医療チームの中で患者の何の問題 ( 理学療法士の専門性 ) に向き合うべきかを定義しなければならない その 何の? が理学療法士の存在意義 つまりフィロソフィーである 理学療法士は感覚運動システムの異常を判断 治療 予防する そして 運動と身体活動の問題課題を解決するために理学療法介入 ( 評価 治療 効果検証 ) を提供することによって健康状態を脅かしている感覚運動システムの機能の問題 その下位システムの問題 ( 筋機能 関節機能 神経系機能 軟部組織 呼吸機能 循環機能 消化系機能 排泄機能 免疫機能 代謝機能など ) の改善を専門とする 本講演では上記の理学療法士の専門性を踏まえたうえで 運動器理学療法のあるべき方向性 現状とのギャップ ギャップを解消するための戦略について報告する

32 シンポジウム 大会 1 日目 9 月 2 日 ( 土 ) 14:10~15:50 ホール 理学療法士の 分科 と 包括 について考える シンポジスト 岩田健太郎 ( 神戸市立医療センター中央市民病院 ) 高橋真 ( 広島大学大学院医歯薬保健学研究科 ) 吉田俊之 ( 株式会社 NTT データ経営研究所 事業戦略コンサルティングユニット産業戦略グループ ) 座長 廣澤隆行 ( 広島市立安佐市民病院 ) 猪村剛史 ( 広島大学大学院医歯薬保健学研究科 ) 日本理学療法士協会は分科学会 専門部門を設立し 各領域における理学療法の専門性を高めようとしている また 多くの理学療法士は日本理学療法士協会以外の様々な専門学会に所属し 研鑽を積んでいる その一方で 地域包括ケア病棟や介護保険領域では理学療法に関する専門的な知識以外の様々な知識 連携や協業が必要とされている このような状況で理学療法士は 分科 と 包括 に関してどのような認識をもっているだろうか 第 ₃₁ 回中国ブロック理学療法士学会準備委員会では 分科 と 包括 に関する理学療法士の認識を調査するために ₁₀₀ 名にアンケート調査を行った ここで言う 分科 とは分科学会や専門部門のように専門的に分かれて学術活動や臨床業務を行うことを意味し 包括 とは地域包括ケアシステム構築のための連携や協業を促進することを意味すると定義した

33 アンケートの結果 今後 理学療法士は分科していくことは必要だと思いますか? とても思う:₂₇% どちらかといえば思う :₄₂% であり 約 7 割が分科していく必要性を感じている ( 図 1 ) その一方で 今後 理学療法士は包括していくことは必要だと思いますか? とても思う:₂₄.₅% ある程度思う :₄₃.₉% で約 7 割が包括していくことの必要性も感じていた ( 図 2 ) そして あなたは 分科 の視点と 包括 の視点をバランスよく両立させることについて どのように感じていますか? 難しいと思う:₁₆.₅% どちらかといえば難しいと思う: ₃₇.₁% で両立することの難しさを感じていることが分かった ( 図 3 ) 本シンポジウムでは理学療法士の 分科 と 包括 をどのように確立するか また 両者をバランスよくやっていくためにはどのようなことが必要かを検討していくため 臨床と教育 の立場から岩田健太郎先生 ( 神戸市立医療センター中央市民病院 ) 教育と研究 の立場から高橋真先生 ( 広島大学大学院医歯薬保健学研究科 ) 政策と地域包括ケア の立場から吉田俊之先生 ( 株式会社 NTT データ経営研究所 ) の 3 名の先生に登壇いただき 実践を紹介しつつ 理学療法 理学療法士における 分科 と 包括 について提案をいただく その後 さらに内容を深めるために会場にいる参加者と一緒に議論を進めたい 0% 1% 25% 6% 27% とても思うどちらかといえば思う 26% 5% 24% とても思うある程度思う どちらでもない どちらでもない 42% あまり思わないほとんど思わない 44% あまり思わないほとんど思わない 図 1 今後 理学療法士は分科していくことは必要だと思いますか? 図 2 今後 理学療法士は包括していくことは必要だと思いますか? 8% 0% 17% 難しいと思う どちらかといえば難しいと思う どちらでもない 38% 37% どちらかといえば容易と思う 容易と思う 図 3 あなたは 分科 の視点と 包括 の視点をバランスよく両立させることについて どのように感じていますか?

34 シンポジウム 大会 1 日目 9 月 2 日 ( 土 ) 14:10~15:50 ホール 理学療法士の 分科 と 包括 について考える 臨床と教育 の立場から 講師 岩田健太郎 神戸市立医療センター中央市民病院 学歴 ₁₉₉₆. 3. 私立大阪明星学園明星高等学校卒業 ₁₉₉₇. 4. 金沢大学医学部保健学科理学療法学専攻入学 ₂₀₀₁. 9. 金沢大学医学部保健学科理学療法学専攻卒業 ₂₀₁₅. 4. 神戸大学医学部保健学研究科博士課程前期課程保健学専攻地域保健学領域 職歴 ₂₀₀₂. 4. 金沢社会保険病院介護老人保健施設サンビューかなざわ ₂₀₀₂. 9. 金沢社会保険病院リハビリテーション科 ₂₀₀₅. 1. 神戸市立医療センター中央市民病院リハビリテーション技術部 ₂₀₁₂. 4. 神戸市立医療センター中央市民病院リハビリテーション技術部技師長代行 ₂₀₁₄. 4. 神戸大学医学部保健学科臨地講師 ₂₀₁₅. 7. 兵庫県理学療法士協会卒後教育部部長

35 理学療法士の 分科 と 包括 について考える 臨床と教育 の立場から 岩田健太郎神戸市立医療センター中央市民病院 わが国では公衆衛生の向上 医学の進歩により 生活習慣病 特に脳血管疾患の減少による中高年層の死亡率の改善が達成できたことで 世界一の超高齢社会となっている 身体障害のうち内部障害 ( 心臓 腎臓 肝臓 呼吸機能 膀胱直腸 小腸 免疫の 7 つの機能障害 ) は他の障害と比べ 高齢者が占める割合が非常に高い そのため 高齢化により 内部障害者が急増している その結果 ₇₅ 歳以上の高齢者では ₇₀% 程度で 2 つ以上の疾患が併存しているとの報告もある ₂₀₁₃ 年度の日本の医科診療費 (₂₈.₇ 兆円 ) のうち脳血管疾患 神経系 筋骨格系 骨折の占める割合は₂₂% である 一方 ₂₀₁₅ 年度の理学療法のリハビリテーション料の年間算定割合は脳血管疾患と運動器疾患を合わせて₉₅.₆% である つまり 理学療法士のリソースの大半は脳血管疾患と運動器疾患に費やされ 内部障害や重複障害に対して理学療法は ₄.₄% とほとんど介入されていないというのが現状である このような現状で 理学療法士は社会のニーズに本当に対応できているのでしょうか ₂₀₀₂ 年に回復期病棟が医療保険に創設され その後 医療機能が分化し 理学療法士は急性期 回復期 維持期とフェーズごとに関わる形態となり 制度として疾患別リハが導入されました その結果 スペシャリストであることを現場では求められるようになりました しかし 急性期のみならず 回復期 維持期 予防においても高齢化による多疾患 重複障害に対応するためにはジェネラリストとしての能力も必要である 患者が急性期から社会復帰するまでの予後を見通す力を身につけるためにも 病期を超えた施設や職種間連携を常に意識することが大切である 近年 米国では the Commission on Accreditation for Rehabilitation Facilities (CARF) という第三者機関に認証された Comprehensive Acute Rehabilitation Unit(CARU) Comprehensive Integrated Inpatient Rehabilitation Program (CIIRP) と呼ばれるシステムが導入されている これは 骨折 関節障害 癌 神経障害 切断 脳卒中 移植または脊髄損傷など様々な疾患に対し 多職種からなる学際的な (Interdisciplinary) チームが包括的 (Comprehensive) にリハビリテーションを行うシステムである 疾患別リハとして専門分化することで臨床は効率化された しかし 高齢化の結果 対象の多くが多疾患 重複障害を抱えているなか 日本においてもリハビリテーションを行う上で 疾患別リハとして専門分科することについて再考する必要があると思われる 高齢化による多疾患 重複障害に対応するためには 脳血管疾患 運動器疾患以外の理学療法や 多職種とのチーム医療を経験しなければ 学際的なリハビリテーション介入を行うことは難しい 当院では米国で₁₉₉₉ 年に開始されたレジデンシープログラムにならい 卒後教育制度を導入した 当院での経験について紹介する

36 シンポジウム 大会 1 日目 9 月 2 日 ( 土 ) 14:10~15:50 ホール 理学療法士の 分科 と 包括 について考える 教育と研究 の立場から 講師 高橋真 広島大学大学院医歯薬保健学研究科 略歴昭和 ₅₂ 年生まれ平成 ₁₃ 年広島大学医学部保健学科理学療法学専攻卒業平成 ₁₅ 年広島大学大学院医学系研究科保健学専攻博士課程前期修了平成 ₁₈ 年広島大学大学院国際協力研究科教育文化専攻博士課程後期修了平成 ₁₈ 年国立身体障害者リハビリテーションセンター研究所流動研究員平成 ₁₉ 年広島大学大学院保健学研究科助教平成 ₂₄ 年広島大学大学院医歯薬保健学研究院講師 現職広島大学大学院医歯薬保健学研究科保健学分野生体運動 動作解析学講師

37 理学療法士の 分科 と 包括 について考える 教育と研究 の立場から 高橋真広島大学大学院医歯薬保健学研究科 本シンポジウムのテーマである 分科 と 包括 という言葉はそれぞれ スペシャリスト と ジェネラリスト という言葉に置き換えられます 一般に ジェネラリスト は浅いけれど広範囲 スペシャリスト は狭いけれど深い知識 技術 経験を有する人材といえます 理学療法士の目指すべき方向性はどちらなのか? という問いが本シンポジウムの狙いであり 今後 地域包括ケアシステムという大きな流れの中で益々重要な問いかけになると考えられます 医療の高度化 複雑化により専門分科が進み それぞれ細分化された領域で熟練した専門職種が有機的に連携しチーム医療を提供することが求められています より良いチーム医療推進の基盤として 各医療専門職の専門性向上は欠かせません 理学療法士の 専門性 とは 専門職としての独自性 だけでなく その独自性を高めるために 専門職の中での専門分科 も必要です したがって 多くの理学療法士がそれぞれの専門領域での認定 / 専門理学療法士 すなわち スペシャリスト を目指すことは理学療法士の 専門性 向上に必須であるといえます 一方 地域や高齢者の理学療法を考えた場合 様々な疾患や問題を複合的に抱えていることが多く 各疾患の知識に加え 複合的な状況に対応できる幅広い知識も求められます したがって 地域医療のスペシャリスト は ジェネラリスト ともいえます これまでの卒前教育は主に疾患別 障害別に系統的に実施されてきましたが 今後の地域包括ケアシステムの流れを想定すると 卒後教育も含めて これまで以上に複雑な状況に対応できる ジェネラリスト という側面からの教育も必要であると考えられます さらに 高齢者が抱える複雑な課題に対応するためには 医療専門職だけでなく 介護専門職や行政職などとの協働が益々求められます 近年 専門職の養成 教育課程において 複数の専門職が連携する専門職連携実践 (inter-professional work:ipw) を学びあう専門職連携教育 (inter-professional education:ipe) が導入されています 今後どのように IPE を充実させるかが課題であると考えられます 理学療法学の発展に理学療法士による研究成果は欠かすことができません 研究においても細分化が進み 1 人でできることには限界があります 基礎研究 臨床研究 さらに両者を橋渡しする研究のそれぞれの領域で活躍する理学療法士が確実に増えてきています 今後は理学療法学の未解決の課題に対して 包括 的な研究が推進できるグループを形成し 将来的には独自の研究領域を提案して予算枠を獲得できることも課題であると考えられます 本シンポジウムでは理学療法士の今後の目指すべき方向について議論を深めたいと考えています 忌憚のないご意見を頂ければ幸いです

38 シンポジウム 大会 1 日目 9 月 2 日 ( 土 ) 14:10~15:50 ホール 理学療法士の 分科 と 包括 について考える 政策と地域包括ケア の立場から 講師 吉田俊之 株式会社 NTT データ経営研究所事業戦略コンサルティングユニット産業戦略グループ 略歴 ₁₉₇₇ 年生まれ ₂₀₀₃ 年広島大学大学院医学系研究科修了 ( 保健学修士 ) ₂₀₀₃ 年頼島外科医院入社 ₂₀₀₅ 年株式会社エネルギア介護サービス入社 ₂₀₁₀ 年公益社団法人日本理学療法士協会入社 ₂₀₁₆ 年慶應義塾大学大学院経営管理研究科修了 ( 経営学修士 ) 同株式会社エヌ ティ ティ データ経営研究所入社 現職株式会社エヌ ティ ティ データ経営研究所事業戦略コンサルティングユニット産業戦略グループマネージャー

39 理学療法士の 分科 と 包括 について考える 政策と地域包括ケア の立場から 吉田俊之株式会社 NTT データ経営研究所事業戦略コンサルティングユニット産業戦略グループ 患者 利用者ニーズは変容し 人口構造の変化などいくつかの重大な外部環境の変化を迎え 理学療法士は 理学療法士に求められる社会的ニーズやそれに対する向き合い方 あるいは理学療法士としての専門性のあり方を見つめ直す重要な節目を迎えています 問いを立てるならば 地域包括ケアシステムという新しい社会的連帯の仕組みの中で 理学療法士の価値を最大限に高めるため 理学療法士はどのように行動すべきか と設定できるのではないでしょうか その答えに効率よく接近するには まず 前提となる条件と仮定を明らかにしなくてはなりません そこで 筆者のセッションでは 政策や制度設計に着目し 本邦における最重要政策 地域包括ケアの深化 を理解することを出発点とし 地域共生社会や地域医療構想など他の重要政策の意図にも触れながら これからの理学療法士の姿づくりに欠かせない価値や考え方を整理します そして 理学療法士の社会的な価値を最大化するという視点から シンポジウムテーマである 分科 と 包括 に着目し 両者はトレードオフの関係にあるかを論点として 理学療法士が両者を共存させる重要性やその意義を考える機会とします 1 ) 前提を知る : 地域包括ケアシステムなど新しい重要政策の背景に何があるのか 理学療法士が誕生した₁₉₆₀ 年代から₂₀₀₀ 年あたりまでとそれ以降とでは とりわけ人口構造や疾病構造そして平均寿命といった社会環境要因が大きく異なります 医療の高度化や公衆衛生の改善により 人類は史上最長の平均寿命を獲得しましたが 一方でこれまで経験したことのない 長寿化のリスク に直面しています ひとつは 虚弱化です 個人レベルにおける加齢に伴う機能低下はこれまでもよく知られ 自然科学分野の研究も進展しています しかし マスとしての虚弱高齢者層の出現は歴史上に例はなく 現代における新しい社会課題です もうひとつは 認知症を伴う高齢者等の増加です こういった構造変化と社会背景の変化という前提条件から なぜ地域包括ケアシステムを実現する必要があるか改めて整理します そして 政策成果を最大化するため理学療法士に期待される機能や役割 そして 理学療法士がその期待に最大限に応えるために重視すべき価値や整備すべき条件を検討します 2 ) 分科 と 包括 分科 と 包括 が論争テーマとなる背景には 理学療法士が常に大切にする 自立支援 の考えや臨床推論的思考と 高齢者が抱える医療 介護 生活支援ニーズとの相性の良さが関連しているように思われます また 極めて高度な治療技術がある一方で 自主トレ に関する理学療法も存在するように 理学療法 ( 士 ) には応用範囲が広いという特徴も挙げられます 他の専門職にはないこうした魅力を地域包括ケア推進にいかにして生かせるかを 分科 と 包括 の視点から検討します

40 市民公開特別講座 大会 2 日目 9 月 3 日 ( 日 ) 13:00~14:00 ホール 突然 妻が倒れたら 家族の立場から介護社会最前線を斬る 講師 松本方哉 介護ジャーナリスト 元ニュース JAPAN キャスター ₁₉₅₆ 年生まれ ₁₉₈₀ 年 フジテレビ入社 報道局記者として官邸や防衛庁 担当 ワシントン特派員などを務める 湾岸戦争 米同時多発テロ アフガン戦争 イラク戦争などでは情報デスクとして活躍 その後 滝川クリステルさんとタッグを組んで 夜のニュース ニュース JAPAN のアンカーを 6 年務める 専門は国際安全保障問題 日米関係 米国政治と外交 ₂₀₀₇ 年末 妻がくも膜下出血で倒れ 介護中心の生活に 妻の介護を通じ 医療や介護問題をジャーナリストの視点から見つめ続けている FCCJ= 日本外国特派員協会会員 日本マス コミュニケーション学会会員

41 突然 妻が倒れたら 家族の立場から介護社会最前線を斬る 松本方哉介護ジャーナリスト 元ニュース JAPAN キャスター 突然 妻が倒れたら は 当時フジテレビの夜のニュース番組 ニュース JAPAN のキャスターで解説委員でもあった松本方哉 ( まさや ) 氏が ₂₀₀₇ 年 ₁₁ 月末に妻を襲った突然のくも膜下出血の発症で麻痺と高次脳機能障害を負った介護生活の日々の緊張と不安 怒りと涙をジャーナリストの目で綴った本のタイトルである 本市民公開特別講座に登壇する松本氏は いまもなお妻の介護をしながら ジャーナリストとして働く中で 当時の怒涛のような日々を振り返りつつ その頃の思いを吐露していくことで 突然に妻という家庭の司令塔が倒れた家族に何が起きるのかを 参加者は追体験することになるであろう その中から参加者が気づくこと 学ぶことは少なくないはずである 重苦しい介護生活との戦いの中で 松本氏は ₂₀₂₅ 年に日本社会を襲うであろう超高齢化の津波のような動きの中で 被介護者と介護家族たちが ひいてはまた 国民一人ひとりが 介護 という壁に立ち向かうことになることに気がついたと話しており その際に 被介護者 介護家族 医療関係者やリハビリ医療に携わる人々 地域 行政が それぞれの立場で 何を突きつけられ どんな事態に直面しなければならなくなるかを これまでの取材から描き出し その上で では どうその危機に立ち向かって行くべきなのかを講演の中で提言する考えだ 重い高次脳機能障害を負った妻の介護やリハビリ 自身の仕事 子息の養育を通じて体験した医療 福祉 介護制度などの問題点を 家族の立場 から鋭く語る講座である 注 : 突然 妻が倒れたら ( 新潮社 ) 刊

42

43

44 指定演題 一覧 9 月 3 日 ( 日 ) 11:10~12:10 ホール指定演題 1 分科 座長 : 庄原赤十字病院 D-1 心不全入院した患者における心不全症状出現前の活動と退院時の歩行自立との関係 ~ UCLA Activity Score を用いて ~ 地方独立行政法人広島市立病院機構広島市立安佐市民病院リハビリテーション科 D-2 経頭蓋直流電気刺激による歩行 認知課題の機能向上効果 大山リハビリテーション病院 D-3 地域高齢者における四肢骨格筋量の経年変化と筋量サルコペニアの発生頻度およびその危険因子の検討 GAINA study での 2 年間前向きコホート調査 大山リハビリテーション病院リハビリテーション部 D-4 拡散テンソルを用いた回復期脳卒中片麻痺患者の退院時 FIM に影響する因子の検討広島市立リハビリテーション病院リハビリテーション科 井上和章中村公則篠田亮平中祖直之工藤弘行 9 月 3 日 ( 日 ) 14:10~15:10 ホール指定演題 2 包括 座長 : 県立広島大学保健福祉学部田中聡 D-5 回復期と生活期の連携に関する多施設調査 ~ 回復期に勤務するリハビリテーション専門職と介護支援専門員を対象としたアンケート調査 ~ 広島市立リハビリテーション病院 D-6 理学療法士の ICU 半日専従による経営面や多職種への影響島根大学医学部附属病院リハビリテーション部 D-7 住民主体の通いの場づくりに向けた短期集中型介護予防プログラムの展開 ~ 理学療法士の専門性を活かした元気な地域づくりに向けて~ 飯南町保健福祉課地域包括支援センター D-8 理学療法の臨床実習における効果的なチーム医療 多職種連携教育の検討 - 学生と臨床実習指導者へのアンケートを通して- 尾道市立市民病院リハビリテーション科 川野義晴石田修平嘉田将典木曽貴紀

45 一般演題口述一覧 9 月 2 日 ( 土 ) 11:00~12:00 スタジオ一般演題口述 1 内部障害 座長 : 広島大学大学院医歯薬保健学研究科 関川清一 O-1 気管支喘息重積発作後に ICU-acquired weakness(icu-aw) を呈した症例 ~ 多職種協働による早期リハビリテーションを行い自宅復帰ができた症例 ~ O-2 開心術後患者の ADL 低下予測因子の検討 独立行政法人国立病院機構関門医療センターリハビリテーション科西川準 地方独立行政法人広島市立病院機構広島市立安佐市民病院リハビリテーション科 O-3 高齢食道がん術後患者に生じた全身耐久性および筋力低下を退院後の外来指導にて改善できた 1 症例 川崎医科大学総合医療センターリハビリテーションセンター O-4 食道癌周術期患者の身体活動量の推移と運動耐容能 栄養状態の調査 山口大学医学部附属病院リハビリテーション部 O-5 当院における歩行可能な高齢心不全患者の自宅退院の可否に及ぼす要因の検討 NHO 岩国医療センターリハビリテーション科 O-6 虚血性心疾患患者における坐位時間の要因は糖尿病合併の有無で異なる - 機能的要因 心理的要因 環境的要因の比較 - 富田瑛博 浜口雄喜 水野航作 雛倉圭吾 JA 山口厚生連周東総合病院リハビリテーション科溝口桂 9 月 2 日 ( 土 ) 14:10~15:10 スタジオ一般演題口述 2 教育 管理 その他 座長 : 広島国際大学総合リハビリテーション学部 O-7 広島災害リハビリテーション推進協議会 ( 広島 JRAT) の取り組み ~ 組織の活動と熊本地震支援について ~ 広島 JRAT O-8 退院直後の新規利用者の訪問リハビリ開始及び病院リハビリとの連携に関する調査 ~ 当事業所の 1 年間の関与状況 ~ O-9 新人教育に携わる教育者の意識調査 医療法人和同会訪問看護ステーションハローナース五日市 公益財団法人大原記念倉敷中央医療機構倉敷中央病院リハビリテーション部 O-10 松江市におけるロコモティブシンドローム発生要因の調査 O-11 臨床実習教育における指導者からみた学生の印象変化 -VAS とテキストマイニングによる分析 - O-12 クラウド型情報共有システムを利用した地域連携の模索日野郡地域包括ケアシステム構築に向けた取り組み 松江赤十字病院リハビリテーション課 医療法人社団青寿会武久病院 日野病院組合訪問看護ステーションすまいる 徳森公彦小浦伸司森田秀紀寺山雅人内藤優人北﨑晋一郎田中武志

46 9 月 2 日 ( 土 ) 16:00~17:00 ホール一般演題口述 3 神経 生活環境 その他 O-13 生活行為向上を可能にするマネジメント 活動 と 参加 に向けたセラピストの役割 O-14 離島にある自宅へ復帰が実現できた要介護 5 の一事例 ~ 包括的リハビリテーションアプローチの報告 ~ 座長 : 吉備高原医療リハビリテーションセンター 介護老人保健施設まお 社会医療法人千秋会井野口病院リハビリテーション科 O-15 腰椎椎体圧迫骨折を繰り返したパーキンソン病患者の 1 症例 特定医療法人財団竹政会セントラル病院リハビリテーション科 O-16 被殻出血により右片麻痺と失語症を呈した症例に対する就労支援の経験 脳神経センター大田記念病院リハビリテーション課 O-17 短下肢装具作製時期による Functional Ambulation Categories への影響 入院時 Brs Ⅱ~Ⅲ での歩行改善例 介助歩行例との時期に着目して 出雲医療生活協同組合出雲市民リハビリテーション病院 O-18 機能的電気刺激を用いた介入により長期的な歩行能力の向上を認めた一症例 岡山リハビリテーション病院リハビリテーション部 武田正則杉野良典奥島悠大金尾亮兵村上祐介神田一路景山友加里 9 月 2 日 ( 土 ) 16:00~17:00 スタジオ一般演題口述 4 運動器 基礎 座長 : 県立広島大学保健福祉学部 金井秀作 O-19 下腿三頭筋における 2 種類のストレッチが脊髄興奮性に及ぼす影響 O-20 Dynamic Navicular Drop test に影響する足部運動の検討 島根リハビリテーション学院 医療法人和会沖井クリニック O-21 しゃがみ込み動作中及び動作直後の足圧中心動揺と足関節背屈可動域の関係 公益財団法人大原記念倉敷中央医療機構倉敷中央病院リハビリテーション部 O-22 非特異的腰痛患者と特異的腰痛患者において疼痛の情動的側面に違いはあるか? O-23 リバウンドジャンプによる疲労が腓腹筋筋収縮反応に与える影響 橋本広徳 岡村和典 田丸友海 和光整形外科クリニック沖真裕 広島大学大学院医歯薬保健学研究科 O-24 立位時における平地及び傾斜板上でのアキレス腱振動刺激がその後の足圧中心に及ぼす影響 藤下裕文 医療法人社団昌平会大山リハビリテーション病院リハビリテーション科石川衛 9 月 3 日 ( 日 ) 11:10~12:10 スタジオ一般演題口述 5 運動器 基礎 座長 :YIC リハビリテーション大学校山本悟 O-25 人工股関節全置換術例の歩行能力に影響を与える要因歩行補助具の種類によって関連要因は異なる O-26 体幹部の柔軟性改善が有効な治療となった変形性膝関節症例 JA 山口厚生連周東総合病院リハビリテーション科 国立療養所邑久光明園リハビリテーション室 O-27 痛みによって生じた不安や恐怖を整理することにより膝痛が寛解した 2 症例 医療法人サカもみの木会サカ緑井病院リハビリテーション科 O-28 橈骨遠位端骨折患者において受傷側の違いによる術後の短期治療成績 医療法人社団楓会林病院リハビリテーション部 川端悠士井上裕貴永見達朗溝口裕章

47 O-29 シンスプリントを有する患者には脛骨の構造学的な性差が存在するか? 脛骨内反角度に着目して O-30 人工骨頭置換術後の患者が抱える自覚的脚長差への対応に関する一考察 和光整形外科クリニック 寺岡整形外科病院リハビリテーション科 渡邊帆貴 小林弘基 9 月 3 日 ( 日 ) 14:10~15:10 スタジオ一般演題口述 6 運動器 基礎 O-31 壁面接触圧の差が起立動作中及び動作後の足圧中心動揺に及ぼす影響 座長 : 松江総合医療専門学校内田武 一般財団法人操風会岡山リハビリテーション病院リハビリテーション部 O-32 変形性膝関節症患者に対する人工膝関節全置換術は歩行時の体幹運動を改善させる O-33 運動器疾患における症状の経過は疼痛の情動的側面に関連するか? O-34 捻挫の既往は長腓骨筋の筋厚と筋力に関係するか O-35 下肢の筋疲労が跨ぎ動作時の足部クリアランスに与える影響 山田健太 広島大学大学院医歯薬保健学研究科保健学専攻桑原渉 和光整形外科クリニック マッターホルンリハビリテーション病院 和光整形外科クリニック O-36 腹横筋の収縮様式の違いが下肢自動伸展挙上動作における骨盤帯の安定性に及ぼす影響 - 超音波画像診断装置を用いて - 太田整形外科 大成呼吸器クリニックリハビリテーション室 濱田和明 尾上仁志 豊坂沙織 麻野佑樹

48 一般演題ポスター一覧 9 月 2 日 ( 土 ) 14:10~15:10 大会議室一般演題ポスター 1 内部障害 神経 座長 : 広島大学病院診療支援部リハビリテーション部門 P-1 重度低栄養患者の褥瘡管理における術前からの理学療法士の介入が功を奏した症例市立三次中央病院リハビリテーション科 P-2 対応に苦慮した劣悪な自宅環境と生活習慣を有した心臓血管外科術後患者の一報告独立行政法人国立病院機構岩国医療センターリハビリテーション科 P-3 慢性期脳卒中患者の麻痺側上肢が廃用手から補助手まで改善した症例医療法人社団清風会五日市記念病院技術部リハビリ技術科 P-4 当院における TAVI 術前後の心臓リハビリテーションの現状と今後の課題広島市立広島市民病院 P-5 T-support と長下肢装具を併用しての歩行における足関節底屈モーメントについて医療法人社団生和会徳山リハビリテーション病院リハビリテーション部 河江敏広上野千沙荒木直哉河村考真井川英明瀬戸有香 9 月 2 日 ( 土 ) 14:10~15:10 ギャラリー一般演題ポスター 2 運動器 基礎 物理療法 P-6 当院における人工膝関節単顆置換術 (UKA) の短期成績 ~ 人工膝関節全置換術 (TKA) との比較 ~ 座長 : 浜脇整形外科リハビリセンター葉清規 地方独立行政法人広島市立病院機構広島市立安佐市民病院リハビリテーション科 P-7 大腿骨近位部骨折患者における転帰先に影響を及ぼす因子の検討 総合病院津山第一病院リハビリテーション科 P-8 関節制動訓練 (Dynamic Joint Control Exercise) における効果の持続性 竹本雄一郎 緒方啓将 医療法人友安会友安クリニックリハビリテーション科石川慶 P-9 複数生じている症状に対し 症状の整理と運動機能障害に対する評価を行うことで改善を得られた症例 医療法人サカもみの木会サカ緑井病院リハビリテーション科 P-10 人工膝関節新機種 bi-cruciate stabilized TKA を使用した症例の術後膝関節機能特性 広島大学病院診療支援部リハビリテーション部門 村尾竜次 藤原史帆 9 月 2 日 ( 土 ) 16:00~17:00 大会議室一般演題ポスター 3 運動器 基礎 物理療法 座長 : あさひ整形外科クリニック 森田哲司 P-11 水中法による超音波療法でも 十分な温熱効果はある - ラットによる実験的研究 - P-12 脛骨天蓋骨折術後に内側足底神経領域の神経損傷を合併した 1 例 県立広島大学保健福祉学部理学療法学科浮本祥 特定医療法人竜操整形竜操整形外科病院リハビリテーション部 P-13 大腿部への局所的な圧迫が歩行時のパフォーマンスや筋活動に与える影響 P-14 ストレッチング前後の握力変化 社会医療法人全仁会倉敷平成病院リハビリテーション科 佐藤病院 山崎健治 清水亮祐 高下耕平

49 P-15 前胸部皮膚移植術が必要となり 肩関節可動域制限に難渋した乳癌術後症例の理学療法総合病院岡山協立病院リハビリテーション部 P-16 若年健常者におけるベルト電極式骨格筋電気刺激中の自律神経活動川崎医科大学附属病院リハビリテーションセンター 黒原道雄 橋爪奏子 9 月 2 日 ( 土 ) 16:00~17:00 ギャラリー一般演題ポスター 4 教育 管理 その他 P-17 当院における地域包括ケア病床の問題点 課題および解決策 P-18 当事業所の業務負荷軽減への取り組み ~ タブレット端末対応記録入力システムを導入して ~ 座長 :IGL 訪問看護ステーション 津山第一病院リハビリテーション科 P-19 地域包括ケア病棟におけるリハビリテーション提供状況に関する分析 訪問看護ステーションあすか 独立行政法人国立病院機構関門医療センター P-20 施設多職種 ステークホルダー間における連絡ツール 情報共有プラットフォームとしての ICT 活用に関する報告カナミッククラウドサービスのユーザーの立場から活用利点事例株式会社 Forest 訪問看護ステーションあゆみ P-21 理学療法士会員数が増えても地域格差は存在する全国平均 ( 人口比 面積比 ) と比較した出雲市の現状出雲医療看護専門学校 菅原道俊賀川佳則中島光裕楫野允也小野啓生高田秀志 9 月 3 日 ( 日 ) 11:10~12:10 大会議室一般演題ポスター 5 生活環境 その他 座長 : 広島南診療所訪問看護ステーションみなみ片山旭 P-22 病棟別の腰痛予防対策の必要性 - 全職員への質問紙調査より- 安田病院リハビリテーション課 P-23 調理台の高さが腰部筋活動に与える影響 - 広島風お好み焼き調理時の表面筋電図分析 - 県立広島大学保健福祉学部理学療法学科 P-24 荷物所持方法の違いが重心動揺に与える影響 リュックサックと斜めかけカバンの比較 医療法人光臨会荒木脳神経外科病院リハビリテーション部 P-25 対話により 墓参りを促進できた症例 ~ 認知行動療法 健康生成論を参考に分析 ~ 社会医療法人社団沼南会沼隈病院リハビリテーション部 P-26 6 ヶ月間の住民主体の通いの場での運動継続は生活空間の拡大につながる ~ 理学療法士の専門性を活かした元気な地域づくりに向けて~ 飯南町立飯南病院 佐々本健治酒井はるか山品裕香橋本康太森山智博 9 月 3 日 ( 日 ) 11:10~12:10 ギャラリー一般演題ポスター 6 運動器 基礎 物理療法 座長 : 県立広島大学保健福祉学部 長谷川正哉 P-27 5 本指ソックスが重心に与える影響医療法人社団八千代会八千代病院リハビリテーション科梶岡恵

50 P-28 アキレス腱再断裂に対して手術を施行し 競技復帰に至った症例を経験しての一考察 P-29 歩行環境の違いが歩行速度に与える影響 医療法人サカもみの木会サカ緑井病院リハビリテーション科 吉備国際大学保健福祉研究所 P-30 高齢者の片脚立位保持姿勢における足関節周囲筋同時収縮に異なる上肢支持が及ぼす影響 広島大学大学院医歯薬保健学研究科保健学専攻 P-31 外反母趾を呈する者の歩行中における後足部 中足部 前足部間の運動協調性 中村悠一 酒井孝文 岩本義隆 広島大学大学院医歯薬保健学研究科保健学専攻川上航 9 月 3 日 ( 日 ) 13:00~14:00 大会議室一般演題ポスター 7 教育 管理 その他 P-32 映画 赤ひげ にみる医療のプロフェッショナリズムの分析 新人医師とベテラン医師の医療に対する比較を通して P-33 理学療法教育における模擬患者演習のアウトカム評価 - 臨床実習における学生の効力感から - P-34 島根県理学療法士会会員の県学会参加者と非参加者の違い - アンケートを用いた意識調査 - P-35 臨床実習における症例報告会のあり方に関する一考察 ~ スタッフの意識調査 ~ 座長 :YMCA 米子医療福祉専門学校 広島市立リハビリテーション病院 公立大学法人県立広島大学 こころね訪問看護ステーション 医療法人平野同仁会総合病院津山第一病院 P-36 療法士不在であった病院における理学療法士への期待は 配置後の運営状況の変化に伴い変化する 医療法人社団増原会東城病院 岩﨑裕子高橋佑佳梅井凡子大森貴志猫島貴彰田原岳治 9 月 3 日 ( 日 ) 13:00~14:00 ギャラリー一般演題ポスター 8 運動器 基礎 物理療法 座長 : 広島市立広島市民病院 政森敦宏 P-37 歩行分析杖 Giraffe の紹介と試験的調査報告整形疾患を持つ杖歩行患者における杖への荷重率と歩行関連パラメータの関係 P-38 手指 MP 関節の引き離しによるストレッチと SLR の関連性 P-39 体脂肪率 BMI と嫌気性代謝閾値の関連性 独立行政法人国立病院機構関門医療センター ボディコンディショニングスペース HOT 田上幸生 堀川浩之 島根大学医学部附属病院リハビリテーション部錦織航 P-40 人工膝関節全置換術当日の理学療法介入が膝関節可動域に及ぼす影響について 独立行政法人岡山医療センターリハビリテーション科 P-41 内側膝蓋大腿靭帯再建術を施行された患者に対して閉鎖性運動連鎖を用いた術後理学療法の検討 井上真理香 広島大学病院診療支援部リハビリテーション部門浅枝諒

51 指定演題 1 D 1 心不全入院した患者における心不全症状出現前の活動と退院時の歩行自立との関係 ~ UCLA Activity Score を用いて ~ 中村公則 1) 竹本雄一郎 1) 若林昌司 1) 永井道明 2) 香川英介 2) 小田登 2) 佐々木正太 2) 加藤雅也 2) 土手慶五 2) 1) 地方独立行政法人広島市立病院機構広島市立安佐市民病院リハビリテーション科 2) 地方独立行政法人広島市立病院機構広島市立安佐市民病院循環器内科 key word: 心不全 歩行自立 UCLA Activity Score 目的 心不全患者は治療に伴う安静臥床や活動の制限によって 歩行能力が低下する症例が多 い トイレ歩行自立に関する患者のニーズは高く 歩行が自立した心不全患者は自宅退院に直結しやすい 退院時の歩行自立は入院前の活動量が影響すると考えられるが 心不全入院した患者における心不全症状出現前の活動と退院時の歩行自立との関連についての報告は少ない 日常生活における活動量を評価する方法としては質問票 日誌法 歩数計 加速度計によるものがあるが 評価に時間を要することが多く 評価可能な症例が限られるデメリットがある UCLA Activity Score は level ₁~Level ₁₀までの活動状況を選択するのみの簡便な活動量評価の方法である 本研究の目的は 心不全入院した患者の心不全症状出現前の活動と退院時の歩行自立との関係を UCLA Activity Score を用いて調査することである 対象 方法 平成 ₂₈ 年 ₁ 月 ~₁₂ 月までに当院に入院し 理学療法を実施した心不全患者 ₁₁₀ 例のうち 死亡例を除いた₁₀₈ 例を対象とした 調査項目は患者背景 在院日数 LVEF BNP 心不全症状出現前の UCLA Activity Score 退院時のトイレ歩行自立 ( 歩行自立 ) 症例数とした そして退院時の歩行自立を従属変数 心不全症状出現前の UCLA Activity Score を独立変数とし ROC 曲線を用いてカットオフ値を算出し その AUC 感度 特異度を求めた 倫理的配慮 説明と同意 本研究は当院倫理委員会にて承認( 承認番号 :₂₈-₆-₉) を得ている 結果 年齢 ₈₂±₁₀ 歳 男性 ₆₃ 例 入院日数 ₂₁±₁₂ 日 LVEF ₄₄±₁₆% BNP ₈₉₆±₈₇₉pg/ml 退院時の歩行自立 ₆₉ 例であった UCLA Activity Score は level が上がるにつれて歩行自立した症例の割合が高かった 歩行自立のカットオフ値は level ₃であり AUC ₀.₈₇₉ 感度 ₇₆.₈% 特異度 ₉₂.₃% であった 考察 UCLA Activity Score の Level ₁は日常生活に介助を要する状態であり 歩行自立が元々困難であったと推察される Level ₂は日常生活の最小限の活動に制限されている状態であり 予備能力が低いため 心不全による身体機能の低下や安静加療による廃用の影響を強く受け 歩行能力が低下しやすかったと考える 心不全症状出現前の活動が Level ₂ 以下の症例は歩行能力向上への介入方法を検討する必要があると考える また心不全患者が再入院した際に歩行非自立とならないために Level ₃の散歩 家事動作 買い物が可能な程度の運動耐容能を退院時 退院後に獲得できるように身体機能を高めたり 退院前指導することが重要であると考える

52 指定演題 1 D 2 経頭蓋直流電気刺激による歩行 認知課題の機能向上効果 篠田亮平 1) 松浦晃宏 1) 石川衛 1) 苅田哲也 1) 森大志 2) key word: 二重課題 経頭蓋直流電気刺激 歩行 1) 大山リハビリテーション病院 2) 県立広島大学 目的 歩きながら話をするなど 動作の遂行中に別の課題を付加することを二重課題干渉とい い 例えば歩行中に話しかけると歩行速度が低下する高齢者は 転倒リスクが高いとされる この二重課題干渉は 大脳皮質の背外側前頭前野が重要な役割を担うとされ 従って この領域の活動性を変化させることによって 二重課題の実行機能を向上させることができると考えられる そこで本研究は 背外側前頭前野へ経頭蓋直流電気刺激 (tdcs) を実施することで 歩行時における二重課題干渉を低下させると伴に 運動機能の向上効果を得られるか検証した 方法 対象は健常成人 ₁₂ 名 ( 男性 ₁₀ 名 女性 ₂ 名 年齢 ₂₃.₆₇±₄.₇₇ 歳 ) とし 痙攣発作の既往のある者 頭蓋内クリップやペースメーカーなどの金属植込みがある者は除外した 対象者は 単純課題として ₃ 桁の提示された数字より ₃ ずつ減算する減算課題と₃₀ 秒間の歩行課題 および減算課題と歩行課題を同時に行う二重課題を実施した その後 左背外側前頭前野に相当する F₃ 領域 ( 国際 ₁₀-₂₀ 法 ) への陽極 tdcs を実施し 刺激中の二重課題遂行能力を評価した tdcs は DC-STIMULATOR(neuroConn) を使用して ₂mA の刺激電流 ( 実刺激 ) または無電流 ( 偽刺激 ) で₁₅ 分間刺激し ₁₀ 分経過した時点で刺激を与えながら各課題を実施した 統計学的解析は 単純課題時と二重課題時の歩行速度 減算正答数について 実施前後の値の差を求め tdcs の実偽で比較した 値が正規分布に従っているものは対応のある t 検定 従っていないものは Wilcoxon 符号付順位検定を行った 有意水準は ₅ % 未満とした 倫理的配慮 説明と同意 本研究は大山リハビリテーション病院倫理審査委員会の承認を受け 実施にあたっては 全ての対象者へ研究の趣旨を説明し 同意を得て行った ( 承認番号 : ₁₆₀₉) 結果 単純課題の歩行速度と減算正答数において 実刺激条件と偽刺激条件の間に有意な差はなかった 二重課題の場合 歩行速度 減算正答数ともに 実刺激条件は偽刺激条件と比べて有意に向上した ( ともに p<₀.₀₅) 考察 大脳皮質の左背外側前頭前野に対して tdcs を実施することで 歩行中に起こる二重課題干渉の影響を少なく出来ることを示した これは tdcs による左背外側前頭前野の活動性の増加により 減算時の認知的負荷に対する容量が増加し 減算課題と歩行課題への干渉が減少したものと考える この結果は 神経疾患や加齢に伴って増大する二重課題干渉とその影響を改善する方法として 新たな可能性を示した

53 指定演題 1 D 3 地域高齢者における四肢骨格筋量の経年変化と筋量サルコペニアの発生頻度およびその危険因子の検討 GAINA study での 2 年間前向きコホート調査 中祖直之 1) 松浦晃宏 1) 秋田朋子 1) 仲田奈生 1) 松本浩実 2) 萩野浩 2,3) 1) 大山リハビリテーション病院リハビリテーション部 2) 鳥取大学医学部付属病院リハビリテーション部 3) 鳥取大学医学部保健学科 key word: 筋量サルコペニア 危険因子 前向きコホート調査 はじめに サルコペニアは移動および日常生活動作能力の低下と強く関連し 高齢者の虚弱を 促進させる大きな要因とされている サルコペニアの診断は 四肢骨格筋量が低下した状態である筋量サルコペニアが前提とされるが その発生に関する前向きな報告は限られている またその危険因子について 広く一般に喚起するためには 認知度の高い指標を用いて示す必要がある 本研究の目的は ₂ 年間の前向きコホート調査にて 地域高齢者における四肢骨格筋量の経年変化を示すこと 筋量サルコペニアの発生頻度とその危険因子 およびベースライン調査時の BMI における分割点を検討することである 方法 対象は鳥取県日野町の集団検診を受診し 要介護認定者を除いた₂₂₃ 名 ( 男性 ₈₂ 名 女性 ₁₄₁ 名 年齢 ₇₃.₆±₈.₃ 歳 ) とした ベースライン調査として 基本項目 BMI 変形性股 膝関節症の有無 骨粗鬆症の有無 アルブミン値 歩行速度 握力 転倒 骨折歴の有無 体組成データなどを調査した 筋量の測定には体組成計を用い 筋量サルコペニアの判別は Asian Working Group for Sarcopenia の定義に従った ベースライン調査時にすでに筋量サルコペニアに該当したものを除外し ₁ 年後と ₂ 年後の追跡調査により四肢骨格筋量の経年変化 (Friedman 検定 Bonferroni 補正 Wilcoxon 検定 ) と筋量サルコペニアの発生頻度を調査した ₂ 年間で筋量サルコペニアを新たに発生したものを筋量サルコペニア発生群とし 群間比較 次いでロジスティック回帰分析により危険因子の抽出を行った さらに ベースライン調査時の BMI において ROC 曲線を用いて筋量サルコペニア発生のカットオフ値を算出した 倫理的配慮 説明と同意 本研究は鳥取大学医学部倫理審査委員会で承認された ( 承認番号 : ₂₃₅₄) 結果 ベースライン調査に参加した ₂₂₃ 名中 ₁₇₀ 名 (₇₆.₂%) が非筋量サルコペニアに該当し そのうち ₁ 年後と ₂ 年後の追跡調査に連続参加した₈₂ 名を解析対象とした 四肢骨格筋量の経年変化では ₂ 年後には平均で約 ₀.₆kg の低下を示した (p<₀.₀₀₁) 筋量サルコペニアの発生頻度においては ₁ 年後の新たな発生は ₇ 名 (₈.₅%) ₂ 年後では₁₆ 名 (₁₉.₅%) であった その危険因子として 年齢 (Odds: ₁.₁₇₄ ₉₅% CI: ₁.₀₅₂ ₁.₃₁₀ p=₀.₀₀₄) BMI(Odds: ₀.₅₈₈ ₉₅% CI: ₀.₃₉₅ ₀.₈₇₆ p=₀.₀₀₉) が抽出された BMI におけるカットオフ値は男性で₂₂.₃₅( 感度 ₈₀.₀% 特異度 ₇₂.₇% AUC: ₀.₈₃₆) 女性で₂₀.₂₀( 感度 ₈₁.₄% 特異度 ₇₅.₀% AUC:₀.₈₄₇) であった 結論 本研究による 四肢骨格筋量の経年変化において 加齢に伴う退行変化を確認しえた また筋量サルコペニアの発生頻度は年単位で約 ₁₀% であり 低 BMI においては注意を払う必要があるとともに 簡便な予測指標のひとつとして 筋量サルコペニア発生に対して注意喚起しやすいものになると考える

54 指定演題 1 D 4 拡散テンソルを用いた回復期脳卒中片麻痺患者の退院時 FIM に影響する因子の検討 工藤弘行 1,2) 川野義晴 1) 甲田宗嗣 3) 杉原勝宣 1) 辻敏夫 4) 1) 広島市立リハビリテーション病院リハビリテーション科 2) 広島大学大学院工学研究科システムサイバネティクス専攻 3) 広島都市学園大学健康科学部リハビリテーション学科 4) 広島大学大学院工学研究院電気電子システム数理部門システムサイバネティクス専攻 key word: 脳卒中 拡散テンソル FIM はじめに 核磁気共鳴画像 (Magnetic Resonance Imaging) 装置による拡散強調画像から描出 する拡散テンソル画像 (Diffusion Tensor Imaging: 以下 DTI) は 非侵襲的に神経線維を捉え る方法として優れている 近年 この DTI から算出した脳卒中患者の神経線維の画像解析デー タである拡散異方性 (fractional anisotropy; 以下 FA) と運動麻痺との関係について報告されて いる しかしながら FA 値を加えて退院時の予後予測したものは少ない そこで 本研究では 先行研究にあるような日常生活活動における評価のみではなく FA 値が退院時の日常生活活動 の予後予測に影響する因子となりえるか調査することを目的とした 対象 回復期病棟入院中の脳卒中患者 ₁₆ 名 {( 男性 ₈ 人 女性 ₈ 人 ₅₉.₅ ₄₅.₅~₇₇)( 中央値 四分位範囲 )} 方法 DTI 撮影には GE 社製 MR Signa Excite HDXt₃.₀T を用いた 関心領域は画像解析ソフ ト Functool を使用し 皮質脊髄路の解剖学的位置から一次運動野と中脳大脳脚に設定した 同 ソフトにて患側一次運動野の FA 値を算出した 統計学的解析には統計解析ソフト R(version ₃.₂.₄) を用い 上肢 下肢領域の一次運動野 FA 値と functional independence measure( 以下 FIM) との関係を検討するため 入院時における上肢 下肢領域の一次運動野 FA 値と退院時 における FIM 合計点 運動項目合計点 認知項目合計点 各項目の得点との関連について有意 水準は ₅ % 未満として Spearman の順位相関係数を求めた さらに 退院時 FIM 合計点への影 響因子を検討するため退院時 FIM 合計点を従属変数 その他の項目を独立変数として重回帰分 析を行った 倫理的配慮 説明と同意 本研究の対象に対して 事前に書面にて説明と同意を得たうえで 研究を行った 結果 上肢領域 FA 値と有意な相関が認められたのは 退院時 FIM 項目である清拭 (r=.₅₄₆) 上更衣 (r=.₅₂₂) 下更衣 (r=.₆₅₇) であった 退院時 FIM 合計点を従属変数とした重回帰分 析では 独立変数として入院時 FIM 認知項目合計点 上肢領域 FA 値が抽出された ( 調整済 R ₂ =.₆₁₂) 考察 上肢領域 FA 値と上肢機能が主体となる FIM 項目との間に相関があったことから FA 値が退院時における上肢機能の状態を反映していると考えられた また 退院時 FIM 合計点を 従属変数とした場合 抽出因子が FIM 認知項目合計点 上肢領域 FA 値であったことから こ れらは入院時の FA 値が退院時の FIM を予測する因子となり得ることが示唆された 結語 拡散テンソルを用いて脳卒中患者の退院時 FIM への影響因子を検討した結果 FIM 認 知項目合計点 上肢領域 FA 値が抽出された

55 指定演題 2 D 5 回復期と生活期の連携に関する多施設調査 ~ 回復期に勤務するリハビリテーション専門職と介護支援専門員を対象としたアンケート調査 ~ 川野義晴 1) 野坂寿子 2) 原大輔 3) 新居拓也 4) 1) 広島市立リハビリテーション病院 2) 居宅介護支援事業所ケアプランよりしま 3) 日比野病院 4) 広島共立病院 key word: 回復期 生活期 連携 はじめに 医療保険制度の変遷に伴い リハビリテーション ( 以下 リハ ) 医療も急性期 回 復期 生活期に機能分化されたことで 急性期から生活期までの全病期に渡る切れ目ないリハを提供することが求められている 回復期リハ病棟を退院する高齢者の多くは 退院後に介護保険サービスを利用している そのため 回復期から生活期へ円滑なリハの移行を行うには 退院後のケアプランを作成する介護支援専門員と連携を図ることが要点となるが 回復期リハ専門職と介護支援専門員の連携の現状に関する報告は少ない そこで本研究では 回復期リハ専門職と介護支援専門員に対し回復期と生活期の連携に関するアンケートを行い 回復期と生活期における連携の現状と課題を明らかにすることとした 対象 回復期リハ病棟を有する ₃ 病院に勤務しているリハ専門職と居宅介護支援事業所 ₇₄ 施設の介護支援専門員とした 方法 独自に作成した回復期と生活期の連携に関するアンケート用紙に無記名で回答をしてもらった 倫理的配慮 説明と同意 本研究は 当院倫理委員会にて承認を得て実施した また 対象者には本調査の趣旨を書面にて説明し 同意を得たものにのみアンケートを実施した 結果 回答数は 回復期リハ専門職 ₉₅ 名 介護支援専門員 ₁₆₇ 名であった 回復期リハ専門職の₈₆.₉% が介護支援専門員と利用者の退院数カ月前から連携を開始していた 連携の内容は 回復期で行われていたリハの内容や目標が多かった 退院後のケアプランについて 尋ねて助言を行っている回復期リハ専門職は₂₀.₂% であり ケアプランを提示し意見を求めている介護支援専門員は₂₄.₃% であった 介護支援専門員の ₇₈.₇% が回復期退院後に回復期リハ専門職に利用者のことを相談したいと回答しているが 実際に相談しているのは₃₁.₈% であった 考察 本研究では 回復期リハ専門職の ₈ 割以上が利用者の退院数カ月前から介護支援専門員と連携を行っており 回復期でのリハに関する情報共有が主に行われていることが分かった しかし ケアプラン作成に助言をしている回復期リハ専門職と意見を求めている介護支援専門員は共に ₂ 割程度であり ケアプラン作成に双方の視点からの検討が十分にされていない可能性が考えられた また 回復期リハ専門職に対し 回復期退院後に利用者に関する相談の必要性を感じているが 実際に相談している介護支援専門員は ₃ 割程度であった 以上から 利用者の回復期でのリハに関する情報共有は回復期リハ専門職と介護支援専門員の間で行われているが 利用者のケアプランや退院後の問題について 検討や相談が行える関係が十分に構築されていないことが示唆された 結語 回復期リハ専門職と介護支援専門員において 検討や相談が行える関係の構築が必要であると考えられる

56 指定演題 2 D 6 理学療法士の ICU 半日専従による経営面や多職種への影響 石田修平 1) 佐藤慎也 1) 間壁史良 1) 原祐樹 1) 馬庭壯吉 1) key word: 集中治療 理学療法士専従 影響 1) 島根大学医学部附属病院リハビリテーション部 はじめに 集中治療室 ( 以下 ICU) に理学療法士専従を行う病院が増加している一方で 患者 数の変動による非効率化の問題が指摘されている 本院では ₂₀₁₅ 年 ₁₂ 月より半日専従を開始しているが その前後での患者以外への影響は未検討である 本研究では ICU への理学療法士専従による経営面や多職種への影響を明らかにすることを目的とした 方法 経営面に影響を与える要素として 理学療法士の算定単位数 患者の ICU 在室日数 在院日数を挙げた (1) また 多職種への影響として ICU 医師 看護師 ICU 専従以外の一般理学療法士を対象にアンケートを行った (2) 1では 理学療法士専従前後 ₆ ヶ月を対象期間とした 一般 ₈ 名 ICU 専従 ₂ 名の理学療法士の週平均単位数 心臓血管外科術後患者の在室日数 在院日数を専従前後で比較した 2では ICU 医師 ₉ 名 看護師 ₃₁ 名 一般理学療法士 ₈ 名に対して専従開始 ₆ ヶ月以降に 専従の有益性 と 専従の影響 効果 について質問した 解析には SPSS ver.₂₃を用い 有意水準は ₅ % とした 倫理的配慮 患者情報は島根大学医学部医の倫理委員会の承認を得て実施するとともに アンケートは回答をもって同意とみなし収集した 結果 1の週平均取得単位数は 専従前 ₆ ヶ月の値を基準とすると 一般理学療法士で週平均 +₀.₉ 単位であったのに対し 専従理学療法士 ₁ 名は ₄.₀ 単位 もう ₁ 名は ₃.₄ 単位であった 統計学的な有意差は無かったが 減少傾向であった ICU 在室日数は 実施前後で有意差は無かったものの 在院日数は実施前後で有意に減少した ( 前 ₂₃.₅ 日 後 ₁₅.₀ 日 P=₀.₀₃) 2では ICU 医師 看護師 一般理学療法士の₉₀% 以上が専従は有益だと感じていた ICU 医師 看護師の回答では情報共有が円滑に行えること (₄₇.₅%) や早期に理学療法介入が行えること (₃₇.₅%) などであった 一般理学療法士の回答では 情報共有が円滑に行えること (₁₀₀%) や離床が促進されること (₇₅.₀%) が挙げられた一方で 算定単位数の差による不公平感 (₂₅.₀%) なども挙げられた 考察 専従により単位数が低下する傾向はあるが 在院日数の短縮に寄与する可能性が示された これは Kayambu(₂₀₁₃) の報告と同様の結果であり 包括的な視点で有益さを考慮する必要性があると考えられた また アンケート結果では有益な点で情報共有の円滑さを挙げる意見が最も多かった 病棟専従の利点として 過去の報告からも情報共有や連携が円滑になることが示されており 本院でも病状の変化しやすい ICU では特に綿密な情報共有が求められていると考えられた まとめ 算定単位数は減少傾向にあるものの 在院日数の減少に寄与する可能性がある また 多職種にとって情報共有が円滑になるという点でも有益である

57 指定演題 2 D 7 住民主体の通いの場づくりに向けた短期集中型介護予防プログラムの展開 ~ 理学療法士の専門性を活かした元気な地域づくりに向けて ~ 嘉田将典 1) 森山智博 2) 木村愛子 3) 鈴木哲 3) 1) 飯南町保健福祉課地域包括支援センター 2) 飯南町立飯南病院 3) 島根リハビリテーション学院 key word: 短期集中プログラム 介護予防 住民運営の通いの場 はじめに 介護予防の具体的アプローチの一つに国は一般介護予防事業での展開として住民運営の 通いの場の充実を掲げている 市町村は住民に対し強い動機付けを行い 住民主体の活動的な通いの場を創出することが必要であるとされているが 効果的な体操の考案や効果検証 体操継続に関する動機づけに関しては今後 理学療法士が地域リハビリテーション活動支援事業や介護予防 生活支援サービス事業における短期集中介護予防サービスなどで貢献できる部分である 今回 飯南町において 住民主体の通いの場づくりを目的として先進地域の取り組みを参考にオリジナル体操を作成し それを短期集中型の介護予防プログラムに取り入れた 今後 理学療法士として必要とされる介護予防分野での関わり方の一つとして報告する 方法 ₁. 対象 : 地域在住高齢者のうち本研究へ参加意思のあった ₂₆ 名 ( 年齢 ₇₅.₀±₄.₄ 歳 男性 ₈ 名女性 ₁₈ 名 ) ₂. 評価項目 : ₁ ) 基本属性 ₂ ) 運動機能 ( 開眼片脚立位保持時間 Timed up and go test 長座位体前屈) ₃ ) 外出に対する自己効力感 ₃. 介入方法 : ₃ ヶ月 ₁ クール ( 月 ₂ 回 ) として口腔 栄養 運動をテーマとした教育的内容とオリジナル体操の実践を組み合わせた内容を実施して介入終了後も住民主体の通いの場でオリジナル体操を継続できることを目指した オリジナル体操はプログラム中 毎回実施した オリジナル体操は事前に別の対象群で ₃ ヶ月間の効果検証を行い 期待できる効果を参加者に視覚的に伝えられるよう準備した ₄. 統計解析 : 各測定項目の基本統計量を算出後 介入前後で各評価項目の平均値を t 検定を使用して比較した (p<₀.₀₅) 説明と同意 本研究を行うにあたり 参加者に対し文書にて説明をし 本研究発表以外では使用しないこと それにより不利益を被ることはないことを説明し 文書で同意を得た 結果 Timed up and go test 及び外出に対する自己効力感が介入前と比べ 介入後に有意に改善した 参加者の内 ₁₃ 名は介入終了後も住民運営の通いの場で運動を継続している 短期集中型介護予防プログラム終了後の体操継続群と非継続群の間には測定項目に有意な差はみられなかった 考察 先行研究において新規に取り組みを始める高齢者に対して期待される効果を具体的に示すことが介護予防行動に対して 大きな動機付けとして働くとされている 本研究の評価結果からも運動継続で期待できる効果をわかりやすく短期集中プログラムで伝えながら実践することで 運動機能の改善が外出に対する自己効力感の改善につながり 住民主体の通いの場での継続した運動習慣の動機付けになったと考える しかしながら 体操継続群と非継続群の間には自己効力感はじめ他の測定項目にも有意な差はなく 運動継続には自己効力感の改善のみならず 他の因子が関与すると考えられた 結語 一般介護予防事業である地域リハビリテーション活動支援事業により介護予防に向けた元気な高齢者 元気な地域づくりへの取り組みが理学療法士に今後更に期待される 短期集中型介護予防プログラムにおいても 理学療法士の専門性を生かした地域で継続できる仕組みづくりが必要である

58 指定演題 2 D 8 理学療法の臨床実習における効果的なチーム医療 多職種連携教育の検討 - 学生と臨床実習指導者へのアンケートを通して - 木曽貴紀 1) 沖田一彦 2) 長谷川正哉 2) 吉川ひろみ 3) 1) 尾道市立市民病院リハビリテーション科 2) 県立広島大学保健福祉学部理学療法学科 3) 県立広島大学保健福祉学部作業療法学科 key word: 臨床実習 チーム医療 多職種連携教育 アンケート はじめに 近年 大学における学内での専門職連携教育 (inter-professional education: IPE) の 実践が報告されている 一方で臨床実習において 理学療法 ( 以下 PT) 学生がチーム医療や 多職種連携についてどのように学習しているかについての報告はほとんどない また臨床実習指導者 ( 以下 指導者 ) がどのように指導しているかについての報告も少ない そこで本研究では 学生と指導者にチーム医療 多職種連携教育についてのアンケートを行い その問題点を明らかにし 臨床における効果的なチーム医療 多職種連携教育の検討を行う 対象と方法 対象は₂₀₁₆ 年度の臨床実習を全て終了した県立広島大学 PT 学科 ₄ 年生 ₃₁ 名と ₂₀₁₆ 年度の県立広島大学 PT 学科の指導者 ₈₄ 名であった 質問紙の配布 回収は 学生に対しては教室にて直接実施し 指導者に対しては郵送により実施した 質問項目は 学生には1 基本属性 2 臨床実習におけるチーム医療 多職種連携についての経験 3 卒後のチーム医療 多職種連携の実践と教育に対する考えとした また指導者には1 基本属性 2 臨床実習におけるチーム医療 多職種連携教育についてとした 数値データの ₂ 群間の比較には Wilcoxon の符号付順位検定と Mann Whitney の U 検定を 相関については Spearman の順位相関を用いた いずれも有意水準は ₅ % とした 自由記載の内容については必要に応じてコード化した なお 本研究は県立広島大学倫理委員会の承認を得て実施した ( 承認番号 : 第 ₁₆MH₀₂₃ 号 ) 結果 回収率は 学生は₁₀₀% 指導者は₇₂.₆% であった 学生は 具体的なチーム医療の経験について 見学が中心の項目は経験が多かったが 連携を実践する項目は経験が少なかった また チーム医療の学習を指導者から具体的に言葉で教えてもらうことよりも どちらかというと学生自らが現場の雰囲気で学んでいることが多かった (p<₀.₀₁) さらに 施設によるチーム医療の違いを感じ その卒後の実践に不安を感じていた 一方 指導者は具体的なチーム医療の経験について 学生に経験させる必要性を感じてはいても 実際には十分に経験させられていなかった (p<₀.₀₅) また 必要性を感じている内容と実際に経験させている内容には有意な正の相関があった (p<₀.₀₅~₀.₀₀₁) 考察 学生はチーム医療 多職種連携を現場の雰囲気で学んでいることが多く hidden curriculum( 隠れたカリキュラム ) の存在が考えられた 指導者は学生にそれを十分には経験させることができておらず そこには学生側の問題と指導者側の問題が挙げられていた 学生の経験を増やすために 指導者は学生の能力に合わせて適切な足場かけ (scaffolding) を行うことが求められる 卒後のチーム医療 多職種連携の実践に対する不安を解消するために 卒後も継続的な IPE が必要と考える また臨床実習におけるその教育のガイドラインが必要になると思われる

59 一般演題 ( 口述 1 ) O 1 気管支喘息重積発作後に ICU-acquired weakness (ICU-AW) を呈した症例 ~ 多職種協働による早期リハビリテーションを行い自宅復帰ができた症例 ~ 西川準 1) 福田有希 1) 岸本剛志 1) 田中秀樹 1) 篠原香菜子 1) 楫野允也 1) 佐藤穣 2) 1) 独立行政法人国立病院機構関門医療センターリハビリテーション科 2) 同総合診療科 key word:icu-aw 早期リハビリテーション MRC スケール はじめに ₂₀₁₂ 年に米国集中治療医学会が ICU acquired weakness( 以下 ICU-AW) の概念 を提唱してから さまざまな報告がなされてきた しかし ICU-AW 発症例に対する運動療法は 確立していないのが現状である 今回気管支喘息重積発作にて人工呼吸器管理 ステロイドパルス療法を行い ICU-AW を発症したが 多職種で協働し早期リハビリテーション ( 以下 早期リハ ) を行った結果自宅復帰するまでに至った症例について報告する 症例 ₃₀ 歳代女性 身長 ₁₅₈cm 体重 ₄₇kg(BMI: ₁₈.₈) 喘息による呼吸困難で当院救命センター受診 一度は症状改善し帰宅するも同日夜間に呼吸困難増悪し 再度救急搬送され入院加療となった ステロイドパルス療法とネオフィリン メプチン吸入を施行 入院翌日呼吸苦の増悪と CO ₂ の貯留を認めたため 挿管し人工呼吸管理 ( サーボ S) となった 倫理的配慮 説明と同意 本症例には今回の発表に関して説明を行い 同意を得た 理学療法経過 第 ₆ 病日より理学療法開始 人工呼吸管理中 (PCV モード FiO ₂ : ₀.₃ PEEP: ₅cmH ₂ O) にて Richmond Agitation-Sedation Scale(RASS) ₄と鎮静管理中であったため 呼吸サポートチーム (RST) と連携し前傾側臥位による体位ドレナージや関節可動域練習から開始 第 ₈ 病日より CPAP モードへ変更し日中の鎮静の中断を行った 理学療法は 端坐位保持などを実施した その際 鎮静からの覚醒後に両上下肢の脱力性の筋力低下を認めた Medical Research Council Scale( 以下 MRC スケール ):₁₂ 点で両上下肢の近位筋と足関節背屈筋の脱力が著明であった 第 ₉ 病日に抜管し 車椅子への移乗まで実施 第 ₁₆ 病日よりリハビリテーション室での起立練習や低周波療法 上肢機能については吸入薬の使用自立を短期目標に作業療法を追加した 第 ₁₇ 病日より栄養サポートチーム (NST) と連携しリハ実施直後にタンパク質摂取 ( リハたいむゼリー : クリニコ ) を開始した 第 ₂₆ 病日独歩自立し第 ₃₂ 病日自宅へ退院 (MRC スケール :₅₀ 点 ) 考察 小松は 床上安静による不動化を回避するために早期リハを行うことは退院後の QOL の向上や身体機能の改善 在院日数の短縮などに寄与する可能性がある としている また安全に早期リハを実施していくには多職種で協働し実施していくことが望まれる とチームアプローチの重要性も指摘している 本症例では 理学療法の早期介入と RST と連携し鎮静薬中止 抜管後の早期離床活動 MRC 筋力スケールによる ICU-AW の早期発見 また回復期においては NST と連携し運動後のタンパク質摂取などを行った結果 身体機能の向上が図れ自宅復帰が達成できたと考える

60 一般演題 ( 口述 1 ) O 2 開心術後患者の ADL 低下予測因子の検討 富田瑛博 1) 中村公則 1) 廣澤隆行 1) 片山暁 2) 1) 地方独立行政法人広島市立病院機構広島市立安佐市民病院リハビリテーション科 2) 地方独立行政法人広島市立病院機構広島市立安佐市民病院心臓血管外科 key word: 開心術後 ADL 低下 10m 歩行速度 歩行開始日 目的 開心術は 手術に長い時間を要することや人工心肺を使用することから患者に多大な侵 襲を与える 開心術後の理学療法では 早期離床を進めていき 有酸素運動等の運動療法を実施していくことでデコンディショニングを軽減させ 患者が可能な限り早く元の ADL に到達できるように援助していく ほとんどの患者は術後 ₁ ~ ₂ 週間で元々の ADL まで戻るが ときに術前と比べて ADL が低下した状態で退院の運びとなる患者が存在する 本研究の目的は 開心術後退院時に ADL が低下している患者の特徴を調査し その原因となる因子を明らかにすることである 方法 対象は ₂₀₁₄ 年 ₆ 月から₂₀₁₆ 年 ₁₂ 月の間に待機的に開心術を施行された症例 (₁₀₉ 例 ) とした なお 術後に死亡した症例 脳血管 脊髄障害を呈した症例 術前から整形疾患や中枢神経疾患の影響により機能障害がみられた症例 手術前に術前評価を行えなかった症例はあらかじめ除外した 手術前と退院前に ADL の評価を Barthel Index( 以下 BI) を使用して行い 退院時に術前の BI の点数まで戻っている症例を対照群 (₉₈ 例 ) 退院時に術前の BI に達しなかった症例を ADL 低下群 (₁₁ 例 ) とした 各群の術前因子 ( 年齢 性別 BMI 術前左室駆出率 透析の有無 術前 BI 握力 ₁₀m 歩行時間 HDS-R) 手術因子( 手術時間 挿管期間 再手術の有無 ) 術後因子 ( 端座位開始日 立位開始日 歩行開始日 ) を後方視的に調査し ₂ 群間で比較を行った また ₂ 群間で有意差を認めた項目を独立変数 ADL 低下の有無を従属変数としてロジステッィク回帰分析を実施した さらに ADL 低下の有無を予測する因子のカットオフ値を ROC 曲線を用いて感度と特異度から算出した 倫理的配慮 説明と同意 対象者には 研究の趣旨およびプライバシーの保護に関して十分な説明を行い 書面にて同意を得た 結果 対照群と ADL 低下群との間に 年齢 BMI 術前 BI 握力 ₁₀m 歩行時間 挿管期間 端座位開始日 立位開始日 歩行開始日の項目で有意差を認めた ADL 低下の有無と関連因子のロジステック解析分析を行った結果 有意な ADL 低下因子として ₁₀m 歩行時間 ( オッズ比 :₀.₂₄ ₉₅% 信頼区間 :₀.₀₉-₀.₆₁ p<₀.₀₁) と歩行開始日 ( オッズ比 :₀.₃₇ ₉₅% 信頼区間 :₀.₁₆-₀.₈₆ p<₀.₀₅) があげられた ADL 低下を予測するカットオフ値は ₁₀m 歩行時間は ₇.₀₃ 秒 ( 感度 :₀.₈₆ 特異度: ₁ 曲線下面積:₀.₉₅ p<₀.₀₀₁) であり 歩行開始日は ₄ 日 ( 感度 :₀.₈₅ 特異度:₀.₇₂ 曲線下面積:₀.₈₇ p<₀.₀₁) であった 考察 開心術後の ADL 低下に関連する因子として 術前からの歩行能力の低下 術後歩行開始の遅延があげられた 元々の生理的予備能の低下や それに起因する術後のデコンディショニングの進行などが 術後の ADL 低下に影響を与えているものと考える

61 一般演題 ( 口述 1 ) O 3 高齢食道がん術後患者に生じた全身耐久性および筋力低下を退院後の外来指導にて改善できた 1 症例 浜口雄喜 1) 中村真一郎 1) 武市恵理子 2) 山辻知樹 3) 1) 川崎医科大学総合医療センターリハビリテーションセンター 2) 同栄養部 3) 川崎医科大学総合外科学 key word: がんサバイバー 外来指導 運動および栄養指導 はじめに 食物の貯留 撹拌機能がある胃を用い 胃管を形成する食道がん術後は必要栄養量 が不足しやすい また高侵襲手術による蛋白異化亢進の結果 骨格筋量は低下し サルコペニアおよびフレイルに陥るリスクは高いといえる 今回 食道がん術後に気胸 肺炎を併発し 呼吸機能低下を認め 全身耐久性 筋力ともに低下した高齢症例を担当した 退院後の外来にて運動および栄養指導を継続し 術前の全身耐久性 筋力を目指し 一定の改善を得た その経過を考察し 報告する 症例紹介 ₈₀ 歳代男性 身長 ₁₆₈cm 体重 ₆₀kg BMI₂₁.₂ 嚥下困難感のため近医受診し 食道扁平上皮がんと診断され 当院入院後 食道切除胃管胸腔内吻合術 ( 開胸 開腹 ) を施行された 術中 胸腔内高度癒着に伴う胸腔内出血 エアリークを認め 気管切開も同時に施行され 人工呼吸器管理となった 術後 ₉ 日目に人工呼吸器離脱 ₅₀ 日目より経口摂取開始された 倫理的配慮 説明と同意 症例報告に際し 本人に口頭で説明し 書面にて同意を得た 理学療法経過 理学療法は術前 ₂₀ 日より開始し 術翌日より再開していたが術中合併症の影響により離床が遅延した 著明な筋力低下が生じ 病棟内 ADL 全てに重度介助を要した ₇₈ 日目転院時には独歩が可能となっていたが 術前と比較すると呼吸機能 全身耐久性 筋力ともに十分な回復には至っていなかった 術前と転院時の機能は 肺機能検査で % VC が₁₁₄% から ₅₈.₇% 運動能力は膝伸展筋力右 ₂₉.₇/ 左 ₂₈.₁ kg から右 ₁₉.₁/ 左 ₁₆.₅ kg CS-₃₀は₁₃ 回から ₂ 回 ₆MD₄₃₀m から₂₄₃m への低下を認めた ₁₁₃ 日目より 当院消化器外科外来通院開始にあわせ 運動および栄養指導 運動能力測定を開始した 開始時運動能力は転院時と比較し 膝伸展筋力右 ₂₆.₀/ 左 ₂₂.₃kg CS-₃₀が₁₀ 回と下肢筋力は改善していたが ₆MD は₂₄₀m と変化はなかった 月 ₁ 回の外来時に運動能力測定を行い 自宅での運動指導内容がどの程度達成できたかの調査と併せて 運動能力測定の結果をフィードバックし モチベーションの維持に努めた 運動指導内容は椅子からの立ち上がりとカーフレイズを各 ₂₀ 回 ₃ セット 歩数計を使用したウォーキングを指導し ₃ セット行えた日と ₁ 日の歩数を記録してもらい 視覚化できるようにした 栄養指導内容は ₃ 日分の自宅での食事内容を調査し 栄養士からの助言を基に理学療法士がフィードバックした さらに運動後に分岐鎖アミノ酸を摂取するようアドバイスした 術後 ₉ ヶ月で 膝伸展筋力右 ₃₁.₇/₃₃.₉ 左 kg CS-₃₀ ₁₂ 回 ₆MD₃₁₅m まで改善を認めた 結語 近年 早期診断や治療技術の進歩などにより がんサバイバーは増加傾向にあり 退院後の ADL 維持向上は重要な課題である 本症例のような術後機能低下例への継続した運動および栄養指導による機能改善が ADL 維持向上に貢献できると考える

62 一般演題 ( 口述 1 ) O 4 食道癌周術期患者の身体活動量の推移と運動耐容能 栄養状態の調査 水野航作 1) 小西尚則 1) 泉博則 1) 関万成 1,2) 小笠博義 1,2) 田口敏彦 1,2) key word: 食道癌周術期 身体活動量 栄養状態 1) 山口大学医学部附属病院リハビリテーション部 2) 山口大学大学院医学系研究科整形外科学 はじめに 食道癌周術期リハビリテーションにおいて 食事摂取不良等の原因により 摂取エ ネルギーと消費エネルギーの不均衡が生じ 身体活動量や身体機能が改善されない症例を経験することがある そこで 身体活動量のモニタリングに加え 身体機能 栄養状態を経時的に調査し 今後の介入方法の参考とすることを目的とした 対象と方法 当院にて 平成 ₂₈ 年 ₁₂ 月から平成 ₂₉ 年 ₁ 月に胸腔鏡下食道切除術を施行された ₃ 例 ( 男性 ₂ 名 女性 ₁ 名 平均年齢 ₆₈.₃ 歳 ±₇.₇₇) とした 活動量計は 研究用活動量計 HJA- ₇₅₀C( オムロンヘルスケア株式会社製 ) を使用 装着期間は 術前リハ開始日より ICU 入室期間を除き 退院時までとした 各対象者には 更衣時 入浴時 就寝時を除くすべての時間において装着するよう指示した 装着状況については 理学療法実施時に担当者が確認 測定期間中は 対象者に対して身体活動量に対するフィードバックは行わないこととした 調査項目としては 歩行 生活活動での消費 Kcal 歩数をそれぞれ ₁ 日の装着時間 ( 分 ) で除した 栄養状態については カルテより Alb 値を調査した 身体機能評価として 術前 術後 ₂ 週 退院時に ₆ 分間歩行を計測した 倫理的配慮 本研究は対象者に不利益が生じないように匿名化されたデータを使用した また本研究の主旨について説明を行い 同意を得た 結果 症例 ₁ は 術後 Alb 値 身体活動量ともに下降傾向にあり 術後 ₂ 週の ₆ 分間歩行に著明な低下を認め 退院時も改善は不十分であった 症例 ₂ は 術後 Alb 値 身体活動量は上昇傾向であったが ₆ 分間歩行は 術後 ₂ 週で低下し 退院時にも改善は認めなかった 症例 ₃ は 術後 Alb 値 身体活動量は改善傾向にあり 退院時の ₆ 分間歩行も術前と同程度まで改善を認めた ( 表 ₁ ) 考察 症例 ₁ では 術後 ₂ 週目より咳嗽 熱発を認め 食事摂取量が少なかったこと また臥床傾向であったことが原因として考えられる 症例 ₂ では 検査や体調面によりリハビリが実施出来なかったことが多く そのため運動耐容能の改善に至らなかったと考えられる 症例 ₃ では 順調に食事量が増え 活動量も増加傾向にあったため 術前に近い状態まで回復したと考えられる 今回の結果から 栄養状態が運動耐容能や身体活動量と関係している可能性が示唆された おわりに ₃ 例の平均装着率が₃₈.₃% と低値であり 装着時のオリエンテーションが不十分であったこと 症例によっては周知しても装着を忘れることも多く 信頼性に欠ける結果となった 今後は 確実に計測できるような方法の検討が必要であると考えられる また 本報告は山口県理学療法士会学術研究助成制度を利用した

63 一般演題 ( 口述 1 ) O 5 当院における歩行可能な高齢心不全患者の自宅退院の可否に及ぼす要因の検討 雛倉圭吾 1) 櫻木悟 2) 中野愛理 1) 赤塚仁美 1) 米田一也 1) 荒木直哉 1) 1)NHO 岩国医療センターリハビリテーション科 2)NHO 岩国医療センター循環器内科 key word: 高齢心不全 転帰 身体機能 目的 高齢心不全患者は近年増加傾向で加齢や疾病の影響を受け 徐々に活動量が低下してい く 元々 自宅で日常生活を送っていた患者も 入院を機に自宅退院が困難となる例は少なくない 転院 施設入所となれば空床待ち等により状態が安定している患者も転院が遅延してしまうケースも多く 急性期病院において早期に転帰先を決定することは重要である 今回は歩行可能な高齢心不全患者の転帰先決定の一助として 入院時の身体機能から自宅退院困難の要因を検討する 対象 ₂₀₁₆ 年 ₁ 月 ~₂₀₁₇ 年 ₂ 月に入院した₇₅ 歳以上の₁₀m 歩行可能な心不全患者 ₁₅₈ 名のうち 入院中に他疾患を合併した患者 元々施設入所中の患者 検査 治療目的で転院した患者を除いた₁₂₇ 名とした 倫理的配慮 説明と同意 本研究にあたり 対象者にはデータを匿名化し 研究以外では使用しないことを説明し 同意を得た また 厚生労働省等による臨床研究に関する倫理指針を遵守し研究を行った 方法 自宅退院群と転院 施設入所群の ₂ 群に分け 年齢 性別 在院日数 入院から₁₀m 歩行可能までの期間 同居人数 心不全による再入院回数 入院前の歩行形態 ₁₀m 歩行可能となった時点での歩行速度 握力 Barthel index( 以下 BI) 呼吸機能(VC FEV₁.₀) 血液検査データ (NT-pro BNP Cr Alb) を比較した 結果 転帰は自宅退院群 ₁₀₄ 名 ( 年齢 :₈₄.₈±₅.₄ 歳 )vs 転院 施設入所群 ₂₃ 名 ( 年齢 :₈₆.₂± ₄.₉ 歳 ) であった 各項目の比較では 歩行速度 (₀.₅₉±₀.₂₄ vs ₀.₄₁±₀.₁₉m/sec p<₀.₀₁) BI (₈₄.₇±₁₅.₄ vs ₇₀.₄±₁₆.₆ 点 p<₀.₀₁) 在院日数(₂₀.₆±₈.₁ vs ₃₂.₆±₁₅.₆ 日 p<₀.₀₁) ₁₀m 歩行可能までの期間 (₂.₉±₂.₇ vs ₆.₅±₈.₅ 日 p<₀.₀₁) Alb(₃.₄±₀.₄ vs ₃.₂±₀.₄g/dl p<₀.₀₅) で有意差を認めた その他 検討項目に有意差は認められなかった 考察 歩行可能な高齢心不全患者の自宅退院の可否には 歩行能力や日常生活動作能力の低下 低栄養の関与が大きいことが示唆された 歩行可能だが転院 施設入所を考慮した方がよい患者の判断には 理学療法士による身体機能の評価 歩行可能までの日数の情報が有力であり 医療ソーシャルワーカーへ情報提供をすることにより転帰先を早期に決定する一助になりうる また 転院 施設入所の可能性がある患者に対して併せて自宅退院を見据えたリハビリテーションも継続して実施することは 転院調整が長期化した際の退院先の選択肢を増やす意味でも有用であると考える

64 一般演題 ( 口述 1 ) O 6 虚血性心疾患患者における坐位時間の要因は糖尿病合併の有無で異なる - 機能的要因 心理的要因 環境的要因の比較 - key word: 心筋梗塞 糖尿病 坐位時間 溝口桂 1) 1)JA 山口厚生連周東総合病院リハビリテーション科 はじめに 心筋梗塞を代表とする生活習慣病の治療は身体的な機能改善のみならず再発予防を 目的に 指導的要素も包含された内容が推奨されセルフケア行動の改善を目標としている しかし生活行動の変容により心血管系疾患の予防が可能であることが示されている一方で 最近の報告では適度な身体活動を行っていても坐位時間の延長が冠動脈疾患のリスクファクターとなっていることが強調されている また虚血性心疾患患者における糖尿病合併の有無で坐位時間に関する各要因との関連を検討した報告は我々の渉猟の範囲では見当たらない そこで 本研究では虚血性心疾患と診断され入院となった患者を対象に 坐位時間に関するアンケート調査を行い糖尿病合併の有無で坐位時間に関連する要因の違いを明らかにすることを目的とする 方法 当院に治療目的で入院となった急性心筋梗塞もしくは狭心症患者のうち除外規定に当てはまらない₄₆ 名を対象とした 調査事項は坐位時間として国際標準化身体活動質問票 (IPAQ) を用い 心理的要因では自己効力感 (SE) として運動 SE 身体活動 SE 健康関連 QOL として SF-₈ TM を用い 健康統制感として多次元的健康統制感 (MHLC) を用い 環境的要因の評価として国際標準化身体活動質問紙環境尺度 (IPAQ-E) を用い ペットの有無を自己記入式で調査した 身体機能として₁₀m 歩行速度を測定した また診療記録から年齢 性別 糖尿病罹病期間 同居家族の有無 仕事内容 ( 座業 ) を調査した 各調査項目に準じて ₄ から ₆ 段階リッカート式尺度で尋ね その合計または下位項目単独で比較した 坐位時間と各変数の関連性の検討では 各変数の正規性を確認した後に名義尺度変数には Mann-Whitney の U 検定を 順序尺度 比率尺度 間隔尺度変数には Spearman の順位相関分析を用いて比較した いずれの検定も統計学的有意水準は ₅ % 未満とした 説明と同意 対象者には事前に本研究の趣旨と内容を説明し 得られた情報は本研究以外に使用しない事を説明した後に書面にて同意を得た 結果 両群で坐位時間と相関を認めた項目は MHLC 下位項目の internality 同居家族の有無 飼っている犬の数 IPAQ-E の項目 近所に興味をひかれるもの ( 景観 ) がある であり 非糖尿病合併患者で坐位時間と相関を認めた項目は運動 SE IPAQ-E の項目 近所に公共施設などが多い であり 糖尿病合併患者で坐位時間と相関を認めた項目は身体活動 SE 下位項目の歩行 SF₈ TM の項目 日常活動 IPAQ-E の項目 近所にレクリエーション施設がある バイク 車の台数であった 考察 本研究の結果 虚血性心疾患患者の坐位時間に関連する変数で糖尿病合併の有無で違いを認めた 運動療法の指導の際には合併症を含めた個別性を意識しつつ指導する必要性が示唆された 健康づくり研究で注目されてきた中高強度身体活動は ₁ 日の覚醒時間の ₅ % 程度とされ 坐位行動は半数以上を占めるとされており今後 ますます注目して行く必要がある

65 一般演題 ( 口述 2 ) O 7 広島災害リハビリテーション推進協議会 ( 広島 JRAT) の取り組み ~ 組織の活動と熊本地震支援について ~ 小浦伸司 1,2) 天野純子 1,3) 狹田純 1,3) 三上幸夫 1,4) 川村美紀子 1,3) 吉岡政子 1,3) 高橋真 1,5) 杉村暁生 1,6) 片山旭 1,7) 1) 広島 JRAT 2) 緑井整形外科 3) アマノリハビリテーション病院 4) 広島大学病院 5) 広島大学大学院 6) 介護老人保健施設スカイバード 7) 医療法人広島南診療所 key word: 広島 JRAT 災害リハビリテーション 熊本地震 はじめに 東日本大震災を経験し 大規模災害時にはリハビリテーション支援が重要な位置づ けにあることが明らかとなった その後 リハビリテーション関連 ₁₃ 団体から構成される大規模災害リハビリテーション支援関連団体協議会 (JRAT:Japan Disaster Rehabilitation Assistance Team) が設立され また各県単位でも地域 JRAT として全国的に組織されつつあり 災害リハビリテーションチームの養成が徐々に開始されている 広島県でも 広島災害リハビリテーション推進協議会 ( 以下広島 JRAT) として発足し 今後起こりうる災害に対応できるよう組織化され活動している その活動について以下に報告する 活動状況 JRAT は 平時から参加団体相互が連携し 各地域において地域住民と共に災害に立ち向かえるように災害リハビリテーション支援チームを発足させ 大規模災害発生時には災害弱者 新たな障害者 あるいは被災高齢者などの生活不活発病への予防に対する適切な対応を可能とすることで国民が災害を乗り越え 自立生活を再建 復興を目指していけるように 安心 安全且つ 良質なリハビリテーション支援を受けられる制度や体制の確立を促進することを目的としている 広島 JRAT は 医師 理学療法士 作業療法士 言語聴覚士で構成され ₉ 名の役員で運営を行っている また活動に賛同された職能団体や病院等の代表者を世話人として位置づけ 平時より連携を図っている 主な活動内容としては 災害リハビリテーション支援チームの育成 組織化 全国規模のネットワークの構築 災害リハビリテーションに関する教育 啓発のための研修および広報 発災時の組織的かつ直接的な災害リハビリテーション支援などである 熊本地震においても 発足後初めて県外への派遣を行い 平成 ₂₈ 年 ₅ 月 ₃ 日 ~₂₆ 日の間 医師 看護師 リハスタッフで構成された ₄ チームが派遣され 避難所を中心に発災後の活動性の低下による生活不活発病 ( エコノミークラス症候群 ) の予防や避難所のアセスメントと環境調整などの支援を行った 今後の課題 熊本地震において 他県での災害支援における一連の流れを経験し 今後 自県もしくは他県で起こりうる予測不可能な災害に対して 平時から災害リハビリテーション支援に関する基礎研修 教育 支援チーム育成 ( ロジスティック育成 ) 他団体との連携 医師の確保などの課題にも対応が必要である

66 一般演題 ( 口述 2 ) O 8 退院直後の新規利用者の訪問リハビリ開始及び病院リハビリとの連携に関する調査 ~ 当事業所の 1 年間の関与状況 ~ 森田秀紀 1) 森廣史穂 2) 岩谷承伯 1) 井上香南子 1) 五島史歩 1) 高本将臣 2) 森川奈津江 2) 真鍋菜々美 3) 今元亜矢 3) 1) 医療法人和同会訪問看護ステーションハローナース五日市 2) 医療法人和同会訪問看護ステーションハローナース五日市 (OT) 3)( 現所属 ) 医療法人和同会広島グリーンヒル病院 (OT) key word: 退院直後 訪問リハビリ 連携 はじめに 退院直後は生活混乱期とも称され 訪問リハビリの関与が求められることも多い 今 回 当事業所における退院直後の新規利用者の訪問リハビリ開始及び病院リハビリとの連携に関す る実態を調査したので報告する 対象と方法 対象は平成 ₂₈ 年 ₁ 月 ~₁₂ 月の ₁ 年間に当事業所から訪問リハビリが開始された新規利 用者 ₄₅ 名のうち 退院日を含む入院中に依頼があり退院後に訪問リハビリが開始された ₁₃ 名 ( 男性 ₃ 名 女性 ₁₀ 名 平均年齢 ₈₁.₆₉±₁₀.₂₄ 歳 ) である 方法は診療記録及び独自に管理 作成している 新規利用者受入記録を基に ₁ ) 訪問リハビリ開始時の利用者状況 ( 主疾患 介護度 Barthel Index 同居者有無 入院期間 訪問リハビリ頻度 在宅サービス ) ₂ ) 訪問リハビリ依頼 開始 状況 ( 依頼先 依頼日 退院日 訪問リハビリ開始日 ) ₃ ) 入院病院リハビリとの連携状況につい て調査した 倫理的配慮 説明と同意 本調査はヘルシンキ宣言を遵守し全て匿名化されたデータを使用し 当 法人倫理委員会の承認を受けて実施した 結果 ₁ ) 主疾患は骨関節疾患 ₆ 名 脳血管疾患 ₅ 名 神経筋疾患 ₂ 名 介護度は要支援 ₁ : ₁ 名 要介護 ₁ : ₄ 名 要介護 ₂ : ₃ 名 要介護 ₃ : ₃ 名 要介護 ₄ : ₂ 名 Barthel Index:₇₀± ₂₄.₁₅ 点 同居 ₁₁ 名 独居 ₂ 名 入院期間 :₉₈.₆₂±₅₄.₉₇ 日 訪問リハビリ頻度 : 平均 ₁.₃₈ 回 / 週で あった ₁₃ 名全てに訪問リハビリの他に ₂ つ以上の在宅サービスの利用があり 全てに福祉用具かつ訪問介護または通所サービスの利用があった ₂ )₁₃ 名全て介護支援専門員 ( 当法人関連居宅支援事業所 ₂ 名 他居宅支援事業所 ₁₀ 名 地域包括支援センター ₁ 名 ) より依頼され 依頼から退院 ₁₀.₅₄±₈.₆₂ 日 依頼から訪問リハビリ開始 ₁₅.₃₁±₇.₇₃ 日 退院から訪問リハビリ開始 ₄.₇₇±₃.₇₀ 日 ( 退院後 ₁ 週間以内 ₁₀ 名 ) であった ₃ ) 入院先は₁₃ 名全て他院の ₈ 病院 ( 訪問範囲内 外 : 各 ₄ 病院 ) で ₁₁ 名の退院時リハビリサマリー提供があり当事業所より病院リハビリ担当者宛てに全て返礼 FAX を送付していた また 参加を依頼された ₆ 名の退院前カンファレンス全てに当事業所スタッフが参加していた ( ₁ 名は看護師のみ参加 ) 退院時リハビリサマリーの提供や退院前カンファレンスへの参加がない場合などには関係者の了承を得た上で当事業所から連携を図り 面会 ( ₂ 名 : 病院リハビリ場面見学 ₁ 名 退院前訪問指導への同行 ₁ 名 ) や電話連絡 ( ₃ 名 ) を行っており ₁₃ 名全てにおいて入院病院リハビリ担当者からの情報提供を受けていた 考察 本調査では対象者全てが他院からの退院後であったものの退院後早期に訪問リハビリが開始されており その際は福祉用具の活用などによる生活環境の整備や介護者 在宅スタッフへの介助方法の支援などのために病院 在宅スタッフと連携を図る必要があると考える 退院直後だけではなく在宅生活者の入退院時にも病院と在宅の円滑な移行に関与できるよう業務の検討を重ねたい

67 一般演題 ( 口述 2 ) O 9 新人教育に携わる教育者の意識調査 寺山雅人 1) 継田晃平 1) 1) 公益財団法人大原記念倉敷中央医療機構倉敷中央病院リハビリテーション部 key word: 新人教育 教育者 教育用語 はじめに 臨床業務において新人教育に携わる教育者を対象に 新人教育に関する意識調査を 実施したため 若干の考察を加え 報告をする 方法 対象 ₂₀₁₆ 年 ₇ 月に当院リハビリ部に所属し 新人と産休 育休中の者を除く療法士に 対し 新人教育についての無記名自記式質問紙調査を実施した 内訳は PT₄₀ 名 OT₂₅ 名 ST₁₂ 名の合計 ₇₇ 名 ( 回収率 ₉₇.₅%) とした 倫理的配慮 説明と同意 本研究はヘルシンキ宣言に関する倫理指針に準じて実施し 調査票 の回収をもって研究への同意が得られたと判断した 結果 臨床 研究 管理 教育の ₄ つのカテゴリーに対する重み付け ( 合計が ₁₀ となるよう に配分 ) は 臨床 (₄.₆±₁.₅) 教育 (₂.₂±₀.₈) の順に多かった 新人教育で最も重要なもの は何か は 新人の社会性 人間性の向上 (₄₂.₉%) 新人の専門知識 技術の向上 (₂₆.₀%) 新人教育にどの程度関わっているか は 少し関わっている (₅₉.₇%) とても関わっている (₁₆.₉%) 新人教育に興味があるか は 少し興味がある (₅₅.₈%) とても興味がある (₃₁.₂%) で その理由として 共に成長したいからや自分が新人の時にいろいろと教えても らったから等であった 新人教育を経験し プラスになったと感じたことがあるか は とて もある (₄₈.₁%) 少しある (₄₂.₉%) で その内容として ( 複数回答可 ) 基本的知識の再確認 (₇₅.₇%) 教育指導方法 (₆₄.₃%) であった 新人教育で苦慮した経験があるか は とても ある (₄₀.₃%) 少しある (₃₉.₀%) で その内容として ( 複数回答可 ) 教育指導方法 (₉₃.₄%) 教育目標 (₄₁.₀%) であった 教育に関する公的機関企画の研修会 学会への参加 経験があるか は なし (₈₁.₈%) で 教育用語の理解度は 半数以上の者があまり説明でき ない まったく説明できないであった 考察 アンケート結果より 新人教育への関心は高く 新人の教育指導方法の経験がプラスに なる反面 苦慮する経験も多いことが分かった その理由に挙がった 共に成長したいからといった教育者側の成長にも視点を置くことが可能となれば 教育効果も高まると考える また 教育に関する研修会 学会への参加経験や教育用語の理解度は低く 最も理解度の高いポートフォリオについては 新人とリハビリ部の教育委員会にて ポートフォリオに関する研修を行っていることが影響していると考える 教育用語や教育指導方法を学ぶための資料作成や研修を導入することで 教育用語の理解度が向上すると考える 結語 教育者側の成長にも視点を置くことや 教育用語や教育指導方法を学ぶための資料作成や研修を導入することで 自己流だけではなく 新しい教育指導方法を新人教育に活かせる可能性があると考える

68 一般演題 ( 口述 2 ) O 10 松江市におけるロコモティブシンドローム発生要因の調査 内藤優人 1) 須山竜二 1) 馬庭春樹 1) 渡邊剛 1) 1) 松江赤十字病院リハビリテーション課 key word: ロコモティブシンドローム ロコモ度テスト 地域在住中高年層 背景と目的 近年 介護予防の観点からロコモティブシンドローム ( 以下ロコモ ) が注目されている ロコモはロコモ度テストの結果により 移動能力の低下が始まった状態であるロコモ度 ₁ 移動能力の低下が進行している状態であるロコモ度 ₂ に分けられる ロコモ早期発見のためには 普段独歩で外出できる中高年層がロコモ度 ₁ と判定される要因を明らかにすることが重要である 本研究の目的は ロコモ非該当者とロコモ度 ₁ に判定された者とを比較し ロコモ発生の要因を明らかにすることである 対象と方法 当院でのイベントに参加した松江市在住の歩行可能な ₅₉ 名のうち ロコモ非該当またはロコモ度 ₁ と判定された₄₂ 名 ( 年齢 ₆₂.₆±₁₃.₆ 才 男性 ₁₂ 名 ) を対象とした 全員に 立ち上がりテスト ₂ ステップテスト ロコモ₂₅ からなるロコモ度テストを実施し ₄₀cm の台からの片脚起立失敗 ₂ ステップテスト₁.₃m 未満 ロコモ₂₅の合計点が ₇ 点以上の少なくとも一つに該当する₂₆ 名をロコモ群 ( 年齢 ₆₇.₆±₁₂.₃ 才 男性 ₈ 名 ) いずれにも該当しない₁₆ 名を非ロコモ群 ( 年齢 ₅₄.₅±₁₁.₈ 才 男性 ₄ 名 ) とした ₂ 群間で年齢 ロコモ度テスト結果を t 検定または Fisher の正確確率検定を用いて比較した またロコモ度の判定 ( ロコモ度 ₁ またはロコモ非該当 ) を従属変数とし 年齢 性別 ₄₀cm 片脚起立の可否 ₂ ステップ幅 ロコモ ₂₅ 各質問項目を独立変数としてロジスティック回帰分析を行った 有意水準は ₅ % 未満とした 倫理的配慮 説明と同意 対象者には口頭で十分に説明を行い 書面にて同意を得た 結果 ロコモ群は非ロコモ群と比較して有意に高齢であり ₄₀cm 片脚起立の成功率が有意に低下した またロコモ₂₅のうち下肢の疼痛 ( 質問 ₃ ) と急ぎ足困難 ( 質問 ₁₃) の該当率が増加した ₂ ステップ幅は ₂ 群間で有意差は認めなかった ロジスティック回帰分析の結果 ロコモ度 ₁ の判定に対して有意に影響する因子として下肢の疼痛 ( 質問 ₃ ) が抽出された 考察 今回の結果から ロコモ群では下肢の疼痛を有する者が多いことが判明し ロコモ度 ₁ の判定に対して影響を与える因子として下肢の疼痛が抽出された 平成 ₂₂ 年国民生活基礎調査によると 関節疾患の発生は要支援状態になる原因の第 ₁ 位 要介護状態になる原因の第 ₄ 位とされている また変形性膝関節症の理学療法診療ガイドラインでは 疼痛が身体活動の困難さに影響することが示されている これらを踏まえると 下肢の疼痛がロコモ発生にも関与する可能性が考えられた 今後の課題として 疼痛の具体的な評価や ロコモ度テストに加え身体機能検査を併せて実施する必要がある 結語 ロコモ度 ₁ と判定された者には下肢の疼痛を有する者が多く 下肢の疼痛はロコモ発生に影響を与える可能性が示唆された

69 一般演題 ( 口述 2 ) O 11 臨床実習教育における指導者からみた学生の印象変化 -VAS とテキストマイニングによる分析 - key word: 臨床実習教育 VAS テキストマイニング 北﨑晋一郎 1) 中江誠 1) 二宮省悟 2) 1) 医療法人社団青寿会武久病院 2) 九州看護福祉大学 目的 臨床実習 ( 以下 実習 ) は 一緒に働きたいと思えるような学生を育成する上でも大切 な場と考えている 本研究では 実習において学生がどのような行動変容を起こすことが望ましいか その肯定的な変化が 働いてみたいと言う感情にどう影響を与えているかを指導者の言葉に定量性を持たせることで類型化し 臨床教育に活かすことを目的に行った 対象 当院で平成 ₂₇ 年 ₁ 月から平成 ₂₈ 年 ₁₂ 月までの ₂ 年間に実習を行った学生 ₆ 名 ( ₄ 年制大学 ₃ 校 ) 実習形態は 評価実習 ₁ 回 ( ₆ 週 ) 長期実習 ₅ 回 ( ₇ 週 ₁ 回 ₈ 週 ₃ 回 ₁₂ 週 ₁ 回 ) であった 一回の実習を ₄ 名の指導者体制 ( 臨床教育者 ₁ 名 ケースバイザー ₃ 名 ) で行った 対象は 延べ₂₄ 名 ( 経験年数 : ₅ 年未満 ₁₀ 名 ₅ ~₁₀ 年 ₁₀ 名 ₁₀ 年以上 ₄ 名 ) である 方法 実習期間中の中間評価時と最終評価時に この学生と一緒に働きたいか という指導者の主観を ₀ は働きたくない ₁₀は働きたいと設定して Visual Analog Scale( 以下 VAS) にて定量化を行った また 学生評価で 担当した学生の良いと感じた部分 を自由記載とした 自由記載に関しては テキスト形式 (.txt) にデータ化し KHcoder を使用してテキストマイニングを行い 頻出語を抽出した 抽出語で共起ネットワークを作成し 学生の実習指導においてどのような行動によい印象を持っているかを分析した 統計処理は 中間と最終の VAS 値の差を対応のある t 検定で行い 有意水準を ₅ % 未満とした 倫理的配慮 本研究は 当院倫理委員会の承認を得たものである( 承認番号 ₁₇-₀₀₃) 結果 VAS は ₅₆mm( 中間 ) から₆₀.₂mm( 最終 ) へと有意に増加を認めた (P=₀.₀₄₉) 自由記載から₂₃₅ 語が抽出された 出現回数上位 ₆ 項目までの最頻語は 患者 (₂₁) 礼儀 (₇) 正しい (₇) 積極 (₆) コミュニケーション (₅) 話す (₅) と主に情意領域に関する単語であった また 最頻語内は 質問 (₃) 疑問 (₃) 解決 (₂) 行える (₂) という認知 精神運動領域に関する単語もあった 考察 今回 VAS から 学生と一緒に働きたい という感情への傾きが確認された それは テキストマイニング分析から知識 技術は必要としながらも情意領域を優先的に評価する理学療法士像として見受けられた Bloom らの教育目標分類では 認知 精神運動 情意の ₃ つの領域に分類され 実習においても この ₃ 領域に関する成長を促し強化する必要がある 本研究の結果から 実習に関する理学療法士の教育観として情意領域を最も大切にしており それが学生と一緒に働きたいという感情との間で関係性を強くしている特徴があることが分かった また 認知 精神運動領域に関する単語も少数であるが認め 理学療法士になるための教育の場では 情意領域を優先的にしながらも 認知 精神運動領域を実習に意識的に取り入れることで より一緒に働きたいという感情へ傾くことが示唆された 今後も対象数を増やし 学生の印象変化について 客観的な評価を用いて明らかにしていきたい

70 一般演題 ( 口述 2 ) O 12 クラウド型情報共有システムを利用した地域連携の模索 日野郡地域包括ケアシステム構築に向けた取り組み 田中武志 1) 井上和興 2) 山口浩一 3) 1) 日野病院組合訪問看護ステーションすまいる 2) 鳥取大学医学部地域医療学講座 3) 日野病院組合日野病院地域連携室 key word: 地域包括ケアシステム クラウド型医療介護情報共有システム 画像添付機能 はじめに 現在 鳥取県日野郡では高齢化率が ₄₀% を超え 在宅医療に関わる多施設 多職種 間での情報共有や連携が重要となってきている 日野病院組合では地域包括ケアシステム構築に向けての取り組みとして 平成 ₂₂ 年度より医療 保健 福祉機関 ( 以下関係機関 ) の情報共有を目的に医療介護連携情報提供書を運用してきた そして 平成 ₂₆ 年度には 鳥取大学地域医療学講座とクラウド型医療介護情報共有システム ( 以下システム ) を共同開発し 関係機関において要介護認定者の情報共有に活用している 今回 システムの有効性と課題の検証を目的に自記式質問票調査を行ったのでここに報告する 対象と方法 平成 ₂₈ 年 ₄ 月にシステム利用者 ( 以下利用者 ) に対して自記式質問票調査を実施した 調査内容は システムについて1 全体 2 連携 3 質に関する ₅ 段階評価を [ そう思わない ][ あまりそう思わない ][ どちらでもない ][ 少しそう思う ][ そう思う ] にて実施 その他 自由記載と ₁ ヶ月の平均閲覧回数で構成した 倫理的配慮 説明と同意 本報告にあたり 対象者には研究の趣旨を説明し同意を得た また 倫理的配慮に関して厚生労働省等による医学研究指針を遵守し 当施設の承認を得たうえで実施した 結果 アンケートの回収率は₁₀₀%(₃₇/₃₇) であった 調査内容の1 2 3において 少しそう思う そう思う と回答した % を以下に示す 1 システムは役立っていますか は₅₁% であった 2 地域連携に役立っていますか ₃₅% 施設間の連携に役立っていますか ₄₃% であった 3 入退院時の状態は比較しやすくなりましたか ₄₂% 画像登録機能は有益と考えますか ₄₉% であった 自由記載では 使用する人が限られている 閲覧画面が情報を把握しにくい 紙の方が便利 動画が閲覧できる環境が整っていない 紙では正確に伝えられない情報 (ADL や住環境 ) はシステムを利用して動画や画像で共有すると効果的 等の意見があった 利用者の平均閲覧回数は約 ₂ 回 / 月であった 考察 今回の調査結果から 約半数は画像添付機能が有益と判断している事が分かった その一方で 自由記載により画像添付機能が有効に活用されていない事 地域によってインターネット環境が整っていない事等の問題点も挙げられた また 平均閲覧回数が ₂ 回 / 月とシステム利用が普及していない事が示唆された この背景には 画面の閲覧のしにくさや 更新の煩雑さがあると考えられた この事から 地域包括ケアシステム構築に必要な 情報共有や連携をより円滑に行うために システムの特徴である画像添付機能の強化や利用者のための画面レイアウトの変更等のバージョンアップが必要と考える 結語 今後の活動として 利用者の意見をシステムに反映させる事を目的に 関係機関への説明会開催及び利用者への聞き取り調査等を行う予定である

71 一般演題 ( 口述 3 ) O 13 生活行為向上を可能にするマネジメント 活動 と 参加 に向けたセラピストの役割 杉野良典 1) 1) 介護老人保健施設まお key word: 活動 と 参加 のリハビリテーション 生活行為向上を可能にするマネジメント 利用者 通所リハビリテーションスタッフ 他事業所への啓発 はじめに 平成 ₂₇ 年度介護保険改定で 生活行為向上リハビリテーション加算 リハビリ テーションマネジメント加算 Ⅱ が新設され 通所リハビリテーションでは地域の生活期におけるリハビリテーション機能の発揮が今まで以上に求められている それは 活動 と 参加 のリハビリテーションを進め 生活行為能力 を明確に向上させ 社会参加 へつなげることであり そのための効率の良いシステムの構築が必要である 今回 生活行為能力 を向上する為のリハビリテーションマネジメント方法の構築を中心に 当事業所における新しいシステム作りに取り組んだのでその活動を報告する 倫理的配慮 説明と同意 本報告は 利用者個人が特定されないよう十分な配慮を持って行った また本報告は 当法人理事長および当施設管理者の承諾を得て行っている 活動状況 まず利用者の 活動 と 参加 に向けた意欲の向上とリハビリテーション内容の変更を図る取り組みを行った また それに合わせて啓発 周知目的の説明を当事業所の利用者およびスタッフ 当法人の介護支援専門員へ向けて実施した しかし 従来からのセラピストによるマンツーマンでのリハビリテーション対応の中で 活動 と 参加 のリハビリテーションへ変更したために時間的な不足が生じていた そこで より多くの 活動 と 参加 のリハビリテーションを効率的に提供できる小集団でのリハビリテーションプログラムを作成し実践した しかし 事業所全体のサービスではまだ 活動 と 参加 を促す要素が少なく 利用者への啓発には不十分と考えた そこで 事業所全体で行うサービスを 活動 と参加の視点を入れたプログラムに変更した 介護士や看護師とその方向性を共有し 組織として提供していくことで 更なる利用者への啓発とした そして リハビリテーション会議 を設置して利用者の目標を支援し 加算の算定も含め 総合的に利用者をマネジメントできる体制を整えた 今後の課題 リハビリテーションの質を高め 生活行為能力 を向上させるシステムを構築 することができた しかし まだ地域の介護支援専門員やご家族との連携が十分取れていない その連携に基づき 参加 レベルでの活動を獲得していくことが今後の大きな課題である また 求められている通所リハビリテーションの 卒業 においては 他事業所との連携が必須と考え 地域の他事業所全体に向けた研修会などを行ってきた しかし卒業を伴う連携のシステムを構築するまでには到っておらず 今後の課題である

72 一般演題 ( 口述 3 ) O 14 離島にある自宅へ復帰が実現できた要介護 5 の一事例 ~ 包括的リハビリテーションアプローチの報告 ~ 奥島悠大 1) 清水一 1) 1) 社会医療法人千秋会井野口病院リハビリテーション科 key word: 包括的介入 離島 住宅改造 はじめに 運動機能障害や介護負担増大により自宅復帰困難となる脳卒中患者への介入は簡単 な事ではない その為 自宅復帰に向けて機能予後予測し 生活環境調整及び家族支援を図る事は重要である 今回 家族の積極的協力が得られ 生活環境に及ぶ包括的介入により 離島で屋内生活修正自立した事例を経験したので報告する 倫理的配慮 説明と同意 当院研究倫理委員会の承認の下 患者 家族には本研究の趣旨と個人情報保護を説明し了承を得た 症例紹介 右放線冠ラクナ梗塞を呈した ₇₀ 代男性 既往歴に左下肢小児麻痺 左放線冠ラクナ梗塞 病前は妻と二人暮らしで 眼鏡屋を営んでいた 左下肢金属支柱付き長下肢装具装着し生活は自立していた Brunnstrom stage( 以下 ;Br.s): 左右上肢 Ⅴ 右下肢 Ⅲ 左下肢 Ⅰ 重度摂食嚥下 構音障害 経鼻経管栄養 主訴 食べられるようになりたい 家族要望 移動 トイレ動作獲得 高次脳機能障害に注意機能障害 感情失禁あり 筋力 (GMT): 両上肢 ₄ 右下肢 ₃ 体幹 ₂ 病棟内車椅子生活 : 軽 ~ 中等度介助 機能的自立度評価表 ( 以下 ;FIM)₅₃ 点 ( 運動 ₃₀ 点認知 ₂₃ 点 ) 自宅復帰の問題点に トイレや浴室等に環境因子 家族介護負担増大が挙げられた 経過 発症後 ₄ 病日より状態安定し A 病院でのリハビリテーション ( 以下 ; リハ ) 開始 ₄₅ 病日目にリハ目的で当院転院 ₄₇ 病日から回復期リハビリテーション病棟に転棟となる 徐々に身体機能向上認め ₁₄₄ 病日に病棟内車椅子生活修正自立となるも 家族介護不安強く施設退院検討される しかし 本人が自宅復帰を強く希望した為 ₁₆₈ 病日目に家族付き添いの下で家屋調査実施 家族に住宅改修 改造が必要な箇所の具体案に関して情報提供を行い それを元に家族が建築業者に相談の上 住宅改造を行う事となった その為 住宅改造後を想定し 上肢屈曲運動等の代償動作 残存機能発揮を強化したリハを実施 他院へ転院後 住宅環境整うと共に自宅復帰した 退院後フォローアップ時 Br.s: 左右上肢 Ⅵ 右下肢 Ⅳ 左下肢 Ⅰ 嚥下調整食 Ⅲ 筋力 (GMT): 両上肢 ₅ 右下肢 ₃ 体幹 ₄ FIM₉₄ 点 ( 運動 ₇₀ 点認知 ₂₄ 点 ) 介護度: 要介護 ₅ 家屋調査で挙げた問題点改善により車椅子生活修正自立し 積極的な活動場面認めた 考察 本症例は 両側性病変による重度心身機能障害に加え 離島という生活環境から自宅復帰は困難と思われた しかし 住宅改造が可能であり残存機能を最大限に発揮できる環境を調整した事 患者 家族への包括的介入により家族介護不安の軽減が図れた事が 結果として問題点への介入に繋がったと考えられる トイレや浴室等の生活環境に及ぶ包括的介入が 患者 家族の納得した自宅退院を可能とし 生活の質向上に貢献出来たと考える 結語 生活環境に及ぶ包括的介入は生活の質を向上させる事を報告した 残存機能を活かせる環境調整によって 要介護 ₅ でも生活が修正自立し自宅復帰出来る

73 一般演題 ( 口述 3 ) O 15 腰椎椎体圧迫骨折を繰り返したパーキンソン病患者の 1 症例 金尾亮兵 1) 竹政敏彦 2) 1) 特定医療法人財団竹政会セントラル病院リハビリテーション科 2) 特定医療法人財団竹政会セントラル病院整形外科 key word: 腰椎圧迫骨折 姿勢再教育 パーキンソン病 はじめに 人口の高齢化に伴い 骨粗鬆症に起因する脊椎椎体圧迫骨折 ( 以下 圧迫骨折 ) は 増加傾向にある 転倒を契機に受傷する例が多いが 誘因なく受傷する例も珍しくない その原因として骨粗鬆症 体幹筋力の低下や胸腰椎の後弯による椎体への圧潰ストレスの増加が考えられる また圧迫骨折後は椎体の静力学的支持機構の破綻から脊柱後弯が増悪し 再発や慢性腰痛症へ移行することも多い 今回 パーキンソン病による姿勢異常を有し 圧迫骨折を繰り返した症例の運動療法を経験したので考察を交えて報告する 症例紹介 ₇₀ 歳代男性 パーキンソン病 (Hoehn&Yahr Ⅲ) 内服加療中 腹筋運動中に腰痛出現 経過観察していたが改善なく 当院整形外科受診し L₂ 椎体圧迫骨折と診断され 加療目的にて入院となった 病前 ADL は自立していたが すくみ足 小刻み歩行 前傾姿勢など姿勢反射障害がみられていた 倫理的配慮 発表に際して患者本人にその主旨を説明し 口頭にて了承を得た 理学療法経過 当院入院後 軟性コルセット完成まではベッド上にて下肢体幹筋力強化運動を中心に実施した コルセット完成後離床が許可され 歩行練習へ進めた 入院後 ₃₁ 病日目に ₁ 本杖歩行安定し病棟内 ADL 自立したが ₃₈ 病日目に誘因なく腰痛増強 画像所見にて L₄ 圧迫骨折と診断された ₁ 週間はベッド上での機能維持訓練を中心に理学療法介入 その後 離床再開し ₉₈ 病日目に自宅退院となった ₁₁₅ 病日目に再度誘因なく腰痛増悪し 画像所見にて L₅ 圧迫骨折と診断された 本人が自宅療養を希望し ₂ 週間の安静後 外来理学療法を開始した 胸腰椎の後弯が繰り返す圧迫骨折の原因の一つと考え 姿勢異常へのアプローチとして 腹側体幹筋および股関節周囲筋のストレッチ 骨盤前後傾運動 体幹筋力強化運動を実施した 静的座位 立位において良姿勢保持が可能となり腰痛の軽減と ADL 能力の向上がみられた 屋外へ散歩に出かけるなど活動性も向上したが 歩行時の体幹前傾姿勢は残存し痛みも完全に消失とはならなかった 考察 パーキンソン病患者の姿勢異常の原因は十分に解明されておらず治療法も確立されていないが 感覚フィードバックによる姿勢再教育とストレッチ 筋力強化を同時に行うことが推奨されている 本症例では骨盤前傾位が保持できず その原因を位置覚の低下と 姿勢保持筋力低下と考えた 位置覚の是正として バランスディスク上で骨盤の前後傾運動を行い 凹みをフィードバックとして利用した また姿勢保持筋に対しては骨盤前傾位を保ったまま上肢を前方に挙上し 屈曲モーメントに対し体幹を保持することで体幹筋力強化を図った 結果 静的姿勢異常は改善し圧迫骨折の再発は起こらず 腰痛の軽減にも繫がった 一方で パーキンソン病は 進行性疾患であることから 今後も自主運動指導を含め 継続したアプローチが必要と考える

74 一般演題 ( 口述 3 ) O 16 被殻出血により右片麻痺と失語症を呈した症例に対する就労支援の経験 key word: 脳卒中 就労支援 QOL 村上祐介 1) 1) 脳神経センター大田記念病院リハビリテーション課 はじめに 中途障害者にとって 生活を再建していく過程での 就労 は QOL を高めるう えで重要な要素の一つである 当院の脳卒中データベースによると ₂₀₁₀~₂₀₁₅ 年の間に当院に入院した脳卒中患者 ₇₀₇₂ 名の発症年齢は 平均 ₇₂.₁₈±₁₃.₀₁ 歳であり ₇₀ 歳以上が₆₂.₄% を占める しかしながら 生産年齢 (₁₅~₆₄ 歳 ) の患者も₂₅.₄% 発症しており 脳卒中患者のリハビリテーション ( 以下 リハ ) において 就労を支援することは重要と思われる 今回 左被殻出血により右片麻痺と失語症を呈した症例に対して就労支援を行った経験を考察を交えて報告する 症例紹介 症例は₄₀ 歳代の女性で左被殻出血により右片麻痺と失語症を呈した 他院にて約 ₆ ヶ月間の入院リハ実施後 自宅退院となったが 更なる改善を目指し当院外来リハ開始となった 開始当初は 歩行能力の改善や家屋内の動作の自立を目的に介入したが 歩行能力の向上や生活範囲の拡大に伴い 本人より 仕事がしたい という発言があった そのため 介入 ₁₃ヶ月目より就労支援を目的とした介入へと計画を変更し 併せて 就労支援事業所の利用も開始した この時点の言語機能は 理解 表出ともに短文レベルであったが 日常的なコミュニケーションには大きな問題はなかった 知能はコース立方体組み合わせテストにて IQ₁₀₅であった 随意性は Br.stage 上肢 手指 下肢 Ⅲであった 移動能力は短下肢装具を装着し T 字杖利用下での屋内外の歩行が自立レベルであった 倫理的配慮 ご本人に趣旨を説明し同意を得ている 経過 理学療法では通勤手段の獲得を目的に介入した まずは 就労支援事業所と自宅間の移動の自立を目的に 交通アクセスのよいバスの利用に対する介入を行った 実際にバスに乗車し得られた問題点に対して訓練室内にて課題練習を実施した また 料金の支払いが行いやすいように電子マネーを利用することとし 首から下げて使用できるよう工夫した 理学療法士との練習のみでなく 本人と家族による乗降練習も実施した 介入 ₂₆ヶ月目には一人でバスを利用することが可能となった また 通勤のためには電車の利用も必要であったため 電車の利用に対する介入も行い 介入 ₃₆ヶ月目には電車の乗降が自立した 症例は事務職を希望していたが 失語症の影響により事務職での採用は得られなかった しかしながら 就労支援事業所のサポートもあり スーパーで販売する野菜の袋詰めなどの仕事を得ることができ 障害者雇用枠での就労が可能となった 就労が可能となったことで 発症前と比較し収入は減少したものの 症例が余暇活動に費やすための十分な賃金を得ることができた これにより ショッピングや友人と外食に行くことなどが可能となった 考察 就労が可能となったことで 外出や人と会う機会が増加し QOL の向上が図られたと思われた 経済的な自立が図れることは QOL を高めるうえで重要な要素の一つであると思われた

75 一般演題 ( 口述 3 ) O 17 短下肢装具作製時期による Functional Ambulation Categories への影響 入院時 Brs Ⅱ~Ⅲ での歩行改善例 介助歩行例との時期に着目して 神田一路 1) 足野正洋 1) 野田智文 1) 1) 出雲医療生活協同組合出雲市民リハビリテーション病院 key word: 脳卒中 FAC 装具療法 目的 脳卒中患者に対して装具を使用しての早期歩行訓練を行うことが脳卒中ガイドラインに て推奨されている また 装具療法は多くのエビデンスが確認されている しかし 装具作製時期と Functional Ambulation Categories( 以下 FAC) を検討したものは見当たらず 装具作製時期は明確にされていない そのため 作製時期はセラピスト毎に意見が異なり 作製まで備品装具で対応することも多いと思われる そこで脳卒中片麻痺患者の装具作製時期と FAC の影響を調査することとした 対象 ₂₀₁₃ 年 ₄ 月 ~₂₀₁₆ 年 ₁₂ 月に当院で入院した Brunnstrom stage( 以下 Brs)Ⅱ~Ⅲの初発脳卒中患者のうち短下肢装具 ( 以下 AFO) 作製患者 ₂₅ 名を対象とした 方法 対象患者の情報をカルテより後方視的に抽出した 本研究は歩行介助群(FAC₀~₂) 歩行改善群 (FAC₃~₅) に分けて両群の装具作製時期 入院時 FAC 入院時 Brs のそれぞれ二群間比較を行った また 退院時 FAC と装具作成時期 入院時 Brs の相関分析も同時に行った 統計処理は対応のない t 検定を用いた 有意水準を ₅ % 未満とした 倫理的配慮 本研究( 報告 ) にあたり 対象者には研究の趣旨を説明し同意を得た また 倫理的配慮に関して厚生労働省等による医学研究指針を遵守し 当施設の承認を得たうえで実施した 結果 歩行改善群 ₁₃ 例 (₈₉.₂±₂₈.₉ 日 ) は歩行介助群 ₁₂ 例 (₁₁₆±₂₇.₆ 日 ) と比較し 装具作製までの日数は有意に短かった (P<₀.₀₅) FAC と装具作成時期には負の相関を認めた (r= ₀.₃₆) 歩行改善群 歩行介助群の入院時 FAC に有意差は見られなかった 歩行改善群は歩行介助群と比較して Brs は有意に良好であった (P<₀.₀₁) FAC と入院時 Brs には正の相関を認めた (r=₀.₅₄) 改善例は Brs Ⅱが₁₄ 例中 ₄ 例 Brs Ⅲが₁₁ 例中 ₉ 例であった 考察 本研究の結果 随意性が良好で装具作製までの日数が短い症例患者は高い歩行改善が得られていた Tyson ら (₂₀₀₉) は AFO の使用により歩行活動を改善することができると報告している また Veerbeek ら (₂₀₁₁) は歩行特異的な運動療法に費やす時間の増加は歩行能力に影響を及ぼすと報告している 本研究でも AFO 使用により歩行の改善 本人用装具として病棟内歩行が可能となるなど適切な難易度での歩行量増加が図られたことが歩行獲得の一因と考えられる また 入院時の随意性が良好だと歩行改善が得られていた 二木ら (₁₉₈₂) は随意性が良好なほど歩行自立比率が高いと報告している 歩行において随意性は重要な因子と考えられる しかし 随意性が良好でない場合でも歩行の改善がする例もあったため 装具作製時期に加え 他の因子も検討する必要があると考える 展望 本研究は後ろ向き研究のため 装具の治療効果の検討は出来ない さらなる検討を進め 相関が高いものを明らかとし 比較試験の実施を検討していきたい

76 一般演題 ( 口述 3 ) O 18 機能的電気刺激を用いた介入により長期的な歩行能力の向上を認めた一症例 key word: 脳卒中片麻痺 機能的電気刺激 歩行 景山友加里 1) 大島埴生 1) 斎雅夫 1) 1) 岡山リハビリテーション病院リハビリテーション部 はじめに 脳卒中片麻痺例の歩行時の特徴として非対称性歩行があげられ 問題点として麻痺 側立脚期の支持性低下がある 原因の一つとして立脚初期から中期にかけての股関節外転モーメントの低下による骨盤帯の不安定性があるとされている これは杖歩行と独歩を比較すると容易に観察できる現象であり この問題点に対して中殿筋への機能的電気刺激 ( 以下 FES) が報告されている (Kim JH, ₂₀₁₂) 脳卒中治療ガイドライン₂₀₁₅においても FES を用いたリハビリテーションは推奨グレード B とされており FES の効果が期待されている しかしながら即時的な効果は検証されているものの 長期的な効果に関する報告は少ない 今回 中殿筋への FES を使用した歩行練習により非対称性が改善し長期的な歩行能力の向上を認めた症例に関して報告する 対象 右被殻出血により左片麻痺を呈した₄₀ 代の男性 Brunnstrom Recovery Stage 上肢 Ⅲ 手指 Ⅱ 下肢 Ⅲ 歩行はタマラック式短下肢装具と杖を使用して自立している 倫理的配慮 説明と同意 本報告にあたり 対象者には研究の趣旨を説明し同意を得た また 倫理的配慮に関して厚生労働省による医療研究指針を遵守して実施した 方法 FES 装置は電気刺激装置 DRIVE(DENKEN 社製 ) を使用し 電気刺激は麻痺側立脚期の中殿筋に対し徒手的にタイミングを調整しながら歩行練習を ₂ 週間行った 評価項目は₁₀m 歩行速度 歩数を杖歩行と独歩の両方で検証を行った 結果 症例から どこに力を入れて歩けば良いか分かった という発言が聞かれるようになり歩容の改善を認めた また ₁₀m 歩行速度は介入前後で T 字杖 ₁₃.₇₂/ 秒から₁₁.₀/ 秒 独歩 ₁₅.₃₅/ 秒から₁₁.₂₈/ 秒 歩数は T 字杖 ₁₈ 歩から₁₆ 歩 独歩 ₂₁ 歩から₁₆ 歩となり杖歩行と独歩における歩行速度と歩数の差が短縮した また さらに ₂ 週間後に行った評価においても歩行速度は独歩 ₁₁.₁₆/ 秒 歩数 ₁₆ 歩となり持続的な効果が得られた 考察 今回 中殿筋への FES によって麻痺側外転筋の収縮を促すことで麻痺側立脚期の支持性が向上し 立脚時間が延長したことで対称性が改善したと考えられる 長期的な効果を認めた理由として運動スキルの向上がある 運動スキルの学習には注意の焦点をどこに当てるかを理解しているかが重要とされている (Carr J ₂₀₀₂) 練習中に患者が何に注意を払うべきか決定することが重要だが 言語的なフィードバックは動作手順を教示しやすいものの 運動の感覚的側面は教示しづらい 今回 FES を用いて治療を行うことで麻痺側立脚期における中殿筋の正しいタイミングでの収縮モデルを呈示でき 電気刺激の有無によるパフォーマンスの相違が比較できたことで 患者本人が正しい運動を行えたことが自覚でき 正しいフォームでの練習を反復して行えた点が長期的な運動学習の獲得につながったと考えられる 今後は症例数を増やし対照群と比較することで これらの変化が一般的であるか調べる必要がある

77 一般演題 ( 口述 4 ) O 19 下腿三頭筋における 2 種類のストレッチが脊髄興奮性に及ぼす影響 橋本広徳 1) 鈴木哲 1) 石川衛 2) 苅田哲也 2) 松浦晃宏 2) 1) 島根リハビリテーション学院 2) 大山リハビリテーション病院 key word: ストレッチ 誘発筋電図 脊髄興奮性 はじめに ストレッチは静的ストレッチと動的ストレッチがあり さらに動的ストレッチは ダイナミックストレッチと バリスティックストレッチに大別することができる 立位での下腿三頭筋に対する静的ストレッチは Ⅰ b 抑制により 筋緊張状態の指標となる脊髄前角細胞の興奮性 ( 以下脊髄興奮性 ) を下げるとされている 立位での下腿三頭筋に対する動的ストレッチは 前脛骨筋の相反神経抑制により 脊髄興奮性を下げるダイナミックストレッチの要素と 下腿三頭筋に加わる伸張反射により 脊髄興奮性を上げるバリスティックストレッチの要素を含んでおり 一般的に実施されている下腿三頭筋に対する動的ストレッチの脊髄興奮性に与える影響は未だ明確でない そこで 本研究は 誘発筋電図による H 波を脊髄興奮性の指標とし 下腿三頭筋に対する静的ストレッチと動的ストレッチが脊髄興奮性に与える影響を検討することで 運動療法における基礎的根拠を得ることを目的とした 対象と方法 対象は 下肢に神経障害の既往がない健常成人男性 ₁₄ 名とした H 波の測定は左下肢 ₁₄ 肢に行い 被検筋はヒラメ筋とした 全ての対象者に対して 安静時 静的ストレッチ条件と動的ストレッチ条件の ₃ 条件で H 波を測定した 静的ストレッチおよび動的ストレッチは それぞれ₁₅ 秒間実施し その直後の₁₅ 秒間の H 波を測定した これを ₂ 回繰り返し ストレッチ実施 ₁ 回目後 ₂ 回目後の H 波を得た 説明と同意 本研究は すべての対象者に対し事前に口頭と文章で研究の趣旨と内容を説明した 本研究は島根リハビリテーション学院の倫理審査委員会の承認を得て実施した ( 承認番号 : ₂₆) 結果 静的ストレッチにおいて安静時 ストレッチ実施 ₁ 回目後 ₂ 回目後の各群間で有意な H 波の差は認められなかった 動的ストレッチは安静時に対し ストレッチ実施 ₁ 回目後 ₂ 回目後ともに有意な H 波の低下が認められた 安静時の H 波振幅を基準とした各ストレッチの H 波の振幅変化率は 動的ストレッチは静的ストレッチと比べ ₁ 回目後と ₂ 回目後それぞれ有意に低かった 考察 本研究における静的ストレッチ条件では H 波の有意な低下は認めず 脊髄興奮性に影響を与えない可能性が示唆された 動的ストレッチ条件においては 安静時に比べ ₁ 回目後 ₂ 回目後ともに H 波の有意な低下を示した このことから 下腿三頭筋に加わる伸張反射より 前脛骨筋からの相反神経抑制が有意に働き 安静時より脊髄興奮性を下げたと考えられた 動的ストレッチの H 波の振幅変化率は 静的ストレッチの振幅変化率に比べ有意に低かった このことから本研究の動的ストレッチ条件では静的ストレッチ条件より短時間で有意に脊髄興奮性を下げることが示唆された

78 一般演題 ( 口述 4 ) O 20 Dynamic Navicular Drop test に影響する足部運動の検討 岡村和典 1,2) 金井秀作 3) 江川晃平 1) 沖井明 1) 沖貞明 3) 1) 医療法人和会沖井クリニック 2) 県立広島大学大学院総合学術研究科 3) 県立広島大学理学療法学科 key word:dynamic Navicular Drop test 足部運動 三次元動作解析 はじめに Navicular Drop test(nd test) は 距骨下関節中間位での舟状骨高と安静立位での 舟状骨高との差分を指標にした静的な後足部回内アライメントの評価方法である 近年 歩行等の動的場面における ND test(dynamic ND test(dnd test): 初期接地時を基準にした立脚期における舟状骨高の最大低下量を測定 ) の開発も進んでいるが 歩行中に舟状骨高が最も低下するのは立脚終期であり 安静立位とは関節角度 荷重位置ともに異なる したがって DND test が ND test と同様に後足部回内の程度を反映しているかは不明である そこで本研究では DND test の結果の解釈に必要な情報を得るために DND test に影響する足部運動を明らかにすることを目的とした なお 本研究は山口県理学療法士会学術研究助成制度の助成を受けて実施した 対象 健常成人 ₃₆ 名 (₂₁.₆±₃.₁ 歳 ₁₇₁.₁±₆.₇cm ₆₀.₉±₇.₆kg) とした 方法 本研究では 快適速度での歩行中の足部運動と舟状骨高を三次元動作解析装置 VICON ( 赤外線カメラ₁₂ 台 ) によって測定した 足部は Oxford Foot Model によって ₄ つのセグメントとしてモデル化し 舟状骨高は足底面から舟状骨粗面マーカーまでの垂直距離と定義した DND test に影響する足部運動を決定するために Stepwise 法による重回帰分析を行った 舟状骨高の低下への関与が予測される ₃ 種の足部運動 ( 後足部に対する前足部の背屈 回外 下腿に対する後足部の回内 ) それぞれにおいて 初期接地時の角度を基準にした立脚期中の最大変化量を算出し 独立変数とした 統計学的分析には SPSS ₂₀.₀ for Windows を使用し 有意水準は p<₀.₀₅とした 倫理的配慮 説明と同意 対象には事前に口頭および書面にて本研究について説明を行い 同意を得た なお 本研究は県立広島大学倫理委員会の承認を受けている 結果 DND test に影響する足部運動として 後足部に対する前足部の背屈 ( 標準偏回帰係数 = ₀.₅₅₁ p<₀.₀₀₁) と回外 ( 標準偏回帰係数 =₀.₅₄₀ p<₀.₀₀₁) が選択された ( 調整済み決定係数 R₂=₀.₅₅₁ p<₀.₀₀₁) 考察 後足部に対する前足部の回外は 言い換えれば前足部に対する後足部の回内である 本研究の結果は DND test が後足部の回内だけでなく前足部の背屈にも影響されることを示しており DND test の結果を解釈する上での有益な知見と考える 一方 本研究では下腿に対する後足部の回内は DND test に影響する足部運動から除外された 歩行において下腿に対する後足部の回内は立脚期の前半に最大の変化を示すため 立脚終期に最大となる舟状骨高の低下量への影響が乏しかったのではないかと考える

79 一般演題 ( 口述 4 ) O 21 しゃがみ込み動作中及び動作直後の足圧中心動揺と足関節背屈可動域の関係 田丸友海 1) 小原謙一 2) 1) 公益財団法人大原記念倉敷中央医療機構倉敷中央病院リハビリテーション部 2) 川崎医療福祉大学リハビリテーション学科 key word: しゃがみ込み動作 足関節背屈可動域 足圧中心動揺 はじめに バリアフリーやユニバーサルデザインの導入に伴い和式トイレが減少し 洋式トイ レが広く普及している しかし 現在でも公共の場では和式トイレが設置されていることが多い 和式トイレで使用するしゃがみ込み動作には足関節背屈可動域が影響するとされている 高齢者のみならず 近年では若年者においても動作が困難な場合が見受けられる 本研究は 足関節背屈可動域がしゃがみ込み動作中及び動作直後の安定性に及ぼす影響について明らかにすることを目的とした 対象 健常成人 ₁₇ 名 ( 男性 ₉ 名 女性 ₈ 名 年齢 ₂₁.₁±₃.₀ 歳 身長 ₁₆₁.₆±₈.₂cm 体重 ₅₁.₈± ₉.₃kg 足長 ₂₄.₉±₁.₆cm) とした 方法 足関節背屈可動域の測定には 東大式ゴニオメーターを用いた 測定肢位は椅子座位とし 対象者の股関節 ₉₀ 度屈曲 膝関節 ₉₀ 度屈曲となるように設定した その姿勢で踵を床面から浮かせないようにできる限り足関節を自動背屈させ 床面と足底面がなす角度を ₅ 度間隔で読み取った ( 足関節内転外転中間位 内がえし外がえし中間位 ) しゃがみ込み動作中及び動作直後の COP 動揺の測定には重心動揺計 ( 共和電業社製 ) を用いた 測定時の足位は足底全接地にて両側足底内側線が触れる位置とし 両上肢を交差させ 両手掌を肩の上に置いた安静立位姿勢を開始肢位とした 開始肢位を₁₀ 秒保持した後 踵が床から離れないよう対象者に素早くしゃがみ込み動作を行なわせ しゃがみ姿勢を₃₀ 秒間保持するように指示した その間の₄₀ 秒間を測定時間とした 開始肢位からしゃがみ姿勢になるまでの ₁ 秒間を動作中 しゃがみ込み動作完了後の ₃ 秒間を動作直後とし それぞれを分析対象とした COP 動揺の分析項目として 動作中と動作直後の前後方向最大振幅 最大速度 矩形面積 総軌跡長を採用した 測定値の正規性の確認を shapiro-wilk 検定を用いて行い 正規性が認められた項目には Pearson の相関係数 正規性が認められなかった項目には Spearman の相関係数を用いた (p<₀.₀₅) 倫理的配慮 説明と同意 全実験過程はヘルシンキ宣言に基づき実施し 全対象に対して本研究の趣旨を事前に説明し 自由意志によって研究参加の同意を得た後に実験を行なった 結果 足関節背屈可動域と動作直後の前後方向最大振幅との間に有意な負の相関が認められ (r= ₀.₅₆, p<₀.₀₅, Spearman の相関係数 ) 動作中及び動作直後におけるその他の項目との間には有意な相関が認められなかった 考察 動作直後の前後方向への安定性には背屈可動域が関係していることが示唆された これは 背屈可動域が大きい場合 しゃがみ姿勢の際に可動域全域を使用しないために 姿勢制御としての足関節戦略をとることが可能となることに起因すると考える 結語 足関節背屈可動域が大きいほどしゃがみ込み動作直後の前後方向への安定性は高くなることから 動作直後の転倒防止には足関節背屈可動域を増大させることが必要である

80 一般演題 ( 口述 4 ) O 22 非特異的腰痛患者と特異的腰痛患者において疼痛の情動的側面に違いはあるか? 沖真裕 1) 濱田和明 1) 前田慎太郎 1) 渡邊帆貴 1) 橋本和典 (MD) 1) 1) 和光整形外科クリニック key word: 非特異的腰痛 特異的腰痛 Short-Form McGill Pain Questionnaire 2(SFMPQ2) 背景 我々は先行研究において 持続的 間欠的 神経障害性の痛み 感情的表現といった痛 みの質を評価する Short-Form McGill Pain Questionnaire ₂(SFMPQ₂) を用いて患者の疼痛の 特徴を調査した 疾患部位を分類し検討したところ 四肢疾患患者に対し腰部または頸部に何らかの症状を訴える患者で感情表現を選択している割合が高いことを示した しかし 腰部疾患患者を非特異的腰痛患者と特異的腰痛患者に分け 感情表現を選択した割合を比較 調査した研究は多くない 本研究では 非特異的腰痛患者 特異的腰痛患者 四肢疾患患者に分け どの疾患部位で感情表現を選択した患者が多いか検討した 方法 対象は平成 ₂₈ 年 ₁ 月に当院を受診し理学療法処方があった患者のうち 問診票中の SFMPQ₂を有効回答した₂₇₈ 名とした ( 年齢中央値 ₃₆. 歳 男性 ₁₅₇ 名 女性 ₁₂₁ 名 ) SFMPQ₂は痛みを表す₂₂ 語について痛みの強さを ₀ ~₁₀の₁₁ 段階で回答するもので ₁₈ 個の感覚表現と ₄ 個の感情表現からなる 有効回答した₂₇₈ 名から頸部疾患を除外した₂₄₈ 名を 医師の診断をもとに非特異的腰痛群 特異的腰痛群 四肢疾患群の ₃ 群に分類し感情表現有無の割合を比較した なお 我々の先行研究において頸部疾患患者に関するデータが既にあるため ₂₇₈ 名の患者から頸部疾患患者を除外した 統計学的検定について ₃ 群間で感情表現有無の割合を Fisher の正確確率検定を用いて多重比較を行った また有意水準は危険率 ₅ % 未満とし Benjamini & Hochberg 法によって有意水準を調整した 結果 感情表現を選択した割合はそれぞれ非特異的腰痛群では₄₅%(₅₆ 名中 ₂₅ 名 ) 特異的腰痛群では₄₄%(₁₆ 名中 ₇ 名 ) 四肢疾患群では₁₅%(₁₇₆ 名中 ₂₈ 名 ) であった 非特異的腰痛群と四肢疾患群 特異的腰痛群と四肢疾患群の間に有意差を認めた (p<₀.₀₀₁ p<₀.₀₅) また 非特異的腰痛群と特異的腰痛群間には有意差を認めなかった (p=₁.₀₀) 考察 本研究の結果より 腰部疾患患者を非特異的腰痛群 特異的腰痛群に分けて感情表現有無の割合を比較したところ 有意差がないことが分かった このことより心理 社会的側面が大きく関与しているとされている非特異的腰痛患者だけでなく器質的な障害を持っている特異的腰痛患者の中にも 心理 社会的な要因が疼痛をより複雑なものにしている可能性が示唆された 以上のことから 腰部に器質的な病態がない患者以外の対象 すなわち画像所見や理学所見が得られた腰痛患者に対しても 心理的因子や生活の背景因子も考慮に含めて接することが重要であると考える 倫理的配慮 説明と同意 本研究にあたり 対象者には書面上で同意を得た 倫理的配慮に関しては厚生労働省等による医学研究指針を遵守し 当施設の承認を得たうえで実施した

81 一般演題 ( 口述 4 ) O 23 リバウンドジャンプによる疲労が腓腹筋筋収縮反応に与える影響 藤下裕文 1) 浦辺幸夫 1) 前田慶明 1) 平田和彦 2,3) 三上幸夫 3) 木村浩彰 3) 1) 広島大学大学院医歯薬保健学研究科 2) 広島大学病院スポーツ医科学センター 3) 広島大学病院リハビリテーション科 key word: 筋収縮反応 筋疲労 リバウンドジャンプ はじめに 近年 筋電図以外の筋の質的評価方法として機械的筋収縮反応測定器 (Tensiomyography: TMG) が注目されている TMG は 非侵襲的かつ簡便に筋収縮反応を測定でき 筋疲 労を評価することが可能である 筋疲労の指標となる筋収縮反応は 筋収縮速度 (Contraction Time: Tc) の低下や筋厚の最大変位量 (Displacement of muscle belly: Dm) の低下 反応時間 (Delay time: Td) の低下がある リバウンドジャンプによる疲労が筋収縮反応に与える影響を 急性期から経時的に調べた報告はなく TMG という新しい方法を用いて分析を試みた 方法 対象は健常男性 ₆ 名 ( 年齢 :₂₂.₇±₁.₁ 歳 身長 :₁₇₄.₇±₄.₆cm 体重 :₆₈.₅±₈.₆kg BMI: ₂₂.₄±₁.₉kg/m ₂ ) とし 非利き脚 ( ボールを蹴る時の軸足 ) の測定を行った 筋収縮反応 の測定には TMG-₁₀₀ を用いた TMG とは別に 筋疲労の評価として筋硬度計 NEUTONE TDM-Z₁ を用いて筋硬度を測定した 被検筋は 腓腹筋外側頭 (GL) 腓腹筋内側頭 (GM) と し 測定項目は Tc(ms) Dm(mm) Td(ms) 筋硬度 (N) とした 疲労課題にはリバウンドジャンプを用い 毎試行最大努力でジャンプを行うように指示した あらかじめ測定した最大 CMJ(Counter-movement Jump) の跳躍高の₇₀% 以上に連続して ₅ 回到達できなかった時点で課題を終了とした 跳躍高の測定には OPTOJUMP を用いて リアルタイムに記録した TMG および筋硬度の測定は 課題前 直後 ₁₀ 分後 ₂₀ 分後 ₃₀ 分後に実施し ₃₀ 分間安静臥位を保ち Tc や Dm Td 筋硬度の経時的変化を測定した 結果 課題直後で GL の Tc は 直後で低下したが GM の Tc に大きな差はなかった Dm Td は GL GM ともにリバウンドジャンプ直後に低下し 課題 ₂₀ 分後に課題前の状態に近づいていた 筋硬度に関しても直後に硬度は増加し ₃₀ 分後に課題前と同値に低下していることが示された 考察 連続したジャンプ動作を繰り返すことで 腓腹筋に筋疲労が起こり ジャンプ高は低下した TMG で評価される Tc や Dm Td は筋硬度と比較して回復は早いが 筋硬度の増加は持続して残存する可能性がある 筋硬度の回復に対してはストレッチングなどの様々な方法を行って より早期に疲労前の状態に近づけることが重要である 倫理的配慮 説明と同意 本研究はヘルシンキ宣言に基づき 対象者に測定内容を十分に説明し 同意の得られた者を対象とした

82 一般演題 ( 口述 4 ) O 24 立位時における平地及び傾斜板上でのアキレス腱振動刺激がその後の足圧中心に及ぼす影響 石川衛 1) 篠田亮平 1) 松浦晃宏 1) 森大志 2) 1) 医療法人社団昌平会大山リハビリテーション病院リハビリテーション科 2) 県立広島大学保健福祉学部 key word: 振動刺激 傾斜板 足圧中心 目的 アキレス腱への持続的な振動刺激が足圧中心を変化させることについてはすでに報告さ れている しかし その刺激応答は必ずしも一定ではなく 姿勢の違いによって振動刺激への応答が異なることが示されている この要因のひとつに 刺激に対する身体の代償性の応答が当該筋の筋長に依存していることが考えられる そこで我々は 傾斜板上の立位によりアキレス腱を伸張位で振動刺激した後の重心移動効果について検討した これは立位時の後方重心に対し身体重心の前方化を図ることを目的とした臨床応用を考慮する上でも意義深い課題である 方法 対象は 運動器疾患を有していない健常な若年成人 ₁₀ 名 ( 平均年齢 ₂₅.₁±₄.₀ 歳 ) とした 課題は閉眼開脚位 (₆₀ 秒間 ) での 1つま先上がり₅ 傾斜板上立位 (TILT) 課題 2 両側アキレス腱への₈₅Hz 振動刺激平面板上立位 (VIB) 課題 3₅ 傾斜板上でのアキレス腱への ₈₅Hz 振動刺激 (TILT+VIB) 課題である 各立位課題前後に前後方向足圧中心 (CoP) を記録し 矢状面上の下腿および身体傾斜角度を二次元動作解析から求めた 統計解析は各課題前後で対応のある ₂ 群の差の検定および各課題前後の差を要因とする反復分散分析にて ₃ 群間の比較を行った 各解析の有意水準は ₅ % 未満とした 倫理的配慮 説明と同意 本研究は倫理的配慮に関して大山リハビリテーション病院倫理審査委員会の承認を受け 全ての対象者に本研究の趣旨 内容について説明し同意を得た ( 承認番号 :₁₆₀₅) 結果 TILT 課題では CoP は課題後に有意に前方へ変位し (₀.₈₃±₁.₁ cm p<₀.₀₅) 下腿傾斜角度も有意に前方傾斜した (₀.₆₅±₀.₈₅ p<₀.₀₅) が VIB 課題では両者とも有意差がみられなかった 一方 TILT+VIB 課題では CoP の前方変位 下腿及び身体傾斜角度の双方において有意な前方傾斜を示した (CoP: ₀.₈₀±₀.₇ cm 下腿傾斜角度:₁.₃₀±₁.₀ 身体傾斜角度: ₀.₆₁±₀.₇ それぞれ p<₀.₀₅) しかし 課題間の比較では CoP 下腿及び身体傾斜角度ともに有意差はなかった 考察 VIB 課題で身体重心の前方移動が生じなかった要因として アキレス腱への振動刺激によって誘発された下腿三頭筋の緊張性収縮への代償性応答が個人間で一貫していなかった可能性が考えられる 一方 TILT を加えた TILT+VIB 課題では身体重心の大きな前方移動が生じていた これは傾斜板上での立位でアキレス腱が伸張位となり 振動刺激による緊張性収縮の増強がより強い代償性応答を生じさせた可能性がある しかしながら TILT+VIB 課題による身体重心の前方化が TILT 課題に対して優位性を示さなかったことについてはさらなる検討が必要である

83 一般演題 ( 口述 5 ) O 25 人工股関節全置換術例の歩行能力に影響を与える要因 歩行補助具の種類によって関連要因は異なる key word: 人工股関節全置換術 歩行能力 歩行補助具 川端悠士 1) 狩又祐太 1) 1)JA 山口厚生連周東総合病院リハビリテーション科 はじめに 人工股関節全置換術 ( 以下 THA) 例における術後理学療法の目標の一つとして 早期の歩行獲得が挙げられる 過去にも THA 後の歩行能力に影響を与える要因に関しては 様々な報告がなされている 歩行能力に影響を与える要因を明らかにする場合には 使用する歩行補助具によって関連要因も異なることが推測されるが 管見の限りでは同一対象例でこの点について検討した報告は少ない 歩行補助具の種類を考慮した上で 歩行能力に影響を与える要因を明らかにすることができれば 歩行器 ₁ 本杖 独歩 といった流れで歩行練習を進めるに当たって有益であると考えられる そこで本研究では歩行補助具の種類別に歩行能力に影響を与える要因を明らかにすることを目的とする 対象 対象は当院にて後側方侵入法による片側 THA 施行となった₈₁ 例 ( 年齢 :₇₁.₆±₈.₉ 歳 性別 : 男性 ₁₂ 例 女性 ₆₉ 例 原疾患 : 変股症 ₇₇ 例 大腿骨頭壊死症 ₄ 例 ) とした 方法 調査項目は年齢 性別 BMI 術後 X 線学的脚長差 オフセット長 術後骨盤前後傾角 術後骨盤側方傾斜角 疼痛 (NRS) 術側股関節伸展 内転 外転可動域 術側 非術側股関節外転筋力 自覚的脚長差 (block test) 歩行能力( 歩行器 ₁ 本杖 独歩 ( 歩行補助具非使用 )) とした 機能評価は術後 ₄ 週で実施し X 線学的脚長差 オフセット長 骨盤前後傾角 骨盤側方傾斜角の測定には単純 X 線両股関節正面像を用いた 歩行能力の評価に当たっては該当する歩行補助具を使用して₅₀m 以上連続歩行が可能か否かを基準とし 対象を歩行器群 ₇ 例 ₁ 本杖群 ₄₁ 例 独歩群 ₃₃ 例に分類した 従属変数を杖歩行の可否および独歩の可否とし 調査項目を独立変数として二項ロジスティック回帰分析を実施した 二項ロジスティック回帰分析に先立って単変量解析を行い p<₀.₂₀の関連を認めた変数を投入独立変数とした 二項ロジスティック回帰分析に当たっては多重共線性に留意し 有意水準は ₅ % とした 倫理的配慮 説明と同意 対象には本研究の趣旨 研究参加の任意性について説明し同意を得た 結果 二項ロジスティック回帰分析の結果 杖歩行の可否に影響を与える要因として年齢 疼痛 術側股関節外転筋力が 独歩の可否に影響を与える要因として術側股関節外転筋力 自覚的脚長差が抽出された 考察 THA 例における ₁ 本杖歩行の獲得には疼痛の軽減と術側股関節外転筋力の向上が 独歩 ( 歩行補助具非使用 ) の獲得には術側股関節外転筋力の向上に加えて 自覚的脚長差軽減の必要性が示唆される

84 一般演題 ( 口述 5 ) O 26 体幹部の柔軟性改善が有効な治療となった変形性膝関節症例 井上裕貴 1) 河岡志朗 1) 渡邉元嗣 2) 1) 国立療養所邑久光明園リハビリテーション室 2) 国立療養所邑久光明園外科 key word: 変形性膝関節症 体幹部の柔軟性 荷重時痛 症例紹介ならびに倫理的配慮 説明と同意 ₄₀ 歳代女性 数年前より両膝痛症状 ( 右 > 左 ) が 有り 近位整形外科を受診し両変形性膝関節症の診断を受けた 徐々に症状悪化し歩行の際も疼痛が生じるため 理学療法の開始を希望された なお 本報告に際し 倫理 個人情報規定に基づいて本人へ説明し 同意を頂いた 理学療法開始時所見 主訴は歩行時の右膝荷重時痛 NRS₁₀/₁₀ 体型は肥満型 右下肢を引きずるように歩行し訪室 右膝の内側関節裂隙と内側広筋遠位部に圧痛あり 右膝に腫脹あり 膝蓋骨直上の周計は右 ₄₅.₅cm 左 ₄₄.₀cm と左右差を認めた 右膝屈伸可動域は₃₀~₉₀ であった また 柔軟性テストでは腰椎部の屈伸可動域いずれにも低下あり 右体幹部から内側ハムストリングスにかけて筋スパズムを認めた 理学療法経過 開始後 ₁ 日より (₁) 右体幹部からハムストリングスまでの筋スパズムに対する治療 (₂) 膝関節滲出液の分散と吸収促進を主目的とした膝周囲組織への圧迫と関節可動域訓練 (₃) 両股伸展筋群の強化 (₄) 自主練習 ( 主に体幹部を中心としたストレッチや軽運動と 減量を目的とした食生活改善 ) 指導を行う 介入後 ₂ 日の治療後には腰椎部の柔軟性や筋スパズムに若干の改善がみられ 歩行時の右膝荷重時痛 NRS₆/₁₀まで軽快した 開始後 ₁₆ 日で膝蓋骨直上周計は右 ₄₄.₅cm と縮小し 右膝屈伸可動域は₁₅~₁₂₅ と改善した 歩行時の右膝荷重時痛も NRS₀/₁₀と軽快したため (₅) 膝周囲筋力訓練を追加 開始後 ₁₉ 日より (₆) 減量目的にエルゴメーター ( 荷重量を調整しながらの有酸素運動 ) 追加 同日に追加評価したところ身長 ₁₅₆cm 体重 ₇₈kg であった 以降 状態改善に合わせて (₁)~(₃) の割合を減らし (₄)~(₆) の割合と負荷量を増やしていった 介入開始後 ₅₇ 日 軽く走ってみても両膝や腰部に痛みはなく 正座も可能となった 体重も₆₈kg に減少を認めた 考察 今回のケースでは体幹部の柔軟性低下と体重の増加により 動作時の床反力を脊椎椎体部で吸収しきれなくなっていた分 膝に負担がかかって炎症反応が起きていると考えた そこで 理学療法ガイドラインの変形性膝関節症項目にて介入の推奨グレードに記載はないが 体幹周囲筋群の柔軟性改善によるアプローチを行い症状の改善を試みた 結果 荷重時痛が早期より軽減し治療全体に良い影響を与えており 体幹部柔軟性の改善が変形性膝関節症の患者に対して有効な治療となりうる可能性が示唆された

85 一般演題 ( 口述 5 ) O 27 痛みによって生じた不安や恐怖を整理することにより膝痛が寛解した 2 症例 永見達朗 1) 小浦伸司 1) 吉野敦雄 2) 1) 医療法人サカもみの木会サカ緑井病院リハビリテーション科 2) 広島大学大学院医歯薬保健学研究院精神神経医科学 key word: 痛みに対する不安 膝痛 運動恐怖の暴露 はじめに 臨床現場で痛みによって生じる不安をしばしば経験する 痛み脳領域の一つである 扁桃体は Drevets によると痛みが有害であると感じている人ほど活動が高く 痛みと不安を 結びつける中心的な役割を果たしていると述べている また鈴木によると扁桃体の活動亢進は下降疼痛抑制系の働きを抑制し 痛覚感受性を亢進させると考えられている 患者が抱く不安を和らげることが 痛みをマネジメントする上では大切である 今回痛みが引き起こした不安や恐怖を整理することにより 膝痛が寛解した症例を経験したので報告する 倫理的配慮 説明と同意 各症例に対し本発表の趣旨を説明し 同意を得た また倫理的配慮に関して当施設の承認を得た上で実施した 症例紹介 症例 1₇₀ 代女性 診断名 : 変形性膝関節症 XP:KL グレードⅠ リハビリ開始時 半年以上正座ができず 階段下降において痛みが強かった 階段下降時 NRS₃~₄ 半年前の診察で前の患者のレントゲンが残っており それを自分のものと勘違いし それ以来正座をすると膝が壊れてしまうのではないかと思っていた 初回のリハビリで再度レントゲンを確認し 自分の膝は大して悪くないことに気づいて 恐る恐る正座も可能になり 階段下降の痛みは寛解した リハビリ ₃ 回目で終了 正座 ₃₀ 分以上可能 階段下降時の痛みは消失した この半年間で足が悪い人の気持ちが分かってよかった と前向きな発言があり 半年前の生活に戻った 症例 2₆₀ 代女性 診断名 : 変形性膝関節症 XP:KL グレードⅠ リハビリ初回は痛みのため両松葉杖歩行の処方のみ 荷重時 NRS₈~₉ 受傷機転はなし 高校生 ₃ 人の ₃ 泊 ₄ 日のホームステイが終わった翌日から痛み発症 リハビリ ₂ 回目 ( 初回から ₂ 日後 ) 関節の問題はなく 痛みはたまたま起きたものであり 心配はないと説明を行う 荷重への恐怖心を和らげるため 平行棒内で上肢で支持しながら痛みのない範囲での荷重を実施し 片松葉杖歩行が可能となった ₃ 回目 ( 初回から ₇ 日後 ) 正座可能 軟骨がダメになっているんではないかという不安に対し 画像上は問題ないと説明 荷重時 NRS₁~₂ ₄ 回目 ( 初回から₁₀ 日後 ) 独歩で来院 小走り可能 荷重時 NRS₀~₁ あのままではずっと膝が痛かったと思う と発言あり 本人の希望でリハビリ終了 考察 痛みの経験によって生じる不安や恐怖はさまざまであり 持続する痛みや原因不明の痛みが不安を強めたり 痛みに対する予期や経験した事のない強烈な痛みは恐怖を惹起させる また情報や医療従事者からの言葉が不安を強めることはしばしば経験される Picavet は痛みに対する不安感や恐怖感は 痛みの慢性化やそれに伴う機能障害を重症化させる要因となりうると述べており 急性痛における痛みの理解 不安の整理が慢性化する痛みを防ぐ 予防線の一つとなると考える

86 一般演題 ( 口述 5 ) O 28 橈骨遠位端骨折患者において受傷側の違いによる術後の短期治療成績 溝口裕章 1) 高田治彦 2) 深江亜希子 1) 大石芳彰 2) 林淳二 2) 1) 医療法人社団楓会林病院リハビリテーション部 2) 医療法人社団楓会林病院整形外科 key word: 橈骨遠位端骨折 受傷側 短期成績 はじめに 近年 掌側ロッキングプレートの普及により橈骨遠位端骨折術後の成績は良好な結 果を得られている 報告は多くあり 骨折の型の違いによる比較がされた報告が散見される 一方では 阿部らは 受傷側の違いによる術後の長期成績では有意差はないとされる報告もある そこで我々は 客観的評価と主観的評価である上肢障害評価表 ( 以下 DASH) を用い評価を行い 橈骨遠位端骨折術後の受傷側の違いによる短期成績を評価 比較したので報告する 対象 対象は ₂₀₁₆ 年 ₉ 月から₂₀₁₇ 年 ₃ 月までの期間に当院にて橈骨遠位端骨折に対し 掌側ロッキングプレートの手術を施行した₂₉ 例とした そのうち術後 ₃ 週で評価可能であり 高度な合併症 手指拘縮を除いた₁₆ 例を検討した 利き手を受傷した群 ( 利き手群 )₁₁ 例 ( 全例女性 平均 ₆₆.₅ 歳 AO 分類 C₃: ₉ 例 B₃: ₂ 例 ) と 非利き手を受傷した群 ( 非利き手群 ) ₅ 例 ( 男性 ₂ 例 女性 ₃ 例 平均 ₅₄.₀ 歳 AO 分類 A₃: ₄ 例 C₃: ₁ 例 ) に分類した 方法 理学療法内容は術後 ₁ 週から外固定を除去し前腕 手関節の自動 他動 ROMex を開始した その他 self ex 日常生活動作の指導 受傷側に荷重する禁忌動作などの日常生活動作を指導した 有意水準は ₅ % とした 評価項目は 術後 ₃ 週経過時の手関節掌背屈 前腕回内外の関節可動域 (ROM) 動作時痛(Numeric Rating Scale を使用 ) DASH とした なお 統計学的検定には R₂.₈.₁を使用し 対応のない t 検定を用いて ₂ 群間の比較を行った 説明と同意 本研究はヘルシンキ宣言を遵守し 個人に不利益を与えることの無いようデータは全て匿名化し 個人情報が特定されないよう十分配慮し実施した 結果 術後 ₃ 週時における各評価項目の平均値 ( 利き手群 / 非利き手群 ) は ROM に関して 手関節 ( 掌屈 ₄₆.₈ /₅₆.₀ 背屈 ₅₁.₁ /₅₅.₀ ) 前腕( 回内 ₅₉.₈ /₆₁.₀ 回外 ₇₅.₀ /₈₂.₀ ) であり ₂ 群間に有意差は認められなかった 動作時痛は (₄.₉/₁.₄) DASH(₄₃.₄/₂₅.₀) であり 利き手群においてそれぞれ有意に高値を示した (p<₀.₀₅) 考察 当院では 早期の実用的な動作の獲得 社会復帰を目指して術後早期から理学療法を開始している 今回我々が検討した術後 ₃ 週の時点では ROM の結果は ₂ 群間で差がなかったが DASH では利き手群が不良な成績を示した 利き手群の DASH の減点項目には 利き手を主に使用する動作である 書字 や きつめのびんのふたを開ける などがあり 利き手の使用頻度が高い動作が制限されていた さらに利き手群で動作時痛が強いことが示され 特に利き手を受傷した患者の術後早期の理学療法介入では 疼痛コントロールが優先されるべきかもしれない 本研究から受傷側の違いにより 患者への関わり方を変える必要性が示唆された

87 一般演題 ( 口述 5 ) O 29 シンスプリントを有する患者には脛骨の構造学的な性差が存在するか? 脛骨内反角度に着目して 渡邊帆貴 1) 前田慎太郎 1) 濱田和明 1) 沖真裕 1) key word: シンスプリント 脛骨 性差 和泉昌宏 (RT) 1) 橋本和典 (MD) 1) 1) 和光整形外科クリニック 背景 シンスプリントの病態は 虚血性疾患や疲労骨折による痛みを除く 運動中に生じる脛 骨後内側縁に沿った痛み と定義されており 痛みの生じる部位が特異的であることから Medial tibial stress syndrome( 以下 MTSS) とも呼ばれている MTSS 発症のメカニズムについては 一致した見解が得られておらず 危険因子については Systematic review 等で検討され 1 女 性 2 BMI 高値 3 足部内側縦アーチの低下等が挙げられているが 1 女性であることが ど のようなメカニズムを辿って MTSS の発症へ繋がるかは不明なままである 一方 健常成人の 脛骨の捻転角には性差があるとされており 脛骨の骨構造の違いが 女性において MTSS を発 症しやすい要因に関与している可能性が考えられる そこで本研究では臨床上 レントゲン画像を用いて測定することが可能な脛骨内反角度 ( 以下 内反角 ) に着目し MTSS と診断された患者における性差を検討することで 女性であることが MTSS の発症にもたらす構造学的な影響因子について検討することを目的とした 方法 対象は平成 ₂₇ 年 ₃ 月 ~ 平成 ₂₉ 年 ₃ 月に当院を受診し 脛骨骨膜炎と診断された患者のうち 足関節と膝関節の両方が含まれるレントゲン正面像を撮影した患者 ₆₁ 名 ( 男性 ₂₇ 名 女性 ₃₄ 名 ) とした ( 平均年齢 : 男性 ₁₅.₀ 歳 女性 ₁₄.₆ 歳 ) 内反角は Levine らの方法を参考に脛骨の近位関節面 ( 脛骨内側顆と外側顆の上端を結ぶライン ) 遠位関節面 ( 脛骨の下関節面上のライン ) に対する垂直線どうしが交わる角度と定義し測定した 統計学的解析については正規性 等分散性の検定の後 対応のない t 検定を行った 結果 内反角は男性 ₀.₂±₄.₀ 女性 ₂.₀±₃.₁ であり 女性で有意に脛骨の内反位を呈した (p<₀.₀₅) 考察 本研究の結果より MTSS を有する女性は男性と比べて有意に脛骨が内反位を呈することが示された 先行研究において MTSS の既往がある女性陸上選手では 既往がない女性選手と比べて有意に下腿が内反位を呈することが報告されており MTSS の発症には構造学的な要素が関連すると考えられる 脛骨の内反角の増大は荷重時 脛骨内側部への圧縮応力の集中を惹起し このことは骨実質部への直接的な機械的ストレスを増大させることが推察されるため 内反角がより大きい女性において 影響を受けやすい可能性がある 以上より臨床現場において MTSS を有する患者へ対峙する際 脛骨に構造学的な性差が存在する可能性を理解し 理学療法を進めていくことが必要ではないかと考える 倫理的配慮 説明と同意 本研究にあたり対象者には書面上で同意を得た 倫理的配慮に関して厚生労働省等による医学研究指針を遵守し 当施設の承認を得たうえで実施した

88 一般演題 ( 口述 5 ) O 30 人工骨頭置換術後の患者が抱える自覚的脚長差への対応に関する一考察 小林弘基 1) 久保卓文 1) 後藤香織 1) 1) 寺岡整形外科病院リハビリテーション科 key word: 人工骨頭置換術後患者 自覚的脚長差 術側股関節内転運動 Ⅰ. はじめに自覚的脚長差 (perceived leg length discrepancy: 以下 PLLD) とは X 線などの 他覚的所見では脚長差は認められないものの患者自身が脚長差を訴えることを指す 今回人工骨頭置換術を施行した患者を担当し 立位 歩行時には体感的に₅cm 程度の PLLD を訴えていた これに対し原因について検討した上で治療アプローチを実施したので報告する Ⅱ. 症例紹介 ₇₀ 歳代女性 平成 ₂₈ 年 ₁₂ 月 道路を横断中に自動車と接触して転倒受傷 検査の結果右大腿骨頸部骨折と診断され 同日人工骨頭置換術を施行される リハビリは手術翌日よりベッド上にて開始し ₁ 週間後より全荷重での歩行訓練が開始となった 術後 ₁₀ 日で回復期病棟へ転棟したためリハビリ担当となったが その際前担当者からは 担当医は脚長差があっても₁cm というが 立位 歩行観察ではそれ以上の脚長差があるように感じる との申し送りを受け 患者自身も 左脚よりも右脚の方が₅~₆cm 長く感じる と訴えていた そのためか静止立位では右下肢のみ屈曲位にせざるを得ず 無理に両下肢とも伸展位にて立位保持しようとすると左足のみ踵上げをしないと保持できない状態であった またその他の所見として他覚的に脚長差を測定する block test では₃.₅cm 著明な股関節可動域制限としては右股関節内転 ₀ 棘果長は左右差なしであった Ⅲ. 説明と同意本症例には発表の主旨およびプライバシー保護に関して十分な説明を行なったうえで同意を得ている Ⅳ. 方法と結果背臥位での右股関節内転運動時や両下肢伸展位での立位姿勢にて接地困難な左踵を接地するよう試みると いずれも右股関節外側部周囲に伸張感を訴えていた その際常に右上前腸骨棘が左のよりも常に低位であったため 股関節外側部を中心とした股関節周囲筋の短縮が原因として考えられた そのため股関節周囲筋の他動的伸張運動に加えて 患者自身にも自主トレーニングとして立位姿勢にて股関節外側筋の短縮による骨盤側方傾斜の改善を目的としたリハビリメニューを積極的に実施して頂いた その結果 ₃ 週間後には股関節外側部の伸張感が消失するとともに 両踵部を接地しての立位保持が可能となり PLLD も消失して退院となった Ⅴ. 考察当院では人工骨頭置換術後の患者には術後 ₃ 週間脱臼予防を目的とした外転枕を装着している この間術側股関節は外転位を強制されるのに加えて リハビリ時も脱臼の原因となる股関節内転運動を積極的に実施しないことで股関節外側筋の短縮につながったと考えた そのため立位時にも術側股関節が相対的に外転位となり手術側への骨盤の側方傾斜が起こるため 結果として患側下肢の延長感につながり PLLD を訴えていたのではないかと思われた

89 一般演題 ( 口述 6 ) O 31 壁面接触圧の差が起立動作中及び動作後の足圧中心動揺に及ぼす影響 山田健太 1) 石原忠 2) 小原謙一 3) 1) 一般財団法人操風会岡山リハビリテーション病院リハビリテーション部 2) 社会医療法人光生病院リハビリテーション科 3) 川崎医療福祉大学リハビリテーション学科 key word: 壁面接触圧 起立動作 足圧中心動揺 はじめに 地域でのバリアフリー化が進む一方で手すりのない家屋や公衆トイレなどは多くみ られる 椅子からの起立動作は トイレ動作の一手順として欠かすことのできない重要な動作である 壁面接触圧の差で 立位姿勢時や方向転換後の足圧中心動揺が減少することが知られている 本研究では足圧中心動揺計を用いて壁面を触りながらの起立動作中及び 動作後の安定性を検討することで 起立動作による転倒リスクを軽減させることが可能な壁面接触圧を明らかにすることを目的とした 対象 健常成人男性 ₁₆ 名 ( 年齢 ₂₀.₃±₁.₀ 歳 身長 ₁₇₀.₀±₂.₀cm 体重 ₅₈.₈±₅.₆kg) とした 方法 足圧中心動揺の測定には 重心動揺計( 共和電業社製 ) を用い 起立動作中の ₃ 秒間と動作後の ₄ 秒間を抽出し 矩形面積と総軌跡長を測定した 実験条件は ₁N 以下で壁面接触させる Light Touch 条件 (LT) ₅-₈N で壁面接触させる Force Touch 条件 (FT) 壁面接触しないコントロール条件の ₃ 条件とした 動作中及び動作後の壁面接触圧を垂直分力測定器 ( 共和電業社製 ) にてモニタリングし 接触圧が既定の値を超えないように対象者に動作を十分に練習させた 対象者には 重心動揺計上で開始肢位 ( 右肩関節 ₉₀ 度屈曲 内旋位 右前腕回内位 両股 膝関節 ₉₀ 度屈曲位 両足関節背屈 ₀ 度 ) をとらせ ₃ 秒間で起立動作を行わせた 各条件にて ₃ 回起立動作を行わせ その平均値を採用した 統計学的解析は ₃ 条件を比較するために一元配置分散分析と Bonferroni の多重比較を用い 危険率 ₅ % 未満をもって有意とした 倫理的配慮 説明と同意 全実験過程はヘルシンキ宣言に基づき実施し 全対象者に対して本研究の趣旨を事前に説明し 自由意思によって研究参加の同意を得た後に実験を行った 結果 ( ) 内に LT FT コントロール条件の順に値を示す 起立動作中の矩形面積(mm ₂ ) は (₃₅₃₈.₆±₁₂₅₉.₈ ₄₈₆₁.₀±₁₇₃₆.₅ ₃₃₉₈.₅±₁₄₂.₆) であり LT とコントロール条件が FT より有意に低値を示した (p<₀.₀₅) 起立動作後では (₁₉₅.₉±₆₅.₅ ₂₀₄.₅±₈₂.₈ ₃₁₁.₃±₁₁₅.₄) であり LT と FT がコントロール条件より有意に低値を示した (p<₀.₀₅) 起立動作中の総軌跡長 (mm) は (₃₆₈.₉±₈₉.₈ ₃₆₈.₉±₉₂.₃ ₃₈₇.₂±₁₀₃.₇) 動作後は(₁₄₅.₇±₃₄.₉ ₁₅₂.₆±₃₇.₉ ₁₅₂.₈±₃₆.₃) であり いずれの条件間でも有意な差が認められなかった 考察 起立動作中の矩形面積が FT で大きくなったのは 離殿後 強く垂直分力測定器を押したことにより生じた反力を受けた結果 重心の軌道が壁面とは逆方向に偏位したためと考える 起立動作後の矩形面積について コントロール条件と比較して LT 及び FT が低値を示したことは 指先にある皮膚受容器と腕の位置に関する固有受容器からの情報が姿勢制御と身体定位を保つために重要な役割を果たしていることに起因していると考える (Watanabe et al. ₂₀₁₀) 結語 本研究結果から ₁N 以下での壁面接触圧での起立動作を行うことが 動作中及び動作後において安定性 安全性が高いことが示唆された

90 一般演題 ( 口述 6 ) O 32 変形性膝関節症患者に対する人工膝関節全置換術は歩行時の体幹運動を改善させる 桑原渉 1) 中西一義 2) 島田昇 3) 石井陽介 1) 出家正隆 4) 砂川融 5) 1) 広島大学大学院医歯薬保健学研究科保健学専攻 2) 広島大学大学院医歯薬保健学研究科整形外科学 3) 広島大学病院診療支援部リハビリテーション部門 4) 愛知医科大学整形外科学 5) 広島大学大学院医歯薬保健学研究科上肢機能解析制御学 key word: 変形性膝関節症 人工膝関節全置換術 歩行解析 はじめに 膝関節アライメントが体幹 骨盤アライメントに影響を与えることが過去に報告さ れている 本研究は変形性膝関節症 ( 膝 OA) 患者において 人工膝関節全置換術 (TKA) 前 後の臨床症状 歩行時体幹 骨盤運動を調べ TKA が歩行時体幹 骨盤運動に影響を与える要 因を明らかにすることを目的とした 対象 初回片側 TKA を施行した膝 OA 患者 (OA 群 )₁₄ 人と健常高齢者 (control 群 )₁₁ 人を 対象とした 方法 OA 群の臨床症状として 術前 術後 ₁ 年の膝関節関節可動域 (ROM) JOA スコア 膝関節痛の Numeric Rating Scale(NRS) を評価した 歩行解析に関して 課題動作は被験者 自身の快適速度での ₁₀m 歩行とし OA 群は術前 術後 ₁ 年に control 群は ₁ 回のみ それぞ れ測定を行った 計測には三次元動作解析装置 (VICON MX;Vicon Motion Systems 社 ) と床 反力計 (AMTI 社 ) を用いた Plug-in-Gait モデルを参考に 合計 ₃₉ 箇所に貼付した反射マー カーの座標を記録し 歩行時の膝関節屈曲 / 伸展角度 体幹前傾角度 骨盤前傾角度を算出した 代表値として 立脚期の最大値と ₁ 歩行周期の運動範囲 (Range) を使用した 統計学的解析は 術前後の比較には Wilcoxon の順位付符号和検定を 術前 術後 ₁ 年 control 群との比較には一元配置分散分析を用い 事後検定には Tukey-Kramer 法を用いた 倫理的配慮 説明と同意 本研究は広島大学疫学研究倫理審査委員会にて承認を得た( 第疫 ₂₀₄ 号 ) 対象は自らの意思に基づき本研究に参加し 測定前に研究の意義 目的について十分に説明し 口頭および文書による同意を得た後に実施した 結果 伸展 ROM JOA スコア NRS は術後 ₁ 年で有意に改善した control 群と比較し 術前 OA 群において 歩行時の体幹 骨盤前傾角度の最大値は有意に高値を示した 術前と比較し 術後 ₁ 年において膝関節 Range は有意に高値を 体幹前傾角度の最大値は有意に低値を示し control 群とは有意差を認めなかった 考察 control 群と比較し 術前 OA 群において体幹前傾角度が高値を示した要因として 膝関節伸展制限による重心後方偏位により生じた代償運動 または膝関節へのモーメントアームを小さくするために身体重心を前方偏位させた疼痛回避性運動の ₂ つが考えられる TKA 術後 ₁ 年において 膝関節伸展 ROM 疼痛が改善したことにより 術前と比較し体幹前傾角度は低値を示し control 群と近似した値を示した可能性がある 結語 TKA 術後 ₁ 年において膝関節伸展 ROM や膝関節痛の改善に伴い 膝 OA 患者の歩行時体幹運動は健常者と近似する

91 一般演題 ( 口述 6 ) O 33 運動器疾患における症状の経過は疼痛の情動的側面に関連するか? 濱田和明 1) 前田慎太郎 1) 濱田千穂 1) 渡邊帆貴 1) 沖真裕 1) 橋本和典 (MD) 1) 1) 和光整形外科クリニック key word: 運動器の疼痛 情動 Short-Form McGill Pain Questionnaire 2(SFMPQ2) 背景 疼痛は感覚 情動 認知的側面からなる複雑なものである 亜急性腰痛患者のうち治癒 が遷延するものの特徴として疼痛の情動的側面のスコアが高値であることが挙げられており (Baliki, ₂₀₀₉) 複雑化した疼痛は治療を難渋させる要因の一つと考えられる 我々は 疼痛の 情動的側面表出に関連する要因を検討した結果 自覚的疼痛強度や発症からの期間などよりも 頸部または腰部疾患を有すること 疼痛表現が多彩であることが有意に関連することを示したが 本研究では 発症からの経過との関連性を検討した 方法 対象は平成 ₂₈ 年 ₁ 月に当院受診し 問診票中の発症からの経過 SFMPQ₂を有効回答した₂₇₅ 名とした ( 年齢中央値 ₃₆ 歳 男性 ₁₅₅ 名 女性 ₁₂₀ 名 ) 発症からの経過は 徐々に強くなっている 徐々に弱くなっている 日によって違う 変化がない の ₄ 項目から該当するものを患者に選択させた SFMPQ₂は痛みを表す₂₂ 語について痛みの強さを ₀ ~₁₀の₁₁ 段階で回答するもので ₁₈ 個の感覚表現と ₄ 個の感情表現からなる SFMPQ₂ 上の感情表現を選択した患者の割合が 経過の違いによって差があるか Fisher の正確確率検定を用いて検討した その後 頸 腰部疾患の疼痛の特異性を考慮し 四肢疾患患者 頸 腰部疾患患者に分けて同様の検討を行った 結果 感情表現選択の割合は 徐々に強くなっている 患者で₃₄.₃%(₇₀ 名中 ₂₄ 名 ) 徐々に弱くなっている ₂₆.₁%(₄₆ 名中 ₁₂ 名 ) 日によって違う ₂₉.₁%(₇₉ 名中 ₂₃ 名 ) 変化がない ₂₅.₀%(₈₀ 名中 ₂₀ 名 ) で ₄ 群間で有意差を認めなかった (p=₀.₆₄) 更に ₂₇₅ 名を四肢疾患患者 ₁₇₄ 名 頸 腰部疾患患者 ₁₀₁ 名に分けての検討でも 感情表現選択患者の割合は経過毎で有意差を認めなかった ( それぞれ p=₀.₃₆ p=₀.₅₇) 結論 本研究の結果より 疼痛の情動的側面表出に発症からの経過が関連するとはいえないことが示された 我々の先行研究では 発症からの 期間 も情動的側面と関連しないことが示されている 昨今運動器の慢性疼痛とともに疼痛の複雑化が注目されているが 発症からの期間や経過に関わらず患者の疼痛が複雑化している可能性を考慮する必要がある 急性は単純 慢性は複雑 といった先入観に捉われず 細分化された情報を包括的視点で解釈することが重要であり 特に疼痛のような主観的体験を対象とする際は Clinical Reasoning 等の思考技術が求められるものと考える 倫理的配慮 説明と同意 本研究にあたり 対象者には書面上で同意を得た 倫理的配慮に関して厚生労働省等による医学研究指針を遵守し 当施設の承認を得たうえで実施した

92 一般演題 ( 口述 6 ) O 34 捻挫の既往は長腓骨筋の筋厚と筋力に関係するか key word: 捻挫 腓骨筋厚 外反筋力 尾上仁志 1) 浦辺幸夫 2) 白川泰山 1) 1) マッターホルンリハビリテーション病院 2) 広島大学大学院医歯薬保健学研究院 目的 足関節内反捻挫はスポーツ外傷のなかで最も多い外傷である スポーツ復帰後に再発を 繰り返し 慢性足関節不安定症に陥るものもいる 足関節捻挫後には外反筋力の低下が報告されている ( 川井ら ₂₀₁₂) しかしながら 筋力の低下を認めなかったという報告もあり (Ryan, ₁₉₉₄) 一定の見解が得られていない 近年 超音波診断装置を用い筋の定量的評価が行われている 本研究では非捻挫群と捻挫群の筋厚と筋力に違いがあるか検討した 対象 対象は 下肢に足関節捻挫の既往のない健常男性 ₉ 名 ₉ 肢 ( 非捻挫群 ) と足関節捻挫の既往のある男性 ₉ 名 ₉ 肢 ( 捻挫群 ) とした 非捻挫群の年齢 ( 平均 ±SD) は₂₃.₇±₂.₁ 歳 身長は₁₇₀.₃±₃.₅cm 体重は₆₂.₀±₈.₅kg だった 捻挫群は₂₂.₃±₁.₇ 歳 身長は₁₆₉.₃±₃.₅cm 体重は₆₁.₃±₇.₂kg だった 捻挫群は高校生以降に スポーツ活動によって 複数回の受傷があったものとした 長腓骨筋の筋厚測定には 超音波診断装置 (SONIMAGE HS₁ コニカルノルタ株式会社 ) を使用した 筋厚の測定肢位は吉田ら (₂₀₁₀ 年 ) の方法を参考にし 安静座位をとり膝関節 ₉₀ 足関節底背屈 ₀ とした 測定位置は腓骨頭と外果を結んだ線上で 腓骨頭から遠位 ₂₅% の位置とした 筋力の測定は 等速度性筋力測定装置 (BIODEX SYSTEM₄ BIODEX 社 ) を使用し コンセントリックモードにて角速度 ₃₀ 度 / 秒で実施し 足関節外反のピークトルク値を対象の体重で除した値を採用した (Nm/kg) 非捻挫群と捻挫群の ₂ 群間の筋力と筋厚の差の検定には対応のない t 検定を用い それぞれの筋厚と筋力の関係にはピアソンの相関係数を用いた いずれも危険率 ₅ % 未満を有意とした 倫理的配慮 対象には本研究の趣旨と説明を十分に行い 同意を得たものを対象とした なお 本研究は当院の倫理委員会の承認を得て行った ( 承認番号 MRH₁₇₀₀₁) 結果 非捻挫群の腓骨筋厚は₂₂.₃±₂.₂mm 外反筋力は₀.₅₀±₀.₀₇Nm/kg だった 捻挫群の腓骨筋厚は₂₃.₂±₁.₈mm 外反筋力は₀.₃₈±₀.₀₇Nm/kg だった 長腓骨筋の筋厚と外反筋力の関係では 非捻挫群では中等度の有意な正の相関がみられた (r=₀.₆₆ p<₀.₀₅) これに対し 非捻挫群では有意な相関関係を認めなかった (r= ₀.₂₀ p=₀.₅₃) 外反筋力は非捻挫群で有意に高かったが (p<₀.₀₅) 長腓骨筋厚では両群の間に差はなかった 考察 外反筋力は 捻挫群と比較して 非捻挫群が有意に高かった 足関節捻挫後は外反筋力が低下する ( 吉田ら ₂₀₁₀) という先行研究と一致した結果が得られた 一方で 長腓骨筋厚には差がなかった 一般に筋力は 筋の横断面積と比例する ( 福永ら ₁₉₇₈) とあるが 捻挫群では両者の関係が認められなかった 足関節捻挫後のリハビリテーションでは背屈筋力の強化を行い 筋力の回復が長腓骨筋厚の改善につながるか確認するための介入研究が必要である

93 一般演題 ( 口述 6 ) O 35 下肢の筋疲労が跨ぎ動作時の足部クリアランスに与える影響 豊坂沙織 1) 長谷好記 (MD) 2) 前田慎太郎 1) 濱田和明 1) 橋本和典 (MD) 1) 1) 和光整形外科クリニック 2) 広島国際大学総合リハビリテーション学部リハビリテーション学科 key word: 転倒予防 足部クリアランス 筋疲労 目的 転倒の最も主要なきっかけは歩行中のつまずきである このつまずきやすさを表す有用 なパラメーターとして足部クリアランス ( 以下 FC) があり FC の確保には 股関節 膝関節 足関節の運動が関与しているとの報告がある しかし どの関節の運動が最も関与しているか報告した研究は少ない 高齢者は複合的に下肢機能が低下しており 各関節の影響を個別に検討しにくい そこで 本研究は 健常な若年者において 股 膝 足 関節をそれぞれ疲労させ 各関節の FC への影響を検討した 方法 対象は健常成人女性 ₂₁ 名 ( 年齢 :₂₁.₆±₀.₄ 歳 身長 :₁₅₇.₁±₄.₈cm 体重:₅₄.₂±₇.₆kg) で 下肢に既往がない者とした 研究実施にあたり 広島国際大学の倫理委員会にて承認を得た なお 全被験者に対して 本研究の趣旨を十分に説明し 本人に承認を得たうえで実施した ₁₀m の歩行路の中間地点に設置された障害物 ( 高さ₁₀₀mm 奥行 ₁₀₀mm 幅 ₃₀₀mm) の跨ぎ動作を対象者の快適歩行速度にて筋疲労前後で行った 筋疲労には BIODEX を使用し 股関節屈筋群 膝関節屈筋群 足関節背屈筋群を それぞれ筋疲労度 (Fatigue index)=( 運動開始時筋力 - 運動終了時筋力 )/ 運動開始時筋力 ₁₀₀にて₅₀% 程度となるように疲労させた 跨ぎ足は右脚とし 第 ₅ 中足骨遠位端にマーカーを貼り付け 跨ぎ足の矢状面上の動きを iphone で撮影した 画像解析ソフト Free Video To JPG Converter ImageJ を用い マーカーを参考にして障害物とマーカーとの距離である FC を測定し 筋疲労前後で比較した FC は跨ぎ足に貼付したマーカーが障害物の前端の直上に位置する時の距離とした なお 有意差を認めた群においては関節角度の変化も確認した 統計解析は Wilcoxon 順位和検定にて筋疲労前後の FC および関節角度を比較した 有意水準は ₅ % 未満とした 結果 筋疲労前後の FC を比較検討した結果 足関節背屈筋群において筋疲労前 ₁₆.₇±₃.₂cm 筋疲労後 ₁₄.₇±₂.cm であり有意差を認めた (p<₀.₀₁) また足関節背屈筋群における筋疲労前後の足関節背屈角度は筋疲労前 ₆.₃±₆.₄ 筋疲労後 ₂.₇±₂.₆ であり有意差を認めなかったが 低下傾向であった (p=₀.₀₉) その他の項目では有意差を認めなかった 考察 本研究の結果より FC の確保に最も影響を及ぼす関節は足関節であることが示された 正常歩行時の遊脚中期では前脛骨筋が FC の確保に重要とされており 跨ぎ動作と歩行における遊脚期の類似性を考慮すれば このことは本研究の結果を支持していると考える 今後 高齢者に対して有効的な転倒予防のための介入を確立するため 高齢者に対しても本研究の結果が適応可能であるか検討を進めたい

94 一般演題 ( 口述 6 ) O 36 腹横筋の収縮様式の違いが下肢自動伸展挙上動作における骨盤帯の安定性に及ぼす影響 - 超音波画像診断装置を用いて - 麻野佑樹 1) 垣内秀雅 1) 岩城基 1) 古谷明子 1) 栁沼寛 1) 宮本進太郎 1) 中島彰彦 1) 田根和樹 1) 橋本優香 1) 1) 太田整形外科 大成呼吸器クリニックリハビリテーション室 key word: 腹横筋 骨盤の安定性 超音波装置 はじめに 近年 腹部引き込ませ運動 ( 以下 Draw-in) による腹横筋の単独収縮 ( 選択的収縮 ) を促す方法は腰椎や骨盤の安定化に好影響を与えることが報告されている しかし 臨床で超音波装置 ( 以下 US) を用いた腹横筋の選択的収縮 ( 以下 選択 ) を促す方法は内腹斜筋が収縮しやすく 難易度が高いと感じる 本研究の目的は骨盤を安定させるために簡便な腹横筋の収縮方法を確立することである 対象 整形外科的及び神経学的疾患の既往をもたない健常者 ₁₀ 名 ( 年齢 :₃₂.₅±₇.₅ 歳 ) とし 事前に両側腹横筋の選択と非選択的収縮 ( 以下 非選択 ) の可否を US で確認した 方法 腹横筋の収縮は US( コニカミノルタ社製 ) を用いて Draw-in をさせた プローブ位置は臍水平線上とし 腹壁前外側部の画像が表層から外腹斜筋 内腹斜筋 腹横筋の三層構造になるよう調整した 測定項目は腹横筋と内腹斜筋の筋厚 腹横筋の移動距離とし 安静時と Draw-in における腹横筋の選択 非選択時の変化率を算出した 腹横筋の選択 非選択の判定基準は齊藤らの報告に従った 骨盤の安定性は ₃ 条件 ( 無意識 選択 非選択 ) での自動下肢伸展挙上 ( 以下 ASLR) にて 骨盤が回旋する量を判定基準として評価した 上前腸骨棘へマーカーをつけ ベッドとの距離を測定し 安静時と ASLR 時の変化率を算出した 統計処理は Excel 統計を用い ₃ 条件間における骨盤の安定性を比較するために一元配置分散分析 多重比較検定 (Bonferroni 法 ) を行った また 測定項目から骨盤の安定性に関連する因子を抽出するために重回帰分析を行った 有意水準は ₅ % 未満とした 倫理的配慮 説明と同意 本研究にあたり 対象者には研究の趣旨を説明し同意を得た また 倫理的配慮に関して厚生労働省等による医学研究指針を遵守し 当施設の承認を得たうえで実施した 結果 ₃ 条件間における骨盤の安定性は無意識と選択 非選択間で有意差を認めた また 骨盤の安定性に関与する因子として腹横筋の移動距離が抽出された 考察 腹横筋は四肢が動く前に作用し 腰椎や骨盤の安定性に関与するが 機能が低下すると腰痛の原因になる 故に US を用いた腹横筋の選択は理想的なトレーニングであるが 難易度が高く 臨床で実施困難であることをしばしば経験する 一方で 内腹斜筋は解剖学的に付着部や走行が腹横筋に類似しており 腹横筋と同様に作用する これらのことと本研究の結果を統括すると 腹横筋の非選択は選択と同等の骨盤の安定性が得られ 簡便で腰痛予防も期待できる腹横筋の収縮方法であると考える 結語 腹横筋の非選択が骨盤の安定化において簡便な腹横筋の収縮方法である可能性が示唆され 骨盤の安定性に関与する因子は腹横筋の移動距離であった 今後は腹横筋の移動距離に関わる因子を検討していきたい

95 一般演題 ( ポスター 1 ) P 1 重度低栄養患者の褥瘡管理における術前からの理学療法士の介入が功を奏した症例 上野千沙 1) 岡本啓 2) 小林健 3) 片岡美穂 4) 崎元直樹 1) 1) 市立三次中央病院リハビリテーション科 2) 市立三次中央病院産婦人科 3) 市立三次中央病院外科 4) 市立三次中央病院看護部 key word: 術前介入 体動能力 褥瘡管理 はじめに 効果的な褥瘡管理を行うためには 適切な栄養管理や褥瘡部分の除圧によるポジ ショニングをチームで取り組むことが必要である 今回 重度低栄養患者の褥瘡管理の中で術前からの理学療法士の介入が功を奏した症例について報告する 報告にあたり 対象者には研究の趣旨を説明し同意を得た 症例 ₆₀ 歳代女性 巨大子宮肉腫により重度低栄養状態も 根治 栄養状態改善目的に摘出術実施 PT は術前より介入し 術前評価の中では巨大腫瘤ある中でもポータブルトイレ移乗と排泄動作自立であること 咳嗽力低下を確認した 術後は翌日より離床実施も 清拭中に DESIGN-R の褥瘡評価において右臀部に真皮までの損傷 (d₂) 右肛門付近には皮下組織までの損傷 (D₃) の ₂ つの褥瘡が見つかった 褥瘡管理のためポジショニングに併せ栄養管理目的に注入食開始も 頻回な下痢を発症し 右臀部褥瘡は D₃に悪化 褥瘡治癒に向け NST 褥瘡チームと協同し経腸栄養の変更や除圧 清潔を行うこととなった その中で 非常に疲れやすい患者の状況を考慮し少量頻回での離床と共にギャッチアップ座位 車いす座位での褥瘡部分の圧を測定し 褥瘡にとって負担とならない姿勢となるようにポジショニングを行い 抄録登録時の褥瘡評価にて右臀部 D₂ 肛門部分は皮膚損傷 発赤のない d₀に改善した 考察 術後は管理する病棟が変わることで看護スタッフが十分に患者の状態を把握できていないこともあるが 術前から理学療法士が介入することで術後の体動能力を予測することが可能となり 褥瘡部分の圧を考慮してのポジショニングを行うことが可能であった 褥瘡の悪化に対しても アセスメントに基づいたポジショニングを実施していたことで 原因が腸管の吸収障害による下痢と早期に判断する事にも繋がったと思われた 終わりに 褥瘡管理においては 術前から担当理学療法士が継続的に介入する必要性は高いことが示唆された

96 一般演題 ( ポスター 1 ) P 2 対応に苦慮した劣悪な自宅環境と生活習慣を有した心臓血管外科術後患者の一報告 荒木直哉 1) 中野愛理 1) 道広博之 1) 松本泰一郎 2) 1) 独立行政法人国立病院機構岩国医療センターリハビリテーション科 2) 独立行政法人国立病院機構岩国医療センター心臓血管外科 key word: 心臓血管術後 劣悪な自宅環境 生活習慣 多職種介入 背景 病前の生活状況は 訪問介護員が自宅内清掃を行うも 次回訪問時には再び床に物が散 乱し ベッドサイドのポータブルトイレは排泄物が放置されている状態であった 術後合併症にて再開胸術や人工呼吸器管理を要したため離床遅延した 全身状態に合わせて運動療法を実施し ADL の再獲得状況により病棟での活動性を向上させるよう働きかけ 劣悪な自宅環境 生活習慣に対して退院後の生活を見据えた多職種介入を行った結果 自宅退院が可能となった症例を報告する 症例紹介 ₇₀ 歳代後半 女性 診断名 : 大動脈弁狭窄症 三尖弁閉鎖不全症 持続性心房細動 洞不全症候群 手術名 : 大動脈弁置換術 三尖弁輪形成術 肺静脈隔離 ペースメーカ植え込み術 既往歴 : 心不全 第 ₄ 腰椎すべり症 労作時の呼吸困難感あり 動作レベル :₆₀m 歩行 / スウェイバック姿勢 / 持参四点杖 + 軽度介助 自宅環境 : 息子と二人暮らし ( 日中息子不在 ) 食事は ₃ 食惣菜 要介護度 ₁ : デイサービス ₂ 回 / 週 ( 入浴あり ) 訪問介護 ₂ 回 / 週 訪問看護 ₁ 回 / 週 倫理的配慮 説明と同意 本報告にあたり 対象者には報告の趣旨を説明し同意を得た また 倫理的配慮に関して厚生労働省等による医学研究指針を遵守し 当施設の承認を得たうえで実施した 経過 POD₁ ₆:: 心タンポナーデに対して全身麻酔下で再開胸血腫除去 止血術施行 ARDS に対して抗生剤加療 人工呼吸器管理が行われた 呼吸状態に合わせて体位変換 座位訓練などを実施 POD₇ : 病前より低体力に加え 術後臥床を余儀なくされたため 立位保持困難や 歩行耐性の低さが目立った 加えて呼吸 循環動態も不安定であったため 治療状況を見極めつつプログラムを構築した POD₁₃ : 動作時の呼吸の非同調性と不良姿勢に対し 呼吸指導 バランス練習 補助具の選定を実施 併せて病棟でトイレ誘導を開始 POD₂₉: 本人様 息子様の自宅退院希望強いが 劣悪な生活環境の改善対して関心低いため 退院前カンファレンス ( 息子様 介護サービススタッフ 当院主治医 看護師 MSW 理学療法士) を実施 病状説明 自宅内清掃の重要性 薬剤 栄養 ADL 指導 補助具の選定を行い 介護スタッフなどに対して退院後に良好な生活環境を維持できるよう多職種で連携して情報提供した POD₃₈: 補助具なしで連続 ₁₀₀m 歩行獲得 POD₄₀: 自宅退院 考察 本症例は周術期管理に難渋したのに加え 病前からの低 ADL や退院後の生活環境の劣悪さなど 多岐にわたる問題を抱えていた 訓練には懸命に取り組まれる症例であったが 歩行獲得後も床上排泄を継続するなど 身辺管理に無関心な面も見受けられ 退院後も外的なサポートがなければ病前の生活状況に戻る危険性が非常に高いと予想された 各種指導並びに退院後のサービス内容の見直しを行った結果 自宅退院が実現された

97 一般演題 ( ポスター 1 ) P 3 慢性期脳卒中患者の麻痺側上肢が廃用手から補助手まで改善した症例 河村考真 1) 宍戸健一郎 1) 大内田友規 1) 1) 医療法人社団清風会五日市記念病院技術部リハビリ技術科 key word: 慢性期脳卒中後遺症 内側運動制御系 運動学習 はじめに 慢性期脳梗塞後遺症患者に対して内側運動制御系に介入し 機能改善の経過に合わ せた自主練習を促した結果 麻痺側上肢が廃用手から補助手レベルに改善を認めた症例を経験した為 報告する 症例紹介 ₄ 年 ₇ か月前に右被殻出血よる左片麻痺を認め 転倒により右橈骨茎状突起骨折を呈した₆₀ 歳代女性 MMSE は₃₀ 点であり高次脳機能障害は認めなかった BRS は左上肢 Ⅱ 手指 Ⅱ 下肢 Ⅲであり 自動運動での関節可動域 ( 以下 : 自動 ROM) は左上肢全ての関節において運動困難であった BBS は₂₃ 点 /₅₆ 点とバランス障害も認めた 日常生活動作は非麻痺側上下肢にて自立していたが姿勢保持に非麻痺側上肢の支持が必要であり麻痺側上下肢は連合反応が出現し生活場面の参加は認められない状態であった 倫理的配慮 説明と同意 症例報告を含む医学論文及び学会研究会発表における患者プライバシー保護に関する指針を遵守した 経過 介入開始から退院までの₃₂ 病日間 週 ₅ 回 ₁ 日 ₃ 単位介入を実施した 内側運動制御系の介入として非麻痺側の皮質網様体脊髄路を活性化し麻痺側への重心移動を実施した 非麻痺側上肢の過活動が減少し連合反応が抑制されたため麻痺側上下肢の外側運動制御系への介入へ移行した 自主練習指導では麻痺側上肢の可動性 随意性に合わせて難易度の変更を行いながら体性感覚と視覚を統合させ 麻痺側上下肢の身体図式の改善に努めた 内容を症例が麻痺側上肢を生活場面に参加したい動作 日課の動作とすることで意欲的に実施でき 自宅退院後も継続しやすいものとした また 生活場面で非麻痺側が過活動にならないように生活指導を実施した 最終評価時の BRS は左上肢 Ⅲ 手指 Ⅱ 下肢 Ⅲと改善を認め 自動 ROM は左肩関節屈曲 ₄₅ 度 外転 ₉₀ 度可能となった BBS は₃₉ 点 /₅₆ 点とバランスの向上を認めた 麻痺側上肢の日常生活動作場面での参加が増加し廃用手から補助手レベルへ改善した 考察 症例は麻痺側上肢が学習性不使用の状態であり BBS に改善を認め自動運動に必要な内側運動制御系の姿勢制御を獲得したことにより潜在能力が発揮でき 廃用手から補助手レベルまで改善したと考える また ₄ 年 ₇ か月の間 麻痺側上肢を使用しておらず動かないという身体図式の改善のためには 運動学習頻度が多く必要であり自主練習が不可欠であったと考える 自主練習内容を経過に合わせて難易度調整し学習性無力感を感じさせないようにするとともに 興味のある日課の動作とすることで指向性 継続性があり効率的な運動学習につながったことも機能改善の一助になったと考える 結語 麻痺側上肢の随意性に必要な内側運動制御系の改善に図り 運動学習理論に基づき自主練習を併用しながら適切な感覚入力を実施することで慢性期脳卒中患者においても身体図式が変化し麻痺側上肢機能の改善が認められることを経験できた

98 一般演題 ( ポスター 1 ) P 4 当院における TAVI 術前後の心臓リハビリテーションの現状と今後の課題 井川英明 1) 大宇根浩一 1) 濱﨑徹志 1) 赤崎哲也 1) 槙原華奈 1) key word: 大動脈弁狭窄症 TAVI 運動耐容能 1) 広島市立広島市民病院 はじめに 重度大動脈弁狭窄症に対する外科治療は開心術である大動脈弁置換術が主に行われ ている 当院では高齢やリスクが高く開心術が困難であった症例に対して ₂₀₁₆ 年度から経カテーテル大動脈弁留置術 (Transcatheter Aortic Valve Implantation 以下 :TAVI) を開始しており 当科も多職種協働によるハートチームの一員として 情報共有のもと術前より ADL 運動耐容能向上に向け 退院までの介入を原則とし実践している 今回は TAVI 実施患者の術前および術後の ADL 能力 運動耐容能について比較 検証を行った 対象および方法 対象を₂₀₁₆ 年 ₆ 月 ~₂₀₁₇ 年 ₃ 月に TAVI を受け 術前後で当科介入を行った ₂₂ 例のうち 安静度の制限 急な退院などの理由で検査が施行できなかった症例を除外した₁₂ 例とした ( 男性 : 女性 = ₅ : ₇ 術後からの平均在院日数 ₁₈.₈±₁₀.₉ 日 ) ADL の評価には BI 運動耐容能の評価は握力 膝伸展筋力 ₁₀m 歩行 ₆ 分間歩行を測定した 膝伸展筋力は体重で除した値を測定値とした 術前後の測定値を Wilcoxon の符号付順位和検定にて統計解析した 統計処理には freejstat を用いた 倫理的配慮 説明と同意 本研究はヘルシンキ宣言に基づき実施し 対象者には 研究内容について説明し同意を得た 結果 対象の年齢は₆₅~₉₀ 歳 平均 ₈₃.₃±₆.₅ 歳 ( そのうち₈₅ 歳以上 : ₆ 例 ₉₀ 歳以上 : ₁ 例 ) 平均体重 ₅₁.₈±₁₂.₅kg であった 術前の平均は BI:₈₈.₀±₁₄.₀ 点 握力 : 右 ₁₉.₆±₆.₂kg 左 ₁₉.₅±₆.₉kg 膝伸展筋力: 右 ₀.₃₈±₀.₁₁kg/W 左 ₀.₂₆±₀.₁₀kg/W ₁₀m 歩行 :₁₅.₀±₇.₅ 秒 ₆ 分間歩行 :₂₂₆.₆±₉₀.₅m であった 術後の平均は BI:₉₂.₀±₆.₃ 点 握力 : 右 ₁₇.₃±₅.₄kg 左 ₁₇.₂±₅.₉kg 膝伸展筋力: 右 ₀.₂₇±₀.₀₈kg/W 左 ₀.₂₅±₀.₀₉kg/W ₁₀m 歩行 :₁₄.₂±₅.₄ 秒 ₆ 分間歩行 :₂₄₂.₈±₈₃.₇m であった 術前と比較して術後は左右の握力 右膝伸展筋力に関して有意に低下を認めた (p<₀.₀₁) BI 左膝伸展筋力 ₁₀m 歩行 ₆ 分間歩行に関しては術前後で有意差を認めなかった (p<₀.₀₅) 考察 TAVI の利点として 従来の開心術より低侵襲で 早期離床が可能という点がある 本研究では 術後 対象の全身状態が安定せず数日の臥床期間を要する症例があったことで 廃用に基づく筋出力低下に与える影響が大きかったと思われる 心エコー検査結果等で心機能は改善したものの 筋力の低下により₁₀m 歩行や ₆ 分間歩行にも影響を与えた可能性がある 今後 さらに症例数を増やし 退院後も継続したフォローができる体制を築いていきたい

99 一般演題 ( ポスター 1 ) P 5 T-support と長下肢装具を併用しての歩行における足関節底屈モーメントについて 瀬戸有香 1) 濱崎崇史 1) 小川奉彦 1) 神田勝彦 1) 1) 医療法人社団生和会徳山リハビリテーション病院リハビリテーション部 key word:t-support 長下肢装具 足関節底屈モーメント はじめに 脳卒中片麻痺患者に対して 長下肢装具を用いた歩行トレーニングは近年使用頻度 が高まってきている しかしながら 股関節伸展位をとることで TSt 以降のスイング動作の 難易度が高まる その結果 過剰努力による麻痺側下腿三頭筋の筋緊張亢進などが起こり 効果的な歩行トレーニングの実施が困難となりやすい 当院ではその解決の為に 体幹伸展および股関節屈曲を補助し スイングをアシストする機能を有している T-support( 川村義肢株式会社製 ) を導入し 患者の歩行トレーニングに積極的に使用している 目的 今回 T-support の効果を検証するべく 介助歩行のみと T-support を使用しての介助歩行の違いを 足関節底屈モーメントに着目して比較したので報告する 症例 当院入院中の₇₀ 歳代女性の脳卒中片麻痺患者 ₁ 名 (Br.stage: 左下肢 Ⅱレベル ) 方法 1 長下肢装具を用いて介助のみの歩行と2 長下肢装具と T-support を使用しての介助歩行を 川村義肢株式会社製 Gait Judge System にて計測される底屈トルクの波形 およびファーストピーク セカンドピークのそれぞれの平均値を計測し比較を行った 倫理的配慮 説明と同意 本報告にあたり 症例には研究の趣旨を説明し同意を得た また 倫理的配慮に関して厚生労働省等による医学研究指針を遵守し 当施設の承認を得たうえで実施した 結果 1 長下肢装具を用いて介助のみの歩行での平均ファーストピークは₂.₀Nm セカンドピークは₃.₆Nm 2 T-support を使用しての介助歩行での平均ファーストピークは ₄.₉Nm セカンドピークは₃.₅Nm であった ファーストピークの平均値は T-support を使用しての介助歩行のほうが大きい結果となったが セカンドピークについては大きな差はなかった また 介助歩行のみでのセカンドピークの波形はピークが下がることなく底屈モーメントは働いたまま IC に移行していたが T-support を使用した場合のセカンドピークは一度底屈モーメントが減少して IC へ移行し 二峰性の波形を示していた 考察 T-support の使用により 体幹伸展位保持をサポートし股関節屈筋群を含めた体幹前面の筋が働きやすくなることに加え 股関節屈曲を補助してくれるゴムバンドの作用によって力学的に有利なスイング動作を行うことができるようになる そのことが スイング時の過剰努力による下腿三頭筋の筋緊張亢進の抑制およびファーストピークの増大に寄与し 二峰性の底屈モーメントの波形を示したのではないかと考える 今後はさらに症例数を増やして検討し T-support を使用して効果的な歩行練習を提供していきたいと考える

100 一般演題 ( ポスター 2 ) P 6 当院における人工膝関節単顆置換術 (UKA) の短期成績 ~ 人工膝関節全置換術 (TKA) との比較 ~ 竹本雄一郎 1) 谷口亮治 1) 藤原靖 2) 真鍋英喜 2) 西森誠 2) 1) 地方独立行政法人広島市立病院機構広島市立安佐市民病院リハビリテーション科 2) 地方独立行政法人広島市立病院機構広島市立安佐市民病院整形外科 key word: 人工膝関節単顆置換術 術後成績 身体機能 はじめに UKA 手術は TKA に比べ低侵襲で術後の機能改善も良好であると報告されている しかし 本邦での UKA の手術件数は人工膝関節置換術の中で ₁₀% にも満たず 実施施設も限 られている 当院では 適応可能な症例には積極的に UKA を施行している 今回 当院での UKA 及び TKA 施行患者の 術前及び術後 ₁ 年の身体機能を比較し その特徴を明らかにした 対象と方法 ₂₀₁₅ 年 ₄ 月から ₂₀₁₆ 年 ₂ 月までに当院で人工膝関節置換術を施行した症例のう ち 術前の Kellgren-Lawrence 分類 (OA grade) が Ⅲ ないし Ⅳ で 術後 ₁ 年間経過観察できた ₈₅ 歳以下の女性 ₃₈ 例を対象に UKA 群と TKA 群の ₂ 群間で 身体機能 患者立脚型評価を比 較した 調査項目は 術後在院日数 BMI 転帰と 術前及び術後 ₁ 年の膝伸展筋力 Timed Up and Go test(tug) ₁₀m 歩行速度 膝伸展 屈曲可動域 術側の膝 JOA スコア 歩行時 疼痛 (VAS) 歩行補助具の使用の有無とした さらに術後 ₁ 年時には UCLA activity score (UCLA) 日本語版 Lower Extremity Functional Score(LEFS) 変形性膝関節症患者機能評価 尺度 (JKOM) を用いた患者立脚型評価を行った 統計は χ 二乗検定 マンホイットニーの U 検定を用い 有意水準を ₅ % 未満とした 倫理的配慮 説明と同意 本研究は 厚生労働省等による医学研究指針に基づき倫理的配慮を 行い 対象に研究の趣旨を説明し同意を得た 結果 UKA 群と TKA 群の ₂ 群間で 年齢 術前 OA grade BMI 歩行補助具の有無 転帰 先に有意差は無く 術後在院日数は UKA 群が短かった 術前の身体機能は 術側 非術側膝 伸展筋力とも UKA 群が強く TUG ₁₀m 歩行は UKA 群が速かった 術側屈曲 伸展可動域 VAS JOA スコアはいずれも有意差はなかった 術後 ₁ 年の身体機能は 非術側膝伸展筋力は UKA 群が強く TUG ₁₀m 歩行は UKA 群が速かった 屈曲可動域は術側 非術側とも UKA 群が良好であった JOA スコアは UKA 群が良好で VAS は UKA 群で軽度であった JKOM で は UKA で満足度が高い傾向にあったが UCLA LEFS で両群に有意差は無かった しかし 下位項目は LEFS ではスポーツ活動や走行が JKOM ではしゃがみ動作や階段昇降が UKA 群 で良好であった 考察 術前身体機能は 両群の屈曲可動域や 歩行時及び階段昇降時の疼痛に有意差は認めな かった しかし 術後 ₁ 年の身体機能を比較すると UKA 群で良好な歩行能や階段昇降能 膝 屈曲 ROM が得られていた 単顆に限局した OA では UKA を施行することでより短期間の入 院で社会復帰することができ 良好な術後成績を獲得できる可能性が示唆された

101 一般演題 ( ポスター 2 ) P 7 大腿骨近位部骨折患者における転帰先に影響を及ぼす因子の検討 緒方啓将 1) 倉田和範 1) 賀川佳則 1) 安部大昭 1) 小幡賢吾 2) 1) 総合病院津山第一病院リハビリテーション科 2) 岡山赤十字病院リハビリテーション科 key word: 大腿骨近位部骨折 Life Space Assessment 転帰先 目的 大腿骨近位部骨折 ( 以下 頚部骨折 ) は高齢化社会の進行とともに近年増加傾向にある 骨折の一つである 頚部骨折患者のリハビリテーション ( 以下 リハ ) の目標は 受傷前歩行能力の再獲得と早期自宅退院または社会復帰であるが 結果的に機能低下に至り受傷前居住地に退院できない場合もある 頚部骨折患者の自宅退院の可否に対し 受傷前の活動性やリハ開始時の Activities of daily living を用いた報告は少ない 今回我々は 頚部骨折後に手術を施行しリハが開始され リハ開始時評価から自宅退院が可能となる因子を検討することとした 対象 ₂₀₁₆ 年 ₄ 月 ~₂₀₁₇ 年 ₂ 月までの間に 頚部骨折により当院に入院し 手術 リハを施行後退院した₆₅ 歳以上の患者で 受傷前の居住地が自宅であった₉₄ 名とした このうち 受傷前が独歩または杖歩行が不可能 最終転帰先が不明な回復期病院への転院 死亡退院を除外した ₄₈ 名を調査対象とした 方法 基本情報として年齢 性別 同居人の有無 受傷前歩行様式 転帰先 またリハ開始時評価として 握力 Barthel Index( 以下 BI) Mini-Mental State Examination( 以下 MMSE) また活動量を頻度や自立度だけでなく活動範囲の観点から定量的に評価する Life Space Assessment( 以下 LSA) を診療録より後方視的に抽出した 自宅へ退院した₃₃ 名 ( 自宅群 ) と施設 療養型病院へ転院した₁₅ 名 ( 施設群 ) の ₂ 群に分け 両者に対しカテゴリー変数に対しては χ ₂ 検定 連続変数に対しては Wilcoxon 順位和検定を行った なお危険率 ₅ % 未満をもって有意差ありとした 倫理的配慮 説明と同意 本研究は当院倫理委員会において承認(₂₀₁₇-₁) を得ている また 対象患者にはリハ開始時評価に同意 協力を得ている 結果 MMSE(p<₀.₀₀₁) LSA(p<₀.₀₅) リハ開始時 BI(p<₀.₀₅) に有意差を認めた 年齢 性別 同居人の有無 受傷前歩行様式 リハ開始時握力に有意差は認められなかった 考察 先行研究では退院時 BI が自宅退院に関係すると報告されているが リハ開始時 BI や受傷前の活動性に関する報告は少ない 本研究では 受傷前の活動範囲を評価する目的で LSA を用いた 原田らによると LSA の得点には歩行能力や活動能力がよく反映されると報告されている また 認知機能については頚部骨折患者の自宅復帰困難因子として報告されている これらのことから 認知機能や退院時 BI だけではなく 受傷前の歩行能力や活動能力 活動範囲とリハ開始時 BI は転帰先を考える上での因子となりうると考えられる 今後は LSA を用い 自宅退院が可能となる受傷前の活動能力や活動範囲の詳細を検討していきたい

102 一般演題 ( ポスター 2 ) P 8 関節制動訓練 (Dynamic Joint Control Exercise) における効果の持続性 石川慶 1) 平岩和美 2) 1) 医療法人友安会友安クリニックリハビリテーション科 2) 広島都市学園大学 key word: 重心動揺 静止立位 関節制動訓練 はじめに 本研究では 安静時立位時の重心動揺と Dynamic Joint Control エクササイズ ( 以 下 DYJOC ex. とする ) 後の安静時立位の重心動揺にどのような変化が何日目からみられるかを 明らかし 高齢者の転倒リスクを軽減させる方法を提案することを目的とする 対象 ヘルシンキ宣言に基づき本研究の趣旨を十分に理解し 文書にて同意が得られた広島都 市学園大学に在学する健常成人男性 ₈ 名 ( 平均年齢 ₂₂.₉±₅.₇ 歳 ) とする 方法 Active Balancer( 酒井医療株式会社 EAB-₁₀₀) を用いて静止立位時の重心動揺を ₃₀ 秒 間計測した その後 DYJOC BOARD( 酒井医療株式会社 SPR-₂₆₅) を用いて DYJOC ex. を ₂ 分間実施し 次いで再度静止立位時の重心動揺を計測し これを ₃ 日間繰り返した 統計処 理には 対応のある T 検定を用い 有意水準 ₅ % とした 倫理的配慮 説明と同意 倫理的配慮については 本研究で得た結果を卒業研究論文で発表す る場合にも 発表にあたっては統計的な処理により個人が特定されないように配慮する なお 本研究は広島都市学園大学倫理審査委員会にて承認を得た ( 承認番号第 ₂₀₁₆₀₀₄ 号 ) 結果 外周面積では ₁ 日目のエクササイズ前 - ₃ 日目のエクササイズ前 (p=₀.₁₀) ₁ 日目 のエクササイズ前 - ₃ 日目のエクササイズ後 (p=₀.₀₇) において有意傾向であるということが 示唆された Y 方向動揺中心変位は ₂ 日目のエクササイズ前 - ₂ 日目のエクササイズ後 (p=₀.₀₄) において有意差がみられた ₃ 日目のエクササイズ前 - ₃ 日目のエクササイズ後 (p=₀.₀₈) においては有意傾向にあるということが示唆された 考察 DYJOC ex. とは バランス向上を目的としたエクササイズであり 運動の要素のうち調 整力を改善するものと考えられる この調整力を高めることで 安静時立位時の Y 方向動揺中 心変位に有意差がみられたのではないかと考える 調整力を高めるための手法としては 運動 学習の理論が挙げられる 今回使用した Active Balancer は 視覚目標があるため視覚からの内在的フィードバックによる運動学習の効果が得られたのではないかと考えた また DYJOC ex. による静止立位保持の結果を対象者自身に直接表示し かつ対象者自身の感想と比較したことで運動学習への効果が高まったのではないかと考える よって 動的バランスのエクササイズである DYJOC ex. によって静的バランスに効果がみられるということは この運動学習による効果ではないかと考えた 今後の課題としては エクササイズ時の声かけを実施し 外在的フィードバック多くすること また エクササイズ期間を長期間設けることでさらに効果が期待できるのではないかと考えた 結語 今回 安静時立位時の重心動揺と Dynamic Joint Control エクササイズ後の安静時立位時の重心動揺にどのような変化が何日目からみられるか エクササイズを ₃ 日間継続し 検討した 前後方向の重心動揺は ₂ 日目から減少した 全体の動揺を示す外周面積は ₃ 日目から減少した

103 一般演題 ( ポスター 2 ) P 9 複数生じている症状に対し 症状の整理と運動機能障害に対する評価を行うことで改善を得られた症例 村尾竜次 1) 1) 医療法人サカもみの木会サカ緑井病院リハビリテーション科 key word: 疼痛 股関節 運動器 はじめに 今回 複数生じている症状に対し 症状の整理と運動機能障害に対する評価によ り それぞれの症状の原因を明らかにすることで 症状の改善を得られた症例を経験したため報告する 症例紹介 ₆₀ 代女性 ₁₁ 月頃から右鼠径部 右殿部 右下腿後面に疼痛出現 症状続くため ₁ 月初旬に当院受診 股関節 X 線 腰椎 X 線 腰椎 MRI 施行され 変形性股関節症の診断にて理学療法処方され開始となる 右鼠径部の疼痛は鋭痛で 寝返り時や足を動かした際の何かの拍子に出現するとのことであった 右殿部 右下腿後面の疼痛は鈍痛で 長時間立位時や歩行時 (₂₀₀~₃₀₀m) に出現し 特に夕方から夜にかけて出現するとのことであった 右鼠径部の疼痛と右殿部 右下腿後面の疼痛は 疼痛の出現するタイミングが異なり 疼痛の性質も異なるものであり それぞれ異なる原因により生じている疼痛であると考えた 立位姿勢 : 骨盤前方偏位 左回旋位 右寛骨前傾位 右股関節外転位 ROM/MMT: 股関節屈曲右 ₉₀ /₃+ 鼠径部に疼痛(+) 股関節外旋右 ₄₅ /₃+ 股関節内旋 ₃₀ /₃+ 鼠径部に疼痛 (+) 右大殿筋 中殿筋後部線維弱化 Ober テスト : 右陽性 梨状筋 腓腹筋過緊張 体幹運動に伴う疼痛 ( ) 神経伸張テスト( ) 鼠径部の疼痛は腸腰筋 外旋筋機能低下 大腿筋膜張筋過緊張 梨状筋を含めた股関節後方組織の硬さにより 股関節屈曲や内旋運動時に大腿骨前方滑りが生じることで 股関節前方組織に対するストレスが加わることにより生じている症状であると考えた 右殿部 右下腿後面の疼痛は 体幹運動に伴う疼痛はなく 神経テストによる症状誘発はみられなかったこと また腰部筋と殿筋からの放散痛もみられなかったことから 神経障害性疼痛 体性関連痛の可能性は低いと考え 股関節周囲筋機能低下に伴う 梨状筋 腓腹筋の筋 筋膜性疼痛であると考え 介入を行った 介入 週 ₁ 回 ₂ ヶ月間介入を行った 介入としては大腿筋膜張筋 梨状筋 腓腹筋ストレッチ マッサージと腸腰筋 大殿筋 中殿筋 外旋筋収縮エクササイズを中心に行った 結果 寝返りや股関節屈曲時の鼠径部の疼痛は消失 股関節内旋最終域で疼痛出現するも軽度となった 長時間立位 歩行時の右殿部の疼痛は消失 右下腿後面に違和感 ~ 重だるさは出現するものの長時間歩行も可能となり 介入終了となった 結論 複数生じている症状に対し 問診や疼痛評価による症状の整理と運動機能障害に対する評価を行うことにより それぞれの症状の原因を明らかにすることで良好な経過を得られたと考えられる 倫理的配慮 説明と同意 本症例に発表の目的と内容を説明し 同意を得た

104 一般演題 ( ポスター 2 ) P 10 人工膝関節新機種 bi-cruciate stabilized TKA を使用した症例の術後膝関節機能特性 藤原史帆 1) 島田昇 1) 浅枝諒 1) 伊藤義広 2) 木村浩彰 3) 1) 広島大学病院診療支援部リハビリテーション部門 2) 広島大学病院診療支援部 3) 広島大学病院リハビリテーション科 key word: 変形性膝関節症 人工膝関節置換術 bi-cruciate stabilized はじめに 人工膝関節置換術 ( 以下 TKA) 患者は年間約 ₇ 万人とされている 近年 耐久性 向上や生理的膝関節機能の再現を目的にインプラントが改良されているが その機能特性を考慮した理学療法が実践されているかは不明である 当院では平成 ₂₈ 年 ₁₀ 月より bi-cruciate stabilized 型 TKA JOURNEY Ⅱ( 以下 BCS smith&nephew UK) の使用を開始し 術後理学療法を行う機会を得た そこで本研究では 従来使用頻度が高かった Cruciate Substituting 型 TKA Triathlon( 以下 CS Stryker USA) と BCS 症例の術後膝関節と身体機能について比較し その特性について検討することを目的とした 症例 ₇₀ 歳台前半女性 ( 身長 ₁₅₅.₀cm 体重 ₇₄.₆kg BMI₃₁.₀₅) 右変形性膝関節症に対して TKA BCS 型を施行した患者 靭帯操作は 前十字靭帯 後十字靭帯を切除し コンポーネントはセメントにて固定された 術後理学療法は クリニカルパスに準じ術後 ₁ 日目より理学療法開始 術後 ₃ 日目より ROM 運動を開始した ROM 開始時に全荷重許可され 歩行練習開始 術後 ₂ 週で独歩獲得 術後 ₃ 週で荷重下膝関節屈伸運動開始 術後 ₄ 週で退院となった CS との相違点は 荷重開始時期が ₂ 週早く 荷重下膝関節屈伸運動を導入した点である 方法 対象は本症例( 以下 BCS 症例 ) と CS を施行された患者 ₉ 名とした 評価項目は 等尺性膝伸展筋力 階段降段時の膝関節屈曲可動域 日常生活中の膝関節に対する違和感とした 等尺性膝伸展筋力は筋力測定器 (μ-tas アニマ株式会社 東京) 膝関節屈曲可動域は三次元動作解析装置 (VICON MX Vicon Motion Systems UK) を用いて計測した 違和感の評価には Forgotten Joint Scale( 以下 FJS) を用いた 測定時期は術後 ₆ ヶ月時とし 各項目において BCS 症例と CS 群間で比較した 本研究はヘルシンキ宣言に則り 対象者に研究内容を説明し 同意を得た上で行なった 結果 等尺性膝関節伸展筋力は CS 群 ₁₉.₄±₄.₆kgf BCS 症例 ₂₁.₆kgf 階段降段時の膝関節屈曲可動域は CS 群 ₆₃.₂±₁₆.₅ BCS 症例 ₇₅.₅₇ 膝関節に対する違和感 FJS は CS 群 ₃₆.₀± ₈.₉ 点 BCS 症例 ₁₅.₀ 点であった 考察 CS 群に比較して BCS 症例で膝伸展筋力の改善が大きく 術後膝関節に対する違和感が少なかったことについて BCS は前十字靭帯の機能をもち より生理的な関節面の形状に近く 完全伸展位での生理的な大腿骨 - 脛骨前後位置関係になる構造を有する点があげられる また術後理学療法において BCS の機能を考慮した荷重下膝関節屈伸運動を取り入れたことで 階段降段時に膝関節をより屈曲できたものと考える

105 一般演題 ( ポスター 3 ) P 11 水中法による超音波療法でも 十分な温熱効果はある ーラットによる実験的研究ー 浮本祥 1) 積山和加子 1) 沖貞明 1) 坂本隆徳 1) key word: 超音波療法 水中法 直接法 酒井はるか 1) 梅井凡子 1) 小野武也 1) 1) 県立広島大学保健福祉学部理学療法学科 はじめに 超音波療法の照射方法には直接法と水中法がある 先行研究では 脱気水を用いて も水中法は直接法よりも温度上昇効果は乏しいと報告されている しかし 直接法で使用するジェルは脱気水よりも透過率が低く ジェルの冷却効果と気化熱による温度低下により 水中法の方が温熱効果が高いはずである 水中法の温熱効果が不十分であった原因として 照射面積の超過があげられている そこで 水中法でも直接法と同様に正確な照射面積の設定を行えば 直接法よりもさらに有効な温熱効果が得られると考え本実験を行うこととした 対象 ₉ 週令の Wistar 系雌ラットを₁₂ 匹使用し ₆ 匹ずつ直接法群と水中法群に分けた 方法 ₂ 本の針型温度計を使用し 皮下温度およびヒラメ筋内温度の計測を行った 各々の計測は超音波療法施行 ₁ 分前から開始し 開始後 ₁₀ 分経過時まで ₁ 分ごとに記録した 超音波治療は 周波数 ₃MHz 照射時間率 ₁₀₀% 出力 ₁.₅W/cm ₂ とし 照射中は実施者に温度変化を確認させずに行った 直接法群では 超音波用ジェルを使用し有効照射面積の ₂ 倍の面積の穴をあけたゴム製のマットをテンプレ トとして用いた 水中法群では₃₇ C の脱気水を使用し 導子と照射部位間が ₁cm に保たれるように作製したスプリントにテンプレートを設置し 照射部位 面積が直接法と同一になるようにした 統計解析には対応のある二元配置分散分析を行った 開始前を対照とした多重比較には Dunnet 法を用い 有意水準は ₅ % とした 倫理的配慮 本研究は 演者所属の動物実験倫理委員会の承認を受けて実施した ( 承認番号 : 第 ₁₅M₀₀₅ 号 ) 結果 皮下温度は 直接法群では照射開始直後に一度低下し その後は上昇する傾向が認められた 水中法群では低下することなく上昇し続け ₁₀ 分後の平均値と標準偏差は 直接法群 ₃₅.₅±₀.₄ C 水中法群 ₃₈.₅±₀.₅ C であった (p<₀.₀₁) 筋内温度は両群ともに照射開始直後から上昇し続けたが 照射開始から ₂ 分から ₆ 分にかけては水中法群が高く (p<₀.₀₅, p<₀.₀₁) ₁₀ 分後の平均値と標準偏差は 直接法群 ₄₀.₄±₁.₁ C 水中法群 ₄₁.₅±₁.₂ C であった 考察 両群における皮下温度の差は ジェルによる冷却効果 気化熱と₃₇ C の水温の影響と考えられる 一方で筋内温度は 両群共に良好な温度上昇がみられたが 水中法群の温度上昇がより良好であり今までの報告とは異なる結果が得られた 従って 今までの水中法の研究では水中法自体ではなく照射面積の超過によって温度上昇が得られなかったことが明らかとなった 結語 水中法においても直接法と同様に正確な照射面積の設定を行えば有効な温熱効果が得られ 時には直接法を上回る温熱効果が得られるということが明らかとなった

106 一般演題 ( ポスター 3 ) P 12 脛骨天蓋骨折術後に内側足底神経領域の神経損傷を合併した 1 例 山崎健治 1) 角南義文 2) 濱浪一則 2) 武富翼 2) 吉永裕美 1) 1) 特定医療法人竜操整形竜操整形外科病院リハビリテーション部 2) 特定医療法人竜操整形竜操整形外科病院医局 key word: 脛骨天蓋骨折 内側足底神経 超音波検査 はじめに 脛骨天蓋骨折は下腿長軸方向に強力な圧迫 回旋力が加わることで生じ 関節面の 破壊と重度の軟部組織損傷を伴う 関節可動域制限 歩行時痛 歩行能力低下が残存しやすい骨折といわれている 重症例では変形性足関節症に移行し 関節固定術等の手術が施行されると報告されている 今回術前から重度の感覚障害を合併した症例を担当した 超音波検査 Semmes Weinstein Monofilament Test( 以下 Semmes) 主治医による筋電図検査の結果から病態の解釈を行い 治療介入を行ったので報告する 倫理的配慮 説明と同意 学会発表の趣旨を本症例に対して書面及び口頭にて説明し同意を得た 症例紹介 ₂₀ 歳代女性 横断歩道歩行中に軽乗用車と衝突した際に受傷し 他院へ救急搬送の後に創外固定を施行された 受傷より₁₁ 日後に観血的整復固定術が施行され 治療経過した 術後 ₂₅ 日に当院へ転院し当院での理学療法開始となった 経過 術後 ₂₅ 日時点で関節可動域検査は背屈自動 ₂₅ 他動 ₅ 母趾 MP 伸展自動 ₁₀ 他動 ₂₀ と制限を認めた 徒手筋力検査では長母趾伸筋と長母趾屈筋が ₂ 母趾外転筋は ₀ であった Tinel 徴候は遠位足根管叩打で第 ₁ 趾から第 ₃ 趾の MP 関節部まで放散痛を認めた Semmes では内側足底神経領域が測定不能 外側足底神経領域は触覚低下を認めた 超音波検査では遠位足根管部にて内側足底神経周辺の血管新生と浮腫を認め 神経の連続性ははっきりしなかった 筋電図検査では誘発筋電図が反応なし 安静時電位が脱神経所見を認めた 術後 ₉₁ 日時点で関節可動域検査は背屈自動 ₅ 他動 ₀ 母趾 MP 伸展自動 ₄₀ 他動 ₅₀ と改善した 徒手筋力検査は長母趾伸筋と長母趾屈筋が ₃ と改善を認めたが 母趾外転筋は ₀ のままであった Tinel 徴候は遠位足根管叩打で第 ₁ 趾 ~ 第 ₃ 趾の末端部まで放散痛を認めた Semmes は外側足底神経領域は改善が見られた 内側足底神経領域では改善が見られなかった 考察 本症例は術前より重度の感覚障害を呈していた 予後予測の詳細な評価の必要性があると考え Tinel 徴候 超音波検査 Semmes を実施し 筋電図は主治医に依頼した 結果より sunderland 分類 ₅ 型 損傷状態は神経断裂の状態と考えられた 初期評価時の結果から内側足底神経領域の回復は望めないと考え 経過観察を行った 最終評価時においても内側足底神経領域の改善が見られなかった 結語 脛骨天蓋骨折は重度の軟部組織損傷を伴う 神経損傷合併例では Tinel 徴候 超音波検査 筋電図検査 Semmes を用いることで神経損傷の状態の推察が可能になり 知覚再教育訓練の適応など理学療法を実施するための判断材料として有用であると考えられた

107 一般演題 ( ポスター 3 ) P 13 大腿部への局所的な圧迫が歩行時のパフォーマンスや筋活動に与える影響 清水亮祐 1) 井上優 1) 片山佳紀 1) 1) 社会医療法人全仁会倉敷平成病院リハビリテーション科 key word: 圧迫 筋電図 歩行 目的 近年 スポーツ競技を中心とした運動時にコンプレッションウェアを着用する人が増え ている コンプレッションウェアの着用により身体に適度な圧迫が加わり パフォーマンスの向上や疲労の軽減が期待されている 過去の論文では 大腿部に対する局所的な圧迫により膝関節伸展トルクが増加したという報告や 下腿部への圧迫により走行後の跳躍力の低下を抑制したという報告がある これらの報告は 下肢の局所的な圧迫であってもパフォーマンスの変化を及ぼすことを示唆しているものの 歩行を課題動作としてパフォーマンスや筋活動への影響を検討した報告は見当たらない 本研究の目的は 大腿部への局所的な圧迫が歩行時のパフォーマンスや筋活動に与える影響を検討することとした 方法 対象は₂₃~₂₆ 歳の健常男性 ₁₄ 名であった ゴムバンドを巻いていない状態とゴムバンドにより圧迫した状態の ₂ 条件で₁₀m 快適歩行を行った 圧迫は大腿中央部に幅 ₁₀cm のゴムバンドを着用し 圧迫強度は Britto らの報告を参考に マンシェットを巻き₂₀mmHg の強さに圧迫した状態と自覚的に同程度の強度で取り付けた 歩行中の筋活動の測定には表面筋電図 EMG マスター ( 小沢医科器械社製 ) を用いて右下肢の大腿直筋 内側広筋 外側広筋 半腱様筋を被検筋とする筋電図を記録し 同時に時間距離因子として歩行所要時間 歩幅を計測した 定常歩行中の任意の ₃ 歩行周期分の筋電図データを抽出し ₁ 歩行周期時間を₁₀₀% とし 階級幅 ₁₀% ごとの筋電図積分値 (integrated electromyography: IEMG) を算出し 最大等尺性収縮時の IEMG で正規化 ( 以下 % IEMG) した 圧迫による影響の統計学的検討において 時間距離因子には t 検定 % IEMG には二元配置分散分析を用い 多重比較は Bonferroni 法を用いた 統計学的有意水準は ₅ % とした 論理的配慮 説明と同意 本研究は 厚生労働省等による医学研究指針を遵守し 当施設の承認を得たうえで 対象者に研究の趣旨を説明し同意を得て実施した 結果 歩行所要時間と歩幅には圧迫の有無による有意な違いは認めなかった % IEMG の比較では内側広筋にのみ交互作用を認めた 多重比較の結果 大腿直筋では有意差を認めなかった 内側広筋では歩行周期の₂₀~₃₀% ₃₀~₄₀% ₆₀~₇₀% 外側広筋では ₀ ~₁₀% において圧迫を行うと % IEMG は有意に低い値を示した 半腱様筋は₇₀~₈₀% で圧迫を行うと有意に高い値を示した 考察 本研究結果より 筋に局所的な圧迫を加えることで より少ない筋活動量で同程度のパフォーマンスが得られることが示唆された 佐藤らは 疲労が生じていない筋の % IEMG 値は 疲労が生じている時に比べて低値になることを報告している 本研究では圧迫により % IEMG 値が減少したことから 局所的な筋の圧迫が歩行中の筋活動を抑制し 筋疲労を軽減させる可能性が考えられた 今後 筋の局所的な圧迫と疲労の関連性を詳細に検討するためには 負荷量や試行回数の異なる条件で筋活動を比較する必要がある

108 一般演題 ( ポスター 3 ) P 14 ストレッチング前後の握力変化 高下耕平 1) 1) 佐藤病院 key word: ストレッチング ストレッチングによる効果 コンディショニング方法 はじめに ₁₉₇₅ 年 Anderson が STRETCING を発表し ウォームアップでストレッチングが用いられるのは一般的になっている その一つの目的にはパフォーマンスの向上があると思われる 臨床において筋力を発揮しにくいという現象を目の当たりにした 今回 手部に対して Ib 抑制が掛らない時間での筋および関節包のスタティックストレッチングを施行し 握力の変化を調べ有効性の有無を検討した 方法 健常成人 ₂₂ 名 ( 平均年齢 ₃₁.₅±₆.₅ 歳 男性 ₁₆ 名 女性 ₆ 名 ) 握力は OG 技研社製のデジタル握力計を使用し測定した 立位にて握力を測定 ₁₀ 分間の休息後 肘関節伸展位にて 手指中手基節間関節 ( 以下 MP) 伸展 手関節背屈方向にスタティックストレッチングを ₃ 秒間実施し その後握力を再測定 コントロール群 ₁₁ 名 ( 平均年齢 ₃₂.₅±₅.₉ 歳 男性 ₆ 名 女性 ₅ 名 ) とし ₃ 秒間収縮 ₁₀ 分間インターバルを取り ₂ 回握力を測定し比較した 統計処理には対応のある T 検定を用い ストレッチング群とコントロール群の比較はマン ホイットニーの U 検定を用い分析した 倫理的配慮 説明と同意 被験者には十分な説明を行い 同意を得た また 当研究はヘルシンキ宣言に則り大西病院倫理委員会 ₂₄₀₀₃の承認を得ている 結果 ストレッチング群前後では平均 ₃.₅±₂.₉kg で有意差あり (p<₀.₀₁) コントロール群 ₀.₄±₂.₀kg では有意差は認められなかった (p>₀.₀₅) ストレッチ群とコントロール群の比較では ストレッチング群の中央値は ₅.₃ コントロール群の中央値は-₀.₁であった 検定を行った結果 有意水準 ₅ % のもとで 両群の中央値には有意な差が認められた (U=₂₁.₅ P=₀.₀₁₀₃₀₉₁) 考察 今回の研究においてストレッチングを使用すると筋出力が低下した 握力は複合運動であり 手指屈曲 手関節背屈 手関節尺屈が起こる このうち ₂ つの運動に対して作用したと考えられ 残る手関節側屈方向にもストレッチングをするとさらに握力を低下させる可能性がある 先行研究である Kokkonen らの研究では 膝伸筋群 膝屈筋群 股関節内転筋群および足底屈筋群に対する合計 ₂₀ 分間のスタティックストレッチングによって膝屈曲および膝伸展における ₁ 回挙上重量 (onerepetitionmaximum: ₁RM) がそれぞれ₇.₃% および₈.₁% 低下したとあり また ComwelI らの研究では 膝屈筋群および股関節伸筋群に対する合計 ₅ 分間のスタティックストレッチングによって 垂直跳び高およびスクワットジャンプ高がそれぞれ ₄.₃% および₄.₄% 低下したことを示した研究がある これらの研究と同様のことが考えられる 今回の我々の研究では Ⅰb 抑制のかかりづらい ₃ 秒間のストレッチングでも筋力低下を起こしたことから 筋の防御機構以外の関節の防御機構に対する配慮が必要であると考える 理学療法学研究としての意義 ストレッチの適応を再考する必要があると思われる ストレッチを単独でウォームアップとして用いるには不適応な可能性が高く 筋出力が低下することよりパフォーマンスにもつながりにくいと思われる

109 一般演題 ( ポスター 3 ) P 15 前胸部皮膚移植術が必要となり 肩関節可動域制限に難渋した乳癌術後症例の理学療法 key word: 乳癌 肩関節可動域制限 前胸部皮膚移植術 黒原道雄 1) 1) 総合病院岡山協立病院リハビリテーション部 はじめに 本症例は 乳房切除及び腹部からの DIEP Flap( 深部腹壁動脈穿通枝皮弁 : 以下 DIEP Flap) による乳房再建術後に皮膚壊死を起こし 前胸部に対して大腿部からの皮膚移植が 追加された症例である 強い疼痛と 前胸部および 腹部術創の伸張性の低下を生じ 肩関節の可動域制限の理学療法に難渋したので報告する 症例紹介 症例は₄₀ 代女性 広範囲な皮膚浸潤を伴う左進行乳癌に対して左乳房切除 腋窩リンパ節郭清 DIEP Flap を用いた乳房再建を行った 術後より血流改善が乏しい部位があり 遊離皮弁の皮膚は次第に壊死に陥ったため ₂ ヶ月後に 有茎大網移植を母床とした皮膚移植 ( 左大腿から採皮 ) を施行 皮膚移植が定着し ₂ ヶ月後に退院し外来フォローとなった 理学療法及び経過 1( 初回手術 ~ 皮膚移植まで ) 肩関節の可動域訓練は術後 ₅ 日目より開始となった End feel 及び触診にて大胸筋部での皮膚の滑走が乏しく アプローチの必要性を感じたが 疼痛が強く積極的な伸張訓練が実施困難であった また乳房再建のための腹部術創での疼痛も強く 体幹の伸展が困難であった 創部痛は常に強く 理学療法の開始前にはロピオン及び硬膜外 PCA による除痛を必要とした 結果的に理学療法として ₂ 次的な拘縮予防を目的に腋窩部を中心とした筋のストレッチが主体となった 皮膚移植前の関節可動域は他動にて屈曲 ₉₀ 外転 ₉₀ ₂nd 外旋 ₀ であった 2( 皮膚移植 ~ 外来フォロー ) 皮膚移植による新たな可動域制限は生じることなく 移植前とほとんど変わらない可動域から再開した しかし 採皮した左大腿部の疼痛強く ₂ 週間程度は歩行がほとんど行えなかった また 歩行が開始できる頃には頚部 ~ 肩甲帯および腰背部痛の訴えが強くなるとともに 体幹の伸展は皮膚移植前に比べてさらに困難となった 理学療法としては上記の疼痛に対応したリラクゼーションを行った上で前胸部の皮膚に対するアプローチおよび 肩関節への可動域訓練を実施した その後は徐々に疼痛の寛解と 大胸部での皮膚の滑走が改善したが 理学療法開始から ₇ ヶ月の時点で屈曲 ₁₃₀ 外転 ₉₀ ₂nd 外旋 ₅₅ と重度の拘縮が残存するとともに 体幹の伸展は依然困難であった 考察 本症例は 開始当初より 前胸部における皮膚の癒着が第一の問題に挙げられたが 疼痛および 皮膚の生着状況から積極的なストレッチが行えず苦慮した また 当初予測していなかった DIEP Flap のための術創が 術後 ₇ ヶ月を経過した時点でもかなり強い体幹の伸展制限を生じてしまった この体幹の伸展制限は頚部 体幹 肩甲帯の筋緊張の亢進につながり 結果的に理学療法の阻害因子となったと考えられた 倫理的配慮 説明と同意 本発表においては 本人の同意を得るとともに 当院倫理審査委員会の承認を得た

110 一般演題 ( ポスター 3 ) P 16 若年健常者におけるベルト電極式骨格筋電気刺激中の自律神経活動 橋爪奏子 1) 岡田有司 1) 佐藤宏樹 1) 吉田耕治 1) 千野根勝行 1) 山本克紀 2) 安永雅 3) 花山耕三 3) 1) 川崎医科大学附属病院リハビリテーションセンター 2) 川崎医科大学附属病院中央検査部循環 呼吸機能検査室 3) 川崎医科大学リハビリテーション医学教室 key word:b-ses 自律神経 若年健常者 はじめに ベルト電極式骨格筋電気刺激法 ( 以下 B-SES) は 下肢筋の廃用予防や運動耐容 能維持効果などを目的に 心臓外科術後や急性心不全などの循環動態不安定な重症例にも利用されている 心臓自律神経は 心不全や不整脈において重要な病態修飾因子のひとつとされるが B-SES 実施中の自律神経活動についての報告はない 本研究は B-SES 実施中の自律神経活動を明らかにする事を目的に パイロットスタディとして若年健常男性において調査したので報告する 倫理的配慮 説明と同意 本研究は 倫理的配慮に関して厚生労働省等による医学研究指針を遵守し 所属施設倫理審査委員の承認を受け実施した ( 承認番号 :₂₃₂₅) また 対象者には研究の趣旨を説明の上 同意を得た 対象と方法 対象は₂₀ 歳台健常男性 ₁₁ 名 環境は室温 ₂₅ 度の騒音のない閉鎖空間とした B-SES は AUTO Tens PRO( ホーマーイオン研究所 ) を用いた (₂₀Hz ₂₆₀μsec ₅sec on-₂sec off 最大耐性強度 ) 被検者肢位は背臥位とし ₅ 分間安静とした後 ₂₀ 分間通電し さらに ₅ 分間安静とした 実施中 Vital signs(1 収縮期血圧 2 脈拍 3 呼吸数 ) を測定した 心臓自律神経活動指標は 4 HF( 副交感神経指標 ) 5 LF/HF( 交感神経指標 ) 6 平均 RR 間隔 ( 心拍変動 ) とし ホルター心電計 ( フクダ電子 FM-₁₈₀S) にて測定 ホルター心電図解析装置 ( フクダ電子 SCM-₈₀₀₀システム ) を用いて解析した また 内分泌系交感神経指標として唾液アミラーゼ活性値 ( 以下 7 αamy) を 唾液アミラーゼモニター ( ニプロ社 ₅₉-₀₁₄) を用いて測定した 統計解析には R₂.₈.₁を用い 各評価項目の電気刺激前 刺激中 刺激後の測定値を Steel-Dwass 法により多重比較した ( 有意水準 p<₀.₀₅) 結果 各測定値の電気刺激前から刺激中への変化量の平均値は 1 収縮期血圧 (mmhg): +₀.₄₅( ₆~+₁₂) 2 脈拍 (bpm): ₂.₁₈( ₈~+₄) 3 呼吸数 (bpm):+₁.₅₅( ₂~+₆) 4 HF(ms ₂ ): ₀.₇₂( ₄₄₂.₂₀~+₁₀₅₇.₉₅) 5 LF/HF: ₀.₁₃( ₁.₆₁~+₁.₅₇) 6 平均 RR 間隔 (ms): ₃.₇₂( ₇₉.₉₄~+₅₄.₂₃) 7 αamy(kiu/l): ₀.₁₈( ₁₇~+₁₄) であった 尚 全項目において刺激前 刺激中 刺激後で有意差を認めなかった 結語 若年健常男性では B-SES 実施による自律神経系指標および vital signs への影響は軽微であり 安全に実施可能であった 今後 高齢者や有疾患者においても検討したい

111 一般演題 ( ポスター 4 ) P 17 当院における地域包括ケア病床の問題点 課題および解決策 賀川佳則 1) 倉田和範 1) 緒方啓将 1) 小幡賢吾 2) 1) 津山第一病院リハビリテーション科 2) 岡山赤十字病院リハビリテーション科 key word: 地域包括ケア病床 Functional Independence Measure 退院支援 目的 ₂₀₁₄ 年 ₄ 月の診療報酬改定により地域包括ケア病棟 ( 病床 ) が新設された ₂₀₁₆ 年 ₅ 月 より当院でも地域包括ケア病床 ( 以下ケア病床 ) を₁₁ 床開設している ケア病床の特徴には入院日数が₆₀ 日という制限があり かつ₇₀% 以上の在宅復帰率が求められる そのため 従来の一般床と比べ早期より質の高い退院支援が必要不可欠となる 今回は当院のケア病床における問題点と解決策について検討したので報告する 対象 方法 対象は₂₀₁₆ 年 ₅ 月以降にケア病床に入床 かつリハビリテーション ( 以下リハ ) を施行し₁₂ 月までに退院した患者 ₇₈ 名 このうち 自宅退院した患者 ₄₂ 名 ( 男性 ₃ 名 女性 ₃₉ 名 平均年齢 ₇₉.₇ 歳 ) を調査対象とした 診療録より後方視的に年齢 一般床及びケア病床在院日数 ケア病床入床時 FIM 退院時 FIM 及び FIM 利得 FIM 効率を抽出した 入床時より自宅復帰可能となる動作レベル ( 以下ゴール ) が定まっている患者を方針患者群 (₂₃ 名 ) 定まっていない患者を未定患者群 (₁₉ 名 ) に分け t 検定を用い各項目に対して検証した 有意水準は ₅ % 未満とした 倫理的配慮 説明と同意 対象者及び家族に目的と趣旨を説明し同意を得た また本研究は当院倫理委員会において承認 ( 承認番号 ₂₀₁₆-₀₉) を得ている 結果 FIM 利得は方針患者群 ₁₄.₂ 点 未定患者群 ₄.₁ 点で P<₀.₀₁で有意差を認めた FIM 効率は方針患者群 ₀.₅₄ 点 未定患者 ₀.₁₆ 点で P<₀.₀₁で有意差を認めた 方針患者入床時と退院時の FIM は入床時 ₈₆.₆ 点 退院時 ₁₀₀.₈ 点で P<₀.₀₀₁で有意差を認めた 未定患者入床時と退院時の FIM は入床時 ₈₆.₁ 点 退院時 ₉₀.₂ 点で P<₀.₀₁で有意差を認めた また 年齢 一般床在院日数 ケア病床在院日数 入床時 FIM 退院時 FIM には両群間に有意差は認めなかった 考察 ケア病床では早期より質の高い退院支援が求められる そのため 入床前もしくは入床当初より自宅復帰可能なゴールが定まっていることが理想である しかし 今回の検討では未定患者を約半数の₁₉ 名認めた また 未定患者群は方針患者群と比べ FIM 利得 FIM 効率では有意に低い結果となった 方針患者群では社会的理由による退院阻害因子がなく 目標へ向かってリハを行えた結果ではないかと考えられる また未定患者群ではケア病床入床時より退院可能な動作レベルであったにも関わらず ゴールが不透明なため退院可能時期が遅れた患者が多かったためと考えられる 良好なリハの帰結のために 患者のリハへの意欲は非常に重要な要因の ₁ つであることが先行研究により報告されている また リハ意欲を直接的に高める要因はリハ治療内容の満足度であるとも報告されている そのため早期よりゴールを明確にし 目標を達成していくことでリハ満足度 意欲を向上させていく必要性がある この検証以降 当院では一般床からケア病床に転床する際に患者情報提供シートの作成 患者カンファレンスを導入し 早期よりゴールが設定できるように心掛けている

112 一般演題 ( ポスター 4 ) P 18 当事業所の業務負荷軽減への取り組み ~タブレット端末対応記録入力システムを導入して~ 中島光裕 1) 大神真紀 1) 多々納雄一 1) 1) 田中毅 1) 訪問看護ステーションあすか key word: 訪問看護ステーション タブレット端末対応記録入力システム 業務負荷軽減 はじめに 近年 訪問看護ステーションにタブレット端末対応記録入力システム ( 以下 記録システム ) が普及し始めている 当事業所も₂₀₁₆ 年 ₉ 月 ₁ 日よりタブレット端末を利用して行う記録システム SmileWeb(( 株 ) プラスワン ) を全職員に導入している 記録システム導入後の職員の意識および業務への影響を明らかにするため 運用開始 ₃ カ月後にアンケート調査を行った結果 業務実態の把握および今後の運用を考える一助となったため以下に報告する 対象および方法 調査対象は当事業所に携わる全職員 ₂₂ 名 ( 看護師 ₁₃ 名 リハビリスタッフ ₉ 名 ) アンケートは主にタブレット端末 業務 記録システムについての設問に対し 回答方法は選択方式 記録システムの課題に関しては自由記載とし 同年 ₁₁ 月 ₁₅ 日 ~₂₀ 日の ₆ 日間で実施した 倫理的配慮 説明と同意 本報告にあたり 対象者には予め研究の趣旨を説明し同意を得た また 倫理的配慮に関して厚生労働省による医学研究指針を遵守し 当事業所の承認を得たうえで実施した 結果 アンケートに対する有効回答率は₁₀₀% 結果として タブレット端末の使用について 抵抗感なく使用できる ₉₅.₄% 操作方法について 問題なく使用できる ₉₀.₉% 業務について 業務負荷は軽減できた ₈₆.₃% 情報共有し易くなった ₇₇.₂% 記録システムについて 現状の機能では不十分でカスタマイズの必要あり ₁₀₀% であり 課題として サーバーダウンによるログイン不可や 利用者保険情報の閲覧不可 記載した内容が記録システムへ反映されるのに時間がかかる等があがった 考察 アンケート結果より 職員のタブレット端末の受け入れは良く 操作も問題なく可能であった 次に業務負荷や連携についてだが ここで言う業務とは主に書類作成業務であり 日々の訪問記録や月末に作成する主治医やケアマネージャーへの訪問看護計画書 報告書等があげられる 導入前は事務所にて書類を作成しており 書類作成のために訪問先から帰社することは業務効率の低下となっていた また職員が集まれる時間は限られるため 同日訪問時の職員間の情報共有は特に難しいというデメリットがあった しかし導入後 訪問中や隙間時間に訪問記録や月末の書類等をタブレット端末で作成可能となり 時間の有効活用が可能となった また同利用者の訪問記録や申し送りに加え姿勢管理の写真など最新情報を他職種間で共有できるため 業務負荷の軽減だけでなく連携も行い易くなったと考える 結語 記録システムの運用は 時間の有効活用による業務負荷の軽減や情報共有が容易になる等メリットが大きかったと考える 同時にシステム上の改善すべき課題も明らかとなった 今後は より実臨床に則した記録システムとするべく 職員 記録システム会社と共に検討していきたいと考える

113 一般演題 ( ポスター 4 ) P 19 地域包括ケア病棟におけるリハビリテーション提供状況に関する分析 楫野允也 1,2) 対馬栄輝 2) 西川準 1) 河野明彦 1) 1) 独立行政法人国立病院機構関門医療センター 2) 弘前大学大学院保健学研究科 key word: 地域包括ケア病棟 リハ提供量 対象疾患 はじめに ₂₀₁₄ 年度より創設された地域包括ケア病棟 ( 以下 包括病棟 ) は急性期後のみなら ず在宅患者の受け入れ 在宅復帰支援など多様な役割を必要とする また リハビリテーション ( 以下 リハ ) は平均 ₂ 単位以上の実施が包括化された 当院では₂₀₁₄ 年 ₁₀ 月に神経内科 脳外科を主な診療科とした A 病棟 整形外科を主とした B 病棟の ₂ 病棟 計 ₁₀₀ 床において包括病棟へ移行した 急性期病院である当院において在宅復帰や社会参加への関わりが求められ 大きな変革を必要とした その中で平均 ₂ 単位以上という条件を念頭に置きつつ 患者状態により必要なリハを提供するように日々思案している そこで リハ提供量がどのような要因に影響するかを明らかにし 今後の包括病棟におけるマネジメントや改善点を明らかにする必要があると考えた よって 当院包括病棟におけるリハ実施状況を集計するとともに リハ提供量の観点から要因を分析し考察を踏まえて報告する 当院概要 ₄₀₀ 床の ₃ 次救急を有する総合病院であり 地域における急性期及び在宅患者の受け入れを担っている リハスタッフは PT₁₆ 名 OT₁₁ 名 ST₃ 名であり ₃₆₅ 日体制をとっている 対象 ₂₀₁₆ 年 ₁ 月 ₁ 日から₂₀₁₆ 年 ₁₂ 月 ₃₁ 日の期間において当院包括病棟に入棟もしくは退棟した患者 ₁,₉₀₂ 名のうちリハ実施した₉₉₉ 名を対象とした 方法 電子カルテより性別 年齢 病棟 疾患区分( 整形 脳血管 神経難病 内部障害 ) 退院先 ( 在宅扱い 在宅以外 ) 入棟までの日数 在棟日数 入棟要因( サブ ポストアキュート ) 担当セラピスト種別 (PT のみ PTOT など ) 平均実施単位数を調査した また 平均 ₂ 単位以上実施群と未満群の群分けを従属変数とし その他調査項目を独立変数とした多重ロジスティック回帰分析にて要因を検討した さらに 病棟を従属変数として同様に解析した 倫理的配慮 情報を匿名化し配慮した上で調査した 結果 在棟日数 ₂₈.₁±₁₉.₅ 日 平均実施単位数 ₂.₀₆±₀.₉ 単位 ( ₂ 単位以上実施者 ₅₂₃ 名 ) 在宅比率 ₈₁.₆% ポストアキュート₈₆.₄% PT のみ実施 ₅₂.₄% PTOT 実施 ₉.₅% PTOTST 実施 ₃ % 整形疾患 ₄₈.₁% 脳血管疾患 ₁₀.₃% 神経難病 ₁₀.₉% 内部障害 ₃₀.₇% であった ₂ 単位以上の実施には ₂ 療法以上の介入 女性 在宅退院 内部障害以外 サブアキュート 短期間での入棟が関連した 病棟別では B 病棟において ₁ 療法 整形疾患やポストアキュートが多く 平均単位数も多かった 考察 在宅退院者やサブアキュート患者の実施単位が多く 在宅に向けての関わりや在宅受け入れに対するリハ提供も意識でき 包括病棟としての役割を推進する働きかけが伺えた しかし 内部障害は実施量が十分でないことが考えられ 廃用症候群などに対する支援を強化することで在宅復帰率の向上及び地域包括ケアシステムへの推進に寄与していくことができると考える

114 一般演題 ( ポスター 4 ) P 20 施設多職種 ステークホルダー間における連絡ツール 情報共有プラットフォームとしての ICT 活用に関する報告 カナミッククラウドサービスのユーザーの立場から活用利点事例 小野啓生 1) 中藤嘉人 2) 1) 株式会社 Forest 訪問看護ステーションあゆみ 2) 岩国市医療センター医師会病院緩和ケア内科 key word: カナミッククラウドサービス 情報共有プラットフォーム 報告 連絡 相談コミュニケーションの柔軟性 はじめに 地域包括ケアシステムの構築に向けて自治体 医療機関 在宅医 薬局 看護師 ケアマネジャー ヘルパー そしてリハビリ職種など多職種かつ他法人が包括的に連携して患者 利用者に関わり 其々の綿密な専門サービス また多角的視点からプランニングして連携したアクションを起こす上でクライアントに関する情報共有のシステムは必要不可欠である システム構築に関しては全国各地で様々な取り組み 試行錯誤がなされている中 カナミッククラウドサービス ( 以下 KCS) は情報を一元的にクラウドに蓄積し ケアに関わる多職種が何時でも PC やスマートフォンからでも情報データにアクセス可能な利便性の高いデジタル情報共有プラットフォームとして現在ユーザー実績 ₅₁₀₀₀ 名以上 約 ₂₈₀ 拠点以上の地域包括支援センターが導入している 今回 当社における運用経過状況 有効な活用と認識された事例を報告する 倫理的配慮 説明と同意 当発表にあたり厚生労働省等による医学研究指針を遵守し 当施設代表及び下記活用状況でやりとりを記載する主治医から承認を得た上で実施した 尚 当医師は関連する演題の発表経歴があり師事した 活用事例 1 利用者担当者会議 訪問リハビリのスケジューリング 2 利用者に関する報告 連絡 相談 ( 予後予測や在宅復帰の可能性等 )3ポジショニング 良肢位 体位セッティングのスタッフへの周知 依頼 4 福祉用具 車椅子等の処方打診 5リハビリ状況 ( 肩関節可動域や座位保持能力等 ) を写真アップロードして主治医に報告 6 歩行練習自立に向けてセッティング方法のスタッフ周知 協力要請 7 認知症利用者の日中ケア記録から歩行能力判定 ( 介助歩行認可 )8 服用薬の副作用の周知 モニタリング ( 資料添付 )9 転倒対策の提案 今後の展望 KCS の最大の利点は主に介護職からは事務作業の効率化が挙げられているが 在宅医療スタッフにとっては診療履歴や薬剤情報を共有することでクライアントの問題が可視化され 受診や服薬 リハビリでは運動量等の最適化を図れることは有益と考えられる コミュニケーション手段として KCS の特にタイムライン機能はプランニングを企画 草稿段階から提示し易く 柔軟な活用により報告 連絡 相談の在り方に柔軟性を齎せるものと期待される ユーザーである多職種専門スタッフは情報リテラシーの向上 言語コミュニケーションの成熟が一層望まれると反省も込めて省察する ( 株 ) カナミックネットワーク山本社長の構想によれば KCS で蓄積されたモニタリング データから重度化予防に活かせる知見が導出される可能性も示唆され 当情報プラットフォームは現時点で未来の有効な福祉施策の揺籃期と期待できる リハビリ職の観点からは地域に根ざした Community-based rehabilitation をより包括的にアップグレードする構造的資源であると考察する

115 一般演題 ( ポスター 4 ) P 21 理学療法士会員数が増えても地域格差は存在する 全国平均 ( 人口比 面積比 ) と比較した出雲市の現状 key word: 理学療法士会員密度 地域偏在 出雲市 高田秀志 1) 江草典政 2) 廣瀬昌博 3) 1) 出雲医療看護専門学校 2) 島根大学医学部附属病院 3) 島根大学医学部地域医療政策学講座 はじめに 平成 ₂₈ 年 ₁ 月現在 理学療法士 ( 以下 PT) 数は約 ₁₃ 万人となり 毎年 ₁ 万人近く が誕生している 地域の高齢化が進む中 自立した生活には PT の専門性は求められているが 医療圏毎や地域別の PT 配置に関する報告はない そこで 本研究は会員配置の量的な側面か ら 地域毎に全国平均と比較を行った 方法 平成 ₂₈ 年 ₃ 月現在 日本 PT 協会公表 PT の会員数と平成 ₂₇ 年国勢調査と国土地理院の データから 全国平均 PT 数 ( 人口比 面積比 ) を算出した 全国平均 PT 数を ₁ (₁₀₀%) と して 全国各ブロックと各都道府県 PT 会員数に全国平均 PT 数を除した PT 指数 ( 人口比 面積比 ) を算出した また平成 ₂₈ 年 ₉ 月現在島根県 PT 会員数 ₆₃₁ 名を対象に 二次医療圏域 市町村 出雲市内においても同様に PT 指数 ( 人口比 面積比 ) を算出した 倫理的配慮 説明と同意 本研究は 一般社団法人島根県理学療法士会より情報提供を受ける にあたり 1 県内の会員所属施設名 2 施設内の会員人数のみ抽出し 研究実施者は会員名簿の抽出に関与せず会員個人が特定されないように配慮した 結果 全国ブロック別 PT 指数は 人口比で関東 ₀.₇₃ 東北 ₀.₈₁と低く 四国 ₁.₆₂ 九州 ₁.₅₇で高かった 面積比では北海道 ₀.₂₂ 東北 ₀.₃₂と低く 関東 ₂.₈₆ 近畿 ₂.₃₈で高かった 島根県は 人口比 ₁.₁₈ 面積比 ₀.₃₆であった 二次医療圏では 人口比で隠岐 ₀.₆₆ 大田 ₀.₇₉と低く 出雲 ₁.₂₁ 松江 ₁.₃₃と高かった 面積比では大田 ₀.₁₀ 雲南 ₀.₁₂ 隠岐 ₀.₁₂ 益田 ₀.₁₃ 浜田 ₀.₂₅と低く 出雲 ₀.₉₈ 松江 ₀.₉₈であった 出雲市内では人口比で佐田 湖陵 ₀ 大社 ₀.₃₃ 多岐 ₀.₃₄と低く 斐川 ₀.₇₃ 平田 ₁.₁₀ 出雲 ₁.₆₂であった 面積比では 佐田 湖陵 ₀ 多岐 ₀.₀₇ 大社 ₀.₃₅と低く 平田 ₀.₆ 斐川 ₀.₇₈ 出雲 ₂.₆₁であった 考察 理学療法密度の報告( 江口 ₂₀₁₃) では 病床数と強い相関があると述べている 本研究では 人口比において同様な傾向が示された 面積比 PT 指数では 都市部で高く 農村部では低い傾向となり人口比とは異なる地域が存在した 出雲市内では 会員配置の無い地域が存在しており 出雲中心部からの訪問 通所サービスの重要性を示している また本研究は PT 会員の現状配置を示したものであり 配置の適正を検証するものではないため 今後は地域特性に応じた PT の質の分析が必要と考える 結語 出雲市内での結果から 人口 面積比とも PT 会員配置による地域偏在は大きく その地域で暮らす住民の理学療法を受ける機会の差が懸念される 住み慣れた地域で安心して暮らすためにも 訪問や通所などのリハビリテーション資源の充実は必須であり 今後行政機関とリハビリ専門職による協議体の活動に期待したい

116 一般演題 ( ポスター 5 ) P 22 病棟別の腰痛予防対策の必要性 - 全職員への質問紙調査より - 佐々本健治 1,2) 岸浩昭 1) 串田勉 1) 黒市理世 1) 井上久代 1) 1) 安田病院リハビリテーション課 2) 県立広島大学大学院総合学術研究科 key word: 腰痛予防対策 質問紙調査 病棟 はじめに 近年 腰痛は病院 施設等の保健衛生業で発生件数が急増している 労働災害とし て問題となっていると共に労働者の欠勤 就労能力低下による労働生産性の低下の観点からも問題視されている 当院においても日々 職員の腰痛の訴えを聞く機会が多い そこで本調査は当院における職員の腰痛の実態を明らかにすることで今後の対策の一助とすることを目的とした 対象と方法 当院に勤務する全職員 ₃₇₄ 名に対して無記名式の質問紙調査を実施した ₃₄₄ 名から回答が得られ ( 回収率 ₉₁.₉%) そのうち無回答を除く₃₃₇ 名分を分析対象とした ( 有効回答率 ₉₀.₁%) 調査項目は性別 年齢 職種 勤務場所等の基本情報と厚労省の 職場における腰痛予防対策指針 を参考に 現在の腰痛の有無 腰痛を起こす職務内容 職務内容で改善を考える項目等とした 腰痛の有無と他因子との関連性については χ ₂ 検定等を用いて統計処理を行った 有意水準は ₅ % 未満とした 倫理的配慮 本研究は当院の理事会で承認を受け対象者に説明し同意を得た 個人が特定されないように十分配慮した 結果 現在 腰痛がある と答えた割合は ₇₁% であった 職種別では介護士 ₉₁% 看護師 ₇₆% 事務職 ₇₅% で腰痛が見られた 部署別の腰痛者の割合は上位から介護療養病棟 ₁₀₀% 医療療養病棟 ₉₆% 透析課 ₈₆% であり大半の部署で高い結果となった 腰痛を起こす職務内容は オムツ交換 ₂₈% 移乗介助 ₂₇% 重量物を持つ ₁₅% が多かった 職種別では看護師 介護士は オムツ交換 事務職は デスクワーク リハビリ職は 移乗介助 を腰痛を起こす職務内容として挙げていた 職務内容で改善を考える項目は 作業手順 動作方法 ₄₄% 作業する人数 ₄₁% 設備 機器 ₂₆% の順であった 病棟別では急性期病棟 地域包括ケア病棟は 作業手順 動作方法 医療療養病棟は 設備 機器 介護療養病棟は 作業する人数 を挙げており病棟により回答が異なっていた なお腰痛の有無と職種 勤務場所に有意差を認めた 考察 本邦の職場における疫学調査では腰痛有訴率は ₄₀~₅₀% と報告されている 当院全職員の腰痛有訴率は₇₁% であり先行研究より高い結果となった 腰痛を起こす職務内容 職務内容で改善を考える項目 は各職種 各病棟により回答が異なっていた 厚労省の腰痛予防対策では衛生委員会等を通じ それぞれの病棟で各リーダーを選任しチームとして活動することが示されている 今回の結果はその必要性を再認識させるものとなった 今後 画一的な腰痛予防対策ではなく各職種 各病棟に応じた対策を検討し実施することで職員の腰痛有訴率の改善に寄与できると考える

117 一般演題 ( ポスター 5 ) P 23 調理台の高さが腰部筋活動に与える影響 - 広島風お好み焼き調理時の表面筋電図分析 - 酒井はるか 1) 浮本祥 1) 坂本隆徳 1) 積山和加子 1) 田中聡 1) 1) 沖貞明 1) 県立広島大学保健福祉学部理学療法学科 key word: 表面筋電図 腰痛 調理動作 はじめに 職場における腰痛は様々な職業で見られ 広島風お好み焼き調理従事者に対する質問紙調査では 腰痛有病率が他調理従事者よりも高かったと報告されている 本研究では 広島風お好み焼き調理における調理台の高さが腰部筋活動に与える影響について検討を行った 方法 健常成人男性 ₁₉ 名を対象とした 筋電図の測定は TELEMYO ₂₄₀₀T V₂(Noraxon 社 ) を用い 電極は左の腰部脊柱起立筋に貼付した 本研究では調理台の高さについて対象者毎の身長比を算出し 身長比 ₄₀% ₅₀% ₆₀% の ₃ 条件にてお好み焼き調理を実施した また 調理台との距離は業務用お好み焼き鉄板の強火部分がある₃₃cm がホットプレートの中心にくるよう設定した 調理動作はオタフクソース社の動画を参考に 一連の調理過程を₁₀ 工程に分けた 各工程の開始時姿勢は直立位とし 開始時には統一した言語で教示し ₁ 工程終了する度に直立位に戻るよう指示した 各条件の測定順序はランダムに設定し 筋電図測定時には筋電計と同期させたビデオカメラで矢状面から動画を撮影した 各条件終了後に動作の難易度について Visual analogue scale(vas) を用いて測定した 筋電図データは全波整流化し RMS 処理後 最大等尺性収縮時を ₁₀₀% として正規化した 撮影した動画を用いて各工程をそれぞれ描出し 平均筋活動量を算出した 平均筋活動量は対応のある二元配置分散分析を行い 多重比較としては Tukey 法を行った VAS は Friedman 検定の後 Scheffe 法を用いて多重比較を行った 有意水準は ₅ % とした 結果 二元配置分散分析の結果 交互作用は認めなかった 調理台の高さに関して主効果が認められ 全ての調理工程において各条件間で有意差を認め ₄₀% 条件が最も筋活動が大きかった 各条件における調理工程間の比較では そばをほぐす ひっくり返す 工程で他工程よりも有意に筋活動が大きかった VAS では₅₀% 条件と₆₀% 条件に比べ₄₀% 条件では有意に難易度が高いと回答していた 考察 本研究の結果 どの調理工程でも台が低くなるほど平均筋活動量は大きくなった ₄₀% 条件で最も負担が高かった理由としては お好み焼きの調理位置が調理台の端から比較的遠いところに設定したため体幹前屈をさらに強いることになったためではないかと考えられる また 動作の難易度の結果でも ₄₀% 条件は他の ₂ 条件と比較して有意に難易度が高く 平均筋活動量の結果とよく対応していた よって 調理台の高さが低くすぎると腰部筋の負荷が増加するため 広島風お好み焼き調理従事者は腰痛発症のリスクが高い可能性が示唆された なお 本研究はやずや食と健康研究所 ₂₀₁₅ 年度助成研究の助成を受けて行った 倫理的配慮 説明と同意 対象者には本研究の趣旨を事前に説明し 文書にて同意を得た上で実施した 本研究は演者所属の研究倫理委員会の承認を受けて行った ( 第 ₁₅MH₀₆₀ 号 )

118 一般演題 ( ポスター 5 ) P 24 荷物所持方法の違いが重心動揺に与える影響 リュックサックと斜めかけカバンの比較 山品裕香 1) 平岩和美 2) 1) 医療法人光臨会荒木脳神経外科病院リハビリテーション部 2) 広島都市学園大学健康科学部リハビリテーション学科 key word: 重心動揺 斜めかけカバン リュックサック はじめに 荷物所持方法の違いにより重心動揺に差があるとすれば 荷物所持方法をより安定 するものに変えることで 転倒予防に繋がる可能性があると考えられる 本研究では荷物不所持 斜めかけカバン リュックサックでの重心動揺を計測し 重心に差が存在するのかを明らかにすることで より安定している荷物所持方法について検証する 対象と方法 対象は広島都市学園大学健康科学部リハビリテーション学科に在籍する学生で 運動機能 平行機能障害を有しない健常成人女性 ₂₆ 名 ( 平均年齢 ₂₀.₈±₁.₀ 歳 ) とする 対象には荷物不所持 斜めかけカバン リュックサック所持にて Active Balancer( 酒井医療株式会社 EAB-₁₀₀) を用いて無作為な順で重心動揺の計測を行った 計測姿勢は開眼で上肢を体側につけ 肩幅程度に開脚した静止立位姿勢を₃₀ 秒間とした 重量はカバンを含め₅kg とした 統計解析は総軌跡長 外周面積 X Y 方向動揺平均中心変位 X Y 方向動揺中心変位のデータをそれぞれ 荷物不所持 斜めかけカバン 荷物不所持 リュックサック 斜めかけカバン リュックサックのそれぞれの ₂ 群間の有意差を対応のある t 検定 ウィルコクソン符号付順位和検定を用いて検討した 統計処理には Excel₂₀₁₃を使用し 有意水準を ₅ % とした 本研究はヘルシンキ宣言に沿ったものであり 対象に研究の内容を説明し同意を得たうえで実施した なお 本研究は広島都市学園大学倫理委員会にて承認を得た ( 承認番号 : 第 ₂₀₁₆₀₀₅ 号 ) 結果 解析の結果 斜めかけカバンより荷物不所持の総軌跡長が大きかった また 重心動揺の総軌跡長は荷物不所持よりリュクサックの方が大きかった 前後方向の重心動揺もまた リュックサックが大きかったが有意差はみられなかった 考察 静止立位時の荷物所持では斜めかけカバン 荷物不所持 リュックサックの順に安定していた 関節面の圧縮による関節受容器の興奮性が高まることで立位バランスが安定するとされており 斜めかけカバンの重心動揺が最も安定したと考えた また 立位時には前後方向への重心動揺が大きくなるとされており後方に荷重がかかるリュックサックは身体動揺が最も大きいという結果になったと考える リュックサックの身体動揺は大きく 重量増加により重心動揺は増加し 腰部モーメントが増加するとされており 腰部へのリスクという点から避けるべきであるが リュクサックは日常生活で活動が得られにくい体幹前面筋の使用と腸腰筋などによる股関節屈筋群の促通による骨盤前傾角度を増加させることができるとされており所持する重量に留意し使用することで転倒防止や二次障害防止に重要になると考えられる 普段の慣れた荷物所持方法には個人差があるため これを考慮すること 若年のみならず高齢者の場合について今後は 検証が必要である

119 一般演題 ( ポスター 5 ) P 25 対話により 墓参りを促進できた症例 ~ 認知行動療法 健康生成論を参考に分析 ~ 橋本康太 1) 1) 社会医療法人社団沼南会沼隈病院リハビリテーション部 key word: 認知行動療法 健康生成論 デイサービス はじめに 今回 目標までの行動に滞りの見えた症例に対し 対話に着目することで目標への 行動が促進されることを経験した その対話の何が良かったのか 認知行動療法 健康生成論の観点から分析したので報告する 症例紹介 ₈₀ 歳代 女性 両大腿骨頸部骨折後 両人工関節置換術 ( 左 : 平成 ₂₄ 年 右 : 平成 ₂₇ 年 ) 中枢性疾患無 糖尿病 要介護 ₁ 個別機能訓練 Ⅱの目標 : 敷地内にある夫の墓参りに行くことができる 夫の関係 : 死別するまでは旅行に行くなど夫婦仲が良かった 倫理的配慮 説明と同意 本研究趣旨を本人に説明し承諾を得ている また 当グループの倫理委員会規程審査で承認された 経過 当初 目標( 夫のお墓への墓参り ) への課題は玄関前の段差であるとお互い共有した中で 個別機能訓練 Ⅱを実施していた その課題に対しては 身体機能訓練 ピックアップ式歩行器の導入により解決できた しかし 課題を解決できたのにも関わらず 目標への行動に滞りが見られた そこで なぜ行動を起こすことができていないのか 墓参りに行くとどのような気持ちになるのかの ₂ 点を聞き出すように意識し 対話を進めていくと目標への行動を促すことに成功した その後 敷地内の庭の散歩へ意欲が出るなど 活動や気持ちの幅に広がりが見えている 考察 行動の滞りに対し 原因探求するように対話を進めると 段差が不安だから 暖かくなると 体が動くようなると思うから という発言が得られた 段差に関しては既に解決しており 自信もある という言葉が既に得られていた 暖かくなると体が動くようになった経験をしたことありますか という問いには ないです という回答が得られた これらから 症例自身もなぜ行動を起こすことができていないのか 整理がついていない もしくは 行動を妨げている原因が身体の問題だけだと捉えているのではないかと感じた この行動の滞りへの原因を再考していく作業は認知行動療法の基本モデル ( 伊藤 ₂₀₀₅) における認知 ものの捉え方 考え方に影響を与え行動の促進につながったのではないかと考えている また 墓参りに行くとどういった気持ちになるか という問いに関しては 仏前で手をあわせるより もっと近くに感じることができる なんとも言えない気持ちになる という回答が得られた この質問は墓参りの本来の意味である故人を弔うという目的を達成させる意味で聞いたのだが 山崎 (₁₉₉₉) を参考にすると 健康生成論の中核概念である首尾一貫感覚における有意味感 ( 日々の営みにやりがいや生きる意味を見いだせる感覚 ) を促すことに繋がったのではないかと分析している 結語 本症例のように通所施設では身体機能的には出来るにも関わらず行動を起こすことが難しい症例を多く経験する そういった症例に対しては 対話を通じて一歩踏み出す勇気を与えることも重要ではないかと考える

120 一般演題 ( ポスター 5 ) P 26 6 ヶ月間の住民主体の通いの場での運動継続は生活空間の拡大につながる ~ 理学療法士の専門性を活かした元気な地域づくりに向けて ~ 森山智博 1) 嘉田将典 2) 堀江貴文 3) 鈴木哲 3) 1) 飯南町立飯南病院 2) 飯南町保健福祉課地域包括支援センター 3) 島根リハビリテーション学院 key word: 介護予防 住民運営の通いの場 生活空間 はじめに 加齢に伴う生活空間の狭小化は 身体活動量の低下につながり 様々なリスクにつ ながることが多数報告されている こうした背景もあり これからの介護予防は 機能回復訓練などの高齢者本人へのアプローチだけではなく 地域の中に生きがい 役割をもって生活できるような居場所と出番づくりなど 高齢者本人を取り巻く環境も含めたバランスのとれたアプローチが重要であるとされる そうした中 飯南町では住民が主体となって取り組む通いの場づくりを町内全域で展開している ₆ ヶ月間の住民主体の通いの場での運動継続が生活空間範囲に与える影響について若干の知見を得たので報告する 方法 ₁. 対象 : 地域在住高齢者のうち短期集中型介護予防事業に参加し 終了後も地域で継続の意思を示した本研究へ参加意思のある ₁₁ 名 ( 年齢 ₇₉.₅±₃.₀ 歳 男性 ₁ 名女性 ₁₀ 名 ) ₂. 評価項目 : ₁ ) 基本属性 ₂ ) 運動機能 ( 開眼片脚立位保持時間 Timed up and go test 長座位体前屈 ) ₃ )Elderly Status Assessment Set(E-SAS) の 人とのつながり 及び Life Space Assessment( 以下 LSA とする )₃. 介入方法 : 事前に住民運営の通いの場で行えるオリジナル体操を作成し ₃ ヶ月間の短期集中型介護予防事業にて週に ₁ 回の継続を行うことで効果があることを説明 その上で住民運営の通いの場での体操を継続する意思を持つ住民のグループを形成するに至った 短期集中型介護予防事業修了直後を介入前 住民運営の通いの場での運動継続 ₆ ヶ月後を介入後とした なお介入期間中 理学療法士の訪問は測定のみであり 参加の有無は出席表の記入により確認した ₄. 統計解析 : 各測定項目の基本統計量を算出後 介入前後で各評価項目の平均値を t 検定を使用して比較した (p<₀.₀₅) 説明と同意 本研究にあたり 対象者には研究の趣旨を説明し同意を得た また 倫理的配慮に関して厚生労働省等による医学研究指針を遵守し 当施設の承認を得たうえで実施した 結果 介入前と比較し 人とのつながり 及び LSA が介入後に有意に改善した 運動機能に関しては介入前後で測定項目に有意な差はみられなかった 考察 先行文献によると高齢者の社会参加促進要因として身近な地域に信頼できる友人があることや気軽に参加できる活動グループが必要であるとされている 今回の結果より ₆ ヶ月間の住民運営の通いの場での運動継続が近隣とのつながりを高め 運動機能としては有意な改善を示さなかったものの 社会参加の機会を増やしたことが生活空間の拡大につながったと考えられる また 地域住民が気軽に参加できる通いの場は 今後必要性が高まる地域のインフォーマルな社会資源の一つになる 理学療法士が専門性を活かして社会資源の開発に寄与できる可能性が示された

121 一般演題 ( ポスター 6 ) P 27 5 本指ソックスが重心に与える影響 梶岡恵 1) 平岩和美 2) 1) 医療法人社団八千代会八千代病院リハビリテーション科 2) 広島都市学園大学リハビリテーション学科 key word: 5 本指ソックス 重心動揺 静止立位 はじめに 近年 ₅ 本指ソックスは足趾の動きが分離して行われる事で足趾の把持力が働き易 くなり 安定して立位保持が可能となる事で注目されている 今回の研究で ₅ 本指ソックスが裸足 普通ソックスと比較し静止立位時の重心動揺がどのように変化するのか明らかにする事により 重心動揺が減少する事が証明されたならば 転倒予防の一助になるのではないかと考える 対象と方法 対象は本学に在籍する健常成人男性 ₉ 名 (₂₁ 歳 ~₃₈ 歳 平均年齢 ₂₂.₉±₅.₇ 歳 ) である 対象には裸足 普通ソックス ₅ 本指ソックスを無作為に着用してもらい Active Balancer( 酒井医療株式会社 EAB-₁₀₀) を用いて重心動揺を計測した 計測中の姿勢は閉眼で肩幅程度に開脚した静止立位姿勢を ₃₀ 秒間保持する事で重心動揺を計測した 統計解析には 総軌跡長 外周面積 X Y 方向動揺平均中心変位 X Y 方向動揺中心変位を選択し 裸足 普通ソックス ₅ 本指ソックスの各 ₂ 群間の有意差を調べる為に対応のある t 検定を用いた さらに 総軌跡長と X Y 方向動揺平均中心変位と X Y 方向動揺中心変位 外周面積と X Y 方向動揺平均中心変位と X Y 方向動揺中心変位の相関については絶対値化し Pearson の相関係数を用いた 統計処理には Windows Excel₂₀₁₆ statcel₄を使用し 有意水準を ₅ % とした 本研究はヘルシンキ宣言に沿ったものであり 対象に研究の内容を説明し 同意を得た上で実施した なお 本研究は広島都市学園大学倫理員会にて承認を得た ( 承認番号 : 第 ₂₀₁₆₀₀₂ 号 ) 結果 解析の結果 ₅ 本指ソックス着用時は左右方向 前後方向の重心動揺は裸足より有意に増大しており 重心の位置はより後方へ偏位していた また ₅ 本指ソックスの外周面積と X 方向動揺平均中心変位 ( 相関係数 =₀.₈₉₇ P 値 =₀.₀₀₁) ₅ 本指の外周面積と X 方向動揺中心変位 ( 相関係数 =₀.₉₀₉ P 値 =₀.₀₀₁) に高い相関が認められた 考察 閉眼静止立位姿勢を保持する為には足底皮膚に分布するメカノレセプターからの感覚入力によるバランス調節が必要である 裸足と比較しソックスを履いた群で感覚入力が低下した要因として 足底が布に覆われた事により足底メカノレセプターからの感覚入力が低下した事が挙げられる また 足底皮膚からの感覚入力が低下した為に重心動揺はソックスを履いた群で増加したと考える そして ₅ 本指ソックスにおいては 足趾も布に覆われる事で 足趾からの感覚入力が低下し足底後方で感覚入力を行おうとする為にソックスを履いた群では重心がより後方に偏位したと考える 今回の研究より ₅ 本指ソックス着用による即時的な重心動揺の低下は認められなかった 今後は継続的な ₅ 本指ソックス着用の頻度にも注目し研究を行う必要があると考える

122 一般演題 ( ポスター 6 ) P 28 アキレス腱再断裂に対して手術を施行し 競技復帰に至った症例を経験しての一考察 中村悠一 1) 1) 医療法人サカもみの木会サカ緑井病院リハビリテーション科 key word: アキレス腱再断裂 局所管理 競技復帰 はじめに 本症例はアキレス腱断裂の術後 ₆ ヶ月で再断裂をきたし再手術を施行した症例であ る 術後 ₆ ヶ月の時点でも走行中や運動後は疼痛や腫脹が出現していたとのことであった また ヒールレイズ ( 以下 HR) も十分に行うことができなかったとのことであった その要因の一つとして治癒過程が遷延していたことが考えられた そこで今回は局所管理として疼痛や腫脹 機能評価として HR に着目して実施し 復帰に至った症例を経験したため報告する 倫理的配慮 説明と同意 本報告にあたり対象者には報告の趣旨を説明し同意を得た 症例紹介 年齢:₂₀ 歳代性別 : 男性競技 : ハンドボール現病歴 :H₂₈.₁.₉に受傷し H₂₈.₁.₁₃に他施設にて手術施行 その後は前施設でのプロトコールに沿って進行していた H₂₈.₆.₆ 走行中に疼痛が出現 運動時の疼痛は術後常時あったが 普段よりも強い疼痛であったことや安静にしても疼痛が軽減しないため H₂₈.₆.₂₂ 当院受診 MRI 施行し アキレス腱再断裂が認められたため翌日再手術となった 手術所見では広範囲に渡って癒着が認められたとのことであった 経過 主治医からの指示は完全断裂ではなかったのもあり 早期からの可動域訓練や歩行の許可があった 術後 ₁ 日目より免荷にて歩行練習開始 術後 ₂ 日目より可動域訓練の指示があり開始 術後 ₂ 週よりアキレス腱装具装着し₁/₂ 部分荷重開始し 術後 ₃ 週で₂/₃ 部分荷重となり当院退院となった 退院後は外来でフォローし 術後 ₄ 週で装具装着下での全荷重開始 装具のソールは状態に応じて除去していき 術後 ₂ か月で装具完全除去となった 下腿の筋力強化に関しては術後 ₆ 週から HR の許可があり 段階的に進めていった 初めは坐位から行い 術後 ₁₀ 週までには問題なく両脚で可能 術後 ₁₃ 週までに片脚で可能となった その後ジョギングを開始し徐々にペースを上げ ランニングへと移行していった 術後 ₇ ヶ月弱からはチームの練習にも可能な範囲で合流し 術後 ₈ ヶ月で完全合流となった 全体を通して負荷量を上げる際には術後の期間だけでなく 疼痛や腫脹などの局所状態や MRI での画像所見も考慮しながら主治医と相談し理学療法を実施した 考察 手術後 ₆ ~ ₈ 週の負荷量の上がっていく時期に再断裂が多いとされているが 底屈の MMT が ₅ レベルでも再断裂に至ったとの報告もあり時期に関しては様々である ₉ 週以降の再断裂は治癒の遷延が考えられるとされており 術後約 ₆ ヶ月で再断裂した本症例は治癒が遷延したまま負荷量が上がっていった可能性が考えられる 今回の術後は腫脹や疼痛が出現した際には行っていた運動は中止し 負荷量を下げて実施していった 大きな問題はなく 約 ₈ ヶ月で復帰に至った 術後は期間だけでなく疼痛や腫脹などの局所の管理や HR などの機能評価を行い 個人の状態に合わせて負荷量を上げていくことが重要であるということを再認識した症例であった

123 一般演題 ( ポスター 6 ) P 29 歩行環境の違いが歩行速度に与える影響 酒井孝文 1,2) 坂本竜司 2) 河村顕治 3) 1) 吉備国際大学保健福祉研究所 2) 宝塚医療大学 3) 吉備国際大学 key word: 歩行速度 トレッドミル 身体経験 はじめに ヒトの姿勢や歩行の制御は 自動化されている このように自動化され円滑な歩行 の遂行には 姿勢及び四肢の制御における複雑な中枢神経系の働きが必要とされる しかし 姿勢や歩行の制御が如何に習熟していたとしても 選択的注意の影響により変化を来す 特に環境に対する認識による影響が 歩行パターンを変化させることが報告されている 本研究は通常歩行路での歩行速度とトレッドミル上での歩行速度の比較を行う事で 高齢者の歩行速度は環境の影響を受けることを明らかにすることである 対象 対象は 健常若年者 ₄₁ 名 ( 男性 ₃₂ 名 女性 ₉ 名 ) 年齢 ₁₉.₃±₀.₅ 歳 体重 ₆₂.₈±₉.₅kg である そして健常高齢者 ₃₀ 名 ( 男性 ₉ 名 女性 ₂₁ 名 ) 年齢 ₇₆.₀±₄.₇ 歳 体重 ₅₂.₃±₈.₅kg である 方法 方法は ビデオ画像と同期した足圧評価解析機能を有するトレッドミル(zebris WinFDM-T zebris Medical GmbH) を用いて₃₀ 秒間の歩行の計測を行った 歩行の計測は被験者が事前に数分間の練習を行い トレッドミル歩行に十分に慣れた後 安全に歩行可能な至適速度にて歩行速度の計測を行った 転倒事故を防止するため トレッドミルの前方に手すりを設置し 後方と側方に介助者を配置した また トレッドミル歩行計測前に通常の歩行速度の計測を行った 約 ₁₅m の歩行路を設置し 前後 ₂.₅m を除く ₁₀m での歩行時間をストップウォッチで計測した 統計処理は ANOVA を用い post-hoc 比較として Tukey 法を行った 有意水準は ₅ % 未満とした 倫理的配慮 説明と同意 本研究は 吉備国際大学 人を対象とする研究 倫理規定 ヘルシンキ宣言 あるいは 臨床研究に関する倫理指針 に従う 吉備国際大学倫理審査委員会に申請し 審査を経て承認 ( 吉備国際大学倫理審査委員会受理番号 :₀₈-₀₅) を得た 対象者に対し 臨床研究説明書と同意書にて研究の意義 目的 不利益および危険性 口頭による同意の撤回が可能であるということなどについて 口頭および書類で十分に説明し 自由意志による参加の同意を 同意書に署名を得て実施した 結果 健常高齢者の ₁₅m 歩行速度は ₇₅.₆±₉.₈₃ m/min であった また 健常高齢者のトレッドミル歩行は ₂₉.₇₄±₉.₂₂ m/min であった 健常者若年者のトレッドミル歩行速度は ₁₁₀.₁₈± ₁₇.₁₆ m/min であった すべての群間において有意差 (p<₀.₀₀₁) を認めた 考察 健常高齢者は環境の変化により 通常歩行時の歩行速度に比べ₅₀% 以上の低下を示した また 健常者のトレッド歩行との比較では₃₀% 以下となることも明らかとなった 対象者である高齢者は これまでの身体運動経験としてトレッドミル上での歩行経験が皆無であることに起因していると考えられた 特に 未知の環境下での歩行を行うという認識により 歩行パターンの変化が起こったものと考えられた 結語 高齢者のトレッドミル上などの特殊な環境下での歩行訓練においては 歩行パターンの変化による転倒などのリスクについての十分な配慮が必要となる

124 一般演題 ( ポスター 6 ) P 30 高齢者の片脚立位保持姿勢における足関節周囲筋同時収縮に異なる上肢支持が及ぼす影響 岩本義隆 1) 高橋真 2,3) 川上航 1) 新小田幸一 2,3) 1) 広島大学大学院医歯薬保健学研究科保健学専攻 2) 広島大学学術院大学院医歯薬保健学研究科 3) 広島大学大学院医歯薬保健学研究科附属先駆的リハビリテーション実践支援センター key word: 高齢者 筋の同時収縮 ライトタッチ はじめに 拮抗筋の余剰な活動によって生じる筋の同時収縮は 加齢に伴い増大することが報 告されている 静止立位と比較し 極端に支持基底面が狭くなる片脚立位保持は高齢者にとって難易度の高い動作の一つである 本研究では 片脚立位中の高齢者においては異なる上肢支持が 足関節周囲筋の同時収縮にどのような影響を及ぼすかを観察し 高齢者における下肢同時収縮が課題の難易度によって変化するか否かを検討することを目的として行った 対象 地域在住の健常高齢者 ₉ 人 ( 年齢 ₇₄.₇±₃.₄ 歳 身長 ₁.₅₇±₀.₁₀ m 体重 ₅₇.₈₇±₇.₁₄ kg) であった 方法 ₁₅ 秒間の片脚立位保持を課題とし 上肢による支持を行わない FR 条件 支持物をしっかり把持する DO 条件および固定点に指先で軽く触れる (light touch)( 以下 LT)LT 条件で各 ₂ 試行ずつ実施した DO 条件 LT 条件ともに支持物に触れる上肢は下肢挙上側とした LT は 圧センサ ( 日本電気三栄社製 ) を使用して接触圧が₁ N 未満になるように事前に十分練習し 計測中も検者がモニタリングした 利き脚を計測肢とし 全例が右側であった 筋電データは前脛骨筋 ( 以下 TA) およびヒラメ筋 ( 以下 SOL) より表面筋電計 ( 日本光電社製 ) によって取得した TA と SOL の同時収縮の評価は Falconer ら (₁₉₈₅) の方法を参考にして同時収縮指数 ( 以下 CI) を用いて行った 解析区間は動作終了の ₆ 秒前より ₃ 秒間とした 統計学的解析には SPSS Ver.₂₂( 日本アイ ビー エム社製 ) を用いた 正規性の検定を行った後 条件間で Wilcoxon の符号順位検定を行い Sequential Bonferroni 法を用いて統計学的有意差を判断した 有意水準は ₅ % 未満とした 倫理的配慮 説明と同意 本研究はヘルシンキ宣言に沿った研究であり 実施に先立ち 本研究を実施した機関の倫理委員会の承認を得た ( 第 E-₄₆₇ 号 ) また 被験者に対して研究の意義 目的について十分に説明し 口頭および文書による同意を得た後に実施した 結果 片脚立位保持中の CI は 統計学的に FR 条件において最も有意に高く 次いで LT 条件 DO 条件の順であった 考察 LT によって姿勢動揺が減少することは 高齢者の両脚立位を対象とした先行研究において明らかにされているが 片脚立位姿勢において筋活動にも影響を及ぼすことが示され 指先からの求心性情報によって 上肢支持がない条件と比較して下肢同時収縮が抑制されることが示唆された さらに 支持物をしっかりと把持することで 支持基底面を拡げることができ 課題の難易度は減じたものと推察され 結果として下肢同時収縮は実施した ₃ 条件で最も少なかった 結語 高齢者は加齢と共に筋の同時収縮が増大することはよく知られているが 片脚立位保持のように 比較的難易度の高い動作においても上肢支持などによるその難易度の変化に伴い同時収縮を抑制できることが示された

125 一般演題 ( ポスター 6 ) P 31 外反母趾を呈する者の歩行中における後足部 中足部 前足部間の運動協調性 川上航 1) 高橋真 2,3) 岩本義隆 1) 新小田幸一 2,3) 1) 広島大学大学院医歯薬保健学研究科保健学専攻 2) 広島大学学術院大学院医歯薬保健学研究科 3) 広島大学大学院医歯薬保健学研究科附属先駆的リハビリテーション実践支援センター key word: 外反母趾 運動協調性 バイオメカニクス はじめに 外反母趾 ( 以下 HV) は女性に一般的な足部変形である HV は歩行パターンを 変更させるため 足部の運動協調性は破綻することが考えられる 本研究は HV を呈する者の 歩行中における足部の運動協調性を調査することを目的として行った 対象 HV 角度が ₂₀ 以上の若年女性 ₁₅ 人と HV 角度が ₂₀ 未満の若年女性 ₈ 人であった 方法 課題動作は平地歩行とした 運動学データは ₃ 次元動作解析システム (Vicon Motion Systems 社製 ) 運動力学データは床反力計 ( テック技販社製 ) を用いて取得した 得られた床 反力データから立脚期を荷重応答期 立脚中期 立脚後期 前遊脚期に相分けし Nexus ₂.₁ (Vicon Motion Systems 社製 ) を用いて近位セグメントに対する後足部 中足部 前足部の各 セグメントの前額面 矢状面の相対角度を各相で算出した また運動協調性の解析には Vector Coding Technique を用い 前額面 矢状面の後足部 - 中足部 中足部 - 前足部の組み合わせに ついて ₂ つのセグメントの動きの優位性を表す Coupling Angle( 以下 CA) セグメント間 の動きの大きさを表す Magnitude( 以下 MA) を各相で算出した CA > ₄₅ では遠位セグメ ントが CA < ₄₅ では近位セグメントがより優位に動き CA = ₄₅ では遠位 近位セグメント が同程度動くことを表す 統計学的解析には SPSS Ver.₂₂.₀( 日本アイ ビー エム社製 ) を 用い 正規性の検定の後 差の検定を実施した 有意水準は ₀.₀₅ 未満とした 倫理的配慮 説明と同意 本研究はヘルシンキ宣言に沿い 実施に先立ち 所属機関の倫理委 員会の承認 ( 承認番号 :E-₅₅₁) を得た なお 実験に先立ち全被験者に本研究の目的と内容を 十分に説明し 文書による同意を得た 結果 立脚中期 立脚後期における後足部外反角度最大値 前遊脚期における前足部底屈角度 最大値および運動量は HV 群で有意に高値を示した CA は立脚中期において前額面の後足部 - 中足部で HV 群 ₄₃.₃±₅.₇ 非 HV 群 ₄₉.₂±₅.₁ と HV 群が有意に低値を 前遊脚期において矢状 面の中足部 - 前足部で HV 群 ₅₀.₈±₁.₀ 非 HV 群 ₄₉.₅±₁.₅ と HV 群が有意に高値を示した MA は前遊脚期において矢状面の中足部 - 前足部で HV 群が有意に高値を示した 考察 健常者では 大部分の加速期において後足部が内反することで足部の剛性を高め 効果 的に身体を加速させる HV を呈する者では後足部が中足部に対して相対的に外反方向に動き やすいため 後足部の内反による足部の剛性を作り出せず 前遊脚期において前足部の過剰運動を呈すことが示唆された 結語 HV を呈する者では前額面の後足部 - 中足部 矢状面の中足部 - 前足部間の運動協調性が破綻していることが認められた

126 一般演題 ( ポスター 7 ) P 32 映画 赤ひげ にみる医療のプロフェッショナリズムの分析 新人医師とベテラン医師の医療に対する比較を通して key word: 医療 プロフェッショナリズム 映画 高橋佑佳 1) 沖田一彦 2) 1) 広島市立リハビリテーション病院 2) 県立広島大学 はじめに プロフェッショナリズムは 医学教育において重要なテーマのひとつである プロ フェッショナリズムとは固有の職業的活動への取り組み方と説明されており 井関らは 医療従事者のプロフェッショナリズムには ₂ つの部分があるとしている 一つ目は 医療従事者として最低限遵守しなければならないこと 二つ目は 不確定で流動的であり場合や状況によって判断しなければならないことであるという 医療従事者の論理規定で述べられているのは一つ目の部分が主であり 卒前医学教育でも十分に取り組まれていると考えられるが 二つ目の流動的な部分については教育が十分に取り組まれていないと思われる そこで今回映画 赤ひげ に登場する新人医師とベテラン医師の比較を通して 医療のプロフェッショナリズムについての分析を行うとともに その教育の可能性について検討する 対象 昭和 ₄₀ 年に公開された映画 赤ひげ を分析対象とした 方法 映画 赤ひげ を視聴したうえでフォーカスをあてるエピソードを ₆ つ選択し 赤ひげと保本の医療に対する言動の違いから 医療のプロフェッショナリズムについて分析した 倫理的配慮 映画の質的分析であり 当該項目の記載は該当しない 結果 エピソード1~6 を通して 新人医師保本はベテラン医師赤ひげに対して反発的であったが 赤ひげが医師として示した言動に触れる中で 保本の考え方が医師主体のものから患者主体のものへと変化した エピソード1では保本と赤ひげの出逢いを通じて 患者主体の考え方 を示した エピソード2では精神障害を持つ女性を通じて 医師としての患者との関わり方 を示した エピソード3では膵臓がんの男性を通じて 医師としての知識の重要性 社会的背景を診ることの重要性 を示した エピソード4では治療費をめぐる問題を通じて 社会情勢の医療への反映 を示した エピソード5では保本の最初の担当患者を通じて 患者主体の柔軟な医療計画 を示した そしてエピソード6では 保本の赤ひげに対する反発的な気持ちが尊敬の気持ちに変化しており 保本は赤ひげをロールモデルに医師のプロフェッショナリズムを学んだ 考察 エピソード1~3 は医療従事者として最低限遵守しなければならないこと エピソード 45は不確定で流動的である場合や状況によって判断しなければならないことにそれぞれ該当すると考えられ 赤ひげの示した行動にはプロフェッショナリズムの二つの視点が含まれると示唆される よって プロフェッショナリズムのいずれの視点もロールモデルから学習することが可能であり その教育には高度なプロフェッショナリズムを有するロールモデルとしての指導者が重要な役割を果たすと考えられた 今後 理学療法を含む医療の教育では 高度なプロフェッショナリズムを有するロールモデルとしての指導者が重要な役割を果たすことが考えられる

127 一般演題 ( ポスター 7 ) P 33 理学療法教育における模擬患者演習のアウトカム評価 - 臨床実習における学生の効力感から- 梅井凡子 1) 沖田一彦 1) 占部貴大 2) 1) 田中聡 1) 公立大学法人県立広島大学 2) 三菱三原病院 key word: 症例検討 臨床実習 アウトカム はじめに 日本の医学教育においてアウトカム基盤型教育への移行が重視されている 学内講義における学修の質の保証という観点からもアウトカムの評価は重要である 今回 学内で模擬患者演習を受講した学生が 学外での基礎臨床実習 Ⅱ( 評価実習 ) においてどの程度有効であったかを 学生に対するアンケートにて評価したので その結果について報告する 対象 平成 ₂₈ 年度の 理学療法模擬患者演習 Ⅰ ( 模擬患者演習 + 学外講師による症例検討 : ₃ 年次後期開講 ₃₀ 時間 ) および 基礎臨床実習 Ⅱ ( 評価実習 : ₃ 年次後期開講 ₁₈₀ 時間 ) を受講した ₃ 年生 ₃₁ 名であった 方法 理学療法模擬患者演習 Ⅰ は 理学療法過程をグループにて模擬的に検討する演習科目である また 基礎臨床実習 Ⅱ は 演習終了後に実際の症例に対し理学療法評価を中心とした理学療法過程を体験する学外臨床実習科目である 学生へのアンケートは基礎臨床実習 Ⅱ 終了後の報告会時に実施した 今回は 1 基礎臨床実習 Ⅱにおいて経験した項目の実施困難度について 2 理学療法模擬患者演習 Ⅰの講義内容が基礎臨床実習 Ⅱの遂行に役立ったかの ₂ 項目について調査した 各質問項目は ₄ 段階リッカート尺度にて回答してもらった また 学内講義についての意見を自由記載してもらった 倫理的配慮 説明と同意 アンケートは無記名式で 教育と研究以外の目的では使用しないこと 個人に不利益とならないことを説明したうえで 同意が得られた場合のみ記入し提出することとした 結果 アンケートの回収数( 率 ) は₃₁ 名 (₁₀₀.₀%) であった 基礎臨床実習 Ⅱにおいて実施が 非常に困難であった と回答した学生が一番多かった項目は 情報の統合 であった (₃₂.₃%) 理学療法模擬患者演習 Ⅰの講義内容については基礎臨床実習 Ⅱの遂行に 少し役に立った が₅₃.₃% であった 自由記載としては 実習に出る前に一連の理学療法過程の作業を経験できてよかった 評価項目の選択について考える機会がほしかった 深い理解を得られたのは演習で検討した症例だけであった 等の記載があった 考察 学内教育での知識を臨床実習において活用するには ただ単に 知っている という状態から できる 状況へと変化させなければならない 今回 一連の理学療法過程を学修するための手段としてグループ学習を選択した これは 理学療法過程を経験のしたことのない学生でも お互いに協力 討議することができる 個人の価値観だけでなくさまざまな価値観に触れることができる と考えたからである この目的は達成できたものの 学生が臨床実習において一人で問題点を見つけ出し 考え 解決することへは応用できていなかった 今後 グループ学習における個人課題の設定などさらなる検討を進め学生が自主的な学修姿勢を取れるようにすることが重要である

128 一般演題 ( ポスター 7 ) P 34 島根県理学療法士会会員の県学会参加者と非参加者の違い - アンケートを用いた意識調査 - 大森貴志 1,4) 石田修平 2,4) 野口瑛一 2,4) 松本拓也 2,4) 鈴木哲 3,5) 堀江貴文 3,5) 1) こころね訪問看護ステーション 2) 島根大学医学部附属病院 3) 島根リハビリテーション学院 4) 島根県理学療法士会学術局学会部 5) 島根県理学療法士会社会局調査 身分部 key word: 島根県理学療法士会 県学会参加 意識調査 はじめに 島根県理学療法士会学術局の学会部では地域や社会の課題を捉えてテーマを選択し 県学会の運営を行っている 内容は特別講演や演題発表 セミナーやシンポジウムなど企画している 学会に参加する会員と参加しない会員の間にどのような意識の違いがあるのか調査して明らかにすることを目的とした 対象 島根県理学療法士会の会員が勤める ₁₂₈ 施設の₆₆₄ 名に 基本属性調査項目と各質問項目が記載された自己記入式の質問紙を配布した 調査期間は平成 ₂₉ 年 ₁ 月 ₉ 日 ~ ₂ 月 ₁₄ 日に実施し ₄₀₆ 名から質問紙を回収した ( 回収率 :₆₁.₁%) 回答に不備があるものは対象から除外し ₂₇₉ 名 ( 有効回答率 :₄₂.₀% 平均年齢:₃₁.₈±₇.₆ 歳 ) を対象とした 方法 基本属性は年齢や性別 出身学校を収集した 意識調査の項目は学術 臨床スキルの向上 研究の経験 演題発表 臨床に活きるセミナー ( 技術 知識 ) 外部講師の講演 人脈形成 将来性 仕事 家庭の満足度 キャリア形成 メンター ロールモデルの有無について質問した 検定は過去 ₅ 年間で県学会に参加した群 ₁₂₁ 名 ( 以下 ; 参加群 ₄₃.₃%) と非参加の群 ₁₅₈ 名 ( 以下 ; 非参加群 ₅₆.₇%) の ₂ 群に分けて 年齢は Mann-Whitney の U 検定を用い その他の項目は χ ₂ 検定と Fisher の正確確率検定を用いて比較検討した 統計解析は SPSS Ver.₂₃ を使用した 有意水準は ₅ % とした 倫理的配慮 説明と同意 対象者に研究の目的および個人情報の管理について文書で説明を行い 質問紙への回答をもって本研究への同意とみなした また 倫理的配慮に関して厚生労働省等による医学研究指針を遵守し 当施設の承認を得たうえで実施した 結果 基本属性は参加群と非参加群に有意な差はなかった 意識調査は学術スキルの向上 (p<₀.₀₅) 臨床スキルの向上(p<₀.₀₅) 演題発表(p<₀.₀₁) 臨床に活きるセミナー( 技術 知識 )(p<₀.₀₁) 人脈形成(p<₀.₀₅) キャリア形成(p<₀.₀₅) に有意な差が認められた 考察 参加群は臨床に活きる知識 技術のセミナーを聞きたいと思う意識や 学術 臨床スキルの向上について非参加群より意識の違いがあることが明らかとなった また 演題発表や人脈形成の意識に差があり 会員同士で議論を行なうことや交流の機会があることが県学会参加に関係していると示唆された 今後の県学会の運営では参加群にキャリア形成の意識があり 学術や臨床の内容に加えてキャリア形成を考える機会も検討していく必要があることや 非参加群の調査も課題である

129 一般演題 ( ポスター 7 ) P 35 臨床実習における症例報告会のあり方に関する一考察 ~ スタッフの意識調査 ~ 猫島貴彰 1) 池野雅裕 2) 岩﨑裕子 3) 1) 医療法人平野同仁会総合病院津山第一病院 2) 川崎医療福祉大学感覚矯正学科 3)YMCA 米子医療福祉専門学校理学療法士科 key word: 臨床実習 症例報告会 教育 はじめに 症例報告会 ( 以下 報告会 ) で発表する機会を設けることは 臨床実習教育におい てさらなる教育効果を上げる一手段として期待されている 本研究では 臨床実習指導者や参加スタッフは 報告会の目的 メリット デメリットについてどのような認識を持っているかを明らかにし 報告会のあり方について考察する 倫理的配慮 説明と同意 当院倫理委員会にて承認を得た ( 承認番号 ₂₀₁₆-₁₀) 対象者には文書と口頭にて説明し同意を得た 対象と方法 対象は 当院に勤務し 報告会に参加経験のある PT OT ST 計 ₇₀ 名で 質問紙調査を実施した 回答者の投入で回収し ₄₇ 名 ( 回収率 ₆₇.₁%) であった この内 不備のあった ₃ 名を除外し ₄₄ 名分を分析対象 ( 有効回収率 ₆₂.₉%) とした 対象の職種別構成については PT ₂₆ 名 (₅₉.₁%) OT ₁₅ 名 (₃₄.₁%) ST₃ 名 (₆.₈%) であった 年齢については ₂₀ 歳代 ₃₀ 名 (₆₈.₂%) ₃₀ 歳以上 ₁₄ 名 (₃₁.₈%) 経験年数については ₅ 年目以下 ₂₄ 名 (₅₄.₅%) ₆ 年目以上 ₂₀ 名 (₄₅.₅%) であった 質問紙の構成は 対象者の属性 報告会の目的 メリット デメリットについてである 分析は 報告会の目的については最重要項目と複数回答したものを年齢ごとに分けそれぞれをグラフ化した メリット デメリットについては 自由記載を分析用ソフトウェア KH coder にてテキストを単語に分解し 各単語の出現頻度を算出した 次に 各単語の出現頻度から階層的クラスター分析 (Ward 法 ) を行い 単語をクラスターに分類した その単語が含まれる文脈からクラスターの名称と内容を 共同研究者と協議しながら決定した その後 共起ネットワークによる分析を行った 結果 目的の最重要項目は 学生の視点の拡がりの為 (₅₀.₀%) 学生の学びを深める為 (₂₅.₀%) を重要視していた 複数回答では 学生の視点の拡がりの為 は ₂₀ 歳代 ₂₄ 名 (₈₀.₀%) ₃₀ 歳以上 ₁₂ 名 (₈₅.₇%) 学生の学びを深める為 は ₂₀ 歳代 ₁₉ 名 (₆₃.₃%) ₃₀ 歳以上 ₁₄ 名 (₁₀₀%) を高頻度に認識していた メリットは ₄₂ 名 (₉₅.₆%) がありと回答しており クラスター分析にて 気づき なれる場 理解を深める為の整理 問題点に気づき 自分の考えを発表 知識を得る機会 考えの幅 量の拡大 視点 視野の拡大 の ₆ つに分類した デメリットは ₂₉ 名 (₆₅.₉%) がありと回答しており クラスター分析にて 強い質問 表面的アドバイス 意見の押し付け サポートの負担大 の ₄ つに分類した 共起ネットワークは 多様な意見 と 視点の拡大 の間に バイザー が位置していた 考察 スタッフは 報告会の目的を学生の視点拡大や学びの深化と認識していた メリットを活かし 教育効果を上げる為には 約 ₂/₃のスタッフが挙げたデメリットから 質問の仕方やアドバイスの内容 意見を押し付けたり サポートの負担を軽減するなどを工夫することが必要であると考えられた

130 一般演題 ( ポスター 7 ) P 36 療法士不在であった病院における理学療法士への期待は 配置後の運営状況の変化に伴い変化する key word: 職場拡大 理学療法士への期待 療養病床 田原岳治 1) 1) 医療法人社団増原会東城病院 はじめに 当院は昭和 ₅₁ 年に開院し 医療療養病床 ₅₀ 床を有する 地域の基幹的な医療機関で ある 従来 療法士は不在であったが 平成 ₂₇ 年より理学療法士 ₁ 名を常勤として配置した 配置後 入退院件数が増加したが これに伴い他職種の業務に変化を生じた可能性があった 本研究の目的は 約 ₄₀ 年間にわたり療法士のいなかった病院に理学療法士が配置されたことへの期待や効果 それらの経時的変化について明らかにすることである 対象 当院 医療療養病棟に勤務する看護職と介護職とした アンケートは ₇ 項目を設定し 選択方式と一部記述で実施した 未回答個所は除外した 方法 理学療法士の配置後 ₆ か月および ₁ 年 ₆ カ月の時点でアンケート調査を実施した 倫理的配慮 説明と同意 一連の研究計画について当法人の承認を得たうえで実施した 対象者には調査の趣旨を説明し 同意を得たうえで調査を実施した また無記名でアンケート調査を実施し個人が特定されないよう十分配慮を行った 結果 看護職について 期待していた効果について ( 複数回答可 ) 回答率の高かった上位 ₃ 項目は 半年後には運動機能の向上 動作能力向上 セルフケアの改善であったのに対し ₁ 年半後には運動機能の向上 動作能力向上 帰宅退院の支援 セルフケアの改善 ( 一部同率 ) であった 有効であった効果について ( 複数回答可 ) 回答率の高かった上位 ₃ 項目は 半年後には運動機能の向上 動作能力向上 精神機能の向上 患者満足度の向上 ( 一部同率 ) であったのに対し ₁ 年半後には帰宅退院の支援 運動機能の向上 動作能力向上であった 介護職について 期待していた効果について ( 複数回答可 ) 回答率の高かった上位 ₃ 項目は 半年後には運動機能の向上 動作能力向上 帰宅退院の支援 精神機能の向上 セルフケアの改善 患者満足度の向上 ( 一部同率 ) であったのに対し ₁ 年半後には運動機能の向上 帰宅退院の支援 動作能力向上であった 考察 看護職が期待していた効果についてと有効であった効果について 半年後と ₁ 年半後を比較し 帰宅退院の支援 の回答率高まったことは 理学療法士への役割の期待とその経時変化であると推察された 背景には 入退院件数の増加があると考えられた これは 心身機能の改善状況に因らず サービス調整等が整えば退院できる当院の地域連携機能の特徴が現れていると思われる また 介護職が期待していた効果について 半年後には同率で ₃ 位の回答が ₄ 項目あったものが ₁ 年半後には集約された これは 介護職の間で理学療法士の役割が定まっていったものと思われる 結語 約 ₄₀ 年間にわたり療法士のいなかった病院に配置された理学療法士に対する看護職と介護職の期待や効果は 配置後の運営状況の変化に伴い変化したことが分かった

131 一般演題 ( ポスター 8 ) P 37 歩行分析杖 Giraffe の紹介と試験的調査報告 整形疾患を持つ杖歩行患者における杖への荷重率と歩行関連パラメータの関係 田上幸生 1) Holst Stefan 2) 森若幸次郎 3) 西尾幸敏 4) 1) 独立行政法人国立病院機構関門医療センター 2) 国立大学法人九州工業大学 3) 株式会社モリワカ 4) 介護老人保健施設葵の園 広島空港 key word: 歩行分析杖 Giraffe 歩行関連パラメータ 荷重率 はじめに 杖歩行患者がどの程度杖に頼って歩いているのか ということについての定量的な 評価方法は必ずしも確立されていない 一般的には計測に高額で大掛かりな機器を要するということもその要因の一つと考えられる 演者らは現在 九州工業大学 株式会社モリワカと共同してハンディーな歩行分析杖 Giraffe を開発中で 今回の試作品では杖への荷重量を計測できる仕様になっている ここでは Giraffe について紹介し 整形疾患を持つ杖歩行患者を対象に実施した試験的調査の結果を報告する 対象 対象者は関門医療センターに入院中または通院中の整形疾患を持つ T 字杖歩行患者 ₃₈ 名 ( 男性 ₆ 名 女性 ₃₂ 名 平均年齢 ₇₄.₉±₉.₆ 歳 ) 方法 対象者に Giraffe を用いて₁₀m 歩行テストを実施し歩行関連パラメータ ( 歩行速度 歩幅 歩行率 歩行比 ) を算出した 歩行時の杖への荷重量については 平均荷重量を体重で除して荷重率を算出した 荷重率と各歩行関連パラメータの関係について 単回帰分析を実施して調べた 倫理的配慮 説明と同意 対象者にはヘルシンキ宣言にのっとり本研究の趣旨を説明し同意を得た また 倫理的配慮に関して厚生労働省等による医学研究指針を遵守し 当施設の承認を得たうえで実施した 結果 結果は以下の通り 荷重率- 歩行速度 (r=₀.₃₉₄ p=₀.₀₁₄) 荷重率- 歩幅 (r=₀.₁₅₆ p=₀.₃₄₉) 荷重率- 歩行率 (r=₀.₆₀₈ p=₀.₀₀₁) 荷重率- 歩行比 (r=₀.₃₃₃ p=₀.₀₄₁) 歩幅を除き 歩行速度 歩行率 歩行比との間に有意な相関が認められた 考察 荷重率といくつかの歩行関連パラメータとの間に相関関係が認められており 定量的な評価機器としての意義が示唆された 結語 歩行分析杖 Giraffe について紹介し 整形疾患を持つ T 字杖歩行患者を対象に杖への荷重量と歩行関連パラメータとの関係について調査した 荷重量を計測する杖については₄₀ 年以上前から報告があり 近年簡易に作成する試みも報告されている 昔から需要はあるが まだ一般的な普及には至ってはいない状況だと言える 今回実際に使用してみたところ ハンディーで操作性も良く手軽に臨床利用でき これまで普及の障壁となっていた要素をかなりクリアできそうな印象を持った また Giraffe で得られたデータは様々な形に変換 加工して記録したりディスプレイ表示することも可能で 多様な利用方法を検討できる 例えば評価や荷重量のフィードバックのみならず ゲーム的な要素を取り入れたり 運動学習理論に基づいた訓練利用も工夫できる さらには杖への荷重率という客観的なデータを切り口に 杖とそれを利用する人との関係性から運動システムの特徴を新たな視点で見ることができる可能性がある

132 一般演題 ( ポスター 8 ) P 38 手指 MP 関節の引き離しによるストレッチと SLR の関連性 key word: 手指 MP 関節 distraction 引き離し SLR 堀川浩之 1) 1) ボディコンディショニングスペース HOT はじめに 臨床において腰仙関節治療後筋スパズムの消失を確認し 他関節の治療 四肢の関 節の治療と進める しかし 当該関節の治療後 当該関節の ROM 悪化はないのにもかかわら ず ハムストリングスの軽度の筋スパズム再発を経験した 今回 中手指節関節 ( 以下 MP) 関 節包に対して distraction 方向 ( 基節骨長軸方向 ) にストレッチをかけ Straight Leg Rising( 以 下 SLR) の角度を測定し 関連性を調べた 対象 手指および下肢に問題のない健康成人 ₂₃ 名 ( 男性 ₁₂ 名 女性 ₁₁ 名 ) 平均年齢 ₂₂.₃±₄.₁ 歳を対象とした 方法 仰臥位にて 手指 MP 伸展 ROM および SLR を測定 次に 関節の遊び distraction を 行い 手指 MP 伸展 SLR 再測定 (1) その後 遊びの範囲を超えて関節包にストレッチを 行い 手指 MP 伸展 SLR を再測定した (2) 前者と後者を施行前とそれぞれ比較した な お統計分析には 対応のある t 検定を用い検討した 倫理的配慮 説明と同意 被験者には本研究の趣旨を説明し 同意を得られた者を対象とし た なお ヘルシンキ宣言に則り 大西病院臨床研究倫理審査委員会の承認を得た ( 承認番号 ₂₄₀₁) 結果 施行前と1の比較では 手指 MP の伸展 ROM は ₁.₃±₂.₇ 有意差なし (p>₀.₀₁) SLR は平均 ₀.₄±₁.₄ 度 有意差なし (p>₀.₀₅) 施行前と2の比較では 手指 MP の ROM は平均 ₄.₆±₅.₈ 度 有意差あり (p<₀.₀₁) SLR は平均 ₂₂.₄±₉.₀ 度 有意差あり (p<₀.₀₁) であった 考察 侵害刺激が生体に加わったときに 防御機構として一時性機能障害(TD) が起こる この TD は客観的には筋の張りとして筋スパズムを確認できる 今回の研究の結果では法則性が見つけられた それは 身体を左右に分けたとき 刺激が加わった側に上下肢関係なく TD を起こす 四足獣であれば 攻撃を受けた側にまだ敵がいるとき 修復作業や次の攻撃に対しての防御態勢といえる 軟部組織は普段緩んだ状態にあるが 維持をさせるにおいては ピンと張った状態 (taut) で十分である 引き離しという関節の遊びに技術においても taut 状態からさらに引き伸ばしていくと 微細損傷やリバンド作用によって反って縮んでしまう 手指関節においては ゆとりが大きい分 当該関節自体の可動域の低下は認められない 当該関節の筋スパズムは著名ではないが 下肢にスパズムが出ること 末梢関節の刺激が入っても 刺激が入った同側に影響を及ぼすことが認められ 可動域運動時にも乱暴に行えば 身体にとって悪影響を及ぼしてしまうことが示唆される しかも その乱暴度は痛みが判断基準ではなく ストレッチを掛けないということである 伸張させず 緊張 taut で止めることが運動療法で必須の認識といえるであろう 結語 当該関節の ROM 運動は 乱暴に行えば全身へ悪影響を及ぼす

133 一般演題 ( ポスター 8 ) P 39 体脂肪率 BMI と嫌気性代謝閾値の関連性 錦織航 1) 平岩和美 2) 馬屋原康高 2) 1) 島根大学医学部附属病院リハビリテーション部 2) 広島都市学園大学 key word: 有酸素運動 体脂肪率 嫌気性代謝閾値 目的 運動療法の場面において肥満患者を対象として嫌気性代謝閾値 (Anaerobics Threshold; 以下 AT) から運動強度を設定した運動処方が行われている 先行研究では 肥満度が高いと AT は低下することが報告されている しかし その要因についての報告は少ない そこで本研 究は 肥満度に関する指標と AT との関連性を検証することを目的とした 対象と方法 対象は健常男性 ₁₄ 名 ( 平均年齢 ₂₀.₆±₀.₈ 歳 ) とした 実験に先立ち体脂肪率 Body mass index( 以下 BMI) 除脂肪量 胸郭運動の指標として胸郭拡張差 腹囲の計測を 行った後 Ramp 負荷を用いて心肺運動負荷試験を行った AT の判定には V-solpe 法を用いた 統計解析には 計測から得られた AT と体重 体脂肪 BMI 除脂肪量 胸郭拡張差 腹囲の 相関関係について Peason の相関係数の検定を用いて検討し 有意水準は ₅ % とした 倫理的配慮 ヘルシンキ宣言に基づき調査協力について対象者から同意を得た なお本研究は 広島都市学園大学倫理審査委員会にて承認を得た ( 承認番号第 ₂₀₁₆₀₃ 号 ) 結果 各項目の平均値は AT₁₈.₁₂±₄.₅₈ml/min/kg 体脂肪率 ₂₃.₈±₈.₁₃% BMI₂₄.₄₄± ₅.₄₆kg/m ₂ 除脂肪量 ₇₆.₁₄±₈.₁₄% 胸郭拡張差 ₅.₅₇±₁.₃₉cm 腹囲 ₈₁.₉₃±₁₅.₂₅cm であった 統計解析の結果 AT と体脂肪率 (r= ₀.₆₄ p<₀.₀₅) AT と BMI(r= ₀.₆₄ p<₀.₀₅) AT と 腹囲 (r= ₀.₆₅ p<₀.₀₅) それぞれの間に負の相関関係が認められ AT と除脂肪量 (r=₀.₆₄ p<₀.₀₅) の正の相関関係が認められた その他は認められなかった 考察 先行研究では 肥満度と AT の間には負の相関関係が認められ 高齢者では特にその関 連性が高く 若者では肥満度が高い場合でも筋肉量も多いことが報告されている 本研究では 肥満傾向にあるほど AT が有意に低下するこが認められた 坂本 (₂₀₁₁) も腹部への脂肪沈着 が胸郭コンプライアンスを減少させ 肺容量を減少させると述べている そこで本研究では胸郭拡張能の指標として 簡易的に計測できる胸郭拡張差を用いて検証した 本研究では AT と胸郭拡張差の間に相関関係が認められなかったが スパイロメータを使用した先行研究では肥満者における呼吸機能の低下が多く報告されている 本研究では胸郭拡張差を腋窩の高さにて計測した 先行研究では健常群に腋窩 剣状突起 第 ₁₀ 肋骨の高さにて計測し 剣状突起が最も相関関係がみられたと報告されている 本研究で AT と胸郭拡張差の間に相関関係が見られなかった要因として 腋窩の高さでは胸郭は上下方向に動くので 肺実質の容量を計測できなかったことが推察できた 今後は 肺容量をスパイロメータなどにて計測することや 胸郭拡張差の計測は剣状突起の高さで行うなど より精密な呼吸機能の検査を行う事が必要である

134 一般演題 ( ポスター 8 ) P 40 人工膝関節全置換術当日の理学療法介入が膝関節可動域に及ぼす影響について 井上真理香 1) 安藤可織 1) 中路哲司 1) 中野綾乃 1) 廣川晴美 1) 塩田直史 2) 竹内一裕 1) 1) 独立行政法人岡山医療センターリハビリテーション科 2) 独立行政法人岡山医療センター整形外科 key word: 人工膝関節全置換術 関節可動域 早期介入 はじめに 目的 人工膝関節全置換術 (TKA) 後の関節可動域 (ROM) は TKA の術後成績 を左右する重要な指標の一つである 近年 TKA 術後理学療法の早期化が進んでおり 当院でも 以前は術後翌日より介入を開始していたが 平成 ₂₈ 年 ₈ 月より術当日から ROM 訓練を開始し ている しかし早期介入が術後の運動機能に与える影響は明らかではない そこで本研究の目的は 術当日からの介入が膝関節 ROM に及ぼす影響について検討することとした 方法 対象は平成 ₂₈ 年 ₁ 月から平成 ₂₉ 年 ₁ 月までの₁₃か月間に当院で TKA を施行された₉₃ 名とし 平成 ₂₈ 年 ₈ 月以降に施行された当日介入群 ₅₁ 名 ( 男性 ₁₂ 名 女性 ₃₉ 名 年齢 ₇₅.₇±₈.₇ 歳 ) と 平成 ₂₈ 年 ₇ 月以前に施行された翌日介入群 ₄₂ 名 ( 男性 ₁₁ 名 女性 ₃₁ 名 年齢 ₇₄.₇±₈.₁ 歳 ) の ₂ 群に分けた 術前 術当日 ( 当日介入群のみ ) 術後 ₁ 日目から ₇ 日目まで 退院時 ( 当日介入群 : 術後 ₁₂.₂±₁.₉ 日目 翌日介入群 : 術後 ₁₂.₃±₁.₃ 日目 ) の術側膝関節 ROM を他動で測定した 統計解析は ₂ 群間の膝関節 ROM の比較に対応のない t 検定を用いた また各群それぞれで 退院時と各測定日の ROM の関連性について Pearson の相関係数を用いて確認した 有意水準は ₅ % 未満とした 結果 屈曲 ROM では 当日介入群と翌日介入群それぞれ術前 ₁₂₀.₀±₁₃.₄ vs₁₂₂.₀±₁₅.₃ と両群に有意差を認めなかったものの 術後 ₁ 日目 ₉₂.₆±₁₇.₀ vs₇₆.₄±₂₀.₃ から術後 ₆ 日目 ₁₁₁.₅± ₁₁.₃ vs₁₀₅.₄±₁₄.₇ までは両群間に有意差を認めた (p<₀.₀₅) 術後 ₇ 日目及び退院時には有意差を認めなかった 伸展 ROM では 術前は ₆.₇±₆.₇ vs ₈.₇±₆.₄ と両群に有意差を認めなかったものの 術後 ₁ 日目 ₂.₈±₃.₇ vs ₆.₆±₅.₃ から術後 ₆ 日目 ₀.₅±₁.₅ vs ₂.₀±₃.₅ までは両群間に有意差を認めた (p<₀.₀₅) 術後 ₇ 日目及び退院時には有意差を認めなかった 次に 退院時の屈曲 ROM は両群とも術前より術後 ₇ 日目の方が高い正の相関を認めた (r>₀.₈₂ p<₀.₀₁) また 退院時の伸展 ROM も術前よりも術後 ₇ 日目において正の相関を認めた 結論 TKA 術後の ROM は 伸展屈曲ともに術後 ₆ 日目までは翌日介入群と比較して当日介入群の方が有意に良好な成績であった 在院日数が短縮されている今日では 当日介入による早期の ROM 向上は有益であると考えられる 今後は 当日介入が歩行能力や ADL に及ぼす影響を検討する必要がある 倫理的配慮 説明と同意 後ろ向きの観察研究であり 厚生労働省の疫学研究に係る倫理指針に従い 公告文書を用いてインフォームドコンセントを省いた調査とした 本研究は 岡山医療センターの倫理委員会の承認を得て行った

135 一般演題 ( ポスター 8 ) P 41 内側膝蓋大腿靭帯再建術を施行された患者に対して閉鎖性運動連鎖を用いた術後理学療法の検討 浅枝諒 1) 島田昇 1) 平田和彦 1) 石川正和 2) 木村浩彰 3) 安達伸生 2) 1) 広島大学病院診療支援部リハビリテーション部門 2) 広島大学大学院医歯薬保健学研究院整形外科学 3) 広島大学病院リハビリテーション科 key word: 反復性膝蓋骨脱臼 閉鎖性運動連鎖 歩行分析 背景 内側膝蓋大腿靭帯 (medial patellofemoral ligament; 以下 MPFL) 再建術は 反復性膝 蓋骨脱臼に対する観血的治療として広く施行されており その術後成績は良好である 一方で 術後の膝蓋大腿関節の関節症化も報告されており その対策として術後リハビリテーションが重要であると考えられるが その内容を報告したものは少ない 我々は MPFL 再建術後の患者を対象とした歩行解析を実施し 術後 ₃ か月時においては歩行時の double knee action 消失と内部膝関節伸展モーメントが低下することを報告した これらの運動を制御する目的として 拮抗筋との共同収縮 関節固有受容器への刺激が得られる閉鎖性運動連鎖 (closed kinetic chain; 以下 CKC) を用いた術後理学療法を実施したので報告する 症例 症例は₁₀ 歳代前半の女性で 反復性膝蓋骨脱臼に対して MPFL 再建術と外側膝蓋支帯解離術を施行された 術後 ₂ 週間はニーブレイス固定下での大腿四頭筋セッティングを実施し 術後 ₃ 週目から ROM 開始 術後 ₄ 週目で₁/₃ 部分荷重を開始し 術後 ₄ 週 ₄ 日で自宅退院となった CKC を用いた運動は₁/₂ 部分荷重が許可された術後 ₅ 週目から両脚ハーフスクワットを開始し 全荷重開始 ( 術後 ₆ 週目 ) からは片脚立位保持 片脚ハーフスクワット バランスディスク上での片脚立位保持および片脚ハーフスクワットを実施した 片脚立位保持は最大 ₁ 分間とし ハーフスクワットは連続 ₂₀ 回 ₂ セットを実施した 退院後からは SLR や座位での膝伸展運動など開放性運動連鎖を用いたトレーニングは実施しなかった 介入回数は 入院中は週 ₅ 回 自宅退院後は週 ₁ 回とし 退院後は上記内容の CKC トレーニングを自主練習として指導した 術後 ₃ か月経過時に筋力測定機器 (μ-tas アニマ株式会社) を使用して等尺性膝関節伸展筋力を記録し 三次元動作解析装置 (VICON MX Vicon Motion Systems UK) と床反力計 (AMTI USA) を用いて通常歩行時の膝関節運動を測定した 対象および家族に対して個人情報保護を十分に配慮することを説明し 掲載の承諾を得た 結果 術後再脱臼や術創部の疼痛なく経過良好であった 等尺性膝関節伸展筋力は健側 ₃₃.₉kgf 患側 ₁₆.₃kgf であり 術側の筋力低下を認めた バランスディスク上での片脚立位保持時間は健側 ₄₅.₀₈ 秒 患側 ₁₇.₉₆ 秒であった 歩行分析の結果 先行研究と類似した膝関節運動を示した ( 荷重応答期最大膝屈曲角度 ₂.₁₆ 内部膝関節伸展モーメント₀.₁₅Nm/kg) 考察 先行研究においては術後理学療法内容が統一されておらず 本症例では荷重位での膝関節制御を目的に CKC を実施した しかし等尺性膝関節伸展筋力が小さかったため 正常とは異なる歩行運動を示したと考える また術後 ₃ か月時においてもバランスディスク上での片脚スクワットは困難であり 荷重位での膝関節制御が回復段階であったことも異常歩行運動が残存した要因の ₁ つであると考える MPFL 再建術後の歩行改善のためには膝伸展筋力が重要であると考え 筋力強化を中心に理学療法を継続する

136

137

138 組織図 一般演題部長 演題局長崎元直樹 ( 市立三次中央病院 ) 馬屋原康高 ( 広島都市学園大学 ) 抄録部長 湯浅美聖 ( 市立三次中央病院 ) 学会長甲田宗嗣 ( 広島都市学園大学 ) 会場局長島田昇 ( 広島大学病院 ) 設営運営部長猪村剛史 ( 広島大学大学院医歯薬保健学研究科 ) 受付部長折田直哉 ( 広島大学病院 ) 準備委員長谷口亮治 ( 広島市立安佐市民病院 ) 副学会長廣澤隆行 ( 広島市立安佐市民病院 ) プロモーション局長小林浩介 ( 広島市立リハビリテーション病院 ) 講師対応部長 日當泰彦 ( リハケアネット訪問看護ステーション ) 広報部長 藤山一宏 ( 北広島町豊平病院 ) レセプション部長 木下めぐみ ( 吉岡整形外科 ) 機器展示部長木村和則 ( 安芸地区医師会熊野町訪問看護ステーション ) 事務局長石田勝 ( 興生総合病院 ) 総務部長沖本強 ( 日比野病院 ) 財務部長川野義晴 ( 広島市立リハビリテーション病院 )

139 学会運営協力会員 岩城大介 竹本正三 泥谷智徳 中村智美 岩下知裕 松浦まみ子 陰浦舞子 高橋 栞 福利 崇 逸見房代 道上可奈 山本愛莉 児玉智香 三上 亮 江藤佳那子 井上明彦 脇菜穂子 内堀靖忠 飯野和也 浦木信宏 沖本麻衣子 竹岡亮太 廣田智弘 高尾恒嗣 柴田彩乃 藤井貴允 浅枝 諒 梶川奈津美 中村公則 沼野崇平 阿部夏音 後河内淳 梅木 聡 政森敦宏 利根川直樹 岩本義隆 河野愛史 横田晋一 藤井絵里 桑原 渉 室﨑 輝 蔵重奈菜 高橋佑佳 富田瑛博 戒能奈央 井東あゆみ 古田圭司 竹本雄一郎 中村 稔 賀茂美津子 白根歌織 相澤郁也 柳田奈美 森脇功太 世羅布実 宮木典子 溝口裕章 中井宏幸 垰 里織 福井一樹 田中聡之 片岡晶子 佐々木裕江 奥島悠大 常川幸生 島田雅史 古園弘隆 近藤真広 ( 順不同敬称略 )

140

141

142 136

143 学校法人福山医療学園厚生労働大臣指定 福山医療専門学校 作業療法学科 理学療法学科 ( 昼間部 夜間部 ) 救急救命学科 広島県福山市引野町南

144

145 139

指定演題 1 D 2 経頭蓋直流電気刺激による歩行 認知課題の機能向上効果 篠田亮平 1) 松浦晃宏 1) 石川衛 1) 苅田哲也 1) 森大志 2) key word: 二重課題 経頭蓋直流電気刺激 歩行 1) 大山リハビリテーション病院 2) 県立広島大学 目的 歩きながら話をするなど 動作の遂

指定演題 1 D 2 経頭蓋直流電気刺激による歩行 認知課題の機能向上効果 篠田亮平 1) 松浦晃宏 1) 石川衛 1) 苅田哲也 1) 森大志 2) key word: 二重課題 経頭蓋直流電気刺激 歩行 1) 大山リハビリテーション病院 2) 県立広島大学 目的 歩きながら話をするなど 動作の遂 指定演題 1 D 1 心不全入院した患者における心不全症状出現前の活動と退院時の歩行自立との関係 ~ UCLA Activity Score を用いて ~ 中村公則 1) 竹本雄一郎 1) 若林昌司 1) 永井道明 2) 香川英介 2) 小田登 2) 佐々木正太 2) 加藤雅也 2) 土手慶五 2) 1) 地方独立行政法人広島市立病院機構広島市立安佐市民病院リハビリテーション科 2) 地方独立行政法人広島市立病院機構広島市立安佐市民病院循環器内科

More information

目 次

目 次 K 2013年 第 10 号 B ネ ッ ト 第 一〇 号 写真提供 神戸国際観光コンベンション協会 二〇一 三年 全国競売評価ネットワーク 全国競売評価ネットワーク 目 次 特別寄稿 公益のための競売取引 京都競売不動産評価事務研究会 一般の民間不動産取引市場の近々の動向を把握することは 民間ビジネスのためには勿論 国の経済政策等々のいろいろな側面から非常に重要なことであります 国土交通省等においても近年

More information

扉.indd

扉.indd 7. グラフで見る 1973~26 年の胆膵系腫瘍 胆嚢 胆管 Vater 乳頭 膵 は解剖学的に隣接した臓器であり 発生学的にも共通な部分があり 機能的にも協調している 発生する腫瘍も組織学的に類似しており いずれの臓器から発生したか判別が困難な症例も少なくない しかしそれら症例を集団として見た場合 ₄ つの臓器には明瞭な相違点がある 診療面から見てもこれらには大きな違いがあり 胆石等で比較的侵襲が少なく摘出され

More information

課題名

課題名 急性期重度嚥下障害患者に対する完全側臥位法の有効性 研究責任者氏名長尾恭史 岡崎市民病院リハビリテーション室 副主任 共同研究者脳神経内科小林靖歯科口腔外科長尾徹看護局西嶋久美子 西暦 2017 年 6 月 15 日版数 1 目次 1. 実施計画の経緯 ( 背景 )... 1 2. 目的... 1 3. 研究対象者について... 1 3-1 選択基準... 1 3-2 除外基準... 1 3-3 中止基準...

More information

A4_PDF用.indd

A4_PDF用.indd 79 Ⅱ ニップル類 8 Ⅲ サイホンパイプ類 85 Ⅳ プラグ類 86 ステンレス製品について ステンレスはさびない金 属ではなく さびにく い金 属です 材 料 成 分としては鉄とクロムや ニッケルを加えて鉄よりも数 段さびにくくして いる合金です 適切な使用とお手入れをされていればさびを防止 できます お手入れ ①濡れたままの状態 湿気の多い場所での保管 は避けてください ②鉄などの異種の金属と接触させたまま放置しな

More information

高齢化率が上昇する中 認定看護師は患者への直接的な看護だけでなく看護職への指導 看護体制づくりなどのさまざまな場面におけるキーパーソンとして 今後もさらなる活躍が期待されます 高齢者の生活を支える主な分野と所属状況は 以下の通りです 脳卒中リハビリテーション看護認定看護師 脳卒中発症直後から 患者の

高齢化率が上昇する中 認定看護師は患者への直接的な看護だけでなく看護職への指導 看護体制づくりなどのさまざまな場面におけるキーパーソンとして 今後もさらなる活躍が期待されます 高齢者の生活を支える主な分野と所属状況は 以下の通りです 脳卒中リハビリテーション看護認定看護師 脳卒中発症直後から 患者の 認定看護師 21 分野 1 万 7,443 人に専門性を発揮し 高齢者や長期療養者の生活を支える 公益社団法人日本看護協会 ( 会長 坂本すが 会員数 70 万人 ) は このたび 第 24 回認定看護師認定審査 を実施しました 審査に合格した 1,626 人が新たに認定され 認定看護師は 1 万 7,443 人となりました (5 ページ参照 ) 認定看護師は 高度化し専門分化が進む医療の現場において

More information

助成研究演題 - 平成 23 年度国内共同研究 (39 歳以下 ) 重症心不全の集学的治療確立のための QOL 研究 東京大学医学系研究科重症心不全治療開発講座客員研究員 ( 助成時 : 東京大学医学部附属病院循環器内科日本学術振興会特別研究員 PD) 加藤尚子 私は 重症心不全の集学的治療確立のた

助成研究演題 - 平成 23 年度国内共同研究 (39 歳以下 ) 重症心不全の集学的治療確立のための QOL 研究 東京大学医学系研究科重症心不全治療開発講座客員研究員 ( 助成時 : 東京大学医学部附属病院循環器内科日本学術振興会特別研究員 PD) 加藤尚子 私は 重症心不全の集学的治療確立のた 助成研究演題 - 平成 23 年度国内共同研究 (39 歳以下 ) 重症心不全の集学的治療確立のための QOL 研究 東京大学医学系研究科重症心不全治療開発講座客員研究員 ( 助成時 : 東京大学医学部附属病院循環器内科日本学術振興会特別研究員 PD) 加藤尚子 私は 重症心不全の集学的治療確立のための QOL 研究 という題目で ファイザーヘ ルスリサーチ振興財団より助成をいただきました 本日はその結果を報告したいと思います

More information

000-はじめに.indd

000-はじめに.indd 2 リハビリテーション看護 (1) 概要 ア 看護部の理念 方針 理念 患者様とともにリハビリテーションのゴール 目標 を目指し できるかぎりの自立を支援 し 安全で質の高い看護を提供します 方針 1 人間の生命 人間としての尊厳および権利を尊重した看護サービスを提供します 2 リハビリテーション看護の専門性を発揮し 患者様の日常生活行動の獲得に向けて 見守る 待つ ともに考える 姿勢を持ってかかわり

More information

フレイルのみかた

フレイルのみかた 1フレイルとは? POINT OF STUDY フレイルの概念 高齢期に生理的予備能が低下することでストレスに対する脆弱性が亢進し, 不健康を引き起こしやすい状態は Frailty と表現されており 1), 転倒や日常生活の障害, 要介護の発生, 死亡のリスクを増大させる要因となる. これまでは, 虚弱 や 老衰 などの用語で表現されることが多く, 心身が加齢により老いて衰え, 不可逆的な印象を与えることが懸念されてきた.

More information

< 訪問看護技術 ( 看取り 緩和ケア ) 向上のための研修 > 研修内容 :ELNEC-J 認定講師による講義 ( 座学 ):2 日間訪問看護事業所の訪問サービスに同行 見学 ( 同行研修 ):3 日講義日 :12 月 15 日 ( 土 ) 16 日 ( 日 )9:0016:30 講義場所 : 広

< 訪問看護技術 ( 看取り 緩和ケア ) 向上のための研修 > 研修内容 :ELNEC-J 認定講師による講義 ( 座学 ):2 日間訪問看護事業所の訪問サービスに同行 見学 ( 同行研修 ):3 日講義日 :12 月 15 日 ( 土 ) 16 日 ( 日 )9:0016:30 講義場所 : 広 NEWS RELEASE 広島大学広報グループ 739-8511 東広島市鏡山 1-3-2 TEL:082-424-3749 FAX:082-424-6040 E-mail: koho@office.hiroshima-u.ac.jp 平成 30 年 8 月 31 日 平成 30 年度広島市訪問看護師養成事業 を広島大学大学院医歯薬保健学研究科附属先駆的看護実践支援センターが実施します 高齢化の進展と地域医療構想に基づく病床削減等により在宅ケアのニーズの拡大が見込まれています

More information

認定PT取得までの流れ

認定PT取得までの流れ 注意 こちらに掲載されている内容は平成 28(2016) 年度までの情報に準じています 平成 29(2017) 年度以降, 内容が変更されることもあるのでご了承願います 高知県理学療法士協会教育部平成 29 年 6 月現在 1 日本理学療法士協会ホームページの専 門 認定理学療法士制度に関するページ http://www.japanpt.or.jp/members/lifelonglearning/flow/

More information

介護における尊厳の保持 自立支援 9 時間 介護職が 利用者の尊厳のある暮らしを支える専門職であることを自覚し 自立支援 介 護予防という介護 福祉サービスを提供するにあたっての基本的視点及びやってはいけ ない行動例を理解している 1 人権と尊厳を支える介護 人権と尊厳の保持 ICF QOL ノーマ

介護における尊厳の保持 自立支援 9 時間 介護職が 利用者の尊厳のある暮らしを支える専門職であることを自覚し 自立支援 介 護予防という介護 福祉サービスを提供するにあたっての基本的視点及びやってはいけ ない行動例を理解している 1 人権と尊厳を支える介護 人権と尊厳の保持 ICF QOL ノーマ 介護職員初任者研修 ほほえみ介護塾 シラバス 研修事業者名 使用教材 一般財団法人宇治市福祉サービス公社 介護職員初任者研修テキスト 公益財団法人介護労働安定センター 科目名 職務の理解 6 時間 研修に先立ち これからの介護が目指すべき その人の生活を支える 在宅におけるケ ア 等の実践について 介護職がどのような環境で どのような形で どのような仕事を 行うのか 具体的イメージを持って実感し 以降の研修に実践的に取り組めるようにす

More information

「手術看護を知り術前・術後の看護につなげる」

「手術看護を知り術前・術後の看護につなげる」 2017 年 2 月 1 日 作成者 : 山田さおり 慢性心不全看護エキスパートナース育成コース 1. 目的江南厚生病院に通院あるいは入院している心不全患者に質の高いケアを提供できるようになるために 看護師が慢性心不全看護分野の知識や技術を習得することを目的とする 2. 対象レベルⅡ 以上で各分野の知識と技術習得を希望する者 ( 今年度は院内スタッフを対象にしています ) 期間中 80% 以上参加できる者

More information

重回帰分析による高校生のエネルギーおよび栄養素摂取量と食品群別摂取量との関係

重回帰分析による高校生のエネルギーおよび栄養素摂取量と食品群別摂取量との関係 日本食生活学会誌第 ₂₈ 巻第 ₂ 号 ₉₇ ₁₀₇(₂₀₁₇ [ 論文 ] 重回帰分析による高校生のエネルギーおよび栄養素摂取量と食品群別摂取量との関係 島田咲希 森奈央 横山佳子 ( 京都女子大学家政学部食物栄養学科 ( 平成 ₂₉ 年 ₂ 月 ₆ 日受付, 平成 ₂₉ 年 ₆ 月 ₇ 日受理 Relationship between energy, nutrient intakes and food

More information

平成 28 年度診療報酬改定情報リハビリテーション ここでは全病理に直接関連する項目を記載します Ⅰ. 疾患別リハビリ料の点数改定及び 維持期リハビリテーション (13 単位 ) の見直し 脳血管疾患等リハビリテーション料 1. 脳血管疾患等リハビリテーション料 (Ⅰ)(1 単位 ) 245 点 2

平成 28 年度診療報酬改定情報リハビリテーション ここでは全病理に直接関連する項目を記載します Ⅰ. 疾患別リハビリ料の点数改定及び 維持期リハビリテーション (13 単位 ) の見直し 脳血管疾患等リハビリテーション料 1. 脳血管疾患等リハビリテーション料 (Ⅰ)(1 単位 ) 245 点 2 平成 28 年度診療報酬改定情報リハビリテーション ここでは全病理に直接関連する項目を記載します Ⅰ. 疾患別リハビリ料の点数改定及び 維持期リハビリテーション (13 単位 ) の見直し 脳血管疾患等リハビリテーション料 1. 脳血管疾患等リハビリテーション料 (Ⅰ)(1 単位 ) 245 点 2. 脳血管疾患等リハビリテーション料 (Ⅱ)(1 単位 ) 200 点 3. 脳血管疾患等リハビリテーション料

More information

2 片脚での体重支持 ( 立脚中期, 立脚終期 ) 60 3 下肢の振り出し ( 前遊脚期, 遊脚初期, 遊脚中期, 遊脚終期 ) 64 第 3 章ケーススタディ ❶ 変形性股関節症ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

2 片脚での体重支持 ( 立脚中期, 立脚終期 ) 60 3 下肢の振り出し ( 前遊脚期, 遊脚初期, 遊脚中期, 遊脚終期 ) 64 第 3 章ケーススタディ ❶ 変形性股関節症ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー PT OT ビジュアルテキスト 姿勢 動作 歩行分析 contents 序ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー畠中泰彦 3 本書の使い方ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

More information

高齢者におけるサルコペニアの実態について みやぐち医院 宮口信吾 我が国では 高齢化社会が進行し 脳血管疾患 悪性腫瘍の増加ばかりでなく 骨 筋肉を中心とした運動器疾患と加齢との関係が注目されている 要介護になる疾患の原因として 第 1 位は脳卒中 第 2 位は認知症 第 3 位が老衰 第 4 位に

高齢者におけるサルコペニアの実態について みやぐち医院 宮口信吾 我が国では 高齢化社会が進行し 脳血管疾患 悪性腫瘍の増加ばかりでなく 骨 筋肉を中心とした運動器疾患と加齢との関係が注目されている 要介護になる疾患の原因として 第 1 位は脳卒中 第 2 位は認知症 第 3 位が老衰 第 4 位に 高齢者におけるサルコペニアの実態について みやぐち医院 宮口信吾 我が国では 高齢化社会が進行し 脳血管疾患 悪性腫瘍の増加ばかりでなく 骨 筋肉を中心とした運動器疾患と加齢との関係が注目されている 要介護になる疾患の原因として 第 1 位は脳卒中 第 2 位は認知症 第 3 位が老衰 第 4 位に関節疾患 5 位が骨折 転倒であり 4,5 位はいずれも運動器が関係している 骨粗しょう症のメカニズムの解明

More information

Ⅰ 通所リハビリテーション業務基準 通所リハビリテーションのリハビリ部門に関わる介護報酬 1. 基本報酬 ( 通所リハビリテーション費 ) 別紙コード表参照 個別リハビリテーションに関して平成 27 年度の介護報酬改定において 個別リハビリテーション実施加算が本体報酬に包括化された趣旨を踏まえ 利用

Ⅰ 通所リハビリテーション業務基準 通所リハビリテーションのリハビリ部門に関わる介護報酬 1. 基本報酬 ( 通所リハビリテーション費 ) 別紙コード表参照 個別リハビリテーションに関して平成 27 年度の介護報酬改定において 個別リハビリテーション実施加算が本体報酬に包括化された趣旨を踏まえ 利用 通所リハビリテーション事業所における リハ部門の業務手順書 一般社団法人 京都府理学療法士会 社会局保険部 Ⅰ 通所リハビリテーション業務基準 通所リハビリテーションのリハビリ部門に関わる介護報酬 1. 基本報酬 ( 通所リハビリテーション費 ) 別紙コード表参照 個別リハビリテーションに関して平成 27 年度の介護報酬改定において 個別リハビリテーション実施加算が本体報酬に包括化された趣旨を踏まえ

More information

リハビリテーションを受けること 以下 リハビリ 理想 病院でも自宅でも 自分が納得できる 期間や時間のリハビリを受けたい 現実: 現実: リ ビリが受けられる期間や時間は制度で リハビリが受けられる期間や時間は制度で 決 決められています いつ どこで どのように いつ どこで どのように リハビリ

リハビリテーションを受けること 以下 リハビリ 理想 病院でも自宅でも 自分が納得できる 期間や時間のリハビリを受けたい 現実: 現実: リ ビリが受けられる期間や時間は制度で リハビリが受けられる期間や時間は制度で 決 決められています いつ どこで どのように いつ どこで どのように リハビリ リハビリテーションに関わる 医療 福祉の仕組み NTT 東日本関東病院 総合相談室 ソーシャルワーカー井手宏人 リハビリテーションを受けること 以下 リハビリ 理想 病院でも自宅でも 自分が納得できる 期間や時間のリハビリを受けたい 現実: 現実: リ ビリが受けられる期間や時間は制度で リハビリが受けられる期間や時間は制度で 決 決められています いつ どこで どのように いつ どこで どのように

More information

233 第四回日露協約と英米協調路線の再考 石井菊次郎を中心に

233 第四回日露協約と英米協調路線の再考 石井菊次郎を中心に Kobe University Repository : Kernel タイトル Title 著者 Author(s) 掲載誌 巻号 ページ Citation 刊行日 Issue date 資源タイプ Resource Type 版区分 Resource Version 権利 Rights DOI 第四回日露協約と英米協調路線の再考 : 石井菊次郎を中心に (Rethinking the Partnership

More information

このような現状を踏まえると これからの介護予防は 機能回復訓練などの高齢者本人へのアプローチだけではなく 生活環境の調整や 地域の中に生きがい 役割を持って生活できるような居場所と出番づくりなど 高齢者本人を取り巻く環境へのアプローチも含めた バランスのとれたアプローチが重要である このような効果的

このような現状を踏まえると これからの介護予防は 機能回復訓練などの高齢者本人へのアプローチだけではなく 生活環境の調整や 地域の中に生きがい 役割を持って生活できるような居場所と出番づくりなど 高齢者本人を取り巻く環境へのアプローチも含めた バランスのとれたアプローチが重要である このような効果的 介護予防の推進について 1. 基本的な考え方 介護予防は 高齢者が要介護状態等となることの予防や要介護状態等の軽減 悪化の防止を目的として行うものである 特に 生活機能の低下した高齢者に対しては リハビリテーションの理念を踏まえて 心身機能 活動 参加 のそれぞれの要素にバランスよく働きかけることが重要であり 単に高齢者の運動機能や栄養状態といった心身機能の改善だけを目指すものではなく 日常生活の活動を高め

More information

02研23_岩井.indd

02研23_岩井.indd 広島工業大学紀要研究編第 ₄₇ 巻 (₂₀₁₃)11 17 論文 既存木造家屋の建築年代別壁量充足率と耐震診断値の関係 近藤皓彦 * 岩井哲 ** ( 平成 ₂₄ 年 ₁₀ 月 ₃₁ 日受付 ) Relations between Superstructure-Score in the Earthquake-Proof Diagnosis and the Amount of Structural Walls

More information

平成 28 年 10 月 17 日 平成 28 年度の認定看護師教育基準カリキュラムから排尿自立指導料の所定の研修として認めら れることとなりました 平成 28 年度研修生から 排泄自立指導料 算定要件 施設基準を満たすことができます 下部尿路機能障害を有する患者に対して 病棟でのケアや多職種チーム

平成 28 年 10 月 17 日 平成 28 年度の認定看護師教育基準カリキュラムから排尿自立指導料の所定の研修として認めら れることとなりました 平成 28 年度研修生から 排泄自立指導料 算定要件 施設基準を満たすことができます 下部尿路機能障害を有する患者に対して 病棟でのケアや多職種チーム 平成 28 年 10 月 17 日 平成 28 年度の認定看護師教育基準カリキュラムから排尿自立指導料の所定の研修として認めら れることとなりました 平成 28 年度研修生から 排泄自立指導料 算定要件 施設基準を満たすことができます 下部尿路機能障害を有する患者に対して 病棟でのケアや多職種チームの介入による下部尿路機能の回復のための包括的排尿ケアについて評価する ( 新 ) 排尿自立指導料 [

More information

₂.₁ アンケート調査の目的広島県耐震改修促進計画の策定にあたり, 県内の住宅や特定建築物の所有者等の耐震診断 耐震改修に関する意識を調査し, 耐震化を促進する上で必要となる事項, 障害となる事項を抽出するために, アンケートによるサンプル調査を実施した ₂.₂ 調査対象 1 昭和 ₅₆ 年以前に建

₂.₁ アンケート調査の目的広島県耐震改修促進計画の策定にあたり, 県内の住宅や特定建築物の所有者等の耐震診断 耐震改修に関する意識を調査し, 耐震化を促進する上で必要となる事項, 障害となる事項を抽出するために, アンケートによるサンプル調査を実施した ₂.₂ 調査対象 1 昭和 ₅₆ 年以前に建 広島工業大学紀要研究編第 ₄₆ 巻 (₂₀₁₂)21 29 論文 木造住宅の耐震診断と耐震改修に関する住民意識の質問紙調査 岩井哲 * 近藤皓彦 ** ( 平成 ₂₃ 年 ₁₀ 月 ₃₁ 日受付 ) Questionnaire Survey on Consciousness of Inhabitants about the Earthquake-Proof Diagnosis and Resistance

More information

Microsoft PowerPoint - 電子ポートフォリオのフィードバック(配付).pptx

Microsoft PowerPoint - 電子ポートフォリオのフィードバック(配付).pptx ポートフォリオの 効果的なフィードバック スペシャルニーズ口腔医学講座歯学教育学片岡竜太 文科省大学間連携事業で実施する授業におけるポートフォリオの活用 ポートフォリオ評価とコーチング手法医学書院鈴木敏恵著 2006 より ポートフォリオの教育的意義 1) 授業前に目標を設定し 授業後にふりかえりを行う習慣をつけさせることで 自己評価と能動学習ができる学生を育成する 2) 超高齢社会に対応できる歯科医師

More information

リハビリテーションマネジメント加算 計画の進捗状況を定期的に評価し 必要に応じ見直しを実施 ( 初回評価は約 2 週間以内 その後は約 3 月毎に実施 ) 介護支援専門員を通じ その他サービス事業者に 利用者の日常生活の留意点や介護の工夫等の情報を伝達 利用者の興味 関心 身体の状況 家屋の状況 家

リハビリテーションマネジメント加算 計画の進捗状況を定期的に評価し 必要に応じ見直しを実施 ( 初回評価は約 2 週間以内 その後は約 3 月毎に実施 ) 介護支援専門員を通じ その他サービス事業者に 利用者の日常生活の留意点や介護の工夫等の情報を伝達 利用者の興味 関心 身体の状況 家屋の状況 家 人員基準減算 定員超過減算 点検項目 407 介護予防通所リハビリテーション費 点検事項 点検結果 同一建物減算事業所と同一建物 ( 構造上 外形上一体的な建物をいう ) に居住又は同一建物から通所 若年性認知症利用者受入加算 若年性認知症利用者ごとに個別に担当者定める 利用者に応じた適切なサービス提供 運動器機能向上加算専ら職務に従事する理学療法士等を 1 人以上配置 配置 理学療法士 介護職員等が共同して

More information

2. 経口移行 ( 経口維持 ) 加算 経口移行 ( 経口維持 ) 計画に相当する内容を各サービスにおけるサービス計画の中に記載する場合は その記載をもって経口移行 ( 経口維持 ) 計画の作成に代えることができる 従来どおり経口移行 ( 経口維持 ) 計画を別に作成してよい 口腔機能向上加算 口腔

2. 経口移行 ( 経口維持 ) 加算 経口移行 ( 経口維持 ) 計画に相当する内容を各サービスにおけるサービス計画の中に記載する場合は その記載をもって経口移行 ( 経口維持 ) 計画の作成に代えることができる 従来どおり経口移行 ( 経口維持 ) 計画を別に作成してよい 口腔機能向上加算 口腔 介護サービス事業に係る事務手続 書類等の見直しについて 厚生労働省からの各基準 通知等の改正内容 ( 新旧対照表 ) は神戸市ホームページ 神戸ケアネット 国等からの通知 文 (http://www.city.kobe.jp/cityoffice/18/carenet/hiroba/tsuchi-index.html) を参照すること リハビリテーション 個別機能訓練関係 1. リハビリテーションマネジメント加算

More information

2015 代かき作業 新代かき爪により 砕土 埋め込み性能が向上スイングラバーによりレーキの追従性が良く 均平性能が向上エジェクターレーキ ( レーキの切り込み ) により水流の乱れを抑制し 雑物の浮き上がりを抑え 仕上がり性能が向上土引き装置 手動開閉ワイヤー付キャスター付スタンド標準装備 ブルスター 機種コード No, 型式 FA000 07775 ₂₇₆,₄₈₀ ₂₅₆,₀₀₀ 140 160

More information

点検項目 点検事項 点検結果 リハビリテーションマネジメント加算 Ⅰ 計画の定期的評価 見直し 約 3 月毎に実施 リハビリテーションマネジメント加算 Ⅱ ( リハビリテーションマネジメント加算 Ⅰ の要件に加え ) 居宅介護支援事業者を通じて他のサービス事業者への情報伝達 利用者の興味 関心 身体

点検項目 点検事項 点検結果 リハビリテーションマネジメント加算 Ⅰ 計画の定期的評価 見直し 約 3 月毎に実施 リハビリテーションマネジメント加算 Ⅱ ( リハビリテーションマネジメント加算 Ⅰ の要件に加え ) 居宅介護支援事業者を通じて他のサービス事業者への情報伝達 利用者の興味 関心 身体 点検項目 107 通所リハビリテーション費 点検事項 点検結果 大規模事業所 (Ⅰ) 前年度 1 月当たり平均延べ利用者数 750 人を超え 900 人以内 大規模事業所 (Ⅱ) 前年度 1 月当たり平均延べ利用者数 900 人超 理学療法士等体制強化加算 6~8 時間の前後に行う日常生活上の世話 1 時間以上 2 時間未満の通所リハビリテーション 理学療法士等を専従かつ常勤で2 名以上 配置 6

More information

学位論文の内容の要旨 論文提出者氏名 庄司仁孝 論文審査担当者 主査深山治久副査倉林亨, 鈴木哲也 論文題目 The prognosis of dysphagia patients over 100 years old ( 論文内容の要旨 ) < 要旨 > 日本人の平均寿命は世界で最も高い水準であり

学位論文の内容の要旨 論文提出者氏名 庄司仁孝 論文審査担当者 主査深山治久副査倉林亨, 鈴木哲也 論文題目 The prognosis of dysphagia patients over 100 years old ( 論文内容の要旨 ) < 要旨 > 日本人の平均寿命は世界で最も高い水準であり 学位論文の内容の要旨 論文提出者氏名 庄司仁孝 論文審査担当者 主査深山治久副査倉林亨, 鈴木哲也 論文題目 The prognosis of dysphagia patients over 100 years old ( 論文内容の要旨 ) < 要旨 > 日本人の平均寿命は世界で最も高い水準であり, 高齢者の人口は全人口の約 25% を占め, 介護の問題なども含め, 高齢化は深刻な問題である. 平均寿命の延伸とともに,100

More information

2014年 希望小売価格表 クボタ

2014年 希望小売価格表 クボタ 代かき ドライブハロー ウィングハロー ハローオプション トラクタ用 01 18 32 あぜぬり リターン式 オフセット式 34 40 ニプロインプルメント 2014 年 平成 26 年 希望小売価格表 8%価格記載 有効期限 自 2014 年 4月 1日 自 2014 年12月31日 ロータリー オート装置付 CX SX 小 中型ロータリー CB SXR 大型ロータリー SXL EXR サーフロータリー

More information

別子銅山の産業遺産 東平 ( 新居浜市 ) 2017/ 9 Guarantee Information Column 地域の魅力発信 お知らせ平成 29 年 6 月 7 日から 7 月 27 日までの間の豪雨及び暴風雨による災害についての激甚災害並びにこれに対し適用すべき措置の指定について経営安定関

別子銅山の産業遺産 東平 ( 新居浜市 ) 2017/ 9 Guarantee Information Column 地域の魅力発信 お知らせ平成 29 年 6 月 7 日から 7 月 27 日までの間の豪雨及び暴風雨による災害についての激甚災害並びにこれに対し適用すべき措置の指定について経営安定関 別子銅山の産業遺産 東平 ( 新居浜市 ) 2017/ 9 Guarantee Information Column 地域の魅力発信 お知らせ平成 29 年 6 月 7 日から 7 月 27 日までの間の豪雨及び暴風雨による災害についての激甚災害並びにこれに対し適用すべき措置の指定について経営安定関連保証 4 号に規定する 災害 及び 地域 の指定地域追加等について経営安定関連保証 4 号に規定する

More information

居宅介護支援事業者向け説明会

居宅介護支援事業者向け説明会 介護予防ケアマネジメントの類型 介護予防サービス計画 ( 現行プラン ) ケアマネジメント A ( 原則的プラン ) ケアマネジメント B ( 簡略化プラン ) ケアマネジメント C ( 初回のみプラン ) 予防給付のみ予防給付と総合事業 総合事業のみ総合事業のみ総合事業のみ 介護予防サービス 介護予防サービスに相当事業 訪問型 (A B C) 通所型 (A B C) 一般介護予防事業を組みあわせて使う場合

More information

山西央朗 山田裕也 清水斉 層 ₈ ₇ ₆ ₅ ₄ ₃ ₂ ₁ 表 ₁ 部材リスト 柱 梁 C₁, C₂ C₃ G₁ G₂ H-₄₀₀ ₂₀₀ ₉ ₁₆ H-₄₀₀ ₂₀₀ ₉ ₁₂ -₄₀₀ ₄₀₀ ₁₉ -₄₀₀ ₄₀₀ ₁₆ H-₄₅₀ ₂₅₀ ₉ ₁₆ H-₄₀₀ ₂₀₀ ₁₂ ₂₂ -₄₀

山西央朗 山田裕也 清水斉 層 ₈ ₇ ₆ ₅ ₄ ₃ ₂ ₁ 表 ₁ 部材リスト 柱 梁 C₁, C₂ C₃ G₁ G₂ H-₄₀₀ ₂₀₀ ₉ ₁₆ H-₄₀₀ ₂₀₀ ₉ ₁₂ -₄₀₀ ₄₀₀ ₁₉ -₄₀₀ ₄₀₀ ₁₆ H-₄₅₀ ₂₅₀ ₉ ₁₆ H-₄₀₀ ₂₀₀ ₁₂ ₂₂ -₄₀ 広島工業大学紀要研究編第 ₅₂ 巻 (₂₀₁₈)143 148 論文 原点立ち上がり型復元力特性を有するブレースを設置した 8 層 3 スパン立体架構の地震応答解析 山西央朗 * 山田裕也 * 清水斉 * ( 平成 ₂₉ 年 ₁₁ 月 ₁ 日受付 ) SEISMIC RESPONSE ANALYSIS OF 8-STOY 3-BAY STEEL STRUCTURE WITH BRACE HAVING

More information

Microsoft Word - 博士論文概要.docx

Microsoft Word - 博士論文概要.docx [ 博士論文概要 ] 平成 25 年度 金多賢 筑波大学大学院人間総合科学研究科 感性認知脳科学専攻 1. 背景と目的映像メディアは, 情報伝達における効果的なメディアの一つでありながら, 容易に感情喚起が可能な媒体である. 誰でも簡単に映像を配信できるメディア社会への変化にともない, 見る人の状態が配慮されていない映像が氾濫することで見る人の不快な感情を生起させる問題が生じている. したがって,

More information

7 対 1 10 対 1 入院基本料の対応について 2(ⅲ) 7 対 1 10 対 1 入院基本料の課題 将来の入院医療ニーズは 人口構造の変化に伴う疾病構成の変化等により より高い医療資源の投入が必要となる医療ニーズは横ばいから減少 中程度の医療資源の投入が必要となる医療ニーズは増加から横ばいにな

7 対 1 10 対 1 入院基本料の対応について 2(ⅲ) 7 対 1 10 対 1 入院基本料の課題 将来の入院医療ニーズは 人口構造の変化に伴う疾病構成の変化等により より高い医療資源の投入が必要となる医療ニーズは横ばいから減少 中程度の医療資源の投入が必要となる医療ニーズは増加から横ばいにな 7 対 1 10 対 1 入院基本料の対応について 2(ⅲ) 7 対 1 10 対 1 入院基本料の課題 将来の入院医療ニーズは 人口構造の変化に伴う疾病構成の変化等により より高い医療資源の投入が必要となる医療ニーズは横ばいから減少 中程度の医療資源の投入が必要となる医療ニーズは増加から横ばいになると予想される 医療ニーズに応じて適切に医療資源を投入することが 効果的 効率的な入院医療の提供にとって重要

More information

表紙@C

表紙@C 研究総括 141 142 脳卒中地域連携パスグループ 脳卒中地域連携クリティカルパス事業 富山市保健所 高橋洋一 研究要旨 平成 19 年度には中核市である富山市において 医療から介護まで連携する全脳卒中患者を対象とするクリティカルパスを作成した 平成 20 年度はこれを実際の医療 介護現場で使用し パスの問題点として以下の3 点が認められた 1パスを使用する患者の選定 2 維持期でのパスの活用状況が低い

More information

<4D F736F F D20906C8AD489C88A778CA48B8689C881408BB38A77979D944F82C6906C8DDE88E790AC96DA95572E646F6378>

<4D F736F F D20906C8AD489C88A778CA48B8689C881408BB38A77979D944F82C6906C8DDE88E790AC96DA95572E646F6378> 人間科学研究科の教学理念 人材育成目的と 3 ポリシー 教学理念 人間科学研究科は 総合的な心理学をもとにして 人間それ自身の研究を拓き 対人援助 人間理解にかかわる関連分野の諸科学や多様に取り組まれている実践を包括する 広い意味での人間科学の創造をめざす 細分化している専門の深まりを 社会のなかの人間科学としての広がりのなかで自らの研究主題を構築しなおす研究力を養い 社会のなかに活きる心理学 人間科学の創造をとおして

More information

Microsoft Word - シラバス.doc

Microsoft Word - シラバス.doc 1 多様なサービスと理解 (1) 職務の理解 これからの介護が目指すべき その人の生活を支える 在宅におけるケア 等の実践について 介護職がどのような環境で どのような形で どのような仕事を行うのか 具体的なイメージを持って実感し 以降の研修に実践的に取り組めるようにさせる 2. 2. 多様なサービスの理解 2 介護職の仕事内容や働く現場の理解 3. 3. 介護職の仕事内容や働く現場の理解 3 (

More information

001

001 チーム医療推進協議会 http://www.team-med.jp/ 医療リンパドレナージ セラピスト 歯科衛生士 言語聴覚士 作業療法士 医療ソーシャル ワーカー 理学療法士 管理 栄養士 臨床心 理士 診療放射線技師 細胞検査士 薬剤師 診療情報管理士 看護師 臨床工学技士 医師 保健師 救 急救命士 家族 あなた ご挨拶 近年 病院や在宅医療の現場では 一人の患者さんに多職種が連携し治療やケアにあたる

More information

<4D F736F F F696E74202D AAE90AC94C5817A835F C581698FE39E8A90E690B6816A2E >

<4D F736F F F696E74202D AAE90AC94C5817A835F C581698FE39E8A90E690B6816A2E > 労災疾病等 13 分野医学研究 開発 普及事業 第 2 期 ( 平成 21 年度 ~ 平成 25 年度 ) 分野名 働く女性のためのメディカル ケア 働く女性における介護ストレスに関する研究 - 女性介護離職者の軽減をめざして - 働く女性健康研究センター 主任研究者中部労災病院女性診療科 神経内科部長上條美樹子 研究の目的 現代社会においては女性労働力の確保は経済復興の大きな柱と考えられ 育児休暇制度や勤務形態の工夫など

More information

セッション 6 / ホールセッション されてきました しかしながら これらの薬物療法の治療費が比較的高くなっていることから この薬物療法の臨床的有用性の評価 ( 臨床的に有用と評価されています ) とともに医療経済学的評価を受けることが必要ではないかと思いまして この医療経済学的評価を行うことを本研

セッション 6 / ホールセッション されてきました しかしながら これらの薬物療法の治療費が比較的高くなっていることから この薬物療法の臨床的有用性の評価 ( 臨床的に有用と評価されています ) とともに医療経済学的評価を受けることが必要ではないかと思いまして この医療経済学的評価を行うことを本研 助成研究演題 - 平成 22 年度国内共同研究 (39 歳以下 ) 加齢黄斑変性の治療の対費用効果の研究 柳靖雄 ( やなぎやすお ) 東京大学大学院医学系研究科外科学専攻眼科 視覚矯正科講師 ( 助成時 : 東京大学大学院医学系研究科外科学専攻眼科 視覚矯正科特任講師 ) スライド-1 まず始めに このような機会を与えていただきましたファイザーヘルスリサーチ振興財団の皆様と選考委員の先生方に感謝申し上げます

More information

Clinical Indicator 2016 FUNABASHI MUNICIPAL REHABILITATION HOSPITAL

Clinical Indicator 2016 FUNABASHI MUNICIPAL REHABILITATION HOSPITAL Clinical Indicator 2016 FUNABASHI MUNICIPAL REHABILITATION HOSPITAL 1 入院 4 1- Ⅰ リハビリ実施単位数 単価 4 1 患者 1 人 1 日あたりのリハビリ単位数 年別 4 2 疾患別リハビリ単位数 年別 ( 脳血管 運動器 廃用 ) 4 3 スタッフ配置数 4 1- Ⅱ 退院患者 5 1 疾患別患者数 5 2 年齢 性別構成

More information

司会・演者の皆様へ

司会・演者の皆様へ 発表 討論時間 言語について 司会 演者の皆様へ ( 日本人 ) 1. 司会の先生は 開始 15 分前までに会場右手前方の次司会席までお越しください 2. 演者の先生は ご自身の発表 15 分前までに次演者席にお越しください 3. 発表 討論時間 言語については 下記を参照してください 4. 時間を厳守し 遅延のないようお願いいたします 2018 年 6 月 19 日現在 別途ご案内しております スライド言語

More information

★885796_消費税ハンドブックH30年度版_本体.indb

★885796_消費税ハンドブックH30年度版_本体.indb 勘定科目別形態別国境を越えた役務の提供 仕入税額控除 法2①十一,30① 売上との対応関係を区分 平成元年 税理士登録 平成 2 年 杉田宗久税理士事務所開設 現在 近畿税理士会副会長 日本税理士会連合会専務理事 平成14 15 16年度税理士試験 試験委員 当社著書 税務ハンドブック 相続税ハンドブック 法30⑥, 令48 著 者 金井 恵美子 かない えみこ 不課税 国外移送 輸出 法31② 課税対象外

More information

rihabili_1213.pdf

rihabili_1213.pdf Ⅰ 総 論 A モデル システム開発の研究検証結果より 九州労災病院 勤労者予防医療センター 豊永 敏宏 1 再就労とリハビリテーション 発症前に就業していた障害者の最大の QOL 生活の質 の獲得は再就労である そして それを支援するのが 障害者の QOL 向上を目的とするリハビリテーション医学である 図 1 リハビリテーション医学とは 日本リハビリテーション医学会作成 解説 脳卒中で緊急入院し

More information

第79回日本医科器械学会大会

第79回日本医科器械学会大会 1. 発表者のみなさまへ利益相反 (Conflict of Interest:COI) の開示について本学会では 年次大会における医療機器に関連する研究に関する発表 講演での公明性を確保するため 利益相反に関する指針の細則に則り 発表者全員の COI 状態について開示をお願いします 開示方法は以下のとおりです 1) 開示しなくてはならない発表者医学研究に関するすべての発表において COI 状態の有無にかかわらず開示ください

More information

また リハビリテーションの種類別では 理学療法はいずれの医療圏でも 60% 以上が実施したが 作業療法 言語療法は実施状況に医療圏による差があった 病型別では 脳梗塞の合計(59.9%) 脳内出血 (51.7%) が3 日以内にリハビリテーションを開始した (6) 発症時の合併症や生活習慣 高血圧を

また リハビリテーションの種類別では 理学療法はいずれの医療圏でも 60% 以上が実施したが 作業療法 言語療法は実施状況に医療圏による差があった 病型別では 脳梗塞の合計(59.9%) 脳内出血 (51.7%) が3 日以内にリハビリテーションを開始した (6) 発症時の合併症や生活習慣 高血圧を 栃木県脳卒中発症登録 5 ヵ年の状況 資料 2 1 趣旨栃木県では平成 10 年度から脳卒中発症登録事業として 県内約 30 の医療機関における脳卒中の発症状況を登録し 発症の危険因子や基礎疾患の状況 病型等の発症動向の把握に取り組んでいる 医療機関から保健環境センターに登録されるデータは年間約 4,200 件であり これまでに約 8 万件のデータが同センターに蓄積されている 今回 蓄積データのうち

More information

旗影会H29年度研究報告概要集.indb

旗影会H29年度研究報告概要集.indb 高齢者のサルコペニア対策におけるタマゴ摂取の意義 京都女子大学家政学部食物栄養学科 教授田中清 緒言ロコモティブシンドローム ( 以下ロコモ ) は加齢に伴う運動器障害であり 要介護 要支援の重要な原因 健康寿命短縮の大きな要因である ロコモの構成疾患のうち 骨粗鬆症については治療薬が多数開発され 栄養面からの研究も多数存在するが 変形性関節症 サルコペニアに関しては研究報告が乏しい サルコペニアは

More information

摂食嚥下訓練 排泄訓練等を開始します SCU で行うリハビリテーションの様子 ROM 訓練 ( 左 ) と端坐位訓練 ( 右 ) 急性期リハビリテーションプログラムの実際病棟訓練では 病棟において坐位 起立訓練を行い 坐位耐久性が30 分以上となればリハ訓練室へ移行します 訓練室訓練では訓練室におい

摂食嚥下訓練 排泄訓練等を開始します SCU で行うリハビリテーションの様子 ROM 訓練 ( 左 ) と端坐位訓練 ( 右 ) 急性期リハビリテーションプログラムの実際病棟訓練では 病棟において坐位 起立訓練を行い 坐位耐久性が30 分以上となればリハ訓練室へ移行します 訓練室訓練では訓練室におい 急性期リハビリテーションとは 一昔前までは 脳血管障害で片麻痺などの障害を発症した患者さんは まず一般病院に入院し 安静 加療の後リハビリテーション専門病院に転院してから ゆっくりとリハビリテーションをして行くという考え方が一般的でした 最近では 急性期から無理のない範囲で可能な限り体を動かすことがその後の機能回復に大変良いことが医学的に証明され 脳血管障害のリハビリテーションは急性期より開始することが重要であることが認識されるようになりました

More information

01 R1 å®�剎ç€fl修$僓ç€flä¿®ï¼„æł´æŒ°ç€fl修+å®�剎未組é¨fi蕖咂ㆂ;.xlsx

01 R1 å®�剎ç€fl修$僓ç€flä¿®ï¼„æł´æŒ°ç€fl修+å®�剎未組é¨fi蕖咂ㆂ;.xlsx 令和元年度介護支援専門員更新研修 ( 実務未経験者対象 ) カリキュラム 1 研修名 2 目的 3 対象者 4 時間数 令和元年度介護支援専門員更新研修 ( 実務未経験者対象 ) 介護支援専門員証に有効期限が付され, 更新時に研修の受講を課すことにより, 定期的な研修受講の機会を確保し, 介護支援専門員として必要な専門知識及び技術の修得を図ることにより, 専門職としての能力の保持 向上を図ることを目的とする

More information

2013 年度 統合実習 [ 表紙 2] 提出記録用紙 5 実習計画表 6 問題リスト 7 看護過程展開用紙 8 ( アセスメント用紙 1) 9 ( アセスメント用紙 2) 学生証番号 : KF 学生氏名 : 実習期間 : 月 日 ~ 月 日 実習施設名 : 担当教員名 : 指導者名 : 看護学科

2013 年度 統合実習 [ 表紙 2] 提出記録用紙 5 実習計画表 6 問題リスト 7 看護過程展開用紙 8 ( アセスメント用紙 1) 9 ( アセスメント用紙 2) 学生証番号 : KF 学生氏名 : 実習期間 : 月 日 ~ 月 日 実習施設名 : 担当教員名 : 指導者名 : 看護学科 2013 年度 統合実習 [ 表紙 1] 提出記録用紙 1 実習評価表 2 課題レポート 3 日々の体験記録 4 事前レポート 学生証番号 : KF 学生氏名 : 実習期間 : 月 日 ~ 月 日 実習施設名 : 担当教員名 : 指導者名 : 看護学科 3 年専門教育科目 2013 年度 統合実習 [ 表紙 2] 提出記録用紙 5 実習計画表 6 問題リスト 7 看護過程展開用紙 8 ( アセスメント用紙

More information

2 保険者協議会からの意見 ( 医療法第 30 条の 4 第 14 項の規定に基づく意見聴取 ) (1) 照会日平成 28 年 3 月 3 日 ( 同日開催の保険者協議会において説明も実施 ) (2) 期限平成 28 年 3 月 30 日 (3) 意見数 25 件 ( 総論 3 件 各論 22 件

2 保険者協議会からの意見 ( 医療法第 30 条の 4 第 14 項の規定に基づく意見聴取 ) (1) 照会日平成 28 年 3 月 3 日 ( 同日開催の保険者協議会において説明も実施 ) (2) 期限平成 28 年 3 月 30 日 (3) 意見数 25 件 ( 総論 3 件 各論 22 件 資料 1-1 地域医療構想 ( 案 ) に対する意見について 1 市町村からの意見 ( 医療法第 30 条の 4 第 14 項の規定に基づく意見聴取 ) (1) 照会日平成 28 年 3 月 3 日 (2) 期限平成 28 年 3 月 30 日 (3) 意件数 5 件 (4 市 ) (4) 意見の内容 主な意見と県の回答 1 医療提供体制について 日常の医療 緊急時の医療 在宅医療体制の整備 特に周産期

More information

4 研修について考慮する事項 1. 研修の対象者 a. 職種横断的な研修か 限定した職種への研修か b. 部署 部門を横断する研修か 部署及び部門別か c. 職種別の研修か 2. 研修内容とプログラム a. 研修の企画においては 対象者や研修内容に応じて開催時刻を考慮する b. 全員への周知が必要な

4 研修について考慮する事項 1. 研修の対象者 a. 職種横断的な研修か 限定した職種への研修か b. 部署 部門を横断する研修か 部署及び部門別か c. 職種別の研修か 2. 研修内容とプログラム a. 研修の企画においては 対象者や研修内容に応じて開催時刻を考慮する b. 全員への周知が必要な 新井病院 医療安全管理者の業務指針 新井病院医療安全管理者業務指針 1. はじめに医療機関の管理者は 自ら安全管理体制を確保するとともに 医療安全管理者を配置するにあたっては 必要な権限を委譲し また 必要な資源を付与して その活動を推進することで医療機関内の安全管理につとめなければならない 2. 医療安全管理者の位置づけ医療安全管理者とは 病院管理者 ( 病院長 ) の任命を受け 安全管理のために必要な権限の委譲と

More information

総合診療

総合診療 総合診療 (1 ヶ月水準 ) 1. 研修内容 : 総合診療研修では 外来を主な研修の場とし 一般症候からの診断推論 診療方針の立て方について学習する 外来から入院となった症例は 受け持ち医として入院診療に従事する 適宜 専門科と診療連携する 診断における病歴聴取と身体所見取得の重要性を理解し症候に応じて特異度の高いものを選択し診断する習慣を身につける 複数領域にまたがった疾患を有する患者 (multi-morbidity)

More information

仲下 中村 木山 北村 影響を及ぼす要因について検討することを目的とした. 減量成功に影響を及ぼす促進および阻害要因を明らかにすることは, 特定保健指導を効果的に実施するうえで有用と考えた. Ⅱ 方法 1. 研究デザインと対象本研究は縦断的研究デザインを用いた.₂₀₀₈ 年 ₄ 月から₂₀₀₉ 年

仲下 中村 木山 北村 影響を及ぼす要因について検討することを目的とした. 減量成功に影響を及ぼす促進および阻害要因を明らかにすることは, 特定保健指導を効果的に実施するうえで有用と考えた. Ⅱ 方法 1. 研究デザインと対象本研究は縦断的研究デザインを用いた.₂₀₀₈ 年 ₄ 月から₂₀₀₉ 年 短報 特定保健指導の積極的支援における 4 % 以上減量成功と生活習慣改善との関連 仲下祐美子 * ₁ 中村正和 * ₂ 木山昌彦 * ₂ 北村明彦 * ₂ 目的 : 特定保健指導における積極的支援を実施した職域の男性勤労者において, 減量成功に影響を及ぼす要因について検討することを目的とした. 方法 : 縦断的研究デザインを用いた.₂₀₀₈ 年 ₄ 月から₂₀₀₉ 年 ₃ 月までに当センターの特定健診を受診し,

More information

機能分類や左室駆出率, 脳性ナトリウム利尿ペプチド (Brain Natriuretic peptide, BNP) などの心不全重症度とは独立した死亡や入院の予測因子であることが多くの研究で示されているものの, このような関連が示されなかったものもある. これらは, 抑うつと心不全重症度との密接な

機能分類や左室駆出率, 脳性ナトリウム利尿ペプチド (Brain Natriuretic peptide, BNP) などの心不全重症度とは独立した死亡や入院の予測因子であることが多くの研究で示されているものの, このような関連が示されなかったものもある. これらは, 抑うつと心不全重症度との密接な 論文の内容の要旨 論文題目 慢性心不全患者に対する心不全増悪予防のための支援プログラムの開発に関する研究 指導教員 數間恵子教授 東京大学大学院医学系研究科平成 19 年 4 月進学博士後期課程健康科学 看護学専攻氏名加藤尚子 本邦の慢性心不全患者数は約 100 万人と推計されており, その数は今後も増加することが見込まれている. 心不全患者の再入院率は高く, 本邦では退院後 1 年以内に約 3 分の

More information

為化比較試験の結果が出ています ただ この Disease management というのは その国の医療事情にかなり依存したプログラム構成をしなくてはいけないということから わが国でも独自の Disease management プログラムの開発が必要ではないかということで 今回開発を試みました

為化比較試験の結果が出ています ただ この Disease management というのは その国の医療事情にかなり依存したプログラム構成をしなくてはいけないということから わが国でも独自の Disease management プログラムの開発が必要ではないかということで 今回開発を試みました 平成 19 年度国内共同研究 慢性心不全患者の予後 QOL の向上を目指した疾病管理プログラムの構築 北海道大学大学院医学研究科 眞茅みゆき この度はこのような助成の機会をいただきまして誠に有り難うございます スライド -1 慢性心不全患者の予後 QOL の向上を目的とした疾病管理プログラムの介入研究を 実施しております スライド -2 慢性心不全患者の医学的 社会的特徴をこちらにまとめています 1.

More information

体制強化加算の施設基準にて 社会福祉士については 退院調整に関する 3 年以上の経験を有する者 であること とあるが この経験は 一般病棟等での退院調整の経験でもよいのか ( 疑義解釈その 1 問 49: 平成 26 年 3 月 31 日 ) ( 答 ) よい 体制強化加算の施設基準にて 当該病棟に

体制強化加算の施設基準にて 社会福祉士については 退院調整に関する 3 年以上の経験を有する者 であること とあるが この経験は 一般病棟等での退院調整の経験でもよいのか ( 疑義解釈その 1 問 49: 平成 26 年 3 月 31 日 ) ( 答 ) よい 体制強化加算の施設基準にて 当該病棟に 平成 26 年 9 月 16 日 ( 公社 ) 日本医療社会福祉協会 調査研究部 平成 2 6 年度診療報酬改定 疑義解釈の社会福祉士関連 ( まとめ ) 厚生労働省医政局医療課からの疑義解釈及び当協会から厚生労働省医政局医療課への質問 回答について情報提供を致します ( 前回 7 月 26 日分より地域包括ケア入院料の朱書き部分を追 加致しました ) 回復期リハビリテーション病棟 1 体制強化加算

More information

実習指導に携わる病棟看護師の思い ‐ クリニカルラダーのレベル別にみた語りの分析 ‐

実習指導に携わる病棟看護師の思い ‐ クリニカルラダーのレベル別にみた語りの分析 ‐ 2011.08.31 日本看護学教育学会 加藤千佳 1) 城丸瑞恵 2) いとうたけひこ 3) 1) 昭和大学大学院保健医療学研究科 2) 昭和大学保健医療学部看護学科 3) 和光大学現代人間学部心理教育学科 看護基礎教育において臨地実習は看護実践能力の向上に重要な意義がある 学生の実習目標達成のために実習指導者の役割は大きく 指導者の指導観 教育観 看護観や 願いが学生の実習に大きく影響している

More information

8 ユーザ ID とパスワードを入力してもログインできないです 入力したユーザ ID またはパスワードに誤りがある可能性があります パスワードが分からない場合は ログインページ より パスワード再発行をクリックして 再発行されたパスワードでログイン操作願います 9 現在の残席数を知りたいのですが ど

8 ユーザ ID とパスワードを入力してもログインできないです 入力したユーザ ID またはパスワードに誤りがある可能性があります パスワードが分からない場合は ログインページ より パスワード再発行をクリックして 再発行されたパスワードでログイン操作願います 9 現在の残席数を知りたいのですが ど 事前登録お申し込みページ及び会員ページ FAQ 2018 年 5 月 17 日更新 No 質問回答 1 申し込み方法について教えてください 2 セミナーを受講するのに会員登録が必要なのはなぜですか 3 会員登録しましたが メールが届きません 以下の URL にアクセスいただくとログイン画面に遷移しますので 会員登録のうえ イベントにお申込みください 会員登録後 以下の URL よりログインいただくとイベント申込ページに遷移します

More information

2016/ 4 Contents Guarantee Information 平 成 28 年 度 組 織 体 制 のご 案 内 050ダイヤルイン 番 号 表 変 更 のご 案 内 お 知 らせ 条 件 変 更 改 善 型 借 換 保 証 の 創 設 について 愛 媛 県 中 小 企 業 振 興

2016/ 4 Contents Guarantee Information 平 成 28 年 度 組 織 体 制 のご 案 内 050ダイヤルイン 番 号 表 変 更 のご 案 内 お 知 らせ 条 件 変 更 改 善 型 借 換 保 証 の 創 設 について 愛 媛 県 中 小 企 業 振 興 ソメイヨシノと 松 山 城 2016/ 4 Guarantee Information 平 成 28 年 度 組 織 体 制 のご 案 内 050ダイヤルイン 番 号 表 変 更 のご 案 内 お 知 らせ 条 件 変 更 改 善 型 借 換 保 証 の 創 設 について 愛 媛 県 中 小 企 業 振 興 資 金 融 資 制 度 保 証 要 綱 の 一 部 改 正 について 適 用 日 平 成 28

More information

第 3 節心筋梗塞等の心血管疾患 , % % % %

第 3 節心筋梗塞等の心血管疾患 , % % % % 第 3 節心筋梗塞等の心血管疾患 2016 28 1,326 13.6% 2 528 40.0% 172 13.0% 2016 28 134 1.4% 9 10 1995 7 2015 27 14.8 5.5 10 25 75 2040 2015 27 1.4 9 75 PCI PCI 10 DPC 99.9% 98.6% 60 26 流出 クロス表 流出 検索条件 大分類 : 心疾患 年齢区分 :

More information

石鎚山 ( 西条市 ) 2019/ 1 Guarantee Information Column いろいろ日本百選 お知らせ 超長期借換保証 スーパーランディング 20 を創設しました 愛媛銀行女性行員との第 2 回合同研修会を開催しました伊予銀行法人融資アカデミーで講義を行いました愛媛大学ビジネス

石鎚山 ( 西条市 ) 2019/ 1 Guarantee Information Column いろいろ日本百選 お知らせ 超長期借換保証 スーパーランディング 20 を創設しました 愛媛銀行女性行員との第 2 回合同研修会を開催しました伊予銀行法人融資アカデミーで講義を行いました愛媛大学ビジネス 石鎚山 ( 西条市 ) 2019/ 1 Guarantee Information Column いろいろ日本百選 お知らせ 超長期借換保証 スーパーランディング 20 を創設しました 愛媛銀行女性行員との第 2 回合同研修会を開催しました伊予銀行法人融資アカデミーで講義を行いました愛媛大学ビジネスファイナンス講座で講義を行いました 平成 30 年 7 月豪雨 に係る保証制度及び保証実績について 第十回日本

More information

1章-1 責了.indd

1章-1 責了.indd 1 エッセンス 3 リハの流れの理解 リハ医療の流れは, 急性期 回復期 維持期の 3 段階に分けられて考えられることが多い. また, 予防期と終末期を加えて 5 段階で表現されることもある 1,2) ( 図 1-1). 脳卒中ガイドライン 2009 3) によれば, 発症直後から, 急性期, 回復期, 維持期に渡って, 一貫した流れでリハビリテーションを行うことが勧められるが, 時期の区分についての科学的な根拠はない

More information

平成 31 年度 地域ケア会議開催計画 魚津市地域包括支援センター 平成 31 年 4 月

平成 31 年度 地域ケア会議開催計画 魚津市地域包括支援センター 平成 31 年 4 月 平成 31 年度 地域ケア会議開催計画 魚津市地域包括支援センター 平成 31 年 4 月 地域ケア会議開催計画について 地域ケア会議の実施地域ケア会議は 支援が必要な高齢者等への適切な支援を行うための検討を多様な関係者で行うとともに 個別ケースの検討等によって共有された地域課題を地域づくりや政策形成に結び付けていくことで 地域包括ケアを推進する一つの手段です 魚津市地域包括支援センターは ( 以下

More information

石巻地域 COPD ネットワーク (ICON) における教育効果と増悪の関係 表 1 ICON 基幹病院パス ( 初回治療導入 逆紹介 ) 1 呼吸器内科外来 2 看護外来 3 ICON 外来 (2 から ₁₄ 日後 ) 4 ICON 外来 (3 から ₁₄ 日後 ) 呼吸器内科外来受診 ( 通常の

石巻地域 COPD ネットワーク (ICON) における教育効果と増悪の関係 表 1 ICON 基幹病院パス ( 初回治療導入 逆紹介 ) 1 呼吸器内科外来 2 看護外来 3 ICON 外来 (2 から ₁₄ 日後 ) 4 ICON 外来 (3 から ₁₄ 日後 ) 呼吸器内科外来受診 ( 通常の 原日本呼吸ケア リハビリテーション学会誌 2016 年第 26 巻第 2 号 285-290 石巻地域 COPD ネットワーク (ICON) における教育効果の COPD 増悪に及ぼす影響 石巻赤十字病院慢性呼吸器疾患看護認定看護師 ₁), 同看護部 ₂) ₃), 同呼吸器内科 阿部なつみ 1,2) 宮本恵子 2) 両角和恵 2) 2) 千葉史 2 ) 髙橋純子 小林誠一 3) 3) 矢内勝 考察

More information

<FEFF7B2C DE5B A E BC10D7C3C40EA >

<FEFF7B2C DE5B A E BC10D7C3C40EA > 講師略歴 教育講演 平成27年度 第3回卒後教育講座 医療事故調査制度におけるAiの役割 国際医療福祉大学 保健医療学部 放射線 情報科学科 准教授 樋口 清孝 先生 略歴 平成8年 鈴鹿医療科学技術大学 保健衛生学部 卒業 平成8年 国立津病院 現 三重中央医療センター 他 勤務 非常勤 平成10年 鈴鹿医療科学技術大学大学院 医療画像情報学研究科 修了 保健衛生学修士 平成10年 国際医療福祉大学

More information

当院人工透析室における看護必要度調査 佐藤幸子 木村房子 大館市立総合病院人工透析室 The Evaluation of the Grade of Nursing Requirement in Hemodialysis Patients in Odate Municipal Hospital < 諸

当院人工透析室における看護必要度調査 佐藤幸子 木村房子 大館市立総合病院人工透析室 The Evaluation of the Grade of Nursing Requirement in Hemodialysis Patients in Odate Municipal Hospital < 諸 当院人工透析室における看護必要度調査 佐藤幸子 木村房子 大館市立総合病院人工透析室 The Evaluation of the Grade of Nursing Requirement in Hemodialysis Patients in Odate Municipal Hospital < 諸言 > 近年 透析患者数は毎年 1 万人ずつ増加しているといわれており 2008 年度におけるわが国の透析患者数は

More information

標準範囲のBMI でHbA1c 高値の若年女性の生活習慣病リスクに関する検討

標準範囲のBMI でHbA1c 高値の若年女性の生活習慣病リスクに関する検討 BMI HbA c 日本食生活学会誌第 ₂₇ 巻第 ₄ 号 ₂₄₃ ₂₄₈(₂₀₁₇) [ 論文 ] 標準範囲の BMI で HbA1c 高値の若年女性の生活習慣病リスクに関する検討 宮内眞紀 櫻庭景植 深尾宏祐 鈴木良雄 ( 順天堂大学大学院スポーツ健康科学研究科 ) ( 平成 ₂₈ 年 ₉ 月 ₁₂ 日受付, 平成 ₂₉ 年 ₂ 月 ₈ 日受理 ) Association of body type

More information

下の図は 平成 25 年 8 月 28 日の社会保障審議会介護保険部会資料であるが 平成 27 年度以降 在宅医療連携拠点事業は 介護保険法の中での恒久的な制度として位置づけられる計画である 在宅医療 介護の連携推進についてのイメージでは 介護の中心的機関である地域包括支援センターと医療サイドから医

下の図は 平成 25 年 8 月 28 日の社会保障審議会介護保険部会資料であるが 平成 27 年度以降 在宅医療連携拠点事業は 介護保険法の中での恒久的な制度として位置づけられる計画である 在宅医療 介護の連携推進についてのイメージでは 介護の中心的機関である地域包括支援センターと医療サイドから医 1 下の図は 平成 25 年 8 月 28 日の社会保障審議会介護保険部会資料であるが 平成 27 年度以降 在宅医療連携拠点事業は 介護保険法の中での恒久的な制度として位置づけられる計画である 在宅医療 介護の連携推進についてのイメージでは 介護の中心的機関である地域包括支援センターと医療サイドから医療 介護の連携を司る医師会等による在宅医療連携拠点機能施設を 市町村がコーディネートし これを都道府県が後方支援する形が提唱されている

More information

★889133_相続税ハンドブック_本体.indb

★889133_相続税ハンドブック_本体.indb 4 目次 ₃₀1₀ 実務家のための相続税ハンドブック 1 ₂ ₃ 平成 30 年度の主な改正事項と適用時期 ₈ 15 民法の基礎知識 1₆ 1₆ 1₆ 1₆ 1₇ 1₇ 1₈ 1₈ 1₉ ₂₀ ₂1 ₂₂ 準確定申告等 ₂₇ 相続税 ₂₉ ₃₀ 1 ₃₀ ₂ ₃1 ₃ ₃₂ 4 ₃₂ 54₀₇₀ ₃₃ ₃4 ₃₆ ₃₇ 4₀ 5 財産評価 ( 課税価格 ) 41 1 41 ₂ 4₂ ₃ 5₂ 4 54

More information

博士論文 考え続ける義務感と反復思考の役割に注目した 診断横断的なメタ認知モデルの構築 ( 要約 ) 平成 30 年 3 月 広島大学大学院総合科学研究科 向井秀文

博士論文 考え続ける義務感と反復思考の役割に注目した 診断横断的なメタ認知モデルの構築 ( 要約 ) 平成 30 年 3 月 広島大学大学院総合科学研究科 向井秀文 博士論文 考え続ける義務感と反復思考の役割に注目した 診断横断的なメタ認知モデルの構築 ( 要約 ) 平成 30 年 3 月 広島大学大学院総合科学研究科 向井秀文 目次 はじめに第一章診断横断的なメタ認知モデルに関する研究動向 1. 診断横断的な観点から心理的症状のメカニズムを検討する重要性 2 2. 反復思考 (RNT) 研究の歴史的経緯 4 3. RNT の高まりを予測することが期待されるメタ認知モデル

More information

( 様式乙 8) 学位論文内容の要旨 論文提出者氏名 論文審査担当者 主査 教授 米田博 藤原眞也 副査副査 教授教授 黒岩敏彦千原精志郎 副査 教授 佐浦隆一 主論文題名 Anhedonia in Japanese patients with Parkinson s disease ( 日本人パー

( 様式乙 8) 学位論文内容の要旨 論文提出者氏名 論文審査担当者 主査 教授 米田博 藤原眞也 副査副査 教授教授 黒岩敏彦千原精志郎 副査 教授 佐浦隆一 主論文題名 Anhedonia in Japanese patients with Parkinson s disease ( 日本人パー ( 様式乙 8) 学位論文内容の要旨 論文提出者氏名 論文審査担当者 主査 米田博 藤原眞也 副査副査 黒岩敏彦千原精志郎 副査 佐浦隆一 主論文題名 Anhedonia in Japanese patients with Parkinson s disease ( 日本人パーキンソン病患者における幸福感の喪失 ) 学位論文内容の要旨 目的 パーキンソン病 (PD) において 気分障害は非運動症状の中でも重要なものであり

More information

( ) 要介護1 5の人が利用できるサービスです 自宅でリハビリを受けたい 訪問リハビリテーション 介護保険で利用できるサービス 介護サービス 在宅サービス 理学療法士や作業療法士 言語聴覚士が居宅を 訪問し リハビリテーションを行います 在宅サービスには 居宅を訪問してもらう訪問系サービスや施設に通って受ける通所系サー ビスなどがあります サービスは組み合わせて利用することができます 変わりました

More information

平成26年度診療報酬改定 <リハビリテーション>

平成26年度診療報酬改定 <リハビリテーション> Copyright Japanese Physical Therapy Association 1 平成 26 年度診療報酬改定 ADL 維持向上等体制加算について 公益社団法人日本理学療法士協会職能課 Copyright Japanese Physical Therapy Association 2 はじめに 急性期病棟における理学療法士等の配置に対する評価として ADL 維持向上等体制加算が新設されました

More information

4 身体活動量カロリズム内に記憶されているデータを表計算ソフトに入力し, 身体活動量の分析を行った 身体活動量の測定結果から, 連続した 7 日間の平均, 学校に通っている平日平均, 学校が休みである土日平均について, 総エネルギー消費量, 活動エネルギー量, 歩数, エクササイズ量から分析を行った

4 身体活動量カロリズム内に記憶されているデータを表計算ソフトに入力し, 身体活動量の分析を行った 身体活動量の測定結果から, 連続した 7 日間の平均, 学校に通っている平日平均, 学校が休みである土日平均について, 総エネルギー消費量, 活動エネルギー量, 歩数, エクササイズ量から分析を行った ダウン症児童生徒の肥満予防に関する基礎的検討 ~ 身体活動量の測定をとおして ~ 学校教育専攻学校教育専修修教 09-003 伊藤由紀子 Ⅰ 研究の目的近年, 生活習慣の変化に伴い小児肥満も増加傾向を示し, 小児肥満の 70~80% は成人期に移行するとされ, 肥満は生活習慣病を引き起こす要因のひとつであるとされている したがって, 早期からの肥満予防支援の必要性が強く求められており, 現在では幼児期からの取り組みが有効であると認識されてきている

More information

訪問リハビリテーションに関する調査の概要

訪問リハビリテーションに関する調査の概要 訪問リハビリテーションに関する 調査報告書 北九州市リハビリテーション支援体制検討委員会 北九州市保健福祉局 平成 21 年 11 月 1 3 4 4 4 4 5 5 6 7 9 10 11 12 13 14 15 15 17 18 19 22 23 21 6 26 27 27 28 29 30 1 32 33 34 35 35 36 36 38 38 39 40 41 46 54 Hhttp://www.city.kitakyushu.jpH

More information

PowerPoint プレゼンテーション

PowerPoint プレゼンテーション 患者 利用者満足度調査結果のご報告 では サービスの向上を目指して 平成 29 年 10 月に 57 病院と 26 老健施設において患者 利用者満足度調査を実施しました ご協力いただいた患者様 ご家族の皆様にお礼を申し上げます 皆様のご意見をもとに 各病院はより一層のサービスの向上を図ってまいります 調査概要 1 病院 57ヶ所 調査対象 : 入院患者 5,645 件 ( 回収率 77.8%) 外来患者

More information

41-6_35回中部地方会Pr6N_HP掲載用.indd

41-6_35回中部地方会Pr6N_HP掲載用.indd ₃₅ 2014 9 7 ₃₅ ₁ 1, 1, 2, 1, 1, 1, 3, 3, 3 1, 2, 3., e E E/e. CT 158,CT Volume data, CT -140-40 HU. E e, e E/e. e,e/e,. ₃₅ ₂ 1, 1, 1, 1, 2, 2, 3, 2, 2 1, 2, 3 82, T,.. S, 13 mmhg,,, 10γ S 260 mmhg,. S,.,

More information

Microsoft Word - 医療学科AP(0613修正マスタ).docx

Microsoft Word - 医療学科AP(0613修正マスタ).docx 医療情報学部医療情報学科入学者受入れの方針 ( アドミッション ポリシー ) 医療情報学部医療情報学科診療情報管理専攻卒業認定 学位授与の方針 ( ディプロマ ポリシー ) で定めている育成すべき人材像を実現するため及び教育課程編成 実施の方針 ( カリキュラム ポリシー ) に定める教育を受けるために 高等学校等での学びや諸活動 資格 検定試験等で得た基礎学力 基礎知識 語学力 読解力 論理的思考力及び主体的に学ぶ意欲等を身に付け

More information

リハビリテーション歩行訓練 片麻痺で歩行困難となった場合 麻痺側の足にしっかりと体重をかけて 適切な刺激を外から与えることで麻痺の回復を促進させていく必要があります 麻痺が重度の場合は体重をかけようとしても膝折れしてしまうため そのままでは適切な荷重訓練ができませんが 膝と足首を固定する長下肢装具を

リハビリテーション歩行訓練 片麻痺で歩行困難となった場合 麻痺側の足にしっかりと体重をかけて 適切な刺激を外から与えることで麻痺の回復を促進させていく必要があります 麻痺が重度の場合は体重をかけようとしても膝折れしてしまうため そのままでは適切な荷重訓練ができませんが 膝と足首を固定する長下肢装具を 歩行訓練 片麻痺で歩行困難となった場合 麻痺側の足にしっかりと体重をかけて 適切な刺激を外から与えることで麻痺の回復を促進させていく必要があります 麻痺が重度の場合は体重をかけようとしても膝折れしてしまうため そのままでは適切な荷重訓練ができませんが 膝と足首を固定する長下肢装具を使用することで適切な荷重訓練を行うことができます ( 図 13) 図 14は重度の右片麻痺を患った患者さんの荷重訓練をしている時の麻痺側下肢の筋活動

More information

厚生労働科学研究費補助金(循環器疾患等生活習慣病対策総合研究事業)

厚生労働科学研究費補助金(循環器疾患等生活習慣病対策総合研究事業) 厚生労働科学研究費補助金 ( 循環器疾患 糖尿病等生活習慣病対策総合研究事業 ) 分担研究報告書 健康寿命の全国推移の算定 評価に関する研究 評価方法の作成と適用の試み 研究分担者橋本修二藤田保健衛生大学医学部衛生学講座 教授 研究要旨健康寿命の推移について 平均寿命の増加分を上回る健康寿命の増加 ( 健康日本 21( 第二次 ) の目標 ) の達成状況の評価方法を開発 提案することを目的とした 本年度は

More information

Microsoft Word - 4㕕H30 �践蕖㕕管璃蕖㕕㇫ㅪ�ㅥㅩㅀ.docx

Microsoft Word - 4ã••H30 å®�践蕖㕕管璃蕖㕕㇫ㅪã‡�ㅥㅩㅀ.docx :31.5 時間 (1,890 分 ) 実習 : 課題設定 240 分 他施設実習 1 日 職場実習 4 週間 実習のまとめ 180 分 第 1 日目 オリエンテーション 9:30~9:40(10 分 ) ( 第 2 回旭川 9:45~9:55) 1 認知症ケアの基本的理解 認知症ケアの基本的視点と理念 9:40~12:40(180 分 ) ( 第 2 回旭川 9:55~12:55) 高齢者施策における認知症ケアの方向性と位置づけを理解し

More information

<4D F736F F D A8D CA48F43834B C E FCD817A E

<4D F736F F D A8D CA48F43834B C E FCD817A E 介護支援専門員専門 ( 更新 ) 研修 ガイドラインの基本的考え方 2 介護支援専門員専門 ( 更新 ) 研修ガイドラインの基本的考え方 1. 基本方針 (1) 介護支援専門員の研修の目的 要介護者等が可能な限り住み慣れた地域で その人らしい 自立した生活を送るためには 多様なサービス主体が連携をして要介護者等を支援できるよう 適切にケアマネジメントを行うことが重要である その中核的な役割を担う介護支援専門員について

More information

サービス担当者会議で検討し 介護支援専門員が判断 決定するものとする 通所系サービス 栄養改善加算について問 31 対象となる 栄養ケア ステーション の範囲はどのようなものか 公益社団法人日本栄養士会又は都道府県栄養士会が設置 運営する 栄養士会栄養ケア ステーション に限るものとする 通所介護

サービス担当者会議で検討し 介護支援専門員が判断 決定するものとする 通所系サービス 栄養改善加算について問 31 対象となる 栄養ケア ステーション の範囲はどのようなものか 公益社団法人日本栄養士会又は都道府県栄養士会が設置 運営する 栄養士会栄養ケア ステーション に限るものとする 通所介護 平成 30 年度介護報酬改定に関する Q&A(Vol.1)( 平成 30 年 3 月 23 日 ) ( 栄養関係抜粋 ) 居宅療養管理指導 介護予防居宅療養管理指導 単一建物居住者 1 2 回に分けて実施する場合等問 4 以下のような場合は 単一建物居住者 複数人に対して行う場合の居宅療養管理指導費を算定するのか 1 利用者の都合等により 単一建物居住者複数人に対して行う場合であっても 2 回に分けて居宅療養管理指導を行わなければならない場合

More information

ご案内とお知らせ < 参加者の皆様へ> 日本ハイパーサーミア学会第 33 回大会 1. 参加受付場所 : つくば国際会議場 1F 多目的ホール前ロビー時間 : 9 月 2 日 ( 金 ) 8:30 18:00 9 月 3 日 ( 土 ) 8:45 16:30 2. 大会参加費会員 10,000 円非

ご案内とお知らせ < 参加者の皆様へ> 日本ハイパーサーミア学会第 33 回大会 1. 参加受付場所 : つくば国際会議場 1F 多目的ホール前ロビー時間 : 9 月 2 日 ( 金 ) 8:30 18:00 9 月 3 日 ( 土 ) 8:45 16:30 2. 大会参加費会員 10,000 円非 ご案内とお知らせ < 参加者の皆様へ> 日本ハイパーサーミア学会第 33 回大会 1. 参加受付場所 : つくば国際会議場 1F 多目的ホール前ロビー時間 : 9 月 2 日 ( 金 ) 8:30 18:00 9 月 3 日 ( 土 ) 8:45 16:30 2. 大会参加費会員 10,000 円非会員 15,000 円学生 ( 大学院生を含む ) 5,000 円 学生は証明書をご持参ください 3.

More information

9 2. オーラルセッション座長 演者へのご案内 (1) 発表時間 1. 発表時間はセッションにより異なります 事前にご案内いたしました内容をご参照ください 2. プログラムの進行に支障のないよう発表時間は厳守してください (2) 言語セッション名発表 スライド作成言語明日へのシンポジウム1 2 日

9 2. オーラルセッション座長 演者へのご案内 (1) 発表時間 1. 発表時間はセッションにより異なります 事前にご案内いたしました内容をご参照ください 2. プログラムの進行に支障のないよう発表時間は厳守してください (2) 言語セッション名発表 スライド作成言語明日へのシンポジウム1 2 日 8 座長 発表者の方へ 1 演題発表時の利益相反状態の開示について 1 開示対象 当学術集会で演題を発表する全ての筆頭演者は 利益相反の有無にかかわらず 抄録提出 3 年前から発表時までの利益相反状態の有無を 発表スライドあるいはポスターの最後に開示 する必要があります 2 開示方法 開示用スライドは 下記のスライド見本に準じて作成してください オーラルセッションで ご発表の方は 作成した開示用スライドをご発表データ

More information

表紙.indd

表紙.indd 教育実践学研究 23,2018 1 Studies of Educational Psychology for Children (Adults) with Intellectual Disabilities * 鳥海順子 TORIUMI Junko 要約 : 本研究では, の動向を把握するために, 日本特殊教育学会における過去 25 年間の学会発表論文について分析を行った 具体的には, 日本特殊教育学会の1982

More information

「手術看護を知り術前・術後の看護につなげる」

「手術看護を知り術前・術後の看護につなげる」 周術期看護エキスパートナース育成計画 作成者 : 高橋育代 1. 目的江南厚生病院に通院あるいは入院している手術を受ける患者に質の高いケアを提供できるようになるために 看護師が周術期看護分野の知識や技術を習得することを目的とする 2. 対象者 1) レベル Ⅱ 以上で手術看護分野の知識と技術習得を希望する者 2) 期間中 80% 以上参加できる者 3. 教育期間 時間 1 年間の継続教育とする 10

More information

脳卒中の医療連携体制を担う医療機関等における実績調査 調査内容 平成 28 年度の実績 ( 調査内容は別紙様式のとおり ) 別紙 1: 急性期の医療機能を有する医療機関用別紙 2: 急性期及び回復期の医療機能を有する医療機関用別紙 3: 回復期の医療機能を有する医療機関用別紙 4: 維持期の医療機能

脳卒中の医療連携体制を担う医療機関等における実績調査 調査内容 平成 28 年度の実績 ( 調査内容は別紙様式のとおり ) 別紙 1: 急性期の医療機能を有する医療機関用別紙 2: 急性期及び回復期の医療機能を有する医療機関用別紙 3: 回復期の医療機能を有する医療機関用別紙 4: 維持期の医療機能 脳卒中の医療連携体制を担う医療機関 平成 28 年度実績の集計 平成 29 年 8 月 岡山県保健福祉部医療推進課 脳卒中の医療連携体制を担う医療機関等における実績調査 調査内容 平成 28 年度の実績 ( 調査内容は別紙様式のとおり ) 別紙 1: 急性期の医療機能を有する医療機関用別紙 2: 急性期及び回復期の医療機能を有する医療機関用別紙 3: 回復期の医療機能を有する医療機関用別紙 4: 維持期の医療機能を有する医療機関等用

More information

A5 定刻に評価するためには その時刻に責任をもって特定の担当者が評価を行うことが必要 となる Q6 正看護師 准看護師 保健師 助産師以外に医師 セラピストなどが評価してもよいか A6 よい ただし 医療職に限られ 評価者は所定の研修を修了した者 あるいはその者が実施した院内研修を受けた者であるこ

A5 定刻に評価するためには その時刻に責任をもって特定の担当者が評価を行うことが必要 となる Q6 正看護師 准看護師 保健師 助産師以外に医師 セラピストなどが評価してもよいか A6 よい ただし 医療職に限られ 評価者は所定の研修を修了した者 あるいはその者が実施した院内研修を受けた者であるこ 日常生活機能評価評価項目についての Q&A 平成 20 年 6 月 10 日 全国回復期リハビリテーション病棟連絡協議会 事務局に寄せられた質問について回答をまとめました 厚生労働省の手引き書に加えて確認をお願いします 1. 評価する項目について Q1 A 項目についても評価しなければならないのか A1 診療報酬上の加算等については関係がないが 当会としては 日常生活機能評価の際に合わせて A 項目についても評価していただくようにお願いをしている

More information

習う ということで 教育を受ける側の 意味合いになると思います また 教育者とした場合 その構造は 義 ( 案 ) では この考え方に基づき 教える ことと学ぶことはダイナミックな相互作用 と捉えています 教育する 者 となると思います 看護学教育の定義を これに当てはめると 教授学習過程する者 と

習う ということで 教育を受ける側の 意味合いになると思います また 教育者とした場合 その構造は 義 ( 案 ) では この考え方に基づき 教える ことと学ぶことはダイナミックな相互作用 と捉えています 教育する 者 となると思います 看護学教育の定義を これに当てはめると 教授学習過程する者 と 2015 年 11 月 24 日 看護学教育の定義 ( 案 ) に対するパブリックコメントの提出意見と回答 看護学教育制度委員会 2011 年から検討を重ねてきました 看護学教育の定義 について 今年 3 月から 5 月にかけて パブリックコメントを実施し 5 件のご意見を頂きました ご協力いただき ありがとうござい ました 看護学教育制度委員会からの回答と修正した 看護学教育の定義 をお知らせ致します

More information

診療科 血液内科 ( 専門医取得コース ) 到達目標 血液悪性腫瘍 出血性疾患 凝固異常症の診断から治療管理を含めた血液疾患一般臨床を豊富に経験し 血液専門医取得を目指す 研修日数 週 4 日 6 ヶ月 ~12 ヶ月 期間定員対象評価実技診療知識 1 年若干名専門医取得前の医師業務内容やサマリの確認

診療科 血液内科 ( 専門医取得コース ) 到達目標 血液悪性腫瘍 出血性疾患 凝固異常症の診断から治療管理を含めた血液疾患一般臨床を豊富に経験し 血液専門医取得を目指す 研修日数 週 4 日 6 ヶ月 ~12 ヶ月 期間定員対象評価実技診療知識 1 年若干名専門医取得前の医師業務内容やサマリの確認 血液内科 ( 専門医取得コース ) 血液悪性腫瘍 出血性疾患 凝固異常症の診断から治療管理を含めた血液疾患一般臨床を豊富に経験し 血液専門医取得を目指す 週 4 日 6 ヶ月 ~12 ヶ月 1 年若干名専門医取得前の医師業務内容やサマリの確認骨髄穿刺 腰椎穿刺など外来 講義 研究会発表 症例検討 教授回診骨髄採取手術 外来 17:00~ 17:30~ 移植カンファレンス カンファレンス 抄読会 骨髄スメア検鏡会

More information

発表者へのお知らせとお願い

発表者へのお知らせとお願い 第 62 回日本手外科学会学術集会 The 62 nd Annual Meeting of the Japanese Society for Surgery of the Hand 2. 発表者へのお知らせとお願い 発表に際しては 症例報告を含む医学論文及び学会研究会発表における患者プライバシー保護に関する指針 を遵守してください 学術集会発表論文の投稿について 学術集会発表論文の日本手外科学会雑誌へのオンライン投稿受付期間は

More information

< F2D915391CC94C5824F C52E6A7464>

< F2D915391CC94C5824F C52E6A7464> 第 3 表 ( 週間サービス計画 ) -51- 質問 1 週間サービス計画表の活用方法やサービスの組み立て方について どのように考えていますか? 質問 2 本人の主な日常生活について どのように把握しましたか? またその人らしい生活がイメージされていますか? 質問 3 週間サービスには 利用者 家族の状況 ( 意向 事情等 ) にあった計画になりましたか? 質問 4 週単位以外のサービス の欄には何を記載していますか?

More information

4.2 リスクリテラシーの修得 と受容との関 ( ) リスクリテラシーと 当該の科学技術に対する基礎知識と共に 科学技術のリスクやベネフィット あるいは受容の判断を適切に行う上で基本的に必要な思考方法を獲得している程度のこと GMOのリスクリテラシーは GMOの技術に関する基礎知識およびGMOのリス

4.2 リスクリテラシーの修得 と受容との関 ( ) リスクリテラシーと 当該の科学技術に対する基礎知識と共に 科学技術のリスクやベネフィット あるいは受容の判断を適切に行う上で基本的に必要な思考方法を獲得している程度のこと GMOのリスクリテラシーは GMOの技術に関する基礎知識およびGMOのリス 4. 的 か の 受容の 4.1 に る の態度の に る態度 に る態度東京都内在住の成人男女 600 人を無作為抽出し 社会調査を実施した 3 ( 有効回収率 :67.5%) その結果 一般市民はGMOに対し 従来型の品種改良農作物と比較して かなり否定的な態度を持っていることが示された 品種改良農作物に対しては 約 7 割の者が 安心 と回答し 一方 GMOに対しては 8 割近くの者が 不安

More information

₁₀) 表 1. 穀類 100 あたりの栄養成分 エネルギー kcal タンパク質 脂質 炭水化物 カリウム m 水溶性食物繊維 不溶性食物繊維 大麦押麦 ₃₄₀ ₆.₂ ₁.₃ ₇₇.₈ ₁₇₀ ₆.₀ ₃.₆ 大麦米粒麦 ₃₄₀ ₇.₀ ₂.₁ ₇₆.₂ ₁₇₀ ₆.₀ ₂.₇ 小麦 ₃₃₇ ₁

₁₀) 表 1. 穀類 100 あたりの栄養成分 エネルギー kcal タンパク質 脂質 炭水化物 カリウム m 水溶性食物繊維 不溶性食物繊維 大麦押麦 ₃₄₀ ₆.₂ ₁.₃ ₇₇.₈ ₁₇₀ ₆.₀ ₃.₆ 大麦米粒麦 ₃₄₀ ₇.₀ ₂.₁ ₇₆.₂ ₁₇₀ ₆.₀ ₂.₇ 小麦 ₃₃₇ ₁ シリーズ 高 β- グルカン含有大麦粉の調理加工特性埼玉大学教育学部生活創造講座家庭科分野 上野茂昭 はじめに 大麦は紀元前 ₁ 万 ₁₀₀₀ 年頃から食料とされ, 紀元前 ₈₅₀₀ 年頃から栽培が始まったとされている. 主要穀物で ある米, 小麦, トウモロコシに次ぐ ₄ 番目に収量の多い 穀物であり, 収量は世界でおよそ ₁ 億 ₄₃₉₅ 万トンとされ ている ₁). 大麦の生産量のうち ₇₅%

More information

腰痛多発業種における 作業姿勢特性調査 独立行政法人労働者健康福祉機構所長酒井國男 大阪産業保健推進センター 相談員久保田昌詞 特別相談員浅田史成 大阪労災病院勤労者予防医療センター所 長大橋誠 関東労災病院リハビリテーション科 技師長田上光男 日本産業衛生学会産業医部会 部会長岡田章

腰痛多発業種における 作業姿勢特性調査 独立行政法人労働者健康福祉機構所長酒井國男 大阪産業保健推進センター 相談員久保田昌詞 特別相談員浅田史成 大阪労災病院勤労者予防医療センター所 長大橋誠 関東労災病院リハビリテーション科 技師長田上光男 日本産業衛生学会産業医部会 部会長岡田章 腰痛多発業種における 作業姿勢特性調査 独立行政法人労働者健康福祉機構所長酒井國男 大阪産業保健推進センター 相談員久保田昌詞 特別相談員浅田史成 大阪労災病院勤労者予防医療センター所 長大橋誠 関東労災病院リハビリテーション科 技師長田上光男 日本産業衛生学会産業医部会 部会長岡田章 先行調査 腰痛に関する産業保健推進センターの調査は アンケート調査が中心である 職種により 突発性腰痛と徐々に発症する

More information