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ゆりなあると
5 years ago
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1 茶をめぐる情勢平成 29 年 6 月

2 [ 目次 ] 1. 我が国におけるお茶生産の位置付け 1 2. お茶の生産動向 3 3. 荒茶価格の動向 4 4. お茶の消費需給動向 5 5. お茶の輸出入の動向 6 6. お茶の改植について 7 7. お茶の振興に関する法律について 8

静岡県 2 鹿児島県 3 三重県 4 京都府 5 福岡県上位 3 県で全国の栽培面積の約 7 割を占めるせん茶を主体とする静岡県鹿児島県宮崎県かぶせ茶

お茶の形態変化と産業規模なまは生葉あらちゃ荒茶しあげちゃ仕上茶 ( 製茶 ) いんようちゃ飲用茶蒸し揉み熱乾燥各産地の荒茶をブレンド 97 億円資料 :H27

お茶の主産県と生産の特色 H28 面積 H28 面積 11 岐阜 734 12 奈良 76 13 滋賀 614 14 愛知 542 生産の特色限り 1 静岡 17,4

1,58 玉露及び抹茶の生産が全国 1 位 5 福岡 1,55 かぶせ茶の生産が多い 6 宮崎 1,42 せん茶を主体とした生産 7 熊本 1,35 玉緑茶

3 機密性 1. 我が国におけるお茶生産の位置付け情報お茶は生葉の収穫後産地で荒茶に加工され消費地において製茶にブレンドして販売荒茶段階では約 9 億円の産業規模主要産地は 1 静岡県 2 鹿児島県 3 三重県 4 京都府 5 福岡県上位 3 県で全国の栽培面積の約 7 割を占めるせん茶を主体とする静岡県鹿児島県宮崎県かぶせ茶の生産が多い三重県福岡県たまりょくちゃ玉緑茶の生産が多い佐賀県熊本県玉露や抹茶の生産が多い京都府など府県ごとに特色ある茶生産が行われているお茶の形態変化と産業規模なまは生葉あらちゃ荒茶しあげちゃ仕上茶 ( 製茶 ) いんようちゃ飲用茶蒸し揉み熱乾燥各産地の荒茶をブレンド 97 億円資料 :H27 生産農業所得統計荒茶 ( 大きさが不揃いで茎も混じっている状態 ) 仕上茶 ( 大きさが均一化され茎も除去された状態 ) 順位順位府県名県名お茶の主産県と生産の特色 H28 面積 H28 面積 11 岐阜奈良滋賀愛知 542 生産の特色限り 1 静岡 17,4 せん茶特に深蒸しせん茶を主体とした生産 2 鹿児島 8,52 せん茶を主体とした生産多様な品種構成 3 三重 3, かぶせ茶の生産が全国 1 位 4 京都 1,58 玉露及び抹茶の生産が全国 1 位 5 福岡 1,55 かぶせ茶の生産が多い 6 宮崎 1,42 せん茶を主体とした生産 7 熊本 1,35 玉緑茶の生産が全国 3 位 8 埼玉 884 せん茶を主体とした生産 9 佐賀 866 玉緑茶の生産が全国 1 位 1 長崎 75 玉緑茶を主体とした生産順位資料 : 農林水産省耕地及び作付面積統計県名 H28 面積 15 大分高知茨城神奈川 257 順位県名 H28 面積 19 徳島千葉全国 43,1 1

4 ( 参考 ) お茶の種類種類特徴及び主な産地荒茶生産割合及び荒茶価格 (H28 年 ) せん茶 [ 特徴 ] 最も一般に飲まれるお茶新芽を蒸して揉んで乾燥させて製造 [ 主な産地 ] 全国 [ 生産割合 ] 57.7% [ 荒茶価格 ] 1,419 円 /kg ぎょくろ玉露かぶせ茶てん茶 ( 抹茶 ) たまりょくちゃ玉緑茶 [ 特徴 ] 棚を用いて藁や寒冷紗などで収穫前 2 日前後の被覆栽培を行い煎茶と同様に製造 [ 主な産地 ] 京都府福岡県 [ 特徴 ] 藁や寒冷紗などで収穫前 1 週間程度の被覆栽培を行い煎茶と同様に製造 [ 主な産地 ] 三重県福岡県 [ 特徴 ] 玉露より長い収穫前 3 週間 ~1 ヶ月程度の被覆を行い茶葉を揉まずに乾燥して製造てん茶を石臼で挽いて粉状にしたものが抹茶 [ 主な産地 ] 京都府愛知県 [ 特徴 ] 煎茶の製造方法と異なり最後に形を細長く整える工程がないため茶葉の形が丸みを帯びている [ 主な産地 ] 熊本県佐賀県長崎県 [ 生産割合 ].3% [ 荒茶価格 ] 5,491 円 /kg [ 生産割合 ] 4.8% [ 荒茶価格 ] 1,77 円 /kg [ 生産割合 ] 3.3% [ 荒茶価格 ] 3,57 円 /kg [ 生産割合 ] 2.7% [ 荒茶価格 ] 1,671 円 /kg 資料 : 荒茶生産割合及び荒茶価格 ( 全茶期 ) は全国茶生産団体連合会調べ参考 : 玉露かぶせ茶及びてん茶を称しておおい茶という 2

5 2. お茶の生産動向栽培面積は緩やかに減少生産量は緑茶飲料需要の増加を受けて平成 16 年産が1 万トンを超えるなど一時期増加したがその後減少し近年は約 8 万トンで推移茶農家の経営面積は規模拡大が進んでおり特に鹿児島県では規模拡大が顕著生 12 産量 1 ( 千トン ) お茶の作付面積生産量の推移生産量面積栽 6 培面積 5 ( 千ヘクタール ) 主産県における販売農家 1 戸あたりの栽培面積の推移静岡鹿児島三重京都福岡宮崎熊本 H H H H 主産県における販売農家数の推移資料 : 世界農林業センサスなお 22 年の販売農家における栽培面積は推計により算出静岡鹿児島三重京都福岡宮崎熊本全国 2 平成資料 : 農林水産省作物統計 H28 生産量は速報値 1 H12 24,19 4,39 4,598 1,33 2, ,277 53,687 H17 17,731 3,72 2,294 1,35 1, ,617 H22 13,933 2,216 1, , ,116 H27 9,617 1, ,144 資料 : 世界農林業センサス 3

6 3. 荒茶価格の動向お茶の価格についてはペットボトル緑茶飲料の需要の伸びに呼応する形で平成 16 年まで上昇したがその後の需要の停滞により荒茶価格も低迷またお茶の価格は1 茶種による価格差 2 茶期による価格差等が大きくこれに品質に応じた価格差が加わるため農家によっては大きな差円 /kg 3,5 3, 2,5 2, 1,5 1, お茶価格の推移 ( 荒茶普通せん茶 ) 一番茶二番茶三番茶全茶期平均茶期毎の価格の推移 ( 平成 28 年産の荒茶 ) 玉露おおい茶せん茶かぶせてん茶せん茶玉緑茶茶番茶単位 : 円 /kg その他緑茶一番茶 5,491 2,31 3,641 2,129 2, ,138 二番茶 - 1,43 2, 三番茶平成 14 年 15 年 16 年 17 年 18 年 19 年 2 年 21 年 22 年 23 年 24 年 25 年 26 年 27 年 28 年資料 : 全国茶生産団体連合会調べ ( 参考 ) 中国産輸入緑茶価格の推移秋冬番茶全茶期平均単位 : 円 /kg 平成 21 年 22 年 23 年 24 年 25 年 26 年 27 年 28 年 ,491 1,77 3,57 1,419 1, 資料 : 全国茶生産団体連合会調べ資料 : 財務省貿易統計 (CIF 価格 ) 4

7 量 ( 4. お茶の消費需給動向緑茶の消費量について緑茶 ( リーフ茶 ) は減少傾向で推移していたが近年は横ばいペットボトル入り緑茶は増加傾向で推移している緑茶 ( リーフ茶 ) と茶飲料の1 世帯当たりの年間支出金額の合計は約 1 万円で推移しているがリーフ茶と茶飲料の支出金額が逆転するなど簡便な形態での飲用にシフトしている他方炭酸飲料ミネラルウォーター類は消費が拡大 1,2 1, 世帯当たりのリーフ茶消費量の推移平成 14 年 15 年 16 年 17 年 18 年 19 年 2 年 21 年 22 年 23 年 24 年 25 年 26 年 27 年 28 年資料 : 総務省家計調査 3. 一人 25. あたり 2. 消費 15. リットル 1. / 人 ) 5.. 1,14g 平成 ( リットル ) (g) 清涼飲料等の消費量の推移コーヒー飲料緑茶飲料資料 :( 社 ) 全国清涼飲料工業会炭酸飲料ミネラルウォーター紅茶飲料ウーロン茶飲料 856g 平成 28 年緑茶飲料の消費量が過去最高となった 13 年 14 年 15 年 16 年 17 年 18 年 19 年 2 年 21 年 22 年 23 年 24 年 25 年 26 年 27 年 28 年 ( 円 ) 12, 1, 8, 6, 4, 2, 平成 1 世帯当たりの緑茶茶飲料の年間消費支出金額 1,559 4,464 6,95 緑茶 5,749 5,378 茶飲料 14 年 15 年 16 年 17 年 18 年 19 年 2 年 21 年 22 年 23 年 24 年 25 年 26 年 27 年 28 年平成 19 年以降茶飲料の消費支出額が緑茶のそれを上回る資料 : 総務省家計調査 1,831 6,635 4,196 5

8 5. お茶の輸出入の動向 FAOの予測によれば今後世界の茶の貿易量は更に増加すると予測輸入量は平成 16 年に緑茶飲料向けとして急増したがその後緑茶飲料用原料の国産割合が高まったことから輸入は減少米国等における日本食ブームの影響等により輸出は1 年間で4 倍に増加輸出先国としては米国が全体輸出量の約 4 割を占める緑茶の輸出入の推移 ( 資料 : 財務省貿易統計 ) 年輸入量 (t) 輸入額輸出額輸出量 (t) ( 百万円 ) ( 百万円 ) 平成 13 年 17,739 5, , 年 11,79 3, , 年 1,242 2, , 年 16,995 4, , 年 15,187 4,424 1,96 2, 年 11,254 3,46 1,576 3,63 19 年 9,591 2,815 1,625 3,222 2 年 7,326 2,21 1,71 3, 年 5,865 1,572 1,958 3, 年 5,96 1,626 2,232 4, 年 5,393 1,619 2,387 4, 年 5,473 1,792 2,351 5,53 25 年 4,875 2,167 2,942 6,61 26 年 4,18 2,261 3,516 7, 年 3,473 2,339 4,127 1,16 28 年 3,618 2,129 4,18 11,551 世界における緑茶の貿易量の見通し (FAO 予測 ) ( 千トン ) 37.8 万トン 68.4 万トン 1 年間で 31 万トン増出典 :FAO 茶に関する政府間協議資料主な輸入先国輸出先国 ( 上位 5 カ国平成 28 年 ) 輸入中国オーストラリアベトナムミャンマーブラジル輸入量 (t) 3, 輸入額 ( 百万円 ) 1, 輸入量シェア 85% 8% 3% 1% 1% 輸出アメリカ台湾シンガポールドイツカナダ輸出量 (t) 1, 輸出額 ( 百万円 ) 4, ,76 1, 輸出量シェア 35% 19% 8% 8% 4% 資料 : 財務省貿易統計 (H28 年 1 月 ~12 月までの集計 ) 6

6. お茶の改植について茶園の約 3 割が樹齢 3 年以上と老園化し収量品質の低下が懸念栽培されている茶の品種はやぶきたが 7 割を占め摘採期が集中することによる荒茶加工作業の集中化と摘み遅れによる品質低下お茶の風味が画一化するなどの弊害このため平成 23 年度から改植の促進を支援する事業を実施 1, 8, 6, 4, 2, 樹齢別の茶園面積 ( 平成 23 年度 )

9 6. お茶の改植について茶園の約 3 割が樹齢 3 年以上と老園化し収量品質の低下が懸念栽培されている茶の品種はやぶきたが 7 割を占め摘採期が集中することによる荒茶加工作業の集中化と摘み遅れによる品質低下お茶の風味が画一化するなどの弊害このため平成 23 年度から改植の促進を支援する事業を実施 1, 8, 6, 4, 2, 樹齢別の茶園面積 ( 平成 23 年度 ) 11% 未成園 13% 資料 : 農林水産省調べ 2% ~1 年 11~2 年 21~3 年 3 年以上品種別の茶園面積資料 : 農林水産省調べ ( 平成 27 年度 ) 22% 33% 改植の意義メリット茶園の若返りによる品質生産力の向上が期待 ( 老園化した茶園においては根系の老化土壌の保肥力保水力の低下により品質収量が低下 ) 優良品種の作付けによって付加価値を高め新たな需要を創出することが可能作期の異なる複数の品種を組み合わせることにより気象災害リスクの軽減や収穫加工作業の集中化を回避お茶の改植等支援事業の仕組み 1 改植移動改植 :15.2 万円 /1a 2 改植に伴う未収益期間への支援 :14.1 万円 /1a 3 新植 :12 万円 /1a 4 担い手への集積等に伴う茶園整理 :5 万円 /1a 5 棚施設を利用した栽培法への転換 :4 万円 /1a ( 他品種への改植は 18.1 万 /1a) 6 棚施設を利用した栽培法への転換に必要な資材費 :1 万円 /1a 7 台切り :7 万円 /1a (1 と 2 5 と 6 は同時に取り組むことが可能 ) 7

10 7. お茶の振興に関する法律について ( 参考 ) お茶の振興に関する法律が平成 23 年 4 月に施行 1 法律の目的この法律は農林水産大臣による基本方針の策定について定めるとともに生産者の経営安定消費の拡大及びこれに資するお茶を活用した食育の推進並びに輸出の促進お茶の伝統に関する知識等の普及の措置等を講じ茶業の健全な発展及び豊かで健康的な国民生活の実現に寄与することを目的とする 2 法律の概要 (1) 基本方針の策定 ( 第 2 条 ) 農林水産大臣は次に掲げる事項について基本方針を策定する 1 茶業及びお茶の文化の振興の意義及び基本的な方向 2 お茶の需要の長期見通しに即した生産量の目標設定 3 茶業の振興のための施策 4 お茶の文化の振興のための施策 5 その他茶業及びお茶の文化の振興のために必要な事項 (2) 振興計画の策定 ( 第 3 条 ) 都道府県は基本方針に即し振興計画を定めるよう努める (3) 国及び地方公共団体による支援施策 ( 第 4 条 ~ 第 1 条 ) 国及び地方公団体は次に掲げる事項について支援施策を実施するよう努める 1 生産者の経営安定 ( 茶園の基盤整備茶樹の改植支援災害予防促進等 ) 2 加工流通の高度化 ( 農業製造業小売業等の一体的な取組による新たな付加価値を生み出す取組等に対する支援 ) 3 品質の向上の促進 4 消費拡大 5 輸出促進 6 お茶の文化の振興 7 茶業及びお茶の文化の振興に寄与した者の顕彰 (4) 国の援助 ( 第 11 条 ) 国は地方公共団体に対し必要な情報提供助言財政上の措置等を講じるよう努める 8

平成 30 年産一番茶の摘採面積生葉収穫量及び荒茶生産量 ( 主産県 ) - 一番茶の荒茶生産量は前年産に比べ 12% 増加 - 調査結果 1 摘採面積主産県の摘採面積 ( 注 1) は2 万 7,800ha で前年産に比べ 400ha(1%) 減少した 2 10a 当たり生葉収量主産県の 10

平成 30 年産一番茶の摘採面積生葉収穫量及び荒茶生産量 ( 主産県 ) - 一番茶の荒茶生産量は前年産に比べ 12% 増加 - 調査結果 1 摘採面積主産県の摘採面積 ( 注 1) は2 万 7,800ha で前年産に比べ 400ha(1%) 減少した 2 10a 当たり生葉収量主産県の 10 平成 30 年産一番茶の摘採面積生葉収穫量及び荒茶生産量 ( 主産県 ) - 一番茶の荒茶生産量は前年産に比べ 12% 増加 - 調査結果 1 摘採面積主産県の摘採面積 ( 注 1) は2 万 7,800ha で前年産に比べ 400ha(1%) 減少した 2 10a 当たり生葉収量主産県の 10a 当たり生葉収量は 472kg で前年産に比べ 14% 上回ったこれはおおむね天候に恵まれ生育が順調に推移したためである