身の回りの放射線大地の放射線 ( 世界 ) ナノグレイ / 時 ( ミリシーベルト / 年 ) 実効線量への換算には 0.7 シーベルト / グレイを使用 UNSCEAR2008 年報告書原安全研究協会活環境放射線 (2011 年 ) より作成

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えいじろうとべ
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1 身の回りの放射線然からの被ばく線量の内訳線源外部被ばく内部被ばく ( 吸入摂取 ) 内部被ばく ( 経口摂取 ) 内訳宇宙線 0.3 大地放射線 0.33 ラドン ( 屋内屋外 ) 0.37 トロン ( 屋内屋外 ) 0.09 喫煙 ( 鉛 210 ポロニウム 210 など ) 0.01 実効線量 ( ミリシーヘルト / 年 ) その他 ( ウランなど ) 主に鉛 210 ポロニウムトリチウム炭素カリウム合計 2.1 原安全研究協会活環境放射線 (2011)

2 身の回りの放射線大地の放射線 ( 世界 ) ナノグレイ / 時 ( ミリシーベルト / 年 ) 実効線量への換算には 0.7 シーベルト / グレイを使用 UNSCEAR2008 年報告書原安全研究協会活環境放射線 (2011 年 ) より作成

3 身の回りの放射線大地の放射線 ( 日本 ) 然放射線の空間放射線量率ナノグレイ / 時 ( ミリシーベルト / 年 ) 実効線量への換算には 0.7 シーベルト / グレイを使用 127(0.78)< 109(0.67) 127(0.78) 90.7(0.56) 109(0.67) 72.5(0.44) 90.7(0.56) 54.3(0.33) 72.5(0.44) 36(0.22) 54.3(0.33) 17.8(0.11) 36(0.22) 5.81(0.04) 17.8(0.11) 日本地質学会 HP より

4 身の回りの放射線屋内ラドン屋内ラドンからの被ばくの地域差 ( 算術平均 Bq/m 3 ) Bq/m 3 : ベクレル / メートル UNSCEAR2006 年報告書より

5 身の回りの放射線身近な放射線源 0.18 ミリシーベルト / 年放射性カリウムの濃度 (Bq/kg) 干ししいたけ (700) ポテトチップス (400) ほうれん草 (200) 胸の X 線検診 0.06 ミリシーベルト牛乳 (50) 魚 (100) 米 (30) 航空機内ミリシーベルト ( 東京ニューヨーク間往復 ) Bq/kg: ベクレル / キログラム

6 身の回りの放射線食品からの放射線体内の放射性物質体重 60kg の場合カリウム ,000Bq 炭素 ,500Bq ルビジウム Bq 鉛ポロニウム 3 20Bq 地球起源の核種宇宙線起源の N-14 由来の核種地球起源ウラン系列の核種食品中の放射性物質 ( カリウム 40) の濃度米 30 牛乳 50 牛肉 100 魚 100 ドライミルク 200 ほうれん草 200 ポテトチップス 400 お茶 600 干ししいたけ 700 干し昆布 2,000(Bq/kg) Bq: ベクレル Bq/kg: ベクレル / キログラム ( 公財 ) 原安全研究協会活環境放射線データに関する研究 (1983 年 ) より作成

7 線量の種類検査の種身の回りの放射線放射線検査による被ばく線量各放射線診療の診断参考レベルと被ばく線量被ばく線量 ( およその値 ) 診断参考レベル胸部 X 線撮影 0.06mSv 実効線量 0.4mGy 0.3mGy 入射表線量上部消化管検査直接 100mGy 3mSv 実効線量入射表線量 ( バリウム検査 ) 間接 50mGy 頭部 50mGy 頭部 65mGy CTDI CT 撮影 5 30mSv 実効線量腹部 25mGy 腹部 20mGy (CT 線量指標 ) 放射性医薬品毎の放射性医薬品毎の核医学検査 mSv 実効線量投与放射能値値類PET 検査 2 10mSv 実効線量線量線量の種類 IAEA ガイダンスレベル日本放射線技師会ガイドライン乳房撮影 ( マンモグラフィ ) 2mGy 乳腺線量 3mGy 2mGy 乳腺線量科撮影 mSv 実効線量 ( なし ) ( なし ) msv; ミリシーベルト, mgy; ミリグレイ赤羽, Innervision, 25, 46-49, 2010

8 身の回りの放射線診断で受ける放射線量一般 X 線 X 線 CT 集団検診診断部位実効線量 (msv) 頭部 ( 直接撮影 ) 0.1 *1 胸部 ( 直接撮影 ) 0.4 *1 胃部 ( バリウム ) 3.3 *1 頭部 2.4 *2 胸部 9.1 *2 上腹部 12.9 *2 下腹部 10.5 *2 胃部 ( 透視 ) 0.6 *3 胃部 ( 撮影 ) 0.07 *3 胸部 ( 撮影 ) 0.06 *4 *1: 丸山隆司岩井男沢かな枝野豊隈元芳 ;X 線診断による臓器組織線量実効線量および集団実効線量 RADIOISOTOPES, Vol. 45, No. 12, 23-34, 1996 *2: 沢かな枝松本雅紀岩井男丸山隆司 ;CT 検査件数及びCT 検査による集団実効線量の推定日本医学放射線学会雑誌 64, 67-74, 2004 *3: 国線量推定のための基礎調査 (XXIII) 平成 12 年 3 月放射線影響協会 *4: 丸山隆司 ;Radiat. Prot. Dosimetry, 43, , 1992 msv: ミリシーベルト

9 身の回りの放射線被ばく線量の較 ( 早図 ) msv: ミリシーベルト

10 身の回りの放射線目でる放射能事故前の食品中の放射能主にカリウム 40 のベータ線カリウム 40 の存在比は 0.012% カリウム 40 の半減期は年豚肉バナナ ( 縦切りおよび横切り ) ショウガの放射能像森, 応用物理, 97, No.6, 1998

11 身の回りの放射線フォールアウトの影響体内放射能 : 体重 60kg K-40:4000 Bq ( ベクレル ) C-14:2500 Bq Rb-87:520 Bq (MBq/km 2 ) セ 10 4 シ 10 3 ウ 10 2 ム濃 1 度東京都における月間降下物中の Cs-137 の経年変化気象研究所調べ年 ( 137 CsBq/ 日 / 人 ) 5 セシウム 137 量大気圏内核実験時代の国内の日常食中の Cs-137 量放射線医学総合研究所調べ年 (nci) 1 セシウム 137 量 10-1 日本人成人男の 1 日排泄尿中の Cs-137 Health Physics 16, , 1969 (Bq) セシウム 137 量 (Bq) 日本人成人男の体内 Cs-137 量 Health Physics 71, 320-5, 年年 MBq: メガベクレル nci: ナノキュリー

12 人体への影響影響の種類放射線を受けた後にどのような障害が生じるか生じないか受けた放射線の量受けた場所 ( 全身局所 ) 時間的経過 ( 被ばくの様式 ) を考慮する身体的影響急性障害数週間以内に症状が出る ( 分裂が盛んな細胞が障害を受ける ) 胎児発生障害急性放射線症皮膚紅斑脱毛不妊など胚 / 胎児の障害精神遅滞など骨髄障害胃腸管障害中枢神経障害確定的影響 ( 組織反応 ) ( しきい値がある ) 晩発障害数ヶ数年以上の経過後に症状が出る白内障白血病がん確率的影響 ( しきい値がないと仮定 ) 遺伝性影響遺伝的障害通常の遺伝性疾患の発生頻度の増加

13 人体への影響被ばくの形態と影響線量被ばく ( 大量の放射線を受けた ) 低線量被ばく ( 少量の放射線を受けた ) 皮膚障害吐き気脱毛? 急性障害は急性被ばくでおこる急性被ばく ( 大量の放射線を短時間に受けた ) 慢性被ばく ( 少量ずつ時間受けた )

がん白血病遺伝性疾患細胞死 / 細胞変性で起こる確定的影響突然変異で起こる確率的影響 * 主な症状としては

14 潜伏期間例線量反応関係影響の出現人体への影響放射線影響の分類身体的影響遺伝性影響数週間以内 = 急性影響 ( 早期影響 ) 数ヶ月以降 = 晩発影響急性放射線症 * 急性皮膚障害胎児の発発達異常 ( 奇形 ) 水晶体の混濁がん白血病遺伝性疾患細胞死 / 細胞変性で起こる確定的影響突然変異で起こる確率的影響 * 主な症状としては被ばく後数時間以内に認められる嘔吐数日から数週間にかけてじる下痢血液細胞数の減少出血脱毛男性の過性不妊症などである

15 確率的影響と確定的影響確定的影響放射線を受けた人のうち最も放射線に対して感受性がい 1% の人が発症する線量をしきい値としている (ICRP2007 年勧告 ) 影響の現れる頻度0 きい容認できるレベルし値人体への影響影線量影響なし確定的影響 ( 脱毛白内障皮膚障害等 ) 確率的影響定の線量以下では喫煙や飲酒と言った他の発がん影響が大きすぎてえないが ICRP などではそれ以下の線量でも影響はあると仮定して放射線防護の基準を定めることとしている響の現れる頻度0 然発率線量確率的影響 ( がん白血病遺伝等 )

16 人体影響の発生機構放射線による電離作電 α 線拡大放射線 α 線 γ 線 X 線拡大電離している箇所細胞い密度で電離が起こる低い密度で電離が起こる

17 人体影響の発生機構 DNA の損傷と修復放射線 X 線 1 ミリクレイ当たりの損傷 (1 細胞当たり ) 塩基損傷 2.5 箇所細胞 DNA 核一本鎖切断本鎖切断 1 箇所 0.04 箇所 DNA 損傷 Morgan, 米国放射線防護委員会年次総会 ( 第 44 回 2009) 修復放射線修復酵素

18 人体影響の発生機構 DNA 細胞人体損傷 ( 化学変化 ) 人体細胞 DNA 修復酵素修復成功修復失敗障害なし細胞死 / 細胞変性傷が残る突然変異急性影響胎児影響がん遺伝性影響

19 人体影響の発生機構被ばく後の時間経過と影響生化学的プロセス物理的プロセス臨床プロセス生物学的プロセス突然変異がん遺伝性影響細胞死 / 細胞変性急性放射線症胎児影響白内障

20 人体影響の発生機構確定的影響損傷した細胞死細胞影響なし時的機能喪失その後回復正常細胞機能喪失形態異常確定的影響にはしきい値がある回復不能

21 人体影響の発生機構臓器器官の放射線感受性分裂が盛ん感受性が高い造血系 : 骨髄リンパ組織 ( 脾臓胸腺リンパ節 ) 生殖器系 : 精巣卵巣消化器系 : 粘膜小腸絨毛表皮眼 : 毛嚢汗腺皮膚水晶体その他 : 肺腎臓肝臓甲状腺支持系 : 血管筋肉骨伝達系 : 神経分裂しない感受性が低い

22 人体影響の発生機構確率的影響放射線がん細胞修復排除増殖正常細胞確率的影響にはしきい値がない ( と仮定 ) がんの悪性化確率的影響がん白血病遺伝性影響

23 生率からでも生じる可能性発然発線量率人体影響の発生機構線量反応関係確定的影響 ( 細胞死が引き ) 確率的影響 ( 突然変異が引き ) 100% 生率しきい値あり発高い線量で発症たくさんの細胞が死ぬと症状として現れる線量低い線量でも発症たとえひとつの突然変異しきい値なしと仮定

24 確定的影響全身被ばくと局所被ばく局下痢頭痛発熱全身悪心嘔吐末梢血中のリンパ球減少 200 1,000 5,000 10,000 ( ミリグレイ ) 時的精数減少永久不妊 ( 男共 ) 水晶体混濁白内障 ( 皮膚 ) 時的紅斑紅斑潰瘍所( 皮膚 ) 時的脱毛永久脱毛原安全委員会健康管理検討委員会報告平成 12 年他より改変

25 確定的影響被ばく時被ばく急性放射線症急性放射線症の病期時間経過前駆期 48 時間潜伏期 0 3 週間発症期回復期 ( あるいは死亡 ) 嘔気嘔吐無症状造血障害 (1Gy 以上 ) ( 感染出血 ) 頭痛 (4Gy 以上 ) 消化管障害下痢 (6Gy 以上 ) 皮膚障害発熱 (6Gy 以上 ) 意識障害神経血管障害 (8Gy 以上 ) 全身に 1 グレイ (1000 ミリグレイ ) 以上の放射線を度に受けた場合にられる急性放射線症

26 確定的影響各種障害のしきい値障害臓器 / 組織潜伏期しきい値 ( グレイ )* 時的不妊精巣 3 9 週約 0.1 永久不妊ガンマ線急性吸収線量のしきい値精巣 3 週約 6 卵巣 1 週以内約 3 造血能低下骨髄 3 7 日約 0.5 皮膚発赤皮膚 ( 広い範囲 ) 1 4 週 3 6 以下皮膚熱傷皮膚 ( 広い範囲 ) 2 3 週 5 10 時的脱毛皮膚 2 3 週約 4 白内障 ( 視低下 ) 眼数年約 1.5(0.5 ** ) * 臨床的な異常が明らかな症状のしきい線量 (1% の人々に影響をじる線量 ) ** 国際放射線防護委員会報告書 118(2012) ではしきい値が下げられた国際放射線防護委員会 2007 年勧告

27 胎児への影響確定的影響と時期特異性重要な器官が形成される時期 = 薬の使も気をつける時期 = 放射線にも弱い時期着床前期受胎 0-2 週流産器官形成期受胎 2-8 週器官形成異常 ( 奇形 ) 胎児前期受胎 8-15 週精神発達遅滞胎児後期受胎 15 週 ~ 出産しきい値は 0.1 グレイ以上般的に妊娠 2 週目と呼ばれている時期は妊娠直後の受胎 0 週 ( 齢 ) に相当します

28 度知的障害リスク(%胎児への影響重精神発達遅滞 ) 全週齢 8-15 週齢週齢親の宮での線量 ( グレイ ) 放射線影響研究所 HP より作成

29 遺伝性影響被爆世における染体異常原爆被爆者の供における安定染体異常異常の起源染体異常を持ったどもの数 ( 割合 ) 対照群 (7,976 人 ) 被ばく群 (8,322 人 ) 平均線量は 0.6 グレイ両親のどちらかに由来新たにじた例不明 ( 両親の検査ができなかった ) 15 (0.19%) 1 (0.01%) 9 (0.11%) 10 (0.12%) 1 (0.01%) 7 (0.08%) 合計 25 (0.31%) 18 (0.22%) 放射線影響研究所 HP

30 遺伝性影響ヒトでのリスク殖腺 ( 殖細胞 ) が放射線を受けると遺伝突然変異 DNA の遺伝情報の変化 ( 点突然変異 ) 染体異常染体の構造異常遺伝性影響のリスク ( と孫の世代まで ) = 約 0.2%/ グレイ (1 グレイあたり 1000 人中 2 人 ) ( 国際放射線防護委員会 2007 年勧告 ) 上記の値は以下のデータを用いて間接的に推定されているヒト集団での各遺伝的疾患の然発頻度遺伝の平均然突然変異率 ( ヒト ) 平均放射線誘発突然変異率 ( マウス ) マウスの放射線誘発突然変異からヒト誘発遺伝性疾患の潜在的リスクを外挿する補正係数殖腺の組織加重係数 ( 国際放射線防護委員会勧告 ) 0.25(1977 年 ) 0.20(1990 年 ) 0.08(2007 年 )

31 ( アポトーシス ) 免疫系などによる排除正常細胞変異細胞がん細胞がん症頻度増殖いくつもの遺伝に変異がん白血病発がんのしくみ細胞の殺白血病以外のがん白血病年発被ばく後の期間放射線はがんを起こすさまざまなきっかけのつ変異細胞ががんになるまでにはいろいろなプロセスが必要数年数年かかる

32 がん発生の過剰相対リスがん白血病放射線感受性の高い臓器乳がん皮膚がん肺がん結腸がん甲状腺がん膀胱がん胃がんク0 臓器吸収線量 ( グレイ ) 肝臓がん組織骨髄 ( 赤 ) 胃肺結腸乳房組織加重係数 w T 0.12 殖腺 0.08 膀胱食道肝臓甲状腺骨表脳唾液腺皮膚残りの組織の合計国際放射線防護委員会 2007 年勧告 Preston et al., Radiat Res, 168, 1, 2007 より作成

がん白血病年齢による感受性の差こどもは小さなおとなではない実効線量係数 (µsv/bq) ヨウ素 131 肺がん乳がん胃がん結腸がん骨髄性白血病 3 ヶ児 0.18 1 歳児 0.

33 がん白血病年齢による感受性の差こどもは小さなおとなではない実効線量係数 (µsv/bq) ヨウ素 131 肺がん乳がん胃がん結腸がん骨髄性白血病 3 ヶ児歳児歳児 0.10 成人 µsv/bq: マイクロシーベルト / ベクレル皮膚がん甲状腺がんこどもでは甲状腺や皮膚のがんリスクも高くなる代謝や体格の違いからこどもは実効線量係数がくなっている

34 がん白血病低線量率被ばくの発がんへの影響 50 マウス卵巣腫瘍 50 マウス乳がん発症グレイ / 時 3.6 ミリグレイ / 時発症グレイ / 時 3.6 ミリグレイ / 時 0 率(% )線量 ( グレイ ) 率(% )線量 ( グレイ ) UNSCEAR 1993 低線量低線量率のリスク = 線量線量率のリスク線量線量率効果係数機関線量線量率効果係数国連科学委員会より小さい (1 10) 米国科学アカデミー国際放射線防護委員会 1990,2007 2

35 過剰相対リス過剰相対リス急性外部被ばくの発がん固形がんによる死亡と線量との関係固形がんによる死亡 ( 原爆被爆者データ ) ク (0.1) 線量 ( ミリシーベルト ) ク (0.2) 線量 ( ミリシーベルト ) Preston et al., Radiat Res,162, 377, 2004 より作成 Ozasa et al., Radiat Res, 177, 229, 2012 より作成

36 の発がん白血病と線量反応相関 1 万人当たりの過剰症例数急性外部被ばく広島崎原爆被爆者における白血病の線量反応 DS02 DS 重み付けした骨髄線量 ( グレイ ) DS02 と DS86 による白血病のノンパラメトリックな線量反応 ( 年 ) Preston et al., Radiat Res,162, 377, 2004 より作成

37 相対リス急性被ばくの発がん白血病の発症リスク原爆被爆者における発がんのリスク ( 白血病 ) 3 死亡率罹患率 2 ク1 相対リスク=1 0 骨髄線量 ( シーベルト ) UNSCEAR 2006 年報告書より作成

急性外部被ばくの発がん被ばく時年齢と発がんリスクの関係原爆被爆者の被爆時年齢別相対リスク男性 ( ミリシーベルト ) 性 ( ミリシーベルト ) 5 500 500 1000 1000 4000 5 500 500 1000 1000 4000 年0-9 歳 0.96 1.10 3.80 1.12 2.87 4.46 10-19 歳 1.14 1.48 2.07 1.01 1.

38 急性外部被ばくの発がん被ばく時年齢と発がんリスクの関係原爆被爆者の被爆時年齢別相対リスク男性 ( ミリシーベルト ) 性 ( ミリシーベルト ) 年0-9 歳歳歳歳歳歳以上 Preston et al., Radiat Res, 168,1, 2007

39 過剰相対リス急性外部被ばくの発がん固形がん発生のリスク係数広島崎原爆被爆者における固形がんの線量反応ク (0.2) 重み付けした結腸線量 ( グレイ ) 年の追跡調査データに基づく被爆時年齢 30 歳到達年齢 70 歳での推定値 Preston et al., Radiat Res, 168,1, 2007 より作成

40 急性外部被ばくの発がん被ばく年齢ごとの生涯リスク広島崎の原爆生存者の調査結果 100mSv での急性被ばくによる推定被ばく時年齢性過剰の生涯リスク (%) 被ばくがない時 (%) 10 歳 30 歳 50 歳男男男歳の男性が 100mSv 被ばくすると被ばくしないときにはその後の涯で 30% の発がんの可能性があるが被ばくにより 2.1% 増加し 32.1% になると推定される msv: ミリシーベルト Preston et al., Radiat Res, 160, 381, 2003

8 固形がん全体胃がん甲状腺がん結腸がん 0.6 乳がん肺がん 0.4 肺がん結腸がん乳がん 0.

41 被ばく時年齢ごとの発がん過剰相対リスク過剰相対リスク(一グレイあたり急性外部被ばくの発がん被ばく時年齢とがんの種類固形がん全体胃がん甲状腺がん結腸がん 0.6 乳がん肺がん 0.4 肺がん結腸がん乳がん 0.2 甲状腺がん胃がん 0.0 固形がん全体がんの種類)被ばく時年齢 Preston et al., Radiat Res, 168,1, 2007 より作成

42 過剰相対リスの発がんク急性外部被ばく歳過剰相対リスク被ばく時年齢別発がんリスク被ばく時年齢ごとの発がん過剰相対リスク (1Gy あたり ) 歳歳以上歳 Preston et al., Radiat Res, 168,1, 2007 より作成

43 剰相対リスク過剰相対リス0.4 の発がん 1.6 固形がん全体過ク急性外部被ばく結腸がん 0.8 がん部位別被ばく時年齢とリスク被ばく時年齢ごとの発がん過剰相対リスク (1Gy あたり ) 胃がん肺がん甲状腺がん乳がん Preston et al., Radiat Res, 168,1, 2007 より作成

44 急性外部被ばくの発がん原爆被爆者における甲状腺がんの発症甲状腺線量平均線量 (msv) 対象 ( 人 ) 患者 ( 人 ) オッズ <5mSv mSv mSv mSv< ( ) 1.12 ( ) 1.44 ( ) msv: ミリシーベルト Hayashi et al., Cancer, 116, 1646, 2010

がんの相対リス0 200 400 600 800 1000 慢性被ばくの発がん低線量率期被ばくの影響インド高然放射線地域住の発がん 1.5 ケララ ( インド ) 外平均線量 4mSv/ 年以上い地域では 70mSv/ 年 1.

45 がんの相対リス慢性被ばくの発がん低線量率期被ばくの影響インド高然放射線地域住の発がん 1.5 ケララ ( インド ) 外平均線量 4mSv/ 年以上い地域では 70mSv/ 年 1.0 原爆被爆者 ( 急性被ばく ) クインドケララ ( 慢性被ばく ) 0.5 線量 ( ミリシーベルト ) msv: ミリシーベルト Nair et al., Health Phys 96, 55, 2009;Preston et al., Radiat.Res.168,1, 2007 より作成

原発事故由来の内部被ばくによる発がんチェルノブイリ原発事故によるセシウムの内部被ばく (Bq/kg) 100 80 60 40 チェルノブイリ

2 (ND-2241) 24.0 (ND-1089) ロシアブリヤンスク州ホールボディカウンタで計測された体内セシウム 137 濃度 39.

7 (ND-1003) 20 中央値 ( 下限値上限値 ) 0 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004

体内のセシウム 137 濃度の季節ごとの変化 (Bq/kg) と被験者数 1998-2001 年 2002-2005 年 2006-2008 年 34.

8) 8971 27.3 (ND-5392.2) 18722 32.2 (ND-393.0) 268 33.5 (ND-1089.3) 8999 20.

46 原発事故由来の内部被ばくによる発がんチェルノブイリ原発事故によるセシウムの内部被ばく (Bq/kg) チェルノブイリベラルーシウクライナ 42.3 (ND-2222) 43.0 (ND-2522) 34.1 (ND-1736) 28.1 (ND-1707) 25.2 (ND-2241) 24.0 (ND-1089) ロシアブリヤンスク州ホールボディカウンタで計測された体内セシウム 137 濃度 39.0 (ND-5392) 27.6 (ND-739) 26.6 (ND-2229) 38.3 (ND-602) 43.7 (ND-1003) 20 中央値 ( 下限値上限値 ) ( 年 ) Bq/kg: ベクレル / キログラム Bq/kg 体内のセシウム 137 濃度の季節ごとの変化 (Bq/kg) と被験者数年年年 34.6 (ND ) (ND-399.0) (ND ) (ND ) (ND ) (ND-393.0) (ND ) (ND-607.0) (ND ) (ND-271.1) (ND ) (ND ) 6404 上から平均値 (Bq/kg) ( 検出下限値検出上限値 ) 被験者数 ( 人 ) ND は検出限界以下ブリヤンスク州では年の間平均 40Bq/kg の内部被ばくを認めた Sekitani et al., Radiat Prot Dosimetry, 141, 1, 2010 より作成

47 原発事故由来の内部被ばくによる発がんチェルノブイリ事故避難集団の被ばく国人数 ( 千人 ) 平均実効線量 (msv) 外部内部 ( 甲状腺以外 ) 平均甲状腺線量 (mgy) ベラルーシロシア連邦ウクライナ合計国連科学委員会 2008 年報告より

人あたりの甲状腺がん発生数原発事故由来の内部被ばくによる発がん小児甲状腺がんの発症時期児10 万12 10 8 6 4 2 小児甲状腺がん ( チェルノブイリ事故 ) ロシアベラルーシウクライナ小0 1986

48 人あたりの甲状腺がん発生数原発事故由来の内部被ばくによる発がん小児甲状腺がんの発症時期児10 万小児甲状腺がん ( チェルノブイリ事故 ) ロシアベラルーシウクライナ小診断年甲状腺ヨウ素は甲状腺ホルモンの材料事故の 4-5 年後に小児甲状腺がんが発し始め 10 年後には 10 倍以上に増加 UNSCEAR 2000 年報告書より作成

49 原発事故由来の内部被ばくによる発がん甲状腺線量の較チェルノブイリベラルーシで 1986 年に避難した集団ベラルーシ全体 ( 避難者を除く ) 福島このデータは限られた住に対してわれた調査によるものであり全体を反映するものではない数( 人) 人小児の甲状腺被ばく線量 ( シーベルト ) 人数( 人) 人数( 人) 1, ,500,000 1,000, , , <0.02 < < ( シーベルト ) > 歳 0-6 歳国連科学委員会報告書 2008 年報告計算法小児甲状腺簡易測定調査結果の概要について ( 平成 23 年 8 月 17 日原被災者活援チーム医療班 ) にある小児甲状腺簡易測定結果をスクリーニングレベル 0.2μSv/h(1 歳児の甲状腺等価線量として 100mSv に相当 ) ( 平成 23 年 5 月 12 日原安全委員会 ) を用いて比較のために改編 (Gy= Sv) 計測法や測定地の空間線量率から判断して検出限界は 0.02Sv 程度

50 対リスク(<4 歳相95 %信頼区間原発事故由来の内部被ばくによる発がん甲状腺がんと線量との関係 20 甲状腺がんとヨウ素 131による被ばく線量の線量効果関係 ( ウクライナにおけるチェルノブイリのコホート研究により推定 ) ) ヨウ素 131による甲状腺線量 ( グレイ ) Brenner et al., Environ Health Perspect 119, 933, 2011 より作成

51 原発事故由来の内部被ばくによる発がん甲状腺がんとヨウ素摂取安定ヨウ素剤土壌中ヨウ素濃度が高い地域 1Gy での相対リスク (95% 信頼区間 ) 土壌中ヨウ素濃度が低い地域投与なし投与あり 3.5 ( ) 1.1 ( ) 10.8 ( ) 3.3 ( ) Cardis et al., JNCI, 97, 724, 2005

52 リスク確率的影響のリスク被ばく無し * 少し被ばくたくさん被ばく * 実際には放射線被ばくのない集団でもがんになる人はゼロではありません同じように放射線を浴びてもがんになる人とならない人がいる

53 リスク相対リスクと寄与リスク要因罹患ありなし曝露群 A B A+B 非曝露群 C D C+D 要因ばく露によってその個人が何倍罹患しやすくなるか要因曝露群の罹患リスク相対リスク = = 要因非曝露群の罹患リスク計 A A+B C C+D 要因ばく露によってその集団の罹患率がどれだけふえるのか寄与リスク = 要因曝露群の罹患リスク要因非曝露群の罹患リスク = A A+B C C+D

54 がんによって死亡する人の割合リスク低線量率被ばくによるがん死亡リスク約 30% 0% 個人の活習慣などによるがん個々のがんの原因は特定されていないが食事喫煙ウィルス細菌などと考えられている 0.5%? 1% 1.5% 放射線によるがん死亡の増加 (ICRP2007 年勧告による推定値 ) 累積の放射線量 ( ミリシーベルト )

55 リスク発がんに関連する因ヒトの死因心疾患脳疾患感染症などヒトのがんの原因と関連のある因がん Cancer Causes Control 7: (1996) より作成

56 リスクがんのリスク ( 放射線と生活習慣 ) 放射線の線量 ( ミリシーベルト ) 以下生活習慣因喫煙者大量飲酒 ( 毎日 3 合以上 ) 大量飲酒 ( 毎日 2 合以上 ) 肥満 (BMI 30) やせ (BMI<19) 運動不高塩分食品野菜不受動喫煙 ( 非喫煙性 ) がんの相対リスク * 検出不可能 * 放射線の発がんリスクは広島崎の原爆による瞬間的な被ばくを分析したデータ ( 固形がんのみ ) であり期にわたる被ばくの影響を観察したものではない国がん研究センター HP

57 こころへの影響災害被災者のストレス要因将来の不確実性住居住居の安全の不確実性社会の偏執拗な報道避難先の習慣の違い災害予告ができない被害の範囲の把握が困難期にわたる健康障害放射線災害特有原安全委員会被ばく医療分科会心のケア及び健康不安対策検討会第 3 回会合資料 3-2 号より

58 こころへの影響緊急被ばく状況現存被ばく状況被害の範囲の把握が困難緊急被ばく状況現存被ばく状況参考レベル :20-100mSv/ 年の範囲 Reference level in the msv/year range 参考レベル :1-20mSv/ 年のうちの低線量域期目標は 1mSv/ 年合理的に達成可能な限り低く (ALARA) 被ばくを低減維持するための防護方策を講じる緊急性がある状態 Protection actions to reduce and maintain exposure ALARA are driven by urgency 放射線状況の分析把握 Characterization of the radiological situation authorities 当局による決定Decision by Reference level in the lower part of the 1-20 msv/year range with the long term goal of 1 msv/year 生活環境の改善のために合理的に達成可能な限り低く (ALARA) 被ばくを低減維持するための防護方策を講じる必要がある状態 Protection actions to reduce and maintain exposure ALARA are driven by the improvement of living conditions 放射線モニタリングの整備健康調査食品管理 Setting-up radiation monitoring, health surveillance and foodstuffs management 助努による放射線防護や放射線防護の文化の形成 Development of self-help protection and radiation protection culture Lochard, J (2012) 第 27 回原安協シンポジウム資料より 118

59 こころへの影響放射線事故と健康不安放射線事故が起こったらある程度不安があるが普通特に親がどもの健康を心配するのは当然むしろ供を愛している証拠過剰な不安がく解消されなければメンタルヘルスが悪化する親の不安がどもの精神状態に影響する可能性も不安増大につながる動例情報源 ( 根拠 ) がはっきりしない情報を集める科学的に正確ではない情報を集める

60 こころへの影響どもの精神医学的影響放射線問題が精神に与える影響について : 放射線に対して親が不安になるのは育てに熱心である証拠しかし放射線のことを必要以上に過剰に心配するとどもの心身に悪い影響を与えることもチェルノブイリ事故による胎児被ばくと神経心理学的障害 : 事故時に胎児であったどもへの神経心理学的障害については研究結果が致していない事故の影響により情緒障害が合ったとする報告においては障害発と保護者の教育状況や不安度との関連性が指摘されている胎児被ばくしたども達のIQの平均が低いという報告もあるが甲状腺の被ばく線量とIQの間に相関はなかった Kolominsky Y et al., J Child Psychol Psychiatry, 40(2): , 1999

<4D F736F F F696E74202D208E9197BF C CF88F589EF816993DE97C789EF8FEA816A2E B8CDD8AB B83685D>

<4D F736F F F696E74202D208E9197BF C CF88F589EF816993DE97C789EF8FEA816A2E B8CDD8AB B83685D> 資料 1 食品中の放射性物質による健康影響について平成 24 年 10 月食品安全委員会 1 放射線放射性物質について 2 放射線とは物質を通過する高速の粒子高いエネルギーの電磁波ガンマ (γ) 線 / エックス (X) 線ガンマ線はエックス線と同様の電磁波物質を透過する力がアルファ線やベータ線に比べて強いベータ (β) 線電子の流れ薄いアルミニウム板で遮ることができるアルファ (α)

身の回りの放射線 大地の放射線 ( 世界 ) ナノグレイ / 時 ( ミリシーベルト / 年 ) 実効線量への換算には 0.7 シーベルト / グレイを使用 UNSCEAR2008 年報告書 原 安全研究協会 活環境放射線 (2011 年 ) より作成

身の回りの放射線大地の放射線 ( 世界 ) ナノグレイ / 時 ( ミリシーベルト / 年 ) 実効線量への換算には 0.7 シーベルト / グレイを使用 UNSCEAR2008 年報告書原安全研究協会活環境放射線 (2011 年 ) より作成