万博公園探鳥会2012年度の記録

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1 (12 年 4 月 ~13 年 3 月 ) 2013 年 3 月 31 日 ( マヒワの群 : 有賀憲介 ) 1. 万博探鳥会 12 年度実績 年度探鳥会概要 年 ~12 年度観察記録からの特記 年 ~12 年度観察回数 集約吹田野鳥の会 / 日本野鳥の会大阪支部協力 ( 独 ) 日本万国博覧会記念機構 1

2 1. 万博探鳥会 2012 年度実績 主催 日本野鳥の会大阪支部 定例開催日毎月第 2 土曜日 9:30 自然文化園中央口集合 15:00 頃日本庭園東側で終了解散 年間探鳥会回数 12 回 探鳥会で観察した鳥 61 種 (11 年 61 種 ) 各回の観察種 20~42 種 (11 年 22~37 種 ) 年平均 31.0 種 / 回 (11 年 29.1 種 / 回 ) 探鳥会参加者数 596 人 (11 年 628 人 ) 各回の参加者 27~72 人 (11 年 12 人 ~78 人 ) 年平均 50 人 / 回 (11 年 52 人 / 回 ) 01~12 年観察種数 イ ) 探鳥会 1 回当り 31.0 種 (01~12 年 30.4 種 ) ロ ) 年間観察種数 61 種 (01~12 年 59 種 ) 2

3 2. 12 年度 (12/4~13/3) 探鳥会概要 月 / 日 観察種数 参加者数 天候 4/ 曇後晴 5/ 晴 6/ 雨後曇 7/ 晴 8/ 曇 9/ 曇一 時雨 コメント (4 月 ) 朝まで雨が残り参加者がやや少なかった 太陽の塔の前の芝生に珍しくケリが降り またこの時期観察できるニュウナイスズメが 50 羽以上が地上で採餌しており 初めて見た方は大喜びだった 天候が回復した午後には オオルリ ( ) センダイムシクイの囀り 終了間際にコサメビタキなど この時期にしては夏鳥も良く観察できた また アオジやツグミ類 ( 種不明 ) の囀りも楽しむことができた (5 月 ) 春の渡りの鳥や 公園内で繁殖した幼鳥などを期待しながら歩いた 主な夏鳥はセンダイムシクイ コサメビタキ キビタキで 大阪城公園などに比べると少ないが 苦労して見つけたキビタキや エナガ シジュウカラの可愛らしい幼鳥に歓声が上がっていた (6 月 ) この時期の楽しみは幼鳥たちとの出会い コゲラの幼鳥が親から給餌を受ける様子や ツバメの幼鳥 4 羽が枝に止まり 親鳥から代わる代わる何度も給餌を受けるほほえましい光景 エナガ シジュウカラなどの幼鳥も各所で観察できた 思いがけずキビタキが囀り やっと見つけた姿は枝の陰からの後ろ姿のみ また ハス池では久しぶりにカルガモの雛を見ることができたほか カイツブリも営巣中で来月が楽しみである (7 月 ) 毎年 7 月は年 1 回のゴミ拾い探鳥会で 火ばさみを持参した方も多く 皆さん鳥も見ずに一生懸命にゴミを拾って下さった 万博では観察機会の少ないゴイサギの若鳥 ( 星ゴイ ) を観察したほか エナガ シジュウカラ カワラヒワの幼鳥も観察できた また ずいぶん大きくなったカルガモの幼鳥の後を 親鳥が心配そうについて歩くほほえましい様子も観察できた (8 月 ) 観察できる種数が最も少なくなるこの時期 野鳥たちの様々な行動や 今年生まれの幼鳥の観察を楽しんだ ハシボソガラスが色づき始めたエノキの実を食べるさまや ハシブトガラスがアリの巣の近くで羽を広げて座って蟻浴するさまも観察できた また カワセミ ハクセキレイ セグロセキレイ シジュウカラの幼鳥を観察したほか 早くもカラ類 メジロ コゲラなどの混群も観察できた しかし暑さが厳しく また雷鳴がしてきたので 早めに探鳥会を切り上げた (9 月 ) 降水確率が 60% だった割には天気がよく持ってくれた 今日の主役は渡りの鳥 中でもコサメビタキの数が多く 1 箇所に複数羽いるところもあり また同時にエゾビタキもいたので両種の違いをじっくりと見比べることができた みずすましの池では カワセミがいつもの木に長い間止まってくれ 美しい姿を堪能することができた 10/ 晴 11/ 晴 12/ 曇時々晴 1/ 晴 2/ 晴 3/ 晴 (10 月 ) 先月に引き続き 今月も渡りの野鳥を中心に観察した エゾビタキ コサメビタキがよく観察できたほか ツツドリも間近で見ることができ 歓声が上がった ノビタキ 2 羽も愛想が良く 何度も目の前でポーズを決めてくれた また 早くも冬鳥のシメ アトリが姿を見せ 今シーズンの冬鳥に期待が膨らんだ (11 月 ) 各地の状況から今シーズンは冬の小鳥が面白そう との期待通り 開始早々 ヒガラ マヒワが出てくれた また ルリビタキ ジョウビタキ ツグミ アトリ シメなども観察することができた このまま万博公園に定着してほしいものだ また ビオトープの池では紅葉した木にカワセミが長い間止まってくれ その美しい姿に歓声が上がっていた (12 月 ) 寒さが厳しい上に時折強風が吹き 少し辛い探鳥会となりました それでも愛想の良いカワセミやジョウビタキに歓声が上がっていました 万博では久しぶりのキクイタダキを何とか見ることができたが 先週から入っているはずのウソには出会えませんでした また 傷病鳥の救護活動を行っている NPO 法人 日本バードレスキュー協会 の方が参加され 協会の活動内容の紹介と傷病鳥の餌代確保のための缶バッジの販売もありました たくさんの方々の協力により バッジはほぼ完売となりました (1 月 ) 今日はアトリ科の鳥が 6 種も観察できた シメやイカルの群のほか 野鳥の森で樹上や地上で採餌するウソをじっくりと また日本庭園でサルスベリの実をついばむマヒワを間近で楽しむことができた それに万博のスター カワセミがあちこちの池で何度も出てくれた 今月からチェックリストを鳥類目録改訂第 7 版に準拠して並べ替えたが 慣れるのに時間がかかりそうだ (2 月 ) 探鳥会開始とともに いきなりヒレンジャクの群が頭上を飛んた 先月に続き今月もアトリ科の鳥 6 種とカワセミがよく見られ 歓声を浴びていた マヒワが先月より数が多く 移動してきたと思われた 日本庭園の心字池では 万博では珍しい ( おそらく 2 度目 ) ミコアイサも観察できた 外周のクヌギに止まるアオバトを久しぶりに見たほか シジュウカラやヤマガラの囀りに 春が近いことを感じた (3 月 ) 数日前から急に気温が上がり 3 月上旬とは思えないほどの暖かさの中の探鳥会だった そろそろ渡りが始まっているのか この冬楽しませてくれたシメやマヒワなどの冬鳥の数が少なくなった また シジュウカラやヤマガラの囀り 巣材の羽毛を運ぶエナガなど 公園内での繁殖行動も観察できた 今シーズンは冬鳥が多く 例年ならまだ残っているはずのクロガネモチの実がもうなくなっていた 3

4 3. 01~12 年度観察記録からの特記 112 年度のトピックス イ ) ミコアイサ嬉しい事例です 01 年からの 11 年間の探鳥会で観察されていなかった鳥で 12 年に新しく観察された鳥は 2 月に日本庭園心字池で観察できたミコアイサ 万博探鳥会 28 年間では 91 年 12 月以来の 2 回目の記録になります ミコアイサは人馴れしない鳥なので 大きな池で人から離れ遠くにいるのを観察することが多い鳥 万博公園内の小さな池に来たことでびっくりしました いつも潜って餌の魚をとる潜水ガモなので 心字池でどんな魚を食べていたのでしょうか ロ ) ウソ久しぶりの観察も 嬉しさは中くらいです ウソはこの 10 年間で 05 年に観察したのみでしたが 今冬は各地にウソが出ているので 万博公園でも見たいと思っていました 期待通り1 月 2 月と続いて観察され 1 月は 6 羽もいて参加者の人気を集めました 大阪城公園では以前から春秋の渡り鳥や冬鳥に 餌場を作って鳥を集めて写される人が多かったのですが 万博公園にも伝染し餌場をつくるカメラマンが増えていました 今回 万博公園のウソもカメラマンのつくった餌場に魅せられ カメラマンや観察者が近くにいても平気でした そんな中 少し安心したことは カメラマンの餌場 ( 地上 ) だけでなく 樹上にいて悠々とアキニレの実を啄んでいるウソがいたことでした ハ ) ヒレンジャク木の実が残っていない理由の一つです 万博探鳥会では 2 月にヒレンジャク16 羽観察したのみでしたが 大阪近郊ではヒレンジャクの群が各地で観察されており ヒレンジャクが通過した後は 液果 ( トウネズミモチ ピラカンサ ナンテン クロガネモチ ) が皆無になるという状況があちこちで見られました 吹田市周辺にヒレンジャクが出没した1 月下旬 万博公園のテニスコート サッカー場 野球場など 外周各施設の周囲に植栽されたクロガネモチの状況を確認した所 数百本のクロガネモチに実が全く残っておらず ヒレンジャクの群が既に通過した後であることが伺われました 212 年度は冬鳥が回復 11 年度はどの種も少なかった冬鳥 今年は平均以上に回復しました 4

5 イ ) 万博公園で観察した主な冬鳥の個体数推移 ( 当年 11 月 ~ 翌年 3 月の 5 か月間 ) 01 年 02 年 03 年 04 年 05 年 06 年 07 年 08 年 09 年 10 年 11 年 12 年 平均 ルリビタキ ジョウビタキ ツグミ シロハラ アトリ マヒワ シメ アオジ 計 個体数 / 月 冬鳥が生息しているのは 11 月 ~3 月の 5 ヶ月間 主な冬鳥 8 種について 12 年間の個体数推移と平均値を示します 昨シーズン (11 年度 ) は極端に少なかったのですが 今シーズンは 8 種共に増加し 昨シーズンは全く観察できなかったマヒワ シメも多かったです 冬季 5 ヶ月間の観察種数平均も 種 / 月に増えており 年間観察種数増 (29 31 種 ) につながりました 特にマヒワは 表紙写真に示したように 探鳥会でのカウント数以上に多かったことが推定されます ロ ) ルリビタキ ジョウビタキ ルリビタキ ジョウビタキは愛らしいしぐさで人懐っこく 遠くへ飛び去ることが少ないので 一度見つけると見つづけることのできる小鳥です ルリビタキは林縁や渓流沿いに 一方ジョウビタキは住宅地など開けた明るい所に多い鳥ですが 万博公園には両種に適した環境があることから 毎冬観察されます ルリビタキ ジョウビタキとも昨年よりは観察数が増えていますが 特に ルリビタキ ジョウビタキ年度ごと推移 11 月 12 月 1 月 2 月 3 月 計 11 年度 年度 ジョウビタキの月別カウント数 ジョウビタキは 6 羽 / 月と この12 年間でのカウント数が最大となりました 月別に見ても冬の間コンスタントに観察できたことが分かります 5

6 ハ ) マヒワ アトリ冬鳥の一番の楽しみはアトリとマヒワ 大群で移動するため良くわかる冬鳥です 昨シーズンはマヒワ 0 羽 アトリも 42 羽に止まり さびしい冬になりましたが 今シーズンはアトリが少ないままですが マヒワは急回復 時には表紙写真のように大群に遭遇することがあり バードウォッチャーを楽しませてくれました 万博公園でのマヒワの主食はアキニレ それ以外でもハンノキ サワラ アメリカフウ サルスベリなどで見かけていましたが 今年初めてカツラの実に来ることも確認できました 3 冬鳥の木の実に対する影響 ( クロガネモチの実から ) ツグミ ヒヨドリ ムクドリ そしてレンジャクなど液果を好む鳥が木の実を食べる時 好みに順番があるようで 万博公園では黒色 ( クスノキ トウネズミモチ ) 黄白色 ( センダン ) 赤色 ( ピラカンサ類 ナンテン クロガネモチ ) の順に食べられると推定しています 11 年度は冬鳥が少なかったことから 最終ランナーであるクロガネモチへは 殆んど鳥が立寄らず 食べられないまま冬鳥シーズンが終わっていました 通常 液果の寿命は数カ月と推定されますが クロガネモチは実の寿命が長く これまでに鳥に食べられない年は翌年夏ごろまで残ることを観察していました 12 年度は 前 11 年のクロガネモチの実がほとんど手つかずに残っていたので 11 年の実がどうなるか バラ園南側レストラン裏のクロガネモチを継続観察することにしました その結果 12 年 12 月までは両方が併存 13 年 1 月に 12 年の実が先に無くなったものの 11 年の実がまだ残っており 完全に無くなっているのを確認したのは 13 年 3 月 9 日でした 11 年度は冬鳥が少なく 11 年の実が殆んど食べられなかったのに対し 12 年度は冬鳥が多く 12 年の実のみならず 前 11 年の実までも 2 月に食べ尽くされたことになります 11 年の実は 13 年 2 月なっても液果状態が保たれていたので 鳥は餌不足の状況からこの実も食べたようです すなわち クロガネモチは花後の 6 月に緑色の実ができ 11 月ごろ赤く熟した筈ですので 11 年の実は赤くなってから1 年 3 ヶ月後 生まれてからは 1 年 9 ヶ月後 ( 翌々年 3 月 ) に 液果としての天寿を全うしたことになります 6

7 ( 写真説明 ) 12 年 8 月 11 日 12 年の実は緑色 11 年の実が赤色 12 年 12 月 8 日 12 年の実が真っ赤 11 年の実は黄白色 13 年 1 月 24 日 12 年の実は鳥に食べられて無くなり 11 年の実だけが残る 13 年 3 月 9 日 残っていた 11 年の実も鳥に食べられて無くなる 7

8 4. 01~12 年度観察回数 科名 種名 01 年 02 年 03 年 04 年 05 年 06 年 07 年 08 年 09 年 10 年 11 年 12 年 トータル 1 24 カモ オシドリ オカヨシガモ ヨシガモ ヒドリガモ アメリカヒドリ マガモ カルガモ ハシビロガモ オナガガモ コガモ キンクロハジロ ミコアイサ カイツブリ カイツブリ ハト キジバト アオバト ウ カワウ サギ ゴイサギ ササゴイ アオサギ ダイサギ チュウサギ コサギ クイナ クイナ バン カッコウ ツツドリ アマツバメアマツバメ チドリ ケリ イカルチドリ コチドリ シギ ヤマシギ タシギ クサシギ イソシギ カモメ ユリカモメ セグロカモメ タカ ミサゴ ハチクマ トビ ハイタカ オオタカ サシバ ノスリ フクロウ フクロウ カワセミ カワセミ キツツキ コゲラ アカゲラ ハヤブサ チョウゲンボウ ハヤブサ カササギヒタキサンコウチョウ モズ モズ カラス カケス ハシボソガラス ハシブトガラス キクイタダキキクイタダキ シジュウカラヤマガラ ヒガラ シジュウカラ ヒバリ ヒバリ ツバメ ショウドウツバメ ツバメ

9 科名 種名 01 年 02 年 03 年 04 年 05 年 06 年 07 年 08 年 09 年 10 年 11 年 12 年 トータル ツバメ コシアカツバメ イワツバメ ヒヨドリ ヒヨドリ ウグイス ウグイス ヤブサメ エナガ エナガ ムシクイ メボソムシクイ エゾムシクイ センダイムシクイ メジロ メジロ ヨシキリ オオヨシキリ レンジャク キレンジャク ヒレンジャク ムクドリ ムクドリ コムクドリ ツグミ トラツグミ シロハラ アカハラ ノドグロツグミ ツグミ コマドリ ルリビタキ ジョウビタキ ノビタキ エゾビタキ サメビタキ コサメビタキ キビタキ オジロビタキ オオルリ スズメ ニュウナイスズメ スズメ セキレイ キセキレイ ハクセキレイ セグロセキレイ ビンズイ タヒバリ アトリ アトリ カワラヒワ マヒワ ベニマシコ ウソ シメ イカル ホオジロ ホオジロ カシラダカ ミヤマホオジロ アオジ クロジ 科名 種名 01 年 02 年 03 年 04 年 05 年 06 年 07 年 08 年 09 年 10 年 11 年 12 年トータル 計 年 02 年 03 年 04 年 05 年 06 年 07 年 08 年 09 年 10 年 11 年 12 年 年平均 年間観察種数 月平均観察種数 参加者数 ( 注 ) 種名順は 日本鳥学会発表の鳥類目録第 7 版日本産鳥類 (2013.9) による 9

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