岡山天体物理観測所の40年の歩みと将来について

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あかりおとじま
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1 国立天文台岡山天体物理観測所の現状と将来泉浦秀行国立天文台岡山天体物理観測所

2 立地と観測環境良く晴れる晴天率 40%( 国内最高レベル ) 昼だけでなく夜も晴れる ( 昼よりも夜に晴れる ) 雨の後の立ち直りが早いそこそこ空が暗い肉眼で天の川が見えるシーイングが良い 0.6 ~2.0 ( 平均 1.5 ) 自然災害が少ない ( 地震台風大雨など ) 以降本日までに有感地震 3 回

3 岡山天体物理観測所 50cm 反射望遠鏡 91cm 反射望遠鏡本館 ( 研究棟 ) 188cm 反射望遠鏡 1960 年開所標高 : 372 [m] 経度 : 東経 [ 度 ] 緯度 : [ 度 ] 65cm クーデ型太陽望遠鏡 ( 岡山天文博物館 )

4 188cm 大学共同利用年間約 240 日 188cm 望遠鏡 :GrubbParsons (UK) ドーム : 基礎 : 大成建設 : 上部構造 : 石川島播磨

5 91cm 望遠鏡日本光学 ( 現ニコン ) 国産の大型天体望遠鏡第 1 号 65cm クーデ型太陽望遠鏡日本光学 ( 現ニコン )

6 ガンマ線バースト専用可視 50cm 望遠鏡望遠鏡 : 中央光学 +OAO 光学系 : クラシカルカセグレン +コマ収差補正レンズ口径比 : F/6.5 焦点スケール : 63.5 arcsec/mm 視野 : arcmin 2 指向速度 : 8.6 deg. / sec フィルター : g Rc Ic 検出器 : Apogee 社 U6

7 188cm 望遠鏡による天文学研究 HIDES, ISLE, KOOLS 天体スペクトルの精密な測定による元素組成解析太陽系外惑星系の探索 (~50%) 星震学即時対応の観測 ( 光赤外大学間連携事業 ) による突発的天体現象の解明ガンマ線バースト追観測による遠方宇宙探査激変星天体の明るさの精密な測定による太陽系外惑星のトランジット観測

8 1997 年から 3 年ほどかけて製作を進めた高分散エシェル分光器 HIDES 10 万色を見分ける能力を持つ

9 共同利用 + 国際協力 EAPSNET (East-Asian Planet Search Network for G-Gaints) ~ 2m/s ~10 m/s ~10m/s ~8m/s Total : 650 個, Russia

16 個発見 @2011/11 末 HD100655 G9III 2.4 9.3 1.7 0.76 0.085 +0.

10 16 末 HD G9III OAO, BOAO HD G8III OAO,Xinglong

12 Cassegrain fiber input unit

13 高効率ファイバーフィード系入射部 ~440 um Fiber peripheral microlens

15 高効率ファイバーフィード系出射部

16 スリット観測とファイバー観測の最大スループット ( 全ての影響込み ) の比較実線はファイバー破線はスリット (web マニュアル ) HIDES-F による実際の観測でのスループットの分布数ヶ月にわたってモニタ観測した 2 つの星の例視線速度が比較的に安定している太陽型星の約 1 年間にわたるモニター観測の様子 σ~2 m/s の精度が出ていることが確認された ( 短期的には ~1 m/s)

17 ISLE (Near-infrared camera and spectrograph) 2008/05/26 17

18 ISLE がとらえた NGC1068 の J-band スペクトル長尾透氏と橋本哲也氏の厚意による ISLE がとらえた HAT-P-13b のトランジット食外域で求めた測光精度は 0.9 ミリ等級である成田憲保氏と福井暁彦氏の厚意による

19 KOOLS( 可視低分散分光撮像装置 ) 2010B~2011A 共同利用状況共同利用実績 : 1 課題 3 夜 ( 全 26 課題 226 夜 ) KOOLS 利用率 : 1% 面分光機能の検討 ( 見合わせ中 ) マルチファイバー + マイクロレンズアレイ 2010B~2011A 期の申し込み数の減少装置運用担当者の不在が影響か? 装置性能は今のところ維持されている

20 ガンマ線バースト専用可視 50cm 望遠鏡望遠鏡 : 中央光学 +OAO 光学系 : クラシカルカセグレン +コマ収差補正レンズ口径比 : F/6.5 焦点スケール : 63.5 arcsec/mm 視野 : arcmin 2 指向速度 : 8.6 deg. / sec フィルター : g Rc Ic 検出器 : Apogee 社 U6

21 将来?

22 今後の計画 65cm 再利用? 置き換え? 188cm 半自動惑星探索機能 ( 科研費 ) 新 3.8m 望遠鏡開発とドーム建設 91cm 近赤外線広視野時系列撮像サーベイ 10cm? 明るい星モニター望遠鏡その他外部望遠鏡受け入れ ( 例 : 東工大 30cm) 50cm 現状維持 (3 色同時自動観測 )

23 65cm 望遠鏡ドーム建物実験室等に有効利用中望遠鏡そのまま再利用? 別の望遠鏡に置き換え? 装置リトロー型グレーティング分光器再利用? 新装置開発? いずれにしても外部資金が必要

24 188cm 望遠鏡望遠鏡制御系改修 ( 平成 24 年度下半期の見込み ) 自動化率の向上による観測効率の向上大規模観測に必要なマンパワーの敷居を下げる装置 HIDES ファイバーフィード系開発 High Efficiency mode (R=5 万共同利用中 ) High resolution mode (R=9 万開発中 ) CCD 更新 ( 青高感度化赤高感度化 ) 統合型新装置?

25 岡山天体物理観測所 50cm 反射望遠鏡 91cm 反射望遠鏡本館 ( 研究棟 ) 188cm 反射望遠鏡 1960 年開所標高 : 372 [m] 経度 : 東経 [ 度 ] 緯度 : [ 度 ] 65cm クーデ型太陽望遠鏡 ( 岡山天文博物館 ) 3.8m 望遠鏡建設予定地

26 図 2.6 日本周辺の口径 3m 以上の望遠鏡日本周辺は空白域にあたる突発天体現象変光時間コメントガンマ線バーストブラックホール連星超新星激変星フレア星原始星 T タウリ星数秒 ~ 数十日数日 ~ 数か月数日 ~ 数か月数秒 ~ 数十日数秒 ~ 数日数秒 ~ 数日未だ起源は謎残光観測が正体究明に重要ブラックホールを含む連星系 X 線新星を含む恒星の終末の大爆発白色矮星を含む連星系新星矮新星など太陽フレアと同様のフレア巨大なものもある主系列星になる前の星のフレア

27 岡山 3.8m 新技術研削鏡 : 精密な砥石で鏡面を光学赤外線望遠鏡ガラス塊から削り出す計画複合鏡 :18 枚の鏡を合成して一枚の大きな鏡を作る軽量架台 : トラス構造の高度軸を持たない軽い架台以上の特徴を持つハイテク望遠鏡京大名大国立天文台 ( 株 ) ナノオプト二クスエナジー

28 表 5.2 光学系の主な諸元第 1ナスミス焦点第 2ナスミス焦点焦点距離 22.69m 22.66m F 比ナスミス引き出し量 1000mm 1006mm 視野 10 φ 1 φ プレートスケール 9.09/mm 9.10/mm 広視野補正光学系なしあり ADC ありなし

29 ドーム設計名古屋大 OAO 3.8m 望遠鏡望遠鏡鏡面製作技術ナノオプトニクスエナジー鏡面支持京都大架台名古屋大装置高速測光分光器可視近赤外同時面分光装置可視近赤外線撮像装置可視高分散分光器 (OAO?)

30 図 2.1 研削による反射鏡の製作扇形の鏡を左の黒いボックス中で高速回転している砥石で削って高精度面に仕上げていく ( 岡山 3.8m 新技術光学赤外線望遠鏡計画書 ) セグメント鏡 : 軸外し非球面

31 鏡面支持機構の実験 ( 京大岩室史英氏 web page より )

32 鏡面支持調整機構の実験 ( 京大岩室史英氏 web page より )

33 図 5.28 自己位相測定の方法焦点から照射した光の一部をハーフミラーで戻すことで 2 鏡面での干渉を調べる図 5.10 軽量架台センタセクションが無く主鏡セルを背面から直接支持する

34 岡山 3.8m 新技術光学赤外線望遠鏡計画名古屋大学

35 91cm 望遠鏡 =OAOWFC

36 OAOWFC の外観

37 OAOWFC: クライオスタット

主要な広視野近赤外カメラの視野単色 1 shot あたり D=0.91m OAOWFC: 0.92 0.

91m OAOWFC(E): 0.47 0.47 deg 2 D=3.8m WFCAM: 0.46 0.

38 主要な広視野近赤外カメラの視野単色 1 shot あたり D=0.91m OAOWFC: deg 2 D=4.1m VISTA: deg 2 D=0.91m OAOWFC(E): deg 2 D=3.8m WFCAM: deg 2 D=0.8m D=1.4m IRIS: deg 2 SIRIUS: deg 2 OAOWFC の視野は近赤外域で世界最大

39 OAOWFC(E) image of the Galactic Center Ks-band, exp=10s 28.5 arcmin 28.5arcmin

40 OAOWFC(E) image of M42 in Ks-band

41 OAOWFC(E) photometry of GP Andromedae in J-band 30 sec x 300 frames P= d GP And δ Scuti J= P= d

42 OAOWFC のサーベイ領域

43 GCVS Cepheid Distribution with newly discovered Cepheids P > 10d P < 10d Metzger+1998 NASA/JPL-Caltech/R. Hurt (SSC-Caltech)

44 Area OAOWFC will reach Below Horizon NASA/JPL-Caltech/R. Hurt (SSC-Caltech)

45 岡山天体物理観測所 50cm 反射望遠鏡 91cm 反射望遠鏡本館 ( 研究棟 ) 188cm 反射望遠鏡 1960 年開所標高 : 372 [m] 経度 : 東経 [ 度 ] 緯度 : [ 度 ] 65cm クーデ型太陽望遠鏡光赤外明るい星モニター望遠鏡 ( 岡山天文博物館 )

46 Iben & Renzini 1983

47 Mattsson+ (2007,AA,470,339) Solar Metallicity, ZAMS Mass: 2 Msun Total Mass: 1.22 Msun Core Mass: 0.59 Msun Piston velocity 4 km/s km/s

He (core/)shell flash を見出す He shell flash 100 年で元の 1/2 から 1/4 の明るさになり 100 年で元の 2 倍の明るさになり徐々に元の 1/2 の明るさになっていく AGB 星寿命 10^5~10^6 年に対しフラッシュ継続時間が約 100 年 1,000~10,000 の AGB 星を数十年間見ていると

48 He (core/)shell flash を見出す He shell flash 100 年で元の 1/2 から 1/4 の明るさになり 100 年で元の 2 倍の明るさになり徐々に元の 1/2 の明るさになっていく AGB 星寿命 10^5~10^6 年に対しフラッシュ継続時間が約 100 年 1,000~10,000 の AGB 星を数十年間見ていると徐々に暗くなるあるいは徐々に明るくなる星が 1 個見つかるだろうフラッシュに伴う質量放出現象の変遷を現代の観測技術によりつぶさに観察することで質量放出現象の正確な記述とその物理機構の理解が大きく進むはず AGB 星の He シェルフラッシュの捕捉は質量放出現象研究にブレークスルーをもたらす可能性がある He core flash 観測的にどのように見えるのか?

49 FY 2011(H23) 2012(H24) 2013(H25) 2014(H26) 2015(H27) 2016(H28) 188cm dome 188cm + Total repair applied + Control system renewal ongoing + Wire rope replace + Rotator renewal + Wire rope + Control system renewal replace + Control system renewal complete HIDES ISLE High Efficiency Fiber High Resolution Fiber Common Use Common Use CCD renewal? Collaboration research?? KOOLS Common Use? 91cm OAO-WFC 50cm Test Obs. System construction Automatic robotic operation Project Observation for 3 years Common Use observations in part Kyoto3.8m (Kyoto Univ.) Dome Design Dome Design & Construction Mirror Production & Mirror Support System Production Instrumentation Telescope Installation Telescope Commissioning Common Use 65cm??? 10cm? Mounting Mounting Camera/Operation

関係者各位平成 28 年 12 月 26 日国立天文台岡山天体物理観測所所長泉浦秀行京都大学大学院理学研究科 3.8m 望遠鏡計画ボード議長長田哲也 3.8m 望遠鏡に搭載を計画している観測装置についての情報提供のお願い下記のとおり京大岡山天文台 3.8m 望遠鏡 ( 仮称 ) に観測装置の

関係者各位平成 28 年 12 月 26 日国立天文台岡山天体物理観測所所長泉浦秀行京都大学大学院理学研究科 3.8m 望遠鏡計画ボード議長長田哲也 3.8m 望遠鏡に搭載を計画している観測装置についての情報提供のお願い下記のとおり京大岡山天文台 3.8m 望遠鏡 ( 仮称 ) に観測装置の関係者各位平成 28 年 12 月 26 日国立天文台岡山天体物理観測所所長泉浦秀行京都大学大学院理学研究科 3.8m 望遠鏡計画ボード議長長田哲也 3.8m 望遠鏡に搭載を計画している観測装置についての情報提供のお願い下記のとおり京大岡山天文台 3.8m 望遠鏡 ( 仮称 ) に観測装置の搭載を計画されている方は装置の情報提供をお願いいたしますまた関連研究者の方々にご周知頂けますようお願い申し上げます