Microsoft Word - Thunderbolt使用説明書.doc

Transcription

1 Trimble 社製 GPSDO Thunderbolt 使用説明書 V1.0 gps2map

2 目次 1. 概要 仕様 使用方法 電源 電源コネクタ ピン配置 電源品質 GPS アンテナ アンテナの種類 アンテナの設置位置 パソコンとの接続 モニタリングソフト 起動 シリアルポートの設定 メイン画面 位置測定 マニュアルでの位置設定 位置の変更 出力波形

3 1. 概要 Trimble 社製の GPSDO(GPS Disciplined Oscillator) Thunderbolt は内蔵した GPS 受信機により オーブンに入れられたクリスタル発振器 (OCXO) を制御し 高精度 低位相雑音の 10MHz および1Hz のクロック信号を出力する装置です 今回落札された製品は 元々 携帯電話の基地局用として装置に組み込まれていたもので 携帯電話の世代交代により 基地局設備の更新が行われ 結果として中古市場に出回るようになったものです 携帯電話の基地局用のクロックとしては GPS 電波が途絶えた際 OCXO 単独で発振周波数の精度を維持しなければなりません そのため この製品には高性能の OCXO が使われていて 出力される 10MHz クロックは非常に低い位相雑音となっています オーディオ用のクロックとして またカウンタやスペクトルアナライザなど測定器の外部クロックとして十分な性能を備えています 2. 仕様 この製品は OEM 商品のため この製品そのものの仕様は公開されていません ただ Trimble 社から Thunderbolt として市販されている商品があり そのマニュアルが参考になります そのマニュアルはこの使用説明書と同じ CDROM に ThunderBoltBook2003.pdf として格納されています このマニュアルに掲載されているボードの写真と本製品の内部写真 ( 写真 1) を比べると良く似ていますが 右上の OCXO が違っています Trimble 社としては出荷先の仕様に合わせて OCXO を変更して出荷していると考えられます このマニュアルに記載されている主な仕様は次のとおりです GPS 受信機 8チャンネル データ更新間隔 1 秒 1PPS 精度 GPS または UTC に対し 20nsec(1σ) 高調波レベル -40dBc max スプリアス -70dBc max 位相雑音 10Hz -120dBc/Hz 100Hz -135dBc/Hz 1kHz -135dBc/Hz 10kHz -145dBc/Hz 100kHz -145dBc/Hz ( 注 : 実際の位相雑音はこの値より低い ) 2

4 動作温度範囲 0 ~60 電源 +12V ±10% 最大電流 750mA リプル 75mVp-p 20mVrms 以内 +5V ±5% 最大電流 400mA リプル 50mVp-p 15mVrms 以内 -12V ±10% 最大電流 10mA リプル 75mVp-p 20mVrms 以内 消費電力 15W( 立上がり ) 10W( 定常状態 ) 出力 1PPS : BNC コネクタ 50Ω TTL レベル 10μsec 幅パルス 立上がりが GPS/UTC に同期している 10MHz: BNC コネクタ 50Ω 12.5dBm±2.5dBm サイン波 シリアル : Db-9 コネクタ RS232C 写真 1: 本製品の外観と内部 3

5 3. 使用方法 この装置を使用するには最低限 電源と GPS アンテナを接続する必要があります また 最初に使用する時はパソコンに接続してアンテナの現在位置を設定する必要があります 以下に述べる方法に従って接続して下さい 電源 アンテナ附属の場合は の説明は特に読む必要はなく それぞれの端子に電源とアンテナを接続して下さい 3.1 電源 電源コネクタ 装置に電源を供給するためのコネクタは附属品として付いていますが 更に必要な場合は 次の型番のもの もしくは同等品を入手して下さい メーカ :Molex ハウジング : ピン : 関西地区では大阪日本橋のデジットで入手できます ピン配置 コネクタのピン配置は次のとおりです 括弧内の色は右側写真の接続例の電線の色です ピン番号 電圧 1 +12V ( 赤 ) 2 Ground ( 黒 ) 3 +5V ( 緑 ) 4 +5V 5 Ground 6-12V ( 白 ) このうち 1,2,3,6 の 4 本接続すれば 動作します 電源品質 10MHz 出力信号の位相雑音が問題に なる場合は リプルやスプリアスの少な 4

6 い電源を接続する必要があります Thunderbolt に接続する電源の品質により 10MHz 出力の位相雑音が変化する例が に記載されています 日本のメーカの電源では次の製品が問題無い事を確認しています コーセル LDC30F-1 コーセル LCC30A GPS アンテナ アンテナの種類 GPS アンテナはアクティブアンテナと呼ばれる プリアンプを内蔵したアンテナが必要です Thunderbolt のアンテナ端子には 5V が出力されていますので プリアンプは 5V で動作する必要があります アンテナ側コネクタは F 型コネクタのプラグです アンテナのコネクタが F 型でない場合は 変換コネクタを使用して接続して下さい アンテナの設置位置 GPS アンテナを設置する場所は 少なくとも空が全体の 1/3~1/2 以上見渡せる場所でないと正常に受信できません まずはできるだけ空が多く見渡せる場所に設置し 実際の受信状況を見て 設置場所を移動 確定します 3.3 パソコンとの接続パソコンとの接続は DSUB9ピンコネクタとパソコンのシリアルポートを RS232C ケーブルで接続します ケーブルはオス-メスタイプが必要です シリアルポートが無いパソコンでは シリアル-USB 変換ケーブルを使用して接続して下さい 3.4 モニタリングソフトこの装置は 最初に使用する時に 必ず現在位置の設定をする必要があります 設定には CDROM に入っているモニタリングソフト Thunderbolt Monitor (Tboltmon.exe) を使用します 起動プログラムのインストールは特に必要なく Tboltmon.exe をダブルクリックする事で起動できます シリアルポートの設定起動後 次の画面が表示されます 5

7 この画面で RS232C ケーブルを接続したシリアルポートを指定します ケーブルがどのシリアルポートに接続されているか分からない時は デバイスマネージャを開き ポート (COM と LPT) を表示します 表示される通信ポートのうちのどれかに接続されているので 上記画面で指定してみてエラーが出ないポートを見つけます メイン画面 正常にシリアルポートが設定されると 次のメイン画面が表示されます 6

8 この画面の中央上部にある Critical Alarms の各項目が緑になっている事を確認します 緑でない場合は何らかの異常があります 電源が正しく接続されているかなどチェックします Minor Alarms の項目は最初はいくつかの項目が黄色になっていて GPS 衛星からの電波を正常に受信できるようになると緑に変わっていきます 位置測定メイン画面が表示されると プログラムは GPS 衛星からの電波を受信し アンテナの位置を測定します 位置の測定には 30 分以上かかりますので 次に電源を入れた時は位置測定を行わなくてもいいように測定した位置を保存するように設定します その設定は次のように行います メイン画面の Setup メニュをクリックし 表示される項目の中の Self-Survey をクリックします 次の画面が表示されます 位置を保存するには の Save をチェックします そして の Set Survey を押し Close ボタンを押せば 位置が保存されるようになります この後 位置測定が開始されます GPS 衛星からの電波の受信状況はメイン画面右側の Signal Levels の欄に表示されます SV の欄の数字は衛星の番号で 電波が一定以上のレベルで受信できてい る場合は緑になります この緑になった衛星数が 4 つ以上になると位置 測定を開始します 7

9 位置の測定が始まると メイン画面左側の Position の欄に数値が表示されるようにな ります 緯度 ( 度単位 ) 経度 高度 (m) 位置測定の進行度 (100% で完了 ) この位置測定の進行度が 100% になれば位置測定は完了です 開始から完了までの時間は GPS アンテナの設置位置により変わってきますが 早くても 30 分以上かかり 緑表示の衛星数が3 以下になる場合や衛星の配置が悪いとさらに長くなります メイン画面を見ていて 緑の衛星数が3 以下の時間が長い場合 アンテナの位置を現在の位置よりもっと空が良く見える位置に移動します そして 大体は緑の衛星数が4 以上になるようにします 位置測定の完了には最低 30 分 長い場合は数時間かかっても終わりません 1 日放置しておく事ができれば完了する確率は高くなりますが アンテナの位置によっては終わらない場合もあります その場合はマニュアルで位置を設定する必要があり 次項の マニュアルでの位置設定 により位置を設定して下さい 位置の測定が正常に終わると次の画面のように Minor Alarms の項目も全て緑になり ます 8

10 ただ 測定時期によっては Leap Second Pending の項目が黄色になる場合があります これは うるう秒の調整が行われるという予告であり 故障ではありません 調整が終わ れば緑になります マニュアルでの位置設定位置の自動取得ができない場合はマニュアルで位置を設定します 最初にアンテナの場所の緯度 経度 高度を取得します 緯度と経度はインターネット上にある緯度経度を求めるサイト等で取得します 緯度 経度は世界測地系での値を度単位で取得します 高度は国土地理院の地図を見て アンテナの設置位置に近い水準点の高度からおおよその高度を推定します 単位はmです ビルなど地上より高い場所にアンテナが設置されている場合は階数に応じて高度をプラスします 通常 1 階につき3~4m 程度をプラスします 緯度経度の取得サイト緯度経度を調べる [10 進数 ] Goecode Viewer 高度の取得サイト地図閲覧サービス ( ウォッちず ) 緯度 経度 高度が取得できましたら そのデータを入力します メイン画面の Setup メニュをクリックし 表示される項目の中の Position をク リックします 次の画面が表示されます この画面で 取得した緯度 経度 高度を入力し Set Accurate Positon を押し 次に 9

11 Close を押します これでアンテナの位置が設定され 出力信号が有効になります 位置の変更アンテナの位置を変更した場合は 再度位置設定を行う必要があります 再設定を行うには すでに保存されている位置を無効にした後 位置測定をやり直します 無効にするには メイン画面の Control メニュをクリックし 表示される項目の中の Factory Reset をクリックします これで 工場出荷状態に戻りますので 再度 位置測定 の操作を行います 3.5 出力波形位置測定が正常に終了すると 10MHz および1PPS の出力信号の精度が仕様の精度内になります 出力波形は次の画像のように 10MHz のサイン波と1Hz の 10μsec のパルスです 10

12 11

13 以上 12