ESD21 IT トレンド フォーラム ( 15.12.12) 1 IoE の動向と JTEKT の取組み 株式会社ジェイテクト工作機械メカトロ事業本部メカトロ制御技術部部長青能敏雄
1. お客様の動向 2 2018 年にかけて自動車メーカーが多くの新技術 新車種を市場に投入 自動車業界の大規模リコールの反省から ものづくり改革に取り組むお客様が増加 品質第一 1 個流し 小さく生んで大きく育てる サプライチェーンマネジメント トレサビリティの強化 生産財メーカーが直面するキーワード 技能者だけに頼らないモノづくり 寄せ止め 工場再編 フレキシブル生産 安定化取組み ( 精度 信頼性など ) 工法改革 (FB スカイビング ハードターニングなど ) Industry 4.0 (IoE M2M など )
2.IoE とは 3 IoT(Internet of Thing) とは 直訳すると モノのインターネット であり あらゆるモノがインターネットに繋がることを言う これに対して JTEKT は Internet of Thing の Thing( モノ ) だけではなく 人 サービスなどのコトも含めた全てをつなげることを目指し IoE(Internet of Everything) と言っています そして つなげることやデータをやりとりをすることが目的ではない つなげて やりとりするデータから新たな価値を創出することが本質としてとらえています
2.IoE とは 2.1 IoE のステップ 4 モノ コト あらゆるモノがインターネットにつながる 500 億台 (2020 年予測 ) データ収集 大量 多種類 多頻度 ( リアルタイム ) でデータを収集 分析 40ZB (2020 年予測 ) 1ZB( ゼタ )=1024EB( エクサ ) 1EB( エクサ )=1024PB( ペタ ) 1PB( ペタ )=1024TB( テラ ) 1TB( テラ )=1024GB( ギガ ) 1GB( ギガ )=1024MB( メガ ) 1MB( メガ )=1024KB( キロ ) データ分析価値創出 データ分析により価値を創出 ものづくり革新生産拠点の最適化 ( 需要地生産 + リスクヘッジ ) SCMにより生産情報をサプライチェーン全体で共有 BCP 策定のためにモノの動きを見える化 メーカーの工程監査に対応するためのトレサビ情報の電子化 マーケッティンク 強化 製品 サーヒ ス付加価値向上顧客接点強化 (web コールセンター 営業現場等 ) 新製品 サービス開発 業務オペレーション最適化 業務オヘ レーションの効率化 自動化による生産性向上
2.IoE とは 2.2 IoE の進化のレベル 5 レベル内容時期レベルⅠ 個別機器を独立して使用 IoT ( スタンドアロンの進化レベル ) 90 年代後半 レベル Ⅱ レベル Ⅲ レベル Ⅳ 一部機器がネットワークに接続され デジタルデータの流通が開始 ( ネットワーク化 ) データ集積 集計 処理といった機能が 個別の端末からネットワーク上のデータセンター等へ移行 ( クラウド化 ) 実世界をデジタルデータに変換し そのデータを処理した上で 現実にフィードバックするというループの発生 (CPS) レベル Ⅴ AI による価値創造と完全自律 自働化今後 00 年代前半 00 年代後半 10 年頃 現在はまさにレベル Ⅳ の CPS の実現という段階に位置している 実世界とサイバー空間との相互連関である CPS (Cyber Phisical System) が 社会のあらゆる領域に実装され 大きな社会的価値を生み出していく社会こそが これからの目指すべき情報化社会であり こうした CPS によるデータ駆動型社会を我が国が世界に先駆けて実現していくことが 新たな情報革命によって激化する国際競争において我が国経済が競争力を保っていく上で重要である ( 出所 ) 平成 27 年 4 月産業構造審議会商務流通情報分科会情報経済小委員会資料より
2.IoE とは 2.3 製造業における IoE 6 モノ コト データ収集 データ分析価値創出 センサ技術 バッテリ技術の進化によるセンサの低コスト化 データ蓄積インフラ ( サーバ クラウド ) ネットワーク技術の進化 ビッグデータ解析 AI 技術の進化 R などの汎用解析ツールの台頭 世界の動向 製造プロセスに IoE CPS が浸透して ものづくりを変革しようとしている 主要国 / 会社ビジョン / プロジェクト概要 米国 /GE Industrial Internet ビッグデータによる予兆管理 可動最適化 遠隔 監視 ( データ起点 ) ドイツ / 産学連携 SIEMENS,Bosch,SAP 等 日本 / 産学連携トヨタ自動車,JTEKT 等 Industrie4.0 ロボット革命イニシアティブ協議会 Industrial Valuechain Initiative(IVI) 製品開発 製造プロセスの高度化垂直統合 水平統合 ( 工場起点 ) IoT 時代の到来を見据えたロボット新時代への世界の中でのイニシアティブの発揮 バリューが世界の隅々にいきわたるしくみ
3. 世界の動向 3.1 米国 Industrial Internet 7 第 1 の波 産業革命 機器と工場から生まれた規模と範囲の経済性 (18 世紀 ~20 世紀 ) 第 2 の波 インターネット革命 コンピューティングパワーと分散情報ネットワークの台頭 (20 世紀後半 ) 第 3 の波 Industrial Internet 機器ベースの分析 : 物理ベース 深い専門知識 自動化 予測 (2030 年頃 ) GE Industrial Internet (2012.11.26) アナリティックスの自動化と 実体に基づいた深いドメインごとの経験の蓄積による予測や自動化によって起こる変革 推進母体 Industrial Internet Consortium 米企業 5 社 (GE Cisco AT&T IBM Intel) が 2014.3 月に設立目的は 標準化の要件の明確化 共通アーキテクチャーの定義対象産業はエネルギーとインフラ ヘルスケア 製造業 行政 交通 通信機器ネットワーク分析ソフトセンサー 半導体
3. 世界の動向 3.2 ドイツ Industrie4.0 8 第 1 次産業革命蒸気機関による自動化 (18 世紀後半 ) 第 2 次産業革命電力の活用 (20 世紀 ) 第 3 次産業革命コンピュータによる自動化 (1980 年代以降 ) 第 4 次産業革命 Industrie4.0 (2030 年頃 ) Industrie 4.0(2012 年閣議決定 ) Industrie 4.0 戦略とは モノとサービスのインターネット (Internet of Things and Services) の製造プロセスへの応用により 生産プロセスの上流から下流まで垂直方向にネットワーク化し 注文から出荷までリアルタイムで管理される複数のバリューネットワークも水平に結ばれることで 第 4 次産業革命 が生まれるとの考え方を反映した命名である 推進母体 ドイツ機械工業連盟 (VDMA) ドイツ情報技術 通信 ニューメディア産業連合会 (BITKOM) ドイツ電気電子工業連盟 (ZVEI) を事務局とする産学連携プラットフォーム ( 出所 ) 経産省平成 27 年 4 月 IoT によるものづくり変革
4.JTEKT の IoE 4.1 JTEKT の IoE 技術 IoE を実現する制御機器 1. データを発信するセンサー 2. データを蓄積するハードウェアと解析するソフトウェア 3. この間をつなげる通信技術 IoE により付加価値を向上する工作機械 IoE を実証するものづくり工場 JTEKT のスマート工場化取り組み 生産の IoE 保全の IoE 品質の IoE のご提案 ベアリング 自動車部品 工作機械メカトロ
4.JTEKTのIoE 10 4.2 垂直連携 水平連携に対する取組み ERP 基幹システム 基幹システム JTEKT Digital engineering Jshare 水平連携 PLM(価値創造軸) SMART 垂 製品 直 設計 連 携 設備 ライン 工場の見える化 つ な 品質のIoE が 生産のIoE る 保全のIoE 軸 生産 設計 生産管理 在庫管理 販売 管理 SINOC 保守 保全 アフターサービス MES 製造実行システム SCADA 生産監視制御システム PLC 機器制御装置 TOYOPUC TIPROS 生産マネージメント システム I/O ロボット FA AI機器など TIPROS:Toyoda Integrated Product System 注)TOYOPUC,TIPROSはJTEKTの登録商標です
4.JTEKT の IoE 4.3 垂直連携 水平連携に対する取組み ( 垂直連携 ) TOYOPUC の歴史 (PLC) 1970 年代 1980 年代 1990 年代 11 TOYOPUC-0 TOYOPUC-M TOYOPUC-PC1 TOYOPUC-PC2 ネットワーク化 オープンネットワーク化 TOYOPUC-PC2J TOYOPUC-PC3J マイコン搭載 応用命令実行可能 自己診断機能の付加 PLC 間リンク マイコン +DSP 処理分散 ( 基本命令と応用命令処理を分離 ) 大容量メモリ搭載 2000 年代 さらなる高速 高精度制御への対応 TOYOPUC-PC10G 高速演算 大容量 PLC マルチ言語対応 (SFC ラタ ー FB) アドオンコンセプト TOYOPUC-Plus 2010 年代 IoE 対応 TOYOPUC-Nano TOYOPUC-AAA 注 )TOYOPUC は JTEKT の登録商標です 小型ボード PLC ビッグデータ蓄積 解析モジュール
4.JTEKT の IoE 4.3 垂直連携 水平連携に対する取組み ( 垂直連携 ) TOYOPUC の歴史 ( アドオンコンセプト ) 12 1 小規模設備には最少構成 ( ボード 1 枚 ) で制御 メモリモジュール I/O モジュール 性能アドオン 2IO ボード リモート IO 通信ボードを追加することで設備の機能拡張が可能 TOYOPUC-Plus 3 上位通信ボードを追加することで設備ライン拡張が可能 FLnet DeviceNet( 注 1) CC-Link( 注 2) Ethernet/IP( 注 1) EtherCAT( 注 3) ネットワークアドオン ( つながる ) モーションモジュール機能アドオン安全 PLCモジュール (Plus-Safety) 注 1)ODVA の登録商標です注 2) 三菱電機 の登録商標です注 3)Beckhoff Automation GmbH の登録商標です
4.JTEKT の IoE 4.3 垂直連携 水平連携に対する取組み ( 垂直連携 ) 見える化 の歴史 ( 生産マネジメントシステム ) STEP2 可動モニタで統計的に設備の弱点を 見える化 可動モニタ ( クライアント PC) STEP1 アンドンで現在のライン状況を 見える化 アンドン 保全モニタ 13 社内ネットワーク 事務所 可動モニタ ( サーバー PC) 保全モニタ PC 工場 工場 工場 生産管理坂状態履歴画面 ( ゾーン単位 ) TIPROS Toyoda Integrated Product System 注 )TIPROS は JTEKT の登録商標です
4.JTEKT の IoE 4.4 スマート工場づくりに向けた提案 IoE によるスマート工場づくり 14 誰でも安定した加工が可能設備単体 誰でもわかる 次の手が打てる工場全体 簡単操作簡単プログラミング 高い生産性 安心安定高精度加工 動作 異常の見える化 劣化の見える化 生産の見える化ネック工程がわかる IoE を実現する HMI 究極の簡単操作 安心のリモート診断 IoE を実現する PLC ns の性能 ビッグデータ処理モジュール IoE を実現するソフトウェア 独自解析エンジンによる兆候管理 加工品質の維持 切削ソ ーン (FH630SXi) 切削ソ ーン (FH630SXi) 研削ソ ーン ( カムライン GC20Mi) 生産マネーシ メントシステム ( カムライン ) ホームホ シ ション ( 第 1 工場 ) 保全のIoE 品質のIoE 生産のIoE 生産のIoE FMS ライン ( 第 1 工場 FA800S) 保全の IoE
4.JTEKTのIoE 15 4.4 スマート工場づくりに向けた提案 IoEを実現するHMI 簡単 安心 つながる 画面例 機能 J-Operate 概要 スマホ感覚操作 J-Navigate かんたん操作の実現 TOYOPUC-Touch HMI:Human Machine Interface J-Support 設備状態の見える化 J-Care IoEを活用した設備診断 J-Upgrade 操作盤アップグレードサービス リモート診断 E-mail正確診断 リアルタイムモニタ で設備診断 サービスコール オペレータ
4.JTEKT の IoE 4.4 スマート工場づくりに向けた提案 16 IoE を実現する PLC IoE の技術キーワード 1 情報発信 処理速度 速 リリース 2016 年 2 月 通信 演算モジュール内蔵高速 PLC TOYOPUC-Nano TOYOPUC-AAA 従来型 PLC IoE を実現するソフトウェア 進化 大量のデータがつながる 独自解析 / 予測エンジン ( 開発中 ) 2 つながる TOYOPUC-PC10G アドオン型 3 ビッグデータ処理 ボード型 PLC TOYOPUC-Plus 既設機他メーカ設備につながる 手組み設備自動設備ライン制御 設備規模 大
5. 日本の動向と IoE の進化 5.1 日本再興戦略改訂 2015 17 ( 出所 ) 首相官邸 HP より
5. 日本の動向と IoE の進化 5.2 ロボット革命イニシアティブ協議会 18 1. 主旨 ねらい 1 世界のロボット イノベーション拠点としての日本 ロボット創出力の抜本的強化 2 世界一のロボット利活用社会 3IoT 時代の到来を見据えたロボット新時代への世界の中でのイニシアティブの発揮 を目指す 2. 会員リスト ( 全 328 会員 : 15.10.8 現在 ) 企業 (182) ロボットメーカ 安川電機 川崎重工業 不二越 FANUC ダイヘン デンソーウェーブ 工作機械メーカジェイテクト DMG 森精機 オークマ ヤマザキマザック 自動車メーカ トヨタ自動車 マツダ 日産自動車 本田技研工業 トヨタグループ デンソー 豊田中央研究所 ( トヨタ自動車 ジェイテクト ) 制御機器メーカ FANUC 三菱電機 オムロン 富士電機 IDEC ( ジェイテクト ) 海外メーカ SAPジャパン シーメンスジャパン インテル ボッシュ ベッコフオートメーション 事業団体 (95) 日本機械学会 日本工作機械工業会 製造科学技術センター他 大学 研究機関 (10) 科学技術進行機構 産業技術総合研究所 情報通信研究所 個人 (41) 神奈川県知事 各企業 各大学
5. 日本の動向と IoE の進化 5.3 IVI(Industrial Valuechain Initiative) 19 1. 主旨 ねらい ものづくりと IT が融合して新しい社会をデザインし あるべき方向に向かわせるための活動において それぞれの企業のそれぞれの現場が それぞれの立場で 等しくイニシアチブをとるためのフォーラム IT によって モノと情報を介した人と人との係わり方 作る人と使う人との関係性を 改めて問い直し バリューが世界の隅々にいきわたるしくみを目指す 2. 会員リスト ( 全 87 社 : 15.8.31 現在 ) 正会員 (56) 工作機械メーカジェイテクト オークマ ヤマザキマザック コマツ 中村留自動車メーカトヨタ自動車 マツダ 日産自動車 本田技研工業 2. 会員リスト ( 全トヨタグループ 87 社 : 15.8.31 デンソー 豊田中央研究所 現在 ) ( トヨタ自動車 ジェイテクト ) 制御機器メーカ三菱電機 オムロン 富士電機 横河電機 ( ジェイテクト ) サポート会員 (14) ベッコフオートメーション たけびしその他賛助会員 (7) 学術会員(10: 法政 東京 慶應義塾 神戸 立命館 筑波 東京理化大学他 ) M2M M2P P2M P2P
6. 今後の IoE の進化 6.1 IoE の進化のレベル 20 レベル内容時期 レベル Ⅰ 個別機器を独立して使用 ( スタンドアロン ) 90 年代後半 レベル Ⅱ レベル Ⅲ レベル Ⅳ 一部機器がネットワークに接続され デジタルデータの流通が開始 ( ネットワーク化 ) データ集積 集計 処理といった機能が 個別の端末からネットワーク上のデータセンター等へ移行 ( クラウド化 ) 実世界をデジタルデータに変換し そのデータを処理した上で 現実にフィードバックするというループの発生 (CPS) レベル Ⅴ AI による価値創造と完全自律 自働化今後 00 年代前半 00 年代後半 10 年頃 AI( 人工知能 ) 機械学習 ニューラルネットワーク ディープラーニング
6. 今後の IoE の進化 6.2 トヨタ自動車様の動向 トヨタが AI 研究参入 1200 億円投資米に新会社 2015.11.7 日本経済新聞より トヨタ自動車は2016 年 1 月に人工知能 (AI) の研究開発を担う新会社を設立する 米シリコンバレー日本社を置き 5 年間で10 億ドル ( 約 1200 億円 ) を投じる AIにはグーグルなど米 IT( 情報技術 ) 大手が重点投資している トヨタも本格的な研究体制を整え 自動車やロボットなど幅広い分野での応用を目指す AIとビッグデータが要素技術となり 生活や社会を大きく変える可能性を秘めている 自動まさに 日本のIoEレベルも車に加え さま々な産業を支える 6 日に開いた記者会見で トヨタの豊田章男社長はAIの重要性を強調した レベルⅤに突入すべき時期 トヨタはAIの有力研究機関である米スタンフォード大学に近い米カリフォルニア州パロアルト市に トヨタ リサーチ インスティテュート を設立する 米ボストンや東京にも拠点を開く予定だ 当面 200 人の研究者を確保することを目指す 新会社の最高経営責任者地球規模で協調領域を考えるべき (CEO) には米国防総省の国防高等研究計画局 (DARPA) でロボットコンテストの運営に携わったギル プラット氏を招く AI 研究の第一人者である同氏の人脈や知名度を活用し 採用などを有利に進めたい考え プラット氏は6 日 安全 アクセシビリティー ( 高齢者や障害者らの利用しやすさ ) ロボットの3 分野で研究に取り組む と述べた トヨタは幅広い分野で活用が見込まれているその過程で欧米に対抗できる AIを 生き残りに不可欠な技術 ( 豊田社長 ) と見る 自動車各社が実用化を競う自動運転などの安全技術は人間の行動を補完 代替する日本版 Industrie4.0を確立 AIが鍵を握っており 出遅れれば他社に主導権を握られかねない 介護ロボットや ビッグデータ分析による生産の効率化なども有力な応用分野だ ( 後略 ) この分野では年間 1 兆円規模の研究開発投資を続けるが一段と激しくなりそうだ 21
6. 今後の IoE の進化 6.3 まとめ 22 JTEKTはロボット革命イニシアティブ協議会 IVIへ参画しながら 工作機械業界 制御機器業界 そしてものづくり産業界の中心となって 日本のIoEを牽引していきます JTEKT は機器を提供するのではなく 価値を提供していきます
ご清聴ありがとうございました