Oracle Database 11g Direct NFS Client

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Transcription:

Oracle Database 11g Direct NFS Client Oracle ホワイト ペーパー 2007 年 7 月

ご注意 : 本書は オラクルの一般的な製品の方向性を示すことが目的です また 情報提供を唯一の目的とするものであり いかなる契約にも組み込むことはできません 下記の事項は マテリアルやコード 機能の提供を確約するものではなく また 購買を決定する際の判断材料とはなりえません オラクルの製品に関して記載されている機能の開発 リリース および時期については 弊社の裁量により決定いたします Oracle Database 11g Direct NFS Client 2

Oracle Database 11g - Direct NFS Client はじめに... 4 Oracle Direct NFS Client の概要... 4 Oracle Direct NFS Client の利点... 4 Oracle Direct NFS Client - パフォーマンス スケーラビリティ 高可用性... 5 Oracle Direct NFS Client - コスト削減... 5 Oracle Direct NFS Client - 管理のしやすさ... 5 Oracle Direct NFS Client の構成... 6 Oracle Direct NFS Client - パフォーマンス調査... 7 パフォーマンス調査の概要... 7 パフォーマンス調査 - データベースの概要... 8 パフォーマンス調査 - DSS 形式のパフォーマンス分析... 8 スケーラビリティの向上... 9 異機種の NIC の " ボンディング "... 9 リソース利用の軽減... 10 パフォーマンス調査 - OLTP パフォーマンス分析... 12 パフォーマンス調査 - サマリー分析... 13 結論... 14 Oracle Database 11g Direct NFS Client 3

Oracle Database 11g - Direct NFS Client はじめに ネットワーク接続ストレージ (NAS) システムは 企業内のデータ センターで一般的になっています この幅広い使用の大きな要因は ブロック プロトコルのストレージ エリア ネットワーク (SAN) テクノロジ (FCP SAN および iscsi SAN など ) と比較した場合のシンプルなストレージ プロビジョニングと安価な接続性モデルです クラスタ型 NAS などの新たなテクノロジは Direct Attached Storage(DAS) では利用できない高可用性を提供します また 近年 NAS 製品の価格は 大幅に下がっています 通常 NAS 製品とクライアント システムは ネットワーク ファイル システム (NFS) プロトコルを通じて通信します NFS を使用すると クライアント システムは 基本となるストレージがクライアントに直接接続されているかのように ネットワーク上のファイルに簡単にアクセスできます クライアント システムは オペレーティング システムが提供する NFS ドライバを使用して クライアントと NFS サーバーの通信を容易にします この方法は普及しましたが パフォーマンスの低下や複雑な構成の要件などの欠点によって データベース ストレージに NFS および NAS を使用する利点が制限されました Oracle Database 11g Direct NFS Client は Oracle ソフトウェアに直接 NFS クライアント機能を統合します この統合によって Oracle と NFS サーバー間の I/O パスを最適化して パフォーマンスを大幅に向上させることができます また Oracle Direct NFS Client は データベース ワークロードの NFS クライアント構成のパフォーマンス最適化を簡素化 ( 多くの場合 自動化 ) します Oracle Direct NFS Client の概要 オペレーティング システムが提供する標準的な NFS クライアント ソフトウェアは Oracle Database のファイル I/O アクセス方式で最適化されません Oracle Database 11g を使用すると オペレーティング システム カーネルの NFS クライアントではなく Oracle Direct NFS Client で Oracle Database を構成して NFS V3 NAS デバイスに直接アクセスできます Oracle Database は 統合された Oracle Direct NFS Client を通じて直接 NFS サーバーに格納されているファイルにアクセスします このため オペレーティング システム カーネルの NFS によるオーバーヘッドが発生しません これらのファイルは オペレーティング システム カーネルの NFS クライアントを通じてアクセスすることもできます このため シームレスな管理が可能になります Oracle Direct NFS Client の利点 Oracle Direct NFS Client は Oracle Database での NFS の使用に関連する多くの課題を解決します Oracle Direct NFS Client は 従来の NFS クライアントより優れてい Oracle Database 11g Direct NFS Client 4

ます 構成しやすく すべてのハードウェアおよびオペレーティング システム プラットフォームの標準的な NFS クライアント実装を提供します Oracle Direct NFS Client - パフォーマンス スケーラビリティ 高可用性 Oracle Direct NFS Client には スループットおよび全体のパフォーマンスを向上させる 2 つの基本的な I/O の最適化が含まれます 1 つ目は オペレーティング システム レベルのキャッシュを無視してオペレーティング システムの書込み順序ロックを行わないダイレクト I/O を同時実行できることです SGA およびオペレーティング システム キャッシュに Oracle データをキャッシュするシナリオが不要になるので メモリー消費量が少なくなります また オペレーティング システム キャッシュから SGA にデータをコピーするカーネル モードの CPU コストが不要になります もう 1 つは I/O リクエストの送信中および処理中に処理を続行できる非同期 I/O を実行することです このため Oracle Direct NFS Client は Oracle Database ソフトウェアとの緊密な統合を活用して オペレーティング システム カーネルの NFS クライアントと比較して高いパフォーマンスを実現します Oracle Direct NFS Client は 従来の NFS よりも優れているだけではなく システム リソースの使用も少なくなります 詳細なパフォーマンス分析の結果は このホワイト ペーパーの後半で説明します 現在 Oracle Direct NFS Client は スケーラビリティおよび高可用性を提供する最大 4 個のパラレル ネットワーク パスをサポートします Oracle Direct NFS Client は 指定されたすべてのパスのリクエストの自動的なロード バランシングを実行して パフォーマンスを最適化します 1 つのネットワーク パスに障害が発生すると Oracle Direct NFS Client は 残りのパスにコマンドを再発行して フォルト トレランスと高可用性を確保します Oracle Direct NFS Client - コスト削減 Oracle Direct NFS Client は ストレージ接続にシンプルなイーサネットを使用します これによって 高価で冗長なホスト バス アダプタ (Fibre Channel HBA など ) や Fibre Channel スイッチが不要になります また Oracle Direct NFS Client はマルチ パス I/O を内部的に実装するので パフォーマンスまたは可用性のためにボンディングされたネットワーク インタフェース (EtherChannel および 802.3ad Link Aggregation など ) を構成する必要がありません この結果 ほとんどの NIC ボンディングで高度なイーサネット スイッチ サポートを必要とする中 追加のコストが削減されます Oracle Direct NFS Client - 管理のしやすさ 多くの点で NFS を使用した Oracle Database のストレージのプロビジョニングは 他のネットワーク ストレージ アーキテクチャよりも容易です たとえば NFS を使用すると ストレージ固有のデバイス ドライバ (Fibre Channel HBA ドライバなど ) を購入 構成 および保守する必要がありません ホスト ベースのボリューム管理またはホスト ファイル システムの保守も必要ありません また 特に重要な点は RAW デバイスのサポートが不要なことです NAS デバイスは 最適化されたファイル システムを提供します データベース サーバー管理者は ホストにファイル システムをマウントするだけです このため すべての Oracle ファイル タイプをサポートするシンプルなファイル システム アクセスになります Oracle Direct NFS Client は NFS を簡素化するこの簡潔さに基づいて構築されています Oracle Database 11g Direct NFS Client 5

オペレーティング システム カーネルの NFS 管理のおもな課題として 異なるプラットフォーム間の構成管理の非一貫性があります Oracle Direct NFS Client は Oracle Database によってサポートされるすべてのプラットフォームに標準の NFS クライアント実装を提供して この問題を解決します これによって Windows などの NFS をネイティブにサポートしないプラットフォームでも NFS を実行可能なソリューションとして使用できます NFS は 共有ファイル システムなので 単一インスタンス データベースと Real Application Cluster(RAC) データベースをサポートします Oracle Direct NFS Client を使用しない場合 管理者は NFS クライアント構成に特別に注意して RAC データベースの安定した環境を確保する必要があります Oracle Direct NFS Client は RAC 構成の一部であるインスタンスを認識し RAC のマウント ポイントを自動的に最適化します このため 管理者は NFS パラメータを手動で構成する必要がありません また Oracle Direct NFS Client は Oracle Database サーバーからストレージへの I/O パスがシンプルなルーティングできないプライベート ネットワークで NIC のボンディングが不要なため 非常にシンプルなネットワーク構成になります Oracle Direct NFS Client の構成 Oracle Direct NFS Client を使用するには NFS ファイル システムを最初にマウントして 通常の NFS マウントで使用できるようにする必要があります Oracle Direct NFS Client はインストール後に構成を管理するので ファイル システムのマウントに使用されるマウント オプションは 関係ありません Oracle Direct NFS Client は 新しい構成ファイル 'oranfstab' またはマウント タブ ファイル (Linux の /etc/mtab) を使用して NFS ストレージ デバイスのマウント ポイント設定を決定できます 同じ NAS デバイスを使用する複数の Oracle インストールが存在する場合 マウント タブ ファイルで Oracle Direct NFS Client を構成するのが望ましいかもしれません Oracle は 最初に 単一データベースの Oracle Direct NFS Client 設定を指定する $ORACLE_HOME/dbs/oranfstab のマウント設定を検索します 次に ホストのすべての Oracle データベースで使用できる NFS マウントを指定する /etc/oranfstab の設定を検索します 最後に マウント タブ ファイル (Linux の /etc/mtab) を読み取って 使用できる NFS マウントを識別します 重複するエントリが構成ファイルに存在する場合 Oracle Direct NFS Client は 検出した最初のエントリを使用します 以下の例 1 は oranfstab のエントリの例を示しています Oracle Direct NFS Client を有効にするには 標準の Oracle Disk Manager(ODM) ライブラリを Oracle Direct NFS Client をサポートするライブラリに置き換える必要があります 以下の例 2 は Oracle Direct NFS Client ODM ライブラリを有効にするコマンドを示しています Oracle Database 11g Direct NFS Client 6

例 1: サンプルの oranfstab ファイル 例 2:Oracle Direct NFS Client ODM ライブラリの有効化 Oracle Direct NFS Client - パフォーマンス調査 この項では オペレーティング システム カーネルと Oracle Direct NFS Client のパフォーマンスの比較結果を取り上げます 異なるタイプのワークロードで Oracle Direct NFS Client のパフォーマンスを評価するため 調査では OLTP ワークロードと DSS ワークロードの両方を使用しました パフォーマンス調査の概要 以下のテスト システムが このテスト用に構成されました DSS テスト システム : このテストでは Linux を実行している 4 ソケットでデュアルコアの x86_64 対応データベース サーバーをエンタープライズ クラスの NAS デバイスに 3 ギガバイト イーサネットのルーティングできないプライベート ネットワークを通じて接続しました OLTP テスト システム : このテストでは Linux を実行している 2 ソケットでデュアルコアの x86 対応データベース サーバーをエンタープライズ クラスの NAS デバイスに 1 ギガバイト イーサネットのルーティングできないプライベート ネットワークを通じて接続しました 両方のテストのデータベース ソフトウェアには Oracle Database 11g が使用されました NFS ファイル システムをマウントした後 テスト データでデータベースを作成およびロードしました データベースのスループットは オペレーティング システム カーネルの NFS を使用するために構成された Oracle データベースに接続されるテスト アプリケーションによって測定されました 少しだけ再構 Oracle Database 11g Direct NFS Client 7

成を行った後 再度テスト アプリケーションを使用して Oracle Direct NFS Client を使用するために構成された Oracle データベースのスループットを測定しました パフォーマンス調査 - データベースの概要 パフォーマンス調査に使用されるデータベースは 以下の表の受注スキーマで構成しました 顧客. データベースには 顧客表に約 400 万の顧客行が格納されました この表には 一意な顧客 ID 電子メール アドレス 電子メールの連絡先情報など 顧客中心のデータが含まれます 顧客表は 顧客 ID 列の一意な索引および顧客の姓列の一意ではない索引によって索引付けされました 顧客表と索引には 約 3GB のディスク容量が必要でした 注文. データベースには 約 600 万行のデータを含む注文表が格納されました 注文表には 顧客 ID 列と注文 ID 列の一意な複合索引が用意されました 注文表および索引には 2GB 強のディスク容量が必要でした 明細項目. 複雑なトランザクションの顧客ベースをシミュレートした場合 明細項目表には 注文の明細項目に約 4500 万の行が格納されました また 顧客 ID 注文 ID および項目 ID の列に相互の一意な複合索引が用意されました 明細項目表と索引には 約 10GB のディスク容量を使用しました 製品. この表は 注文できる製品を示します 価格や説明などの属性とともに 詳細な製品説明に最大 140 文字を使用できます 製品表には 100 万の製品が用意されました また 製品 ID 列の一意な索引で索引付けされました 製品表と索引には 約 2GB のディスク容量が必要でした ウェアハウス. この表は ウェアハウスの詳細情報とともにさまざまなウェアハウスの場所の製品レベルを保存します ウェアハウス表は 2 つの列の一意な複合索引で索引付けされました また 1000 万行が用意されました ウェアハウス表と索引には 約 10GB が必要でした 履歴. 注文履歴表には DSS 形式の問合せによってアクセスされる約 1 億 6000 万行が用意されました 履歴表には 約 30GB のディスク容量が必要でした パフォーマンス調査 - DSS 形式のパフォーマンス分析 DSS 環境でもっとも一般的な I/O パターンをシミュレートするため このテストに Oracle Parallel Query が使用されました ワークロードは 注文履歴表の 4 回の全体 Oracle Database 11g Direct NFS Client 8

スキャンが必要な問合せで構成されました これは 100GB 強の物理ディスク I/O で 6 億 4000 万強の行をスキャンするワークロードです Oracle Database サーバーからストレージへのネットワーク パスは 手元のハードウェアでサポートされているボンディングされた最適なイーサネット インタフェースで最初に構成されました テストを実行してオペレーティング システム カーネルの NFS パフォーマンス データを収集した後 NIC をボンディングしないで シンプルなイーサネット構成にネットワーク インタフェースを再構成しました 次に ワークロードを再実行して パフォーマンス データを収集しました スケーラビリティの向上 図 1 は DSS 形式のディスク I/O の Oracle Direct NFS Client の明白な利点を示しています オペレーティング システム カーネルの NFS と Oracle Direct NFS Client は 両方とも 1 ギガバイトのネットワーク パスから 113MB/s を実現しました ただし 2 つ目のネットワーク パスをストレージに追加すると Oracle Direct NFS Client に明白な利点 (99% のスケーラビリティ ) がありました 一方 ボンディングされた NIC を使用するオペレーティング システムの NFS は 70% のスケーラビリティだけを提供しました オペレーティング システム カーネルの NFS よりも Oracle Direct NFS Client の方が約 40% パフォーマンスの向上に効果がありました もっとも重要な点は Oracle Direct NFS Client は 非常に構成しやすく 非常に安価な ( たとえば 管理されていない ) イーサネット スイッチで簡単に実装可能だという点です 図 1:DSS 形式のスループットの比較 - Oracle Direct NFS Client とオペレーティング システムの NFS 異機種の NIC の " ボンディング " このホワイト ペーパーの前半で説明したとおり ボンディングされた NIC の構成のおもな欠点は コストのかかるイーサネット スイッチが必要なことです Oracle Database 11g Direct NFS Client 9

別の細かく面倒なボンディングの要件は ボンディングされた各インタフェースに異機種の NIC の構成が必要なことです 使用されるハードウェアとオペレーティング システムに応じて 同じメーカーと同じホスト接続性 ( すべての PCI またはマザーボードなど ) を異機種の NIC に規定する場合があります この結果 ハードウェア リソースが使用不能になる可能性があります たとえば ほとんどの業界標準のサーバーは マザーボードにデュアル ポート ( それ以上の場合もあり ) のギガビット イーサネットをサポートして出荷しています ただし PCI Express NIC とペアでボンディングされた NIC にこれらのインタフェースを組み込むことは通常できません ただし これは Oracle Direct NFS Client を使用すると問題ありません Oracle Direct NFS Client を使用すると メーカーまたはシステムへの接続方法 ( マザーボードや PCI など ) に関係なく データベース サーバーのすべてのネットワーク インタフェースをパフォーマンスおよび I/O 冗長性に使用できます この点を明らかにするため テスト システムの oranfstab ファイルを変更して マザーボードのギガビット イーサネット インタフェースの 1 つを設定しました この構成で Oracle Direct NFS Client は マザーボードの 2 個の PCI Express NIC と 1 個の NIC で NAS デバイスへの I/O リクエストのロード バランシングを実行しました 図 2 は Oracle Direct NFS Client で追加の帯域幅を利用して 97% のスケーラビリティを実現する方法を示しています これによって 全表スキャンのスループットが 329MB/s になります 図 2:Oracle Direct NFS Client の順次読取り I/O のスケーラビリティ リソース利用の軽減 Oracle Direct NFS Client の設計のおもな目的の 1 つに リソース利用の改善があります 図 3 に ストレージに対して単一のネットワーク パスを使用するオペレーティング システム カーネルの NFS には Oracle Direct NFS Client よりもカーネル モードの CPU が 12.5% 多く必要なことが示されています 両方のタイプの NFS がストレージに対する単一のネットワーク パスを使用して同じ 113MB/s のスループットを実現するため この 12.5% のオーバーヘッドは不要です また システム モードのプロセッサ利用の割合は 1 つから 2 つのネットワーク パスに移行すると 3.6 倍の 32% に増加します 一方 Oracle Direct NFS Client を使用 Oracle Database 11g Direct NFS Client 10

する場合 1 つから 2 つのネットワーク ( たとえば 8% から 23%) に移行すると 2.9 倍の増加になります オペレーティング システム カーネルの結果よりも 25% 改善されています テスト システムは マザーボードに 2 つ PCI Express の接続で 2 つの合計 4 つのネットワーク インタフェースで構成されました SQL*Net トラフィックに 1 つ予約するため Oracle Direct NFS Client テストに最大 3 つのネットワーク ボンディングされたオペレーティング システム カーネルの NFS に最大 2 つのネットワークを使用可能にしました これによって 図 3 は ストレージに対する 3 つのネットワーク パスを使用する Oracle Direct NFS Client のシステム モードでの CPU のオーバーヘッドが 37% であることを示しています オペレーティング システム カーネルの NFS での 2 つのネットワーク パスの 35% のコストよりも 6% だけ高くなります オーバーヘッドが 6% 高くなるだけで Oracle Direct NFS Client が 2 つのネットワーク パスのオペレーティング システム カーネルの NFS よりも 108% 高い I/O スループット (329MB/s と 158MB/s) を実現したことに注意してください 図 3:DSS 形式のテスト カーネル モードで使用された CPU サイクル Oracle Direct NFS Client の向上した効率性は 非常に大きな利点となります この改善を表す別の方法は Throughput to CPU Metric(TCM) の使用です これは I/O スループットをカーネル モードのプロセッサのオーバーヘッドで割って算出するメトリックです スループットとコストの比率なので 大きい数値が改善を表します 図 4 は Oracle Direct NFS Client による大幅な改善を示しています TCM で約 85% 改善しています Oracle Database 11g Direct NFS Client 11

図 4:Oracle Direct NFS Client とオペレーティング システム カーネルの NFS の TCM 比率 パフォーマンス調査 - OLTP パフォーマンス分析 オペレーティング システム カーネルの NFS と Oracle Direct NFS Client の OLTP 形式のパフォーマンス変化を比較するため Pro*C で記述されたテスト ワークロードで上記のスキーマにアクセスしました テストでは Oracle Database 11g インスタンスに一定の数のセッションを接続しました 各 Pro*C クライアントは 受注システムをシミュレートする一連のトランザクションをループします このテストは データベース サーバーを飽和させる方法で実行されます Linux の uptime コマンドは オペレーティング システム カーネルの NFS と Oracle Direct NFS Client の両方の実行期間全体で約 20 のスループットのロード平均を通知しました ロード平均は 実行中のプロセス 実行待ち ( 実行可能など ) のプロセス またはサーバーの CPU 数によって分割される I/O または IPC を待機するプロセスの合計を表します 約 20 のロード平均は データベース サーバーには大きなロードです ただし ディスクまたはネットワークの I/O を待機するプロセスが式に組み込まれるため アイドル状態のプロセッサ サイクルのサーバーでも 非常に高いロード平均になる場合があります OLTP ワークロードは IOPS でストレージを最初に飽和させました ただし Oracle Direct NFS Client の場合のみです Oracle Direct NFS Client を使用しない場合 ストレージのスループット制限に達する前にワークロードがデータベース サーバーの CPU を飽和させました Oracle Direct NFS Client のプロセッサの効率性向上によって データベース サーバーは Oracle Direct NFS Client を使用しないで CPU の制約を受ける場合よりも高いスループットを実現して アイドル状態のプロセッサの帯域幅が常に 3% を示しました 図 5 は Oracle Direct NFS Client で構成されたテスト ケースが 11% 高いトランザクションのスループットを実現できたことを示しています Oracle Database 11g Direct NFS Client 12

図 5:OLTP スループットの比較 Oracle Direct NFS Client を使用すると OLTP のパフォーマンスが 11% 向上します 図 6 は 実際の環境と比較できる Oracle Statspack レポートのデータを示しています Oracle Direct NFS Client の使用によって物理 I/O が一貫して向上したことを示しています 前述のように OLTP テスト システムは 2 ソケットでデュアルコアの x86 対応サーバーなので 秒単位で 5,000 を超える物理 I/O レートは重大です 図 6: 物理的な読取りおよび書込み操作の Oracle Statspack データ パフォーマンス調査 - サマリー分析 これらのパフォーマンス テストは Oracle Direct NFS Client の使用によってスループットとサーバー リソース利用の効率性が向上することを示しています DSS ワークロードおよび OLTP ワークロードの両方で Oracle Direct NFS Client の使用によりカーネル モードのプロセッサ利用を軽減します Oracle Database 11g Direct NFS Client 13

DSS ワークロードは高帯域幅の I/O を要求するので オペレーティング システム カーネルの NFS に対して 40% の向上を示した Oracle Direct NFS Client の利点がはっきりと実証されました また OLTP でも 改善を示しました Oracle Direct NFS Client を有効にするだけで プロセッサの制約を受ける OLTP ワークロードが 11% 改善しました これらのパフォーマンスの結果は Oracle Direct NFS Client の価値のほんの一部でしかありません Oracle Direct NFS Client は SQL*Loader のダイレクト パス ロードや外部表などの機能も改善します Oracle Recovery Manager(RMAN) も高帯域幅の I/O が必要なので Oracle Direct NFS Client から利点を得られます 結論 低価格 簡潔さ 柔軟性 および高可用性によって 企業内のデータ センターでのネットワーク接続ストレージ (NAS) デバイスの導入が進んでいます ただし NAS デバイスの標準プロトコルであるネットワーク ファイル システム (NFS) プロトコルのパフォーマンスおよび管理の制約によって データベース ワークロードの有効性が制限されます Oracle Database 11g の新機能の Oracle Direct NFS Client は NFS クライアントと Oracle ソフトウェアを直接統合します この緊密な統合によって Oracle Direct NFS Client は 従来のオペレーティング システム カーネル ベースの NFS クライアントに関連する問題を解決します Oracle Direct NFS Client は さまざまなハードウェアおよびオペレーティング システム プラットフォーム間の統一されたインタフェースで標準の構成を提供して 管理を簡素化します Oracle Direct NFS Client と Oracle データベース間の緊密な統合によって システム リソースの利用を軽減して I/O パフォーマンスとスループットが大幅に向上します Oracle Direct NFS Client は 複数のネットワーク パスを最適化し 利用できるすべてのストレージ パスの I/O のロード バランシングを実行して 高可用性とほぼリニアなスケーラビリティを実現します Oracle Database 11g Direct NFS Client 14

Oracle Database 11g Direct NFS Client 2007 年 7 月著者 : William Hodak (Oracle), Kevin Closson (HP) Oracle Corporation World Headquarters 500 Oracle Parkway Redwood Shores, CA 94065 U.S.A. 海外からのお問合せ窓口 : 電話 :+1.650.506.7000 ファクシミリ :+1.650.506.7200 www.oracle.com Copyright 2007, Oracle.All rights reserved. 本文書は情報提供のみを目的として提供されており ここに記載される内容は予告なく変更されることがあります 本文書は一切間違いがないことを保証するものではなく さらに 口述による明示または法律による黙示を問わず 特定の目的に対する商品性もしくは適合性についての黙示的な保証を含み いかなる他の保証や条件も提供するものではありません オラクル社は本文書に関するいかなる法的責任も明確に否認し 本文書によって直接的または間接的に確立される契約義務はないものとします 本文書はオラクル社の書面による許可を前もって得ることなく いかなる目的のためにも 電子または印刷を含むいかなる形式や手段によっても再作成または送信することはできません Oracle は米国 Oracle Corporation およびその子会社 関連会社の登録商標です その他の名称はそれぞれの会社の商標です