AI と雇用 ~ 人工知能に負けないために ~ 青山魅士岡田怜士小林英人佐藤芳紀永田隆将若山礼治
AI( 人工知能 ) の概念 人間の脳が行っている知的な作業をコンピューターで模倣したソフトウェアやシステムのこと 特化型人工知能 と 汎用人工知能 の二種類に区別される 特化型人工知能 は一つのタスクしかこなせない人工知能 ( 例 )IBM の Watson Google の自動運転者 Siri など 汎用人工知能 は覚えた知識を応用し実行する自律的な人工知能 ( 例 ) バーチャル秘書 バーチャル事務員など
AI の歴史 1700 年代末 ~ 第一次産業革命 動力を獲得 ( 蒸気機関が普及 ) 1800 年代後半 ~ 第二次産業革命 動力を革新 ( 電力やモーターが普及 ) 1900 年代半ば ~ 第三次産業革命 自動化が進む ( パソコンやインターネットが発達 ) 2000 年代 ~ 第四次産業革命 AI の実用化や IoT( モノのインターネット ) の利用が広がる
第三次産業革命により AI が生まれる 19 世紀の産業革命 労働は新しい技術が生まれるたびに代替えされた 1947 年ロンドン数学会で アラン チューリングによって AI( 人工知能 ) の概念が提唱される 1956 年ダートマス会議でジョン マッカーシーらにより初めて AI(Artifical Intellijence) という言葉が用いられる
AI ブームの到来 第一次 AI ブーム (1950 年代 ) 第二次 AI ブーム (1980 年代 ) 第三次 AI ブーム (2000 年代半ば )
第一次 AI ブーム (1950 年代 ) 1956 年 AI という言葉が使われるようになる 1970 年代有限な問題でなければ AI は解を得られないという問題が明るみに出て ブームは下火になり冬の時代を迎える
第二次 AI ブーム (1980 年代 ) 1977 年に学術研究分野としての 知識工学 が誕生し技術が進展 1980 年代特定の知識やルールに基づいて結論を導くコンピューターシステムが開発され 産業界が多数採用 1982 年通商産業省 ( 現 経済産業省 ) 主導で高速な並列推論マシン 第 5 次世代コンピューター プロジェクト開始 1990 年代ルールが複雑である現実的な問題を処理できず 実用化には至らなかったため再び冬の時代を迎えるが データマイニング 研究が加速
第二次 AI ブーム (1980 年代 ) 1997 年米 IBM ディープブルー がチェスの世界チャンピオンに勝利 1990 年代末インターネットの検索エンジンから収集された情報が AI 技術を用いて処理されるようになる
第三次 AI ブーム (2000 年代半ば ) 2006 年にディープランニング ( 深層学習 ) 研究が加速 2011 年 IBM ワトソン がクイズ番組でクイズ王に勝利 2012 年ディープランニングが画像認識コンテストで驚異的な精度を実現 米グーグルがネコを認識する AI を開発
第三次 AI ブーム (2000 年代半ば ) 2016 年グーグル アルファ碁 がプロ棋士に勝利 2017 年 AI スピーカー続々と日本で市販化
第三次ブームでいよいよ実用化が始まる 現在も進化を続けており AI 技術はこれからも様々な分野においてインパクトをもたらすと考えられる 実用化が始まったきっかけはディープランニング ( 深層学習 ) の研究が進められたこと 実用化されることによって労働が AI 技術に代替えできる可能性があるものが出てくる
AI ビジネス導入代表例 1
AI 技術の導入率 AI に置き換え会社の業務を行ったことがあるか 16% 20% ある 既にある さらに拡大希望 17% 27% 今はないが具体的な導入予定あり今はない 予定もない 無回答 その他 20%
AI 技術の導入例 AI による顔認証 入場システムの導入 検品作業の効率化 医療系
顔認証 入場システムの導入 カメラで顔を登録入場時認証認証 OK で入場可能 ex USJ ライブ会場... 認証時間約 1 秒 不正入場防止 30% の経費削減 30% に時間短縮
検品作業の効率化 導入前 作業人数多数 作業時間の限度 見落とし 導入後 作業人数少数 作業時間 24 時間 ミスの減少
医療系 数十万件の医学的根拠を学習 ex 雑誌 論文データ 臨床医療のデータ... 3000 枚の画像をスキャンで皮膚がんを早期発見 人間の診断の精度 75~84% IBM の診断の精度 95% 超え
AI ビジネス代表例
AI ビジネス具体的使用例 ベーカリーショップ コールセンター AI タクシー
ベーカリーショップ ソフトウェア開発のブレインが開発した Bakery Scan 導入することで作業効率の向上 時間短縮 パンの種類を覚えていない新人店員でもレジ担当が可能 複数のパンをトレーに乗せてレジ横のカメラの下に置く パンを画像認識 パンの種類を判別 価格 数量から購入金額を算出
コールセンター 三菱東京 UFJ 銀行 みずほ銀行 三井住友など大手銀行のコールセンターや保険会社に IBM 開発の AI Watson 導入 機械学習と自然言語処理を利用し必要な情報を素早く取り出す 日構造化データの分析をする技術 顧客の問い合わせ 会話内容を Waston の音声認識システムがテキスト化 内容に適合する回答候補をオペレーターに提示 オペレーターが調査する時間や手間が省略できる
AI タクシー AI( 人工知能 ) が現在から 30 分後のタクシー乗車需要を予測し 客の待ち時間を減らす 実車率が約 3% アップし 新人では車両 1 台あたり平均で 1 日に 3000~4000 円アップした ドライバーの生産性が上がるとともに 客を乗せずに走る距離がへり エネルギー消費が減るため 地球環境にも優しい リアルタイム移動需要予測システム 運行データ 気象データ 人口統計データ AI による分析需要の予測 効率的な運行を実現
AI ビジネスのメリット 労働力不足の解消 人件費の大幅圧縮 生産効率の大幅向上 単純な作業を正確に素早く行える など
労働力不足の解消 人口の 27,3% が 65 歳以上の高齢者で 2030 年には 38 道府県で 需要に対し供給が追い付かなくなり労働力不足に陥る AI を導入することにより 生産 製造が自動化できる
人件費の大幅圧縮 AI は決まりきった作業において大きく力を発揮し 経理やマーケティングに必要な計算は AI で行える しかし AI を導入するには 多少のコストがかかるが長期的に見ればコストは大幅に圧縮できる
生産効率の大幅向上 例えば 営業の分野に AI を導入すると 学習を通じて AI は セールスパーソンがどう行動 すれば高い成績を上げられるか体系化できアド バイスするようになる
単純な作業を正確に素早く行える 単純な作業を人間よりも正確に素早く行えて作業効率が良くなる ミスが減り 時間を大幅圧縮できる
AI のデメリット
誤解されやすい 過度な期待 過激な悲観論 対立構造を考える
AI による雇用の減少 今後 10~20 年以内に米国の職業の 47% がコンピュータ化するリスクが高い 今後 10~20 年以内に日本の職業の 49% がコンピュータ化するリスクが高い
低賃金な仕事ほどコンピュータ化の確率が高い 貧富の格差が生まれる
賃金階級別のコンピュータ化確率 100 80 60 40 20 0 第一階級第二階級第三階級第四階級第五階級 高賃金 低賃金
AI に奪われる可能性のある仕事 デパート店員 一般 事務員 スーパーのレジ打ち タクシーの運転手 バーテンダー
AI の弱点 AI ロボットの東ロボ君が東大合格目標に作られた しかし 2016 年 11 月断念!
断念の原因 人間にしかない読解力 感情 AI の弱点
前例とこれから活躍する職業 18 世紀後半の産業革命 蒸気機関車 新たな職種が生まれる可能性!
AI のための人材育成と教育
人工知能に負けないために AI の弱点である人間にしかできない読解力 論理力 数学力や表現の強化 AI を扱いコンピュータを自由に扱える人材を育成する その力をビジネス分野に生かす人材を育成する 産学連携による実践的な教育ネットワークを構築し 人材不足が深刻化している情報技術人材やデータサイエンティスト等 社会のニーズに応じた人材を育成
AI にできないことは 人間のようには知覚できない 意思がない 問いを生み出せない デザインができない ひらめきがない 人を動かす力がない
必要とされる教育の変化 創造性 芸術性 体験 個別性 柔軟性 生活への密着 ( ローカ リズム ) ルール重視から価値と本質の重視 集団 ( 大きな人数と小グループ ) ですべきこと 個人ですべきことの切り分け 思考力とコミュニケーション力の教育 体験学習
子供が習得すべき 3 つの力 読解力 教科書レベルの文章を正確に理解する力 論理力 自分の考えや意思を相手に明確に伝え説得や議論ができる力 数学力 問題を設定し 試行錯誤しながら数学を使って分析的に説く力
AI 人材が不足している! 図のように 2020 年に約 4.8 万人の人工知能を担う人材が不足
AI 人材の育成 全学的な数理 データサイエンス教育の強化により 我が国全体のリテラシーの醸成を加速する 大学入試で 情報 の試験を必須化 小学校から高校までコンピュータサイエンス (AI 統計 情報教育等 ) を抜本強化 大学における一般教養でコンピュータサイエンスを必須化 学部 学科の縦割りを越えて AI 学位プログラム を創設
専門人材の拡大 IT 技術者向け等の学び直しプログラム等の開発 実施 (5 拠点大学 31 連携大学 65 社の連携企業等 ) 社会人のキャリアアップ キャリアチェンジに資するための短期の学び直しプログラム < データサイエンティスト育成事業 > 産官学連携によるデータサイエンティスト育成のための実践的教育の推進 データから価値を創造し ビジネス課題に答えを出す人材 ( データサイエンティスト ) を育成