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第6章商業におけるパワー関係 いかにして取引を統制するか

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2012 年度プロジェクト研究 Ⅱ 化粧品購買における消費者の業態選択 消費者行動類型に応じたマーケティング戦略 2012/08/19 松下研究室 1051102018C 久須美薫子

AGENDA 1. 研究の目的 背景 2. 研究枠組み 3. 調査 4. まとめ 5. 今後の課題 1

AGENDA 1. 研究の目的 背景 2. 研究枠組み 3. 調査 4. まとめ 5. 今後の課題 2

1. 研究の目的 背景 基礎化粧品購買時の店舗選択において 何が重視されるのか 化粧品業界における流通構造の大きな変化 化粧品専門店や百貨店に代わり ドラッグストア 並びにインターネット通販を含む通信販売が合わせて 4 割の構成比を占める主要チャネルへ インターネットが普及し自ら製品選択を行う傾向が強まる 対面販売以外の業態選択 低価格帯商品に対する需要の高まり 等 インターネットを用いた新サービスの開始 ( 資生堂 ) 小売業者が駅ビルへも出店 新業態を開始 ( 三越伊勢丹 ) 3

1. 研究の目的 背景 化粧品チャネル別市場規模推移 ( 出所 ) 富士経済 [2011], 47 頁より作成 4

1. 研究の目的 背景 ( 問題意識 ) ドラッグストア もしくは通信販売という 1 つの名称によりこれらのチャネルを一概に捉えることは有用とは言えない 主要チャネルとされるドラッグストア 通信販売には複数の業態が存在し 様々な特徴を持つものが含まれる * 業態 : 製品構成 価格設定 プロモーション 並びに付帯サービス 店舗施設の特性 アクセス といった構成要素の組み合わせからなる様々な小売ミックスのパターン チャネル インターネット通販 業態 化粧品メーカー通販 小売業者通販 仮想モール通販 店舗 ( 個別サイト ) 資生堂ワタシプラス 伊勢丹 I ONLINE 楽天楽天市場 消費者行動類型に応じた 業態特性別のマーケティングの実施 5

1. 研究の目的 背景 ( 研究目的 ) 消費者行動の観点から基礎化粧品購買における業態選択について明らかにし 消費者行動類型に応じたマーケティング戦略を検討する 6

AGENDA 1. 研究の目的 背景 2. 研究枠組み 3. 調査 4. まとめ 5. 今後の課題 7

2. 研究枠組み ( 先行研究 ) 家電製品における消費者の業態選択 池尾, [1993] 4 つの消費者行動類型に基づき 重視する情報源と店舗選択要因から業態選択を明らかにした 化粧品における消費者行動 ( 探索財と経験財の差異 ) 化粧品独自の業態展開 ( ドラッグストア等 ) インターネットの普及も踏まえ オフライン オンラインの情報源 店舗選択を横断的に捉える 業態選択に関する先行研究を用い 基礎化粧品購買における消費者の業態選択を明らかにする 8

2. 研究枠組み ( 消費者の購買行動の類型化 ) 消費者の店舗選択は情報探索の量 ( 意欲 ) と様式 及びに購買努力によって規定され さらに購買関与度と製品判断力によって左右される 消費者の購買を購買関与度と製品判断力によって分類することでブランド選択や店舗選択の特色 それらに応じたマーケティング戦略や小売業態の導出が可能 * 購買関与度 : 購買決定や選択に対して ( 消費者が ) 感じる心配や関心の程度 * 製品判断力 : 消費者がどの程度まで要約された情報ならば 自分のニーズと関連付けて処理できるかを表わす概念 9 ( 出所 ) 池尾, [1993]

2. 研究枠組み ( 消費者の購買行動の類型化 ) ( 出所 ) 池尾, [1993] および松下, [2012] を参考に作成 10

AGENDA 1. 研究の目的 背景 2. 研究枠組み 3. 調査 4. まとめ 5. 今後の課題 11

3. 調査 ( 調査概要 ) (1) 調査エリア : 東京都 神奈川県 埼玉県 千葉県 (2) 調査方法 : インターネット調査のパネルによる Web 質問紙調査 (3) 調査実施期間 : 2012/06/22 2012/06/24 (4) 調査対象 :18 69 歳までの女性一般生活者かつ最近 3 ヶ月以内に化粧水 及び美容液を購入した者 (5) 回答サンプル数 :573 サンプル (6) 調査運営 : 株式会社日本リサーチセンター * 化粧水 : 基礎化粧品の中でも利用率が最も高く かつ売上シェアも最も高い 保湿 カテゴリー ベーシックケア ( 日用品 ) として位置づけられることが多い * 美容液 : 保護 カテゴリー内で 売上シェアが最も高い スペシャルケアとして位置づけられることが多い メーカー各社が製品開発において注力する製品 12

13 3. 調査 ( 調査項目 ) 化粧水 / 美容液に対する意識 購買関与度 : 品質や性能の良し悪しについて自分なりの基準がある買った後に後悔したくないので慎重に買物したいと思う多少高くても品質や性能の良いものを買いたいと思う 製品判断力 : 友人が化粧水を購入する時にアドバイスすることができるいろいろなメーカー名やブランド名を知っている商品を選ぶ際に 自分だけで十分に判断できると思う 製品の購入に際し 参考とした情報源知人 友人 家族の意見 @cosme などの一般人の意見が集まった美容コミュニティ情報 美容雑誌の情報 美容部員などの説明 化粧品メーカーのインターネットカウンセリング相談情報 新聞 雑誌広告 試供品等の 26 項目 購入店舗選択における重視点 肌状態を診断 評価してくれるサービスがあること 美容部員などの美容知識が豊富であること 自分のペースで気兼ねなく商品を見られること 取扱い化粧品のブランドが多いこと 価格が安いこと 時間やアクセスの点で 自分の都合に合わせて購入できること等の 22 項目 *5 段階リッカート尺度を用い回答

14 3. 調査 ( 調査票 )

3. 調査 ( 調査結果 分析方法 ) クラスター分析 データの類似性に基づき 対象を比較的似ているグループ クラスタ ( 分類されたかたまり ) 毎に分ける クラスタ間比較 : クラスタ間で比較した際 当該クラスタで特に重視されている項目を明らかにする クラスタ内比較 : クラスタ内で比較した際 重視度の平均値が高い項目を明らかにする 15

3. 調査 ( 調査結果 クラスタ間比較まとめ ) 美容液クラスタ別重視情報源 16 * 各セルの上段 クラスタ間で比較した際 当該クラスタで特に重視されている情報源 特に重視されていない情報源 は で 顕著に重視されていないが特徴付ける要因 は () で表記 ) * 各セルの下段 クラスタ内で比較した際 重視度の平均値が高い情報源 ( 上位 5 位 )

3. 調査 ( 調査結果 クラスタ間比較まとめ ) 美容液クラスタ別重視情報源 ネット上で収集できる情報も含め専門性の高い情報源が不必要 専門性の高い情報源を重視 現物 メーカー情報 @cosme 人的情報等の情報源を重視 顕著に重視する情報源なし 顕著ではないがネット上で収集できる情報も含め専門性が高く多様な情報源を重視 現物 メーカー情報 ( カタログ ) 人的情報 @cosme 等の情報源を重視 17 * 各セルの上段 クラスタ間で比較した際 当該クラスタで特に重視されている情報源 特に重視されていない情報源 は で 顕著に重視されていないが特徴付ける要因 は () で表記 ) * 各セルの下段 クラスタ内で比較した際 重視度の平均値が高い情報源 ( 上位 5 位 )

3. 調査 ( 調査結果 クラスタ間比較まとめ ) 美容液クラスタ別店舗選択重視点 18 * 各セルの上段 クラスタ間で比較した際 当該クラスタで特に重視されている店舗特徴 特に重視されていない情報源 は で 顕著に重視されていないが特徴付ける要因 は () で表記 ) * 各セルの下段 クラスタ内で比較した際 重視度の平均値が高い店舗特徴 ( 上位 5 位 )

3. 調査 ( 調査結果 クラスタ間比較まとめ ) 美容液クラスタ別店舗選択重視点 ( 顕著ではないが美容部員を通じた専門性の高いサービスを重視しない ) 購買利便性反復的購買サービス 美容部員を通じた専門性の高いサービス & 自己のペースで購買可能 アクセスのし易さ 重視する店舗特徴なし ( 顕著ではないが ) 美容部員を通じた専門性の高いサービス & マッサージ等の付加価値サービス 19 価格の安さ アクセスのし易さ * 各セルの上段 クラスタ間で比較した際 当該クラスタで特に重視されている店舗特徴 特に重視されていない情報源 は で 顕著に重視されていないが特徴付ける要因 は () で表記 ) * 各セルの下段 クラスタ内で比較した際 重視度の平均値が高い店舗特徴 ( 上位 5 位 )

3. 調査 ( 調査結果 消費者の購買行動の類型化 ) 高関与 高判断力 : 最善の 納得がいく製品選択に向けた行動高関与 低判断力 : 購買選択の決定に際し 支援が必要低関与 低判断力 : 低価格帯製品の購買を最優先低関与 高判断力 : 低価格帯の中でのバリュー フォー マネー 専門性の高さを追求 20

AGENDA 1. 研究の目的 背景 2. 研究枠組み 3. 調査 4. まとめ 5. 今後の課題 21

4. まとめ 先行研究との比較 22 各クラスタで重視される項目は先行研究を踏襲する結果となった 現物 店員の対応 価格 立地 人的情報源 並びに紙媒体に代わるネット上の情報源に関して先行研究との差異が確認された 経験財である基礎化粧品ならではの購買行動が明らかになった 1 購買時に不確実性の高い製品に関する情報取得を目指し じっくりと 自らが製品選択ができる環境 2 数ヶ月スパンでの購買が行われることから 馴染みがあること が重視された

4. まとめ ( 実務への示唆 ) 消費者行動類型に応じたマーケティング戦略 23 高関与 高判断力 : セルフ購買の要素を保ちながらも 消費者が必要とした場合には手厚いカウンセリングの実施 ( 対面販売中心 ネット通販 ) 低関与 高判断力 : 製品購買のみならず 美容やリラックス などの付加価値提供の実施 ( ネット通販中心 対面販売 ) 消費者行動類型に応じた 業態特性別のマーケティング実施

AGENDA 1. 研究の目的 背景 2. 研究枠組み 3. 調査 4. まとめ 5. 今後の課題 24

5. 今後の課題 化粧水と美容液に関する総合検証化粧水と比較した場合 美容液購買において重視項目が多かった要因について分析 各クラスタ内の消費者に関する検証デモグラフィック属性や時系列的観点からの分析 インターネットの利用状況に関する検証情報源としての利用に関する更なる分析 マーケティング戦略に関する検証メーカー 小売業者 並びに消費者の観点から妥当性の検討 25

26 参考文献 資料 Naresh K. Malhotra [2004], Marketing Research ( 日本マーケティング リサーチ協会監修, 三木康夫 松井豊監訳 マーケティング リサーチの理論と実践 技術編, 同友館,[2007]). 青木幸弘,[1987] 第 3 章 央経済社, pp47-72. 青木幸弘,[2010] 消費者行動の知識 日経文庫. 消費者情報探索の分析, マーケティング理論と測定 LISREL の適用,( 奥田和彦 阿部周造編著 ), 中 池尾恭一,[1993] 家電製品における消費者の業態選択, マーケティング ジャーナル 第 48 号, pp15-28. 池尾恭一,[1993] 消費者業態選択の規定因 : 購買関与度と品質判断力, 慶応経営論集 第 10 巻第 2 号, pp 13-29. 池尾恭一,[1999] 日本型マーケティングの革新, 有斐閣. 石川善一,[1989] 化粧品 トイレタリー, 日本経済新聞社. 石村貞夫,[2011] SPSS でやさしく学ぶ統計解析, 東京図書. 加藤千恵子,[2010] SPSS でやさしく学ぶアンケート処理, 東京図書. 金明玉,[1997] 流通環境の変化にともなう流通系列化の研究 - 化粧品産業を中心に, 中央大学大学院商学研究科 甲第 82 号. 国際商業出版株式会社,[2010] 化粧品メーカーのネット戦略, 国際商業 第 43 巻 9 号, pp 20-39. 清水聰,[2004] 消費者視点の小売戦略, 千倉書房. 週刊粧業,[2012] 化粧品消費者アンケート, Web サイト (http://www.syogyo.jp/news/2012/03/post_003278.php)2012 年 4 月アクセス. 内藤惠理子,[2001] チャネル政策と再販売価格維持 医薬品 化粧品業界の業界間比較を通じて 流通経済大学大学院論集 pp24-37. 松下光司,[2012] 第 14 章 購買意思決定の特性とマーケティング, 消費者行動論 マーケティングとブランド構築への応用,( 青 木幸弘 新倉貴士 佐々木壮太郎 松下光司著 ), 有斐閣アルマ, pp 316-342. 矢作敏行,[2003] 現代流通 理論とケースで学ぶ, 有斐閣アルマ. 山岡良夫,[1985] 化粧品業界, 教育社. 渡辺達朗,[2008] 流通論をつかむ, 有斐閣. 株式会社富士経済,[2011] 化粧品チャネル トレンドデータ 2011. 株式会社富士経済,[2011] 化粧品マーケティング要覧 2011 総括編. 株式会社富士経済,[2012] 新 化粧品マーケティング要覧 2012 No.1.