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平成23年度事例集04

火対象物の公表の要否を決定するものとする ( 公表の予告 ) 第 5 条署長は 前条第 4 項の規定により公表が必要であると決定した場合は 公表予告書 ( 第 2 号様式 ) により関係者に対し公表の予告をするものとする 2 前項に規定する公表の予告は 査察規程第 20 条第 1 項に規定する立入検

ごと又は施行規則第 1 3 条第 1 項第 2 号に規定する小規模特定用途複合防火対象物における特定の用途部分ごとに設置義務が生じるときも同様とする ( 報告及び公表の決定 ) 第 4 条査察員は 立入検査において 公表の対象となる違反を認めた場合は 立入検査結果通知書により署長に報告するものとする

ことを想定しているが これは既に違反対象物の公表制度を実施している消防本部の運用実態等を参考に 当該制度の実施に伴う事務負担やその効果等について検討を行った結果 特に都市部における建物の利用者数等による火災危険性が高いことを考慮したものである なお その他の消防本部においても政令指定都市の消防本部の

資料 1-6 認知症高齢者グループホーム等に係る消防法令等の概要 1 消防法令の概要 主な消防用設備等の設置基準消防用設備等の種別消火器屋内消火栓設備スプリンクラー設備自動火災報知設備消防機関へ通報する設備誘導灯 設置基準規模 構造にかかわらずすべて延べ面積 700 m2以上延べ面積 275 m2以

事務連絡 平成 27 年 3 月 31 日 各都道府県消防防災主管課 東京消防庁 各指定都市消防本部 御中 消防庁予防課 認知症高齢者グループホーム等の火災対策の充実のための介護保険部 局 消防部局及び建築部局による情報共有 連携体制の構築に関するガイドラインに係る執務資料の送付 認知症高齢者グルー

消防法 ( 抄 ) ( 昭和 23 年 7 月 24 日法律第 186 号 ) 最終改正 : 平成 27 年 9 月 11 日法律第 66 号 第 17 条 ( 消防用設備等の設置 維持と特殊消防用設備等の適用除外 ) 学校 病院 工場 事業場 興行場 百貨店 旅館 飲食店 地下街 複合用途防火対象

178 第 3 章消防用設備等の設置単位 さいたま市消防用設備等に関する審査基準 2016 小規模特定用途複合防火対象物 ( 政令別表第 1⒃ 項イに掲げる防火対象物のうち 特定用途に供される部分の床面積の合計が当該部分が存する防火対象物の延べ面積の10 分の1 以下であり かつ 300m2未満であ

平成21年6月1日施行

すぐ連絡! すぐ実施! 杉並消防署からのお知らせ 自衛消防訓練を実施しましょう 自衛消防訓練は 火災が発生した場合に消防隊が現場に到着するまで 自衛消防 活動により 迅速 的確に人命の保護と災害の拡大防止の措置をとれるようにする ことを目的としています 訓練の種別 自主的に訓練することが必要です!

消防法施行規則等の一部を改正する省令等の公布について ( 参考資料 ) 別紙 1 1 改正理由 (1) 背景住宅宿泊事業法 ( 平成 9 年法律第 65 号 ) が平成 30 年 6 月 15 日に施行され 住宅宿泊事業に係る事前の届出が同年 3 月 15 日に開始された ( 住宅宿泊事業法の施行期

予防課関係の要綱,通達改正案

目次 ( )

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自治基本条例素案のたたき台大和市自治基本条例をつくる会

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第 8 条を削り, 第 9 条を第 8 条とし, 第 10 条から第 12 条までを 1 条ずつ繰り上げる 別記第 1 号様式を次のように改める

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消防法令が改正され 防火防災管理体制が強化されます! ~ 消防法第 8 条の 2 統括防火防災管理者制度 ~ 近年 雑居ビル等で多くの死傷者を伴う火災が相次いで発生していることや東日本大震災での激しい揺れにより 高層ビル等において人的 物的被害が発生したことを受け 防火 防災体制を強化するために消防

Microsoft Word - 土砂指導要綱.doc

北上市空家等対策規則 ( 趣旨 ) 第 1 条この規則は 北上市空家等対策条例 ( 平成 28 年北上市条例第 17 号 以下 条例 という ) の実施に関し必要な事項を定めるものとする ( 守秘義務 ) 第 2 条条例第 7 条に定める空家等対策審議会の委員は 職務上知り得た秘密を他に漏らしてはな

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ホテル火災対策検討部会報告書 ( 概要 ) < 検討の目的及び体制 > 平成 24 年 5 月 13 日 ( 日 ) 広島県福山市において死者 7 名 負傷者 3 名が発生したホテル火災を踏まえ ホテル 旅館等の火災被害拡大防止対策及び火災予防行政の実効性向上等に関する検討を実施 予防行政のあり方に

参考資料 三郷市火災予防条例の一部を改正する条例案の素案 平成 26 年 9 月 三郷市消防本部 大規模な屋外催しにおける防火管理体制の構築について 1 改正の背景 1 京都府福知山市花火大会火災平成 25 年 8 月 15 日 京都府福知山市で行われた花火大会において 死者 3 名 負傷者 56

別式第 1 号 ( 第 2 条関係 ) ( 表面 ) 第 号 立入調査員証 写 真 所 属 職 氏名生 年 月 日 上の者は 米子市空き家等の適正管理に関する条例 ( 平成 24 年米子市条例第 28 号 ) 第 4 条第 2 項の規定に基づき立入調査を行う職権を有する者であることを証する ( 裏面

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づき通知及び公告をした期日又は場所において意見の聴取を行うことができないときは 意見の聴取の期日を延期し 又は場所を変更することができる 4 市長は 前 2 項の規定に基づき 意見の聴取の期日を延期し 又は場所を変更するときは 法 14 条 7 項の規定に準じて通知し かつ 公告する ( 議長 )

PowerPoint プレゼンテーション

基準2 消防用設備等の設置単位の取扱いに関する基準

( 措置完了報告 ) 第 13 条法第 14 条第 1 項から第 3 項までの規定による助言等及び行政代執行法第 3 条第 1 項の規定による戒告に対し措置を行った場合は 措置完了報告書 ( 様式第 14 ) により報告するものとする ( 標識 ) 第 14 条法第 14 条第 11 項の規定による

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議のうえ統括防火管理者として選任し 防火管理上必要な業務の内容について説明をしたうえで 全体についての防火管理業務を行わせなければならない 3 前項の規定により 統括防火管理者を選任したときは 防火管理対象物における管理権原者の主要な者として を代表者として指定し 代表者名をもって届出を行うものとす

第 3 章 1. の既往調査研究 1で紹介した 小規模多機能サービスに関する調査報告書 にも指摘されていたように 小規模多機能サービス事業所の整備にあたっては 建築基準法 消防法上の取り扱いの点で検討の余地を残している これに関して 2006 年 1 月に長崎県大村市の認知症高齢者グループホームで発

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1 茨城県認可外保育施設指導監督実施要項(H29.3)

また 立入調査は 市職員又は市長が委任した者が行い 調査者については身分等を示す証明書を携帯し 関係者からの請求があった場合は提示しなければならないため 立入調査員証 ( 様式第 2 号 ) により身分を証明するものとします 参考 < 基本指針 > 一 7(p.12~13) <ガイドライン> 第 3

訓令・通達一覧

附則 この規則は 平成 29 年 3 月 1 日から施行する

隣地境界線126 第 3 章消防用設備等の設置単位 さいたま市消防用設備等に関する審査基準 消防用設備等の設置単位消防用設備等の設置単位は 建築物 ( 屋根及び柱又は壁を有するものをいう 以下同じ ) である防火対象物については 特段の規定 ( 政令第 8 条 第 9 条 第 9 条の

平成  年  月  日

別添 ( 用語の定義 ) 消防法( 昭和 23 年法律第 186 号 ) 法 消防法施行令( 昭和 36 年政令第 37 号 ) 令 消防法施行規則( 昭和 36 年自治省令第 6 号 ) 規則 特定小規模施設における必要とされる防火安全性能を有する消防の用に供する設備等に関する省令 ( 平成 20

坂戸市条例第 号

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3 署長は 前条の申請のあった防火対象物について 該当する審査項目のいずれかが判定基準に適合していないと認めたときは 申請者に対して その旨を第 3 号様式による防火基準不適合通知書により通知するものとする 4 署長は 第 2 項の規定による通知を行ったときは 第 4 号様式による防火基準適合表示対

消防計画

( 指名停止の期間の特例 ) 第 4 条有資格者が一の事案により別表各号の措置要件の二以上に該当したときは 当該措置要件ごとに規定する短期及び長期の最も長いものをもってそれぞれ指名停止の期間の短期及び長期とする 2 有資格者が次の各号の一に該当することとなった場合における指名停止の期間の短期は それ

弘前市告示第   号

第1号様式(第9条第1項関係)

平成11年6月8日

教授 ) において 本件火災の発生状況や 今後の消防のあり方について検討が行われた 検討会での検討結果を踏まえてとりまとめられた報告書では 火災予防対策として 以下のように提言がなされた 延べ面積 150 m2未満の飲食店にあっては 一部の地方公共団体の火災予防条例により消火器の設置が義務付けられて

新起案様式例           様式A4縦

川越地区消防局 消防署組織図 消防局長 消防局 ( 代 ) 総務課 総務担当 消防団担当 財務担当職員担当 管理担当 予防課 予防担当 査察指導担当 保安担当 警防課 警防担当 装備担当 救急課 0


第 3 点検の期間点検の期間は 次の表の上欄 ( 左欄 ) に掲げる用設備等の等並びに同表中欄に掲げる点検の内容及び方法に応じ 同表下欄 ( 右欄 ) に掲げるとおりとする ただし 特殊用設備等にあっては 法第 17 条第 3 項に規定する設備等設置維持計画に定める期間によるものとする 用設備等の等

防犯灯 防犯カメラと併せて設置し 次の1~3すべてに該当する防犯灯が補助対象となります 1 防犯カメラの視認性を向上させる照度 ( 防犯カメラから4メートル先の歩行者の行動などが認識できる明るさがあること 0.24ルクス以上 ) を確保できるもの 2 防犯カメラと同一の支柱に設置 3 光源を防犯カメ

( 裏 ) 工事等の概要7東京消防ビル 2 階の東京消防オフィスのテナント入居に伴う使用開始の届出である 添付書類のとおり 8 配置図 備考 1 届出者が法人の場合 氏名欄には その名称及び代表者氏名を記入すること 2 同一敷地内に管理権原が同一である 2 以上の防火対象物がある場合は 主要防火対象

日消装発第 号初版 : 平成 22 年 10 月 14 日改訂 1: 平成 24 年 9 月 12 日一般社団法人日本消火装置工業会 容器弁の安全性 に係る点検について Q&A Q1: 容器弁の安全性 の点検対象は? A1: 不活性ガス消火設備 ハロゲン化物消火設備 粉末消火設備 パッケ

油漏洩 防油堤内 にて火災発生 9:17 火災発見 計器室に連絡 ( 発見 者 計器室 ) 発見後 速やかに計 器室に連絡してい る 出火箇所 火災の状況及び負傷者の発生状況等を確実に伝え 所内緊急通報の実施 火災発見の連絡を受 けて速やかに所内 緊急通報を実施し 水利の確保 ( 防災セ ンター 動

2 前項の規定による通知を行った場合において 市長は 当該特定空家等の所有者等が除却 修繕 立木竹の伐採その他周辺の生活環境の保全を図るために必要な措置を講じたことにより特定空家等の状態が改善され 特定空家等でないと認めるときは 遅滞なくその旨を 特定空家等状態改善通知書 ( 様式第 7 号 ) に

( 別式第 7 ) をもって 当該所有者等に対し代執行の内容を通知するものとする 5 町長は 法第 14 条第 9 項に基づき行政代執行法による特定空家等の処分を行う場合は その代執行の現場に責任者を派遣し 当該責任者に対し行政代執行法第 4 条に基づく証票として 執行責任者証 ( 別式第 8 )

ア建築物の部材等が落下し 飛散するおそれのある状態イ建築物の老朽化又は台風等の自然災害により 倒壊又は損傷するおそれのある状態ウ建築物の外壁 窓等が剥落し 建築物の外部から内部が見通せる状態エ竹木その他の土地の定着物が 道路との境界線を越え通行の妨げになっている状態オ物が大量に堆積されている状態カね

ウ火元責任者は 自主検査の結果 異常が認められたときは 防火管理者及び防火管理責任者 ( 工事責任者 ) に報告し 指示を受けて対処する (2) 放火対策ア建物の外周部及び階段等には 可燃性の工事用資材又は梱包材等は置かないようにする やむを得ず置く場合は整理整頓し防炎シート等で覆い保管する イ工事

●空家等対策の推進に関する特別措置法案

資料 2-3 超大規模防火対象物等における自衛消防活動に係る訓練の充実強化方策 ( 案 ) 平成 30 年 10 月 31 日 事務局

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豊中市ブロック塀等撤去補助金交付要綱 平成 30 年 8 月 10 日実施 ( 目的 ) 第 1 条この要綱は 本市の区域内に存する道路に面するブロック塀等の撤去を実施する者に対し 豊中市ブロック塀等撤去補助金 ( 以下 補助金 という ) を交付することについて必要な事項を定め もって地震等により

5 条条例 9 条 2 項の規定による勧告は 空き家等改善勧告書 ( 式 4 ) により行うものとする ( 命令 ) 6 条条例 1 0 条 1 項の規定による命令は 空き家等改善措置命令書 ( 式 5 ) により行うものとする ( 公表の方法 ) 7 条条例 1 1 条 1 項の規定による公表は

保育所の設備及び運営に関する基準 保育室等 屋外 遊戯場 設備 ( 必置 ) 面積設備 ( 必置 ) 面積 調理室 便所 0 1 歳児 乳児室及びほふく室 医務室 2 歳以上児 保育室又は遊戯室 乳児室 ほふく室 3.3m2 / 人 保育室 遊戯室 1.98m2 / 人屋外遊戯場 近隣の都市公園を代

小規模建築物用消防計画の手引き〔本文〕

十分に御留意いただき, 管理規約の改正について御検討ください 民泊に関する御相談 問合せ先 マンションに関すること 京 ( みやこ ) 安心すまいセンター電話 FAX 住宅宿泊事業法に関すること 保健福祉局医療衛生推進室医務衛生課電話

学校施設管理について

2 スプリンクラー設備の設置基準の見直し 消防法施行令第 12 条第 1 項関係 スプリンクラー設備を設置しなければならない防火対象物又はその部分に 次に掲げるもの 火災発生時の延焼を抑 制する機能を備える構造として総務省令で定める構造を有するものを除く で延べ面積が 275 m2未満のものが追加さ

さいたま市消防用設備等に関する審査基準 2016 第 4 渡り廊下で接続されている場合の取り扱い 155 第 4 渡り廊下で接続されている場合の 取り扱い

原則として通知日から1 年程度の履行期限を設定した上で 別添 2 不耕作農地に関する意向確認について 文書 ( 以下 意向確認文書 という ) を速やかに送付し 返送された意向確認文書の別紙により貸付相手方の意思を確認し 次に掲げる態様毎に対応するものとする ( 注 ) なお 耕作を行う意思表示をし

報設備 共同住宅用非常コンセント設備 特定小規模施設用自動火災報知設備 加圧防排煙設備及び複合型居住施設用自動火災報知設備第二講習の対象講習は 消防法施行規則 ( 昭和三十六年自治省令第六号 以下 規則 という ) 第三十一条の六第六項各号のいずれかに該当する者を対象とするものとする 第三講習科目及

汚染の除去が行われた場合には 指定を解除その他 区域の指定等 1 要措置区域 ( 法第 6 条 ) 土壌汚染の摂取経路があり 健康被害が生ずるおそれがあるため 汚染の除去等の措置が必要な区域 汚染の除去等の措置を都道府県知事等が指示 ( 法第 7 条 ) 土地の形質の変更の原則禁止 ( 法第 9 条

名前 第 1 日目 建築基準法 2 用途規制 1. 建築物の敷地が工業地域と工業専用地域にわたる場合において 当該敷地の過半が工業地域内であると きは 共同住宅を建築することができる 2. 第一種低層住居専用地域内においては 高等学校を建築することができるが 高等専門学校を建築する ことはできない

第 2 節 監督処分等 ( 監督処分等 ) 第 81 条 国土交通大臣 都道府県知事又は市長は 次の各号のいずれかに該当する者に対して 都市計画上必要な限度において このの規定によってした許可 認可若しくは承認を取り消し 変更し その効力を停止し その条件を変更し 若しくは新たに条件を付し 又は工事



6-3 本市の違反宅地開発の状況 本市における違反宅地開発には 次のようなケースがありました ケース 1( 無許可工事 ) ケース 2( 許可後の無断変更工事 ) ロー経緯書 顛末書提出 建築相談 開発 宅造許可 現場調査 工事着手 無断造成発見 許可内容の変更相談 来課要請 変更内容 1 予定建築

資料 4 平成 29 年 1 月 27 日記者会見 土地区画整理事業に関する土地利活用意向調査の実施結果について 復興推進本部都市整備推進室 1 土地利活用意向調査の目的 市内 4 地区の土地区画整理事業は 平成 29 年度末を目標に全ての宅地引渡しが完了できるよう鋭意工事を進めております 地権者へ

Microsoft Word - 宅地造成・区画形質変更の手引

Microsoft Word _特定施設水道連結型スプリンクラー設備の配管における適切な施工について.docx

立入検査手順一覧 1 事前の準備 2 事前の通知 3 防火対象物への立入 4 検査の実施 検査終了 あり 不備事項の有無 なし あり 違反処理 火災発生危険等緊急性の有無 なし 6 検査結果の通知 5 資料提出命令 報告徴収 8 指導記録簿の作成 立入検査終了 7 改修 ( 計画 ) 報告の指導 8

⑶ 特定空家等法第 2 条第 2 項に規定する特定空家等をいう ⑷ 居住建築物等区内に存する居住の用に供されている建築物その他の建築物またはこれに付属する工作物およびその敷地 ( 立木その他の土地に定着する物を含む ) であって 空家等に該当しないものをいう ただし 国または地方公共団体が所有し ま

様式 7 ( 17 条関係 ) 生駒市消防長 ( 生駒市消防署長 ) 資料提出命令書 所在 名称 用途 火災予防のため必要があるので 消防法 4 条 1 項の規定に基づき 下記のとおり命令する なお 本命令に従わない場合は 消防法 44 条 2 の規定により処罰されることがある 記 命令事項 ( 行

第 1 号様式 ( 第 5 条関係 ) 開発事業構想届出書 ( 提出先 ) 二宮町長 年月日 事業者住所 氏名 印 代理人住所 氏名 印 電話番号 二宮町の開発事業における手続及び基準等に関する条例第 5 条第 1 項の規定により 関係図書を添えて届け出ます 開発区域の地名地番二宮町 開発区域の面積

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( その他 ) 第 11 条この規則に定めるもののほか, 必要な事項は, 市長が別に定める 附則この規則は, 平成 30 年 4 月 1 日から施行する

消防用設備・機械器具等に係る最近の検討状況等

株式会社フロンティアビジネス 別紙 1 1 処分内容 (1) 労働者派遣法第 21 条第 2 項に基づく労働者派遣事業停止命令 ( 労働者派遣事業停止命令の内容は 3 のとおり ) (2) 労働者派遣法第 49 条第 1 項に基づく労働者派遣事業改善命令 ( 労働者派遣事業改善命令の内容は 4 のと

はじめに 消防法の規定では 一定規模の建物の管理権原者は 防火管理者を定め 消防計画を作成し 防火管理上必要な業務の実施を定めています その中でも 消防計画に基づく訓練の実施は最も重要な事項です 特に特定防火対象物 ( 集会場 スーパー ホテル 病院等の不特定多数の人が出入りする施設 ) には 年

【道路台帳整備の対象となる指定道路】

8 号様式 ) を市長に提出しなければならない 2 前項の協議書には 法第 30 条第 2 項及び第 1 条に規定する図書のうち市長が必要と認めるものを添付しなければならない ( 開発行為の変更の許可等 ) 第 4 条法第 35 条の2 第 1 項の規定による変更の許可を受けようとする者は 開発行為

美浜町空家等解体促進費補助金交付要綱

東京都駐車場条例(昭和三十三年東京都条例第七十七号)新旧対照表(抄)

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Transcription:

滝川地区広域消防事務組合の概要 名で 査察 違反処理 火災調査等を予防課予 滝 川 地 区 広 域 消 防 事 務 組 合 は 管 内 面 積 防係 消防同意事務 危険物規制事務等を同課 802.35 管轄人口約53,000人で滝川市 新 保安指導係 予防広報活動等を同課広報係が行っ 十津川町及び雨竜町の1市2町で広域消防行政を ている 行っている 本稿では 当本部が雑居ビルに対して 消防法 拠点となる滝川市は 札幌市と旭川市のほぼ中 第17条の4第1項の規定に基づく消防用設備等 間に位置し 札幌市へは車で約1時間30分 約 設置維持命令から同法第5条の2の規定に基づく 90 の距離で 古くは炭鉱輸送の関係で交通の 使用停止命令を準備し 命令発動の直前に改善へ 要衝とされていた 近年は恵まれた自然環境の中 と至った違反是正事例を紹介する でグライダーやカヌーなど自然と調和したスポー 防火対象物の概要 ツが盛んである 消防本部の体制は1本部1署2支署 職員数は 87名の2交替制 予防業務に関しては総勢11 本件違反是正に係る防火対象物の概要は次のと おり 消防法第5条の2の規定に基づく 使用停止命令発動を決定し是正に 木村俊文 至った事例 滝川地区広域消防事務組合消防本部予防課予防係 52 1201.indd 52 月刊フェスク 12.2 12/01/16 15:28

建築面積 :986m2 延べ面積:1,992m2 階数 : 地上 6 階 構造 : 鉄骨コンクリート造 ( 内装制限あり ) 用途 : 複合用途防火対象物 ( 駐車場 / 飲食店 ( 賃貸業 )/ 事務所 ) 消防法施行令別表第 1⒃ 項イ本件防火対象物は市内の歓楽街に位置しており 1 階を駐車場 2 階から5 階を飲食店 6 階を法人の事務所として使用していた 設置されている消防用設備等は 消火器 屋内消火栓 自動火災報知設備 誘導灯 避難器具が設備されているが 当該対象物の面積及び構造上 屋内消火栓は任意設置である 違反の概要昭和 41 年にパチンコ店及び飲食店 ( 賃貸業 ) として営業を開始 その後 パチンコ店を廃業し駐車場にし 2 階以上は飲食店 ( 賃貸業 ) として使用している 平成 17 年に行った立入検査で自動火災報知設備の受信機並びに共用部分における感知器の型式失効等の違反を覚知した しかし 事前に立入検査日を通知していたが 検査時に所有者 ( 法人の代表取締役 ) の立会いを得られず 飲食店内の状況はわからなかった このため覚知できた違反事項に対し立入検査結果通知書を交付 改修等報告書を求めたが提出されなかった このことから 立入検査は行わないものの 口頭指導により 毎年 消防用設備等点検結果報告書 を提出すること及び設備改修の指導をしてきたが 約 5 年にもわたり改修の動きは見られなかった 平成 22 年 5 月に違反処理を前提とした立入検査を再度実施 上記違反事項に加え 選任されていた防火管理者が退職していることや 使用店舗において感知器の取り外しによる未警戒等の違反が判明した なお 建築基準法違反について 市の建築課に問い合わせたところ 建築基準法違反については見当たらないとのことであった 指導の経緯平成 22 年 5 月の立入検査以降 すぐに改修等報告書が提出されたが 消防設備改修について 建物外観は事態が一向に進展しないため 電話及び当消防本部に出頭させながら継続的に是正指導を行い早急な改善を求めた しかし 関係者は是正の意思を多少示すものの 今の経営状態での改修は不可能 との話で改善が進まないことから 同年 7 月の関係者との協議で 自動火災報知設備の是正を優先すること また 現在使用しているのは3 階までなので それ以上を防火上有効に完全閉鎖することで受信機をP 型 2 級にしてもよい等 の案を提示した 協議以降 関係者は設備業者に見積もりを依頼し 是正に向けて動き出したと思われたが 経営状態を理由に遅々として進まなかった 月刊フェスク 12.2 53

警告書交付違反覚知以降 消防としては相手の経営状態を考慮しながら是正指導を行ってきた 不特定多数者が利用 深夜まで営業しアルコールを提供していること さらに 歓楽街に位置しており災害が発生したならば多大な被害が予想されることに加え 避難訓練の未実施など災害発生時の危機意識が感じられなかった このことから 平成 22 年 10 月 21 日付けで 建物所有者を名あて人として消防法第 17 条第 1 項の規定により警告を行った 警告内容は1 自動火災報知設備の受信機及び感知器を改修すること 2 未警戒区域に感知器を設置すること 3 避難誘導灯の機能不良箇所を改修することとし 履行期限は消防庁違反処理標準マニュアルを参考に 約 3カ月の期間となる平成 23 年 1 月 20 日とした 警告後も名あて人に対し継続して是正指導を行うが 口頭では 改修する気はある と申し立てるものの 実際には金銭的な理由から動きがなく膠着した状態で履行期限に至った 命令書発出警告の履行期限経過後も粘り強く名あて人に改 修に向けての指導を行ってきたが 相変わらず口頭で是正の意思を申し立てるだけで 事態の進展は見られなかった このため 平成 23 年 3 月上旬の名あて人との話し合いで これまでも指導の中で説明してきたが 消防サイドは警告の履行期限到来後も一切改修に向けての現実的な動きが見られないため 今後実際に命令に移行する旨を通告した 同年 3 月 21 日に第 2 回目の実況見分を行い 同月 31 日付けで当消防本部として初めて消防法第 17 条の4 第 1 項の規定に基づき消防用設備等設置維持命令 ( 以下 設置維持命令 という ) の発出に至った 履行期限については自動火災報知設備及び誘導灯ともに同年 5 月 31 日で 命令と同時に防火対象物の入り口への標識設置及び滝川地区広域消防事務組合ホームページへの掲載により命令の公示を行った 消防用設備等設置維持命令後設置維持命令発出後も関係者の対応は変わらず 口頭では是正の意思は示し 散発的に業者を伴って当消防本部へ出頭し改修の計画等を申し立てるが 資金繰りの関係を理由に具体的な動きはない状況であった 2 階店舗内 失効受信機 3 階店舗内 54 月刊フェスク 12.2

実況見分 設置維持命令の履行期限が経過し 1カ月が過ぎた頃に関係者より 資金の準備ができたので改修します 近々業者がそちらに向かいます との連絡があった このため消防サイドは告発若しくは使用停止命令への移行を保留 催告書を交付し改修の経過を見ることとした しかし 1 週間以上経過しても何ら連絡がないため 関係者を当消防本部へ出頭させ進捗状況を確認したところ 資金の準備ができていないため 改修はできそうにない とのことであった 消防サイドは資金が準備され改修できるとのことで違反処理を保留していたため これ以上の期限猶予は認めないこととし 履行期限が経過しているため直ちに次の措置に移行することを告げ 具体的な措置の検討に着手した 使用停止命令準備の検討名あて人のこれまでの対応を考慮すると 現時点で設置維持命令の履行期限が2カ月経過していること及び今後も命令事項が履行される可能性は極めて低いため 当消防本部の違反処理規定に従 い上位措置に移行することとした ⑴ 使用停止命令若しくは告発設置維持命令後の上位措置として 告発若しくは使用停止命令となるが 消防内協議の結果 告発では消防サイドの望む安全な建物とはならない 使用形態を考慮すると 早急な人命危険排除のために与えられた権限を適切に行使する 等の理由から 使用停止命令措置による方針を決定した 併せて関係者による使用停止命令の妨害行為等についても考慮し 地元警察署へ現状の説明及び告発に至った場合の打合せを行い 警察機関との協力体制で使用停止命令発動準備となった ⑵ 使用停止命令の名あて人は誰? 使用停止命令を発動する上で 設置維持命令は建物所有者を名あて人としたが 使用停止命令に移行した場合 テナント利用者に対してもそれぞれ使用の禁止を命ずる必要があるのか等について検討した その結果建物所有者のみに対し発動する方針としたが 使用停止命令発動前に各テナントオーナーに対し消防及び警察サイドからこれまでの経緯と今後の展開について説明することを決めた 月刊フェスク 12.2 55

使用停止命令の発動準備使用停止命令発動に伴う実況見分を7 月 20 日に名あて人立会いの下 警察機関同行で行い 命令事項の履行がなされていないことを確認した このままでは使用停止命令に移行する旨及び罰則について教示し 同日に各テナントオーナーに対しても説明を行った 名あて人は使用停止命令について納得し 各テナントを退去させ当該防火対象物を閉鎖するとのことであったが 7 月下旬 名あて人からの連絡で 資金の準備ができたので改修する との話が再度あった 消防サイドは 確たる物の提出がないと使用停止命令の猶予はしない ことを回答した 改修に向かって 8 月 2 日に設備業者から着工届が提出された これにより 消防サイドは是正に進んでいることを認識したため 8 月中旬頃発動予定であった使用停止命令の猶予を認めることを名あて人に通告し 自動火災報知設備について特例規定適用願いを提出するよう指導した その後 工事に多少の時間を要したが 9 月 24 日に消防用設備等設置届出書が提出され9 月 28 日に自動火災報知設備の検査を実施し 同時に使用しない部分 (4 階以上 ) の防火上有効な区画にあっても完了していることを受け 消防用設備等設置維持命令の履行を確認した おわりにまず 本件違反処理事案について助言をいただいた札幌市消防局予防部指導課特別機動査察隊の 取り換え受信機 設置維持命令に伴う標識の設置皆様に感謝を申し上げる 本件事案に本格的に着手し月日が経過するにつれ 関係者の対応から是正は非常に難しく告発に移行することもやむをえないのではないかと考えていた しかしながら 違反処理は人命救助である との信念のもと 毅然と関係者に対応し 消防は与えられた権限を行使するという強い決意を示したことで 使用停止命令発動直前に是正完結となった 今回は違反の覚知から是正完結まで約 5 年の期間を要した 当消防本部のような小規模消防では予防業務ばかりでなく 現場や他の業務も抱えているため 経験不足は拭えない このため違反処理に踏み出すには相当の勇気と覚悟が必要である しかし この違反処理を行うことで予防課員は多くの知識 経験 そして自信を得ることができた 今後もこの経験と知識を途切れさせることなく 違反処理は人命救助 との信念を持ち 与えられた権限を適切に行使し 違反是正に取り組む決意である 56 月刊フェスク 12.2