ア. 知識として知っていることを確認するもの 知識として知っているレベル 表記 列挙できる ( 知っているレベル ) 概説できる ( だいたいのところを説明できるレベル ) 説明できる ( 具体的に説明できるレベル ) 筆記試験や口答試験により 知識を確認することが考えられる イ. 技術の習得を確認

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振り返り 研修全体を振り返り 本研修を通じて学んだことについて再確認を行うとともに 就業後も継続して学習 研鑚する姿勢の形成 学習課題の認識をはかる 修了時のポイント 介護職員としての基本的な姿勢はいうまでもなく 日常的に自身を高める課題を明確に意識しながら就業する姿勢が重要 コース 1. 振り返り

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1 発達とそのメカニズム 7/21 幼児教育 保育に関する理解を深め 適切 (1) 幼児教育 保育の意義 2 幼児教育 保育の役割と機能及び現状と課題 8/21 12/15 2/13 3 幼児教育 保育と児童福祉の関係性 12/19 な環境を構成し 個々 1 幼児期にふさわしい生活 7/21 12/

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13 Ⅱ-1-(2)-2 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している Ⅱ-2 福祉人材の確保 育成 Ⅱ-2-(1) 福祉人材の確保 育成計画 人事管理の体制が整備されている 14 Ⅱ-2-(1)-1 必要な福祉人材の確保 定着等に関する具体的な計画が確立し 取組が実施されている 15

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看護師のクリニカルラダー ニ ズをとらえる力 ケアする力 協働する力 意思決定を支える力 レベル Ⅰ 定義 : 基本的な看護手順に従い必要に応じ助言を得て看護を実践する 到達目標 ; 助言を得てケアの受け手や状況 ( 場 ) のニーズをとらえる 行動目標 情報収集 1 助言を受けながら情報収集の基本

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出時に必要な援助を行うことに関する知識及び技術を習得することを目的として行われる研修であって 別表第四又は別表第五に定める内容以上のものをいう 以下同じ ) の課程を修了し 当該研修の事業を行った者から当該研修の課程を修了した旨の証明書の交付を受けた者五行動援護従業者養成研修 ( 知的障害又は精神障

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スライド 1

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デイサービス東神田の里事業計画 ( 案 ) 開設年月日 事業所名 平成 26 年 10 月 1 日 デイサービス東神田の里 事業内容通所介護 / 介護予防通所介護 ( デイサービス ) 事業規模 開設場所 利用定員 20 名 大阪府寝屋川市東神田町 19 番 1 号 平成 28 年度事業運営基本計画

介護老人保健施設 契約書

Transcription:

介護職員初任者研修における目標 評価の指針 1. 各科目の到達目標 管理 (1) 介護職員初任者研修を通した到達目標 1 基本的な介護を実践するために最低限必要な知識 技術を理解できる 2 介護実践については 正しい知識とアセスメント結果に基づく適切な介護技術の適用が必要であることを理解できる 3 自立の助長と重度化防止 遅延化のために 介護を必要とする人の潜在能力を引き出し活用 発揮させるという視点が大切であることを理解できる 4 利用者ができるだけなじみのある環境で日常的な生活を送れるようにするために 利用者一人ひとりに対する生活状況の適確な把握が必要であることを理解できる 5 他者の生活観及び生活の営み方の共感 相手の立場に立って考えるという姿勢を持つことの大切さについて理解できる 6 自立支援に資するサービスを多職種と協働して総合的 計画的に提供できる能力を身につけることが 自らの将来の到達目標であることを理解できる 7 利用者本位のサービスを提供するため チームアプローチの重要性とその一員として業務に従事する際の役割 責務等を理解できる 8 利用者 家族 多職種との円滑なコミュニケーションのとり方の基本を理解できる 9 適確な記録 記述の大切さを理解できる 10 人権擁護の視点 職業倫理の基本を理解できる 11 介護に関する社会保障の制度 施策 サービス利用の流れについての概要を理解できる 2. 各科目の 到達目標 評価の基準 1 ねらい ( 到達目標 ) ねらい ( 到達目標 ) は 各科目が実務においてどのような行動ができる介護職員を養成しようとするのかを定義したものである 介護職員初任者研修修了時点でただちにできることは困難だが 当法人は 研修修了後一定の実務後にこの水準に到達する基礎を形成することを目標に 研修内容を企画する 2 修了時の評価ポイント 修了時の評価ポイント とは 介護職員初任者研修において実施する受講者の習得状況の評価において 最低限理解 習得すべき事項を定義したものである 当法人は受講生が修了時にこの水準に到達できていることを確認する 修了時のポイント は評価内容に応じて下記のような表記となっている 1

ア. 知識として知っていることを確認するもの 知識として知っているレベル 表記 列挙できる ( 知っているレベル ) 概説できる ( だいたいのところを説明できるレベル ) 説明できる ( 具体的に説明できるレベル ) 筆記試験や口答試験により 知識を確認することが考えられる イ. 技術の習得を確認するもの 実技演習で行った程度の技術を習得しているレベル 表記 ~できる 実施できる 教室での実技を行い確認することが考えられる 3. 研修科目と研修時間 科目名 研修時間 1 職務の理解 6 時間 2. 介護における尊厳の保持 自立支援 9 時間 3. 介護の基本 6 時間 4. 介護 福祉サービスの理解と医療との連携 9 時間 5. 介護におけるコミュニケーション技術 6 時間 6. 老化の理解 6 時間 7. 認知症の理解 6 時間 8. 障害の理解 3 時間 9. こころとからだのしくみと生活支援技術 75 時間 10. 振り返り 4 時間 合 計 130 時間 2

各科目の到達目標 評価 内容 ( 科目別シラバス ) 1. 職務の理解 (6 時間 ) (1) 到達目標 評価の基準ねらい 研修に先立ち これからの介護が目指すべき その人の生活を支える 在宅におけるケア 等の実践について概略を学ぶ 介護職がどのような環境で どのような形で どのような仕事を行うのか 具体的イメージを持って実感し 以降の研修に実践的に取り組めるようになる (2) 指導の視点 研修過程全体 (130 時間 ) の構成と各研修科目 (10 科目 ) 相互の関連性の全体像をあらかじめイメージできるようにし 学習全体を体系的に整理して知識を効率 効果的に学習できるような素地の形成を促す 視聴覚教材等を工夫するとともに 必要に応じて見学を組み合せるなど 介護職が働く現場や仕事の内容を 出来るかぎり具体的に理解させる (3) 内容 1. 多様なサービスの理解 (3 時間 ) 介護職が働く現場にはどのような種類の職場があるのか介護保険サービス ( フォーマルサービス ) とそれ以外のインフォーマルサービス等について事例を通して理解する また そのサービスを利用する利用者像についても併せて理解する 2. 介護職の仕事内容や働く現場の理解 (3 時間 ) 居宅 施設の多様な働く現場におけるそれぞれの仕事内容を理解する 居宅 施設の実際のサービス提供現場の具体的イメージを掴む ( 視聴覚教材の活用 現場職員の体験談 ) ケアプランの位置付けに始まるサービスの提供に至るまでの一連の業務の流れについて具体的なイメージを持たせる その一連の流れとチームアプローチ 多職種 介護保険外のサービスを含めた地域の社会資源との連携について理解する 展開例 視聴覚教材を活用するなど 介護職の仕事の内容や介護の現場を具体的に実感できるよう 留意する 受講後 グループディスカッションを行い それぞれの現場について不明な点や確認したいことをグループごとにあげてもらい イメージをさらに広げる 3

2. 介護における尊厳の保持 自立支援 (9 時間 ) (1) 到達目標 評価の基準ねらい 介護職が 利用者の尊厳のある暮らしを支える専門職であることを自覚する 自立支援 介護予防と言う介護 福祉サービスを提供するにあたっての基本的視点及びやってはいけない行動例を理解する (2) 修了時の評価ポイント 介護の目標や展開について 尊厳の保持 QOL ノーマライゼーション 自立支援の考え方を取り入れて概説できる 虐待の定義 身体拘束 およびサービス利用者の尊厳 プライバシーを傷つける介護についての基本的なポイントを列挙できる (3) 指導の視点 具体的な事例を複数示し 利用者およびその家族の要望にそのまま応えることと 自立支援 介護予防という考え方に基づいたケアを行うことの違い 自立という概念に対する気づきを促す 具体的な事例を複数示し 遅延化に資するケアへの理解を促す 利用者の尊厳を著しく傷つける言動とその理由について考えさせ 尊厳という概念に対する気づきを促す 虐待を受けている高齢者への対応方法についての指導を行い 高齢者虐待に対する理解を促す (4) 内容 1. 人権と尊厳を支える介護 (6 時間 ) 人権と尊厳の保持を理解する 個人としての尊厳 アドボカシー エンパワメントの視点 役割の実感 尊厳のある暮らし 利用者のプライバシーの保護 ノーマライゼーションやICFの概念を概ね理解する 生活の質 (QOL) について理解する 身体拘束や介護放棄などによる虐待事例を紹介しその対応例などを理解する 身体拘束禁止 高齢者虐待防止法 個人の権利を守る制度の概要について理解する 個人情報保護法 成年後見制度 日常生活自立支援事業 展開例 視聴覚教材などを利用して 人権と尊厳 についてグループワークを行い 介護職として 人権 に関してどのような視点が求められているのか考察する 2. 自立に向けた介護 (3 時間 ) 高齢者や要介護者の自立 自律支援 動機と欲求 意欲を高める支援 残存機能の活用 重度化防止 個別性 個別ケアの理解 介護予防の考え方を知る 4

展開例 具体的な利用者像を示し 自立支援の観点から その利用者にはどのような係わりが必要 なのか グループで話し合い発表する 3. 介護の基本 (6 時間 ) (1) 到達目標 評価の基準ねらい 介護職に求められる専門性と職業倫理の必要性に気づき 職務におけるリスクとその対応策のうち重要なものを理解している 介護を必要としている人の個別性を理解し その人の生活を支えるという視点から支援を捉える事ができる (2) 修了時の評価ポイント 介護の目指す基本的なものは何かを概説でき 家庭による介護と専門職による介護の違い 介護の専門性について列挙できる 介護職として共通の基本的な役割とサービスごとの特性 医療 看護との連携の必要性について列挙できる 介護職の職業倫理の重要性を理解し 介護職が利用者や家族等と関わる際の留意点について ポイントを列挙できる 生活支援の場で出会う典型的な事故や感染 介護における主要なリスクを列挙できる 介護職におこりやすい健康障害や受けやすいストレス またそれらに対する健康管理 ストレスマネジメントのあり方 留意点等を列挙できる (3) 指導の視点 可能な限り具体例を示す等の工夫を行い 介護職に求められる専門性に対する理解を促す 介護におけるリスクに気づき 緊急対応の重要性を理解するとともに 場合によってはそれに一人で対応しようとせず サービス提供責任者や医療職と連携することが重要であると実感できるよう促す (4) 内容 1. 介護職の役割 専門性と多職種との連携 (2 時間 ) 介護現場の特徴の理解 訪問介護と施設介護について理解する 地域包括ケアの方向性について理解する 介護の専門性の理解 重度化防止 遅延化の視点 利用者主体の支援姿勢 自立した生活を支えるための援助 根拠ある介護 チームケアの重要性 事業所内のチーム 多職種からなるチーム 介護に関わる職種の理解 互いの専門能力を活用した効果的なサービス提供 チームケアの役割 5

2. 介護職の職業倫理 (1 時間 ) 介護職としての職業倫理の重要性について学び理解する 介護職として求められる高い倫理性について理解する 求められる法的規定や行動規範について理解する 実際に利用者やその家族らと関わる際の留意点を学ぶ プライバシーの保護 尊重について理解する 展開例 各自 理想とする介護職員像を考え発表する それについて講評 具体的なサービス提供の過程や家族による介護との比較等を行いながら 介護の専門性についての理解を促す 3. 介護における安全の確保とリスクマネジメント (2 時間 ) 介護における安全の確保を学ぶ 事故に結びつく要因を探り対応していく技術 リスクとハザード 事故予防 安全対策の理解 リスクマネジメント 分析の手法 情報の共有 事故に至った経験の報告( 家族への報告 市町村への報告 ) 介護現場で起こりやすい事故や感染 安全に対する備えについて学ぶ 感染の原因と経路( 感染源の排除 感染経路の遮断 ) 感染症に対する正しい知識 展開例 検討事例を示し 問題点を導き解決する 講評 4. 介護職の安全 (1 時間 ) 介護職の心身の健康管理の方法 ( 予防と対策 ) について理解する 介護職に起こりやすい健康障害について理解する ストレスマネジメント 腰痛 手洗い うがいの励行 展開例 ストレスチェックシート の活用方法を理解する 実際に体験し講評 具体的なサービス提供の過程や 家族による介護との比較等を行いながら 介護の専門性についての理解を促す 緊急時の対応など具体的な例を挙げ 多職種間による連携のイメージづくりや 緊急時にも一人で対応する必要がないことを実感できるようにする 6

4. 介護 福祉サービスの理解と医療との連携 (9 時間 ) (1) 到達目標 評価の基準ねらい 介護保険制度や障害者総合支援制度を担う一員として制度の理念を理解している 利用者の生活を中心に考えるという視点を共有し その生活を支援するための介護保険制度 障害者総合支援制度 その他の制度の位置図づけやサービス利用の流れ 各専門職の役割 責務について その概要のポイントを列挙できる (2) 修了時の評価ポイント 生活全体の支援のなかで介護保険制度の位置づけを理解し 各サービスや地域支援の役割について列挙できる 介護保険制度や障害者総合支援制度の理念 介護保険制度の財源構成と保険料負担の大枠について列挙できる 例 : 税が財源の半分であること 利用者負担割合 ケアマネジメントの意義について概説でき 代表的なサービスの種類と内容 利用の流れについて列挙できる 高齢障害者の生活を支えるための基本的な考え方を理解し 代表的な障害者福祉サービス 権利擁護や成年後見の制度の目的 内容について列挙できる 医行為の考え方 一定の要件のもとに介護福祉士等が行う医行為などについて列挙できる (3) 指導の視点 介護保険制度 障害者総合支援制度を担う一員として 制度の理念に対する理解を徹底する 利用者の生活を中心に考えるという視点を共有し その生活を支援するための介護保険制度 障害者総合支援制度 その他制度の位置づけや 代表的なサービスを理解する (4) 内容 1. 介護保険制度 (3 時間 ) 介護保険制度創設の背景から目的 動向 基本的な仕組みを理解する ケアマネジメント 予防重視型システムへの転換 地域包括支援センターの設置 地域包括ケアシステムの推進 介護保険制度を支える財源や関わる組織団体の機能と役割について理解する 財政負担 指定介護サービス事業者の指定 介護保険制度の基本的な仕組みを理解する 保険制度としての基本的仕組み 介護給付と種類 予防給付 要介護認定の基準 7

2. 医療との連携とリハビリテ ション (3 時間 ) リハビリテーションの理念と考え方について理解する 居宅 施設における介護職と看護職の役割と連携について理解する 医療行為と原則的に医行為ではない行為について理解する 訪問看護の役割と業務内容について理解する 訪問介護制度と介護職 看護職の連携について理解する 展開例: 演習 医療と介護の連携について 課題は何か グループ討議を行い 基本的視点を深める 3. 障害者総合支援制度およびその他制度 (3 時間 ) 障害者福祉制度の理念 個人の権利を守る制度の概要を理解する 個人情報保護法 成年後見制度 日常生活自立支援事業 障害者総合支援法についての基本的な仕組みや内容について理解する 居宅介護 重度訪問介護 同行援助などのヘルパー活動について理解する 展開例: 演習 障害者福祉制度について 課題は何か グループ討議を行い 現行制度の問題点等をさぐる 発表 講評 チームの一員として求められる役割等について 事業者での採用時研修の内容を理解できるよう 重要なキーワードは繰り返し確認する等 理解を促す 研修時間の都合で詳細な説明を省略するキーワードについては サービスに従事し始めてから自己学習が必要であることを伝え 学習のための参考資料を例示する 8

5. 介護におけるコミュニケーション技術 (6 時間 ) (1) 到達目標 評価の基準ねらい 高齢者や障害者のコミュニケーション能力は一人ひとり異なることと その違いを認識してコミュニケーションを取ることが専門職に求められていることを理解する 初任者として最低限の取るべき ( 取るべきでない ) 行動例を理解している 記録の機能と重要性を理解する (2) 修了時の評価ポイント 共感 受容 傾聴的態度 気づきなど 基本的なコミュニケーション上のポイントについて列挙できる 家族が抱きやすい心理や葛藤の存在と介護における相談援助技術の重要性を理解し 介護職としてもつべき視点を列挙できる 言語 視覚 聴覚障害者とのコミュニケーション上の留意点を列挙できる 記録の機能と重要性に気づき 主要なポイントを列挙できる (3) 指導の視点 利用者の心理や利用者との人間関係を著しく傷つけるコミュニケーションとその理由について考えさせ 相手の心身機能に合わせた配慮が必要であることへの気づきを促す チームケアにおける専門職間でのコミュニケーションの有効性 重要性を理解するとともに 記録等を作成する介護職一人ひとりの理解が必要であることへの気づきを促す (4) 内容 1. 介護におけるコミュニケーション (3 時間 ) 対人援助関係におけるコミュニケーションの意義と目的 役割 技法を理解する 相手のコミュニケーション能力に対する理解や配慮 傾聴 共感の応答 言語的コミュニケーション 非言語的コミュニケーションの特色を理解する 利用者や家族の状況 状態に応じたコミュニケーション技術の実際について理解する 利用者の思いを把握する 意欲低下の要因を考える 利用者の感情に共感する 家族の心理的理解 家族へのいたわり 信頼関係の形成 自分の価値観で家族の意向を判断し非難しない アセスメントの手法とニーズとデマンドの違い 視力 聴力の障害に応じたコミュニケーション技術 失語症に応じたコミュ二ケーション技術 構音障害に応じたコミュニケーション技術 認知症に応じたコミュニケーション技術 展開例: 演習 介護職と利用者との関係を想定しロールプレイを行なって 実際のコミュニケーション技術を身につける 9

2. 介護におけるチームのコミュニケーション (3 時間 ) 介護における情報の共有化の理解 介護における記録の意義 目的 利用者の状態を踏まえた観察と記録 介護に関する記録の種類 ヒヤリハット報告書 5W1H 個別支援計画書( 訪問 通所 入所 福祉用具貸与等 ) 介護における報告の重要性を学び 記録の仕方についての留意点等を理解する 報告の留意点 連絡の留意点 相談の留意点 チームのコミュニケーションに必要な報告 連絡 相談の意義と目的を理解し 具体的な方法について理解する 多職種との連携の在り方を学ぶ ケアカンファレンスの重要性 役割の認識の場( 利用者と頻回に接触する介護者に求められる観察眼 ) 報告 連絡 相談の留意点を学ぶ 会議の意義と目的を理解し具体的な進め方を理解する 展開例: 演習 事例をもとにコミュニケーションが成立しにくい相手でも ふさわしいコミュニケーション技術を選択することにより コミュニケーションが円滑になる可能性があることを認識できるよう工夫する 会議の進め方等についてロールプレイ等を行い理解を深める 本科目の内容は 認知症の理解 等の科目においても繰り返し触れ 演習等を通して理解を深めるよう促す 10

6. 老化の理解 (6 時間 ) (1) 到達目標 評価の基準ねらい 加齢 老化に伴う心身の変化や疾病について 生理的な側面から理解することの重要性に気づき 自らが継続的に学習すべき事項を理解している 高齢者に多い疾病の種類と症状について理解する (2) 修了時の評価ポイント 加齢 老化に伴う生理的な変化や心身の変化 特徴 社会面 身体面 精神面 知的能力面などの変化に着目した心理的特徴について列挙できる 例 : 退職による社会的立場の喪失感 運動機能の低下による無力感や羞恥心 感覚機能の低下によるストレスや疎外感 知的機能の低下による意欲の低下等 高齢者に多い疾病の種類とその症状や特徴及び治療 生活上の留意点 及び高齢者の疾病による症状や訴えについて列挙できる 例 : 脳梗塞の場合 突発的に症状が起こり 急速に意識障害 片麻痺 半側感覚障害等を生じる等 (3) 指導の視点 高齢者に多い心身の変化 疾病の症状等について具体的な例を挙げ その対応における留意点を説明し 介護において生理的側面の知識を身につけることの必要性を理解させる (4) 内容 1. 老化に伴うこころとからだの変化と日常 (3 時間 ) 老化に伴う生理的な変化や心身の変化の特徴を学び 個人差も大きいことを理解する 老化による社会面 身体面 精神面 知的能力面等の変化と日常生活におよぼす影響について理解する 防衛反応( 反射 ) の変化 喪失体験 咀嚼機能の低下 筋 骨 関節の変化 体温維持機能の変化 精神的機能の変化と日常生活への影響 展開例: 演習 事例 ( 視聴覚教材 ) を見て感じたことをまとめて発表 講評 2. 高齢者と健康 (3 時間 ) 高齢者に多くみられる疾病とその日常生活上の留意点について理解する 骨折 関節痛 筋肉の低下と動き 姿勢の変化 高齢者に多い病気とその日常生活上の留意点 また病気の裏に潜む重大な病気について気づくことの重要性について理解する 循環器障害( 脳梗塞 脳出血 虚血性心疾患 ) 循環器障害の危険因子と対策 病状の小さな変化に気づく視点 高齢者は感染症にかかりやすい 老年期うつ病症状( 強い不安 焦燥感を背景に 訴え の多さが前面にでるうつ病性仮性認知症 ) 誤嚥性肺炎 11

展開例: 演習 視聴覚教材の活用等により 加齢や老化に伴う心身の変化や疾病の症状に対する気付きや理解を促す 必要に応じて 8 障害の理解 で取り扱う障害の概念や ICF 等の基本的な考え方を参照に理解を深めるよう促す ) グループに分かれて気づいてことをまとめ発表 研修修了後も学習を継続することを踏まえ 生理的な知識の体系を示した上で 講義で詳しく扱ったものとそうでもないものを図示する等の工夫により継続学習できることが望ましい 7. 認知症の理解 (6 時間 ) (1) 到達目標 評価の基準ねらい 介護において認知症を理解することの必要性と認知症の心理 行動を理解する 認知症の利用者を介護する時の判断の基準となる原則を理解する (2) 修了時の評価ポイント 認知症ケアの理念や利用者中心というケアの考え方について概説できる 健康な高齢者の 物忘れ と認知症による記憶障害の違いについて列挙できる 認知症の中核症状と行動 心理症状 (BPSD) 等の基本的特性 およびそれに影響する要因を列挙できる 認知症の心理 行動のポイント 認知症の利用者への対応 コミュニケーションのとり方 および介護の原則について列挙できる また 同時に若年性認知症の特徴 廃用性症候群予防について列挙できる 認知症の利用者の健康管理の意義や重要性と留意点について概説が出来る 例 : 生活習慣や生活様式の継続 なじみの人間関係やなじみの空間 プライバシーの確保と団らんの場の確保等 地域を含めて生活環境とすること 認知症の利用者とのコミュニケーション ( 言語 非言語 ) の原則 ポイントについて理解でき 具体的な関り方 ( 良い関わり方 悪い関わり方 ) を概説できる 家族の気持ちや 家庭が受けやすいストレスについて列挙できる (3) 指導の視点 認知症の利用者の心理 行動の実際を示す等により 認知症の利用者の心理 行動を実感できるよう工夫し 介護において認知症を理解することの必要性への気づきを促す 複数の具体的なケースを示し 認知症の利用者の介護における原則についての理解を促す 12

(4) 内容 1. 認知症を取り巻く現状 (1 時間 ) 具体的なケースを通して認知症ケアの理念を理解する パーソンセンタードケアの理解 その考え方について学ぶ 認知症の利用者への介護における原則について理解する 認知症ケアの視点 ( できることに着目する ) 2. 医学的側面から見た認知症の基礎と健康管理 (3 時間 ) 認知症の概念を理解し その原因疾患と病態について学ぶ 認知症の主な原因疾患の病態 症状について学ぶ 認知症に類似した症状をもつ疾病について学ぶ 認知症の定義 もの忘れとの違い せん妄の症状 治療 薬物療法 認知症に使用される薬 健康管理( 脱水 便秘 低栄養 低運動の防止 口腔ケア ) 3. 認知症に伴うこころとからだの変化と日常生活 (1 時間 ) 認知症の人の生活障害 心理 行動の特徴 それらが生活におよぼす障害について理解 認知症の中核症状 認知症の行動 心理症状(BPSD) 不適切なケア 生活環境の改善 認知症利用者への対応 コミュニケーションについて理解する 本人の気持ちを推察する プライドを傷つけない 相手の世界に合わせる 認知症の症状に合わせたケア 失敗しないような状況をつくる 身体を通したコミュニケーション 相手の様子 表情 視線 姿勢などから気持を洞察する すべての援助行為がコミュニケーションであると考える 認知症の人の生活障害 心理 行動の特徴を説明し 認知症の利用者への対応を理解する 認知症利用者の心理 行動の実際を示す等により 認知症の利用者の心理 行動を実感できるようにする 4. 家族への支援 (1 時間 ) 認知症の受容過程での家族への援助 介護負担の軽減について理解する ( レスパイトケア ) 家族への気持ちや受けやすいストレスについて理解する 展開例: 演習 〇視聴覚教材を活用したロールプレイを行うなど 認知症の方の心理や行動を実感できるよう工夫する 〇具体的なケースを材料に繰り返し学習し 認知症の方の介護における原則について理解を促す 13

8. 障害の理解 (3 時間 ) (1) 到達目標 評価の基準ねらい 障害の概念とICFを理解する 障害者福祉の基本的な考え方について理解し 介護における基本的な考え方について理解している (2) 修了時の評価ポイント 障害の概念とICFについて概説でき 各障害の内容 特徴及び障害に応じた社会支援の考え方について列挙できる 障害の受容のプロセスと基本的な介護の考え方につて列挙できる (3) 指導の視点 介護において障害の概念とICFを理解しておくことの必要性の理解を促す 高齢者の介護との違いを念頭におきながら それぞれの障害の特性と介護上の留意点に対応する理解を促す (4) 内容 1. 障害の基礎的理解 (1 時間 ) 国際生活機能分類 (ICF) に基づき 障害の概念について学ぶ ノーマライゼーション インクルージングなど障害福祉の基本理念を理解する 2. 障害の医学的側面 生活障害 心理 行動の特徴 かかわり支援等の基礎的知識を理解する (1 時間 ) 〇身体障害 ( 視覚障害 聴覚 平衡障害 音声 言語 咀嚼障害 肢体不自由 内部障害等 ) 〇知的障害〇精神障害 :( 高次脳機能障害 発達障害含む ) 統合失調症 気分 ( 感情障害 ) 依存症などの精神疾患広汎性発達障害 学習障害 注意欠陥多動性障害などの発達障害等〇その他の心身の機能障害 障害に応じた支援方法の留意点を理解する 障害の原因となる主な疾患を理解する 障害に伴う心理的な影響や障害の受容について理解する 展開例: 演習 障害体験セットによる疑似体験 14

3. 家族の心理 かかわり支援の理解 (1 時間 ) 障害の受容過程での家庭への援助 介護負担の軽減について理解する 家族の気持ちや受けやすいストレスについて理解する 展開例: 演習 〇障害の概念とICF 等の基本的な考え方を扱ったうえで 視聴覚教材の活用などにより 介護における基本的な考え方の気づきを促す ( 加齢 老化に伴う心身の変化や障害については 老化の理解 で取り扱う ) 〇受講者が研修終了後も学習することを踏まえ 体系を示したうえで 研修で扱ったものとそうでないものを図示するなど工夫をして 終了後も学習を継続する契機を提供すること 9. こころとからだのしくみと生活支援技術 (75 時間 ) < 展開例 > 基本知識の学習の後に 生活支援技術等の学習を行い 最後に事例に基づく総合的な演習を 行なう 基本知識の学習 1. 介護の基本的な考え方 2. 介護に関するこころのしくみの基礎的理解 3. 介護に関するからだのしくみの基礎的理解 生活支援技術の講義 演習 4. 生活と家事 5. 快適な居住環境整備と介護 6. 整容に関連したこころとからだのしくみと自立に向けた介護 7. 移動 移乗に関連したこころとからだのしくみと自立に向けた介護 8. 食事に関連したこころとからだのしくみと自立に向けた介護 9. 入浴 清潔保持に関連したこころとからだのしくみと自立に向けた介護 10. 排泄に関連したこころとからだのしくみと自立に向けた介護 11. 睡眠に関連したこころとからだのしくみと自立に向けた介護 12. 死にゆく人に関連したこころとからだのしくみと終末期介護 生活支援技術演習 13. 介護過程の基礎的理解 14. 総合生活支援技術演習 15

(1) 到達目標 評価の基準ねらい 介護技術の根拠となる人体の構造や機能に関する知識を習得し 安全な介護サービスの提供方法等を理解し 基礎的な一部または全介助等の介護が実施できる 尊厳を保持し その人の自立及び自律を尊重し 持てる力を発揮してもらいながらその人の在宅 地域等での生活を支える介護技術や知識を習得する (2) 修了時の評価ポイント 主だった状態像の高齢者の生活の様子をイメージでき 要介護度等に応じた在宅 施設等それぞれの場面における高齢者の生活について列挙できる 要介護度や健康状態の変化に沿った基本的な介護技術の原則 ( 方法 留意点 その他の根拠等 ) について概説でき 生活の中の介護予防 および介護予防プログラムによる機能低下の予防の考え方や方法を列挙できる 利用者の身体の状況に合わせた介護 環境整備についてポイントを列挙できる 人の記憶の構造や意欲等を支援と結びつけて概説できる 人体の構造や機能が列挙でき 何故行動がおきるのかを概説できる 家事援助の機能と基本原則について列挙できる 装うことや整容の意義について解説でき 指示や根拠に基づいて部分的な介護を行うことができる 体位変換と移動 移乗の意味と関連する用具 機器やさまざまな車いす 杖などの基本的使用方法を概説でき 体位変換と移動 移乗に関するからだのしくみが理解され 指示に基づいて介助を行うことができる 食事の意味と食事を取り巻く環境整備の方法が列挙でき 食事に関するからだのしくみが理解され 指示に基づいて介助を行うことができる 入浴や清潔の意味と入浴を取り巻く環境整備や入浴に関連した用具を列挙でき 入浴に関するからだのしくみが理解され 指示に基づいて介助を行うことができる 排泄の意味と排泄を取り巻く環境整備や関連した用具を列挙でき 排泄に関するからだのしくみが理解され 指示に基づいて介助を行うことができる 睡眠の意味と睡眠を取り巻く環境整備や関連した用具を列挙でき 睡眠に関するからだのしくみが理解され 指示に基づいて介助を行うことができる ターミナルケアの考え方 対応のしかた 留意点 本人 家族への説明と了解 介護職の役割や他の職種との連携 ( ボランティアを含む ) について 列挙できる (3) 指導の指針 介護実践に必要なこころとからだのしくみの基礎的な知識を介護の流れを示しながら 視聴覚教材や模型を使って理解させ 具体的な身体の各部の名称や機能等が列挙できるように促す サービスの提供例の紹介等を活用し 利用者にとっての生活の充足を提供し かつ不満足を感じさせない技術が必要となることへの理解を促す 例えば 食事の介助技術 は 食事という生活の支援 と捉え その生活を支える技術の根拠を身近に理解できるように促す 他の生活場面でも同様とする 死 に向かう生の充実と尊厳のある死について考えることができるように 身近な素材からの気づきを促す 16

(4) 内容 <Ⅰ. 基礎知識の学習 12 時間 > 1. 介護の基本的な考え方 (2 時間 ) 理論に基づく介護の理解 (ICFの視点での人間理解及び生活支援を知る) 法的根拠に基づく介護の理解 2. 介護に関するこころのしくみの基礎的理解 (5 時間 ) 〇介護実践に必要な人間の心に関する基礎的な知識を習得する 〇学習と記憶 感情と意欲 自己概念と生き甲斐などについて考察する 〇こころの持ち方が行動に与える影響を理解する 〇からだの状態がこころに与える影響を理解する 学習と記憶の基礎知識 感情と意欲の基礎知識 自己概念と生きがい 老化や障害を受け入れる適応行動とその阻害要因 3. 介護に関するからだのしくみの基礎的理解 (5 時間 ) 人体の各部の名称と動きに関する基礎知識を理解する 骨 関節 筋に関する基礎的知識 ボディメカニクスを活用した介護方法を理解する 中枢神経系と体性神経に関する基礎知識を習得する 自律神経と内部器官に関する基礎知識を習得する こころとからだを一体的に捉えることを学ぶ 利用者の様子の普段との違いに気づく視点を学ぶ 展開例: 演習 視聴覚教材を利用して人体の基礎知識を得る 視聴覚教材を利用してボディメカニクスを活用した介護方法を知る グループに分かれて話し合い疑問点等を整理する グループで発表 講評 17

<Ⅱ. 生活支援技術の講義 演習 51 時間 > 4. 生活と家事 (6 時間 ) 家事と生活の関係性 家事援助に関する基礎的知識と生活支援を理解する 生活歴 自立支援 予防的な対応 多様的な生活習慣 価値観 主体性 機能性を引き出す 展開例: 演習 家事援助に関するグロープワークを行い理解を深める 視聴覚教材などを利用して家事援助の実際を学ぶ 5. 快適な居住環境整備と介護 (3 時間 ) 快適な居住環境に関する基礎的知識と支援方法について理解する 高齢者 障害者特有の居住環境整備と福祉用具に関する留意点と支援方法について理解する 家庭内の事故 バリアフリー 住宅改修 福祉用具貸与 展開例: 演習 福祉用具の使用 ( 活用 ) 方法を実際に体験して学び感想を発表 講評 6. 整容に関連したこころとからだのしくみと自立に向けた介護 (6 時間 ) 整容に関する基礎的知識および整容の支援技術を学び 整容の必要性と整容に関連するこころとからだのしくみを理解する 洗面の意義 効果について理解する ボディメカニクスの理論を応用し 整容のための技術を身につける 展開例: 演習 衣服の着脱を行いながら 身支度の支援技術を学ぶ 介護ヘルパー初任者研修介護技術習得評価チェック表に従う 前開き衣服 かぶり衣服 和式寝間着 洗面の演習 入浴介助時に清拭 洗面の演習を行う 18

7. 移動 移乗に関連したこころとからだのしくみと自立に向けた介護 (12 時間 ) 移動 移乗に関する基礎知識や様々な移動 移乗に関する用具とその活用方法についての基本的な使用方法について学び理解する 利用者 介助者にとって負担の少ない移動 移乗を理解する 移動 移乗動作から社会参加への留意点を学ぶ ボディメカニクスの理論を応用し 移動 移乗のための技術を身につける 体位変換と移動 移乗に関するからだのしくみの理解と介助方法を身につける 利用者介護者の双方が安全で安楽な方法 利用者の自然な動きの活用 残存能力の活用 自立支援 重心 重力の働きの理解 移動介助( 車いす 歩行器 杖等 ) 移乗介助の具体的な方法 ( 車いすへの移乗の具体的な方法 全介助でのベッド 車いす 洋式トイレ間の移乗 ) 褥瘡予防 展開例: 演習 演習を通して 次に示す動作を安全 安楽にできるよう必要な介護技術を身につける 介護ヘルパー初任者研修介護技術習得評価チェック表に従う ベッド上での移動( 上方移動 ) ベッド上での移動( 水平移動 ) 体位変換 ~ 寝返り ( 仰臥位 側臥位 ) 体位変換 ~ 起き上がり ( 仰臥位 端臥位 ) ベッドから車いすへ 車いすからベッドへ( 片麻痺がある利用者を想定 ) 杖歩行の介助階段の上り下り 視力障害者の誘導( 平坦な道 狭い場所等 ) 車いすでの移動( 段差越え 坂道を下る ) 19

8. 食事に関連したこころとからだのしくみと自立に向けた介護 (6 時間 ) 食事に関する基礎的な知識を理解する 食事環境の整備と食事に関連した用具 食器の活用方法 食事形態について学ぶ 食事に関連したこころとからだのしくみを理解する 心身機能の低下が食事に及ぼす影響を理解し支援方法を学ぶ 誤嚥性肺炎の予防について学ぶ 食事をする意味 低栄養の弊害 脱水の弊害 食事と姿勢 空腹感 満腹感 好み 食事のケアに関する介護者の意識 咀嚼 嚥下のメカニズム 食事の環境整備( 時間 場所等 ) 口腔ケアの定義 食事に関した福祉用具の活用と介助方法 誤嚥性肺炎の予防 展開例: 演習 演習を通して 次に示す動作を安全 安楽にできるよう必要な介護技術を身につける 介護ヘルパー初任者研修介護技術習得評価チェック表に従う 座位姿勢での食事介助 視力障害者に対する食事介助 口腔ケア( 歯磨き ) 食事形態の違いを知る( 実物を見て理解する ) 9. 入浴 清潔保持に関連したこころとからだのしくみと自立に向けた介護 (6 時間 ) 入浴 清潔保持に関連した基礎知識を理解する 様々な入浴用具と整容用具の活用方法 楽しい入浴を阻害するこころとからだの要因の理解と支援方法を理解する 入浴 清潔保持がもたらす心身への効果を理解し 心身機能低下が入浴 清潔保持に及ぼす影響を学ぶ 羞恥心や遠慮への配慮 体調確認 目 鼻腔 耳 爪の清潔保持 陰部洗浄( 臥床状態での方法 ) 足浴 手浴 洗髪 全身清拭( 身体状況の確認 室内環境の調整 使用物品の準備と使用方法 全身の拭き方 身体の支え方 ) 展開例: 演習 演習を通して 次に示す動作を安全 安楽にできるよう必要な介護技術を身につける 介護ヘルパー初任者研修介護技術習得評価チェック表に従う 片麻痺の利用者を想定しての入浴介助 清拭( 洗面を含む ) 陰部清拭 ベッド上で寝たままの姿勢での洗髪 20

10. 排泄に関連したこころとからだのしくみと自立に向けた介護 (6 時間 ) 排泄に関連する基本的な知識を理解する 排泄に関連したこころとからだのしくみを理解し 心身機能の低下が排泄に及ぼす影響を学ぶ トイレの環境整備について理解する 排泄に関連した福祉用具の活用方法を学ぶ ( おむつ 尿器 便器 ポータブルトイレ ) ボディメカニクスの理論を応用し 排泄のための技術を身につける 排泄とは 身体面( 生理面 ) での意味 心理面での意味 社会的な意味 プライド 羞恥心 プライバシーの確保 おむつは最後の手段/ おむつ使用の弊害 排泄障害が日常生活上に及ぼす影響 排泄ケアを受けることで生じる心理的な負担 尊厳や生きる意欲との関連 一部介助を要する利用者のトイレ介助の具体的方法 便秘の予防( 水分の摂取量保持 食事内容の工夫 / 繊維質の食物を多く取り入れる 腹部マッサージ ) 展開例: 演習 演習を通して 次に示す動作を安全 安楽にできるよう必要な介護技術を身につける 介護ヘルパー初任者研修介護技術習得評価チェック表に従う 車いすから便座への移乗便座から車いすへの移乗 プライバシーの確保( バスタオルを掛ける 利用者の視界に入らないような場所で見守る等 ) 下着および衣服の整え 利用者の手洗い確認 おむつ交換 11. 睡眠に関したこころとからだのしくみと自立に向けた介護 (4.5 時間 ) 〇睡眠のメカニズムや必要性を理解する 〇様々な睡眠環境と用具の活用方法について理解する 〇快い睡眠を阻害するこころおとからだの要因の理解と支援方法について学ぶ 安眠のための介護の工夫 安楽な姿勢 褥瘡予防 環境の整備( 温度や湿度 光 音 よく眠るための寝室 ) 展開例: 演習 〇演習を通して 次に示す動作を安全 安楽にできるよう必要な介護技術を身につける 介護ヘルパー初任者研修介護技術習得評価チェック表に従う ベッドメーキング シーツ交換 21

12. 死にゆく人に関連したこころとからだのしくみと終末期介護 (1.5 時間 ) 〇人間の終末期に関する基礎的な知識を理解する 〇死への過程と受容 臨終期の兆候と対応などについて 介護者の立場から考察する 〇尊厳死について考察する 〇多職種間の情報共有の必要性について理解する 終末期ケアとは 臨終が近づいたときの兆候と介護 介護従事者の基本的態度 多職種間の情報共有の必要性 高齢者の死に至る過程( 高齢者の自然死 老衰 癌死 ) 展開例: 演習 〇身近な事例を通して 終末期ケアについてグループワークを行い 介護専門職としての視点を深める グループごとにまとめて発表 講評 Ⅱ. 生活支援技術の学習 においては 総時間の概ね 5~6 割を技術演習にあて ることとし その他の時間は 個々の技術に関連したこころとからだのしくみ等の根 拠の学習及び技術についての講義等に充てること <Ⅲ. 生活支援技術演習 12 時間 > 13. 介護過程の基礎的理解 (2 時間 ) 介護過程の目的 意義 展開について理解する 〇チームアプローチの意義について理解する 〇ケアプランと訪問介護計画の関係性を理解したうえで 訪問介護計画の作成について学ぶ 展開例: 演習 〇訪問介護計画の作成 ( グループワーク ) 14. 総合生活支援技術演習 (10 時間 ) 〇利用者への一連の生活支援を提供する流れの理解と技術の修得 〇利用者の心身の状況に合わせた介護を提供する視点の習得を目指す 展開例: 演習 事例の展開 : 生活の各場面での介護について ある状態像の利用者を想定し 一連の生活支援を提供する流れの理解と技術の修得 利用者の心身の状況にあわせた介護を提供する視点の修得を目指す 〇事例の提示 こころとからだの力が発揮できない要因の分析 適切な支援技術の検討 支援技術演習 支援技術の課題 (1 事例 1.5 時間程度で上のサイクル実施 ) 〇グループワークにより事例検討を行なう 事例は高齢 ( 要支援 2 程度 認知症 片麻痺 座位保持不可 ) から2 事例を選択 22

本科目の 6~11 の内容においても 14. 総合生活支援技術演習 で選択する高齢の2 事例と同じ事例を共通して用い その支援技術を適用する考え方の理解と技術の習得を促する 本科目の 6~11 の内容における各技術の演習及び 14. 総合生活支援技術演習 においては 一連の演習通して受講者の技術度合いの評価 ( 介護技術を適用する各手順のチェックリスト形式による確認等 ) を行う 10. 振り返り (4 時間 ) (1) 到達目標 評価の基準ねらい 研修全体を振り返り 本研修を通じて学んだことについて再確認を行う 〇就業後も継続して学習 研鑽する姿勢の形成 学習課題の認識を図る (2) 指導のポイント 在宅 施設の何れの場合であっても 利用者の生活の拠点に共に居る という意識を持って その状態における模擬演習 ( 身だしなみ 言葉遣い 応対の態度等の礼節を含む ) を行い 業務における基本的態度の視点を持って介護を行えるよう理解を促す 〇研修を通じて学んだこと 今後継続して学ぶべきことを演習等で受講者自身に表出 言語化させたうえで 利用者の生活を支援する根拠に基づく介護の要点について講義等により再確認を促す 〇修了後も継続的に学習することを前提に 介護職が身につけるべき知識や技術の体系を再掲するなどして 受講者一人ひとりが今後何を継続的に学習すべきか理解できるよう促す 〇最新知識の付与と 次のステップ ( 職場環境への早期適応等 ) へ向けての課題を受講者が確認できるよう促す 〇介護職の仕事内容や働く現場 事業所等における研修の実例等について 具体的なイメージを持たせるような教材の工夫 活用をする ( 視聴覚教材 現場職員の体験談 ) 〇介護サービス施設 事業所における各職種の業務内容 連携等を見ることにより 介護職員の役割 姿勢 業務の理解を促す 〇介護過程を踏まえた基礎的な介護業務を体験することで 介護の目的 機能 利用者や家族とのかかわり方 コミュニケーションのあり方について体験的な理解を促す 〇在宅や施設等における利用者の生活を知ることで 利用者 家族についての理解を促す 23

(3) 内容 1. 振り返り (2 時間 ) 全過程を振り返り 学んだことや習得したこと 今後継続して学ぶことについて再確認する 研修を通して学んだこと 今後継続して学ぶべきこと 根拠に基づく介護についての要点( 利用者の状態像に応じた介護と介護過程 身体 心理 社会面を総合的に理解するための知識の重要性 チームアプローチの重要性等 ) 演習 〇グループワークを行なう テーマは 同行訪問実習や介護施設を体験してみて その時に感じた疑問点やこういう時はどのように対応したらよいか と言った不明点につてグループごとにまとめて発表 疑問点等については模擬演習を通して解決を図る ( 受講者全員で共通する ) 2. 就業への備えと研修修了後における継続的な研修 (2 時間 ) 〇 介護の仕事をするうえで大切なことは何か について解説する 〇具体的にイメージができるよう実際の職場で行われている現任研修 (OJTやOFF- JT) について紹介する 〇研修全般について講評を行なう 24