1 制度の概要 (1) 金融機関の破綻処理に係る施策の実施体制金融庁は 預金保険法 ( 昭和 46 年法律第 34 号 以下 法 という ) 等の規定に基づき 金融機関の破綻処理等のための施策を 預金保険機構及び株式会社整理回収機構 ( 以下 整理回収機構 という ) を通じて実施してきている (2

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第4期電子公告(東京)

4 地方公営企業会計基準の見直しの影響 ( 概要 ) 地方公営企業会計基準の見直しのため 平成 23 年度に地方公営企業法施行令等を改正し その改正内容が平成 26 年度予算 決算から全面的に適用となっている (1) 見直しの趣旨 昭和 41 年以来大きな改正がなされていない地方公営企業会計制度と国

金がある場合は当該借入金を控除 ) のキャッシュ フローに対する比率が10 倍以内であること 2 経常収入が経常支出を上回ること機構は 支援決定後 支援決定を受けた中小企業者等 ( 以下 事業者 という ) の関係金融機関等に対して債権放棄等の金融支援を要請するとともに 所定の要件を満たす場合に債権

東京電力エナジーパートナー

1 検査の背景 我が国の郵政事業は 長期に及ぶ郵政省による運営の後 中央省庁の再編 公社化 民営化を経て 平成 27 年 11 月に 日本郵政株式会社 ( 以下 日本郵政 という ) 株式会社ゆうちょ銀行 ( 以下 ゆうちょ銀行 という ) 及び株式会社かんぽ生命保険 ( 以下 かんぽ生命 という

1 検査の背景 (1) 租税特別措置の趣旨及び租税特別措置を取り巻く状況租税特別措置 ( 以下 特別措置 という ) は 租税特別措置法 ( 昭和 32 年法律第 26 号 ) に基づき 特定の個人や企業の税負担を軽減することなどにより 国による特定の政策目的を実現するための特別な政策手段であるとさ

第4期 決算報告書

第3 法非適用企業の状況

CONTENTS 第 1 章法人税における純資産の部の取扱い Q1-1 法人税における純資産の部の区分... 2 Q1-2 純資産の部の区分 ( 法人税と会計の違い )... 4 Q1-3 別表調整... 7 Q1-4 資本金等の額についての政令の規定 Q1-5 利益積立金額についての政

富士銀行

1

1 検査の背景 (1) 日本年金機構における個人情報 情報システム及び情報セキュリティ対策の概要厚生労働省及び日本年金機構 ( 以下 機構 という ) は 厚生年金保険等の被保険者等の基礎年金番号 氏名 保険料の納付状況等の個人情報 ( 以下 年金個人情報 という ) について 社会保険オンラインシ

3. 改正の内容 法人税における収益認識等について 収益認識時の価額及び収益の認識時期について法令上明確化される 返品調整引当金制度及び延払基準 ( 長期割賦販売等 ) が廃止となる 内容改正前改正後 収益認識時の価額をそれぞれ以下とする ( 資産の販売若しくは譲渡時の価額 ) 原則として資産の引渡

2018 年度 (2019 年 3 月 31 日現在 ) 貸借対照表 ( 単位 : 百万円 ) 科 目 金額 科 目 金額 ( 資産の部 ) ( 負債の部 ) 現金及び預貯金 1,197,998 保険契約準備金 908,017 預貯金 1,197,998 支払備金 2,473 有価証券 447,49

豊橋市公金管理指針 第 1 総則 1 趣旨この指針は 本市の公金の適正な管理に関し必要な事項を定めるものとする 2 定義この指針において 公金 とは 歳計現金 歳入歳出外現金 基金に属する現金 公営企業会計 ( 水道事業会計 下水道事業会計及び病院事業会計をいう 以下同じ ) に属する現金及び一時借

スポンサー企業 増減資により 再生会社をスポンサー企業の子会社としたうえで 継続事業を新設分割により切り分ける 100% 新株発行 承継会社 ( 新設会社 ) 整理予定の事業 (A 事業 ) 継続事業 会社分割 移転事業 以下 分社型分割により事業再生を行う場合の具体的な仕組みを解説する の株主 整

営業報告書

コア資本に係る調整項目 無形固定資産 ( モーゲージ サービシング ライツに係るものを除く ) の額の合計額 うち のれんに係るもの ( のれん相当差額を含む ) の額 うち のれん及びモーゲージ サービシング ライツに係るもの以外の額 繰延税金資産 ( 一時差異に係るものを除く ) の額 適格引当

は 国が新たに補助を行うこととされた しかし 既存の特養ホームの改築 大規模改修等については国の補助の対象となっていないため 特養ホームが施設の改修等を行うに当たっては 自己資金の確保が重要となっている (3) 社会福祉法人の財務諸表社会福祉法人は社会福祉法 ( 昭和 26 年法律第 45 号 )

UIプロジェクトX

特別会計の改革について

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『学校法人会計の目的と企業会計との違い』

国家公務員共済組合連合会 民間企業仮定貸借対照表 旧令長期経理 平成 26 年 3 月 31 日現在 ( 単位 : 円 ) 科目 金額 ( 資産の部 ) Ⅰ 流動資産 現金 預金 311,585,825 未収金 8,790,209 貸倒引当金 7,091,757 1,698,452 流動資産合計 3

2 事業活動収支計算書 ( 旧消費収支計算書 ) 関係 (1) 従前の 消費収支計算書 の名称が 事業活動収支計算書 に変更され 収支を経常的収支及び臨時的収支に区分して それぞれの収支状況を把握できるようになりました 第 15 条関係 別添資料 p2 9 41~46 82 参照 消費収入 消費支出

PowerPoint プレゼンテーション

地方公営企業会計基準の見直しについて(完成)

付加退職金の概要 退職金の額は あらかじめ額の確定している 基本退職金 と 実際の運用収入等に応じて支給される 付加退職金 の合計額として算定 付加退職金は 運用収入等の状況に応じて基本退職金に上乗せされるものであり 金利の変動に弾力的に対応することを目的として 平成 3 年度に導入 基本退職金 付

[2] 株式の場合 (1) 発行会社以外に譲渡した場合株式の譲渡による譲渡所得は 上記の 不動産の場合 と同様に 譲渡収入から取得費および譲渡費用を控除した金額とされます (2) 発行会社に譲渡した場合株式を発行会社に譲渡した場合は 一定の場合を除いて 売却価格を 資本金等の払戻し と 留保利益の分

また 関係省庁等においては 今般の措置も踏まえ 本スキームを前提とした以下のような制度を構築する予定である - 政府系金融機関による 災害対応型劣後ローン の供給 ( 三次補正 ) 政府系金融機関が 旧債務の負担等により新規融資を受けることが困難な被災中小企業に対して 資本性借入金 の条件に合致した

日本基準基礎講座 資本会計

検査の背景 (1) 事業者免税点制度消費一般に幅広く負担を求めるという消費税の課税の趣旨等の観点からは 消費税の納税義務を免除される事業者 ( 以下 免税事業者 という ) は極力設けないことが望ましいとされている 一方 小規模事業者の事務処理能力等を勘案し 課税期間に係る基準期間 ( 個人事業者で

CC2: 連結貸借対照表の科目と自己資本の構成に関する開示項目の対応関係 株式会社三井住友フィナンシャルグループ ( 連結 ) 項目 資産の部 イロハ 公表連結貸借対照表 (2019 年 3 月末 ) 現金預け金 57,411,276 コールローン及び買入手形 2,465,744 買現先勘定 6,4

図 4-1 総額 と 純計 の違い ( 平成 30 年度当初予算 ) 総額ベース で見た場合 純計ベース で見た場合 国の財政 兆円兆 国の財政 兆円兆 A 特会 A 特会 一般会計 B 特会 X 勘定 Y 勘定 一般会計 B 特会 X 勘定 Y 勘定

第28期貸借対照表

Ⅰ 平成 24 年度高鍋町財務書類の公表について 平成 18 年 6 月に成立した 簡素で効率的な政府を実現するための行政改革の推進に関する法律 を契機に 地方の資産 債務改革の一環として 新地方公会計制度の整備 が位置づけられました これにより 新地方公会計制度研究会報告書 で示された 基準モデル

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平成 29 年 6 月末 負債の時価評価により生じた時価評価差額であって自己資本に算入される額 退職給付に係る資産の額 6,274 4,182 5,815 3,877 自己保有普通株式等 ( 純資産の部に計上されるものを除く ) の額 意図的に保有している他の金融機関等の対象資本調達

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一般会計 特別会計を含めた国全体の財政規模 (1) 国全体の財政規模の様々な見方国の会計には 一般会計と特別会計がありますが これらの会計は相互に完全に独立しているわけではなく 一般会計から特別会計へ財源が繰り入れられているなど その歳出と歳入の多くが重複して計上されています また 各特別会計それぞ

資料 1-1 資料 1-1 平成 29 年度財政融資資金運用報告について 平成 30 年度財政融資資金運用報告について 平成令和元年 30 年 7 月 26 日財務省理財局財務省理財局

Microsoft Word 【公表】HP_T-BS・PL-H30年度

事業目的 事業概要 事業管理体制等を記載した事業申請書を提出する 2 担当部局は 在外公館等と共に 提出された事業申請書により申請内容の妥当性 を審査するなどして承認の可否を決定する 3 承認された N 連事業については貴省本省又は在外公館等が NGO と贈与契約を締 結して 本省契約については貴省

平成 30 年 3 月末 負債の時価評価により生じた時価評価差額であって自己資本に算入される額 退職給付に係る資産の額 15,162 3,790 5,815 3,877 自己保有普通株式等 ( 純資産の部に計上されるものを除く ) の額 意図的に保有している他の金融機関等の対象資本

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リリース

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新旧対照表(第2分冊:保険会社関係)1-14-14

貸借対照表 平成 28 年 3 月 31 日現在 ( 単位 : 千円 ) 科 目 金 額 科 目 金 額 資産の部 負債の部 流動資産 (63,628,517) 流動負債 (72,772,267) 現金及び預金 33,016,731 買掛金 379,893 売掛金 426,495 未払金 38,59

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平成20年2月

Microsoft Word - 決箊喬å‚−表紎_18年度(第26æœ�ï¼›

財務諸表に対する注記 1. 継続事業の前提に関する注記 継続事業の前提に重要な疑義を抱かせる事象又は状況はない 2. 重要な会計方針 (1) 有価証券の評価基準及び評価方法 満期保有目的の債券 償却原価法 ( 定額法 ) によっている なお 取得差額が少額であり重要性が乏しい銘柄については 償却原価

平成 27 年度岩国市下水道事業決算の要領 下水道事業の経営成績と財政状態をお知らせするため 平成 27 年度決算の要領を公表します 1. 業務量 下水道区域の拡大により 処理人口は 260 人増加し 年間有収水量は 52,674 m3増加しました 区分 平成 27 年度 平成 26 年度 処 理


野村アセットマネジメント株式会社 平成30年3月期 個別財務諸表の概要 (PDF)

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7.関係会社の概要

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Microsoft Word - 公開草案「中小企業の会計に関する指針」新旧対照表

負債の時価評価により生じた時価評価差額であって自己資本に算入される額 退職給付に係る資産の額 5,815 3,877 自己保有普通株式等 ( 純資産の部に計上されるものを除く ) の額 9 6 意図的に保有している他の金融機関等の対象資本調達手段の額 少数出資金融機関等の対象普通株式等の額 特定に係

2 政府は 必要があると認めるときは 予算で定める金額の範囲内において 機構に追加して出資することができる 3 機構は 前項の規定による政府の出資があったときは その出資額により資本金を増加するものとする 第二章役員及び職員 ( 役員 ) 第六条機構に 役員として その長である理事長及び監事二人を置

22 特定項目に係る十五パーセント基準超過額 うち その他金融機関等に係る対象資本調達手段のうち普通株式に該当するものに関連するものの額 うち 無形固定資産 ( モーゲージ サービシング ライツに係るものに限る ) に関連するものの額 うち 繰延税金資産 ( 一時差異に係るものに限

(2) 海事勘定 ( 単位 : 百万円 ) 前中期目標期間繰越積立金繰越欠損金 59,181 51,916 50,799 49,205 54,596 当期総利益又は当期総損失 7,265 1,117 1,593 5,390 1,596 繰越欠損金 51,916 50,799 49,205 54,59

☆表紙・目次 (国会議員説明会用:案なし)

PowerPoint プレゼンテーション

財務の概要 (2012 年度決算の状況 ) 1. 資金収支計算書の概要 資金収支計算書は 当該会計年度の教育研究活動に対応するすべての資金の収入 支出の内容を明らかにし かつ 当該会計年度における支払資金の収入 支出の顛末を明らかにするものです 資金収支計算書 2012 年 4 月 1 日 ~201

第6期決算公告

平成18年度注記事項

株式会社 2019 年 5 月 13 日山陰合同銀行 自己資本の構成に関する開示事項 (2019 年 3 月期自己資本比率 ) 1. 自己資本の構成 連結 ( 単位 : 百万円 %) 項目 当四半期末 経過措置による不算入額 前四半期末 経過措置による不算入額 コア資本に係る基礎項目 (1) 普通株

その他資本剰余金の処分による配当を受けた株主の

【11】ゼロからわかる『債券・金利』_1704.indd

野村アセットマネジメント株式会社 2019年3月期 個別財務諸表の概要 (PDF)

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本実務対応報告の概要 以下の概要は 本実務対応報告の内容を要約したものです 範囲 ( 本実務対応報告第 3 項 ) 本実務対応報告は 資金決済法に規定する仮想通貨を対象とする ただし 自己 ( 自己の関係会社を含む ) の発行した資金決済法に規定する仮想通貨は除く 仮想通貨交換業者又はが保有する仮想

経 [2] 証券投資信託の償還 解約等の取扱い 平成 20 年度税制改正によって 株式投資信託等の終了 一部の解約等により交付を受ける金銭の額 ( 公募株式投資信託等は全額 公募株式投資信託等以外は一定の金額 ) は 譲渡所得等に係る収入金額とみなすこととされてきました これが平成 25 年度税制改

平成 27 年度高浜町の健全化判断比率及び資金不足比率 地方公共団体の財政の健全化に関する法律 が平成 21 年 4 月から全面施行され この法律により地方公共団体は 4 つの健全化判断比率 ( 実質赤字比率 連結実質赤字比率 実質公債費比率 将来負担比率 ) と公営企業ごとの資金不足比率を議会に報

3 流動比率 (%) 流動資産流動負債 短期的な債務に対する支払能力を表す指標である 平成 26 年度からは 会計制度の見直しに伴い 流動負債に 1 年以内に償還される企業債や賞与引当金等が計上されることとなったため それ以前と比べ 比率は下がっている 分析にあたっての一般的な考え方 当該指標は 1

2019年年3月期 第2四半期(中間期)決算短信〔日本基準〕(連結)

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健全化比率及び資金不足比率の状況について 地方公共団体の財政の健全化に関する法律 により 藤枝市の健全化判断比率及び資金不足比率につい て 以下のとおり算定しました これは 平成 19 年 6 月に公布された上記法律に基づき 毎年度 監査委 員の審査に付した上で 議会に報告及び公表するものです 本市

財務諸表に対する注記 1. 継続事業の前提に関する注記 継続事業の前提に重要な疑義を抱かせる事象又は状況はない 2. 重要な会計方針 (1) 有価証券の評価基準及び評価方法 満期保有目的の債券 償却原価法 ( 定額法 ) によっている なお 取得差額が少額であり重要性が乏しい銘柄については 償却原価

2. 基準差調整表 当行は 日本基準に準拠した財務諸表に加えて IFRS 財務諸表を参考情報として開示しております 日本基準と IFRS では重要な会計方針が異なることから 以下のとおり当行の資産 負債及び資本に対する調整表並びに当期利益の調整表を記載しております (1) 資産 負債及び資本に対する

第 9 章純資産の会計 問題 43 問題 43 資本剰余金の振替え 借方科目金額貸方科目金額 次の独立した取引の仕訳を示しなさい ⑴ 資本準備金 2,000,000 円とその他資本剰余金 800,000 円を資本金とすることを株主総会で決議し その効力が生じた ⑵ 資本金 500,000 円を資本準

計算書類等

科目 期別 損益計算書 平成 29 年 3 月期自平成 28 年 4 月 1 日至平成 29 年 3 月 31 日 平成 30 年 3 月期自平成 29 年 4 月 1 日至平成 30 年 3 月 31 日 ( 単位 : 百万円 ) 営業収益 35,918 39,599 収入保証料 35,765 3

第一法基通改正7

発行日取引の売買証拠金の代用有価証券に関する規 同じ ) であって 国内の金融商品取引所にその株券が上場されている会社が発行する転換社債型新株予約権社債券 ( その発行に際して元引受契約が金融商品取引業者により締結されたものに限る ) 100 分の80 (7) 国内の金融商品取引所に上場されている交

スライド 1

柔軟で弾力的な給付設計について

別紙様式 7( ひな型 ) ( 日本工業規格 A4) 別紙様式 7( ひな型 ) ( 日本工業規格 A4) 申請者がと年月日をもって売買契約を締結した指名金銭債権に伴う別紙記載の不動産の質権又は抵当権の移転の登記につき 租税特別措置法第 83 条の2 第 1 項の規定の適用を受けたいので 租税特別措

営業活動によるキャッシュ フロー の区分には 税引前当期純利益 減価償却費などの非資金損益項目 有価証券売却損益などの投資活動や財務活動の区分に含まれる損益項目 営業活動に係る資産 負債の増減 利息および配当金の受取額等が表示されます この中で 小計欄 ( 1) の上と下で性質が異なる取引が表示され

平成30年公認会計士試験

平成 30 年 4 月 24 日 各 位 会社名楽天株式会社 代表者名代表取締役会長兼社長三木谷浩史 ( コード :4755 東証第一部 ) 連結子会社 ( 楽天証券株式会社 ) の決算について 当社連結子会社の楽天証券株式会社 ( 代表取締役社長 : 楠雄治 本社 : 東京都世田谷区 以下 楽天証

6. 剰余金の使途 中期目標 中期計画 9. 剰余金の使途 建設勘定管理用施設 ( 宿舎に限る ) の改修 平成 30 年度計画 6. 剰余金の使途 建設勘定管理用施設 ( 宿舎に限る ) の改修 中期計画及び年度計画の実施状況 ( 主要な業務実績 ) 実績なし 評定と根拠 課題と対応 当該事業年度

Transcription:

株式会社整理回収機構が保有する平成 11 12 両年度の整理回収業務から生じた利益に係る資金について その有効活用を図るため 預金保険機構を通じて国に納付させるなど 国の財政に寄与する方策を検討するよう内閣府特命担当大臣に対して意見を表示したものについての報告書 ( 要旨 ) 平成 2 2 年 9 月 会計検査院

1 制度の概要 (1) 金融機関の破綻処理に係る施策の実施体制金融庁は 預金保険法 ( 昭和 46 年法律第 34 号 以下 法 という ) 等の規定に基づき 金融機関の破綻処理等のための施策を 預金保険機構及び株式会社整理回収機構 ( 以下 整理回収機構 という ) を通じて実施してきている (2) 整理回収機構の概要整理回収機構は 平成 11 年 4 月 株式会社住宅金融債権管理機構が株式会社整理回収銀行 ( 以下 整理回収銀行 という ) を吸収合併して発足した ( 預金保険機構の全額出資 ) その際 預金保険機構は 整理回収業務に関する協定 ( 以下 協定 という ) を整理回収機構との間で締結した そして 整理回収機構は 預金保険機構からの委託を受けて同機構に代わり破綻金融機関等から資産を買い取るとともに 協定に基づいて 買い取った資産の管理及び処分を行うなどの業務 ( 以下 整理回収業務 という ) を実施している また 整理回収機構は 合併前の両会社の業務に係る経理を区分し それぞれ勘定 ( 住専勘定及び整理回収銀行勘定 ) を設けて整理することとした (3) 預金保険機構による金融機関の破綻処理の概要 ア 資金援助方式による破綻処理 法における金融機関の破綻処理の方式のうち 破綻金融機関と合併等を行う金融 機関 ( 以下 救済金融機関 という ) 等に対して資金を援助する資金援助方式の 標準的な枠組みを示すと 図 1 のとおりである 図 1 合併又は営業譲渡等 金銭贈与 破綻金融機関救済金融機関預金保険機構正常債権等 その他の資産 預金 その他の負債 不良資産等の買取り 買取代金 整理回収機構 買取委託 貸付け又は債務保証 資金援助は 預金保険機構による救済金融機関に対する金銭贈与及び破綻金融機 関からの資産の買取りなどから成っている このうち金銭贈与は 破綻金融機関の - 1 -

貸倒引当金や資本金等の自己資本を 資産の譲渡価格と簿価との差額 ( 譲渡損 ) 等の損失に充当しても なお資産が預金等の負債に対して不足する場合に その不足額を贈与するものである また 破綻金融機関の資産等のうち救済金融機関に承継等されなかった資産については 整理回収機構が 預金保険機構からの委託を受けて買い取っており その買取資金については 預金保険機構が 政府保証を受けて民間金融機関等から借り入れるなどして調達した資金を 整理回収機構に貸し付けるなどしている なお 整理回収機構も 整理回収業務として 協定に基づき 必要に応じて救済金融機関となることができるとされている イ 特別資金援助の開始 いわゆるバブル経済の崩壊後 金融機関の破綻が相次いで発生し 信用秩序の維 持と国民経済の円滑な運営に重大な支障が生ずることが懸念される事態になった そのような状況の下で 8 年 6 月の法改正により 金融機関の破綻処理については 預金等の全額を保護するための時限措置が執られた そして 8 年 6 月から 14 年 3 月末 までの措置として 預金保険機構が当該合併等を行う救済金融機関等に対してペイ ( 注 ) オフコストを超える金銭贈与 資産の買取りなどの資金援助 ( 以下 特別資金援 助 という ) 等の業務 ( 以下 特例業務 という ) を行うことができることと された これに伴って 金融機関は特別保険料を納付することとされた ( 注 ) ペイオフコスト金融機関が破綻した場合 預金者一人当たりの保険金の支払限度額は元本 1000 万円とされ これを基に計算した保険金の支払を行うときに要すると見込まれる費用 ウ 預金保険機構特例業務勘定及び特例業務基金の設置 預金保険機構は 10 年 2 月の法の改正により 特例業務に係る経理を他の勘定と区分して特例業務勘定 ( 以下 預金保険機構特例業務勘定 という ) において行うこととされた そして 預金保険機構は 預金保険機構特例業務勘定に特別保険料を収納するとともに 同勘定に その健全性を確保して特例業務を円滑に実施するための基金 ( 以下 特例業務基金 という ) を設置した この基金に充てるため 政府は国債を発行して預金保険機構に交付することとされ 合計 13 兆円の国債を交付した ( 以下 交付した国債を 交付国債 という ) 特例業務基金は 預金保険機構が交付国債の償還を受けることにより資金を調達して 特別資金援助等に使用することができるとされた また 特例業務の終了の - 2 -

日に預金保険機構特例業務勘定に累積欠損金がある場合にも使用することができるとされた 預金保険機構は 預金保険機構特例業務勘定が廃止される15 年 3 月末までの間に 特例業務基金に充てた交付国債 13 兆円のうち合計 10 兆 4326 億 4320 万余円の償還を受けて 特例業務の実施に要する資金等に使用した エ 預金保険機構特例業務勘定の廃止 預金保険機構の特例業務は13 年度末で終了し 預金保険機構特例業務勘定は14 年度末で廃止された 廃止の際に同勘定に属していた資産及び負債は同機構の一般勘定に帰属することとされた (4) 整理回収機構による資産買取り及び整理回収業務 ア 委託による資産買取り及び協定による整理回収業務 整理回収機構が 8 年 11 月から15 年 3 月末までに買い取った資産 ( 以下 買取資産 という ) の総額は6 兆 1580 億 2496 万余円となっている そして 整理回収機構は 協定に基づいて当該資産に係る整理回収業務を実施して その経理は 整理回収機構の特例業務勘定 ( 以下 整理回収機構特例業務勘定 という ) において行っている イ 利益の納付及び損失の補てん 整理回収機構は 買取資産について 毎事業年度 ( 以下 事業年度を 年度 という ) 買取資産のそれぞれにつきその取得価額を上回る金額で回収 処分を行ったことなどにより生じた利益等の合計額から 取得価額を下回る金額で回収 処分を行ったことなどにより生じた損失の合計額を控除した残額 ( 以下 整理回収業務から生じた利益 という ) を預金保険機構に納付金として納付することとされている その一方で 損失の合計額が利益等の合計額を超える場合には その超える金額の範囲内で 預金保険機構がその損失の補てんを行うことができるとされている そして 預金保険機構特例業務勘定が廃止されるまでは 当該補てんのために 特例業務基金を使用することができるとされていた 上記納付金の額は 12 年度までは 既往年度において特例業務基金を上記の損失の補てん等に使用した場合の当該使用額を限度とすることとされていた 13 年 4 月施行の法の改正により 13 年度以降は 既往年度において損失の補てん等に特例業務基金を使用していなくても整理回収業務から生じた利益を 預金保険機 - 3 -

構に納付することとされた そして 施行日 (13 年 4 月 1 日 ) 前に整理回収業務から生じた利益については その取扱いは従前の例によるとされ ( 預金保険法等の一部を改正する法律 ( 平成 12 年法律第 93 号 ) 附則 ) 上記の改正後の規定を適用しないこととされた (5) 国庫納付預金保険機構は 預金保険機構特例業務勘定の廃止に伴い同勘定に属していた資産及び負債を一般勘定に帰属させた後に 整理回収機構から納付金を収納するなどしたときには このうち買取資産に係る納付金について 当該収納するなどした金銭の額を 前記の特例業務基金を使用した金額 (10 兆 4326 億 4320 万余円 ) に達するまで国庫に納付しなければならないとされている 買取資産に係る整理回収業務に関する資金の流れ及び利益納付等の枠組みの概要を示すと図 2のとおりである 図 2 預金保険機構特例業務勘定廃止前 ( 平成 14 年度以前 ) 国 預金保険機構特例業務勘定廃止後 (15 年度以降 ) 国 国債の交付 ( 計 13 兆円 ) ( 償還額 10 兆 4326 億 4320 万余円 ) 国庫納付 (10 兆 4326 億 4320 万余円に達するまで ) 預金保険機構 預金保険機構 一般勘定 預金保険機構特例業務勘定特例業務基金 一般勘定 利益納付又は損失補てん 納付金の額は 12 年度までは 特例業務基金を整理回収業務により生じた損失の補てん等に使用した場合の当該使用額を限度とする 買取資金の貸付け等 整理回収業務に関する協定買取委託 利益納付又は損失補てん 買取資金の貸付け等 整理回収機構 整理回収機構 整理回収機構特例業務勘定 整理回収銀行勘定 (( 旧 ) 整理回収銀行 ) 整理回収機構特例業務勘定 整理回収銀行勘定 (( 旧 ) 整理回収銀行 ) 買取資産に係る回収 債務者 買取資産に係る回収 債務者 - 4 -

2 検査の結果 金融機関の破綻処理においては 預金等の全額保護の措置が執られたことに伴い 特別資金援助等を実施するための資金の一部として交付国債計 10 兆 4326 億 4320 万余円の償還金が使用された 本院は このように国民負担が生じたことなどを踏まえて 経済性 有効性等の観点から 整理回収機構において 整理回収業務から生じた利益が速やかに預金保険機構を通じて国庫に納付されているか 回収された資金は適切に管理 活用されているかなどに着眼して検査した (1) 買取資産に係る納付金の納付状況及び回収された資金の状況整理回収機構における買取資産に係る整理回収業務について 預金保険機構への納付金の納付等の状況をみると 損失の補てんの実績はなく 13 年度以降において 毎年度 整理回収業務から生じた利益が納付されており 22 年度までの累計額は9071 億 8193 万余円となっている また 上記の納付金に係る預金保険機構からの国庫納付については 預金保険機構特例業務勘定が廃止された際に同勘定の欠損金と相殺された 14 年度を除き 納付された額と同額が国庫納付されている また 整理回収機構特例業務勘定について 21 年度の資産 負債及び純資産の状況をみると 純資産の部に1818 億円の利益剰余金が計上されており 当該利益剰余金は 整理回収機構が発足した11 年度及び翌 12 年度の整理回収業務から生じた利益 1837 億 73 14 万余円に係るものであった すなわち 11 12 両年度において整理回収業務から利益が生じた場合の納付金の額は 既往年度において特例業務基金を損失の補てん等に使用した場合の当該使用額を限度とするとされていたが 特例業務基金は損失の補てん等に使用されることはなかったことから当該利益は整理回収機構から預金保険機構に納付することを要しないこととされ 13 年度以降 利益剰余金として計上されていた 整理回収機構は 上記の利益に係る資金について 公的な性格を有するものと考えて 当該利益が生じた年度以降 余裕資金として他の資金と区分して管理しており その流動性を確保するために短期運用の金融資産により運用していたとしている このように 11 12 両年度の整理回収業務から生じた利益に係る資金は 13 年 4 月 1 日 ( 法の改正の施行日 ) 前に生じたものであり 法の規定及び協定上 その取扱いは従前の例によるとされたことから 現在 整理回収機構が整理回収機構特例業務勘定 - 5 -

に余裕資金として保有している事態となっている (2) 11 12 両年度の整理回収業務から生じた利益に係る資金の取扱い金融庁は 13 年 4 月 1 日 ( 法の改正の施行日 ) 前に整理回収業務から生じた利益についての取扱いが従前の例によることとされたのは 次の理由によるとしている ア 11 12 両年度の整理回収業務から生じた利益は 法の改正当時 金融機関の破綻 が相次いで発生する状況下にあって 整理回収機構が預金保険機構と協定を締結し た銀行として 経営基盤の強化等を目的として保有する必要があったこと イ 預金保険機構と協定を締結して業務を行っている一銀行から法の改正前に生じた 利益を遡って納付させることは 企業の利益を奪うことになるため一般的に法的安定性の観点から不適切であると考えられることしかし 上記の法の改正当時と比べて 状況が変化してきており 以下の理由から 整理回収機構において 11 12 両年度の整理回収業務から生じた利益に係る資金を余裕資金として今後も保有する必要性は低くなっていると認められる ア 整理回収機構は 整理回収業務から損失が生じた場合には 預金保険機構が当該 損失の補てんを行うことができるなどとされている このような財務上の仕組みとなっていることに加えて 整理回収機構が 必要に応じて預金保険機構と協定を締結した銀行として救済金融機関となることがあることについても 金融機関の破綻件数が大きく減少しているなど 12 年頃の金融機関の破綻が相次いで発生していた法の改正当時と比べて金融情勢等が変化してきていること イ 整理回収機構は 株式会社の形態はとっているものの 預金保険機構の全額出資 法人であり また 11 12 両年度の整理回収業務から生じた利益は そもそも法の規定に基づいて金融機関の破綻処理のための業務の一環として 預金保険機構が政府保証を受けて調達した資金等を財源に 特別資金援助等の業務として預金保険機構からの委託を受けて買い取った資産から生じたものであることなお 現在 上記の11 12 両年度の整理回収業務から生じた利益を除くと 整理回収機構全体の決算では債務超過となるが これは 整理回収機構の住専勘定において多額の欠損金が生じていることによるものであり 同勘定は 特定住宅金融専門会社の債権債務の処理の促進等に関する特別措置法 ( 平成 8 年法律第 93 号 ) に基づき債権処理会社としての業務に係る経理を他の業務に係る経理と区分して整理している勘定で 同勘定における損失は同法等の枠組みにより処理することとされている そし - 6 -

て 同法に基づく債権処理会社としての業務は23 年 12 月を目途として完了することとされている (3) 改善を必要とする事態 12 年頃の金融機関の破綻が相次いで発生していた法の改正当時と比べて金融情勢等が変化してきているなどの状況において 11 12 両年度の整理回収業務から生じた利益 1837 億 7314 万余円に係る資金が 整理回収機構において 整理回収機構特例業務勘定に余裕資金として保有されている事態は 適切とは認められず 改善の要があると認められる (4) 発生原因このような事態が生じているのは 13 年 4 月施行の法の改正において 11 12 両年度の整理回収業務から生じた利益が預金保険機構への納付金の納付の対象とされなかったこと このため 金融庁において 当該資金の取扱いは既に法的に整理済みであると認識していたことなどによると認められる 3 本院が表示する意見 整理回収機構が11 12 両年度に行った整理回収業務から生じた利益 1837 億 7314 万余円は 特別資金援助等の業務として預金保険機構からの委託を受けて買い取った資産から生じたものである そして 現下の厳しい国の財政状況にかんがみると 前記のとおり金融機関の破綻が相次いで発生していた法の改正当時と比べて金融情勢等が変化してきていることなどから 上記の利益に係る資金の有効活用を図る必要がある ついては 金融庁において 上記の資金の有効活用を図るため 預金保険機構を通じて国に納付させたり 預金保険機構において今後発生し得る国庫負担に充当したりするなど 国の財政に寄与する方策を検討するよう意見を表示する - 7 -