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先行き景気は緩やかに減速 現状 : 景気は減速局面入りでは 217 年 1~12 月期の実質 GDP が前年同期比 +6.8% と 前の期から横ばいに 環境規制の強化や貸出金利の上昇が景気の押し下げ要因となった一方 世界経済の回復を反映した輸出の拡大が押し上げ要因に 217 年通年の経済成長率は前年

景気は緩やかに減速へ 現状 : 景気は持ち直し 7 月は弱含む指標が散見されたものの 総じてみれば経済の好調は持続 実質小売売上高は所得環境の改善により上向き 民間固定資産投資は企業の景況感が改善するなか持ち直し 輸出も世界経済の回復によって持ち直し傾向にあり 内外需ともに回復が明確化 政府が昨年か

先行き高めの成長が持続 現状 : 内外需要が堅調足許の経済は内外需要が堅調を維持 輸出は世界経済の回復を背景に急拡大 個人消費は良好な雇用所得環境を受けて 若干減速しつつも安定的に拡大 企業マインドの改善によって 固定資産投資に底入れの兆し 堅調な需要拡大を受けて 工業生産は高めの伸びを維持 展望

景気は再び減速局面に 現状 : 景気は減速では ~ 月期の実質 GDP 成長率が前年同期比 +.% と 四半期ぶりに低下 足許の景気減速の背景として 政府が政策スタンスを変えたことが指摘可能 昨年まで 政府は景気失速を回避するために 積極的な財政支出と金融緩和を実施していたものの 過剰生産や不動産市

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先行きも高めの成長が持続 現状 : 堅調さを維持経済は 一部で弱い動きがみられるものの 堅調さを維持 弱い動きは主に耐久消費財 一部の固定資産投資 輸出の 3 分野で出現 もっとも こうした弱めの動きは限定的であり 景気を大きく下押しするほどのマイナス影響は顕在化せず 実際 工業生産や輸入は堅調な伸

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先行き高めの成長が持続 現状 : 内外需要が堅調経済は内外需要が堅調を維持 輸出が世界経済の回復を背景に拡大 工業生産も高めの伸びが持続 もっとも 固定資産投資の増勢は鈍化傾向 内訳をみると 民間投資と不動産開発投資が小幅に加速したものの 国有企業の設備投資やインフラ投資が減速 政府は 民間投資が拡

先行き景気は緩やかに減速 現状 : 景気は減速局面入り経済は減速局面入り 政府が環境規制を強化したため 重工業で減産の動き 短期市場金利を高めに誘導するとともに 金融監督を強化したことも 企業の資金調達コストを上昇させ 固定資産投資が緩やかに減速 小型車減税措置の完全終了 (217 年末 ) に伴い

デレバレッジ政策や米中貿易摩擦により景気は減速 現状 : 景気は減速景気は減速傾向 金融監督の強化を柱としたデレバレッジ ( 与信や債務の抑制 ) 政策により シャドーバンキングの拡大に歯止めがかかった一方 地方政府などが資金繰り難に直面し インフラ投資が大幅に鈍化 米中貿易摩擦は 製造業の投資マイ

中国経済展望2018年12月号

中国:PMI が示唆する生産・輸出の底打ち時期

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○ユーロ

景気は減速 先行き大幅な成長鈍化は回避 現状 : 景気は減速景気は 製造業のけん引力低下を受けて減速傾向 この背景には デレバレッジ政策と貿易摩擦が指摘可能 習近平政権は 昨年から金融リスクの低減に向けデレバレッジ政策に本腰 穏健中立方針とされていた金融政策は 短期金利の高め誘導などで実質的に引き締

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[ 参考 ] 先月からの主要変更点 基調判断 3 月月例 4 月月例 景気は 急速な悪化が続いており 厳しい状況にある 輸出 生産は 極めて大幅に減少している 企業収益は 極めて大幅に減少している 設備投資は 減少している 雇用情勢は 急速に悪化しつつある 個人消費は 緩やかに減少している 景気は

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ロシア 3節 第 第3節 ロシア 1 マクロ経済動向 ロシア経済は 緩やかな回復基調にある 2014 年 7 以下 輸出 個人消費 消費者物価 金融市場の動 月以降のウクライナ危機発生及びクリミア併合に伴う 向を中心に概観する 欧米からの経済制裁に加え 2015 年以降 原油価格 の下落を主因として

金融市場2018年12月号

米国の利上げ見送りと日本の長期化した金融緩和

月例経済報告

中国:大都市の住宅頼みの景気底入れへ

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月例経済報告

< 豪州債券市場の市況および今後の見通し > 2016 年の豪州債券市場では 金利が低下しました 年初から 2 月にかけては 中国株をはじめ世界の株式市場が下落するなど市場のリスク回避姿勢が強まる中 金利低下が進みました 1 月末に日銀のマイナス金利導入発表を受け 欧州など他国でもさらなる金融緩和期

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ブラジル中国インド インドネシア ロシア 図表 新興国の消費者物価上昇率 ( 単位 :%)( 資料 :IMF 世界経済見通し ) 通常であれば 成長率が低下すれば 国内の需給バランスが緩和し むしろ物価は低下するのが自然である しかし 中国以外の カ国は逆に物価上

経済・物価情勢の展望(2017年7月)

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関西の景気動向 2013 年 11 月株式会社日本総合研究所調査部関西経済研究センター 1. 景気の現状関西の景気は 持ち直しのペースがひところと比べて鈍化している 輸出 ( 円ベース )

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1 概 況

我が国中小企業の課題と対応策

平成10年7月8日

経済・物価情勢の展望(2016年10月)

平成24年度の経済見通しと経済財政運営の基本的態度(閣議了解)

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資料1

低インフレ 乏しい利上げ観測労働市場に目を向けると 8 月の失業率は約 年ぶりの低水準となる5.3% に低下した 雇用者数も伸びており 一部では技術者不足の声も聞かれる RBAは今後数年 失業率は自然失業率とされる5.% を目指して低下が続くとの見方を示している ただ 賃金の上昇率は ~ 月期が前年

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( 億円 ) ( 億円 ) 営業利益 経常利益 当期純利益 2, 15, 1. 金 16, 額 12, 12, 9, 営業利益率 経常利益率 当期純利益率 , 6, 4. 4, 3, 2.. 2IFRS 適用企業 1 社 ( 単位 : 億円 ) 215 年度 216 年度前年度差前年度

第45回中期経済予測 要旨

中国経済見通し-18年下期は6.3%前後へ減速、米中貿易戦争が激化すればさらなる下振れも

経済・物価情勢の展望(2018年1月)

中国におけるインフレの行方 中国経済は減速しているものの 過熱の解消にはまだ至っていない 年 9 月のリーマン ショックを受けて 中国は輸出が大幅に落ち込み 景気後退を余儀なくされたが 兆元に上る内需拡大策や 金利と預金準備率の大幅な引き下げをはじめとする拡張的財政 金融政策が実施されたことを受けて

目 次 はじめに 1. 景気は減速 中国経済の重しとなる過剰債務 過剰投資 先行き 景気が大幅に下振れるリスクも おわりに はじめに GDP RIM 215 Vol.15 No.59

ニュースリリース 食品産業動向調査 : 景況 平成 3 1 年 3 月 2 6 日 株式会社日本政策金融公庫 食品産業景況 DI 4 半期連続でマイナス値 経常利益の悪化続く ~ 31 年上半期見通しはマイナス幅縮小 持ち直しの動き ~ < 食品産業動向調査 ( 平成 31 年 1 月調査 )> 日

スライド 1

今回の金融政策報告書では 米国内の投資活動が弱いために輸出が想定ほど伸びていないとしながらも 金融業などサービス関連の好調さを示す分析や 商品価格下落がカナダ企業の投資活動を抑制する動きは底打ちしたとの指摘など カナダ景気に前向きな材料も散見されます 当面は 政策金利の据え置きを続けると見通します

経済・物価情勢の展望(2017年10月)

マーケット フォーカス経済 : 中国 2019/ 5/9 投資情報部シニアエコノミスト呂福明 4 月製造業 PMI は 2 ヵ月連続 50 を超えたが やや低下 4 月 30 日 中国政府が発表した4 月製造業購買担当者指数 (PMI) は前月比 0.4ポイントの 50.1となり 伸び率がやや鈍化し

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金融政策決定会合における主な意見

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日本経済の現状と見通し ( インフレーションを中心に ) 2017 年 2 月 17 日 関根敏隆日本銀行調査統計局

【東南アジア経済】ASEANの貿易統計(1月号)~輸出の好調続くも新型スマホ関連がピークアウトへ

4月CPI~物価は横ばいの推移 耐久財の特殊要因を背景に、市場予想を上回る3 ヶ月連続の上昇

( 公社 ) 近畿圏不動産流通機構市況レポート市況トレンド /1 年 7~9 月期の近畿圏市場 1. 中古マンション市場の動き 成約価格は前年比で 3 期連続上昇 1 年 7~9 月期の近畿レインズへの成約報告件数は,9 件と 前年同期比で 1.% 増加した (P1 図表 1) 新規登録件数は 15

1. トピック : 中国 7~9 月期 GDP の評価と今後の見通し 成長率は 3 四半期連続で横ばい投資の伸びはインフラ投資に依存製造業投資は 重工業の調整が続く中 成長分野の伸びが持ち直しに寄与自動車減税効果に加えて 雇用所得環境の持ち直しが消費の堅調を裏付け輸出悪化は台風の影響も 中国の 7~

○ユーロ

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けた この間 生産指数は 上昇傾向で推移した (2) リーマン ショックによる大きな落ち込みとその後の回復局面平成 20 年年初から年央にかけては 米国を中心とする金融不安 景気の減速 原油 原材料価格の高騰などから 景気改善の動きに足踏みが見られたが 生産指数は 高水準で推移していた しかし 平成

平成 23 年 3 月期 決算説明資料 平成 23 年 6 月 27 日 Copyright(C)2011SHOWA SYSTEM ENGINEERING Corporation, All Rights Reserved

目次 調査結果の概要 1 小企業編 中小企業編 概況 3 概況 15 調査の実施要領 4 調査の実施要領 16 業況判断 5 業況判断 17 売上 1 売上 2 採算 11 利益 21 資金繰り 借入 12 価格 金融関連 22 経営上の問題点 13 雇用 設備 23 設備投資 価格動向 14 経営

SERIまんすりー2月号 今月のみどころ

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1. トピック :216 年 1~12 月期 GDP の評価と今後の見通し 1~12 月期の実質成長率は小幅に上昇インフラ投資の一服により投資は減速小売も低下したが 雇用所得環境は改善外需寄与度も低下しており 在庫増が 1~12 月期成長率の押し上げに寄与した模様 216 年後半に企業景況感が回復資

中国経済の2018年問題

富山県金融経済クォータリー(2018年夏)

【No

1. 各都市の不動産市場トレンド 1-1. オフィス価格指数 対前回変動率 (2016 年 4 月から 2016 年 10 月まで ) 図表 1-1は オフィス価格指数の各都市 対前回変動率 今回 (2016 年 10 月現在 ) 対前回変動率が最も高かったのは 東京 の +3.4% 次いで 大阪

Economic Indicators   定例経済指標レポート

みずほインサイト アジア 2019 年 1 月 22 日 中国経済の現状と 2019 年展望 2018 年 10~12 月期 GDP と修正李克強指数の動向 アジア調査部中国室主任エコノミスト 大和香織 年

中小企業の動向

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Microsoft Word R-Focus14-047原油価格下落の影響.docx

長と一億総活躍社会の着実な実現につなげていく 一億総活躍社会の実現に向け アベノミクス 新 三本の矢 に沿った施策を実施する 戦後最大の名目 GDP600 兆円 に向けては 地方創生 国土強靱化 女性の活躍も含め あらゆる政策を総動員することにより デフレ脱却を確実なものとしつつ 経済の好循環をより

【東南アジア経済】ASEANの貿易統計(5月号)~輸出は好調も、旧正月の影響を均せば増勢鈍化

Currency201207

1. 世界における日 経済 人口 (216 年 ) GDP(216 年 ) 貿易 ( 輸出 + 輸入 )(216 年 ) +=8.6% +=28.4% +=36.8% 1.7% 6.9% 6.6% 4.% 68.6% 中国 18.5% 米国 4.3% 32.1% 中国 14.9% 米国 24.7%

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2019 年 3 月期決算説明会 2019 年 3 月期連結業績概要 2019 年 5 月 13 日 太陽誘電株式会社経営企画本部長増山津二 TAIYO YUDEN 2017

PowerPoint プレゼンテーション

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当面の金融政策運営について(貸出増加支援資金供給の延長等、12時29分公表)

FOMC 2018年のドットはわずかに上方修正

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中国:「人民元ショック」再燃リスクに要注意

中国、家計消費の伸びは歴史的低水準に | 第一生命経済研究所 西濵徹

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本文

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Transcription:

中国経済展望 2 年 11 月 調査部マクロ経済研究センター http://www.jri.co.jp/report/medium/publication/china/ 本資料は 2 年 1 月 29 日時点で利用可能な情報をもとに作成 本資料に関するご照会先調査部関辰一 (Tel:3-633-617 Mail:seki.shinichi@jri.co.jp)

不動産開発投資に底入れの兆し 概説 景気は減速 7~9 月期の実質 GDP 成長率は前年比 +7.3% に低下 不動産開発投資と製造業の設備投資がスローダウンし 高所得層の消費も鈍化 13 実質 GDP 成長率 ( 前年比 ) ( 倍 ) 1.1 求人倍率 もっとも 求人倍率は 1 倍以上を保ち 雇用情勢は良好 1~9 月の最終消費の実質成長率に対する寄与率は 4.% と総資本形成を 7% ポイント程度上回り 消費主導の経済成長が持続 11 1 見通し 1.1 1. 1. また 景気の最大の押し下げ要因となっている不動産開発投資に底入れの兆し この背景には 住宅価格抑制策の緩和方向への微調整 住宅市場の過熱感が鎮静化に向かうなか 月 中国人民銀行は商業銀行に 1 軒目の住宅購入に対するローンを優遇するよう要請 加えて 地方政府の住宅購入規制の緩和を容認 雇用の安定が続く一方 不動産開発投資の底割れリスクが後退するなか 政府は構造調整スタンスを堅持する見通し 過剰投資 過剰債務を抑制する一方 規制緩和などによりサービス産業の拡大を促進し 高度化する消費需要に対応 金融政策は状況に応じて微調整が入るものの 基本的には総量規制 資金配分の最適化を重視する見込み 今後 投資抑制策を受けて 経済成長率は緩やかに低下する一方 構造調整は徐々に進展していく見込み 7~9 月期の成長率が想定を下回ったため 2 年の実質成長率の予測値は 7.% から 7.4% へ 21 年は 7.4% から 7.2% へ引き下げ 他方 中央政府の抑制スタンスが弱まり 地方で不動産開発が再過熱化し 鉄鋼等の生産抑制が一時的なものになる可能性に留意が必要 9 7 6 2 9 1 11 13 1 住宅着工と不動産開発 ( 前年比 ) 1 住宅着工床面積不動産開発投資 ( 右目盛 ) 7 6 6 4 4 2 3 2 2 1 4 24 6 7 9 1 11 13.9.9.. 2 9 1 11 13 ( 資料 ) 人力資源社会保障部 社会融資総量の増加率 ( 前年比 ) 1 6 4 2 2 2 6 7 9 1 11 13 ( 年 ) ( 資料 ) 中国人民銀行 - 1 - ( 株 ) 日本総合研究所中国経済展望 2 年 11 月

輸出に下振れリスク 概説 < 輸出 > 輸出額は持ち直し 7~9 月期 米国向けと BR IS( ブラジル ロシア インド 南アフリカ ) 向けが持ち直し アジア向けと EU 向けは緩やかに拡大 (21=1) 1 地域別輸出額 ( 季調値 ) 世界 <1> 米国 <17> EU <> アジア <23> BRIS <9> ( ポイント ) 6 4 製造業 PMI 新規受注指数 ( 季調値 ) 輸出向け国内 + 輸出向け 今後 輸出が下振れる可能性 EU のデフレ懸念や米国のテーパリング終了など世界経済を取り巻く環境は不透明 9 月の製造業 PMI 新規輸出向け受注指数は目安となる % ポイントを下回る水準に低下 < 輸入 > 輸入額は輸入価格の下落と内需の弱まりを背景に 伸び悩み ただし 9 月に NIEs と ASEA N からの輸入が急増 米国からの輸入にも持ち直しの動き 新型スマートフォンとタブレットの部品や加工機械の調達が背景として指摘可能 近年 資源メジャーの生産能力が大幅に拡大した点を勘案すると 鉄鉱石の供給拡大に歯止めがかからず 価格は一段と下落する見通し 当面 輸入価格の下落が輸入額の押し下げ要因となる構図が続く見込み < 対中直接投資 > 1~9 月の対中直接投資は前年同期比 1.4% と減少 人件費の上昇や元高などを背景に 中国の生産拠点としての魅力は低下 地域別にみると 日中関係悪化の影響もあり 日本からは同 42.9% と大幅に減少 米国からは同 24.% EU からは同 1.% の減少 一方 韓国からは同 32.% 増 英国からは同 32.3% 増 業種別にみると サービス業は同.7% の増加 他方 製造業は同.% の減少 1 6 21 11 13 ( 資料 ) 海関総署を基に日本総研作成 ( 注 1) 米ドルベース <> は2 年のシェア ( 注 2)BRISはブラジル ロシア インド 南アフリカ (21=1) 22 2 1 1 地域別輸入額 ( 季調値 ) 世界 <1> NIEs+ASEAN <29> 資源国 <> EU <> 日本 <1> 米国 <7> 21 11 13 ( 資料 ) 海関総署を基に日本総研作成 ( 注 1) 米ドルベース <> は2 年のシェア ( 注 2) 資源国はオーストラリア ブラジル ロシア 南アフリカ 2 4 46 44 211 13 物流購買連合会を基に日本総研作成 対中直接投資 ( 年初累計 前年比 ) 3 2 2 1 1 1 21 11 13 ( 資料 ) 商務部 - 2 - ( 株 ) 日本総合研究所中国経済展望 2 年 11 月

安定的な雇用 所得情勢が持続 概説 個人消費は総じて堅調に拡大 実質小売売上高は横ばいで推移 もっとも 高所得層と中低所得層で二極化の動き 高所得層は倹約令と住宅価格の下落を背景に 消費を抑制 百貨店や高級レストランを含む大手小売業の売上高は 1~9 月に前年同期比 9.% 増と低い伸び 一方 中間層と低所得層の消費は高い伸びを維持 高所得層の利用が少ない中小小売業の好調さを受けて 小売売上高の総額は同.% 増と 2 ケタの伸びを維持 この背景には安定的な雇用 所得環境が指摘可能 求人倍率は 1 倍以上を保ち 平均賃金は年率 1% 程度の伸びが持続 今後 高所得層の消費は一段と鈍化する見通し 住宅価格の下落が続くなか セカンドハウス所有者の資産は目減り 加えて 国有企業改革が期待所得を引き下げ 中央政府は国有企業改革の一環として 国有企業幹部の年俸に上限を設けることを検討 高所得者層の消費者マインドが大幅に悪化し 外資ブランドの耐久消費財の販売や海外旅行などサービス消費が冷え込む恐れも 他方 中間層や低所得層の消費は良好な雇用 所得環境の下 安定した伸びを維持する公算 サービス産業が消費構造の高度化と規制緩和を受けて拡大するなか サービス産業でも雇用増加 賃金上昇が生じるなど 好循環が実現 総じてみると 裾野の広がりを背景に個人消費は堅調に拡大すると予想 1 1 小売売上高 ( 前年比 ) 名目ベース 実質ベース 211 13 ( 注 )CPI 上昇率で実質化 1 6 4 2 平均賃金平均労働報酬 ( 前年比 ) 211 13 小売売上高 ( 年初累計 前年比 ) 全体大手 1 2 13 産業別名目 GDP( 年初累計 前年比 ) 3 1 次産業 2 2 次産業 3 次産業 2 1 1 2 9 1 11 13-3 - ( 株 ) 日本総合研究所中国経済展望 2 年 11 月

住宅着工は持ち直し 概況 固定資産投資の増勢は鈍化 1~9 月の固定資産投資は前年同期比.1% 増と 1~ 月の同.% から減速 内訳をみると 1~9 月の不動産開発投資は当局の住宅価格抑制策を主因に 前年比.% 増に鈍化 当局が利下げなど全面的な金融緩和に慎重な姿勢を崩さないなか 景気の先行き不透明感が強まり 製造業の固定資産投資の伸び率は同 13.% 増に減速 他方 治水などのインフラ投資は安定的に拡大し 情報通信業や保健衛生 ( 医療サービス等 ) など一部のサービス産業は 規制緩和により高い伸びを維持 2 26 24 22 2 1 固定資産投資 ( 除く農村家計 年初累計 前年比 ) 全体不動産開発投資製造業 1 新設住宅着工床面積 ( 年初累計 前年比 ( 季調値 ( ) ) (21 年 =1) 1 今後を展望すると 不動産開発投資の増勢鈍化に歯止めがかかる見通し 足許では 住宅価格抑制策に微調整が入るなか 工事着工時に計上される住宅着工床面積が持ち直しており 今後 工事完成時点で逐次不動産開発投資統計に反映される見込み 月 中国人民銀行は住宅市場の過熱感が鎮静化に向かうなか 商業銀行に 1 軒目の住宅購入に対するローンを優遇するよう要請 加えて 地方政府の住宅購入規制の緩和を黙認 4 月には広西チワン族自治区南寧市などの地方政府が住宅購入抑制策の緩和を開始 もっとも 当局は 不動産開発投資に依存した経済成長からの脱却するために 基本的には抑制的な不動産政策を堅持する見通し 金融政策は状況に応じて微調整するものの 総量規制と資金配分の最適化を重視 近年 資金供給量は経済規模を大きく上回るペースで増加し 資金効率が低下 2 13 3 2 2 1 1 不動産開発投資と製造業投資の対 GDP 比 不動産開発投資 / 名目 GDP 製造業の固定資産投資 / 名目 GDP 23 4 6 7 9 1 11 13 ( 年 ) - 4-6 2 13 (M2/ 名目 GDP) 2. 1.9 1. 1.7 1.6 1. 1.4 マネーサプライの対マーシャルのk GDP 比 22 3 4 6 7 9 1 11 13 ( 年 ) 中国人民銀行を基に日本総研作成 ( 株 ) 日本総合研究所中国経済展望 2 年 11 月

過度なデフレ懸念は不要 概況 < 物価 > 9 月の CPI 上昇率は前年同月比 1.6% と 月から.4% ポイント低下 前年 9 月の物価水準が高かったことが主因 213 年 9 月の CPI 上昇率は食料品価格の急騰により同 3.1% と 月から.% ポイント上昇 この点を割り引いて考えると インフレ率は横ばい圏内で推移していると判断可能 今後を展望すると 輸入価格の下落が物価押し下げ要因となるものの 消費の堅調な拡大を受けて インフレ率は横ばい圏内で推移する見通し なお 21 年頭には 前年の価格高騰の影響が剥落していくことから CPI 上昇率は持ち直す見通し < 不動産価格 > 住宅価格は下落 当局の不動産価格抑制策により 住宅需要が縮小していることが主因 今後 住宅需要は不動産価格抑制策の微調整を背景に 底入れする見通し もっとも 大都市の不動産バブルを是正すること 及び 不動産セクターに集中する資金を他の分野に再配分することにおいて ようやく一部で効果が出始めた段階である点を踏まえると 当局は 基本的には不動産価格抑制策を継続する見込み 住宅需要の急回復は期待できず 住宅価格の調整は長期化する見通し < 市場金利 > 市場金利は頭打ち 9 月の銀行間貸出金利 ( 加重平均 ) は 2.97% に低下 当局は総量規制のスタンスを崩していないものの 足許では微調整に着手 9 月 1 日 中国人民銀行は公開市場操作の適用金利を 3.7% から 3.% に引き下げ 1 月 日には さらに 3.4% に引き下げ 3.4 3.2 3. 2. 2.6 2.4 2.2 2. 1. 1.6 7 6 4 3 2 1 CPI( CPI 前年比 ) 1.4 1 2 3 4 6 7 9 111 1 2 3 4 6 7 9 213 銀行間貸出金利 ( 加重平均 ) 2 6 7 9 1 11 13 ( 資料 ) 中国人民銀行 住宅の販売価格 販売床面積 (21 年 =1) (21 年 月 =1) 主要 7 都市の新築住宅価格 ( 右目盛 ) 1 1 分譲住宅販売床面積 ( 季調値 ) 1 11 1 13 11 1 1 9 9 96 94 21 11 13 ロイター社の算出値を基に日本総研作成 ( 元 / ドル ) 6.9 6. 6.7 6.6 6. 6.4 6.3 6.2 6.1 < 人民元レートの推移 > 6. 1 11 13 ( 資料 )Datastream ( 注 ) トムソン ロイター社調べ 元高 ( 年 / 月 / 日 ) - - ( 株 ) 日本総合研究所中国経済展望 2 年 11 月