犯罪収益移転防止法の概要等 資料 1 資料 2 資料 3 資料 4 資料 5 資料 6 第 1 回配布資料 < 目次 > マネー ローンダリング対策と犯罪収益移転防止法犯収法上の義務付け特定事業者 特定業務 特定取引と義務の対応関係義務履行担保の方法疑わしい取引の届出について疑わしい取引に関する情報

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法改正に伴う主務省令の改正 (1) 疑わしい取引の届出に関する判断の方法 法第 8 条第 2 項疑わしい取引の判断は 主務省令で定める項目に従って当該取引に疑わしい点があるかどうかを確認する方法その他の主務省令で定める方法により行う 新規則 2 条 ( 主務省令で定める項目 ) 一般的な取引の態様と

エチオピア 2017 年 2 月 エチオピアは FATF 及び ESAAMLG( 東南部アフリカ FATF 型地域体 ) と協働し 有効性強化及び技術的な欠陥に対処するため ハイレベルの政治的コミットメントを示し 同国は 国家的なアクションプランや FATF のアクションプラン履行を目的とした委員会

犯罪収益移転防止法関係 用語解説

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5. 取引記録の作成及び保存義務について問 18 取引記録の作成及び保存とは何をすればよいのか 疑わしい取引の届出義務について問 19 疑わしい取引の届出 とは何を届け出るのか 12 問 20 顧客に 疑わしい取引の届出 を提出することを言っても良いか 取引時確認等を的確に行

犯罪収益移転防止法の概要 犯罪収益移転防止法とは P1 犯罪による収益が組織的な犯罪を助長するために使用されるとともに 犯罪による収益が移転して事業活動に用いられることにより健全な経済活動に重大な悪影響を与えること等から 犯罪による収益の移転の防止を図り 国民生活の安全と平穏を確保するとともに 経済

2 ( 略 ) Ⅱ 監督手法 対応 再保険に関するリスク管理について問題があると認められる場合には 必要に応じて法第 128 条に基づき報告を求め 重大な問題があると認められる場合には 法第 132 条又は法第 133 条 ( 外国保険会社等にあっては 法第 205 条 免許特定法人

No. コメントの概要 金融庁 警察庁の考え方 本人確認方法 ( 規則第 3 条第 1 項第 1 号及び第 3 号 ) 1 規則第 3 条第 1 項第 1 号チでは 特定の預金又は貯金口座における口座振替の方法により決済されるもの という項目を追加しているが 口座振替の方法によって決済されるもの と

二頁第三条第三項中 国家公安委員会 を 前項に定めるもののほか 国家公安委員会 に改め 同項を同条第五項とし 同条第二項の次に次の二項を加える 3国家公安委員会は 毎年 犯罪による収益の移転に係る手口その他の犯罪による収益の移転の状況に関する調査及び分析を行った上で 特定事業者その他の事業者が行う取

新規文書1

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て 次に掲げる要件が定められているものに限る 以下この条において 特定新株予約権等 という ) を当該契約に従つて行使することにより当該特定新株予約権等に係る株式の取得をした場合には 当該株式の取得に係る経済的利益については 所得税を課さない ただし 当該取締役等又は権利承継相続人 ( 以下この項及

株式取扱規則

1 納税義務者ご本人が窓口に来られる場合 3 申請者欄に ご本人の住所 ( 運転免許証等の本人確認書類で確認できる住所 ) 氏名 連絡先電話番号をご記入ください ( 使者欄はご記入不要です ) 4 証明 閲覧の対象となる固定資産の納税義務者が ご本人である場合は 申請者に同じ のチェックボックス (

別記様式第一号 ( 第一条関係 ) 免許申請書 ( 第一面 ) 宅地建物取引業法第 4 条第 1 項の規定により 同法第 3 条第 1 項の免許を申請します この申請書及び添付書類の記載事項は 事実に相違ありません 地方整備局長北海道開発局長山形県知事 殿 申請者商号又は名称 郵便番号 ( - )

附則 この規則は 平成 29 年 3 月 1 日から施行する

個人情報の保護に関する規程(案)

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また 立入調査は 市職員又は市長が委任した者が行い 調査者については身分等を示す証明書を携帯し 関係者からの請求があった場合は提示しなければならないため 立入調査員証 ( 様式第 2 号 ) により身分を証明するものとします 参考 < 基本指針 > 一 7(p.12~13) <ガイドライン> 第 3

目次 1. 犯罪収益移転防止法とは マネー ローンダリング / テロ資金供与防止の目的 マネー ローンダリング / テロ資金供与とは 犯罪収益移転防止法の制定 犯罪収益移転防止法の一部改正 2 別表 国際的な要請に応えるための我が国の取組 4 別表 2 5 別表 特定事業

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住友電気工業株式会社株式取扱規則

規程No

総論 Q1 民間事業者はどのような場面でマイナンバーを扱うのですか A1 民間事業者でも 従業員やその扶養家族のマイナンバーを取得し 給与所得の源泉徴収や社会保険の被保険者資格取得届などに記載し 行政機関などに提出する必要があります 原稿料の支払調書などの税の手続では原稿料を支払う相手などのマイナン

外国送金取引規定 1.( 適用範囲 ) 外国送金依頼書による次の各号に定める外国送金取引については この規定により取扱います 1 外国向送金取引 2 国内にある当行の本支店または他の金融機関にある受取人の預金口座への外貨建送金取引 3 外国為替法規上の ( 非 ) 居住者と非居住者との間における国内

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1 資料 1 パーソナルデータの利活用に関する制度改正に係る法律案の骨子 ( 案 ) TM 2014 年 12 月 19 日 内閣官房 IT 総合戦略室 パーソナルデータ関連制度担当室

ご本人の場合 1. 来店による請求の場合窓口において直接的に本人であることを証明できる運転免許証 健康保険の被保険者証 写真付住民基本台帳カード 旅券 ( パスポート ) 年金手帳 実印及び印鑑証明書 ( 交付日より6ヶ月以内のもの ) または在留カード 特別永住者証明書の提示をお願いします 2.

第 5 編総務の規程 ( 株式取扱規程 )0504- 総規 株式取扱規程 ( 昭和 35 年 01 月 01 日制定 ) ( 平成 24 年 04 月 1 日現在 ) 第 1 章総則 ( 目的 ) 第 1 条当会社における株主権行使の手続きその他株式に関する取扱いについては, 株式会社証券保管振替機

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づき通知及び公告をした期日又は場所において意見の聴取を行うことができないときは 意見の聴取の期日を延期し 又は場所を変更することができる 4 市長は 前 2 項の規定に基づき 意見の聴取の期日を延期し 又は場所を変更するときは 法 14 条 7 項の規定に準じて通知し かつ 公告する ( 議長 )

第 2 節 監督処分等 ( 監督処分等 ) 第 81 条 国土交通大臣 都道府県知事又は市長は 次の各号のいずれかに該当する者に対して 都市計画上必要な限度において このの規定によってした許可 認可若しくは承認を取り消し 変更し その効力を停止し その条件を変更し 若しくは新たに条件を付し 又は工事

株式取扱規則 平成 24 年 4 月 1 日 北海道瓦斯株式会社

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目次 Ⅰ 犯収法改正の概要 5 1 犯収法改正のポイント 2 既存顧客への対応 Ⅱ 取引時確認 7 3 顧客等が自然人である場合の取引時確認の必要事項 4 顧客等が法人である場合の取引時確認の必要事項 5 顧客等が国等である場合の取引時確認の必要事項 (1) 6 顧客等が国等である場合の取引時確認の

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第 1 当行における取引のリスク評価の考え方当行における取引のリスク評価の考え方は 平成 28 年 10 月 1 日に施行される改正後の犯収法の取引時確認及び調査書におけるリスク評価に基づき 別添の 当行におけるリスク評価と管理方法 のとおりとする 第 2 高リスク取引以下では 第 1において 高リ

五有価証券 ( 証券取引法第二条第一項に規定する有価証券又は同条第二項の規定により有価証券とみなされる権利をいう ) を取得させる行為 ( 代理又は媒介に該当するもの並びに同条第十七項に規定する有価証券先物取引 ( 第十号において 有価証券先物取引 という ) 及び同条第二十一項に規定する有価証券先

その他の所定の事項を正確に入力してください この場合における預金の払戻しについては 通帳および払戻請求書の提出は必要ありません 5.( 自動機利用手数料等 ) (1) 支払機または振込機を使用して預金の払戻しをする場合には 当行および提携先所定の支払機 振込機の利用に関する手数料 ( 以下 支払機利

問 3 次の文章は 割賦販売法が適用される取引 に関するものです ( ) 内にあてはまる最も適当な語句を下記の語群から選び その番号をマークしてください 割賦販売 ( 第 2 条第 1 項 ) とは 購入者等から商品もしくは ( 1 ) の代金を または ( 2 ) の提供を受ける者から ( 2 )

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第 8 条を削り, 第 9 条を第 8 条とし, 第 10 条から第 12 条までを 1 条ずつ繰り上げる 別記第 1 号様式を次のように改める

厚生年金保険の保険給付及び国民年金の給付の支払の遅延に係る加算金の支給に関する法律

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目次 Ⅰ 犯収法改正の概要 6 1 犯収法改正のポイント 2 既存顧客等への対応 ( 経過措置 ) Ⅱ 取引時確認 12 3 顧客等が自然人である場合の取引時確認の必要事項 4 顧客等が法人である場合の取引時確認の必要事項 5 顧客等が国等である場合の取引時確認の必要事項 (1) 6 顧客等が国等で

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資料 1-1 犯罪による収益の移転防止に関する法律の一部を改正する法律の概要 1 疑わしい取引の届出に関する判断の方法に関する規定の整備 (1) 特定事業者 ( 司法書士等を除く ) は 特定業務に係る取引について 当該取 引に係る取引時確認の結果 当該取引の態様その他の事情及び (2) に規定する

いる 〇また 障害者の権利に関する条約 においては 障害に基づくあらゆる差別を禁止するものとされている 〇一方 成年被後見人等の権利に係る制限が設けられている制度 ( いわゆる欠格条項 ) については いわゆるノーマライゼーションやソーシャルインクルージョン ( 社会的包摂 ) を基本理念とする成年

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2. 制度の概要 この制度は 非上場株式等の相続税 贈与税の納税猶予制度 とは異なり 自社株式に相当する出資持分の承継の取り扱いではなく 医療法人の出資者等が出資持分を放棄した場合に係る税負担を最終的に免除することにより 持分なし医療法人 に移行を促進する制度です 具体的には 持分なし医療法人 への

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所において施工する場合 2 施工にあたり相互に調整を要する工事で かつ 工事現場の相互の間隔が 10km 程度の近接した場所において同一の建設業者が施工する場合 ( 別添 建設工事における現場代理人の常駐義務の緩和に係る取扱いについて に示す 参考 第 2 第 1 項第 3 号に定める該当工事 参照

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個人情報の取り扱いについて TaoTao 株式会社 ( 以下 当社 という ) は お客様が安心して当社のサービスをご利用いただけるよう 個人情報保護方針に基づき お客様の個人情報 個人番号 特定個人情報 ( 以下 ここではすべてを総称し 個人情報 といいます ) のお取扱いに細心の注意を払っており

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b c.( 略 ) 2 不動産取得税の軽減に係るの発行信託会社等の地方税法附則第 11 条第 12 項に基づく不動産取得税の軽減のための同法施行令附則第 7 条第 12 項に規定するの発行等については 以下のとおり取り扱うものとする イ ロ.( 略 ) 載があること c d.( 略 ) 2 不動産取

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1. 元職員による働きかけの規制 ( 第 38 条の 2 関係 )1 1 離職後に営利企業等 1に再就職した元職員(= 再就職者 ) は 離職前 5 年間に在職していた地方公共団体の執行機関の組織等 2の職員に対して 当該営利企業等又はその子法人と在職していた地方公共団体との間の契約等事務 3につい

共同事業体協定書ひな形 ( 名称 ) 第 1 条この機関は 共同事業体 ( 以下 機関 という ) と称する ここでいう 機関 は 応募要領の参加資格に示した共同事業体のことであるが 協定書等において必ず 共同事業体 という名称を用いなければならない ということはない ( 目的 ) 第 2 条機関は

事業者が行うべき措置については 匿名加工情報の作成に携わる者 ( 以下 作成従事者 という ) を限定するなどの社内規定の策定 作成従事者等の監督体制の整備 個人情報から削除した事項及び加工方法に関する情報へのアクセス制御 不正アクセス対策等を行うことが考えられるが 規定ぶりについて今後具体的に検討

凡 例 法令の略称は 次のとおり用いる [ 略称 ] [ 法律名 ] 外為法外国為替及び外国貿易法 ( 昭和 24 年法律第 228 号 ) 国際テロリスト財産凍結法国際連合安全保障理事会決議第千二百六十七号等を踏まえ我が国が実施する国際テロリストの財産の凍結等に関する特別措置法 ( 平成 26 年

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[Q20] 扶養控除等申告書が提出された際に その申告書に記載された国外居住親族に係る 親族関係書類 が提示されず 事後に提示された場合 いつから扶養控除等を適用して源泉徴収税額を計算すればよいのですか 9 [Q21] 給与所得者の配偶者控除等申告書を提出する場合には 親族関係書類 を提出又は提示す

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5 仙台市債権管理条例 ( 中間案 ) の内容 (1) 目的 市の債権管理に関する事務処理について必要な事項を定めることにより その管理の適正化を図ることを目的とします 債権が発生してから消滅するまでの一連の事務処理について整理し 債権管理に必要 な事項を定めることにより その適正化を図ることを目的

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株式会社の不正使用防止のための 公証人の活用に関する研究会参加有識者 ( 座長 ) 早稲田大学大学院法務研究科教授岩原紳作 東京大学大学院法学政治学研究科教授加藤貴仁 一橋大学法学研究科教授角田美穂子 司法書士 ( 京都司法書士会 ) 内藤卓 弁護士 ( 第一東京弁護士会 ) 辺見紀男

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個人情報保護規程 株式会社守破離 代表取締役佐藤治郎 目次 第 1 章総則 ( 第 1 条 - 第 3 条 ) 第 2 章個人情報の利用目的の特定等 ( 第 4 条 - 第 6 条 ) 第 3 章個人情報の取得の制限等 ( 第 7 条 - 第 8 条 ) 第 4 章個人データの安全管理 ( 第 9

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第 1 回配布資料 マネー ローンダリング対策等に関する懇談会 平成 2 5 年 6 月 1 2 日警察庁刑事局組織犯罪対策部

犯罪収益移転防止法の概要等 資料 1 資料 2 資料 3 資料 4 資料 5 資料 6 第 1 回配布資料 < 目次 > マネー ローンダリング対策と犯罪収益移転防止法犯収法上の義務付け特定事業者 特定業務 特定取引と義務の対応関係義務履行担保の方法疑わしい取引の届出について疑わしい取引に関する情報の活用状況 資料 7 国公委 警察庁と所管行政庁の役割分担 ( 疑わしい取引の届出 ) 資料 8 通常の取引 ( 特定取引 ) とハイリスク取引 資料 9 取引時確認等の流れ 資料 10 取引時確認を要しない取引 資料 11 FATFとは 資料 12 第 3 次 FATF 対日相互審査フォローアップへの対応 資料 13 FATF 審査について 財務省説明資料 論点等 資料 14 論点等一覧表 <再確認の必要性 > 資料 15 ー 1 既存顧客に対する顧客管理について 資料 15 ー 2 継続的な顧客管理措置について <取引の継続的な精査の必要性 > 資料 16 ー 1 事例 息子等を装った慰謝料等名下の振り込め詐欺事件に係る犯罪収益等隠匿事件 資料 16 ー 2 異常な大口取引 異常な取引形態等への特別な注意 調査 記録保存等について 資料 16 ー 3 関連する複数の取引が敷居値を超える場合について <実質的支配者の確認の程度 > 資料 17 ー 1 事例 大規模な貸金業法等違反事件に係る犯罪収益等隠匿事件 資料 17 ー 2 真の受益者を自然人まで遡る確認について <本人特定事項等の確認の方法 > 資料 18 ー 1 写真付きでない証明書類 ( 健康保険証等 ) による本人特定事項の確認について 資料 18 ー 2 法人顧客の代理人の権限委任の確認について <顧客管理の対象のリスクに応じた整理 > 資料 19 ー 1 特定事業者による顧客及び取引のリスク評価に応じたリスクベース アプローチについて 資料 19 ー 2 リスクの高い分野の顧客 取引に対する厳格な顧客管理等について 資料 19 ー 3 リスクの低い分野の顧客 取引に対する顧客管理について <その他 > 資料 20 PEPs( 外国の重要な公的地位にある者 ) との取引でのリスク軽減措置について 関係資料集 別冊 1 第 3 次 FATF 勧告 ( 仮訳 )( 解釈ノート付き ) 別冊 2 第 3 次 FATF 勧告メソドロジー ( 仮訳 ) 別冊 3 第 3 次 FATF 対日相互審査における指摘事項 別冊 4 第 4 次 FATF 勧告 ( 仮訳 ) 別冊 5 第 4 次 FATF 勧告解釈ノート ( 仮訳 ) 別冊 6 犯罪収益移転防止法令集

マネー ローンダリング対策と犯罪収益移転防止法資料 1 マネー ローンダリング ( 犯罪収益の出所や帰属を隠そうとする行為 ) 犯罪に使われる恐れ 強盗 犯罪収益 特定事業者 ( 銀行 宅建業等 ) 訴追 没収免れる 振り込め詐欺 訴追 没収へ 取引時確認 確認記録 取引記録保存 疑わしい取引の届出 追跡可能性確保 犯罪収益移転防止法

犯収法上の義務付け資料 2 犯罪収益移転防止法 事業者の主な義務 取引時確認 (4 条 ) 確認記録 取引記録の作成 保存 (6 7 条 ) 特定事業者 疑わしい取引の届出 (8 条 ) 間接的な義務 自らの義務の履行のため 顧客に取引時確認事項の申告を求める 顧客 顧客は取引時確認に係る事項を偽ってはならず 本人特定事項を偽った場合は罰則

特定事業者 特定業務 特定取引と義務の対応関係資料 3 特定事業者 2 条 2 項 特定業務 ( 義務の対象 ) 特定取引 ( 取引時確認が必要 ) 義務 金融機関等 1 号 ~36 号 金融機関等が行う業務 ( 金融に関する業務に限られる ) 預貯金契約 ( 預金又は貯金の受入れを内容とする契約 ) の締結 200 万円を超える大口現金取引 10 万円を超える現金送金等 ファイナンスリース事業者 37 号 クレジットカード事業者 38 号 ファイナンスリース業務 ( 途中解約できないもの 賃貸人が賃貸物品の使用に伴う利益を享受し かつ 費用を負担するものに限られる ) クレジットカード業務 1 回のリース料が 10 万円を超える物品のファイナンスリース契約の締結 クレジットカード契約の締結 取引時確認 4 条 確認記録の作成 保存 6 条 宅地建物取引業者 39 号 宝石 貴金属等取扱事業者 40 号 郵便物受取サービス業者 41 号 宅地建物の売買又はその代理若しくは媒介業務 貴金属 ( 金 白金 銀及びこれらの合金 ) 宝石 ( ダイヤモンドその他の貴石 半貴石及び真珠 ) の売買業務 郵便物受取サービス業務 宅地建物の売買契約の締結又はその代理若しくは媒介 代金の支払が現金で 20 万円を超える貴金属等の売買契約の締結 役務提供契約の締結 役務提供契約の締結 取引記録等の作成 保存 7 条 疑わしい取引の届出 8 条 取引時確認等を的確に行うための措置 10 条 電話受付代行業者 41 号 電話転送サービス事業者 41 号 電話受付代行業務 電話転送サービス業務 電話による連絡を受ける際に代行業者の商号を明示する条項を含む契約の締結は除く コールセンター業務等の契約締結は除く 役務提供契約の締結 司法書士 43 号 行政書士 44 号 公認会計士 45 号 税理士 46 号 以下の行為の代理又は代行に係るもの 宅地又は建物の売買に関する行為又は手続 会社等の設立又は合併等に関する行為又は手続 現金 預金 有価証券その他の財産の管理又は処分 租税 罰金 過料等の納付は除く 成年後見人等裁判所又は主務官庁により選任される者が職務として行う他人の財産の管理 処分は除く 以下の行為の代理等を行うことを内容とする契約の締結 宅地又は建物の売買に関する行為又は手続 会社等の設立又は合併等に関する行為又は手続 20 万円を超える現金 預金 有価証券その他の財産の管理又は処分 任意後見契約の締結は除く 取引時確認 4 条 ( 注 ) 確認記録の作成 保存 6 条 取引記録等の作成 保存 7 条 取引時確認等を的確に行うための措置 10 条 弁護士 42 号 弁護士による取引時確認 確認記録 取引記録等の作成 保存 取引時確認等を的確に行うための措置に相当する措置については 犯罪収益移転防止法に定める司法書士等の例に準じて 日本弁護士連合会の会則で定めるところによる 11 条 注 : 司法書士 行政書士 公認会計士 税理士のいわゆる士業者は本人特定事項のみ確認

義務履行担保の方法資料 4 所管行政庁 意見陳述 国家公安委員会 警察庁 (FIU) 監督上の措置 報告徴収 立入検査 指導 助言及び勧告 是正命令 義務履行を担保 意見陳述に必要な限度で 報告徴収 ( 又は都道府県警察に対し調査指示 ) 立入検査 ( 上記の調査のため 特に必要があると認められるとき ) 虚偽の報告等 立入検査の拒否等 是正命令違反をした者は罰則 特定事業者 取引 顧客

疑わしい取引の届出について資料 5 特定業務において収受した財産が 犯罪による収益 である疑い 特定事業者 顧客が特定業務に関し 犯罪による収益の隠匿罪に該当する行為 組織的犯罪処罰法第 10 条の罪に当たる行為 行っている疑い 麻薬特例法第 6 条の罪に当たる行為 認められた場合 届出 所管行政庁 通知 国公委 警察庁 (FIU)

疑わしい取引に関する情報の活用状況資料 6 疑わしい取引に関する情報の提供 疑わしい取引の届出受理 提供件数 国家公安委員会 警察庁 ( 犯罪収益移転防止管理官 ) 提供 疑わしい取引の届出のデータベースへの登録 整理 分析 ( 捜査機関等 ) 都道府県警察検察庁海上保安庁麻薬取締部税関 証券取引等監視委員会 400,000 350,000 300,000 250,000 200,000 150,000 100,000 年間受理件数 年間提供件数 取締りに活用 50,000 0 外国 FIU 疑わしい取引情報の捜査での活用 疑わしい取引に関する情報を端緒とした都道府県警察検挙事件数 886 件 ( うち 詐欺事件数 470 件 ) マネー ローンダリング事犯の検挙に至った事件数 :15 件 捜査において活用された疑わしい取引に関する情報数 18 万 8,321 件 いずれも平成 24 年

国公委 警察庁と所管行政庁の役割分担 ( 疑わしい取引の届出 ) 資料 7 日本国 FIU 国家公安委員会 捜査機関等 外国の機関 緊密な連携情報交換 ( 警察庁 ) 届出情報の整理 分析届出情報の整理 分析 FIU:FinancialIntelli genceunit ( 資金情報機関 ) 捜査機関等への情報提供 刑事事件の捜査 犯則事件の調査 届出情報の通知 行政庁 行政庁行政庁 疑わしい取引の届出 ( 法第 9 条 )~ 士業者は対象外 顧客等の本人確認 本人確認記録 取引記録等の作成 保存 金融機関等 ファイナンスリース事業者 クレジットカード事業者 宅地建物取引業者 宝石 貴金属等取扱事業者 郵便物受取サービス業者 電話受付代行業者等 司法書士行政書士公認会計士税理士 弁護士

通常の取引 ( 特定取引 ) とハイリスク取引資料 8 通常の取引 ( 特定取引 ) 預貯金契約の締結 200 万円を超える大口現金取引 宅地建物の売買契約の締結 クレジットカード交付契約の締結 会社等の設立又は合併等に関する行為又は手続の代理 代行契約の締結等 ハイリスク取引 継続的な契約 ( 例えば預貯金契約 ) に基づく取引 ( 例えば預金の払戻し ) に際して 取引時確認に係る顧客又は代表者等になりすましている疑いがあるもの 取引時確認の際に取引時確認に係る事項を偽っていた疑いがあるもの 特定取引のうち イラン 北朝鮮に居住 所在する顧客との間におけるもの イラン 北朝鮮に居住 所在する者に対する財産の移転を伴うもの 取引時確認事項とその方法 本人特定事項 ( 書類による ) ( 自然人 : 氏名 住居 生年月日 ) ( 法人 : 名称 所在地 ) 取引を行う目的 ( 申告による ) 職業 ( 自然人 : 申告による ) 事業内容 ( 法人 : 書類による ) 実質的支配者の有無 実質的支配者の本人特定事項 ( 申告による ) 取引時確認事項とその方法 本人特定事項 ( 通常の取引に際して用いた書類に加えて 別の書類による ) 取引を行う目的 ( 申告による ) 職業 ( 自然人 : 申告による ) 事業内容 ( 法人 : 書類による ) 実質的支配者の有無 実質的支配者の本人特定事項 ( 書類による ) 資産及び収入の状況 ( 書類による ) (200 万円を超える財産の移転を伴う場合 )

イリスク取引通の取取引時確認ハ引それ以外の取引常取引時確認等の流れ資料 9 取引時確認 取引時確認 通常の取引と同様の取引時確認事項 ( 異なる確認方法による確認 ) 資産及び収入の状況 (200 万円を超える財産の移転を伴う場合 ) YES 本人特定事項 ( 氏名 住居 生年月日等 ) 取引の目的 職業 事業内容 実質的支配者 ( 法人のみ ) 高リスク取引該当性判断 ( なりすまし 偽り) 事業者による判断 NO マネロンの 疑い判断 事業者の 判断 疑取届出届取引時確認なし 取引時確認に係る確認記録 特定業務に係る取引記録を作成 保存 出不要厳格な

取引時確認を要しない取引資料 10 取引時確認済の顧客との取引 特定事業者が他の取引の際に既に取引時確認を行っている顧客との取引 確認記録の作成 保存 確認記録の顧客等と同一であることを確認 ( ハイリスク取引を除く ) 取引時確認が不要 既存顧客との継続的な契約に基づく取引 既存顧客 : 国内での義務が効力を生じた日 ( 現行犯収法施行日 ) において既に取引を開始している顧客 ( ハイリスク取引を除く ) 確認記録の作成 保存 施行日前に締結された継続的な取引 ( 預貯金口座の開設等 ) に基づく取引 ( 当該口座からの払戻し等 ) 取引時確認が不要 犯罪による収益の移転に利用されるおそれがない取引 施行規則第 4 条に定める取引 保険料の積立ての払戻しがない保険契約の締結 国または地方公共団体に対する大口現金取引 1 回に支払われる賃貸料の額が10 万円以下のファイナンスリース契約の締結等 特定取引に当たらない そもそも 特定取引に当たらないため 取引時確認も必要ない

FATF とは FATF とは資料 11 FATF とは マネー ローンダリング対策及びテロ資金対策に関する国際協力を推進するため設置されている政府間会合 平成 24 年末現在 日本を含む34の国 地域及び2の国際機関が参加 主な活動内容は マネー ローンダリング対策及びテロ資金供与対策に関する国際基準 (FATF 勧告 ) の策定及び見直し FATF 参加国 地域相互間における FATF 勧告の遵守状況の監視 ( 相互審査 ) 等 第 3 次 FATF 勧告 平成 15 年第 3 次 FATF 勧告の採択平成 16 年 9 の特別勧告を採択平成 19 年第 3 次対日相互審査日本はフォローアップの対象に FATF の主な指摘事項 : 顧客管理 テロ資産凍結 第 4 次 FATF 勧告 平成 24 年第 3 次 FATF 勧告 特別勧告を一本化し 第 4 次 FATF 勧告を採択

第 3 次 FATF 対日相互審査フォローアップへの対応 資料 12 勧告 5 顧客管理 不備指摘事項に対する改善策について いまだ十分なレベルに達していないとされ 新たな制度の内容について検討を開始 特別勧告 Ⅲ テロリストの資産の凍結 没収 早期に法案を国会に提出できるよう作業中

論点等 覧表 資料 14 FATF の指摘 22 年懇談会における結論犯収法における措置 < 再確認の必要性 > 現状 取引時確認後や既存顧客に対する実質的な再確認の義務がない 指摘 1: 既存顧客に対する顧客管理について 重要性及びリスクに応じて 既存顧客に対する顧客管理措置を うことが義務付け られていない 特になし 取引時確認又はそれに相当する確認をしていない場合でも 経過措置により その義務を幅広に免除 指摘 2: 継続的な顧客管理について 継続的な顧客管理の義務付けがなされていない 顧客が多数存在する場合には 全ての顧客管理情報 を定期的に最新のものにすることはコスト面からほ ぼ不可能であるという問題がある 取引時確認をした事項に係る情報を最新の内容に保つための 措置を義務付け < 取引の継続的な精査の必要性 > 現状 取引に対する継続的な精査がなされていない 指摘 3: 異常な 取引 異常な取引形態等への特別な注意 調査 記録保存等について 明 な経済的 は法的な 的のない全ての複雑な は異常な 取引に対して特別な注意を払うほか そのような取引について調査を い その結果を 書化し保存することが義務付けられていない 特になし 特になし 指摘 4: 関連する複数の取引が敷居値を超える場合について 1 回の取引額自体は敷居値を下回るものであっても 関連する複数の取引の合計額が敷居値を超える場合は 顧客管理措置の対象とすることが義務付けられていない 特になし 特になし

< 実質的 配者の確認の程度 > FATF の指摘 22 年懇談会における結論犯収法における措置 現状 ペーパーカンパニーの濫 がなされている 指摘 5: 真の受益者を自然人まで遡る確認について 真の受益者 を自然人まで遡って確認することが求められていない 法人を代表する権限を有している者 はFATF 基準の 当該法人を最終的に所有又は支配する者 に合致しない 等 適当であるが 具体的な取得の対象等については 十分に検討する必要 資本多数決の原則を採る法人にあっては25% を超える議決権を有している者を それ以外の法人にあっては当該法人を代表する権限を有している者を 実質的支配者 として規定し 当該実質的支配者の本人特定事項の確認を義務付け < 本人特定事項等の確認の方法 > 現状 本 確認書類等として認められている書類が広範で その質が不明である 指摘 6: 写真付きでない証明書類 ( 健康保険証等 ) による本人特定事項の確認について 本 確認書類として認められている書類が広範であるため その質が不明である 顧客が自然人の場合に写真付きの書類を使用することが求められていない又は写真付きの書類を使用しない場合にリスクを軽減する二次的措置が求められていない 顔写真が付いていない書類や 官公庁が発 した書類で 名 住居及び 年 の記載がある書類 般を本人確認書類として認めないこととすることは 不適当 写真が付いていない本人確認書類による本人確認における二次的確認措置としては 追加書類の要求等が考えられる 特になし 指摘 7: 法 顧客の代理 の権限委任の確認について 取引担当者が当該顧客のために取引の任に当たっていると認められる事由 の中には 取引担当者が社員証等の身分証明書を有していること 等 取引担当者と法人顧客の間の関係を示すに過ぎず 権限の有無を確認できないものが含まれている 適当であるが マネー ローンダリングの危険性の 高い取引に限ることが適当 取引担当者が当該顧客のために取引の任に当たっていると認 められる事由を規定

FATF の指摘 22 年懇談会における結論犯収法における措置 < 顧客管理の対象のリスクに応じた整理 > 現状 特定取引 ハイリスク取引の 2 種類のみを規定 指摘 8: 特定事業者による顧客及び取引のリスク評価に応じたリスクベース アプローチについて 顧客 取引等のリスクを分析し その 低に応じて執るべき顧客管理措置の範囲を決定する リスクベース アプローチ の導入 リスクベース アプローチの導入は望ましい ハイリスク取引 特定取引 犯罪による収益の移転に利 されるおそれがない取引 の3 類型を法令で明確に規定し ハイリスク取引 の場合には厳格な取引時確認を 特定取引の場合には取引時確認を それぞれ うことを規定 ( 犯罪による収益の移転に利 されるおそれがない取引 の場合には顧客管理措置は不要 ) 指摘 9: リスクの い分野の顧客 取引に対する厳格な顧客管理について 居住者である顧客 や プライベートバンキング 等が厳格な顧客管理措置の 対象になっていない リスクベース アプローチの導入は望ましい 取引の相手方がなりすまし等をしている場合等を ハイリス ク取引 として規定 指摘 10: マネー ローンダリング テロ資 供与の疑いがある取引に対する顧客管理について ハイリスク取引 では不 分であり マネー ローンダリング はテロ資 供与の疑いがあっても顧客管理措置が求められていない 特になし 取引の相手方がなりすまし等をしている場合等を ハイリス ク取引 として規定 指摘 11: リスクの低い分野の顧客 取引に対する顧客管理について 低リスク取引の場合であっても 切の顧客管理措置が不要となるのではなく 軽減 は簡素化された顧客管理措置が執られなければならない リスクが低いということはリスク評価によって示されなければならない 特になし 特になし < その他 > 指摘 12:PEPs( 外国の重要な公的地位にある者 ) との取引でのリスク軽減措置について 顧客がPEPsであるか否かを確認し PEPsであることを確認した場合には 取引を う際に上級管理者の承認を得ること等が義務付けられていない PEPs に関する情報の取得は望ましいが その義 務付けは適当でない 特になし

< 再確認の必要性 > 資料 15

既存顧客に対する顧客管理について 資料 15-1 既存顧客とは国内での義務が効 を じた ( 現 犯収法施 ) において既に取引を開始している顧客 犯罪収益移転防止法 犯収法に基づく取引時確認又はそれに相当する確認をしていない場合でも 経過措置により その義務を幅広に免除している ( 例 ) 改正前の犯収法の規定による本 確認を っている継続的な契約に基づく取引であれば 取引時確認は不要とされている FATF の指摘 重要性及びリスクに応じて 既存顧客に対する顧客管理措置を うことが義務付けられていない ( 例 ) 相当額の取引が われたとき 座の運 法に実質的な変更があったとき 融機関等が既存顧客に関する 分な情報が不 していると認識したとき

継続的な顧客管理措置について 資料 15-2 特定事業者 特定事業者において措置を講じていなくても 是正命令や罰則の対象とならず 義務履 担保がない

< 取引の継続的な精査の必要性 > 資料 16

息 等を装った慰謝料等名下の振り込め詐欺事件に係る犯罪収益等隠匿事件 資料 16-1 交際中の 性に怪我を負わせ慰謝料等が必要となった 詐欺グループ 他人名義 被害者の息子等を装って電話をかけて被害者を騙し 詐欺グループ管理に係る 他 名義の預 座にお を振り込ませる 多数の被害者 振込の形態 合計約 7500 万円同一日に 同一振込元 ( 被害者 ) から同一振込先 ( 被疑者 ) に対して多数の小口の振込 被害者 詐欺グループに 10 万円ずつ 15 回の振込 預 座 預 座 預 座 近接した日に 違う振込元から同一振込先 ( 被疑者 ) に対して の振込 被害者 A 詐欺グループに 200 万円の振込 その 2 日後 被害者 B 詐欺グループに 215 万円の振込 等

異常な 取引 異常な取引形態等への特別な注意 調査 記録保存等について 資料 16-2 初回取引 ( 口座開設等 ) 一連の継続的取引 ( 振込等 ) FATF の指摘 明白な経済的又は法的な目的のない全ての複雑な は異常な 取引 は異常な取引形態に対し 特別の注意を払うことが義務付けられていない 上記のような取引について 調査を い その結果を 書化し保存することが義務付けられていない

関連する複数の取引が敷居値を超える場合について 資料 16-3 敷居値とは 顧客管理措置の要否を分ける基準となる取引額 敷居値を超える取引 顧客管理措置 必要 敷居値以下の取引 顧客管理措置 不要 取引額 敷居値 敷居値 時間 FATF の指摘 関連する取引 敷居値を下回る関連する複数の取引の場合に顧客管理が義務付けられていない (1 の場合のみ顧客管理が義務付けられており 2 の場合に義務付けられていない )

< 実質的支配者の確認の程度 > 資料 17

規模な貸 業法等違反事件に係る犯罪収益等隠匿事件 資料 17-1 ペーパーカンパニーの設 ペーパーカンパニーを悪用した口座詐欺 組織的犯罪処罰法違反 ( 犯罪収益等隠匿 ) 等 暴 団関係者 3 架空法人名義の通帳等を詐取 融機関 多数の借受人 1 架空法人設 依頼 2 架空法人を設 4 架空法人名義口座の供給 5 違法な 利貸付 6 営業実態のない法人名義の 座に返済 を振込ませる 架空法人口座 政書 ヤミ 融業者 約 3 億 7 千万円の犯罪収益を隠匿

真の受益者を自然人まで遡る確認について 資料 17-2 特定事業者 取引時確認 法人顧客 ( 非上場会社 ) 実質的支配 真の受益者の本人特定事項の確認 FATF の指摘 真の受益者 を自然人まで遡って確認することが求められていない 法人を代表する権限を有している者 は FATF 基準の 最終的に法人を所有 支配する者 とは異なる 顧客の所有及び管理構造を把握する義務がない 顧客が他 を代理しているかどうかを判定し は当該他 の 元を照合するために必要な合理的な措置が求められていない 実質的支配者 25% を超える議決権を有している者 ( 法人も含む ) 資本多数決の原則を採る法人 当該法人を代表する権限を有している者 ( 法人も含む ) 上記以外の法人

< 本人特定事項等の確認の方法 > 資料 18

写真付きでない証明書類 ( 健康保険証等 ) による本人特定事項の確認について 資料 18-1 犯罪収益移転防止法上の本人確認書類 写真付きのもの運転免許証 住 基本台帳カード 在留カード 特別永住者証明書等 写真付きでないもの健康保険証 年 帳 健康 帳 私 学校教職員共済加 者証 療育 帳等 幅広な書類を本 確認書類として 律に認めている FATF の指摘 依拠することが許されている本 確認書類の質が不明である 自然人の場合 写真付きの書類を使用することが求められていない ( 又は 写真付きの書類でない場合に リスクを軽減する二次的措置が求められていない )

本人確認引時確認FATFの指摘取法 顧客の代理 の権限委任の確認について 資料 18-2 特定事業者 取引 取引担当者 代理 等として選任 法人顧客 権限の確認 委任状を有していること 社員証等の身分証明書を有していること 当該法人顧客の役員として登記されていること 等 分証明書や役員登記は代理権を確認できるものではなく 取引担当者と法人顧客の間の関係を示すものに過ぎない

資料 19 < 顧客管理の対象のリスクに応じた整理 >

ローリスク取引特定事業者による顧客及び取引のリスク評価に応じたリスクベース アプローチについて現在の犯罪収益移転防止法事業者に裁量を与える場合簡易な顧客管理措置厳格な顧客管理措置顧客管理措置なし取引時確認中リスク取引ハイリスク取引通常の顧客管理措置おそれがない取引特定取引ハイリスク取引厳格な取引時確認 現 法のハイリスク取引の範囲が狭い ( 法令で限定列挙している ) リスクの低い分野の顧客 取引が顧客管理措置から完全に除外されている 顧客 取引のリスクの高低を法令で限定的に規定せず 特定事業者等の適切なリスク評価によって個別に判断させ それに応じた顧客管理措置をとることとする リスクに応じた顧客管理取引のリスクの 低を法令で限定的に規定し それに応じた顧客管理措置をとることとする 定の能 を有すると評価された特定事業者等による適切なリスク評価ローリスク取引簡易な顧客管理措置厳格な顧客管理措置中リスク取引ハイリスク取引通常の顧客管理措置法令で 律に規定全ての関連するリスク要因の検討評価の更新資料 19-1

リスクの い分野の顧客 取引に対する厳格な顧客管理等について 資料 19-2 特定取引 預貯 契約の締結 現 取引 取引時確認の対象から除かれる取引 国又は地方公共団体に対する 現 取引等 等 取引時確認 顧客管理措置不要 ハイリスク取引 特定取引に該当する契約に基づく取引であって 当該取引の相手方がなりすまし 偽りをしている疑いがあるもの 特定取引のうち イラン 北朝鮮に居住 所在する者との間におけるもの FATF の指摘 厳格な取引時確認 リスクの高い分野の顧客 業務関係 取引 ( 非居住者である顧客 プライベートバンキング等 ) が強化された顧客管理の対象になっていない マネー ローンダリング テロ資 供与の疑いがあっても顧客管理が求められていない ( 現 法の ハイリスク取引 では不 分 )

リスクの低い分野の顧客 取引に対する顧客管理について 資料 19-3 特定取引 預貯 契約の締結 保険契約の締結 現 取引 ファイナンスリース契約の締結 等 取引時確認 取引時確認の対象から除かれる取引 保険料の積 の払戻しがない保険契約の締結 国又は地方公共団体に対する 現 取引 1 回に 払われる賃貸料の額が 10 万円以下のファイナンスリース契約の締結等 顧客管理措置不要 FATF の指摘 低リスク取引の場合に許容されるのは軽減された顧客管理措置であり 顧客管理措置が不要になるわけではない 低リスクであることは リスク評価によって示されなければならない

< その他 > 資料 20

PEPs( 外国の重要な公的地位にある者 ) との取引でのリスク軽減措置について 資料 20 PEPs(PoliticallyExposedPersons) とは外国において ( ) 特に重要な公的な機能を任されている個人 ( 例 : 国家元 位の政治家 政府 官 司法官 軍当局者等 ) ( )FATF 第 4 次勧告では 国内 PEPs に係る措置も求められている 特定事業者 取 引 顧客 (PEPs) FATF の指摘 顧客が PEPs であるか否かを判断することが義務付けられていない PEPs との取引でのリスク軽減措置 ( 上級管理者の承認等 ) が義務付けられていない