改正労働者派遣法 平成24年10月1日施行

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Ⅰ 事業規制の強化

(2)3 年以内の有期プロジェクト型業務 ( 同項第 2 号イ ) 事業の開始 転換 拡大 縮小または廃止のために必要な業務で 一定期間内で完了することが予定されている業務への派遣については その業務が完了するまでの期間であれば 受入期間の制限はありません (3) 日数限定業務 ( 同項第 2 号ロ

雇用政策の現状・課題と労働者派遣制度

2 正社員 契約社員 アルバイトの場合 ( 直接雇用の場合 ) 賃金の支払い仕事上の指揮命令 直接雇用の場合 労働者と労働契約を結ぶのは ( 雇用主は ) 労働者派遣とは 自己の雇用する労働者を その雇用関係の下に 他人の指揮命令を受けて その他人のために労働に従事させることをいいます 直接雇用の場

労働者派遣とは て その他人のために労働に従事させることをいいます 正社員 契約社員 アルバイトの場合 ( 直接雇用の場合 ) 賃金の支払い仕事上の指揮命令 派遣の場合派遣契約 A 社派遣先 A 社約労働者派遣とは 自己の雇用する労働者を その雇用関係の下に 他人の指揮命令を受け 働契勤務労労働者

労働者派遣制度の概要 1

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の業務について派遣先が九の 1 に抵触することとなる最初の日 六派遣先への通知 1 派遣元事業主は 労働者派遣をするときは 当該労働者派遣に係る派遣労働者が九の 1の ( 二 ) の厚生労働省令で定める者であるか否かの別についても派遣先に通知しなければならないものとすること ( 第三十五条第一項関係

平成 27 年改正の概要 ( サマリー ) 一般労働者派遣事業 ( 許可制 ) 特定労働者派遣事業 ( 届出制 ) 26 業務 期間制限なし 26 業務以外 原則 1 年 意見聴取により最長 3 年まで 規定なし 規定なし 1. 許可制への統一 2. 派遣契約の期間制限について すべての労働者派遣事

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法律 ) 及び派遣元指針 ( 派遣元事業主が講ずべき措置に関する指針 ) 派 遣先指針 ( 派遣先事業主が講ずべき措置に関する指針 ) が定められ 派遣元と派遣先がそれぞれ講ずるべき措置等を示しています 派遣労働は 労働者の契約形態によって 常用型 と 登録型 の二つに分けられます 登録型派遣労働者

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派遣先の皆さまへ 派遣社員を受け入れるときの主なポイント 労働者派遣の流れ 労働者 派遣元事業主 派遣先 派遣登録 ( 登録型派遣の場合 ) 適切な事業運営 派遣依頼 抵触日通知 1 期間制限チェック事業所単位 個人単位の期間制限を理解している労働契約申込みみなし制度を理解している 2 派遣契約の締

今回の改正によってこの規定が廃止され 労使協定の基準を設けることで対象者を選別することができなくなり 希望者全員を再雇用しなければならなくなりました ただし 今回の改正には 一定の期間の経過措置が設けられております つまり 平成 25 年 4 月 1 日以降であっても直ちに希望者全員を 歳まで再雇用

この冊子を手に取っている皆さんへ

て 労働者派遣契約書に休業手当等の支払いに要する費用を確保するための費用負担等に関する事項を記載していないもの (1 派遣元事業所 ) ウ派遣料金額の明示派遣労働者に対して 書面の交付 ファクシミリを利用してする送信又は電子メールの送信の方法により労働者派遣に関する料金の額を明示していないもの (5

シルバー派遣事業のご利用を検討されているお客様へ Ⅰ 労働者派遣事業と請負の違いについて 労働者派遣と請負の違いについて 労働者派遣 労働者派遣契約 請負 請負契約 センター派遣先センター発注者 雇用契約指揮命令センターの指揮命令なし 派遣労働者 構成員 シルバー会員 雇用主は派遣会社 派遣先が派遣

●労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律等の一部を改正する法律案

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年度報告(報道発表資料)

等により明示するように努めるものとする ( 就業規則の作成の手続 ) 第 7 条事業主は 短時間労働者に係る事項について就業規則を作成し 又は変更しようとするときは 当該事業所において雇用する短時間労働者の過半数を代表すると認められるものの意見を聴くように努めるものとする ( 短時間労働者の待遇の原

条件画面報告対象期間報告年月日 (6 月 1 日現在 ) 得意先 NO 部門出勤区分ファンクションキーヘルプ (F1) プレビュー (F8) 印刷 (F9) 終了 (F12) 年度報告する期間の開始年月日と終了年月日を指定します システム日付の年とシステム固定で持つ決算年月日の日付により 初期値をセ

Microsoft Word - 別添 報告書

① 年度報告(確報) かがみ

Q&A Q1: 例外要件のエ. 主たる生計者でなく 世帯の年間収入の額が 500 万円以上である場合 の 主たる生計者でなく とは どのような場合を指しますか? A1: 世帯収入にあなたの収入が占める割合が 50% 未満である場合を指します Q2: 例外要件のエ. 主たる生計者でなく 世帯の年間収入

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① 年度報告(報道発表資料) かがみ


厚生労働省 需給調整課 - 改正派遣法説明会 

登録用 ③2603 年度報告(確報)P3~18(差替・見え消し版)

(3) 始業 終業時刻が労働者に委ねられることの明確化裁量労働制において 使用者が具体的な指示をしない時間配分の決定に始業及び終業の時刻の決定が含まれることを明確化する (4) 専門業務型裁量労働制の対象労働者への事前通知の法定化専門業務型裁量労働制の導入に当たり 事前に 対象労働者に対して 1 専

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第 7 派遣元事業主の講ずべき措置等 派遣元事業主が講ずべき措置に関する指針 ( 平成 11 年労働省告示第 137 号 ) ( 最終改正平成 29 年厚生労働省告示第 210 号 ) 第 1 趣旨この指針は 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律 ( 以下 労働者派遣法

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( 様式第 1 号 ( 共通 )) 共通事項 1 キャリアアップ管理者 情報 ( 氏名 ): 役職 ( 配置日 ): 年月日 2 キャリアアップ管理者 の業務内容 ( 事業所情報欄 ) 3 事業主名 印 4 事業所住所 ( - ) 5 電話番号 ( ) - 6 担当者 7 企業全体で常時雇用する労働

社会福祉法人春栄会個人情報保護規程 ( 目的 ) 第 1 条社会福祉法人春栄会 ( 以下 本会 という ) は 基本理念のもと 個人情報の適正な取り扱いに関して 個人情報の保護に関する法律 及びその他の関連法令等を遵守し 個人情報保護に努める ( 利用目的の特定 ) 第 2 条本会が個人情報を取り扱

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個人情報の保護に関する規程(案)

契約の終了 更新18 無期労働契約では 解雇は 客観的に合理的な理由を欠き 社会通念上相当であると認められない場合 は 権利濫用として無効である と定められています ( 労働契約法 16 条 ) 解雇権濫用法理 と呼ばれるものです (2) 解雇手続解雇をする場合には 少なくとも30 日前に解雇の予告

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今後の労働者派遣制度の在り方に関する研究会報告書(その1)

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9-1 退職のルール 職することは契約違反となります したがって 労働者は勝手に退職することはできません 就業規則に 契約期間途中であっても退職できる定めがある場合には それに従って退職できることになりますが 特段の定めがない場合には なるべく合意解約ができるように 十分話し合うことが大切です ただ

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(2) 特定機関からの報告の受理及び聴取に関すること (3) 特定機関に対する監査に関すること (4) 外国人家事支援人材の保護に関すること (5) 特定機関において外国人家事支援人材の雇用の継続が不可能となった場合の措置に関すること (6) その他 本事業の適正かつ確実な実施のために必要なこと 3

れている者 個人事業所で5 人以上の作業員が記載された作業員名簿において 健康保険欄に 国民健康保険 と記載され 又は ( 及び ) 年金保険欄に 国民年金 と記載されている作業員がある場合には 作業員名簿を作成した下請企業に対し 作業員を適切な保険に加入させるよう指導すること なお 法人や 5 人

社会福祉法人○○会 個人情報保護規程

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2019-touren1-1

目次 Ⅰ 労働者派遣事業の許可制への一本化 2 Ⅱ 労働者派遣の期間制限の見直し 4 Ⅲ キャリアアップ措置 14 Ⅳ 均衡待遇の推進 17 Ⅴ 労働契約申込みみなし制度 19 Ⅵ その他の内容

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市報2016年3月号-10

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ア事業担当課長 ( 岐阜市上下水道事業部契約規程 ( 昭和 41 年水道部管理規程第 3 号 ) 第 4 条に規定する部長 ) は 工事請負契約約款第 7 条の2 第 2 項の規定に基づき 受注者に対して 期限を定め 当該下請契約を締結した具体的な理由を載した書面を求めるものとする ( 様式 1)

基金通信

Ⅲ コース等で区分した雇用管理を行うに当たって留意すべき事項 ( 指針 3) コース別雇用管理 とは?? 雇用する労働者について 労働者の職種 資格等に基づき複数のコースを設定し コースごとに異なる配置 昇進 教育訓練等の雇用管理を行うシステムをいいます ( 例 ) 総合職や一般職等のコースを設定し

共通事項 1 キャリアアップ 管理者情報 ( 氏名 ): 役職 ( 配置日 ): 年月日 2 キャリアアップ管理者 の業務内容 ( 事業所情報欄 ) 3 事業主名 印 4 事業所住所 ( - ) 5 電話番号 ( ) - 6 担当者 7 奨励金対象労働者数 ( 全労働者数 ) 9 企業規模 ( 該当

「図解 外形標準課税」(仮称)基本構想

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2 低入札対策の拡充

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個人情報保護規程 株式会社守破離 代表取締役佐藤治郎 目次 第 1 章総則 ( 第 1 条 - 第 3 条 ) 第 2 章個人情報の利用目的の特定等 ( 第 4 条 - 第 6 条 ) 第 3 章個人情報の取得の制限等 ( 第 7 条 - 第 8 条 ) 第 4 章個人データの安全管理 ( 第 9

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一公職の候補者となる労働者の雇用の継続の確保のための立候補休暇に関する法律案目次第一章総則 ( 第一条 第二条 ) 第二章立候補休暇 ( 第三条 第六条 ) 第三章雑則 ( 第七条 第九条 ) 附則第一章総則 ( 目的 ) 第一条この法律は 立候補休暇の制度を設けることにより 公職の候補者となる労働

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第 4 条 ( 取得に関する規律 ) 本会が個人情報を取得するときには その利用目的を具体的に特定して明示し 適法かつ適正な方法で行うものとする ただし 人の生命 身体又は財産の保護のために緊急に必要がある場合には 利用目的を具体的に特定して明示することなく 個人情報を取得できるものとする 2 本会

一般社団法人北海道町内会連合会定款変更(案)

(1) 学校等の卒業証明書 (2) 生年月日を証明する書類 ( 免許証等公的機関が発行する証明書 なお 卒業証明書に生年月日が記載されている場合は 省略できる ) 3 要綱第 9 条第 2 項第 1 号イに該当する労働者を雇用した場合は 次の各号いずれかの書類を提出するものとする (1) 雇用保険受

ただし 受注者が下請業者と直接契約を締結 ( 以下 一次下請契約 という ) した請負代金の総額が3,000 万円 ( 建築一式工事の場合は4,500 万円 ) 以上の場合は 次のとおり取り扱うものとする ア主管部長 ( 岐阜市契約規則 ( 昭和 39 年規則第 7 号 ) 第 4 条に規定する部長

1 法の目的

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Press Release 参考配布 平成 30 年 10 月 5 日 照会先 職業安定局需給調整事業課課長 牛島 聡 主任中央需給調整事業指導官新田峰雄 課長補佐 冨田英晴 ( 代表電話 )03(5253)1111( 内線 ) ( 直通電話 )03(3502)5227 常時雇用す

町田市土砂等による土地の埋立て等の規制に関する条例

2. 様式の改正については平成 25 年 4 月 1 日付けで行う予定としているが 4 月以降も当面の間は改正前の様式を引き続きご利用できること 3. 改正後の新様式で届出を行う場合の記載方法等については別添 1 改正前の様式で届出を行う場合の記載方法については別添 2のとおりリーフレットを作成した

様式第 11 号 ( 第 2 面 ) ( 日本工業規格 A 列 4) Ⅰ 年度報告 (1) 派遣労働者数等雇用実績 ( 実人数 )( 報告対象期間末日現在 ) (2) 海外派遣労働者数 ( 実人数 ) 通算雇用期間うち同じ職場通算雇用期間がうち同じ職場が 1 年以上のに 1 年以上派 1 年未満の派

個人情報管理規程

Ⅰ 概要について 一次下請契約者を社会保険等加入業者に限定します 平成 29 年 4 月 1 日以降に契約締結した工事において 受注者は 原則として社会保険等未加入業者を下請契約 ( 受注者が直接契約締結するものに限る 以下 一次下請契約 という ) の相手方としないこととします 追加 建設工事契約

都民の健康と安全を確保する環境に関する条例 ( 平成十二年東京都条例第二百十五号 ) 新旧対照表 ( 抄 ) 改正案現行目次 ( 現行のとおり ) 目次 ( 略 ) 第一条から第百十二条まで ( 現行のとおり ) 第一条から第百十二条まで ( 略 ) ( 土壌汚染対策指針の作成等 ) 第百十三条知事


株式会社フロンティアビジネス 別紙 1 1 処分内容 (1) 労働者派遣法第 21 条第 2 項に基づく労働者派遣事業停止命令 ( 労働者派遣事業停止命令の内容は 3 のとおり ) (2) 労働者派遣法第 49 条第 1 項に基づく労働者派遣事業改善命令 ( 労働者派遣事業改善命令の内容は 4 のと

社会保険等未加入業者との下請契約 (1 次 ) 禁止にかかる事務手続フロー 施工体制台帳により加入状況を確認 工事監督員 添付された加入を証明する書類にて確認します 未加入 加入 適用除外 契約担当に報告するとともに, 受注者に対し, 書面にて当該下請契約を締結した具体的な理由を記載した書面を提出す

 

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個人情報の取り扱いに関する規程

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Transcription:

改正労働者派遣法 ( 平成 24 年 10 月 1 日施行 ) 平成 24 年 10 月 1 日に改正労働者派遣法が施行されました 今回の改正で 派遣労働者の保護や就業環境の改善を目的とした内容が盛り込まれ 派遣元企業 派遣先企業それぞれについて遵守しなければならない条項が新たに追加されました 労働者派遣の状態が違法である場合には 派遣労働者からの苦情が届くことや行政指導が行われる可能性もありますので 現在 労働者派遣または派遣労働者の受け入れを行っている企業様におかれましては 下記の改正点をご確認頂き 法律で定められた範囲内の労働者派遣を行うよう 十分ご注意下さい 派遣元企業に関する改正 1. 日雇い派遣の禁止 平成 24 年 10 月 1 日以後に締結される労働者派遣契約が対象 改正点 日々又は 30 日以内の期間を定めて雇用する労働者 ( 日雇労働者 ) を労働者派遣することが原則禁止となります ( 直接雇用の日雇就労は 労働者派遣 ではないのでこの規定の対象外とされます ) 例外 日雇労働者の適正な雇用管理に支障を及ぼすおそれがないと認められる業務の場合 及び 雇用機会の確保が特に困難であると認められる労働者の雇用の継続等を図るために必要であると認められる場合には この規定が適用除外となります 具体的には 下記の方が該当します 1 政令で定める 26 業務のうち 従事する業務の種類が下記に掲げる業務に該当する方 ソフトウェア開発 調査 研究開発 機械設計 財務処理 事業の実施体制の企画 立案 事務用機器操作 貿易 書籍等制作 編集 通訳 翻訳 速記 デモンストレーション 広告デザイン 秘書 添乗 OAインストラクション ファイリング 受付 案内 セールスエンジニアの営業 金融商品の営業 上記業務に該当しないにも関わらず 該当するものとして日雇い派遣を行っていた場合には違法派 遣となりますので 該当するか否かの判断が困難な場合には各都道府県労働局までお問い合わせ下さ い 1

2 以下に該当する方 60 歳以上の方 雇用保険に加入しない昼間学生 副業として日雇派遣に従事する方 ( 生業収入が 500 万円以上であることが条件 ) 主たる生計者以外の方 ( 世帯収入が 500 万円以上であることが条件 ) 上記の方を派遣労働者として雇い入れる場合には 公的書類 学生証 所得証明書 源泉徴収票の写し等で日雇い派遣を行っても問題とならない該当者であることを確認する必要があります 書類の保存義務まではありませんが どのような書類で確認を行ったかを派遣元管理台帳に記録しておく必要があります 2. グループ企業内派遣の 8 割規制 平成 24 年 10 月 1 日以後に開始する事業年度分から適用 改正点 派遣元企業が同一のグループ企業に労働者を派遣する場合 その割合が 8 割までとなるよう規制されます 派遣割合の上限である 8 割 は 労働者の人数ではなく 労働時間 によって下記の計算方法によ り算定します < 派遣労働者の割合の方法 > 派遣割合 = ( 全派遣労働者のグループ企業での総労働時間 定年退職者のグループ企業での総労働時間 ) 全派遣労働者の総労働時間 定年退職者の方 ( 他社だけでなく自社を 60 歳以上の定年により退職した者も含む ) はこの計算からは除外するものとします 派遣元事業主は 計算結果を毎事業年度経過後 3 ヶ月が経過する日までに報告することが義務付けられます 2

また グループ企業の範囲 については下記の通りに定めます < 派遣元事業主が連結子会社の場合 > 派遣元事業主の親会社 派遣元事業主の親会社の子会社 ( 親子関係は連結決算の範囲により判断 ) < 派遣元事業主が連結子会社でない場合 ( 上記以外 )> 派遣元事業主の親会社等 派遣元事業主の親会社の子会社等 ( 親子関係は 外形基準 ( 議決権の過半数を所有 出資金の過半数を出資等 ) により判断 ) 違反した場合指導及び助言 なお改善されない場合は必要な措置を取ることを指示 なお違反であれば 一般事業については許可取消 特定労働者派遣事業については廃止命令 3. 離職後 1 年以内の労働者の派遣の禁止 改正点 離職した労働者を離職後 1 年以内に派遣労働者として同じ事業所に派遣することが禁止されます 従来直接雇用していた労働者を 派遣労働者という勤務形態に変えて労働条件を低下させることを 防ぐため 離職後 1 年以内の労働者を離職前の事業者へ派遣することが禁止されます また 離職前の事業者 とは 事業所単位ではなく事業主単位で捉えられるため 例えばA 支店で働いていた元労働者を同一企業内のB 支店に派遣することも禁止されます 尚 派遣先企業を 60 歳以上の定年により退職した方 ( 継続雇用後に離職した方 継続雇用中の方を含む ) はこの規定の対象外となります 違反した場合指導及び助言 許可取消 事業停止命令 改善命令 3

4. マージン率などの情報提供 平成 24 年 10 月 1 日以後に終了する事業年度分から適用 改正点 派遣先企業が派遣元企業へ支払う派遣料金と派遣労働者へ支払う賃金の差額割合 ( 平均マージン率 ) や教育訓練への取り組みの状況等を開示することが義務化されます 派遣労働者が 確実な情報を多く得た上で適切な派遣会社を選択できることを目的とした改正です 派遣元企業は 下記の事項を開示しなければなりません 派遣労働者の数 派遣先の数 平均マージン率 ( 計算方法は下記をご参照下さい ) 教育訓練に関する事項 ( 派遣元企業が実施している教育訓練の内容 実施期間 費用の負担の有無 ) 労働者派遣に関する料金の平均額 派遣労働者の賃金額の平均額 その他参考となると認められる事項 ( 福利厚生等 ) < 平均マージン率の計算方法 > 平均マージン率 = ( 労働者派遣に関する料金の平均額 派遣労働者の賃金額の平均額 ) 労働者派遣に関する料金の平均額 平均マージン率は 毎事業年度終了後 上記の計算式により算出します 派遣元企業は 計算結果をインターネット等で情報提供しなければなりません この規定は 従来は政府の指針として定められていましたが 今回の改正により法律へと変更されました 違反した場合指導及び助言 許可取消 事業停止命令改善命令 ( 従わない場合には 6 ヶ月以下の懲役または 30 万円以下の罰金 ) 報告 ( 行わない場合 30 万円以下の罰金 )( 当該司法処分を受けた場合は許可取消 事業廃止命令 ) 4

5. 労働者派遣の料金の開示 改正点 雇入時 派遣開始時 派遣料金額の変更時において 派遣労働者に対して 労働者派遣に関する料金額 の明示が義務化されます 派遣元企業は 派遣労働者に対して 派遣労働者本人の派遣料金の額 派遣労働者が所属する事業所における派遣料金の平均額のいずれかを 書面 FAX E メールのいずれかの方法で明示する必要があります ( 口頭は不可 ) 尚 労働者派遣時における派遣料金が雇入時 ( 労働契約締結時 ) に明示した金額と同じ場合には 省略することが可能です 6. 待遇に関する事項の説明 改正点 派遣労働者として雇用しようとする労働者に対して 賃金額の見込み等について説明することが義務化されます ~ 改正の背景 ~ 雇用が不安定な派遣労働者の労働力を十分に発揮させるためには 使用者と派遣労働者間の信頼関係が不可欠です 信頼関係の構築のために基本となるものが契約の遵守 つまり約束を守ることですから 契約内容に関連した事項を十分に説明して お互いが理解した上で雇用関係を築くことが必要であり それを実現するために作られた規定と考えられます 派遣元事業主は 雇い入れようとする労働者に対して労働契約前 ( 雇入れ前 ) に下記事項について説明しなければなりません 賃金額の見込み その他待遇 ( 就業時間 就業場所 教育訓練等 ) 事業運営に関する事項 ( 派遣元事業主の会社概要等 ) 労働者派遣制度の概要 派遣労働者に対する説明は 書面の交付 FAX メールの送信 その他の適切な方法で良いとされ 5

ていますが 賃金額の見込み のみ 書面の交付 FAX メールの送信のいずれかの方法でしなけれ ばなりません 7. 派遣先企業の従業員との均衡考慮 改正点 派遣労働者の賃金等の決定にあたり 派遣労働者と同種の業務に従事する派遣先の労働者等との均衡を考慮するよう 配慮しなければなりません 派遣元企業は派遣労働者の賃金水準や教育訓練や福利厚生について 派遣先での同種の業務に従事 する労働者と均衡するように配慮することが義務付けられます その際には 派遣労働者の職務内容 職務の成果 意欲 能力もしくは経験等も勘案するものとされています また 派遣先企業も この規定に関連した必要な情報を派遣元事業者に提供するといった方法で派遣元企業に協力するよう努めることとされています 8. 無期雇用への転換推進措置 改正点 派遣元企業に対し 一定の有期雇用派遣労働者等について 本人の希望に応じて無期雇用への推進措置を講ずるように努めることが義務化されます 派遣労働者にとっての労働環境は 能力開発の機会が得にくい 就業経験が評価されないといった問題点があります また 正社員として働くことを希望しているにも関わらず やむを得ず派遣労働者として働かなければならない労働者が多い近年の社会的環境を考慮し 派遣元企業は 派遣労働者本人が希望した場合には無期雇用への転換を推進するよう 下記の措置を取るように努めなければならなくなりました 無期雇用の労働者として雇用する機会を提供すること 紹介予定派遣 ( 半年後に正社員となれる派遣制度 ) の対象とすること 無期雇用の労働者への転換推進のための教育訓練の実施すること 6

また 対象となる一定の有期雇用派遣労働者等とは 派遣元事業主との雇用期間が通算して1 年以上である有期契約の派遣労働者 派遣元事業主との雇用期間が通算して1 年以上の労働者を派遣労働者として雇用する場合 ( いわゆる登録型派遣の場合の登録状態にある労働者等 ) です 派遣元企業は 上記項目に該当する派遣労働者を雇用している場合 当該派遣労働者の希望を把握するよう努めるものとされています 違反した場合指導及び助言 9. 派遣先企業への通知派遣元企業が派遣先企業に労働者を派遣する場合に通知しなければならない事項に 派遣労働者が無期雇用労働者か否か が追加されました 30 万円以下の罰金 ( 当該司法処分を受けた場合は許可取消 事業廃止命令 ) 10. 欠格事由の整備 ( 施行予定 : 平成 24 年 10 月 1 日より 6 ヵ月以内の政令で定める日 ) 近年 違法派遣に対する指導監督件数が増加していること また 指導の対象となっても 再び別の派遣会社を設立して違法派遣を繰り返す派遣元企業が後を絶たないことから 労働者派遣事業の許可等について 処分逃れを防止するための欠格事由が整備されました その一環として 許可を取り消された法人において 取消原因となった事項が発生した当時役員であった者で 取消しの日から 5 年を経過しないもの 許可取り消しなどの手続きが開始された後に事業の廃止の届出をした者で 届出の日から 5 年を経過しないもの等については労働者派遣事業として許可をしないという規定が設けられました 7

派遣先企業に関する改正 1. 離職後 1 年以内の労働者の受け入れの禁止 改正点 離職した労働者を離職後 1 年以内に派遣労働者として受け入れることが禁止されます 派遣先企業を 1 年以内に離職した元労働者を派遣労働者として受け入れることが禁止されたため そのような労働者が派遣されることが判明した場合には 書面の交付 FAX または E メールの送信により 派遣元企業にただちに通知しなければなりません 尚 この規定から派遣先企業の定年退職者は除きます ( 派遣元企業に関する改正 3 も併せてご参照下さい ) 違反した場合指導及び助言 必要な措置を取るべきことの勧告 勧告に従わない場合は企業名の公表 2. 中途解約に伴う講ずべき措置 改正点 派遣先企業の都合により派遣契約を中途解約する場合は 派遣労働者に対して一定の措置を講じることが義務化されます 派遣契約を締結する際には 派遣契約の解除時に講ずる措置に関する事項を記載しなければなりません 契約内容に定めがなかった場合には 派遣元企業及び派遣先企業に対して指導 助言の対象となりますが 派遣先企業についてはこれに従わなかったからといって改善命令や罰則が課されることはありません その一方 派遣元企業が違反している場合には改善命令が出される場合があり 従わない場合には 30 万円以下の罰金や 6 ヶ月以下の懲役といった刑事罰が科せられる可能性もあります また 実際に派遣先企業の都合により派遣契約を中途解除せざるを得なくなった場合には 雇用が失われることになる派遣労働者に対して 新たな就業機会の確保 休業手当などの支払に要する費用の負担などの措置を取ることが派遣先企業に義務付けられます 違反した場合指導及び助言 8

3. 均衡配慮に関する派遣元企業への協力 改正点 派遣元事業主による均衡待遇の確保に向けた措置が適切に講じられるよう必要な情報を派遣元事業主に提供するよう努めなければなりません 派遣元企業に関する改正 7 に記載の 派遣先企業の従業員との均衡配慮 について 派遣先企業も派遣元企業に対して必要となる情報を提供する等するよう 努めることとされました 違反した場合指導及び助言 4. 労働契約申込みみなし制度改正法施行から 3 年後の平成 27 年 10 月より 労働契約の申込みのみなし制度 が開始されます これは 近年増加している違法派遣に対する対処措置として導入される制度です 現在 法律で禁止されている 1 禁止業務 ( 港湾運送 建設 警備 一部の医療業務 ) への労働者派遣の役務の提供を受けること 2 無許可 無届の派遣元企業からの労働者派遣の役務の提供を受けること許可を受けた事業所は 厚生労働省職業安定局のホームページ 人材サービス総合サイト で確認することができます URL:http://www.jinzai-sougou.go.jp/ 3 法律で定められた期間 ( 原則 1 年 過半数労働者で組織される労働組合または過半数労働者の代表者から意見を聴き定めた場合には 3 年間 ) を超えて労働者派遣の役務の提供を受けること 4 偽装請負 について 派遣先企業が違法派遣であるいう認識の下で派遣労働者を受け入れていた場合には 派遣先企業より当該労働者に対して同一の労働条件での労働契約の申込みをしたとみなす という規定が設けられることになりました ( ただし 派遣先企業がその行った行為が上記の行為に該当することを知らず 且つ 知らなかったことにつき過失がなかったときは この限りではありません ) 上記申込みは 1 年間撤回することができません その期間内に派遣労働者が申込みに対する諾否を明らかにしない場合には効力がなくなります また みなされた労働契約の申込みを派遣労働者が受諾したにもかかわらず 当該派遣労働者を就労させない場合等には 行政が派遣先企業に対して助言 指導 勧告を行うことができ 勧告にも従わない場合には企業名の公表の対象とするという規定も設けられました 9