7 平成 28 年 10 月 3 日 処分庁は 法第 73 条の2 第 1 項及び条例第 43 条第 1 項の規定により 本件不動産の取得について審査請求人に対し 本件処分を行った 8 平成 28 年 11 月 25 日 審査請求人は 審査庁に対し 本件処分の取消しを求める審査請求を行った 第 4

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遺者であったが 事情があって遺贈の放棄をした 民法 986 条の規定によれば 受遺者は 遺言者の死亡後 いつでも 遺贈の放棄をすることができ 遺贈の放棄は 遺言者死亡のときに遡ってその効力を生じるとされているから 前所有者から請求人に対する本件各不動産の所有権移転の事実は無かったものであり 請求人は

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特例適用住宅 という ) が新築された場合 ( 当該取得をした者が当該土地を当該特例適用住宅の新築の時まで引き続き所有している場合又は当該特例適用住宅の新築が当該取得をした者から当該土地を取得した者により行われる場合に限る ) においては, 当該土地の取得に対して課する不動産取得税は, 当該税額から

ウ商業地等である 町の土地の平成 28 年度分の固定資産税の課税標準額は 法附則第 18 条第 5 項及び第 25 条第 5 項の規定により 課税標準となるべき価格に0.7を乗じた額となる なお 岐阜市税条例 ( 昭和 25 年岐阜市条例第 14 号 以下 条例 という ) においては これと異なる

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が成立するが 本件処分日は平成 29 年 3 月 3 日であるから 平成 24 年 3 月 3 日以降 審査請求人に支給した保護費について返還を求めることは可能であ る 第 3 審理員意見書の要旨 1 結論本件審査請求には理由がないので 棄却されるべきである 2 理由 (1) 本件処分に係る生活保護

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平成  年(オ)第  号

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処分済み

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処分済み

の補正書 において, 審査請求の趣旨を この開示請求は本人の給与のみずましにかかわる書面である為 としているが, 原処分を取り消し, 本件対象保有個人情報の開示を求めている審査請求として, 以下, 原処分の妥当性について検討する 2 原処分の妥当性について (1) 給与所得の源泉徴収票について給与所

諮問庁 : 国立大学法人長岡技術科学大学諮問日 : 平成 30 年 10 月 29 日 ( 平成 30 年 ( 独情 ) 諮問第 62 号 ) 答申日 : 平成 31 年 1 月 28 日 ( 平成 30 年度 ( 独情 ) 答申第 61 号 ) 事件名 : 特定期間に開催された特定学部教授会の音声

1 A 所有の土地について A が B に B が C に売り渡し A から B へ B から C へそれぞれ所有権移転登記がなされた C が移転登記を受ける際に AB 間の売買契約が B の詐欺に基づくものであることを知らなかった場合で 当該登記の後に A により AB 間の売買契約が取り消された

して 当審査会に対し諮問をした 以上の事案の経緯は 諮問書 審査請求書及び懲戒処分書から認められる 2 関係する法令等の定め (1) 司法書士に対する懲戒及びその手続についてア法 47 条は 司法書士がこの法律又はこの法律に基づく命令に違反したときは その事務所の所在地を管轄する法務局又は地方法務局

1 項で, 道府県知事は, 固定資産課税台帳に固定資産の価格が登録されている不動産については, 当該価格により当該不動産に係る不動産取得税の課税標準となるべき価格を決定するものとする旨を定め, 同条 2 項で, 道府県知事は, 固定資産課税台帳に固定資産の価格が登録されていない不動産又は当該固定資産

総務省が所管する地方税法ではなく 財務省が所管する国有財産法の適用を受けるとのことであり 実施機関の本件決定は失当である (2) 本件は 国税庁からの教示による公文書公開請求であり これを実施機関が非公開決定するとは言語道断である (3) 尖閣諸島の国有化は 日本と中国の外交問題に発展していることも

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丙は 平成 12 年 7 月 27 日に死亡し 同人の相続が開始した ( 以下 この相続を 本件相続 という ) 本件相続に係る共同相続人は 原告ら及び丁の3 名である (3) 相続税の申告原告らは 法定の申告期限内に 武蔵府中税務署長に対し 相続税法 ( 平成 15 年法律第 8 号による改正前の

次のように補正するほかは, 原判決の事実及び理由中の第 2に記載のとおりであるから, これを引用する 1 原判決 3 頁 20 行目の次に行を改めて次のように加える 原審は, 控訴人の請求をいずれも理由がないとして棄却した これに対し, 控訴人が控訴をした 2 原判決 11 頁 5 行目から6 行目

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( 事案の全体像は複数当事者による複数事件で ついての慰謝料 30 万円 あり非常に複雑であるため 仮差押えに関する部 3 本件損害賠償請求訴訟の弁護士報酬 分を抜粋した なお 仮差押えの被保全債権の額 70 万円 は 1 億円程度と思われるが 担保の額は不明であ を認容した る ) なお 仮差押え

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達したときに消滅する旨を定めている ( 附則 10 条 ) (3) ア法 43 条 1 項は, 老齢厚生年金の額は, 被保険者であった全期間の平均標準報酬額の所定の割合に相当する額に被保険者期間の月数を乗じて算出された額とする旨を定めているところ, 男子であって昭和 16 年 4 月 2 日から同

平成14年7月3日

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第1 審査会の結論

病が原子爆弾の傷害作用に起因する旨の厚生労働大臣の認定を受けなければならない ( 被爆者援護法 11 条 1 項 ) ⑶ 都道府県知事は ⑵ 記載の厚生労働大臣の認定を受け かつ 当該認定に係る負傷又は疾病の状態にあるとの要件に該当することについて都道府県知事の認定を受けた者に対し 医療特別手当を支

異議申立てしていますが, 協会 ( 原文ママ ) として黙認しています 本件に関しても, 諮問庁は国のトップなのだから, もっともっと労働問題に積極的に取り組み, 労基法厳守で, 場合により, 行政処分すべきである 警察なら, スピード違反すれば即行政処分されますが, 労基法では, 基本強い行政処分

(2) B 社に係る破産事件等東京地方裁判所は, 平成 21 年 2 月 24 日,B 社を再生債務者として, 再生手続開始の決定をした しかし, 東京地方裁判所は, 同年 3 月 24 日,B 社の事業継続を不可能とする事実が明らかになったとして, 再生手続廃止の決定をするとともに, 再生手続廃止

0 月 22 日現在, 通帳紛失の総合口座記号番号 特定番号 A-B~C 担保定額貯金 4 件 ( 特定金額 A): 平成 15 年 1 月 ~ 平成 16 年 3 月 : 特定郵便局 A 預入が証明されている 調査結果の回答書 の原本の写しの請求と, 特定年月日 Aの 改姓届 ( 開示請求者本人

ている しかしながら 本件処分は条例の理念と条文の解釈運用を誤った違法なものであり 取り消されなければならない ⑶ 条例第 7 条第 1 項本文は 個人情報の外部提供の原則禁止を規定している また 同条同項ただし書の趣旨は 単に外部提供の原則禁止規定を解除したにとどまる すなわち 当該法令等が存在す

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議案用 12P

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(イ係)

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市有地売却【公示:申込手引一式】

〔問 1〕 A所有の土地が,AからB,BからCへと売り渡され,移転登記も完了している

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平成 27 年度 特定行政書士法定研修 考査問題 解答と解説 本解答と解説は 正式に公表されたものではなく 作成者が独自に作成したものであり 内容の信頼性については保証しない 以下の事項に全て該当 遵守する場合にのみ 利用を許可する 東京都行政書士会葛飾支部会員であること 営利目的でないこと 内容を

横浜市情報公開・個人情報保護審査会答申

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上陸不許可処分取消し請求事件 平成21年7月24日 事件番号:平成21(行ウ)123 東京地方裁判所 民事第38部

別紙様式 7( ひな型 ) ( 日本工業規格 A4) 別紙様式 7( ひな型 ) ( 日本工業規格 A4) 申請者がと年月日をもって売買契約を締結した指名金銭債権に伴う別紙記載の不動産の質権又は抵当権の移転の登記につき 租税特別措置法第 83 条の2 第 1 項の規定の適用を受けたいので 租税特別措

である旨の証券取引等監視委員会の指導を受け, 過年度の会計処理の訂正をした 本件は, 本件事業年度の法人税について, 控訴人が, 上記のとおり, その前提とした会計処理を訂正したことにより, 同年度の法人税の確定申告 ( 以下 本件確定申告 という ) に係る確定申告書の提出により納付すべき税額が過

19 条の4 第 2 項の規定により, 特別職の公務員であるから, 本件不開示情報は, 公務員としての職務遂行情報であり, 精神保健指定医が, 客観的な生体検査もなく, ただその主観に基づいて, 対象者を強制入院させることができるという性質の資格であること, 本件開示請求に係る精神保健指定医らが対象

質疑 意見なし 特になければ原案のとおり決定とする (7) 部会長選任第 3 部会については神奈川県行政不服審査会条例第 8 条第 1 項により会長が部会長を兼ねるため 常岡会長が部会長となる 第 1 部会及び第 2 部会については 各部会の委員の互選により 第 1 部会については小圷委員を 第 2

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b c.( 略 ) 2 不動産取得税の軽減に係るの発行信託会社等の地方税法附則第 11 条第 12 項に基づく不動産取得税の軽減のための同法施行令附則第 7 条第 12 項に規定するの発行等については 以下のとおり取り扱うものとする イ ロ.( 略 ) 載があること c d.( 略 ) 2 不動産取

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04_固定資産税に関する事務 基礎項目評価書+(平成31年1月版)

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無い (3) 特定市が振興協会会長 Aと市教育委員会とで一体に推進した当該文化事業は事業の実施前と実施後のまちの変化における事業の効果について国への報告義務があり, 公正に適法に事業を行う責務の存在は当該文化事業の目標の1は中心市街地の賑わいの促進にあって中心市街地活性化ソフト事業であって公開されて

明確認書 を甲に提出する ( かし担保 ) 第 8 条乙は この契約締結後に かくれたかしがあることを発見しても 売買代金の減免若しくは損害賠償の請求又は契約の解除をすることができないものとする ただし 乙が消費者契約法 ( 平成 12 年法律第 61 号 ) 第 2 条第 1 項に規定する消費者

H 沖縄会レジュメ税務

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ウ 特定個人 a に訂正してほしいとは, 私は書いてない これも日本年金機構の単純ミスなのか? それとも他に理由があるのか? 事実に基づいて, 説明を求める 私の公共職業安定所における氏名は, カタカナの 特定個人 b のスペースなしで管理されている 私の資格画面も氏名欄はカタカナである 国民年金保

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Transcription:

諮問番号 : 平成 29 年諮問第 9 号 答申番号 : 平成 30 年答申第 1 号 答申書 第 1 京都府行政不服審査会 ( 以下 審査会 という ) の結論本件諮問に係る審査請求 ( 以下 本件審査請求 という ) は 棄却されるべきであるとする審査庁の判断は 妥当である 第 2 事案の概要本件は 京都府 広域振興局長 ( 知事の権限の受任者 以下 処分庁 という ) が審査請求人に対して行った地方税法 ( 昭和 25 年法律第 226 号 以下 法 という ) 及び京都府府税条例 ( 昭和 25 年京都府条例第 42 号 以下 条例 という ) に基づく不動産取得税の賦課決定処分 ( 以下 本件処分 という ) について 審査請求人の従業員 ( 以下 従業員 という ) の名義を借用して土地及び建物 ( 以下 本件不動産 という ) を競落した際 本件不動産の真正な所有権は審査請求人にあり 本件不動産の取得に係る不動産取得税の納税義務者は審査請求人であることから既に不動産取得税を支払っているものであり その後の真正な登記名義の回復による従業員から審査請求人への所有権移転登記に基づく本件処分については二重課税に当たると主張して その取消しを求める事案である 第 3 審査請求に至る経過審査請求に至る経過については 次のとおりである 1 平成 27 年 7 月 6 日 審査請求人の従業員は 審査請求人が競売物件を落札するために その名義を審査請求人に貸与することを承諾した 2 平成 27 年 7 月 6 日 京都地方裁判所 支部において本件不動産が従業員名義で競落された 3 平成 27 年 11 月 2 日 処分庁は 法第 73 条の2 第 1 項及び条例第 43 条第 1 項の規定により 本件不動産の取得について従業員に対し 不動産取得税の賦課決定処分 ( 以下 審査請求外処分 という ) を行った 4 平成 28 年 7 月 5 日 民法 ( 明治 29 年法律第 89 号 ) 第 646 条第 2 項による移転を原因とした従業員から審査請求人への本件不動産の所有権移転登記がなされた 5 平成 28 年 9 月 15 日 審査請求人と従業員との間で 錯誤を原因として 平成 28 年 7 月 5 日の登記原因を 真正な登記名義の回復 とする更正登記手続を従業員が行う旨の和解が成立した 6 平成 28 年 10 月 3 日 平成 28 年 7 月 5 日の登記原因を 真正な登記名義の回復 とする更正登記がなされた - 1 -

7 平成 28 年 10 月 3 日 処分庁は 法第 73 条の2 第 1 項及び条例第 43 条第 1 項の規定により 本件不動産の取得について審査請求人に対し 本件処分を行った 8 平成 28 年 11 月 25 日 審査請求人は 審査庁に対し 本件処分の取消しを求める審査請求を行った 第 4 審査関係人の主張の要旨 1 審査請求人の主張審査請求人は 従業員の名義を借用して本件不動産を競落した際 本件不動産の真正な所有権は審査請求人にあることから 本件不動産の取得に係る不動産取得税の納税義務者は審査請求人であるとして既に不動産取得税を支払っているものであり その後の真正な登記名義の回復による従業員から審査請求人への所有権移転登記に基づく本件処分については二重課税に当たり 違法である旨を主張している 2 処分庁の主張処分庁は 本件不動産に係る競落による所有権について 入札に参加していない審査請求人が取得することはあり得ず 従業員が競落人として所有権を取得した上で審査請求人に移転されたものであり その移転に対する審査請求人への本件処分は 従業員に対する審査請求外処分とは別個のものであり 適法である旨を主張している 第 5 法令の規定等について不動産取得税に関する法令の関係規定については 次のとおりである 法第 73 条の2 第 1 項及び条例第 43 条第 1 項は 不動産の取得に対し その不動産を取得した者に不動産取得税を課すこととしている 第 6 審理員意見書及び諮問の要旨 1 審理員意見書の要旨 (1) 結論本件審査請求には 理由がないから 棄却されるべきである (2) 理由ア審査請求人は 従業員に対し 自己の名義のみを審査請求人に貸与することを依頼し 従業員名義で本件不動産の競売手続に参加したものである しかし それは審査請求人と従業員との内部関係にすぎず 対外的には本件不動産の所有権を競売手続によって取得したのは従業員であって 審査請求人が競落の結果 直接本件不動産を取得したものではない イ不動産取得税は いわゆる流通税に属し 不動産の移転の事実自体に着目して課せられるものであって 不動産の取得者が取得する経済的利益に着目して課せられるものではないから 不動産の取得者が実質的に完全な内容の所有権を取得するか否かには関係なく 所有権移転の形式により不動産を取得するすべての場合をいうものと解すべきである ( 最高裁判所昭和 48 年 11 月 16 日第二小法廷判決 民集 27 巻 10 号 1333 頁 ) - 2 -

ウこれを本件についてみると 従業員は競落によって本件不動産を一旦取得し 審査請求外処分において従業員名義で不動産取得税を納付した審査請求人が 後に真正な登記名義の回復を原因として本件不動産の所有者の名義を改めても 不動産取得税は流通税の性格からして所有権移転の形式による不動産取得のすべてに賦課されるのであるから 本件処分を二重課税ということはできない 2 審査庁による諮問の要旨 (1) 諮問の要旨審査庁は 審理員意見書の結論と同様に 本件審査請求には 理由がないから 棄却されるべきであると考えるので 行政不服審査法 ( 平成 26 年法律第 68 号 ) 第 43 条第 1 項の規定により 審査会に諮問する (2) (1) の判断をしようとする理由ア審査請求人は 従業員に対し 自己の名義のみを審査請求人に貸与することを依頼し 従業員名義で本件不動産の競売手続に参加したものである しかし それは審査請求人と従業員との内部関係にすぎず 対外的には本件不動産の所有権を競売手続によって取得したのは従業員であって 審査請求人が競落の結果 直接本件不動産を取得したものではない イ不動産取得税は いわゆる流通税に属し 不動産の移転の事実自体に着目して課せられるものであって 不動産の取得者が取得する経済的利益に着目して課せられるものではないから 不動産の取得者が実質的に完全な内容の所有権を取得するか否かには関係なく 所有権移転の形式により不動産を取得するすべての場合をいうものと解すべきである ( 最高裁判所昭和 48 年 11 月 16 日第二小法廷判決 民集 27 巻 10 号 1333 頁 ) ウこれを本件についてみると 従業員は競落によって本件不動産を一旦取得したことから 当該取得に対する審査請求外処分において審査請求人が行った納付は従業員名義の不動産取得税の第三者納付であり 後に真正な登記名義の回復を原因として本件不動産の所有者の名義を改めたことに対する本件処分も 従業員から審査請求人への所有権の移転について 不動産取得税は流通税の性格からして所有権移転の形式による不動産取得のすべてに賦課されるのであるから 本件処分を二重課税ということはできない 第 7 調査審議の経過 1 本件審査請求を取扱う審査会の部会第 2 部会 2 調査審議の経過調査審議の経過は 次のとおりである 年月日処理内容 平成 29 年 12 月 25 日 審査庁が審査会に諮問 - 3 -

平成 30 年 1 月 11 日 第 1 回調査審議 ( 第 2 部会 ) 1 月 11 日 審査請求人から審査会に平成 30 年 1 月 10 日付け主張書面を提出 2 月 1 日 第 2 回調査審議 ( 第 2 部会 ) 2 月 2 日 答申 第 8 審査会の判断の理由 1 審査請求人は 従業員に対して名義貸しを依頼し 当該従業員名義で本件不動産の競売手続に参加したものであり 競落によって審査請求人が実質的に本件不動産の所有権を取得している旨の主張をしている 2 しかし 名義を貸した従業員については 審査請求人のために自己の名で競落人となることを承諾したものであり 競落人として本件不動産の所有権を取得しているものである この点につき 自己の名において当事者となることを承諾する者は 自ら相手方その他第三者に対する関係においては あくまで自己がその取引の主体として法律上の権利義務を取得する地位につくことを承認するものであつて ただ その取引の結果の経済上の利害を自己が代つてやつたその者に帰属させるに過ぎず この相手方においても 他に経済上の利害の主体の存することを知つていると否とにかかわらず いやしくも自己の名において取引の主体となる者は右のような法律上の地位に立つものであることを承認してその取引を成立せしめるものであるから 契約は常にその名において当事者となつた者と相手方との間に有効に成立するのである ( 東京高裁昭和 26 年 ( ネ ) 第 2398 号 昭和 27 年 5 月 24 日判決 ) と判示されているところでもある 3 そうすると 競落によって本件不動産を一旦取得した従業員から審査請求人に所有権が移転していることになり 最高裁判例 ( 最高裁昭和 43 年 ( 行ツ ) 第 90 号 昭和 48 年 11 月 16 日第二小法廷判決 民集 27 巻 10 号 1333ページ ) において 不動産取得税は いわゆる流通税に属し 不動産の移転の事実自体に着目して課せられるものであつて 不動産の取得者がその不動産を使用 収益 処分することにより得られるであろう利益に着目して課せられるものではないことに照らすと 地方税法七三条の二第一項にいう 不動産の取得 とは 不動産の取得者が実質的に完全な内容の所有権を取得するか否かには関係なく 所有権移転の形式による不動産の取得のすべての場合を含むものと解するのが相当 とされていることからすると 審査請求人に対する本件処分については妥当なものといえる 4 なお 審査請求外処分に係る実質上の納税義務者は審査請求人であり 審査請求人が納付していることから 本件処分は二重課税である旨の主張もしているが 審査請求人による第三者納付 ( 法第 20 条の6 第 1 項 ) にすぎず これを理由に本件処分が二重課税であるとの主張は当を得ていない 5 その他本件処分においては 他に違法又は不当な点は認められない 6 結論 - 4 -

以上の理由から 第 1 の審査会の結論のとおり判断するものである 京都府行政不服審査会第 2 部会 委 員 ( 部会長 ) 白 浜 徹 朗 委 員 姫 田 格 委 員 小 谷 真 理 - 5 -