福岡県福祉サービス第三者評価の結果 ( 様式 1) 第三者評価機関 名称 所在地 特定非営利活動法人医療 福祉ネットワークせいわ 840-0015 佐賀県佐賀市木原二丁目 6 番 5 号 TEL (0952)41-6522 FAX (0952)41-6524 訪問調査日 平成 23 年 01 月 27 28 日 評価調査者登録番号 07-b00008 07-a00007 福祉サービス事業者 施設基本情報 法人名称 法人のりじちょうやずよしお代表者名理事長矢頭祥夫 施設名称 しゃかいふくしほうじんぶっしんかい 社会福祉法人仏心会 ふくおかこどものいえみずほにゅうじいん 福岡子供の家みずほ乳児院 設立年月日 昭和 平成 42 年 8 月 25 日 施設種別 乳児院 施設所在地 814-0153 福岡県福岡市城南区樋井川 6 丁目 24 番 16 号 施設長名 かげやまたかお 蔭山孝雄 開設年月日 昭和 平成 14 年 11 月 1 日 T E L (092)871-6172 F A X (092)871-6173 E メ ー ル ア ド レ ス ホームページ ア ド レ ス mizhonyu@rf7.so-net.ne.jp http://www012.upp.so-net.ne.jp/mizhonyu/ 定員 20 名 ( 現員 22 名 一時保護委託 2 名含む ) 1/3
1 総評 (1) 特に評価の高い点 I. 家庭的な養育環境の整備と愛着関係の形成に努められています 乳幼児の誕生を祝福し 乳児院での出会いに感謝する といった思いを大切にしながら 安心できる家庭的な養育環境を整えることを目指されています 乳幼児との個別的な関わりが持てるように 1 対 1 の養育担当制を採られ 愛着関係を育みながら他者との基本的な信頼関係を築いていけるように取り組まれています 個別に関わる時間が制限される中でも 養育担当者との外出の機会を設けるなど 特定のおとなとの愛着関係の形成に努められていることが伝わってきます また 一人ひとりの成長の過程に訪れる祝い事として お宮参り や お食い初め 初節句 餅ふみ などにも一つひとつ大切に取り組まれています その他 より家庭的に過ごせる少人数グループケア ベベホーム も隣接した場所で運営されています II. III. マニュアル類や機関誌 乳児院だよりの充実が図られています 毎日の生活における様々な場面に対応できるように 養育や看護 防災など多岐に亘ってマニュアルが整備されています 委員会を設置して マニュアル作成を推進されており その姿勢については高く評価できます 今回の第三者評価受審で課題となったプライバシー保護に関する規程 マニュアルの充実や 標準的な実施方法についての見直しに取り組まれることで 更なるサービスの質の向上につながることが期待できます また 機関誌 ベベ ( 年 2 回発行 ) や乳児院だより ミニベベ ( 毎月発行 ) では 乳児院での養育に関することや 院長及び職員の想い 子育てに関する情報などが発信されており 掲載内容や編集等にも工夫が凝らされています その積極的な情報発信からは 運営方針 ( 事業計画 ) にも掲げられている 地域開放 貢献 に向けた姿勢や想いが伝わってきます 個人記録などの整備状況からも乳幼児を大切にする想いがうかがえます 児童自立支援計画票などの各計画書やアセスメント関係書類 児童観察記録 健康記録票などが詳細に記録され 個別のファイルに整理されています 毎月の観察記録には写真を添付されており 乳幼児の成長の過程が容易に読み取れると共に 視覚的に追えるという効果が得られています また その子にとって初めて出来たことや 養育に関わる中で感動を受けたことなどについても 記録に残すように努められています 一人ひとりの歩みを丁寧に綴られた個人記録類は 将来において利用者本人が閲覧を希望することまで考慮され永久保存とされています 2/3
(2) 改善を求められる点 I. 理念 基本方針の実現に向けた中 長期計画の策定が求められます 現在の施設は市から受け継いだ建物であり 乳児院に相応しい設備や環境を整備するために様々な工夫や取り組みが行われています 今後においても 施設整備や環境整備などについての構想を持たれていますが 中 長期計画として明確に示されていない状況です 職員全体での取り組みや 保護者及び地域 関係機関の理解につなげるためにも 将来構想 ( ビジョン ) を明確にした上で その実現のための組織体制や設備整備 職員体制 人材育成等を含めた具体的な中 長期計画を策定されることが求められます II. III. 人事考課や個別の職員研修への取り組みを期待します 人材に関しては 職員の専門性に関することや 乳幼児との愛着形成を目的に養育担当制を採ることなどについて基本的な考えが示されていますが 必要な人材に関する具体的なプランの確立には課題が残ります また 人事考課の導入により 職員の能力開発 や 意欲の喚起 につなげる取り組みも今後の課題と言えます 研修に関しても 組織としての研修への取り組みや 経験年数に応じた研修受講などが行われていますが 職員一人ひとりの技術や意識の向上のための 個別の教育 研修計画の策定は今後の課題と言えます 人材に関するプランの確立及び人事考課制度の導入 個々の職員の教育 研修計画の策定など 質の向上に向けた人事管理 職員育成への取り組みを期待します 地域との交流と連携に向けての積極的な活動を期待します 乳児院といったサービスの特性上 地域との交流については困難な面も多い中で 運営方針 ( 事業計画 ) に 地域開放 貢献 を掲げ 情報発信などに積極的に取り組まれています しかし その活動内容については まだ十分とは言い難い状況が見受けられます 組織が有する専門的な知識や技術等 ( 乳幼児の保育や看護 食事などに関する知識や技術等 ) を生かした講演会や講習会 相談会を開催するなど 地域の子育て支援に貢献できる積極的な活動を期待します 2 第三者評価の結果に対する事業者の (H23. 3.16) 次のような あかちゃんの権利宣言 的なものがあるとすれば 1. わたしは ( ぼくは ) 養育してくれる大人と親密で継続的で応答的な関係の中で安心して 安全に生きる権利を持っている 2. わたしは ( ぼくは ) あなたのことが大好きだよ と言ってくれる大人のそばで自分らしく 自信を持って生きる権利を持っている 3. わたしは ( ぼくは ) 泣くことも含めて自分の気持ちをからだ全体で 自由に表現する権利を持っている ( 参考 ;CAPプログラム) を 具体化することが我々の責務である 今回の第三者評価を受審する中で 子どもの基本的な権利を養育者である我々大人が共有化し具現化することへの課題がいくつも見つかった 乳児院の内なる思い込みや偏見などを検証しながら 職員一人一人の資質の向上に努めたい 3 共通評価基準及び個別評価基準の評価項目による第三者 ( 別添 ) 3/3
乳児院 Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織 Ⅰ-1 理念 基本方針 個別評価基準評価項目 ( 全 76 項目 ) の Ⅰ-1-(1) 理念 基本方針が確立されている 1 Ⅰ-1-(1)-1 理念が明文化されている a b c 2 Ⅰ-1-(1)-2 理念に基づく基本方針が明文化されている a b c Ⅰ-1-(2) 理念や基本方針が周知されている 3 Ⅰ-1-(2)-1 理念や基本方針が職員に周知されている a b c 4 Ⅰ-1-(2)-2 理念や基本方針が利用者等に周知されている a b c 児童憲章に則った理念とそれに基づく基本方針からは 乳幼児の健全な発育支援及び保護者支援の姿勢が読み取れます それらは パンフレットや 運営方針 ( 事業計画 ) に明示され 必要に応じて見直しも行われています 職員には 年度初めの職員会議で資料を配付し 保護者には パンフレットや院便り ミニベベ を配付されています しかし わかりやすい資料や口頭での説明については 十分とは言い難い状況が見受けられます Ⅰ-2 計画の策定 Ⅰ-2-(1) 中 長期的なビジョンと計画が明確にされている 5 Ⅰ-2-(1)-1 中 長期計画が策定されている a - c 6 Ⅰ-2-(1)-2 中 長期計画を踏まえた事業計画が策定されている a - c Ⅰ-2-(2) 計画が適切に策定されている 7 Ⅰ-2-(2)-1 計画の策定が組織的に行われている a b c 8 Ⅰ-2-(2)-2 計画が職員や利用者に周知されている a b c 環境や施設整備などに対する考えについては聴取できますが 計画の文書化はなされておらず 事業計画への反映について明確には読み取れない状況です 中 長期計画の策定が課題と言えます 保育部など各部において 年間や毎月の目標及び計画が立てられ 院便りへの掲載も見受けられますが 上述のとおり中 長期計画の策定に課題が残ります また 保護者等への周知活動も今後の課題と言えます Ⅰ-3 管理者の責任とリーダーシップ Ⅰ-3-(1) 管理者の責任が明確にされている 9 Ⅰ-3-(1)-1 管理者自らの役割と責任を職員に対して表明している a b c 10 Ⅰ-3-(1)-2 遵守すべき法令等を正しく理解するための取り組みを行っている a b c Ⅰ-3-(2) 管理者のリーダーシップが発揮されている 11 Ⅰ-3-(2)-1 質の向上に意欲を持ちその取り組みに指導力を発揮している a b c 12 Ⅰ-3-(2)-2 経営や業務の効率化と改善に向けた取り組みに指導力を発揮している a b c 職務分担分掌表 に院長の役割等を明示し 会議や機関誌 院便りなどで表明されています しかし その妥当性確認や評価に課題が残ります 法令等についても リスト化など周知に向けた積極的な取り組みを期待します 質の向上や経営及び業務の効率化については 会議や委員会 担当部署等での検討が行われています しかし 定期的な評価に基づく改善活動や経営課題の周知については その継続性に課題が見られます 1/7
Ⅱ 組織の運営管理 Ⅱ-1 経営状況の把握 Ⅱ-1-(1) 経営環境の変化等に適切に対応している 13 Ⅱ-1-(1)-1 事業経営をとりまく環境が的確に把握されている a b c 14 Ⅱ-1-(1)-2 経営状況を分析して改善すべき課題を発見する取り組みを行っている a b c 15 Ⅱ-1-(1)-3 外部監査が実施されている a b c 社会福祉事業の動向や福祉ニーズについては 乳児院 児童養護施設協議会や研修会などへの参加により把握されていますが 事業計画への反映など課題も見られます 経営については 会計書類等により毎月検証が行われていますが 職員への課題の周知や外部監査の実施には至っていない状況です Ⅱ-2 人材の確保 養成 Ⅱ-2-(1) 人事管理の体制が整備されている 16 Ⅱ-2-(1)-1 必要な人材に関する具体的なプランが確立している 17 Ⅱ-2-(1)-2 人事考課が客観的な基準に基づいて行われている Ⅱ-2-(2) 職員の就業状況に配慮がなされている 18 Ⅱ-2-(2)-1 職員の就業状況や意向を把握し必要があれば改善する仕組みが構築されている 19 Ⅱ-2-(2)-2 福利厚生事業に積極的に取り組んでいる Ⅱ-2-(3) 職員の質の向上に向けた体制が確立されている 20 Ⅱ-2-(3)-1 職員の教育 研修に関する基本姿勢が明示されている 21 Ⅱ-2-(3)-2 個別の職員に対して組織としての教育 研修計画が策定され 計画に基づいて具体的な取り組みが行われている 22 Ⅱ-2-(3)-3 定期的に個別の教育 研修計画の評価 見直しを行っている 23 Ⅱ-2-(3)-4 職員に対して 遵守すべき法令等を正しく理解するために研修を行っている Ⅱ-2-(4) 実習生の受け入れが適切に行われている 24 Ⅱ-2-(4)-1 実習生の受け入れに対する基本的な姿勢を明確にし体制を整備している 25 Ⅱ-2-(4)-2 実習生の育成について積極的な取り組みを行っている 運営方針 に職員の専門性や養育担当制などについての基本的な考え方が記されていますが 具体的なプランの確立には至っていない状況です また 人事考課についても 明確な取り組みは見受けられません 有給休暇取得状況などを把握し 職員アンケートや意見箱での意向把握にも取り組まれています 福利厚生事業は 福岡市社会福祉事業従事職員福利厚生共済制度 に加入されています 教育 研修に関する基本姿勢は運営方針から読み取れますが 明示としては十分とは言い難い状況にあります 職員に対する教育 研修についても 職員一人ひとりの受講履歴の把握や経験年数に応じた研修受講に努められていますが 個別の職員に対する教育 研修計画の策定には至っていない状況です 法令等に関する研修については 必要に応じて行なわれている状況で 計画的な取り組みやリスト化などには至っていない状況が見受けられます 実習生受け入れの意義や方針が明示され 保育士 看護師毎にマニュアルが整備されています 実習生への説明用資料に実習体験者のアドバイスを掲載するなどの工夫も見られ 積極的に取り組まれていることがうかがえます 2/7
Ⅱ-3 安全管理 Ⅱ-3-(1) 利用者の安全を確保するための取り組みが行われている 26 Ⅱ-3-(1)-1 緊急時 ( 事故 感染症の発生時など ) の対応など利用者の安全確保のための体制が整備されている 27 Ⅱ-3-(1)-2 利用者の安全確保のためにリスクを把握し対策を実行している 28 Ⅱ-3-(1)-3 災害等の発生時における防災体制が整備されされている 危機管理については担当者を配置し 事故及び衛生に関するマニュアルの整備などが行われています また 遊具等の点検や消毒 事例に基づく未然防止策の検討 などにも取り組まれています しかし 職員全体への周知活動及び不審者侵入への対応については 更なる取り組みを期待したいところです 災害に関しては 火災 地震対応マニュアルや組織編制表を整備し 定期的な防災訓練に取り組まれています Ⅱ-4 地域との交流と連携 Ⅱ-4-(1) 地域との関係が適切に確保されている 29 Ⅱ-4-(1)-1 利用者と地域とのかかわりを大切にしている a b c 30 Ⅱ-4-(1)-2 事業所が有する機能を地域に還元している a b c 31 Ⅱ-4-(1)-3 ボランティア受け入れに対する基本姿勢を明確にし体制を確立している a b c Ⅱ-4-(2) 関係機関との連携が確保されている 32 Ⅱ-4-(2)-1 必要な社会資源を明確にしている a b c 33 Ⅱ-4-(2)-2 関係機関等との連携が適切に行われている a b c Ⅱ-4-(3) 地域の福祉向上のための取り組みを行っている 34 Ⅱ-4-(3)-1 地域の福祉ニーズを把握している a b c 35 Ⅱ-4-(3)-2 地域の福祉ニーズに基づく事業 活動が行われている a b c 施設開放についての考えが運営方針に掲げられ 院便りの内容を 地域の人権便りに掲載するなどの情報発信にも取り組まれています また ボランティアについても マニュアルを整備し 積極的な受け入れが行われています しかし 地域との交流や専門性を活かした活動については 十分とは言い難い状況がうかがえます 関係機関との連携内容や連絡先を明示した 入退所マニュアル を整備し 職員がいつでも見れるよう施設内の複数箇所に置かれています 関係機関との定期的な協議の場も設けられ ケース会議なども開かれています 関係機関との連携を通して福祉ニーズを把握し それに基づいてショートステイ事業などに取り組まれています 今後は 相談事業など 地域の人々の生の声が聞けるような取り組みを期待します Ⅲ 適切な福祉サービスの実施 Ⅲ-1 利用者本位の福祉サービス Ⅲ-1-(1) 利用者を尊重する姿勢が明示されている 36 Ⅲ-1-(1)-1 利用者を尊重したサービス提供について共通の理解をもつための取り組みを行っている 37 Ⅲ-1-(1)-2 利用者のプライバシー保護に関する規程 マニュアル等を整備している 利用者尊重の姿勢は 理念 基本方針から読み取れ ケア基準 やサービスの標準的な実施方法等への反映も見られます 養育場面や施設面などでは プライバシー保護への配慮がうかがえますが 規程 マニュアル等の整備としては十分とは言い難い状況と言えます 3/7
Ⅲ-1-(2) 利用者満足の向上に努めている 38 Ⅲ-1-(2)-1 利用者満足の向上を意図した仕組みを整備している a b c 39 Ⅲ-1-(2)-2 利用者満足の向上に向けた取り組みを行っている a b c Ⅲ-1-(3) 利用者が意見等を述べやすい体制が確保されている 40 Ⅲ-1-(3)-1 利用者が相談や意見を述べやすい環境を整備している a b c 41 Ⅲ-1-(3)-2 苦情解決の仕組みが確立され十分に周知 機能している a b c 42 Ⅲ-1-(3)-3 利用者からの意見等に対して迅速に対応している a b c 保護者の意向に配慮する姿勢は ケア基準 に明示され 面会時や意見箱により得られた意向について検討が行われています しかし 意向調査やそれに基づく取り組みについては その定期性に課題が残ります 相談方法を説明した小冊子の配付や 面会室での対応など 相談者の心理面への配慮がうかがえます 苦情解決の体制も整備され 迅速な対応にも努められています しかし 苦情内容や解決結果等の公表 と 意見等に対応する仕組みの周知 には 更なる取り組みが求められます Ⅲ-2 サービスの質の確保 Ⅲ-2-(1) 質の向上に向けた取り組みが組織的に行われている 43 Ⅲ-2-(1)-1 サービス内容について定期的に評価を行う体制を整備している 44 Ⅲ-2-(1)-2 評価の結果に基づき組織として取り組むべき課題を明確にしている 45 Ⅲ-2-(1)-3 課題に対する改善策 改善計画を立て実施している Ⅲ-2-(2) 個々のサービスの標準的な実施方法が確立している 46 Ⅲ-2-(2)-1 個々のサービスについて標準的な実施方法が文書化されサービスが提供されている 47 Ⅲ-2-(2)-2 標準的な実施方法について見直しをする仕組みが確立されている Ⅲ-2-(3) サービス実施の記録が適切に行われている 48 Ⅲ-2-(3)-1 利用者に関するサービス実施状況の記録が適切に行われている 49 Ⅲ-2-(3)-2 利用者に関する記録 データを含めた個人情報の管理体制が確立している 50 Ⅲ-2-(3)-3 利用者の状況等に関する情報を職員間で共有化している 独自のチェックリストを用いて自己評価に取り組み 反省や改善策の検討が行われています 今回の第三者評価における自己評価についても全職員で取り組まれています しかし 評価に基づく課題の明確化や 改善に向けた計画的な活動については 十分とは言い難い状況が見受けられます 個々のサービスの標準的な実施方法については 利用者尊重の視点や配慮すべき事項などを含めてのマニュアル化が見られます 職員へは 入職後の研修やマニュアル改訂時の会議等で周知に努められています しかし その見直しについては 必要に応じて取り組まれている状況であり 時期や方法を定めた取り組みが課題と言えます 一人ひとりの計画に基づいたサービス実施状況が記録され バラツキ防止の視点も含めて 院長による確認及び助言が行われています 記録等の個人情報は 規程を定めて管理され 退所後の閲覧希望に応じられるよう永久保存とされています 情報の共有については 記録及びケース会議等で図られています Ⅲ-3 サービスの開始 継続 Ⅲ-3-(1) サービス提供の開始が適切に行われている 51 Ⅲ-3-(1)-1 利用者希望に対してサービス選択に必要な情報を提供している a b c 52 Ⅲ-3-(1)-2 サービスの開始にあたり利用者等に説明し同意を得ている a b c ホームページやパンフレットによって情報が提供され 見学にも対応されています 入所時には 説明用資料を基に 書類記入も合わせて丁寧な説明を心掛けられています 緊急入所に向けての体制も整備されています 4/7
Ⅲ-3-(2) サービスの継続性に配慮した対応が行われている 53 Ⅲ-3-(2)-1 事業所の変更や家庭への移行などにあたりサービスの継続性に配慮した対応を行っている 退所に際しては 児童相談所等との協議のもと 乳幼児の心の安定に配慮しながら対応され 移行先や家庭への書類 写真による情報提供も行われてはいます 課題としては 引継ぎ文書等のルール化などが挙げられます Ⅲ-4 サービス実施計画の策定 Ⅲ-4-(1) 利用者のアセスメントが行われている 54 Ⅲ-4-(1)-1 定められた手順に従ってアセスメントを行っている 55 Ⅲ-4-(1)-2 利用者の課題を個別のサービス場面ごとに明示している 保護者等から得られた身体状況や生活状況は 問診票や健康チェック表に記録され 見直しも行われています また 得られた情報から抽出された課題は 当面の課題 と 中 長期的課題 として計画書に明記されています Ⅲ-4-(2) 利用者に対するサービス実施計画が策定されている 56 Ⅲ-4-(2)-1 サービス実施計画を適切に策定している 57 Ⅲ-4-(2)-2 定期的にサービス実施計画の評価 見直しを行っている 自立支援計画 を含む乳幼児に関する計画は アセスメントで抽出された課題や 本人 保護者等の意向などを踏まえて策定されており 定期 ( 年 2 回 ) 及び随時の見直しも行われています A-1 日常生活支援サービス A-1-(1) 援助の基本 58 A-1-(1)-1 乳幼児と愛着関係を築くように努めている 入所から一貫した養育担当制をとられており 乳幼児が特定のおとなと愛着関係を築けるように配慮されています A-1-(2) 健康管理 59 A-1-(2)-1 一人ひとりの乳幼児の健康を管理し 異常がある場合には適切に対応している 60 A-1-(2)-2 病 虚弱児等の健康管理について 日常生活上で適切な対応策をとっている 61 A-1-(2)-3 乳幼児突然死症候群 (SIDS) や窒息の予防策を講じている 健康管理マニュアルに基づく日々の健康管理に努められており 検温や観察の結果などが記録に残されています 異常がある場合は 速やかに医師の診察と適切な治療を受ける体制が整えられています 病 虚弱児等の記録については 体調の変化などを把握しやすいように工夫されています また 与薬マニュアル に基づく服薬管理も行われています 専門医や嘱託医との連携の中で 個別対応にも努められています SIDSや窒息の予防マニュアルが整備され 生後 3ヶ月までの乳児には ベビーセンサー ( 呼吸モニター ) を活用されています また 睡眠チェックにも努められ 睡眠状態も記録されています 5/7
A-1-(3) 睡眠環境等 62 A-1-(3)-1 乳幼児が十分な睡眠をとれるように工夫している a b c 63 A-1-(3)-2 快適な睡眠環境を整えるように工夫している a b c 64 A-1-(3)-3 気候や場面 発達に応じた適切な衣類管理を行っている a b c 65 A-1-(3)-4 快適な入浴 沐浴ができるようにしている a b c 乳幼児が安心して眠りにつけるように 子守唄を歌ったり 軽くトントンと触れたり 音楽を流したりと工夫されています 目覚めた時も 気持ちよく起きられるように優しい声かけをされています 湿度温度計や遮光カーテンなどにより 空調や採光の調節に努められています 専用に作られた固めの布団や綿素材のシーツ 毛布を使用され 寝具の衛生管理にも努められています 乳幼児の肌に刺激の少ない材質で 活動し易く 着脱も容易にできる衣類が選ばれ 清潔に保つように配慮されています 季節に応じて適切な枚数を用意され 個人別に収納されています 入浴 沐浴は毎日 年齢に相応しい入浴方法で行われています お風呂用の玩具を用意されており 時間に追われながらも 楽しく触れ合いながらお風呂で過ごせるように配慮されています A-1-(4) 食事 66 A-1-(4)-1 乳幼児に対して適切な授乳を行っている a b c 67 A-1-(4)-2 離乳食を進めるに際しては十分な配慮をしている a b c 68 A-1-(4)-3 食事がおいしく楽しく食べられるよう工夫している a b c 69 A-1-(4)-4 栄養管理に十分な注意が払われている a b c 1ヶ月以上児は自立授乳を基本とされており 授乳の時間や量については 一人ひとりのリズムや体調に合わせた対応に努められています 授乳に際しては 優しい声かけなどに配慮し 授乳後の排気も行なわれています 離乳食の意義や留意点 段階に応じた進め方などがマニュアル化され 個人別に 離乳食進め方表 を作成して対応されています 食材や調理方法など個々のペースに合わせて進めるよう努められています おいしく たのしく なかよく の実現を目指し 食べる意欲に繋がる言葉かけなどに配慮されています 食事室での炊飯や配膳 うどん作りのお手伝いなど 食事への関心や楽しみにつなげる工夫も見受けられます 授乳や食事に関するマニュアルが整備されており 栄養士により乳幼児の発達に応じた栄養管理が行われています アレルギー対応の食事には 代替食の工夫や間違いを防ぐための対策が講じられています A-1-(5) 発達段階に応じた支援 70 A-1-(5)-1 子どもが排泄への意識を持てるように工夫している 71 A-1-(5)-2 発達段階に応じて乳幼児が楽しく遊べるように工夫している おむつ交換時には 言葉かけやスキンシップを行いながら 清潔なおむつの心地良さを伝えるように対応されています また 適時のトイレ誘導を心掛け トイレットトレーニングにも取り組まれています 乳児部と幼児部それぞれに保育計画を作成し 発達段階に応じて楽しく遊べるよう配慮されています 好みの玩具を自分で取り出せるように工夫され 日当たりの良いテラスや庭 近くの公園で遊ぶ機会も持たれています 6/7
A-1-(6) 家族とのつながり 72 A-1-(6)-1 児童相談所等と連携し 乳幼児と家族との関係調整を図ったり 家族からの相談に応じる体制づくりができている 73 A-1-(6)-2 保護者と子の愛着関係 養育意欲の形成を援助するように努力している 74 A-1-(6)-3 乳幼児と保護者に必要な心理的支援を行っている 児童相談所と連携しながら 乳幼児と家族の関係調整に努められています 家族からの相談への対応や 家族の状況に応じての情報発信など 様々な形で家族との信頼関係づくりに努められています 面会や外出 一時帰宅については 規程が整備されており 児童相談所との協議のもとで行われています また 面会を呼びかけて 愛着関係や養育意欲の形成に努められています 臨床心理士が配置され 心理療法計画に基づく支援やプレイセラピー 乳幼児及び保護者に対する心理的な支援に取り組まれています 課題としては 養育担当職員への心理的ケアに関する研修などが挙げられます A-2 利用者の尊重 A-2-(1) 乳幼児の権利擁護 75 A-2-(1)-1 体罰が行われないよう徹底されている a ー c 76 A-2-(1)-2 乳幼児に対する暴力 言葉による脅かし等の不適切な関わりの防止と早期発見に取り組んでいる 管理規程 や ケア基準 に 体罰の禁止がうたわれ 職員会議等で周知 徹底に努められています 会議においては 体罰が行われていないことの確認にも取り組まれています 会議等において 具体例を用いた説明が行われるなど 職員への周知 徹底に取り組まれています しかし 不適切な関わりがあった場合の報告や検証方法についてのルール化は十分とは言い難い状況にあります 7/7