Taro-1-国民年金編2015  作成 

Similar documents
強制加入被保険者(法7) ケース1

第14章 国民年金 

Microsoft Word - T2-06-1_紙上Live_老齢(1)_①支給要件(9分)_

第 2 節強制被保険者 1 第 1 号被保険者頻出 択 ( 法 7 条 1 項 1 号 ) 資格要件 日本国内に住所を有する20 歳以上 60 歳未満の者 ( 第 2 号 第 3 号被保険者に該当する者を除く ) 例 ) 自営業者 農漁業従事者 無業者など 適用除外 被用者年金各法に基づく老齢又は退

(2) 国民年金の保険料 国民年金の第 1 号被保険者および任意加入者は, 保険料を納めなければなりません また, より高い老齢給付を望む第 1 号被保険者 任意加入者は, 希望により付加保険料を納めることができます 定額保険料月額 15,250 円 ( 平成 26 年度 ) 付加保険料月額 400

(2) 国民年金の保険料 国民年金の第 1 号被保険者および任意加入者は, 保険料を納めなければなりません また, より高い老齢給付を望む第 1 号被保険者 任意加入者は, 希望により付加保険料を納めることができます 定額保険料月額 16,490 円 ( 平成 29 年度 ) 付加保険料月額 400

高齢者福祉

日付なしT2-01-2_紙上Live_ダイジェスト版(2)_①_(10分)_

社会保障に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定の実施に伴う厚生年金保険法等の特例等に関する法律案《概要》

強制加入被保険者(法7) ケース1

< F31322D335F81798ED0984A8E6D817A944E8BE08D8E959E814593BE>

強制加入被保険者(法7) ケース1

新規裁定当該期間 ( 月又は年度 ) 中に新たに裁定され 年金受給権を得た者が対象であり 年金額については裁定された時点で決定された年金額 ( 年額 ) となっている なお 特別支給の老齢厚生年金の受給権者が65 歳に到達した以降 老齢基礎年金及び老齢厚生年金 ( 本来支給もしくは繰下げ支給 ) を

老齢基礎年金 老齢基礎年金を受けられる方 老齢基礎年金は 原則として受給資格期間が 25 年 (300 ヵ月 ) 以上ある方が 65 歳になったときから受けられます 受給資格を満たしているときは 本人の希望により 60 歳から 70 歳までの間で年金を受け始める年齢を変更することができます (17

2 厚年と国年の加入期間がある人 昭和 36 年 3 月以前 20 歳未満および 60 歳以後の厚年の被保険者期間 昭和 36 年 3 月以前の厚年期間のみの人 坑内員 船員 ( 第 3 種被保険者 ) の場合 昭和 61 年 3 月までの旧船員保険の

例 言 厚生年金保険被保険者厚生年金保険被保険者については 平成 27 年 10 月 1 日から被用者年金制度の一元化等を図るための厚生年金保険法等の一部を改正する法律が施行されたことに伴い 厚生年金保険法第 2 条の5の規定に基づき 以下のように分類している 1 第 1 号厚生年金被保険者第 2

国民年金


第 1 号被保険者 資格取得の届出の受理 種別変更の届出の受理 資格喪失の承認申請 ( 任意脱退 ) の受理 資格喪失届出の受理 資格喪失の申出 第 1 号被保険者 任意加入被保険者 付加保険料の納付の申出の受理 付加保険料の納付しないことの申出の受理 に申請 届出または申出をした場合 被保険者 世

第9章 国民年金制度について

第 1 章 総則 第 1 節年金制度の概要 2 第 2 節年金の目的等 4 1

ただし 対象期間の翌年度から起算して3 年度目以降に追納する場合は 保険料に加算額が上乗せされます 保険料の免除や猶予を受けず保険料の未納の期間があると 1 年金額が減額される 2 年期を受給できない3 障害基礎年金や遺族基礎年金を請求できない 場合がありますのでご注意ください 全額または一部免除

1

現在公的年金を受けている方は その年金証書 ( 請求者及び配偶者 請求者名義の預金通帳 戸籍謄本 ( 受給権発生年月日以降のもの ) 請求者の住民票コードが記載されているもの ( お持ちの場合のみ ) 障害基礎年金 受給要件 障害基礎年金は 次の要件を満たしている方の障害 ( 初診日から1 年 6か

< F31322D315F81798ED0984A8E6D817A944E8BE08D8E959E814593BE>

国民年金法

算が加算されるようになったとき 260 / 12. 振替加算が加算された老齢基礎年金の受給権者が額計算の基礎となる組合員期間または加入者期間が 240 月以上である退職共済年金等を受けられるようになったとき 262 / 13. 振替加算が加算された老齢基礎年金の受給権者が障害を支給事由とする年金給付

被用者年金一元化法

ブック 1.indb

問 28 保険医療機関等 保険医等 (1) 難度 B 64 問 29 保険医療機関等 保険医等 (2) 難度 B 68 問 30 保険医療機関等 保険医等 (3) 難度 B 70 問 31 療養の給付の一部負担金難度 C 74 問 32 入院時食事療養費難度 B 76 問 33 入院時生活療養費難度

Microsoft Word - T2-04-1_紙上Live_被保険者期間と届出_(13分)_

財財第  号

Microsoft Word ①概要(整備令)

Microsoft Word - 概要

< F2D8E ED28CA48F C8E862E6A7464>

第 1 節年金制度の概要 国民皆年金への変遷昭和 16 年労働者年金保険法の制定 ( 施行は昭和 17 年 ) 昭和 19 年労働者年金保険法を厚生年金保険法に改称昭和 23 年国家公務員共済組合法の制定昭和 28 年私立学校教職員共済組合法の制定昭和 29 年厚生年金保険法の改正 ( 旧厚生年金保

スーパー答練 解説

表 2 イ特別支給の老齢厚生年金老齢厚生年金は本来 65 歳から支給されるものです しかし 一定の要件を満たせば 65 歳未満でも 特別支給の老齢厚生年金 を受けることができます 支給要件 a 組合員期間が1 年以上あること b 組合員期間等が25 年以上あること (P.23の表 1 参照 ) c

T3-08-2_遺族基礎年金(2)_

介護保険・高齢者福祉ガイドブック

2 障害厚生年金障害厚生年金は次の1~3の条件すべてに該当する方が受給できます 1 障害の原因となった病気やケガの初診日 ( 1) が 厚生年金保険の被保険者である期間にあること 2 障害の原因となった病気やケガによる障害の程度が 障害認定日 ( 2) に法令により定められている障害等級表 ( 3)

平成 30 年 2 月末の国民年金 厚生年金保険 ( 第 1 号 ) 及び福祉年金の受給者の 年金総額は 49 兆円であり 前年同月に比べて 7 千億円 (1.4%) 増加している 注. 厚生年金保険 ( 第 1 号 ) 受給 ( 権 ) 者の年金総額は 老齢給付及び遺族年金 ( 長期要件 ) につ

介護保険・高齢者福祉ガイドブック

平成 30 年 1 月末の国民年金 厚生年金保険 ( 第 1 号 ) 及び福祉年金の受給者の 年金総額は 49 兆円であり 前年同月に比べて 6 千億円 (1.3%) 増加している 注. 厚生年金保険 ( 第 1 号 ) 受給 ( 権 ) 者の年金総額は 老齢給付及び遺族年金 ( 長期要件 ) につ

2909_0 概要

四日市市消防関係手数料条例の一部を改正する条例

強制加入被保険者(法7) ケース1

第七条二被用者年金各法の被保険者 組合員又は加入者 厚生年金保険法 国家公務員共済組合法 地方公務員等共済組合法 私立学校教職員共済法 国内居住要件 被用者年金各法 社会保険の適用事業所にお勤めの方 国家公務員 地方公務員 私立学校教職員 なし 年齢要件なし (65 歳以上の老齢厚生年金等の受給権者

退職後の医療保険制度共済組合の年金制度退職後の健診/宿泊施設の利用済組合貸付金/私的年金退職手当/財形貯蓄/児童手当個人型確定拠出年金22 共イ特別支給の老齢厚生年金老齢厚生年金は本来 65 歳から支給されるものです しかし 一定の要件を満たせば 65 歳未満でも 特別支給の老齢厚生年金 を受けるこ

Microsoft Word - 概要

年金額の改定について 公的年金制度は平成 16 年の法改正により永久に年金財政を均衡させる従来の仕組みから おおむね ( 100 ) 年間で年金財政を均衡させる仕組みへと変わった この年金財政を均衡させる期間を 財政均衡期間 という これにより 政府は少なくとも ( 5 ) 年ごとに財政の検証をおこ

国民年金法

強制加入被保険者(法7) ケース1

伊丹市市民福祉金条例の一部を改正する条例(平成12年  伊丹市条例第  号)

年金・社会保険セミナー

Microsoft Word - T2-06-2_紙上Live_老齢(2)_①年金額・マクロ(12分)_

スライド 1

Basic 講義に関して Basic 講義では 制度が複雑な年金 2 法 ( 国民年金法 厚生年金保険法 ) を先行学習していきます 年金科目は本試験での出題ウェイトも高いため 強化しておくことが必須です 初めて社会保険労務士試験の学習をされる方はもちろんですが 年金科目を得意にされていない方にも最

年金支給開始年齢図 特別支給の ( 給料比例部分 ) 昭和 29 年 10 月 1 日生まれ以前 ~ 特別支給の退職共済年金 昭和 25 年 10 月 1 日生まれ以前 ~ 退職共済年金 経過的職域加算額 ( 旧職域部分 ) 退職等年金給付 ( 年金払い退職給付 ) 平成 27 年 9 月までの組合

2906_0 概要

平成 27 年 10 月から全国市町村職員共済組合連合会 ( 以下 市町村連合会 1 ) が年金の決定 支払いを行います ~ 各種届出等の手続き及び各種相談は 今までどおり共済組合で行います ~ 平成 24 年 8 月 22 日に公布された 被用者年金制度の一元化等を図るための厚生年金保険法等の一部

足利市妊産婦医療費助成条例 昭和 48 年 3 月 23 日条例第 2 号改正昭和 49 年 6 月 11 日条例第 38 号昭和 59 年 12 月 20 日条例第 32 号昭和 62 年 3 月 23 日条例第 7 号平成 6 年 12 月 21 日条例第 35 号平成 10 年 3 月 24

【作成中】2903_0 概要

年金・社会保険セミナー

社会保障 国民年金 問題 第 3 号被保険者とは 性別を問わず 第 2 号被保険者 ( 厚生年金保険の被保険者及び各共済組合等の組合員 加入者 ) の被扶養配偶者であって 20 歳以上 60 歳未満の者である 2 第 1 号被保険者の場合は 日本国内に住所を有する必要があるが 第 2 号

( 支給対象者等 ) 第 3 条医療費の支給の対象となる者 ( 以下 支給対象者 という ) は 次の各号に該当する母子家庭の母 父子家庭の父及びこれらの者に扶養されている児童並びに養育者に扶養されている父母のない児童とする (1) 本市に住所 ( 配偶者からの暴力を受けること等により本市への住所の

1 被用者年金制度一元化以降における公務員年金制度の現状 ⑴ 被用者年金制度の一元化 ( 平成 27 年 10 月 1 日施行 ) 平成 24 年 8 月に成立し 同月に公布された 被用者年金制度の一元化等を図るための厚生年金保険法等の一部を改正する法律 により 平成 27 年 10 月より共済年金

年金相談の手引.indd

達したときに消滅する旨を定めている ( 附則 10 条 ) (3) ア法 43 条 1 項は, 老齢厚生年金の額は, 被保険者であった全期間の平均標準報酬額の所定の割合に相当する額に被保険者期間の月数を乗じて算出された額とする旨を定めているところ, 男子であって昭和 16 年 4 月 2 日から同

第 7 章 年金 福祉 1 年金 日本の公的年金制度は, 予測できない将来へ備えるため, 社会全体で支える仕組みを基本としたものです 世代を超えて社会全体で支え合うことで給付を実現し, 生涯を通じた保障を実現するために必要です 働いている世代が支払った保険料を高齢者などの年金給付に充てるという方式で

しくみ2 厚生年金は基礎年金に上乗せ 厚生年金保険が適用されている事業所に勤めるサラリーマン等は 国民年金と厚生年金保険の2つの年金制度に加入することになります 厚生年金保険から支給される年金は 加入期間とその間の平均収入に応じて計算される報酬比例の年金となっていて 次のように基礎年金に上乗せするか

調布市要綱第  号

平成28年度厚生年金保険・国民年金事業の概況

年金・社会保険セミナー

平成27年度厚生年金保険・国民年金事業の概況

強制加入被保険者(法7) ケース1

無年金・低年金の状況等について

はじめに 定年 は人生における大きな節目です 仕事をする 働く という観点からすれば ひとつの大きな目標 ( ゴール ) であり 定年前と定年後では そのライフスタイルも大きく変わってくることでしょう また 昨今の労働力人口の減少からも 国による 働き方改革 の実現に向けては 高齢者の就業促進も大き

スライド 1

平成28年度厚生年金保険・国民年金事業の概況

年金・社会保険セミナー

170214_【社労士会】事務連絡(期間短縮省令)

171030_h1-4_A4

(3) 母子家庭の母又は父子家庭の父の前年 (1 月から9 月までに医療の給付を受けた場合にあっては 前々年をいう 以下同じ ) の所得 ( 規則で定める所得の範囲及び所得の額の計算方法により算出した額をいう 以下同じ ) が その者の所得税法 ( 昭和 40 年法律第 33 号 ) に規定する控除

障害福祉制度あらまし目次

2 返還額の算定方法 (1) 前記 1の (1) (2) (5) 及び (6) の退職一時金に係る返還額 退職一時金の額に利子に相当する額を加えた額とされており この利子に相当する 額は当該一時金の支給を受けた日の属する月の翌月から退職共済年金等を受ける権利 を有することとなった日の属する月までの期

年金は 万が一のとき もしっかりサポートします! 一般的に 年金 と言いますと 老後の生活を支える 老齢年金 をイメージしますが それだけではありません! 年金には万が一のときに 障害厚生年金 や 遺族厚生年金 が支給される場合があります 障害厚生年金 病気やけがで障害の状態になったときは 厚生年金

●国民年金法等の一部を改正する法律案

1 2

Ⅱ 厚生年金の給付の種類とその受給要件 1 特別支給の老齢厚生年金 (65 歳になるまで ) 次の要件をすべて満たしているときに 支給開始年齢から 65 歳になるまでの間 支給されます 1 支給開始年齢以上であること 2 厚生年金被保険者期間が1 年以上であること 3 受給資格期間が 25 年以上

<4D F736F F D2095E982E782B582C996F097A782C28FEE95F181458CE3945B90A FA967B944E8BE08B408D5C A2E646F6378>

「公的年金からの特別徴収《Q&A

二いて 同法第二十八条の規定により記録した事項の訂正がなされた上でこの法律の施行の日(以下 施行日 という )以後に当該保険給付を受ける権利に係る裁定が行われた場合においては その裁定による当該記録した事項の訂正に係る保険給付を受ける権利に基づき支払うものとされる保険給付(当該裁定前に生じた保険給付

Microsoft Word - (掲載日 )【追加分】疑義照会回答(年金給付)(201903).docx

●政府管掌年金事業等の運営の改善のための国民年金法等の一部を改正する法律案

表紙-目次

Microsoft Word - T2-05-2_紙上Live_保険料・免除(2)_①_(14分)_

1 国民年金 第 10 年金と医療給付等 市民課 保険医療課 (1) 国民年金に加入する方 国民年金は すべての方が共通して受けられる 基礎年金 が大きな柱です そのため自営業などの方のほかに 会社員や公務員も国民年金に強制加入することになります また 20 歳から 60 歳未満の会社員などの被扶養

[ 組合員期間等の特例 ] 組合員期間等については 年齢 職種などにより 過去の制度からの経過措置が設けられており 被用者年金制度の加入期間 ( 各共済組合の組合員期間など ) については 生年月日に応じて次表の年数以上であれば 組合員期間等が 25 年以上とみなされます 生 年 月 日 組合員期間

1-3. 想定問題 2 (1) 老齢基礎年金の支給要件問 1. 老齢基礎年金は 保険料納付済期間又は保険料免除期間 ( A の規定により納付することを要しないものとされた保険料に係るものを除く ) を有する者が 65 歳に達したときに その者に支給する ただし その者の保険料納付済期間と保険料免除期

Transcription:

(2) 年金特訓ゼミ 1 国民年金の給付の体系 老齢に関する給付 老齢支給要件 老齢基礎年金 付加年金 1 保険料納付済期間又は保険料免除期間 ( 学生納付特例及び若年者納付猶予により納付することを要しないものとされた保険料に係るものを除く ) を有する者であること 2 65 歳に達していること 3 受給資格期間を満たしていること ( 主なものは, 次のとおり ) ( イ ) 保険料納付済期間, 保険料免除期間, 合算対象期間を合算した期間が 25 年 ( 昭和 5 年 4 月 1 日以前生まれの者は 21 年 ~ 24 年 ) 以上 ( ロ ) 昭和 31 年 4 月 1 日以前に生まれた者であって, 被用者年金各法の加入期間が単独で又は合算して 20 年 ( 昭和 27 年 4 月 1 日以前生まれ )~ 24 年以上 ( ハ ) 昭和 26 年 4 月 1 日以前に生まれた者であって,40 歳 ( 女子, 坑内員, 船員は 35 歳 ) 以後の厚生年金保険の被保険者期間が 15 年 ( 昭和 22 年 4 月 1 日以前生まれ )~ 19 年以上 1 付加保険料に係る保険料納付済期間を有する者であること 2 老齢基礎年金の受給権を有していること 障害に関する給付 障害支給要件 障害基礎年金 1 初診日において,( イ ) 被保険者であるか又は ( ロ ) 被保険者であった者であって, 日 ( 法 30 条の本 本国内に住所を有する 60 歳以上 65 歳未満の者であること 来の障害基礎 2 初診日の前日において初診日の属する月の前々月までに被保険者期間がある場 年金 ) 合は, 一定の保険料納付要件を満たしていること 3 障害認定日において, 障害等級 1 級及び 2 級 に該当する程度の障害の状態にあ ること 死亡に関する給付 死亡支給要件 遺族基礎年金 1( イ ) 被保険者,( ロ ) 被保険者であった者であって, 日本国内に住所を有する 60 歳以上 65 歳未満の者,( ハ ) 老齢基礎年金の受給権者,( ニ ) 老齢基礎年金の受給資格期間を満たしている者のいずれかに該当する者が死亡したこと

(3) 国民年金法 2 前記 1( イ ) 及び ( ロ ) の場合, 死亡日の前日において死亡日の属する月の前々月までに被保険者期間があるときは, 一定の保険料納付要件を満たしていること 3( イ ) 配偶者については, 被保険者又は被保険者であった者の死亡の当時その者によって生計を維持し, かつ, 次の ( ロ ) の要件に該当する子と生計を同じくすること,( ロ ) 子については,18 歳の年度末までの間にあるか, 又は 20 歳未満であって障害等級に該当する障害の状態にあり, かつ, 現に婚姻をしていないこと 寡婦年金 死亡一時金 1 死亡日の前日において死亡日の属する月の前月までの第 1 号被保険者としての被保険者期間に係る保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が 25 年 ( 期間短縮の特例あり ) 以上ある夫 ( 保険料納付済期間又は学生納付特例及び若年者納付猶予に係る期間以外の保険料免除期間を有する夫に限る ) が死亡したこと 2 死亡した夫が障害基礎年金の受給権者でなかったこと, 又は老齢基礎年金の支給を受けていなかったこと 3 夫の死亡当時, 夫によって生計を維持していた 65 歳未満の妻について, 夫との婚姻関係が 10 年以上継続していたこと 1 死亡日の前日において死亡日の属する月の前月までの第 1 号被保険者としての被保険者期間に係る保険料納付済期間の月数, 保険料 4 分の 1 免除期間の月数の 4 分の 3 に相当する月数, 保険料半額免除期間の月数の 2 分の 1 に相当する月数及び保険料 4 分の 3 免除期間の月数の 4 分の 1 に相当する月数を合算した月数が 36 月以上ある者が死亡したこと 2 死亡した者が老齢基礎年金又は障害基礎年金の支給を受けていなかったこと 3 原則として, 遺族基礎年金を受給できる遺族がいないこと 脱退に関する給付 脱退支給要件 脱退一時金 1 請求の日の前日において請求の日の属する月の前月までの第 1 号被保険者としての被保険者期間に係る保険料納付済期間の月数, 保険料 4 分の 1 免除期間の月数の 4 分の 3 に相当する月数, 保険料半額免除期間の月数の 2 分の 1 に相当する月数及び保険料 4 分の 3 免除期間の月数の 4 分の 1 に相当する月数を合算した月数が 6 月以上ある日本国籍を有しない者 ( 被保険者でない者に限る ) であること 2 老齢基礎年金の受給資格期間を満たしていないこと 3 障害基礎年金等の受給権を有したことがないこと 4 最後に被保険者の資格を喪失した日から起算して 2 年 ( 同日において, 日本国内に住所を有していた者は帰国後 2 年 ) 以内に請求すること

(4) 年金特訓ゼミ 国民年金の給付の種類 この法律による給付 ( 以下単に 給付 という ) は, 次のとおりとする 1 老齢基礎年金 2 障害基礎年金 3 遺族基礎年金 4 付加年金, 寡婦年金及び死亡一時金国民年金法による給付は, 法本則においては, 老齢基礎年金, 障害基礎年金, 遺族基礎年金並びに付加年金, 寡婦年金及び死亡一時金 の 6 種類が定められている また, 法附則において, 脱退一時金, 特別一時金, 老齢年金 が定められている 付加年金, 寡婦年金及び死亡一時金 は, 第 1 号被保険者としての被保険者期間 を対象とした独自給付である 旧法と新法の給付の関係 昭和 61 年 4 月 1 日前までに年金の受給権が発生した者については, 原則として, 引き続き旧法による年金給付が支給され, 昭和 61 年 4 月 1 日以後に受給権が発生 した者については, 新法による年金給付が支給される 保険事故 旧 法 新 法 S.36.4 S.61.3 S.61.4 現在 老 齢 1 老齢年金 1 老齢基礎年金 2 通算老齢年金 2 老齢福祉年金 3 3 老齢福祉年金 3 付加年金 4 付加年金 障 害 5 障害年金 4 障害基礎年金 6 障害福祉年金 1 死 亡 7 母子年金 5 遺族基礎年金 8 準母子年金 6 寡婦年金 9 遺児年金 7 死亡一時金 10 寡婦年金 11 死亡一時金 12 母子福祉年金 2 13 準母子福祉年金 2

(5) 国民年金法 1: 昭和 61 年 3 月 31 日において 障害福祉年金 の受給権のある者が, 昭和 61 年 4 月 1 日に, 障害基礎年金に該当する障害の状態にあるときは, これを裁定替えして 障害基礎年金 を支給することとされた 2: 昭和 61 年 3 月 31 日において 母子福祉年金 準母子福祉年金 の受給権者であった者については, 昭和 61 年 4 月 1 日に, これらを裁定替えして 遺族基礎年金 を支給することとされた これに対し, 母子年金 準母子年金 は, 昭和 61 年 4 月 1 日以後も裁定替えされず, 引き続き 母子年金 準母子年金 として支給されている 3: 老齢福祉年金は, 老齢基礎年金に裁定替えされずに, 現在も, 老齢福祉年金として, 引き続き支給されている 1 老齢基礎年金は, 大正 15 年 4 月 2 日以後 に生まれた者 ( 旧制度の老齢 退職給付の受給権者を除く ) が支給対象者となる 2 障害基礎年金は, 障害認定日 が昭和 61 年 4 月 1 日以後である者 ( 福祉年金を除く ) が支給対象者となる 3 遺族基礎年金は, 死亡日 が昭和 61 年 4 月 1 日以後である者 ( 福祉年金を除く ) が支給対象者となる

(6) 年金特訓ゼミ 2 管掌 1. 管掌国民年金の保険者は, 政府 である 2. 共済組合等による事務の実施国民年金事業の事務の一部は, 政令の定めるところにより, 共済組合等 に行わせることができる 1 法律によって組織された共済組合 ( 以下 共済組合 という ) 2 国家公務員共済組合連合会 共済組合等 3 全国市町村職員共済組合連合会 4 地方公務員共済組合連合会 5 日本私立学校振興 共済事業団 3. 市町村長による事務の実施 国民年金事業の事務の一部は, 政令の定めるところにより, 市町村長 が行う こととすることができる 1 第 1 号被保険者としての被保険者期間のみを有する者に支給する老齢基礎年金に係る裁定請求の受理等の事務は, 市町村長 が行うこととされている 2 共済組合の組合員又は私立学校教職員共済制度の加入者であった期間のみを有する者に係る老齢基礎年金及び遺族基礎年金の裁定請求の受理及びその請求に係る事実についての審査に関する事務は, 共済組合又は日本私立学校振興 共済事業団 が行う 3 共済組合の組合員又は私立学校教職員共済制度の加入者であった間に初診日がある者に係る障害基礎年金の裁定請求の受理及びその請求に係る事実についての審査に関する事務は, 共済組合又は日本私立学校振興 共済事業団 が行う 4 国民年金における届書等の受理及び審査等に関する事務の一部は, 第 1 号法定受託事務 として市町村長が行うこととすることができるとされている ( 機関委任事務 ( 現在は廃止 ) ではない )

(7) 国民年金法 参考 : 市町村長が処理する主な事務 1 厚生労働大臣に対して行うべき 申出書, 申請書, 請求書 の 受理, その事実についての審査 に関する事務 ( イ ) 任意脱退の承認の申請 ( ロ ) 任意加入被保険者及び特例による任意加入被保険者の資格取得 喪失の申出 ( ハ ) 任意加入被保険者及び特例による任意加入被保険者の口座振替納付等の申出 ( その事実の審査に関する事務を除く ) ( ニ ) 付加保険料を納付することの申出, 納付しなくなることの申出等 2 次の給付を受ける権利の裁定の 請求の受理, その請求に係る事実についての審査 に関する事務 ( イ ) 第 1 号被保険者 ( 任意加入被保険者, 特例による任意加入被保険者及び旧法による被保険者を含む 以下同じ ) としての被保険者期間のみを有する者 ( 被用者年金各法に規定する離婚時みなし被保険者期間等を有する者を除く ) に支給する老齢基礎年金 ( ロ ) 第 1 号被保険者であった間に初診日がある傷病又は日本国内に住所を有する 60 歳以上 65 歳未満の間に初診日がある傷病による障害に係る障害基礎年金 ( ハ )20 歳前の傷病による障害に係る障害基礎年金 ( ニ ) 第 1 号被保険者の死亡に係る遺族基礎年金 ( 同一の支給事由による遺族厚生年金等を有することとなる者に係るものを除く ) ( ホ ) 寡婦年金 ( ヘ ) 死亡一時金 ( ト ) 特別一時金等 3 未支給の年金を受ける権利の裁定の 請求の受理, その請求に係る事実についての審査 に関する事務 ( イ ) 遺族基礎年金 ( 同一の支給事由による遺族厚生年金等の受給権を有することとなる者に係るものを除く ) ( ロ ) 寡婦年金等 4 旧国民年金法の給付等に関する事務 ( 老齢福祉年金に係るものに限る )

(8) 年金特訓ゼミ 3 用語の定義 被用者年金各法 被用者年金各法 とは,1 厚生年金保険法,2 国家公務員共済組合法,3 地方 公務員等共済組合法,4 私立学校教職員共済法をいう 被用者年金保険者 年金保険者たる共済組合等 1. 被用者年金保険者 被用者年金保険者 とは,1 厚生年金保険の管掌者たる政府又は2 年金保険者たる共済組合等をいう : 基礎年金の給付に係る費用のうち, 各被用者年金制度の被保険者等とその被扶養配偶者に係る分の費用負担は, 各被用者年金制度が負担する基礎年金拠出金によって賄われる この基礎年金拠出金の納付主体として 被用者年金保険者 が定義されている 2. 年金保険者たる共済組合等 年金保険者たる共済組合等 とは, 国家公務員共済組合連合会, 地方公務員共済組合連合会又は日本私立学校振興 共済事業団をいう 被用者年金保険者, 共済組合等, 年金保険者たる共済組合等 の関係 厚生年金保険の管掌者たる政府 被用者年金保険者 国家公務員共済組合連合会 基礎年金拠出金 年金保険者たる共済組合等地方公務員共済組合連合会の納付主体 日本私立学校振興 共済事業団 共済組合等 法律によって組織された共済組合全国市町村職員共済組合連合会国家公務員共済組合連合会地方公務員共済組合連合会日本私立学校振興 共済事業団 国家公務員共済組合法に基づく各共済組合地方公務員等共済組合法に基づく各共済組合年金保険者たる共済組合等

(9) 国民年金法 全国市町村職員共済組合連合会 は, 年金保険者たる共済組合等には含まれな い 保険料納付済期間 保険料納付済期間 とは, 第 1 号被保険者としての被保険者期間のうち納付された保険料 ( ) に係るもの, 第 2 号被保険者としての被保険者期間及び第 3 号被保険者としての被保険者期間を合算した期間をいう : ここでいう納付された保険料とは, 督促及び滞納処分の規定により徴収された保険料は含まれるが,4 分の 3 免除, 半額免除,4 分の 1 免除 ( 一部申請免除 という ) の規定によりその一部の額につき納付することを要しないものとされた保険料につきその残余の額が納付又は徴収されたものは除かれる 1 一部申請免除 の規定により納付すべき保険料の一部の額( 残余の額 ) が納付 又は徴収された期間は, 保険料納付済期間 ではない これらの期間は, 保険料 免除期間 ( 保険料 4 分の 3 免除期間, 保険料半額免除期間及び保険料 4 分の 1 免除 期間 ) となる 2 国民年金法 5 条の定義において, 第 2 号被保険者としての被保険者期間は, 20 歳前の期間又は 60 歳以後の期間 を含めて, 保険料納付済期間に算入される 3 障害基礎年金や遺族基礎年金の保険料納付要件をみる場合, 第 2 号被保険者であ った期間があるときは,20 歳前の期間又は 60 歳以後の期間を含めて, 保険料納 付済期間 として扱われる 4 任意加入被保険者及び特例による任意加入被保険者としての被保険者期間は, 保 険料納付済期間の規定の適用については, 第 1 号被保険者としての被保険者期間と みなされる < 半額免除の場合の残余の額 > 半額免除の規定により, その半額につき納付することを要しないものとされた期間 残余の額 半免 半免 半免 半免 半免 半免 半免 半免 半免 納付することを 保険料半額免除期間 未納期間 要しない額 ( = 半額につき納付, = 半額につき未納 ( 滞納 ))

(10) 年金特訓ゼミ 保険料免除期間 1. 保険料免除期間 保険料免除期間 とは,1 保険料全額免除期間,2 保険料 4 分の 3 免除期間,3 保険料半額免除期間 及び4 保険料 4 分の 1 免除期間 の 4 つの免除期間を合算した期間をいう 2. 保険料全額免除期間 保険料全額免除期間 とは, 法定免除, 全額申請免除, 学生納付特例, 若年者納付猶予 の規定により納付することを要しないものとされた保険料に係るもののうち, 追納の規定により納付されたものとみなされる保険料に係る被保険者期間を除いたものを合算した期間をいう < 保険料の免除を受けた期間と保険料免除期間 > 1 保険料の免除を受けた期間 3 追納により納付 2 追納の承認 4 保険料納付済期間 5 保険料免除期間 : 保険料が免除された被保険者期間のうち, 追納の規定により納付されたものとみなさ れる保険料に係る期間 ( 上図 3) は, 保険料免除期間 から除かれる ( 保険料納付済期 間となる )

(11) 国民年金法 3. 保険料一部免除期間 (4 分の 3 免除期間, 半額免除期間,4 分の 1 免除期間 ) 保険料 4 分の 3 免除期間 とは, 第 1 号被保険者としての被保険者期間であって,4 分の 3 免除の規定によりその 4 分の 3 の額につき納付することを要しないものとされた保険料に係るもののうち, 追納の規定により納付されたものとみなされる保険料に係る被保険者期間を除いたものを合算した期間をいう 1: 一部申請免除に係る保険料免除期間 は, 一部申請免除の規定に係る期間のうち, 一部免除された保険料の額以外の残余の額につき納付されたものに限られる したがって, 納付することを要しないものとされた保険料の額以外の残余の額について納付していない場合, その期間は, 保険料未納期間 ( 滞納期間 ) となる 2: 保険料半額免除期間及び保険料 4 分の 1 免除期間についても, 前記の保険料 4 分の 3 免除期間の規定と同様に, 半額又は 4 分の 1 の額につき納付することを要しないものとされた保険料に係るもののうち, 追納の規定により納付されたものとみなされる保険料に係る被保険者期間を除いたものを合算した期間をいう < 保険料免除期間の整理 > 法定免除保険全額申請免除追納の規定により納保険料全額免除期間料学生納付特例付されたものとみな 保険料免除期間 となる 全若年者納付猶予 される保険料に係る 4 分の 3 免除期間 4 分の 3 免除 被保険者期間を除く 保険料半額免除期間 半額免除 4 分の 1 免除期間 4 分の 1 免除 昭和 61 年 4 月 1 日前の旧国民年金法の規定による被保険者期間のうち, 保険料 額免除一部免除