2 就業規則について 労働条件は個別に労働者に説明しているため 就業規則は作成していない 常時雇用している労働者が 10 人未満の場合は除く 就業規則について 使用者が一方的に作成しており 労働者からの意見は聴いていない 就業規則を作っているものの 担当者が管理しており 労働者が自由に見られるように

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学生アルバイトの労働条件に関する自主点検表 労働基準関係法令に違反する事項 労働条件の明示 1 アルバイトを雇い入れる際 賃金や労働時間などの労働条件を記載した書面を交付していますか 解説 労働条件を明確にすることは全てのトラブル防止の基本です そこで 労基法では 労働者との間で労働契約を締結するに

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必要とする家族 1 人につき のべ 93 日間までの範囲内で 3 回を上限として介護休業をすることができる ただし 有期契約従業員にあっては 申出時点において 次のいずれにも該当する者に限り 介護休業をすることができる 一入社 1 年以上であること二介護休業開始予定日から 93 日を経過する日から

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(発表用)260819 求人内容及び労働条件の適正化発表資料(案)

申出が遅れた場合は 会社は育児 介護休業法に基づき 休業開始日の指定ができる 第 2 条 ( 介護休業 ) 1 要介護状態にある対象家族を介護する従業員 ( 日雇従業員を除く ) 及び法定要件を全て満たした有期契約従業員は 申出により 介護を必要とする家族 1 人につき のべ 93 日間までの範囲で

( イ ) 従業員の配偶者であって育児休業の対象となる子の親であり 1 歳 6か月以降育児に当たる予定であった者が死亡 負傷 疾病等の事情により子を養育することが困難になった場合 6 育児休業をすることを希望する従業員は 原則として 育児休業を開始しようとする日の1か月前 (4 及び5に基づく1 歳

パートタイマー就業規則

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中央教育審議会(第119回)配付資料

基発第 号

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2. 使用者は 労働者を解雇しようとする場合においては 少なくとも30 日前にその予告をしなければならない 30 日前に予告をしない使用者は 30 日分以上の平均賃金を支払わなければならない 但し 天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合又は労働者の責に帰すべき事由に基づ

貨物自動車運送事業のモデル三六協定およびその届 様式第 9 号 ( 第 17 条関係 ) 時間外労働休日労働に関する協定届 事業の種類 事業の名称 事業の所在地 ( 電話番号 ) 貨物自動車運送事業 新宿運輸株式会社 新宿区西新宿 ( ) 延長することができる時間

制度名 No. 1 ( 働 1) フレックスタイム制度 対象者: 営業職の正社員 労働時間の清算期間: 毎月 1 日から末日までの1か月 1 日の所定労働時間は 8 時間 清算期間内の総労働時間: 1 日あたり8 時間として 清算期間中の労働日数を乗じて得られた時間数 ただし 清算期間内を平均し1

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(3) 始業 終業時刻が労働者に委ねられることの明確化裁量労働制において 使用者が具体的な指示をしない時間配分の決定に始業及び終業の時刻の決定が含まれることを明確化する (4) 専門業務型裁量労働制の対象労働者への事前通知の法定化専門業務型裁量労働制の導入に当たり 事前に 対象労働者に対して 1 専

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社内様式 2 育児 介護 休業取扱通知書 あなたが平成年月日にされた 育児 介護 休業の申出について 育児 介護休業等に関する規則 第 3 条 第 7 条 に基づき その取扱いを下のとおり通知します ( ただし 期間の変更の申出があった場合には下の事項の若干の変更があり得ます ) 1 休業の期間等

社内様式 2 育児 介護 休業取扱通知書 平成年月日 会社名 あなたから平成年月日に 育児 介護 休業の 申出 期間変更の申出 申出の撤回 がありました 育児 介護休業等に関する規則 ( 第 3 条 第 4 条 第 5 条 第 7 条 第 8 条及び第 9 条 ) に基づき その取扱いを下のとおり通

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4-1 育児関連 育児休業の対象者 ( 第 5 条 第 6 条第 1 項 ) 育児休業は 男女労働者とも事業主に申し出ることにより取得することができます 対象となる労働者から育児休業の申し出があったときには 事業主は これを拒むことはできません ただし 日々雇用される労働者 は対象から除外されます

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規定例 ( 育児 介護休業制度 ) 株式会社 と 労働組合は 育児 介護休業制度に関し 次 のとおり協定する ( 対象者 ) 育児休業の対象者は 生後満 歳に達しない子を養育するすべての従業員とする 2 介護休業の対象者は 介護を必要とする家族を持つすべての従業員とする 介護の対象となる家族の範囲は

ただし 日雇従業員 期間契約従業員 ( 法に定める一定の範囲の期間契約従業員を除く ) 労使協定で除外された次のいずれかに該当する従業員についてはこの限りではない (2) 週の所定労働日数が2 日以下の従業員 (3) 申出の日から93 日以内に雇用関係が終了することが明らかな従業員 2 要介護状態に

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1.セキュリティ確認用チェックシート(公募時)

育児 介護休業規程 第 1 章 目的 第 1 条 ( 目的 ) 本規程は社員の育児 介護休業 育児 介護のための時間外労働および深夜業の制限並びに育児 介護短 時間勤務等に関する取り扱いについて定めるものである 第 2 章 育児休業制度 第 2 条 ( 育児休業の対象者 ) 1. 育児のために休業す

指針に関する Q&A 1 指針の内容について 2 その他 1( 特許を受ける権利の帰属について ) 3 その他 2( 相当の利益を受ける権利について ) <1 指針の内容について> ( 主体 ) Q1 公的研究機関や病院については 指針のどの項目を参照すればよいですか A1 公的研究機関や病院に限ら

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育児休業制度の概要

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第 1 章育児休業 第 1 条 ( 対象者 ) 生後 1 年未満 ( 第 5 条による育児休業の場合は 1 歳 6 ヶ月 ) の子と同居し養育する従業員であって 休業後も引き続き勤務する意思のある者は 育児のための休業をすることができる ただし 日々雇用者 期間雇用者 ( 申出時点において雇用期間が

< 是正勧告書の例 > 是正勧告書はあくまで勧告であり事業主の主体的な是正措置を期待するものですから 強制力は持っていません 法違反に対する行政指導上の措置であり 法的効果は生じません 改善しないことによる罰則はありません しかし 是正勧告書という行政指導文書の中に書かれていることは 罰則のある法令

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期日に支払っていますか 労働契約に基づく賃金が適切に支払われていますか 賃金の控除については 法令で定められているもの ( 税金 社会保険料など ) 労使協定で定めたもの ( 宿舎家賃や食費など ) に限定していますか 5 強制貯金の禁止 ( 労働基準法第 18 条 ) 技能実習生に対して 労働契約

目 次 第 1 条 目的及び内容 1 第 2 条 育児休業 2 第 3 条 パパ ママ育休プラス 2 第 4 条 1 歳 6 か月までの育児休業 2 第 5 条 育児休業の申出の手続等 3 第 6 条 パパ休暇の特例 3 第 7 条 介護休業 3 第 8 条 介護休業の申出の手続等 4 第 9 条

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年金の日 をご存じですか 国民一人ひとり ねんきんネット 等を活用しながら高齢期の生活設計に思いを巡らす日として 厚生労働省が 2014 年度から 11 月 30 日 ( いいみらい ) の日としたそうです 掲載内容に関してご不明点等があれば お気軽に当事務所までお問い合わせください

企業 メリット : 1 労働者が社内では得られない知識 スキルを獲得することができる 2 優秀な人材の獲得 流出の防止ができ 競争力が向上する 3 労働者が社外から新たな知識 情報や人脈を入れることで 事業機会の拡大につながる 留意点 : 1 必要な就業時間の把握 管理や健康管理への対応 労働者の職

( 様式第 1 号 ( 共通 )) 共通事項 1 キャリアアップ管理者 情報 ( 氏名 ): 役職 ( 配置日 ): 年月日 2 キャリアアップ管理者 の業務内容 ( 事業所情報欄 ) 3 事業主名 印 4 事業所住所 ( - ) 5 電話番号 ( ) - 6 担当者 7 企業全体で常時雇用する労働

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育児のための両立支援制度 制度の概要 ( イメージ ) 出生 1 歳 1 歳 6か月 3 歳就学 パパ ママ育休プラス 1 歳 6 か月延長 ( 子の年齢 ) ⑴ 育児休業 Ⅰ Ⅱ 努力義務 ⑵ 短時間勤務制度 ⑶ 所定外労働の免除 努力義務 努力義務 ⑷ 子の看護休暇 ⑸ 法定時間外労働の制限 ⑹

Microsoft PowerPoint - ★291212訂正版【P.4~P.7】求人申込書記入例(更新)_ (更新)_

第 11 条育児休業を終了して復帰する教職員の年次有給休暇については 理事長が別に定める ( 育児短時間勤務 ) 第 12 条小学校就学の始期に達するまでの子と同居し 当該子を養育する教職員が申し出た場合には 当該子がその始期に達するまで 当該教職員の所定勤務時間を 6 時間とすること ( 以下 育

目次 はじめに 第 1 章労働法ついて 1 労働法と労働契約について 1 2 労働組合法について 3 第 2 章労働者を雇い入れるとき 1 労働契約を結ぶとき 5 2 就業規則 6 3 各種保険と年金制度 7 第 3 章労働条件に関するルール 1 賃金 9 2 労働時間と休憩 休日など

その他のチェックポイント 次ページ ➊~➎ のチェックポイントについて ご説明します 受付年月日 紹介期限日 受付年月日は 求人の申込書を安定所が受理した日です 紹介期限日は応募の締切日のことではなく 最大限公開可能な期限であり 採用者が決定した場合 や 求人者から募集打ち切りの連絡を受けた場合 な

育児休業をすることができる有期契約労働者の範囲 申出の時点で 次の12の両方を満たす方です 同一の事業主に引き続き 1 年以上雇用されていること 子が1 歳 6か月に達する日までに 労働契約 ( 更新される場合には 更新後の契約 ) の期間が満了することが明らかでないこと ご注意 :1 歳以降の育児

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休業補償( 法 76 条 ) 使用者は 労働者が業務上負傷し 又は疾病にかかった場合には 療養補償として必要な療養を行い または療養の費用を負担し ( 法 75 条 ) その療養のために 労働することができないために賃金を受けない労働者に対しては 療養中平均賃金の 100 分の 60 の休業補償を行

育児 介護休業規程 第 1 章 目的 第 1 条 ( 目的 ) 本規程は 従業員の育児 介護休業 子の看護休暇 介護休暇 育児のための所定外労働の免除 育児 介護のための時間外労働および深夜業の制限並びに育児 介護短時間勤務等に関する取扱いについて定めるものである 第 2 章 育児休業制度 第 2

第 3 章 雇用 労働 1 在留資格 外国人の方は, 許可された在留資格の範囲内において, 日本で活動することが認められています 就労できるかどうかに着目してみると, 大きく次の 3 種類に分けられます 在留資格で定められた範囲で就労できる在留資格外交, 公用, 教授, 芸術, 宗教, 報道, 高度

の場合は 届出書にも労働者の代表者が署名又は記名押印し その協定書の写しを事業場に 3 年間保存しておく必要があります (3) 届出部数届出書は 2 部提出してください 受付印を押し 1 部を事業場の控分としてお返しします (4) 届出はいつまでに行うのか 36 協定は届出をもって有効になりますので

調査等 何らかの形でその者が雇用期間の更新を希望する旨を確認することに代えることができる ( 雇用期間の末日 ) 第 6 条第 4 条及び第 5 条の雇用期間の末日は 再雇用された者が満 65 歳に達する日以後における最初の3 月 31 日以前でなければならない 2 削除 3 削除 ( 人事異動通知

労働相談とはなにか

2. 改正の趣旨 背景税制面では 配偶者のパート収入が103 万円を超えても世帯の手取りが逆転しないよう控除額を段階的に減少させる 配偶者特別控除 の導入により 103 万円の壁 は解消されている 他方 企業の配偶者手当の支給基準の援用や心理的な壁として 103 万円の壁 が作用し パート収入を10

1 適用範囲 対象事業場 対象となる事業場は 労働基準法のうち労働時間に係る規定 ( 労働基準法第 4 章 ) が適用される 全ての事業場です 対象労働者 対象となる労働者は 労働基準法第 41 条に定める者及びみなし労働時間制が適用される労働者 ( 事業場外労働を行う者にあっては みなし労働時間制

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第22回規制改革会議 資料3

筑紫野市学童保育連絡協議会学童クラブ指導員就業規則

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育児休業及び育児短時間勤務に関する規則

今回の改正によってこの規定が廃止され 労使協定の基準を設けることで対象者を選別することができなくなり 希望者全員を再雇用しなければならなくなりました ただし 今回の改正には 一定の期間の経過措置が設けられております つまり 平成 25 年 4 月 1 日以降であっても直ちに希望者全員を 歳まで再雇用

( 様式第 1 号 ( 共通 )) 共通事項 ( 事業所情報欄 ) 1 事業主名 ( - ) 2 事業所住所 3 電話番号 ( ) 5 雇用保険適用 - 事業所番号 4 事業所の 担当者 - 都道府県所掌管轄基幹番号枝番号 6 労働保険番号 - ( 代理人 社会保険労務士による提出代行者または事務代

目次 問 1 労使合意による適用拡大とはどのようなものか 問 2 労使合意に必要となる働いている方々の 2 分の 1 以上の同意とは具体的にどのようなものか 問 3 事業主の合意は必要か 問 4 短時間労働者が 1 名でも社会保険の加入を希望した場合 合意に向けての労使の協議は必ず行う必要があるのか

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平均賃金を支払わなければならない この予告日数は平均賃金を支払った日数分短縮される ( 労基法 20 条 ) 3 試用期間中の労働者であっても 14 日を超えて雇用された場合は 上記 2の予告の手続きが必要である ( 労基法 21 条 ) 4 例外として 天災事変その他やむを得ない事由のために事業の

Transcription:

参考 2 事業主のみなさまこんな労務管理 していませんか? このパンフレットでは 事業主の方が陥りやすい事例とともに 守っていただく必要のある主なルールを 分かりやすく紹介しています P7 には相談窓口等もご紹介していますので ご利用ください 1 労働条件について 契約締結時に労働条件は示さず 労働条件は 労働者の働きぶりを見てから決めている 労働条件は口頭で伝えているから 紙では渡していない 労働条件は 賃金と労働時間だけを伝えている 労働契約の締結時に 労働者に労働条件を明示しなければなりません 参考 労働基準法第 15 条の内容使用者と労働者の雇用関係は 労働契約を締結することで始まります 労働契約を結ぶにあたっては 使用者は労働者に対して 賃金や労働時間など一定の労働条件を必ず明示しなければなりません 特に以下の項目については 労働者に対して書面での交付により明らかにしなければなりません 労働条件 以下の労働条件を 労働者に書面で交付しなければなりません 記載が必要な事項 1 契約はいつまでか 労働契約の期間に関すること 2 3 4 期間の定めのある労働契約の更新についてのきまり 労働者がどこでどのような仕事をするのか 仕事の時間や休みはどうなっているか 更新があるかどうか 更新する場合の判断の仕方等 勤務の場所および従事する業務 仕事の始めと終わりの時刻 残業の有無 休憩 休日 休暇 交代制勤務のローテーション等 5 賃金はどのように支払われるのか 賃金の決定 計算と支払いの方法 締切と支払日の時期 6 労働者が辞めるときのきまり 退職に関すること ( 解雇の事由を含む ) 参考 労働基準法第 14 条の内容上表の 1 については 労働契約を締結するときに 期間を定める場合と期間を定めない場合があります 期間を定める場合は 原則として 3 年を超えてはなりません - 1 -

2 就業規則について 労働条件は個別に労働者に説明しているため 就業規則は作成していない 常時雇用している労働者が 10 人未満の場合は除く 就業規則について 使用者が一方的に作成しており 労働者からの意見は聴いていない 就業規則を作っているものの 担当者が管理しており 労働者が自由に見られるようになっていない 就業規則 の役割は重要です 常時 10 人以上の労働者を使用する事業場では 必ず作成しなければなりません 職場で守るべきルールを明確に定め ルールを職場の全員が守ることで 労働者は安心して働くことができ また無用のトラブルを防ぐことができます 参考 労働基準法第 89 条の内容常時 10 人以上の労働者を使用する事業場は 必ず就業規則を作成し 労働基準監督署に届け出なければなりません 就業規則 には 以下の事項を必ず記載しなければなりません また 就業規則 の作成 変更の際は 必ず労働者代表 の意見を聴かなければなりません 1 2 3 就業規則 に記載が必要な事項 始業および終業の時刻 休憩時間 休日 休暇 労働者を 2 組以上に分けて交代で働かせる場合の 交代の日や順序などに関する事項 賃金に関する事項 退職に関する事項 労働者代表とは 労働者代表 とは 1 事業場に労働者の過半数で組織する労働組合がある場合にはその労働組合 2 そのような労働組合がない場合には労働者の過半数を代表する者とされています 参考 労働基準法第 90 条の内容就業規則の作成 変更をする際には 必ず労働者代表の意見を聴かなければなりません また 届出の際には この意見を記した書面を添付してください 就業規則 の内容は 法令や労働協約に反してはなりません 就業規則 は すべての労働者に周知しなければなりません 参考 労働基準法第 106 条の内容就業規則は 作業場の見やすい場所に常時掲示するか備え付ける 労働者に配布するなどの方法により 周知しなければなりません - 2 -

3 賃金について 試用期間中は 最低賃金を下回る額を払っている アルバイトの高校生には 親に言われたので 賃金を親に支払っている 口論になって退職した労働者に対して 労働者が謝罪に来るまで賃金を支払わない 使用者は事業場ごとに賃金台帳を作成し すべての労働に対して最低賃金額以上の額を支払わなければなりません 賃金の決定の仕方やその額については 使用者と労働者が対等の立場で決定するのが基本ですが 上記の点に気をつけなければなりません 参考 労働基準法第 11 条の内容賃金とは 賃金 給料 手当 賞与その他名称の如何を問わず 労働の対償として使用者が労働者に支払うすべてのもの をいいます 参考 最低賃金法第 4 条の内容使用者は 労働者に対し 最低賃金額以上の賃金を支払わなければなりません 参考 労働基準法第 108 条の内容使用者は 事業場ごとに賃金台帳を作成し 労働者ごとに労働日数や労働時間数 賃金の額などを記入しなければなりません 賃金は 現金 ( 通貨 ) で 労働者本人に 全額を 毎月 1 回以上一定期日を決めて支払わなければなりません 賃金の支払い方については 法令や労使協定などにおいて定めがある場合を除いて 上記の点に気をつけなければなりません 参考 労働基準法第 24 条の内容賃金が 全額確実に労働者に渡るように 次の 4 つの原則が定められています 1 通貨払いの原則 : 賃金は現金 ( 通貨 ) で支払わなければならず 現物で支払ってはいけません ただし 労働者の同意を得た場合には 銀行振込み等の方法によることができ また 法令又は労働協約で定めた場合には通貨以外で支払うことができます 2 直接払いの原則 : 賃金は労働者本人に支払わなければならず 労働者の代理人や親権者等に代わりに支払うことはできません 3 全額払いの原則 : 賃金はその全額を支払わなければならず 強制的に賃金の一部を控除 ( 天引き ) して支払うことが禁止されています ただし 所得税や社会保険料など法令で定められているものや それ以外の控除 ( 社宅や組合費 社内預金等 ) は 労使協定を結んでいる場合は可能です 4 毎月 1 回以上定期払いの原則 : 賃金は 毎月 15 日 というように 毎月 1 回以上一定期日を定めて支払わなければなりません ( 臨時の賃金や賞与は例外 ) - 3 -

4 労働時間 ( 時間外 休日労働含む ) について 36( サブロク ) 協定 を締結し届け出ていないが 1 日 9 時間 1 週合計で 50 時間働かせた 月 45 時間を限度時間とする 36 協定を結んでいるが 突発的な対応があったので 月 60 時間の時間外労働をさせた 特別条項付きの 36 協定を結んでいるが 特別条項に定める延長時間まで達する時間外労働が 10 ヶ月連続している 時間外労働や深夜時間帯の労働にも 通常時間帯の時給で賃金を支払っている 労働時間を把握せず 結果として未払賃金が発生した 労働時間の長さは法律で制限されており 労働基準法では 原則として 1 日の労働時間を 8 時間以内 1 週間の労働時間を 40 時間以内 ( 法定労働時間 ) と定められています 商業 サービス業で 常時 10 人未満の労働者を使用する事業は週 44 時間以内 ( 労働基準法第 40 条 ) 業務の能率 生産性の向上のため また 労働者の生活の充実 向上のためにも 労働時間や休日などを適正に管理することが必要です また 法定の労働時間を超えて働かせる場合には 一定の手続きや割増賃金の支払いが必要です 法定労働時間を超えて時間外や休日に労働者を働かせる場合には 36( サブロク ) 協定を締結し 労働基準監督署に届け出なければなりません 法定労働時間を超えて時間外や休日に労働者を働かせる場合には あらかじめ労働者の過半数を代表する者又は過半数労働組合との間に 時間外労働 休日労働に関する協定 ( いわゆる 36[ サブロク ] 協定 ) を締結し 労働基準監督署に届け出なければなりません 36( サブロク ) 協定により延長できる労働時間については 厚生労働大臣が定める 時間外労働の限度に関する基準 ( 厚生労働省告示 ) において上限時間が示されており 協定内容はこの基準に適合するようにしなければなりません ( 原則月 45 時間 年 360 時間 ) ただし この限度基準には例外があり 特別の事情 が生じた時に限り 限度時間を超える一定の延長時間の協定が可能です ( 特別条項付協定 ) 特別な事情 は 臨時的なものに限る こととされており 臨時的なもの とは一時的または突発的に時間外労働を行わせる必要のあるものであって 全体として 1 年の半分を超えないことが見込まれるものをいいます 使用者が 労働者に時間外労働や休日労働をさせた場合には 必ず下記の割増賃金を支払わなければなりません 1 法定労働時間を超えて働かせた時 ( 時間外労働 ) は 25% 以上割増 2 法定休日に働かせた時 ( 休日労働 ) は 35% 以上割増 3 午後 10 時から午前 5 時までの深夜に働かせた時 ( 深夜労働 ) は 25% 割増 例 法定労働時間外の労働かつ深夜労働であった場合(1+3) には 支払う賃金は50% 以上割増となります この割増賃金は パートタイム労働者やアルバイトにも支払わなければなりません - 4 -

5 休憩 休日について 来客当番中の時間を休憩時間として扱っている 勤務終了後に 1 時間休憩室で待機させ その時間を休憩としている 1 週間で 2 日半休の日を設定し 休日を付与したことにしている 以下の休憩を 勤務時間の途中で一斉に与えなければなりません 1 日の労働時間が 6 時間を超える場合には少なくとも 45 分 8 時間を超える場合には 少なくとも 60 分また その時間を労働者が自由に利用できることが必要です 参考 労働基準法第 34 条の内容使用者は 1 日の労働時間が 6 時間を超える場合には少なくとも 45 分 8 時間を超える場合には 少なくとも 60 分の休憩を勤務時間の途中で与えなければなりません 一斉付与 自由利用の原則 休憩時間は 原則として 勤務時間の途中で 一斉に与え かつ 自由に利用させなければなりません ( ただし 労使協定を締結することにより この一斉付与の原則が適用除外となります ) したがって 労働者が休憩中でも電話や来客の対応をするように指示されていれば それは休憩時間ではなく労働時間になります 以下の日数の休日を 必ず与えなければなりません 毎週少なくとも 1 回 あるいは 4 週間を通じて 4 日以上 参考 労働基準法第 35 条の内容労働契約において労働義務を免除されている日のことを休日といいます 使用者は労働者に毎週少なくとも 1 回 あるいは 4 週間を通じて 4 日以上の休日を与えなければなりません ( 法定休日 ) 1 週間の中で何曜日を休日としても 週によって休日の曜日が異なってもかまいません 休日は 原則として継続 24 時間の暦日で与えなければなりません 1 日のうち たとえ 1 時間ほどの短い時間であったとしても 業務に就かせると その日は休日を与えたことにはなりません ( 法定休日であれば 休日労働となります ) ~ 労働時間の適正な把握のために ~ 労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン 36 協定の延長可能時間を守り 割増賃金を不足なく支払うためにも 労働者の労働時間を適正に把握する必要があります 労働時間の定義や 労働時間の適正な把握 管理の方法については 厚生労働省ホームページに掲載の 労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン も参考にしてください http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/roudouzikan/070614-2.html - 5 -

6 年次有給休暇について フルタイムの 2 年目正社員に対しては 7 日の年次有給休暇を付与している 年次有給休暇を労働者が取得した日については 一律通常の賃金の 3 分の 1 の賃金を支払っている 入社後 1 年目までの社員やパート アルバイトには 年次有給休暇がない 16 ヶ月継続勤務し 2 所定労働日の 8 割以上出勤した労働者には 最低 10 日間の年次有給休暇を与えなければなりません 年次有給休暇の付与日数 ( 一般の労働者 ) 勤続年数 6 か月 1 年 6 か月 2 年 6 か月 3 年 6 か月 4 年 6 か月 5 年 6 か月 6 年 6 か月 付与日数 10 日 11 日 12 日 14 日 16 日 18 日 20 日 参考 労働基準法第 39 条の内容一定の要件を満たした労働者に対して 使用者が年次有給休暇を与えることを義務づけています 年次有給休暇の付与要件は 16 ヶ月継続勤務し 2 所定労働日の 8 割以上を出勤することで この要件を満たした労働者には 最低 10 日間の年次有給休暇を付与しなければなりません その後 勤続年数が増えていくと 8 割以上の出勤の要件を満たしている限り 1 年ごとに取れる休暇日数は増えていきます (20 日が上限 ) 年次有給休暇は 原則として労働者の指定する時季に与え 就業規則などで定める以下の金額を支払わなければなりません 1 平均賃金 2 通常の賃金 3 労使協定により 健康保険法に定める標準報酬日額に相当する金額 のいずれか 時季変更権について 年次有給休暇は 原則として労働者の指定する時季に与えなければなりません しかし 業務繁忙であったり 多数の労働者の休暇が重なるなど 指定の時季に年次有給休暇を与えることが事業の正常な運営を妨げる場合には 使用者は他の時季に変更することができます アルバイトやパートタイム労働者でも 16ヶ月の継続勤務 2 所定労働日の8 割以上の出勤 3 週 5 日以上の勤務の3 要件を満たせば 通常の労働者と同じ有給休暇を付与しなければなりません なお 週の所定労働日が 4 日以下で 週の所定労働時間が 30 時間未満の場合でも その所定労働日数に応じた年次有給休暇を付与しなければなりません 年次有給休暇の付与日数 ( 週所定労働時間が 30 時間未満の労働者 ) 週所定労働日数 年間所定労働日数 勤続年数 6 か月 1 年 6 か月 2 年 6 か月 3 年 6 か月 4 年 6 か月 5 年 6 か月 6 年 6 か月 4 日 169~216 日 7 日 8 日 9 日 10 日 12 日 13 日 15 日 3 日 121 日 ~168 日 5 日 6 日 6 日 8 日 9 日 10 日 11 日 2 日 73 日 ~120 日 3 日 4 日 4 日 5 日 6 日 6 日 7 日 1 日 48 日 ~72 日 1 日 2 日 2 日 2 日 3 日 3 日 3 日 - 6 -

労働条件に関するルールについての相談窓口 労働基準監督署 賃金 労働時間 安全衛生などについての監督 指導 労働基準関係法令に基づく許可 認可などの事務を行っています また 平成 30 年 4 月から 労働時間相談 支援コーナー を設置して 主に中小企業の事業主の方を対象として 労働基準関係法令に関する知識や労務管理体制について 丁寧な相談対応を行っています 労働基準監督署の所在地や連絡先については 下記ホームページをご覧ください http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/ koyou_roudou/roudoukijun/location.html/ 労働条件相談ほっとライン 労働基準監督署所在案内検索 違法な時間外労働 過重労働による健康障害 賃金不払残業などの労働基準関係法令に関する問題について 専門知識を持つ相談員が 法令 裁判例などの説明や各関係機関の紹介などを行う無料電話相談です フリーダイヤル 0120-811-610( はい! ろうどう ) 受付時間 :( 平日 )17 時 ~22 時 ( 土 日 )9 時 ~21 時 労働条件について確認できるポータルサイト 確かめよう労働条件 労務管理に関する Q&A 法令や制度や相談機関の紹介など 労働条件に関する情報を分かりやすく掲載しています 詳細については 下記ホームページをご覧ください http://www.check-roudou.mhlw.go.jp/ スタートアップ労働条件 募集 採用 労働契約の締結 就業規則 賃金 労働時間 年次有給休暇 などの 6 項目について 設問に回答することで 自社の労務管理 安全衛生管理などの問題点を診断することができます また 入力フォームに必要事項を記入することで 労働基準監督署に届出が可能な 36 協定届や 1 年単位の変形労働時間制に関する協定届などを作成することができる支援ツールも用意しています 詳細については 下記ホームページをご覧ください http://www.startup-roudou.mhlw.go.jp/ 厚生労働省都道府県労働局労働基準監督署 - 7 -