目次 ( スライド No) 1. 原子力発電所における安全確保の取り組み 1 2. 原子力災害発生時における原子力事業者の支援の枠組み 2 (1) 原子力緊急事態支援センターによる支援 3 (2) 原子力事業者間協力協定に基づく支援 5

Similar documents
島根原子力発電所原子力事業者防災業務計画の届出について

reference3

untitled

原子力安全推進協会 (JANSI) のミッション 日本の原子力産業界における 世界最高水準の安全性の追求 ~ たゆまぬ最高水準 (Excellece) の追求 ~ ミッション達成のための取組み ( 原子力防災関係 ) 〇安全性向上対策の評価と提言 勧告及び支援 過酷事故 (SA) 対策の評価 〇原子

<4D F736F F D208CB48E7197CD8E968BC68ED296688DD08BC696B18C7689E E7C816A E31322E DC58F4994C5817A>

表紙 NRA 新規制基準概要

別紙 1 防災訓練結果報告の概要 1. 訓練の目的本訓練は 核物質管理センター六ヶ所保障措置センター原子力事業者防災業務計画第 2 章第 5 節第 2 項 防災訓練 に基づき 原子力災害を想定した総合訓練を実施することで 原子力防災組織が有効に機能することを確認する 訓練後は訓練モニターの評価結果

sankou5

第 6 節原子力事業者防災業務計画の修正第 2 章原子力災害予防対策の実施第 1 節防災体制第 2 節原子力防災組織の運営第 3 節放射線測定設備及び原子力防災資機材の整備第 4 節応急措置及び原子力災害対策活動で使用する資料の整備第 5 節応急措置及び原子力災害対策活動で使用 利用する施設及び設備

<4D F736F F D C835895B B95B6816A817A959F938791E688EA8CB48E7197CD94AD93648F8A8E968CCC82F093A582DC82A682BD8CB48E7197CD8DD08A518E9E82CC8F8993AE91CC90A C98C5782E992C789C188C CE8DF

( 社会福祉施設用作成例 ) (4) 施設管理者は, 緊急時連絡網により職員に連絡を取りましょう (5) 施設管理者は, 入所者の人数や, 避難に必要な車両や資機材等を確認し, 人員の派遣等が必要な場合は, 市 ( 町 ) 災害対策本部に要請してください (6) 避難先で使用する物資, 資機材等を準

Microsoft PowerPoint - 別紙.pptx

id5-通信局.indd

<4D F736F F F696E74202D E9197BF31817A8CB48E7197CD91CE8DF482C98AD682B782E990A CC8FF38BB582C982C282A282C42E

はじめに 当社は, 福島第一原子力発電所事故以降, 志賀原子力発電所の安全性確保のため, 電源車や消防車の配備, 防潮堤 防潮壁の設置, 緊急時対策棟の設置など, 安全強化策を実施するとともに, 新規制基準も踏まえ, さらに安全性を向上させる施策の工事を実施してきております 1 また, 万が一原子力

10 地震 火山噴火対策等の推進について 近年 我が国は様々な災害に見舞われている 東日本大震災後も 平成 28 年の熊本地震 本年 6 月の大阪府北部地震及び9 月の北海道胆振東部地震など大規模な地震が発生し 多大な人的 物的被害が発生した 地方公共団体においては 突然発生する大規模自然災害に備え

中部電力グループ アニュアルレポート2012

2 地震 津波対策の充実 強化 (1) 南海トラフ地震や首都直下地震の被害想定を踏まえ 地震防災上緊急に整備すべき施設整備 津波防災地域づくりに関する法律 の実効性確保 高台移転及び地籍調査の推進など事前防災や減災に資するハード ソフトの対策を地方公共団体が重点的に進めるための財政上の支援措置を講じ

目次 Ⅰ. 監視測定設備 3 Ⅱ. 監視測定等に関する手順 9

第 1 章実施計画の適用について 1. 実施計画の位置づけ (1) この 南海トラフ地震における具体的な応急対策活動に関する計画 に基づく宮崎県実施計画 ( 以下 実施計画 という ) は 南海トラフ地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法 ( 平成 14 年法律第 92 号 以下 特措法 と

資料1 受援計画策定ガイドラインの構成イメージ

「原子力災害対策充実に向けた考え方」に係る事業者の取り組みについて

<4D F736F F D F96688DD08C5097FB95F18D908F E7C88C481698DC58F4994C5816A>

「原子力災害対策充実に向けた考え方」に係る事業者の取り組みについて

安全防災特別シンポ「原子力発電所の新規制基準と背景」r1

原子力の安全性向上に向けた  取り組みについて

福島第一原子力発電所事故を踏まえた安全性向上対策 1 H 福島事故を踏まえた安全性向上対策実行計画等 緊急対策 応急対策 追加対策 シヒ アアクシテ ント対策 H ソフト面等の安全対策実行計画 ソフト面の対策 ハード面の対策 主な対策内容 電源車の配備 消防ホ ンフ 消火

Microsoft Word - HPI-2604福岡県警察原子力災害対策警備措置要領の制定について(通達)

資料2

福島復興再生特別措置法の一部を改正する法律 について <1. 特定復興再生拠点区域の復興及び再生を推進するための計画制度の創設 > 従来 帰還困難区域は 将来にわたって居住を制限することを原則とした区域 として設定 平成 29 年 5 月復興庁 地元からの要望や与党からの提言を踏まえ 1 帰還困難区


アンケート調査の概要 目的東南海 南海地震発生時の業務継続について 四国内の各市町村における取り組み状況や課題等を把握し 今後の地域防災力の強化に資することを目的としてアンケート調査を実施 実施時期平成 21 年 11 月 回答数 徳島県 24 市町村 香川県 17 市町 愛媛県 20 市町 高知県

放医研とは 日本で唯一 世界をリードする かつ 放射線医学の総合的な研究機関 放射線をよく知り 放射線から人の体を守り 放射線により病気を治す 2

大規模イベント開催時の危機管理等における消防機関のあり方に関する研究結果について ( 概要 ) 研究の趣旨 現在 国際社会では各地で多様な形態のテロが発生し また NBCテロ災害等 特別な備えが必要となる事案が発生する恐れも増してきている 2019 年のラグビーワールドカップ 2020 年のオリンピ


1 検査の背景 平成 23 年 3 月の東京電力株式会社福島第一原子力発電所における事故後 原子力防災の体制が見直され 原子力災害対策の内容が拡充されるとともに 原子力災害対策に係る施設等の整備等を実施する立地道県等に対する国の財政支援の規模が拡大している そして 27 年 8 月に九州電力株式会社

Commissariat à l’énergie atomique

「南九州から南西諸島における総合的防災研究の推進と地域防災体制の構築」報告書

奈良県ライフライン 情報共有発信マニュアル 第 3.3 版 平成 24 年 7 月 奈良県ライフライン防災対策連絡会

(溶け込み)大阪事務所BCP【実施要領】


厚生労働科学研究費補助金

公開シンポジウム「安全な原子力であることの要件-福島原子力事故の教訓-」講演資料

油漏洩 防油堤内 にて火災発生 9:17 火災発見 計器室に連絡 ( 発見 者 計器室 ) 発見後 速やかに計 器室に連絡してい る 出火箇所 火災の状況及び負傷者の発生状況等を確実に伝え 所内緊急通報の実施 火災発見の連絡を受 けて速やかに所内 緊急通報を実施し 水利の確保 ( 防災セ ンター 動

目次第 1 章総則 1 第 1 節原子力事業者防災業務計画の目的 1 第 2 節定義 1 第 3 節原子力事業者防災業務計画の基本的な考え方 4 第 4 節原子力事業者防災業務計画の運用 5 第 5 節原子力事業者防災業務計画の修正 5 第 2 章防災体制 6 第 1 節防災体制 6 1 緊急時体制

まさしく先人から引き継いだ電力社員のスピリッツそのものであります 未だに余震も発生しておりますが 九州電力においては 引き続き 電力供給に最善を尽くすとともに 電事連といたしましても 必要な支援は速やかに実施してまいりたいと考えております 4 月から小売全面自由化が始まり 電力各社はお互いがライバル

新規制基準適合性審査と避難計画策定をめぐる経緯と課題

平成 19 年 7 月 20 日付, 経済産業大臣からの指示文書 平成 19 年新潟県中越沖地震を踏まえた対応について ( 指示 ) ( 平成 原第 1 号 ) に基づき, 浜岡原子力発電所 ( 以下, 発電所 という ) における自衛消防体制の強化ならびに迅速かつ厳格な事故報告体

防災業務計画 株式会社ローソン

原子力規制委員会設置法案に対する附帯決議

防災業務計画(第3編 東海地震防災強化計画)

とを目指す必要がある このためには以下の10 領域における政策課題に取組む必要がある また 分類 Ⅳに分類される意見に基づく場合であっても 原子力施設の廃止措置やこれまで原子力発電の利用に伴い発生した放射性廃棄物の処分の取組に関するこれらの領域における政策課題に取組まなければならない (1) 福島第

<4D F736F F D FA967B8CB A E9197BF F18D908F91967B95B681694D BD896694C5816A >

研究炉班 : 審査会合 (28 回実施 ) ヒアリング (111 回実施 ) 地震津波班 : 審査会合 (33 回実施 ) ヒアリング (73 回実施 ) 新規制基準対応の想定スケジュール (HTTR) 設置変更許可申請 : 平成 26 年 11 月 26 日 第 1 回 : 平成 28 年 10

原災法第 15 条第 2 項に規定する原子力緊急事態宣言 ( 以下 原子力緊急事態宣言 という ) の発出に基づき 直ちに避難を実施するなど放射性物質の環境への放出前の段階から予防的に防護措置を準備する区域をいう (2) 緊急時防護措置を準備する区域 (UPZ) 原子力施設の緊急事態区分に応じた緊急

<4D F736F F D E9197BF A82C682E882DC82C682DF88C42E646F63>

<4D F736F F D F938791E688EA8CB494AD8AD68C5794ED8A5195F1817A91E F E332E31318E4F97A489AB926E906B2E646F63>

目次 はじめに P3 1 災害 緊急の範囲 P3 2 時間と場所を考慮した対応の必要性 P3 3 時間ごとの対応 P4 4 場所ごとの対応 P5 5 デジタルサイネージの提供コンテンツ P6 6 緊急時を意識したデジタルサイネージシステム P6 7 情報の切替 復帰の条件 P7 8 緊急運用体制 P

1. 東京電力福島第一原子力発電所事故以前の安全規制への指摘 外部事象も考慮したシビアアクシデント対策が十分な検討を経ないまま 事業者の自主性に任されてきた ( 国会事故調 ) 設置許可された原発に対してさかのぼって適用する ( バックフィット といわれる ) 法的仕組みは何もなかった ( 国会事故

Microsoft Word - 02.H28秋 重点提言本文【合本】1110.doc


資料 1-4 廃棄物対策に関わる対応状況について 資料 福島第一原子力発電所固体廃棄物の保管管理計画 ~2018 年度改訂について~ 2018 年 8 月 23 日 東京電力ホールディングス株式会社

電力土木報告書.indb

学んで、考えてみよう 除染・放射線のこと 使い方

02一般災害対策編-第3章.indd

福井県地域防災計画(原子力防災編)の修正案の概要

原子力規格委員会シンポジウム平成 26 年度活動報告 原子力発電所緊急時対策指針 (JEAG ) の改定について 平成 27 年 6 月 4 日 ( 一社 ) 日本電気協会原子力規格委員会 運転 保守分科会 緊急時対策指針検討会

< F2D817991E F1817A8C46967B2E6A7464>

< F2D E968CCC8DD08A5191CE8DF495D281458D718BF38DD0>

浜岡原子力発電所 防災訓練実施結果の報告について

第 5 部 南海トラフ地震防災対策推進計画


Microsoft Word - 16 基礎知識.pdf

事業継続計画(BCP)作成用調査ワークシート

(3) 設備復旧対策事例 ~ 基地局及びエントランス回線通信事業者各社で取り組んだ主な基地局あるいはネットワーク設備復旧対策としては 光ファイバー 衛星回線 無線 ( マイクロ ) 回線の活用による伝送路の復旧や 山頂などへの大ゾーン方式 ( 複数の基地局によるサービスエリアを1つの大きなゾーンとし

政府と福島県が相互の動向を把握していなかった福島県が独自に半径 2km圏内に避難指示を出した30 分後に政府が半径 3km圏内に避難指示 住民への情報伝達の困難防災行政無線の回線不足や地震 津波による通信機器の損壊 緊急時モニタリング実施できず使用できたのは24か所のモニタリングポスト中 1か所モニ

降下物中の 放射性物質 セシウムとヨウ素の降下量 福島県の経時変化 単位 MBq/km2/月 福島県双葉郡 I-131 Cs Cs-137 3 8,000,000 環境モニタリング 6,000,000 4,000,000 2,000,000 0 震災の影響等により 測定時期が2011年7

525 人 ( 県内避難者 8 万 4671 人, 県外避難者 4 万 5854 人 ) となっている 福島第一原発事故は, まさしく, 重大な人権侵害である (2) 福島第一原発事故前にも, 原子炉施設の設置許可においては 災害の防止上支障がないこと であることが要件とされてきた ( 平成 24

1 海水 (1) 平成 30 年 2 月の放射性セシウム 海水の放射性セシウム濃度 (Cs )(BqL) 平成 30 年 平成 29 年 4 月 ~ 平成 30 年 1 月 平成 25 ~28 年度 ~0.073 ~ ~0.

新旧対照表

原子力災害対策指針の改悪に反対しよう 毎時 20μSv( 一時移転の基準 ) を計測しても 1 日がまん SPEEDI 等の予測的手法は使わず 実測値による避難指示 被ばく前提の避難 30 km圏外のプルーム対策 (PPA) は必要なし 屋内退避のみ安定ヨウ素剤の準備も不要子どもや妊婦の基準もなし

滋賀県緊急時モニタリング計画

1. 東北地方太平洋沖地震 発生日時 :2011 年 3 月 11 日 14:46 発生場所 : 三陸沖 ( 北緯 38.1 度, 東経 度 ) 深さ : 24 km マグニチュード : 9.0 震度 ( 気象庁発表 ): 楢葉町 富岡町 大熊町 双葉町で震度 6 強 震源位置と原子力発

2

技術等検討小委員会 ( 第 2 回 ) 資料第 1 号 原子力発電所の 事故リスクコスト試算の考え方 原子力発電 核燃料サイクル技術等検討小委員会 ( 第 2 回 ) 平成 23 年 10 月 13 日 内閣府原子力政策担当室

目 次 はじめに 1 Ⅰ 福島第一原子力発電所における固体廃棄物貯蔵庫について 1 固体廃棄物貯蔵庫第 9 棟増設の目的と計画 2 (1) 固体廃棄物貯蔵庫第 9 棟増設の目的 (2) 固体廃棄物貯蔵庫第 9 棟増設の計画 2 固体廃棄物貯蔵庫第 9 棟増設に関する安全性 4 (1) 周辺地域への放

<4D F736F F D DA18CE382CC A835E838A F95FB906A89FC92E888C BD A2E646F63>

( 県の責務 ) 第三条県は 地震防災に関する総合的な施策を策定し 及びこれを実施する責務を有する 2 県は 市町村 自主防災組織その他防災関係機関等と連携して 地震防災対策を推進しなければならない 3 県は 地震に関する調査及び研究を行い その成果を県民 事業者及び市町村に公表するとともに 地震防

自衛隊の原子力災害派遣に関する達

再生可能エネルギーの全量買取に 関するプロジェクトチームについて

平成 28 年熊本地震における対応 平成 28 年熊本地震 ( 前震 :4/14 本震 :4/16) において 電力 ガス等の分野で供給支障等の被害が発生 関係事業者が広域的な資機材 人員の融通を実施するなど 迅速な復旧に努めた結果 当初の想定よりも 早期の復旧が実現 また 復旧見通しを早い段階で提

北海道緊急時モニタリング計画の一部修正及び 緊急時環境放射線モニタリング実施要領全部修正の ポイント 1 北海道緊急時モニタリング計画の一部修正のポイント 1 北海道地方放射線モニタリング対策官の配置に伴う記載の追加 2 道の緊急時モニタリング班の体制を追加 3 情報収集事態のモニタリング活動を追加

Taro-309 緊急事態における新潟県警察の組織に関する要綱の制定について(例規通達)

資料 4 廃止措置施設における 保障措置について 2019 年 4 月 24 日 Copyright CHUBU Electric Power Co.,Inc. All Rights Reserved. 1

各部会の活動状況予定200505

目次 第 1 ガイドラインの目的 第 2 避難計画作成に当たっての留意事項 第 3 避難計画の内容等 ( 避難計画の作成例 )

東京事務所版 BCP 実施要領目次応急頁 < 第 1グループ> 直ちに実施する業務 1 事務所における死傷者の救護や搬送 応急救護を行う一時的な救護スペースの設置 運営 備蓄の設置 医療機関への搬送 1 2 事務所に緊急避難してきた県民や旅行者等への対応 避難 一次避難スペースの運営 指定避難所への

<4D F736F F D DB8CAF97BF8CB896C68B4B91A B6>

2. 主要な政策課題領域原子力発電の利用に関する意見が分類 Ⅰ Ⅱ Ⅲのいずれに分類されるものであっても 国民に安心をもって原子力発電の利用を受け入れていただくことを目指す必要がある このためには以下の10 領域における政策課題に取組む必要がある また 分類 Ⅳに分類される意見に基づく場合であっても

<ハード対策の実態 > また ハード対策についてみると 防災設備として必要性が高いとされている非常用電源 電話不通時の代替通信機能 燃料備蓄が整備されている 道の駅 は 宮城など3 県内 57 駅のうち それぞれ45.6%(26 駅 ) 22.8%(13 駅 ) 17.5%(10 駅 ) といずれも

Transcription:

資料 2 原子力事業者における防災対策への取り組みについて 2014 年 9 月 19 日電気事業連合会

目次 ( スライド No) 1. 原子力発電所における安全確保の取り組み 1 2. 原子力災害発生時における原子力事業者の支援の枠組み 2 (1) 原子力緊急事態支援センターによる支援 3 (2) 原子力事業者間協力協定に基づく支援 5

1. 原子力発電所における安全確保の取り組み 1 新規制基準を踏まえ 安全確保に万全を期すための対策を講じるとともに 更なる安全性向上を目指した自主的取り組みを推進 加えて 緊急時対策所などの重要拠点の機能強化 訓練の強化 充実など 万が一の事態に備えた防災対策を強化 業界全体においても 原子力緊急事態支援センターならびに原子力事業者間協力協定に基づいた支援体制を構築 過酷事故発生防止対策の推進 原子力防災対策の強化 福島第一原子力発電所事故 緊急安全対策 電源の確保 ( 電源車の配備 ) 冷却確保 ( 消防ポンプ等の配備 ) 浸水対策 ( 配電盤 バッテリー ポンプ ) 新規制基準 設計基準の強化自然現象 ( 火山 竜巻等 ) への対応火災防護対策内部溢水対策 シビアアクシデント対策フィルタ付ベント設備の設置 テロ対策航空機衝突への対応 自主的取り組み PRA の活用 原子力リスク研究センターの設置 万一の備え 原子力事業者 ( 個社 ) の取り組み 発電所の緊急時対策所の機能強化 本社 ( 本部 ) の原子力災害対策本部の機能強化 後方支援拠点の確保 災害発生時における手順書の充実 訓練の強化 充実 業界全体の取り組み 原子力緊急事態支援センターによる支援 P3~ 原子力事業者間協力協定に基づく支援 P5~

2. 原子力災害発生時における原子力事業者の支援の枠組み 2 原子力災害 ( 特定事象 ) が発生した際の災害収束活動 ( オンサイト活動 ) は 発災事業者の一義的責任の下で実施 加えて 原子力緊急事態支援センターから資機材を送り込み 発災事業者の収束活動を支援 発災事業者の支援要請により 原子力事業者間協力協定に基づき 住民避難支援活動 ( オフサイト活動 ) 等の後方支援を実施 発災事業者 ( オンサイト活動 ) 発災事業者以外の原子力事業者 国 自治体 ( オフサイト活動 ) トラブル発生 特定事象発生 ( 原災法 10 条 ) 緊急事態宣言 ( 原災法 15 条 ) 炉心損傷 放射性物質の環境への放出 支援要請 特定事象発生の連絡 災害対策本部設置 災害対応要員参集 派遣 応急復旧対策の立案 実施等 応急復旧対策の継続実施 例 : 電源の復旧 炉心の冷却手段の復旧 燃料プール冷却手段の復旧 水素爆発防止対策 瓦礫撤去等 原子力緊急事態支援センターとの協働による支援 偵察 作業用ロボット 除染資機材を送り込み 収束活動を支援 原子力事業者間協力協定による支援 環境放射線モニタリングや住民スクリーニング等の支援要員 資機材を派遣 住民避難の実施 安定ヨウ素剤の服用指示 周辺地域の環境放射線モニタリングおよび周辺地域の汚染検査 汚染除去など

2-(1) 原子力緊急事態支援センターによる支援の概要 3 電気事業連合会は 多様かつ高度な原子力災害対応を担う原子力緊急事態支援組織を 2015 年度目途に設立予定 設立までの期間は 原子力緊急事態支援センターを運営し 万が一の災害に備えた操作要員の養成や資機材の整備を実施 現時点で原子力災害が発生した場合は 本センターから 偵察用 作業用ロボット 除染資機材を送り込み 発災事業者の収束活動を支援 操作要員の訓練実績 (2014 年 8 月現在 ) 支援センター内での訓練 各原子力事業者の訓練生を受入れ ロボットの走行 ( 階段昇降等 ) マニュピレータ操作等の基本操作訓練や習熟度に応じた訓練 ( バルブ 制御盤 扉操作等 ) を実施 訓練実績 : 延べ約 450 名 原子力緊急事態に備えた訓練 事業者が行う原子力防災訓練へ参加し 発電所での基本操作訓練や 実輸送訓練を実施 参加実績 : 約 20 回 保有する資機材 (2014 年 8 月現在 ) 災害対応用ロボット等 偵察用ロボット (4 台 ) 作業用ロボット(1 台 ) 除染資機材 シャワーテント 高圧洗浄機 現地活動用資機材 個人線量計 全面マスク 偵察用ロボット作業用ロボット シャワーテント

( 参考 ) 原子力緊急事態支援組織の概要 4 現在 日本原電が準備主体となり 原子力緊急事態支援組織 基本構想 (2013 年 10 月公表 ) に沿って詳細検討中 拠点候補地 ( 福井県美浜町 ) における地質調査結果を踏まえ 用地の利用 開発に向けた許認可手続き ( 農地転用許可申請 開発行為許可申請 ) を実施 (2014 年 9 月 10 日 ) 原子力緊急事態支援組織の概要 (2013 年 10 月公表 ) 基本的役割 実施事項 整備すべき資機材 要員数 主な施設 高放射線量下での作業員の被ばくを可能な限り低減するため 遠隔操作可能なロボット等の資機材を集中的に管理 運用 高度な災害対応を実施することにより 事故が発生した事業者の収束活動を支援 < 緊急時の活動 > 資機材の輸送 ロボット操作の支援 ( 発災事業者と協働 ) < 平常時 > 連絡体制の確保 (365 日 24 時間 ) と出動計画の整備 ロボット等の操作訓練 ( スキルの維持 向上 ) 必要な資機材の調達 維持管理 遠隔操作資機材 小型 中型ロボット 小型 大型無線重機 無人ヘリ ( 小型 UAV) 現地活動用資機材 放射線防護用資機材 放射線管理 除染用資機材 作業用資機材 一般資機材 搬送用車両 20 名程度 / 拠点 事務棟 屋内訓練棟 ロボット等保管庫 車両車庫 資機材保管庫 屋外訓練フィールド等

2-(2) 原子力事業者間協力協定に基づく支援の概要 5 原子力事業者は 万が一原子力災害発生した場合に備えて事業者間協力協定を締結 災害収束活動で不足する放射線防護資機材等の物的な支援を実施するとともに 環境放射線モニタリングや周辺地域の汚染検査等への人的 物的な支援を実施 名称 目的 原子力災害時における原子力事業者間協力協定 原子力災害の発生事業者に対して 協力要員の派遣 資機材の貸与等 必要な協力を円滑に実施するために締結 発効日 2000 年 6 月 16 日 ( 原子力災害対策特別措置法施行日 ) 締結者 協力活動の範囲 役割分担 原子力事業者 12 社北海道電力 東北電力 東京電力 中部電力 北陸電力 関西電力 中国電力 四国電力 九州電力 日本原子力発電 電源開発 日本原燃 原子力災害時の周辺地域の環境放射線モニタリングおよび周辺地域の汚染検査 汚染除去に関する事項について 協力要員の派遣 資機材の貸与その他の措置を実施 災害発生事業者からの要請に基づき 予めその地点ごとに定めた幹事事業者が運営する支援本部を災害発生事業所近傍に設置し 各社と協力しながら応援活動を展開 環境放射線モニタリング 住民スクリーニング 除染作業等への協力要員の派遣 (300 人 ) 資機材の貸与 主な実施項目 GM 管サーベイメータ (360 台 ) 個人線量計 (1,000 個 ) 全面マスク (1,000 個 ) タイベックスーツ (30,000 着 )

( 参考 ) 原子力事業者間協力協定の充実 6 協定内容は 福島第一原子力発電所事故の対応実績等を踏まえ 随時充実化 2014 年 9 月より 災害発生時の広域住民避難への対応として 協力事項に 住民避難支援 を明記 住民スクリーニング等に対応できるよう放射線測定要員等の派遣や資機材の提供を大幅に拡充 [ 要員数 :60 名 300 名 資機材 ( サーベイメータ ) の提供 :60 台 360 台 ] 原子力災害対策指針 を反映 ( 1) し 緊急事態区分の見直しや支援の発動タイミング ( 2) を早期化 1 緊急事態における原子力施設周辺の住民等に対する放射線の影響を最小限に抑える防護措置を確実なものとするため 原子力事業者 国 地方公共団体等が原子力災害対策に係る計画を策定する際や当該対策を実施する際等において 科学的 客観的判断を支援するために 専門的 技術的事項等について定めたもの 2 原子力災害対策指針において 環境放射線モニタリングの開始が原子力災害対策特別措置法第 15 条から第 10 条へと変更となったため 2000 年 6 月事業者間協定を締結 要員 :44 人 提供資機材 : GM 管サーベイメータ ダストサンプラー モニタリングカー 福島第一原子力発電所事故 要員の増員 提供資機材の充実 ( 放射線防護資機材の提供 ) 要員 :60 人 提供資機材 : GM 管サーベイメータ ダストサンプラー モニタリングカー 個人線量計 高線量対応防護服 全面マスク タイベックスーツ ゴム手袋など 住民避難支援明記 要員 提供資機材の拡大 原子力災害対策指針反映 要員数 :300 人 提供資機材 GM 管サーベイメータ ダストサンプラー モニタリングカー 個人線量計 高線量対応防護服 全面マスク タイベックスーツ ゴム手袋など 2000 年 2012 年 9 月 ~ 2014 年 9 月 ~

( 参考 ) 福島第一原子力発電所事故への支援実績 (1/2) 7 原子力事業者は 福島第一原子力発電所事故後 事業者間協力協定等に基づき 人的応援活動や物資の提供等の対応を実施 人的応援活動 事故直後から 2011 年 12 月まで 東京電力や国 地元自治体と連携し 住民の皆さまの一時帰宅等の際の 放射能スクリーニング検査 ( 1) 福島県内各地の環境放射線モニタリング ( 2) を実施 2011 年 4 月には 電気事業連合会内に 福島支援本部 を設置し これらの活動をサポート これまで一日で最大約 300 人 延べ 6 万人の人員を派遣 放射能スクリーニング検査の様子 物資の提供 事故直後から 全面マスク ( 約 1 千個 ) タイベックスーツ ( 約 1.6 万着 ) などの放射線防護機材や 放射線量の計測器 (GM サーベイメータ約 100 台 個人線量計約 600 台など ) など 復旧作業に必要な物資を提供 1 放射能スクリーニング検査 : 身体などの表面に放射性物質が付着しているかどうかを確認する検査のこと 2 環境放射線モニタリング : 環境にある放射線を定期的に検査して放射線量を測定すること 環境放射線モニタリングの様子

( 参考 ) 福島第一原子力発電所事故への支援実績 (2/2) 8 原子力事業者は 事業者間協力協定に基づく支援とは別に 福島県の除染作業や福島第一原子力発電所の汚染水問題の収束作業支援の取り組みを継続 除染専門家の派遣 2012 年 4 月から 環境省および福島県からの要請に基づいて 市町村 コミュニティ等が主催する除染作業現場へ 専門的知識を有する 除染専門家 をこれまで延べ約 80 名派遣し 除染方法の指導や線量測定を実施 環境省福島環境再生事務所への派遣 2014 年 3 月から環境省の要請に基づいて 福島第一原子力発電所周辺の除染加速化のため 12 名を派遣し 除染実施計画の策定や工事の発注 管理を実施 放射線管理要員の派遣 2013 年 11 月から 東京電力からの要請に基づき 福島第一原子力発電所内の水等の放射能管理 評価のために 11 名を派遣 水処理設備対応要員の派遣 2014 年 2 月から 東京電力からの要請に基づき 福島第一原子力発電所の汚染水処理設備の詳細設計 工事管理のために 6 名を派遣 福島市内での除染作業へ派遣

まとめ 9 原子力安全に一義的責任を有する原子力事業者といたしましては 発電所の安全確保に向け 新規制基準の適合等に全力を傾注するとともに 規制の枠組みに留まらず 自主的 継続的に安全性向上に努め 不断の取り組みを進めてまいります 絶対安全はない との考えの下 原子力事故が発生した場合等も想定し事前の対策を施すことが 重要と考えております 万が一原子力災害が発生した場合は 原子力事業者が有するリソースを最大限投入し 事業者全体として緊急事態に対応してまいります