録された保有個人情報 ( 本件対象保有個人情報 ) の開示を求めるものである 処分庁は, 平成 28 年 12 月 6 日付け特定記号 431により, 本件対象保有個人情報のうち,1 死亡した者の納める税金又は還付される税金 欄,2 相続人等の代表者の指定 欄並びに3 開示請求者以外の 相続人等に関

Similar documents
<4D F736F F D2095BD90AC E D738CC2816A939A905C91E D862E646F63>

査請求人 ) が 平成 5 年分所得税確定申告書 ( 以下 本件請求保有個人情報 1 という ) の開示を求めるものである 処分庁は, 本件開示請求に対し, 本件請求保有個人情報 1は文書保存期間 (7 年 ) が満了し, 既に廃棄しているとして, 平成 27 年 12 月 2 2 日付け特定記号第

の補正書 において, 審査請求の趣旨を この開示請求は本人の給与のみずましにかかわる書面である為 としているが, 原処分を取り消し, 本件対象保有個人情報の開示を求めている審査請求として, 以下, 原処分の妥当性について検討する 2 原処分の妥当性について (1) 給与所得の源泉徴収票について給与所

非常に長い期間, 苦痛に耐え続けた親族にとって, 納得のできる対応を日本政府にしてもらえるよう関係者には協力賜りたい ( その他は, 上記 (2) と同旨であるため省略する ) (4) 意見書 3 特定個人 Aの身元を明らかにすること及び親子関係の証明に当たっては財務省 総務省において, 生年月日の

諮問庁 : 国立大学法人長岡技術科学大学諮問日 : 平成 30 年 10 月 29 日 ( 平成 30 年 ( 独情 ) 諮問第 62 号 ) 答申日 : 平成 31 年 1 月 28 日 ( 平成 30 年度 ( 独情 ) 答申第 61 号 ) 事件名 : 特定期間に開催された特定学部教授会の音声

諮問庁 : 防衛大臣諮問日 : 平成 28 年 2 月 25 日 ( 平成 28 年 ( 行情 ) 諮問第 192 号 ) 答申日 : 平成 29 年 1 月 27 日 ( 平成 28 年度 ( 行情 ) 答申第 694 号 ) 事件名 : 洋上で不慮の遭遇をした場合の行動基準 運用上の留意事項等に

<4D F736F F D2095BD90AC E D738FEE816A939A905C91E D862E646F63>

異議申立てしていますが, 協会 ( 原文ママ ) として黙認しています 本件に関しても, 諮問庁は国のトップなのだから, もっともっと労働問題に積極的に取り組み, 労基法厳守で, 場合により, 行政処分すべきである 警察なら, スピード違反すれば即行政処分されますが, 労基法では, 基本強い行政処分

ウ 特定個人 a に訂正してほしいとは, 私は書いてない これも日本年金機構の単純ミスなのか? それとも他に理由があるのか? 事実に基づいて, 説明を求める 私の公共職業安定所における氏名は, カタカナの 特定個人 b のスペースなしで管理されている 私の資格画面も氏名欄はカタカナである 国民年金保

19 条の4 第 2 項の規定により, 特別職の公務員であるから, 本件不開示情報は, 公務員としての職務遂行情報であり, 精神保健指定医が, 客観的な生体検査もなく, ただその主観に基づいて, 対象者を強制入院させることができるという性質の資格であること, 本件開示請求に係る精神保健指定医らが対象

0 月 22 日現在, 通帳紛失の総合口座記号番号 特定番号 A-B~C 担保定額貯金 4 件 ( 特定金額 A): 平成 15 年 1 月 ~ 平成 16 年 3 月 : 特定郵便局 A 預入が証明されている 調査結果の回答書 の原本の写しの請求と, 特定年月日 Aの 改姓届 ( 開示請求者本人

く, 未支給年金受給権者の個人情報の開示を求めているとして, 法 12 条 自己を本人とする開示を請求することができる に当たらないため, 開示することはできないことを伝え, 取り下げの意思を確認した しかしながら, 異議申立人は, 不開示である旨の正式な回答がほしいとして, 開示請求を続けたもので

て本学が過去に公表した内容は除く ) 及び 3 当該事故に係る診療科, 機構への報告日その他報告内容に係る情報として事務担当者が加筆したメモ について全部開示を求める 少なくとも患者, 医師の個人情報に係らない部分については開示すべき そもそもこの報告書は同じような事故が起きないようにするために医師

諮問庁 : 株式会社日本政策金融公庫諮問日 : 平成 28 年 2 月 8 日 ( 平成 28 年 ( 独個 ) 諮問第 3 号 ) 答申日 : 平成 28 年 4 月 27 日 ( 平成 28 年度 ( 独個 ) 答申第 1 号 ) 事件名 : 本人に関する融資審査の検討資料の不訂正決定に関する件

っている以上, 被面接者においてそもそも特別な対応策を採る必要はないといえる ウよって, 本件対象文書の不開示部分は法 5 条 6 号に該当しないといえる (2) 意見書 ( 添付資料省略 ) ア裁判官の場合, 新任判事補志望者カードの全部が開示されている ( 資料 1) ことからすれば, 検事に関

ありどのような証言がなされたのか ( 請求人にとって虚偽と思われる証言が無いか等 ), また産業医が本人の意見を聞かずにどう判断し診療録に記載したのかを知る権利が請求人にはあると考える 3 請求人については, 特定理由等から特定機関等が千葉大学に対して診療録の開示を求める可能性もあり得るが, 千葉大

1 本件審査請求について (1) 本件審査請求に係る開示請求は, 法に基づき, 処分庁に対し, 本件対象文書の開示を求めたもの ( 以下 本件開示請求 という ) である (2) 本件開示請求を受けて, 処分庁は, 本件対象文書を作成しておらず不存在として, 不開示決定 ( 原処分 ) を行った (

の対象として 人事院事務総長引継書 を特定し, 同年 9 月 29 日付け行政文書開示決定通知書を審査請求人に送付した 2 審査請求人が主張する本件審査請求の趣旨及び理由審査請求人は, 事務引継書が1 名分しか存在しないという決定は不自然である, 他の職員についても事務引継書がなければ, 前任者から

<4D F736F F D2095BD90AC E D738FEE816A939A905C91E D862E646F63>

第 3 諮問庁の説明の要旨 1 本件事案の概要本件は, 審査請求人が平成 29 年 8 月 29 日付けで法人文書の開示請求を行ったことに対し, 同年 9 月 29 日付け千大総第 307 号により, 法人文書の一部を不開示とする開示決定等処分 ( 処分 1) を行ったところ, 審査請求が提起された

非常に長い期間, 苦痛に耐え続けた親族にとって, 納得のできる対応を日本政府にしてもらえるよう関係者には協力賜りたい ( その他は, 上記 (2) と同旨であるため省略する ) (4) 意見書 3 特定個人 Aの身元を明らかにすること及び親子関係の証明に当たっては財務省 総務省において, 生年月日の

基づき, 平成 27 年 9 月 29 日付けで, 特定労働基準監督署( 以下 特定署 という ) へ特定日までに提出された特定事業場の就業規則, 就業規則届及び意見書 36 協定書, 同月 30 日付けで, 特定署に提出された特定事業場の36 協定書 3 年分 に係る開示請求を行った (2) 三重

問にさらされることはむしろあるべき姿であり, それによって一層公益の増進に資するともいえる 特に, 本件のような面接試験の場合には, 試験結果の開示が, 面接試験以外の事由で受験者を選抜したのではないことを示すといった効果もあり, 面接試験が適正に行われることを確保するに大きく資すると言える したが

業務 とあるが, 当該支払の一時差止めに係る決定を除く と, されている すなわち, 決定に係る業務は, 事業管理課長である ウその決定に係る文書及びデータは存在する 事業管理課長の決定により, 年金機構は, 障害者の年金給付を一時差し止めるための電算処理をしている事実がある そして, その事実から

として本件対象文書にかがみを加えたものを特定した 本件開示請求に対しては, 法 11 条に規定する開示決定等の期限の特例を適用し, まず, 平成 27 年 4 月 20 日付け防官文第 6779 号により, かがみについて開示決定を行った後, 同年 9 月 3 日付け防官文第 号により

無い (3) 特定市が振興協会会長 Aと市教育委員会とで一体に推進した当該文化事業は事業の実施前と実施後のまちの変化における事業の効果について国への報告義務があり, 公正に適法に事業を行う責務の存在は当該文化事業の目標の1は中心市街地の賑わいの促進にあって中心市街地活性化ソフト事業であって公開されて

ターの上司職員に隠匿 ( 隠滅 ) され送付がない為に, 法律に基づいた開示請求により送付をして頂きたいための開示請求であるが, 平成 19 年 10 月 22 日現在, 通帳紛失の郵便貯金 : 総合口座 特定番号 A ( 担保定額定期 : 枝番特定番号 B~Cを含む ):( 口座名義人 ) 開示請

消費者庁にも苦情相談を行い, 今にも消費者庁が動くであろうこと等を話し, 異議申立人に謝罪及びデータ削除を求めているとのことであった 当初監察部は, 異議申立人に謝罪に応じるよう促したが, 異議申立人が使用しているデータは, 登記事項証明書記載のデータと同一であり 法 を犯していないので謝罪には応じ

おいて開催されていた法の制度運営に関する検討会の報告 ( 平成 17 年 3 月 29 日 ) では, 法の運用に関する改善措置として, 理由付記に関して 特に, 文書不存在を理由とする不開示決定については, 例えば, 請求対象文書をそもそも作成 取得していない, 作成したが保存期間が経過したので廃

横浜市情報公開・個人情報保護審査会答申

11総法不審第120号

理の手引 は, 開示の実施においては, 行政文書をありのまま開示する (23 枚目 ) として, 原則として加工はしない ( 同上 ) としている したがって本件対象文書の電磁的記録の開示に当たっては, 当該電磁的記録をそのままのデータ形式で開示すべきである また, 同様な趣旨で本件対象文書の電磁的

大情審答申第 号

ださい との付記があったことから, 処分庁が行政文書の特定を容易にできるよう, 審査請求人において法人設立時に提出されたものと思われる行政文書の名称を列記して記載したところである 本件請求を受けて, 処分庁は, 補正を要する事項があるとして, 平成 27 年 11 月 17 日付け特定記号第 136

(1) 農林水産省の事務官である特定個人 Aが職務上作成した行政文書で公にできる行政文書は存在するはずであり, 公開しなければならない ( 諮問第 551 号 ) (2) 本来であれば, 開示できる文書が存在しない, 存否応答しない, 不存在と, 文書の性質によって, 処分内容が異なるはずである 特

< F2D95F193B98E9197BF D86A D D96B1>

り公表されないことが日米両政府間で合意されており, これを公にすることは, 米国との信頼関係が損なわれるおそれがあると認められることから, 法 5 条 3 号に該当するため不開示とする決定 ( 原処分 ) を行った (3) これに対し, 異議申立人は, 国土交通大臣に対して, 原処分の取消しを求めて

Microsoft Word - 20年度(行情)答申第585号.doc

子ファイルを紙に出力する際に, 当該ファイル形式では保存されている情報が印刷されない場合が起こり得る これと同様に当該ファイル形式を他のファイル形式に変換する場合にも, 変換先のファイル形式に情報が移行しない場合が設定等により技術的に起こり得るのである 本件対象文書が当初のファイル形式を変換して複写

諮問庁 : 国土交通大臣諮問日 : 平成 30 年 9 月 26 日 ( 平成 30 年 ( 行情 ) 諮問第 424 号 ) 答申日 : 平成 31 年 3 月 29 日 ( 平成 30 年度 ( 行情 ) 答申第 554 号 ) 事件名 : 不動産鑑定士に対する懲戒処分について に係る決裁文書の

横情審答申第 1534 号 平成 3 0 年 11 月 15 日 横浜市長林文子様 横浜市情報公開 個人情報保護審査会 会長 藤原靜雄 横浜市個人情報の保護に関する条例第 53 条第 1 項の規定に基づく諮問 について ( 答申 ) 平成 29 年 5 月 1 日総職健第 86 号による次の諮問につ

情報公開答申第733号本文(諮問第923号)

文書の探索が不十分であるか, または, 対象文書を情報公開の適用除外か解釈上の不存在と判断することが違法である 本件不開示情報は, いずれも, 法 5 条各号に該当しないか, 例え該当したとしても, 開示を定めたただし書き全てに該当する 本件不開示情報は, いずれも, 法 7 条に該当する とくに,

審査請求書の記載に当たっては 別紙 審査請求書の書き方 を参照してください 付表 1 号様式 ( 次葉 ) 正本原処分に係る異議申立ての状況 9 異議申立てをした場合 ( 該当する番号を で囲む ) 10 異議申立てをしていない場合 ( 該当する番号を で囲む ) 審査請求書 ( 次葉 ) 審査請求

第一審査会の結論 豊中市教育委員会が行った 内部公益通報に係る調査の実施について ( 報告 ) を不 開示とした決定は妥当ではなく 別紙に記載した部分を除き開示すべきである 第二審査請求の経過 1 開示請求審査請求人は 平成 25 年 7 月 17 日 豊中市情報公開条例 ( 以下 条例 という )

情報公開に係る事務処理規則 ( 平 18 規則第 16 号平成 18 年 8 月 1 日 ) 改正平 19 規則第 52 号平成 19 年 9 月 21 日平 26 規則第 2 号平成 26 年 5 月 13 日平 26 規則第 22 号平成 27 年 3 月 31 日 第 1 章総則 ( 目的 )

1 審査会の結論 平成 28 年度市民税 県民税の賦課決定処分 に係る審査請求は棄却する べきであるとの審査庁の判断は妥当である 2 事案概要南区長 ( 以下 処分庁 という ) は 地方税法 ( 昭和 25 年法律第 226 号 以下 法 という ) 第 24 条及び第 294 条並びに横浜市市税

(Microsoft Word - 06 \223\232\220\\\217\221\201i\214\210\222\350\201j.doc)

11総法不審第120号

( 別紙 ) 答申 : 行文第 24 号 諮問 : 行文第 24-1 号 答申第 1 審査会の結論実施機関が行った本件不開示決定処分については適正であったと認める 第 2 諮問事案の概要 1 行政文書の開示請求異議申立人は 平成 24 年 5 月 7 日 奈良市長 ( 以下 実施機関 という ) に

〇本事例集は 平成 31 年 3 月を期限とした個人の確定申告について 国税通則法関連 ( 所得税 の納税地を含む ) の 誤りやすい事例 について取りまとめています 〇本事例集は 誤りやすい事例 を載せた後に 正しい解釈 処理方法を提示しています なお 無用 な文字数 ページ数の増加を避けるため

警備の下にあり 仮に本件対象文書が開示されたとしても院内への不法な侵入及び院内での不法な活動は困難であり 犯罪の予防 鎮圧等に支障を及ぼすとは考えられず 合理性を欠いている したがって 本件対象文書は法第 5 条第 4 号には相当せず 規程第 4 条第 3 号に定める事務局不開示情報に該当しないこと

1 審査会の結論平成 30 年 1 月 12 日付けで審査請求人が行政文書公開請求した 深沢地域整備事業に関し J R 東日本の要望 条件 要請 意向等の文書 ( 復命書含む ) 及び前記の記載がある文書 に対して実施機関鎌倉市長が平成 30 年 3 月 12 日付けで行った行政文書一部公開決定処分

11総法不審第120号

第1 審査会の結論

処分済み

き一 修正申告 1 から同 ( 四 ) まで又は同 2 から同 ( 四 ) までの事由が生じた場合には 当該居住者 ( その相続人を含む ) は それぞれ次の 及び に定める日から4 月以内に 当該譲渡の日の属する年分の所得税についての修正申告書を提出し かつ 当該期限内に当該申告書の提出により納付

ウ商業地等である 町の土地の平成 28 年度分の固定資産税の課税標準額は 法附則第 18 条第 5 項及び第 25 条第 5 項の規定により 課税標準となるべき価格に0.7を乗じた額となる なお 岐阜市税条例 ( 昭和 25 年岐阜市条例第 14 号 以下 条例 という ) においては これと異なる

保険業務に係る情報提供料は 請求人の事業に基づいた収入であるとは いえない 第 4 審理員意見書の結論 本件各審査請求は理由がないから 行政不服審査法 4 5 条 2 項によ り 棄却すべきである 第 5 調査審議の経過 審査会は 本件諮問について 以下のように審議した 年月日 審議経過 平成 30

厚生局受付番号 : 近畿 ( 受 ) 第 号 厚生局事案番号 : 近畿 ( 厚 ) 第 号 第 1 結論 請求者の A 社における厚生年金保険被保険者資格の取得年月日を昭和 63 年 2 月 26 日から同 年 2 月 16 日に訂正することが必要である 生年月日 :

国税通則法施行令新旧対照表

Microsoft Word - 19年度(行情)答申第183号.doc

Microsoft Word - 文書 1

( イ ) 私は, 平成 27 年 4 月 8 日の年機構発 2 号 保有個人情報の開示をしない旨の決定について ( 通知 ) を見て驚いている 書類があるのに開示しないのは, 非常に遺憾である 特定年金事務所が, 私の 保有個人情報の開示請求 を受付けないことで, 私は会社との民事裁判平成 23

個人情報の取扱いに関する規則 平成 12 年 9 月 29 日 奈良県規則第 2 2 号 改正 平成 13 年 3 月 30 日 規則第 68 号 改正 平成 17 年 3 月 29 日 規則第 30 号 改正 平成 18 年 3 月 31 日 規則第 38 号 改正 平成 27 年 9 月 25

1 審査会の結論 平成 29 年度市民税 県民税税額変更処分 に係る審査請求は棄却するべ きであるとの審査庁の判断は妥当である 2 事案概要緑区長 ( 以下 処分庁 という ) は 平成 29 年 6 月 1 日 審査請求人に対して 平成 29 年度市民税 県民税賦課決定処分 ( 以下 先行処分 と

答 申 第 1 審議会の結論名古屋市長 ( 以下 実施機関 という ) が 本件異議申立ての対象となる保有個人情報を一部開示とした決定は 妥当である 第 2 異議申立てに至る経過 1 平成 23 年 12 月 21 日 異議申立人は 名古屋市個人情報保護条例 ( 平成 17 年名古屋市条例第 26

用語の意義 この FAQ において使用している用語の意義は 次のとおりです 用語 意義 所得税法 ( 所法 ) 所得税法 ( 昭和 40 年法律第 33 号 ) をいいます 所得税法施行令 ( 所令 ) 所得税法施行令 ( 昭和 40 年政令第 96 号 ) をいいます 改正所令 所得税法施行令の一

総務省が所管する地方税法ではなく 財務省が所管する国有財産法の適用を受けるとのことであり 実施機関の本件決定は失当である (2) 本件は 国税庁からの教示による公文書公開請求であり これを実施機関が非公開決定するとは言語道断である (3) 尖閣諸島の国有化は 日本と中国の外交問題に発展していることも

書のみが公開されており, 設計書は事前にも事後にも公開されていない 設計書が公開されていないことにより, 測量業務における加減率 ( 耕地, 村落地, 準市街地, 市街地, 過密市街地等のどれに該当するかによる人員や作業時間 ) が不明であり, また, 測量の変化率の諸条件係数 ( 傾斜区分, 視通

正 審査請求書 ( 次葉 ) 審査請求人 ( 氏名 名称 ) 11 審査請求の趣旨 原処分 ( 再調査の決定を経ている場合にあっては 当該決定後の処分 ) の取消し又は変更を求める範囲等について 該当する番号を で囲んでください なお 次の番号 2 の 一部取消し 又は 3 の その他 を求める場合

答申第203号(公表用)

横浜市情報公開・個人情報保護審査会答申

11総法不審第120号

平成25年2月 日

平成14年7月3日

第 1 号様式 個人情報開示請求書 独立行政法人自動車事故対策機構理事長 殿 令和年月日 請求者の氏名 住所又は居所 TEL ( ) 連絡先 :( 連絡先が上記の本人以外の場合は 住所 氏名 電話番号 ) 独立行政法人等の保有する個人情報の保護に関する法律第 13 条第 1 項の規定に基づき 下記

取得に対しては 分割前の当該共有物に係る持分割合を超える部分の取得を除いて 不動産取得税を課することができないとするだけであって 分割の方法に制約を設けているものではないから 共有する土地が隣接している場合と隣接していない場合を区別し 隣接していない土地を一体として分割する場合に非課税が適用されない

債務のうち所定の範囲内のものを当該事業主に代わって政府が弁済する旨規定する (2) 賃確法 7 条における上記 政令で定める事由 ( 立替払の事由 ) として 賃金の支払の確保等に関する法律施行令 ( 昭和 51 年政令第 169 号 以下 賃確令 という )2 条 1 項 4 号及び賃金の支払の確

処分済み

< F2D F8C668DDA A91E D86939A905C>

件数表(神奈川)

処分済み

11総法不審第120号

返還の必要性を十分説明しており 手続は適法である 第 3 審理員意見書の要旨 1 結論本件審査請求には理由がないので 棄却されるべきである 2 理由 (1) 本件の争点は 本件保険が法第 4 条第 1 項に規定する 利用し得る資産 に該当するかどうかであるが その判断に当たっては 処分庁が判断の要素

丙は 平成 12 年 7 月 27 日に死亡し 同人の相続が開始した ( 以下 この相続を 本件相続 という ) 本件相続に係る共同相続人は 原告ら及び丁の3 名である (3) 相続税の申告原告らは 法定の申告期限内に 武蔵府中税務署長に対し 相続税法 ( 平成 15 年法律第 8 号による改正前の

Microsoft Word - 02手引(説明).doc

う 9 枚の行政文書 及び開示すべきとされた 別紙に掲げる部分 の全て について, 民事裁判管轄権に関する日米合同委員会合意関連文書 ( 以下 文書 1 という ) 及び 合意に係る日米合同委員会議事録 ( 以下 文書 2 という ) を特定し, 前者を開示, 後者を不開示とする各決定 ( 原処分

個人情報保護規程

第 4 審理員意見書の結論 本件各審査請求は理由がないから 行政不服審査法 4 5 条 2 項に より いずれも棄却すべきである 第 5 調査審議の経過審査会は 本件諮問について 以下のように審議した 年月日審議経過 平成 30 年 3 月 6 日 諮問 平成 30 年 4 月 26 日審議 ( 第

がある 7 平成 28 年 3 月 28 日 処分庁は 同日付で審査請求人に対し 借入金収入 円の未申告により生じた保護費過払い分について 法第 78 条第 1 項の規定により費用徴収を行う決定を行い 同年 7 月 7 日 費用徴収決定通知書を審査請求人に手交した 8 審査請求人は 平成 28 年

Ⅲ 納付 [Q6] 申告 納付等の期限の延長が認められた場合 延滞税 利子税はどのようになりますか また 加算税は賦課されますか 7 [Q7] 今般の熊本地震災害により被害を受けましたが 納税の猶予はどのような場合に受けることができますか 8 [Q8] 納税の猶予の 相当の損失 とはどの程度の損失を

「2 所得税及び復興特別所得税の確定申告書データをお持ちでない方」からの更正の請求書・修正申告書作成編

個人情報保護規程 株式会社守破離 代表取締役佐藤治郎 目次 第 1 章総則 ( 第 1 条 - 第 3 条 ) 第 2 章個人情報の利用目的の特定等 ( 第 4 条 - 第 6 条 ) 第 3 章個人情報の取得の制限等 ( 第 7 条 - 第 8 条 ) 第 4 章個人データの安全管理 ( 第 9

叔父から財産の贈与(1~3) を受けた場合 1/1 12/31 2/1 3/15 相選養続択与子贈時届贈精出縁与算書与 1組課提2 税出3 暦年課税相続時精算課税 養子縁組前の贈与 1については 暦年課税により贈与税額を計算し 養子縁組以後の贈与 2 及び 3は 相続時精算課税により贈与税額を計算し

11総法不審第120号

して 当審査会に対し諮問をした 以上の事案の経緯は 諮問書 審査請求書及び懲戒処分書から認められる 2 関係する法令等の定め (1) 司法書士に対する懲戒及びその手続についてア法 47 条は 司法書士がこの法律又はこの法律に基づく命令に違反したときは その事務所の所在地を管轄する法務局又は地方法務局

平成19年12月○日

社会福祉法人○○会 個人情報保護規程

4.更正の請求書を作成する場合の共通の手順編

Transcription:

諮問庁 : 国税庁長官諮問日 : 平成 29 年 4 月 5 日 ( 平成 29 年 ( 行個 ) 諮問第 65 号 ) 答申日 : 平成 29 年 7 月 24 日 ( 平成 29 年度 ( 行個 ) 答申第 72 号 ) 事件名 : 本人が相続人である特定被相続人に係る平成 26 年分の所得税及び復興特別所得税の準確定申告書付表の一部開示決定に関する件 答申書 第 1 審査会の結論 被相続人特定個人 A( 特定年月日死亡 ) に係る平成 26 年分の所得税及び復興特別所得税の準確定申告書付表 ( 添付書類を除く ) に記録された保有個人情報 ( 以下 本件対象保有個人情報 という ) につき, その一部を不開示とした決定は, 結論において妥当である 第 2 審査請求人の主張の要旨 1 審査請求の趣旨行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律 ( 以下 法 という ) 12 条 1 項の規定に基づく開示請求に対し, 平成 28 年 12 月 6 日付け特定記号 431により特定税務署長 ( 以下 処分庁 という ) が行った一部開示決定 ( 以下 原処分 という ) について, 準確定申告書全ての開示を求める 2 審査請求の理由審査請求人の主張する審査請求の理由は, 審査請求書の記載によると, 以下のとおりである ( 意見書については省略する ) 現在, 共有物分割請求訴訟にて, 被相続人特定個人 Aの配偶者, 子と闘争中である 配偶者が情報開示しないため, 遺産分割協議無効についての資料として不可欠であるため請求する 窓口にて付表なら開示できるとのことで, 付表が何か分からず開示した 求めていたものは付表ではなく準確定申告書である また, 配偶者が代表で他の相続人の了解を得ず提出されているが, そのため, この情報が配偶者のものとなり, 個人情報のため開示できない と説明された 代表者だけで受理されたのが間違いであって, そのため, 法定相続人に開示されないのは納得できず, 上記開示を強く請求する 第 3 諮問庁の説明の要旨 1 本件開示請求等について本件開示請求は, 特定税務署長 ( 処分庁 ) に対して, 被相続人特定個人 A( 特定年月日死亡 ) に係る平成 26 年分の所得税及び復興特別所得税の準確定申告書付表 ( 添付書類を除く )( 以下 本件文書 という ) に記 1

録された保有個人情報 ( 本件対象保有個人情報 ) の開示を求めるものである 処分庁は, 平成 28 年 12 月 6 日付け特定記号 431により, 本件対象保有個人情報のうち,1 死亡した者の納める税金又は還付される税金 欄,2 相続人等の代表者の指定 欄並びに3 開示請求者以外の 相続人等に関する事項, 納める税金等 及び 還付される税金の受取場所 の各欄 ( 以下, 併せて 本件不開示部分 という ) が, 開示請求者以外の個人に係る情報であり, 当該部分を開示することにより, 開示請求者以外の個人の権利利益を害するおそれがあるため, 法 14 条 2 号の不開示情報に該当するとして, 法 18 条 1 項の規定に基づき, 一部開示決定 ( 原処分 ) を行った これに対し, 審査請求人 ( 開示請求者 ) は, 原処分を取り消し, 本件不開示部分の開示を求めていることから, 以下, 原処分の妥当性について検討する 2 原処分の妥当性について (1) 本件文書についてア国税通則法 124 条 1 項は, 申告書等の税務書類を提出する者は, 当該税務書類に氏名及び住所又は居所を記載しなければならない旨規定しており, 同条 2 項は, 申告書等の税務書類を提出する者は, 当該税務書類に押印しなければならない旨規定している イ所得税法 125 条 1 項は, 居住者が, 年の途中で死亡した場合において, その者のその年分の所得税について, 同法 120 条 1 項の規定による申告書を提出しなければならない場合に該当するときは, その相続人が相続の開始のあったことを知った日の翌日から4か月を経過した日の前日までに申告書を提出しなければならない旨規定している ウ所得税法施行令 263 条 1 項は, 所得税法 125 条に規定する申告書には, 同法 120 条 1 項各号に掲げる事項のほか, 同項により委任する所得税法施行規則 49 条に規定する各相続人の氏名, 住所, 被相続人との続柄, 相続分及び相続によって得た財産等を記載しなければならない旨規定している エ所得税及び復興特別所得税の確定申告書付表は, 居住者が年の途中で死亡した場合で, 相続人が2 人以上いる場合において, 所得税法施行規則 49 条に規定する各相続人の氏名, 住所等の記載事項を申告書に代えて記載するために使用するものであり, 申告書と併せて提出されるものである オ所得税法施行令 263 条 2 項ただし書は, 相続人が2 人以上あるときにおいて申告書を提出する者が他の相続人の氏名を附記して各別 2

に提出することができる旨記載しており, 同条 3 項は, 同条 2 項ただし書の方法により申告書を提出した相続人は, 遅滞なく, 他の相続人に対し, 当該申告書に記載した事項の要領を通知しなければならない旨規定している (2) 本件不開示部分の保有個人情報該当性について本件文書を見分したところ, 審査請求人の押印がされていないことから, 審査請求人以外の相続人が, 被相続人の平成 26 年分の所得税及び復興特別所得税の当該相続人分のみを計算し, 申告書の付表に他の相続人の氏名を記載の上, 特定税務署長宛てに提出したものと推測される また, 本件不開示部分には, 審査請求人を識別することができる情報は記載されておらず, また, 本件文書の他の部分に記載されている情報と照合しても, 審査請求人を識別することができる情報であるとは認められない したがって, 本件不開示部分については, 審査請求人以外の相続人に係る情報であり, 審査請求人を本人とする保有個人情報に該当しないと認められる 3 審査請求人のその他の主張審査請求人は, その他種々主張するが, これらの主張は原処分の決定を左右するものではない 4 結論以上のことから, 本件不開示部分は, 法 12 条 1 項に規定する自己 ( 審査請求人 ) を本人とする保有個人情報には該当しないため, 処分庁は法 1 4 条 2 号の不開示情報に該当するとして行った原処分は, 結論において妥当であると判断する 第 4 調査審議の経過当審査会は, 本件諮問事件について, 以下のとおり, 調査審議を行った 1 平成 29 年 4 月 5 日諮問の受理 2 同日諮問庁から理由説明書を収受 3 同月 19 日審議 4 同年 5 月 15 日審査請求人から意見書を収受 5 同年 6 月 21 日本件対象保有個人情報の見分及び審議 6 同年 7 月 5 日審議 7 同月 20 日審議第 5 審査会の判断の理由 1 本件対象保有個人情報について本件開示請求は, 被相続人特定個人 A( 特定年月日死亡 ) に係る平成 26 年分の所得税及び復興特別所得税の準確定申告書付表 ( 添付書類を除く ) ( 本件文書 ) に記録された保有個人情報 ( 本件対象保有個人情報 ) 3

の開示を求めるものであり, 処分庁は, その一部 ( 本件不開示部分 ) を法 14 条 2 号に該当するとして不開示とする決定 ( 原処分 ) を行った これに対し, 審査請求人は, 本件対象保有個人情報の全部を開示するよう求めているものと解されるところ, 諮問庁は, 本件不開示部分は, 審査請求人を本人とする保有個人情報に該当しないため, 原処分は結論において妥当としていることから, 以下, 本件対象保有個人情報の見分結果を踏まえ, 本件不開示部分の保有個人情報該当性について検討する 2 本件不開示部分の保有個人情報該当性について (1) 上記第 3の2(1) イの諮問庁の説明のとおり, 居住者が年の中途で死亡した場合において, その者のその年分の所得税について, 確定申告書を提出しなければならない場合に該当するときは, その相続人が当該確定申告書 ( 以下 準確定申告書 という ) を提出しなければならないものとされている ( 所得税法 125 条 1 項 ) 当審査会事務局職員をして諮問庁に確認させたところ, 本件文書である付表は, 準確定申告書と併せて提出されるものであり, 複数の相続人が一緒に申告できない場合には, 別々にこれらを提出することになるとされているとのことであった (2) 本件文書等について, 当審査会事務局職員をして諮問庁に確認させたところ, 被相続人特定個人 A( 特定年月日死亡 ) に係る平成 26 年分の所得税及び復興特別所得税の準確定申告書及びその付表は, 審査請求人以外の相続人が提出したものであり, 当該付表には, 審査請求人の氏名等の記載があるものの, 同人の押印がされておらず, 同人は申告内容について承知していないとのことであった (3) 法 12 条 1 項は, 何人も, この法律の定めるところにより, 行政機関の長に対し, 当該行政機関が保有する自己を本人とする保有個人情報の開示を請求することができる と規定している すなわち, 開示を請求することができるのは, 自己を本人とする保有個人情報 であり, 自己以外の者に関する情報は開示を請求することができない (4) 当審査会において見分したところ, 本件不開示部分は, 本件文書のうち, 審査請求人以外の相続人等に関する事項, 納める税金等及び還付される税金の受取場所等に係る情報が記載される箇所であり, 当該部分の記載には, 審査請求人を識別することができる情報は記載されておらず, また, 本件文書の他の部分に記載されている情報と照合することによっても, 審査請求人を識別することができることとなる情報であるとは認められない (5) したがって, 本件不開示部分は, 審査請求人以外の相続人等に係る情報であり, 審査請求人を本人とする保有個人情報には該当しないから, 不開示とすることが妥当である 4

(6) なお, 審査請求人は, 本件文書と併せて提出された準確定申告書に記録された保有個人情報の開示も求めていることから, 本件開示請求の経緯について, 当審査会事務局職員をして諮問庁に確認させたところ, 当該準確定申告書は, 審査請求人以外の相続人が提出したものであり, 審査請求人を本人とする保有個人情報は記録されていないため, 当該準確定申告書及びその付表 ( 本件文書 ) のうち, 開示できる範囲について審査請求人に対し説明したところ, 開示を請求する保有個人情報を 特定個人 A( 死亡日 : 特定年月日 ) に係る死亡した者の平成 26 年分の所得税及び復興特別所得税の確定申告書付表 ( 兼相続人の代表者指定届出書 ) に記録された保有個人情報とする開示請求書が平成 28 年 11 月 25 日に提出され, その後の同月 28 日に, 請求の対象が本件文書に記録された保有個人情報に補正されたとのことであった 諮問庁から提示を受けた平成 28 年 11 月 25 日の開示請求に当たっての審査請求人との応接を記載した記録及び諮問書に添付された同月 2 8 日の補正事績を確認したところ, 審査請求人は, 本件開示請求において, 本件文書に記録された保有個人情報の開示を求めているものと認められる したがって, 審査請求人の審査請求における 準確定申告書全ての開示を求める, 求めていたものは付表ではなく準確定申告書である といった主張は, 本件開示請求の文言から離れ, 不服申立手続において開示請求の範囲を拡大しようとするものであり, これを認めることはできない 3 審査請求人のその他の主張について (1) 審査請求人は, 本件文書の作成者が死亡した際には, 法定相続人である審査請求人の開示請求によって, 本件対象保有個人情報がいずれ明らかになる旨主張するが, 法に定める個人情報とは, 生存する個人に関する情報であって, 当該情報に含まれる氏名, 生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの ( 他の情報と照合することができ, それにより特定の個人を識別することができることとなるものを含む ) をいい ( 法 2 条 2 項 ), 開示請求は, 自己を本人とする保有個人情報が対象となるのであるから ( 法 12 条 1 項 ), 法定相続人であることのみを理由に, 直ちに他者の保有個人情報の開示が認められるものではない (2) 審査請求人のその他の主張は, 当審査会の上記 2の判断を左右するものではない 4 本件一部開示決定の妥当性について以上のことから, 本件対象保有個人情報につき, 本件不開示部分を法 1 4 条 2 号に該当するとして不開示とした決定について, 諮問庁が本件不開示部分は法 12 条 1 項に規定する審査請求人を本人とする保有個人情報に 5

該当しないとしていることについては, 本件不開示部分は, 審査請求人を本人とする保有個人情報には該当しないと認められるので, 本件不開示部分を不開示とした決定は, 結論において妥当であると判断した ( 第 4 部会 ) 委員鈴木健太, 委員常岡孝好, 委員中曽根玲子 6