第四章分析結果と各グループの論点の特定結果 本章ではまず, 第二章で述べた PC データの分類 ( グループ分け ) を含む統計分析の結 果について報告する. その後, 各グループの重要語を特定した結果と, 重要語に基づいて 特定した各グループの論点について述べる. 4-1 分析結果 本節ではまず, 統計分析の最初の作業としてクロス集計表を作成した結果について述べ, その後,PC データを主成分クラスター分析によってグループ分けした結果について報告す る. 4-1-1 クロス集計表の作成結果 主成分クラスター分析の第一段階として, 整理番号 (ID) 分析対象語 のクロス集計表を作成した結果について報告する. 本研究では PC データ全件と分析対象語 834 語を対象にするとデータ量が大きく,ttm の処理限界に達しクロス集計表を作成することができなかった. そのため,PC データの件数を半分に減らした PC ファイル O と PC ファイル E でそれぞれ出現回数上位 834 語を特定し, 両者の結果を比べて, 共通する上位 773 語をクロス集計とこれ以降の分析の対象語にすることとした. なお,ttm でそのまま対象ファイルからクロス集計表を作成すると, 行の項目名が御意見の全文となる集計表が作成されるが, 後述する R 使用時のコンピュータのメモリ容量の負荷を軽減するため, 作成されたクロス集計表の各御意見の全文を 1~84,887 の整理番号 (ID) に置き換え, 整理番号(ID) 分析対象語 のクロス集計表とした. 次に, 整理番号 (ID)( 84,887 件 ) 分析対象語 (773 語 ) のクロス集計表を用いて主成分分析を行い, 整理番号 (ID)( 84,887 件 ) 成分 (1~773) の主成分得点のマトリックスを作成した. しかし, 次の段階として,PC データのグループ分けを行うクラスター分析で必要となるユークリッド平方距離を, 完成した (84,887 件 ) 成分 (1~773) の主成分得点のマトリックスで求めようとすると, データの量が大きすぎて, コンピュータのメモリ容量 (32GB) の限界に達してしまい, 求めることができなかった. そこで本研究では, これ以降の分析の対象を整理番号 (ID) が奇数番号 (42,444 件 ) の御意見のみとすることとし,PC ファイル O(42,444 件の PC データ )(PC ファイル T から整理番号 (ID) が奇数番号 (42,444 25
表 4-1 整理番号 (ID)( 42,444 件 ) 分析対象語 (773 語 ) のクロス集計表の一部 分析 対象語整理番号 原発 日本 事故 国民 福島 安全 エネルギー 稼働 必要 (ID) 1 1 0 0 0 1 1 1 0 1 3 1 1 0 1 1 1 1 0 0 5 1 0 1 0 0 1 0 1 0 7 1 1 0 0 0 0 1 0 0 9 1 0 1 0 0 0 0 0 1 11 0 0 1 0 1 0 0 1 0 13 1 1 0 0 0 0 0 0 0 15 1 1 0 0 0 0 1 0 0 17 1 1 0 1 0 1 0 0 0 19 1 1 0 0 0 0 0 1 0 注 ) 各御意見中における各分析対象語の出現 非出現 ( 出現 :1, 非出現 :0) 件 ) の整理番号 (ID) と同 ID の御意見を抽出したもの ) を用いて, クロス集計の作成からやり直すこととした. 以上のような作業の結果, 作成した整理番号 (ID)( 42,444 件 ) 分析対象語 (773 語 ) のクロス集計表の一部を表 4-1 に示す. 表では, 行が整理番号 (ID) で, 列が分析対象語となっており, 行と列の交点のセルの数値が各御意見中における各分析対象語の出現 非出現 ( 出現 :1, 非出現 :0) を表している. 続いて, 上記のクロス集計表を用いて主成分分析を行い, 整理番号 (ID)( 42,444 件 ) 成分 (1~773) の主成分得点のマトリックスを作成し, 同マトリックスを用いてクラスター分析 (PC データのグループ分け ) を行った. 4-1-2 PC データのグループ分けの結果 論点を特定するために, 本研究ではまず, 各 PC データを御意見における単語の出現パターンによっていくつかのグループに分類することにした. なお, グループ分けにおいては, クラスター分析の結果に基づき,42,444 件の PC データを 3 つの大グループに分類し, その後 9 つの中グループ,27 つの小グループ, さらに小グループの 1 つを 10 のグループへとグループ分けを 4 段階で行っていく方法をとった. 上記の方法で,PC データをまず 27 の小グループまでに分類した結果のグループごとのデータ数と同データ数が全分析件数 (42,444 件 ) に占める割合を表 4-2 に示す. なお, クラスター分析によってグループ分けした時点で各グループのコメント数は確定しているので, 次の段階で各グループの論点が特定された時点で, それぞれの論点に関するコメント数は集計されたことになる. グループ分けの後, 各グループの論点を特定するため, 各グループの出現 26
上位 10 語を抽出し, 同単語群をそのグループの重要語とした. その上で, それらの重要語から各グループの論点を特定した. ただしこのとき, 同じ上位のグループから派生した下位のグループ全てにおいて上位 10 語に入った単語については, 各グループに特有の単語ではないため除外し, 除外した数だけ下位の単語を繰り上げた. 特定した, 大グループと中グループ, 小グループの各グループの重要語と論点をそれぞれ表 4-3 と表 4-4, 表 4-5 に示す. なお, 表 4-3~ 表 4-5 において, 特定した重要語の並びは出現 の多い順となっており, また, 語の中に含まれている縦棒は, その語が ttm によって複合語に分類されたことを表している. ただし, クラスター 1-4-1 と 1-5-1, 2-1-1,2-2-1,3-1-1,3-2-1 は中グループと同じ結果となったため, 表 4-5 からは割愛した. また, 重要語の抽象度が高い, あるいは多様で論点を特定することが困難であったグループは とし, 表において網掛けで示している. 大グループクラスター 1 クラスター 2 クラスター 3 表 4-2 42,444 件の PC データを大 中 小グループに分けた結果 40,799 (96.12%) 1,152 (2.72%) 493 (1.16%) 中グループ クラスター 1-1 クラスター 1-2 クラスター 1-3 27,719 (65.31%) 11,037 (26.00%) 1,673 (3.94%) 小グループ クラスター 1-1-1 23,886(56.28%) クラスター 1-1-2 1,653(3.89%) クラスター 1-1-3 377(0.89%) クラスター 1-1-4 247(0.58%) クラスター 1-1-5 243(0.57%) クラスター 1-1-6 235(0.55%) クラスター 1-1-7 190(0.45%) クラスター 1-1-8 140(0.33%) クラスター 1-1-9 134(0.32%) クラスター 1-1-10 134(0.32%) クラスター 1-1-11 130(0.31%) クラスター 1-1-12 129(0.30%) クラスター 1-1-13 119(0.28%) クラスター 1-1-14 102(0.24%) クラスター 1-2-1 10,771(25.38%) クラスター 1-2-2 266(0.63%) クラスター 1-3-1 1,299(3.06%) クラスター 1-3-2 125(0.29%) クラスター 1-3-3 118(0.28%) クラスター 1-3-4 118(0.28%) クラスター 1-3-5 13(0.03%) クラスター 1-4 231(0.54%) クラスター 1-4-1 231(0.54%) クラスター 1-5 139(0.33%) クラスター 1-5-1 139(0.33%) クラスター 2-1 1,069(2.52%) クラスター 2-1-1 1,069(2.52%) クラスター 2-2 83(0.19%) クラスター 2-2-1 83(0.20%) クラスター 3-1 448(1.06%) クラスター 3-1-1 448(1.06%) クラスター 3-2 45(0.11%) クラスター 3-2-1 45(0.11%) 27
グループ名 クラスター 1 40,799(96.12%) クラスター 2 1,152(2.72%) クラスター 3 493(1.16%) 表 4-3 特定した大グループの重要語と論点 特定した重要語 原発, 日本, 事故, 福島, 国民, 安全, シナリオ, 将来, エネルギー, 必要 原発, コスト, 必要, 事故, エネルギー, 国民, 問題, シナリオ, 安全, 福島気候 変動, 温室 効果 ガス, 削減 目標, 国際 公約, 日本, 依存, 原子 炉, 積極 的, 生産, 再生 特定した論点 エネルギーコストの問題 温室効果ガスの削減 グループ名 クラスター 1-1 27,719(65.31%) クラスター 1-2 11,037(26.00%) クラスター 1-3 1,673(3.94%) クラスター 1-4 231(0.54%) クラスター 1-5 139(0.33%) クラスター 2-1 1,069(2.52%) クラスター 2-2 83(0.19%) クラスター 3-1 448(1.87%) クラスター 3-2 45(0.11%) 表 4-4 特定した中グループの重要語と論点 特定した重要語 日本, 国民, 安全, 必要, エネルギー, シナリオ, 将来, 自然 エネルギー, 政府, 稼働日本, シナリオ, 将来, 安全, 必要, 子ども 達, 自然 エネルギー, エネルギー, 生活, 国民日本, 燃料, 安全, 処理, エネルギー, シナリオ, 原発 事故, 政府, 世界, 問題マンション, トイレ, 生活, 処理, 影響, 廃棄 物, 危険, 燃料, 国民, 問題優秀, 技術, エネルギー, 安全, 人材, 将来, 世界, 政府, 必要, 国民 コスト, 事故, 再生 可能 エネルギー, 問題, 福島, 安全, 技術, 原発, 国民, 現在安全 確保, 原子力, 選択肢, エネルギー 安全 保障, 貢献, 抑制, 重要, 選択, 視点, 確保 日本, 積極 的, 生産, 気候 変動, 温室 効果 ガス, 削減 目標, 国際 公約, 再生 可能 エネルギー, 依存, 原子 炉再生, 稼働, 子孫, 長期, 生産, 加速, 原子力, 今後, エネルギー 効率, 提案, 特定した論点 将来世代のための自然エネルギーの必要性 使用済み核燃料の処理問題 核廃棄物の生活への影響 優れた安全技術と人材 事故のコストと再生可能エネルギー エネルギーの安全保障 原発と再生可能エネルギーによる温室効果ガスの削減 将来世代のための原発反対 28
グループ名 クラスター 1-1-1 23,886(56.28%) クラスター 1-1-2 1,653(3.89%) クラスター 1-1-3 377(0.89%) クラスター 1-1-4 247(0.58%) クラスター 1-1-5 243(0.57%) クラスター 1-1-6 235(0.55%) クラスター 1-1-7 190(0.45%) クラスター 1-1-8 140(0.33%) クラスター 1-1-9 134(0.32%) クラスター 1-1-10 134(0.32%) クラスター 1-1-11 130(0.31%) クラスター 1-1-12 129(0.30%) クラスター 1-1-13 119(0.28%) クラスター 1-1-14 102(0.24%) クラスター 1-2-1 10,771(25.38%) クラスター 1-2-2 266(0.63%) クラスター 1-3-1 1,299(3.06%) クラスター 1-3-2 125(0.29%) クラスター 1-3-3 118(0.28%) クラスター 1-3-4 118(0.28%) クラスター 1-3-5 13(0.03%) 表 4-5 特定した小グループの重要語と論点 特定した重要語 日本, 事故, 福島, 国民, 安全, エネルギー, 必要, シナリオ, 将来, 政府日本, 事故, 安全, 福島, 国民, エネルギー, 世界, 技術, 開発, 問題日本, 事故, 野菜, 模索, 農業, 福島, 国民, 将来, 安全, 生活人命, 現代, 健康 被害, 事故, 福島, 安全, 放射能, 国民, 世界, 将来年月, 処理 技術, 必要, 事故, 福島, 国民, 進歩, 安全, エネルギー, 日本広島, 長崎, 日本, 事故, 福島, 原爆, 教訓, エネルギー, 安全, シナリオ英知, 結集, 日本, 事故, 福島, 必要, 将来, 技術, 開発, エネルギー生き物, 影響, 事故, 福島, 懸念, 人間, 安全, 稼働, 子ども 達, 将来民意, 日本, 事故, 怒り, 福島, 安全, 無視, 危険, 将来, シナリオとんでも, 日本, 事故, 福島, 国民, 安全, 将来, 人間, 政府, エネルギー快適, 日本, 事故, 国民, 福島, 必要, 政府, エネルギー, 原発 事故, 生活人生, 日本, 事故, 福島, 国民, 安全, 危険, 稼働, 政府, 必要工場, 電気, 必要, 稼働, 企業, 福島, エネルギー, 政府, 技術, 日本電力 料金, 電力 会社, 値上げ, 再生 可能 エネルギー, 必要, 事故, 高騰, シナリオ, 安全, 想定 自然 エネルギー, 安全, 開発, 日本, 必要, 生活, 原発 事故, 稼働, 放射能, 政府 子ども 達, 安心, 憲法, シナリオ, エネルギー, 放射能 汚染, 国内, 主張, 生物, 太陽光 発電 原発, 日本, 事故, 福島, 処理, 安全, エネルギー, 必要, 燃料, 原発 事故廃 炉 作業, 原発, 事故, 処理, 福島, 安全, 必要, 廃 炉, 燃料, 危険送電, 原発, 発電, 日本, 分離, 事故, 必要, 電力 会社, 安全, 福島国際 社会, 原発, 日本, 事故, 経済, 福島, 安全, 世界, エネルギー, 必要情報, 説明, 建設, 納得, 国内, 発言, 割合, 立地, 地域, 発信 特定した論点 安全なエネルギー技術の開発原発事故の農業への影響 放射能による健康被害 処理技術の進歩に必要な年月 原爆の教訓 日本の英知を結集したエネルギー技術の開発原発事故の生物への影響 民意の無視 産業界における電力需要 電気料金の値上げ 安全な自然エネルギーの開発 子どもへの放射能汚染 使用済み核燃料の処理 廃炉作業の危険性 発送電分離の実施 原発事故の国際社会への影響原発の立地地域への説明責任 29
4-1-3 大グループの論点の特定結果 まず, 大グループの論点を特定した結果について報告する. 表 4-3 に示すように, コメントの数としては, クラスター 1 が 40,799 件 (96.12%) と圧倒的な多数を占めた. しかし, 重要語が抽象的だったため同クラスターの論点は とした. 一方, クラスター 2 はコメント数が 1,152 件 (2.72%) で, コスト や エネルギー 問題 といった単語から, 論点を エネルギーコストの問題 と命名した. 最後のクラスター 3 はコメント数が 493 件 (1.16%) で, 温室効果ガス や 削減目標 積極的 といった単語から, 論点を 温室効果ガスの削減 と命名した. 4-1-4 中グループの論点の特定結果 次に, 中グループの論点を特定した結果について報告する. 表 4-4 に示すようにまず, クラスター 1 はクラスター 1-1 から 1-5 までの 5 の中グループに分かれた. そのうち, クラスター 1-1 はコメント数が 27,719 件 (65.31%) で, もっとも大きなグループとなったが, 重要語が抽象的だったため論点を とした. 次に, クラスター 1-2 は, コメント数が 11,037 件 (26.00%) で, 将来 や 必要 自然エネルギー といった単語から, 論点を 将来世代のための自然エネルギーの必要性 と命名した. 以下, 同様にクラスター 1-3 からクラスター 1-5 まで各論点を表 4-4 に示すようにそれぞれ命名した. 次に, 表 4-4 に示すように, クラスター 2 はクラスター 2-1 と 2-2 の 2 つの中グループに分かれた. 命名したクラスター 2-1 とクラスター 2-2 の論点は表に示すとおりである. 次に, 表 4-4 に示すように, クラスター 3 はクラスター 3-1 と 3-2 の 2 つの中グループに分かれた. 命名したクラスター 3-1 とクラスター 3-2 の論点は表に示すとおりである. 4-1-5 小グループの論点の特定結果 最後に, 小グループの論点を特定した結果について報告する. なお小グループの PC データ数 や 特定した重要語 特定した論点 の詳細については割愛する. 表 4-5 を参照されたい. まず, 表 4-5 に示すように, 中グループのクラスター 1-1 はクラスター 1-1-1 からクラスター 1-1-14 までの 14 の小グループに分かれた. 論点を特定した結果, クラスター 1-1 に属する PC データの論点には, 少なくとも 安全なエネルギー技術の開発 と 原発事故の農業への影響 放射能による健康被害 処理技術の進歩に必要な年月 原爆の教訓 日本の英知を結集したエネルギー技術の開発 原発事故の生物への影響 民意の無視 産業界における電力需要 電気料金の値上げ といった 10 の論点が含まれていると考えら 30
れた. 次に, 中グループのクラスター 1-2 は, クラスター 1-2-1 からクラスター 1-2-2 の 2 つの小グループに分かれた. 論点を特定した結果, クラスター 1-2 に属する PC データの論点には 安全な自然エネルギー開発 と 子どもへの放射能汚染 といった 2 つの論点が含まれていると考えられた. 最後に, 中グループのクラスター 1-3 はクラスター 1-3-1 からクラスター 1-3-5 までの 5 の小グループに分かれた. 論点を特定した結果, クラスター 1-3 に属する PC データの論点には, 少なくとも 使用済み核燃料の処理 と 廃炉作業の危険性 発送電分離の実施 原発事故の国際社会への影響 原発の立地地域への説明責任 といった 5 つの論点が含まれていると考えられた. 以上の結果から,27 の小グループのうち 23 の小グループで論点が特定できたと考えられる. 4-1-6 より細かなグループ分けによる論点の特定結果 前述したように,PC データを段階的に 27 のグループに分け, 論点を特定しようとしたが, クラスター 1-1-1 に関しては, コメント数が非常に多いにも関わらず, 重要語が抽象的なため論点を特定することができなかった. そのため, 小グループまで分けたのと同様の方法で同クラスターをさらに 10 の下位のグループに分け, 同様の方法で重要語と論点の特定を試みた. クラスター 1-1-1 の 10 の下位のクラスターについて特定できた重要語と論点を表 4-6 に示す. 表 4-6 に示すように, クラスター 1-1-1 に属する PC データの論点には, 少なくとも 原発の安全性への懸念 と 核廃棄物の処理技術 再生可能エネルギーによる温室効果ガス削減 原発開発の危険性 安全技術の強化とリスクの低減 エネルギー技術の開発競争 健康被害への懸念 コストの上昇による経済影響 といった 8 つの論点が含まれていると考えられた. 31
グループ名 クラスター 1-1-1-1 19,741(46.51%) クラスター 1-1-1-2 3,665(8.63%) クラスター 1-1-1-3 93(0.22%) クラスター 1-1-1-4 84(0.20%) クラスター 1-1-1-5 81(0.19%) クラスター 1-1-1-6 77(0.18%) クラスター 1-1-1-7 73(0.17%) クラスター 1-1-1-8 49(0.12%) クラスター 1-1-1-9 20(0.05%) クラスター 1-1-1-10 3(0.01%) 表 4-6 特定したクラスター 1-1-1 の下位グループの重要語と論点 特定した重要語 原発, 日本, 事故, 福島, 国民, 安全, 未来, エネルギー, 必要, シナリオ原発, 将来, 事故, 福島, 廃 炉, 安全, エネルギー, 必要, 廃棄 物, 技術原発, 開発, 国際 社会, 廃 炉 作業, 事故, 福島, 必要, 危険, エネルギー, 稼働トイレ, 日本, マンション, 放射能, 健康 被害, 懸念, シナリオ, 将来, 世界, 廃 炉原発, 温室 効果 ガス, 日本, 事故, 削減, 福島, 再生 可能 エネルギー, 生活, 削減 目標, 安全日本, 国際 競争, 電力 料金, エネルギー, 技術, 開発, 問題, 安全, 稼働, 世界高騰, 日本, 安全 確保, 安全, 影響, 問題, 経済, 政府, 将来, 必要, 処理 技術, 原発, 日本, 事故, 福島, エネルギー, 未来, リスク, 安全, 必要 エネルギー, 再生, 日本, 真摯, 誇り, 要求, 終了, きれい, 約束尊 守, 原発, 福島, 危険, 原発 事故, 影響, 真剣, 誇り, 再生, 温室 効果 ガス 特定した論点 原発の安全性への懸念 核廃棄物の処理技術 原発開発の危険性 健康被害への懸念 再生可能エネルギーによる温室効果ガス削減 エネルギー技術の開発競争 コストの上昇による経済影響 処理技術の開発とリスクの低減 4-2 結果のまとめと考察 本章では,PC データのグループ分けを含む統計分析の結果, 各グループの重要語と論点 を特定した結果, 特定した論点ごとにコメント数を集計した結果を報告した. その結果, 次のようなことが明らかになった. まず,PC データのグループ分けを含む統計分析の結果から明らかになったことについて 述べる. 本研究では, 主成分クラスター分析の結果に基づき,42,444 件の PC データを単語の出 現パターンによって 3 つの大グループと 9 つの中グループ,27 つの小グループ ( うち 1 グ ループについてはさらに 10 の下位グループ ) に分けることができた. 次に, 各グループの重要語と論点を特定した結果から明らかになったことについて述べ る. 27 の小グループのうち 23 の小グループで論点が特定できたことから, 本研究の分析方 32
法で,PC の論点をある程度特定できたと考えられる. クラスター 1-3-5 の 13 件 (0.03%) のようにコメント数が極端に少ないグループも見られたが, そのようなグループに関しても重要語から論点を特定することができた. このことは本研究の分析手法が多数派の御意見だけでなく, 少数派の御意見についても論点を特定できる可能性を示唆していると考えられる. コメント数が多く, かつ重要語が抽象的で論点が特定できなかったクラスター 1-1-1 に対しては, さらに細かなグループに分け, 重要語と論点の特定を行うことで複数の論点を特定することができた. このことから, 必要に応じてコメントを細かくグループ分けすることで, 複数の論点を含んでいるグループについてもそれら論点を特定することができると考えられる. 33
34