特集 : 最近の船の溶接 接合技術 大型船へのレーザ アークハイブリッド溶接実用化技術の紹介 三井造船株式会社玉野艦船工場艦艇部小野直洋 1. はじめに船舶の建造工程を大きく分けると 切断や曲げ加工 溶接により船を形作る 船殻工程 主機や舵 プロペラ 船内機器などを取り付ける 艤装工程 そして 塗装工程 の三つに分かれる ( 図 1~3) そのうち船殻工程の多くを溶接作業が占めており 当社の建造する一般商船の中で 60,000 重量トンクラスのばら積み貨物運搬船では 一隻あたり約 6カ月ものあいだ溶接作業を行っている つまり 溶接作業や付帯するひずみ取り作業の時間を削減することは 製造コスト低減に直接つながる そのため 当社のみならず造船各社は 日々溶接の自動化や新規溶接技術の開発に取組んでいる 今回当社において 生産性 品質 安全性向上などを目的としたレーザ アークハイブリッド溶接の実船適用を実現したため その内容をご紹介する 図 1 船殻工程 ( 大組立 ) 図 2 艤装工程 ( 舵取付 ) 図 3 塗装工程 1 Copyright The Japan Welding Engineering Society, 2011-2017 All Rights Reserved
2. レーザ アークハイブリッド溶接について造船業界で最も多く用いられるアーク溶接は ギャップや目違いなどの開先裕度が大きい溶接法であるが 入熱量が大きく ひずみが大きいため 特に薄板のブロック建造では溶接後のひずみ取りが必須工程となっており 建造工数増大の一因となっている 一方 レーザ溶接は 小入熱でひずみが小さく 高速溶接 深溶込みなどの優れた特長を持つ半面 開先ギャップをほぼゼロに保つ必要があり 大型構造物で開先精度管理が難しい船舶建造に対しての適用は困難であった このような中 レーザ アークハイブリッド溶接 (Laser-Arc Hybrid Welding: 以下 LAHW と呼称 ) は レーザ溶接に耐ギャップ性に優れたガスシールドアーク溶接を組み合わせる事で 開先裕度を確保し 入熱量が小さく ひずみを抑えることができる高精度 高品質の溶接技術であり 高精度なブロック建造による生産性及び品質の向上につながる技術として期待されている ( 表 1) 表 1 溶接法の比較 項目 アーク溶接 レーザ溶接 LAHW 溶接ひずみが小さい 溶接速度が速い 深溶込みが得られる 開先精度に裕度がある 当社の LAHW 装置は レーザヘッドとアークトーチが図 4 に示す構成となっており 溶接方向に対して炭酸ガスアーク溶接を先行させ 溶着金属を供給することで ギャップ裕度が小さいレーザ溶接の欠点を補完している 図 4 レーザとアークトーチの配置 なお LAHW の船舶への適用は 国内では 2009 年に初めて一般商船への適用事例 1) が報告され 以降も実用化への検討が多く進められている 2)3) 2
3. 従来施工法の問題点と LAHW 検討の経緯当社では 一般商船の居住区デッキ等に用いられる板厚 10mm 以下の鋼板を 突合せ溶接する際は 両面サブマージアーク溶接 ( 以下 両面 SAW と呼称 ) を採用している 両面 SAW は 10m 近い大きさの鋼板を裏返す反転作業 ( 図 6) を伴うため 時間が掛かり 危険である また 溶接後は板継部が角変形を起こすため ひずみ取り作業が発生するといった問題があった ( 図 7) そこで 両面 SAW に代わる施工法として LAHW に着目した LAHW であれば 片面貫通による裏波溶接により危険を伴う反転作業を無くすことができる また 溶接ひずみが抑えられ ひずみ取り作業も無くなる さらに 溶接速度が速いことによる効率化も期待できること ( 図 8) から LAHW 適用の検討を始めた 図 5 両面 SAW 溶接機図 6 反転作業図 7 両面 SAW での角変形 図 8 溶接速度の比較 3
4. 仮付溶接と本溶接条件 (1) 仮付溶接両面 SAW を行う際の仮付溶接は炭酸ガスアーク溶接を用いるが LAHW に対しても使い慣れた炭酸ガスアーク溶接を用いることとした そこで まず懸念されたのは開先精度であった 両面 SAW のギャップは約 2mm まで許容されるが LAHW ではウィービングなど特別な適応制御をしなければギャップの許容値は 1mm 未満と想定され 高い開先精度が必要であると考えられた そこで 実際の仮付状況を正確に把握すべく 両面 SAW 施工前の仮付時点でのギャップ 目違い寸法の調査を行った ( 図 9) 調査の結果 ギャップ 目違い共に 95% が 0.5mm 以内に収まっており LAHW 適用に十分な開先精度を有していることが分かった これは開先切断にレーザ切断を使用した効果が大きく 次章に詳細を示す 80 70 頻度 [%] 60 50 40 30 20 10 0 溶接線 1 溶接線 2 溶接線 3 <0.1 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1.0 目違い [mm] 頻度 [%] 80 70 60 50 40 30 20 10 0 溶接線 1 溶接線 2 溶接線 3 <0.1 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1.0 ギャップ [mm] 図 9 板厚 8mm でのギャップ 目違いの調査 4
(2) 開先精度とビード外観次に LAHW 時の開先精度とビード外観の関連性を調査した 図 10 にギャップと溶接速度がビード外観に及ぼす影響を整理した結果を示す 溶接速度が遅い場合 ギャップ裕度は大きいが ギャップ 1mm 程度で溶着金属が溶け落ちてしまい 表面ビード中央部がくぼんだアンダーフィルが発生する 一方 溶接速度が速い場合は ギャップを埋めるワイヤ供給量が不足し 表面ビードがアンダーフィルになる傾向が見られる これらの結果より ギャップが 0.5mm~0.7mm 程度では適切な溶接速度を選択することで 施工中のギャップの変動に応じた溶接条件の適応制御を採用することなく ビード外観が良好な溶接条件を取得できると考えた 図 10 ビード外観に及ぼすギャップと溶接速度の影響 ( 板厚 6mm) (3) 本溶接条件前述の調査により ギャップ 目違い裕度 0.5mm を許容値とし ギャップ変動に応じた特別な適応制御をしないことを前提に 溶接条件出しを行った その結果 表 2 図 11 に示す通り 板厚 6~8mm で ギャップ裕度 0.7mm 目違い裕度 0.8mm を確保する溶接条件を確立することができた 表 2 溶接条件 板厚 6mm 板厚 8mm レーザ出力 4,500W 5,300W アーク電流 275 ~ 295A 290 ~ 310A アーク電圧 24 ~ 27V 26 ~ 28V 溶接速度 1.6m/min 1.5m/min 総入熱量 416 ~ 467J/mm 514 ~ 559J/min 5
板厚 6mm 板厚 8mm ギャップ 0mm ギャップ 0.2mm ギャップ 0.5mm 目違い 0.6mm ギャップ 0.5mm ギャップ 0mm 目違い 0.6mm ギャップ 0mm 目違い 0.8mm 図 11 ギャップ裕度と目違い裕度の異なる溶接断面マクロ 5. 開先切断高い開先精度を得るためには開先切断時の切断面形状が大きく影響する 造船業界では 薄板から厚板までの鋼板を切断可能なプラズマ切断が広く普及しているが 図 12 のように開先面に肩だれが発生しやすい この肩だれは アーク溶接ではあまり問題にならないが LAHW に要求される開先精度を満足することは難しい 一方 薄板の切断に向いているレーザ切断は ほぼ直角で高品質な切断面を得ることができる 当社では 従来から薄板の切断にレーザ切断を採用していたため 特別な対応をすることなく 高い開先精度を得ることができた 肩だれ プラズマ レーザ 図 12 切断部の断面状態 6
6. 開先倣い精度と開先倣い装置次に 溶接長 10m 前後の長い溶接線に対して どのように狙い位置ずれを起こさずに溶接するかという課題が出てきた 図 13(a) と図 13(c) に LAHW と両面 SAW の断面マクロを示す LAHW の溶融領域は両面 SAW の 1/5 以下と小さく 特に溶融領域の下側はレーザによる溶融が支配的であり 溶融幅が約 1mm である そのため レーザの狙い位置が溶接線直交方向 ( 横方向 ) に 0.5mm 程度ずれると レーザによる溶融部が開先面から外れてしまい 開先の融合不良やブローホールが発生してしまう ( 図 13(b)) つまり LAHW で欠陥のない溶接施工を行うためには レーザの横方向の狙い位置ずれを ±0.3mm 以内に抑えることが必要であると分かった 融合不良 1mm ブローホール 1mm (a)lahw (b)lahw 溶接線の狙い位置ずれの影響 3mm (c) 両面 SAW 図 13 突合せ溶接継手の LAHW と両面 SAW の断面マクロ ( 板厚 6mm) そこで LAHW に要求される狙い位置精度を持つ自動開先倣い制御装置と それを搭載した自走式の溶接台車の開発を行った ( 図 14) 開先位置検出センサとして 汎用のレーザセンサを溶接加工点の前方 110mm の位置に取り付け 開先位置検出を行ったが レーザ切断は切断面品質が高く ギャップや目違いがほぼ 0mm の箇所では 開先位置が目視でも認識しづらく 汎用のレーザセンサでは僅かに開先を検出できる程度である そのため 開先位置の確度を上げるための対策として 1 点のみの開先検出位置データを用いるのではなく 位置検出センサから溶接加工点までの範囲を 0.75mm 間隔で検出した複数の開先位置データの中から 異常検出位置データを判断後除外し 信頼性の高い残りのデータのみをもとに レーザヘッド及びアークトーチの位置を制御することで 溶接線 10m 以上の溶接施工においても 融合不良などの欠陥がなく 安定した溶接品質が得られるようになった 7
図 14 LAHW 自走式溶接台車 7. レーザ光の安全対策溶接技術の課題を解決したのち レーザ光に対する安全対策を検討した 高出力のレーザ光は 直射光はもとより加工点からの反射光や散乱光も眼や皮膚などの人体に有害な影響を与える可能性があるため レーザ光の漏洩防止対策が必要である そこで 溶接台車内部にレーザヘッドを配置し 台車周囲を遮光カバーで囲うことにより 散乱光等が台車外部へ漏洩することを極力抑える設計とした また 板継ぎ定盤の周囲を高さ 3m の遮光壁で囲い 壁の外側に設けた操作盤で 溶接開始ができるほか 溶接中の各種パラメータをリアルタイムにモニターできるようにした ( 図 15~17) さらに 台車に取り付けたセンサが溶接終端部を検知し 人が近づくことなく自動的に溶接が終了するようにした これらの対策により作業者をレーザ光にさらすことなく溶接ができるようにした 図 15 LAHW 設備の全体構成 8
図 16 遮光壁内の状況図 17 操作盤 ( 遮光壁外 ) 8. 許認可一般商船に LAHW を適用する際には 日本海事協会 (NK) などの船級協会から溶接施工要領書の承認を得る必要がある また 官公庁船に関しては国土交通省の承認等が必要である まず 当社では既に LAHW に関するガイドライン 4) が整備されていた NK の溶接施工法承認を取得することとし そのための各種試験を実施した 溶接施工法承認試験では 実ワークと同等の板厚及びグレードのテストピースを溶接し 非破壊検査 ( 外観検査 浸透探傷試験 放射線透過試験 ) 及び機械試験 ( 引張試験 曲げ試験 マクロ試験 硬さ試験 シャルピー衝撃試験 疲労試験 ) 等を実施した 以下に承認を取得した施工要領の内容 ( 表 3) と機械試験の結果を示す 表 3 承認内容 (1) 引張試験 図 18 に引張試験結果を示す いずれの試験片においても 母材の規定最小引張強さである 440MPa 以上となり 破断位置は全て母材部であった 図 18 LAHW 継手の引張試験結果 9
(2) 曲げ試験 図 19 20 に曲げ試験結果を示す いずれの試験片においても 規定の通り曲げ後の試験片の表面に 3mm 以上の割れ その他欠陥はなかった 図 19 t6mm 曲げ試験片 図 20 t8mm 曲げ試験片 ( 上が表 下が裏曲げ ) ( 上が表 下が裏曲げ ) (3) マクロ試験 図 21 22 にマクロ試験結果を示す いずれの試験片においても 規定の通り 割れ 溶込み不良 融合不良 その他有害な欠陥はなかった 断面 1 断面 2 中断 / 再開 断面 3 図 21 板厚 6mm のマクロ写真 断面 1 断面 2 中断 / 再開 断面 3 図 22 板厚 8mm のマクロ写真 10
(4) 硬さ試験 図 23 に硬さ採取位置を示す また 図 24 25 に 板厚 6mm と板厚 8mm の溶接部の硬さ試験結果を示す いずれの試験片においても 最高硬さは規定値である 380HV を下回った 図 23 硬さ採取位置 300 300 250 250 ビッカース硬さ, HV10 200 150 100 ビッカース硬さ, HV10 200 150 100 50 上部 ( 溶接金属 ) 下部 ( 溶接金属 ) 上部 ( 熱影響部 ) 下部 ( 熱影響部 ) 上部 ( 母材 ) 下部 ( 母材 ) 50 上部 ( 溶接金属 ) 下部 ( 溶接金属 ) 上部 ( 熱影響部 ) 下部 ( 熱影響部 ) 上部 ( 母材 ) 下部 ( 母材 ) 0-8 -6-4 -2 0 2 4 6 8 溶接金属中央部からの距離 (mm) 0-8 -6-4 -2 0 2 4 6 8 溶接金属中央部からの距離 (mm) 断面 1 断面 2 中断 / 再開部 図 24 板厚 6mm の硬さ試験結果 300 300 250 250 ビッカース硬さ, HV10 200 150 100 ビッカース硬さ, HV10 200 150 100 50 上部 ( 溶接金属 ) 下部 ( 溶接金属 ) 上部 ( 熱影響部 ) 下部 ( 熱影響部 ) 上部 ( 母材 ) 下部 ( 母材 ) 50 上部 ( 溶接金属 ) 下部 ( 溶接金属 ) 上部 ( 熱影響部 ) 下部 ( 熱影響部 ) 上部 ( 母材 ) 下部 ( 母材 ) 0-8 -6-4 -2 0 2 4 6 8 溶接金属中央部からの距離 (mm) 0-8 -6-4 -2 0 2 4 6 8 溶接金属中央部からの距離 (mm) 断面 1 断面 2 中断 / 再開部 図 25 板厚 8mm の硬さ試験結果 (5) シャルピー衝撃試験サブサイズ試験片にてシャルピー衝撃試験を実施し 全ての試験片で吸収エネルギー値は合格値に達していたが 溶接金属部において 破断経路が母材側に湾曲する FPD(Fracture Path Deviation) 11
現象が認められた ( 図 26) FPD を起こすと破断時の吸収エネルギーが高い値を示すため 正確な溶接金属のじん性を評価することができなくなる 5) そこで FPD の発生を抑制し溶接金属の吸収エネルギーがガイドラインの要求値を満足することを確認する目的で サイドノッチ付シャルピー衝撃試験を追加実施した なお シャルピー衝撃試験の標準試験片にサイドノッチを設けることで衝撃値評価部の断面積が減少し 吸収エネルギーが低下するため そのまま NK ガイドラインの要求値と比較評価できない そこで 母材 ( 圧延方向 :BM(L)) 及び母材 ( 圧延方向に垂直な方向 :BM(T)) 並びに境界部 (FL) 及び熱影響部 (HAZ2mm) から採取した試験片についても同様にサイドノッチ付シャルピー衝撃試験を行い それらの吸収エネルギー値と比較評価した 図 27 に示す試験結果より, サイドノッチ付試験片の吸収エネルギー値は BM(L) に次いで溶接金属部 (WM) が高い値を示している また WM を除き FPD が発生していない標準試験片とサイドノッチ付試験片の吸収エネルギー値の大小関係は同じである これらの結果を受け FPD が発生しなくても溶接金属の吸収エネルギーは要求値を満足し じん性に問題はないと判断した (a) 試験片破断面 (b) 試験片側面図 26 FPD が発生したシャルピー衝撃試験片 吸収エネルギー [J] 90 80 70 60 50 40 30 20 10 0 標準 サイドノッチ付 WM FL HAZ2mm BM (L) BM (T) 評価部位 板厚 6mm 材質 KA32 室温 標準試験片サブサイズ要求値 23J 図 27 サイドノッチ付シャルピー衝撃試験結果 (6) 疲労試験ギャップ及び目違いのばらつきを考慮した試験片を製作し 疲労試験を実施した 試験の結果 全ての試験片が NK 船級要求の設計疲労曲線 6) を満たし 突合せ溶接継手として十分な疲労強度を有することを確認した ( 図 28) 12
1000 3 応力範囲 [N/mm 2 ] 100 板厚 6mm 板厚 8mm 平均疲労曲線 D 等級 設計疲労曲線 D 等級 10 1.E+04 10 4 1.E+05 10 5 1.E+06 10 6 1.E+07 10 7 1.E+08 10 8 繰返し数 図 28 LAHW 継手の疲労試験結果 9. 一般商船及び巡視船への適用実船への LAHW 適用は まず取得した NK 船級の施工法承認をもとに 一般商船の居住区構造を対象として実施した その後 一般商船の実績をもとに国土交通省の承認 海上保安庁の許可を得て 国内で初めて 大型巡視船の甲板の突合せ溶接に適用した 図 29 に溶接施工時の溶接台車の様子を示す 10m 以上の溶接施工においても溶接台車の挙動は安定しており 安定した溶接品質が得られた 図 30 に LAHW の溶接後の板継パネル外観を示す 表面 裏面ともに良好なビードが形成されており 従来の両面 SAW と比べて 溶接速度は 3 倍程度速く 入熱量を 1/10 以下に抑えた結果 溶接後のひずみが極めて小さいことを確認した 図 29 LAHW 自走式 図 30 LAHW 後のパネル外観 図 31 大型巡視船 溶接台車 10. 成果 今回の主な成果を以下 1~5 にまとめる 13
1 自走式溶接台車装置を新規に開発し LAHW を国内で初めて大型巡視船へ適用した 2LAHW を実用化する上で 開先精度に求められる条件を明らかにした 3 実用化のための溶接条件を明らかにした 4 溶接速度の高速化により溶接時間を短縮した また 溶接時の付帯作業である鋼板の反転作業 ひずみ取り作業をなくした 5レーザ光に作業者をさらすことなく 安全に溶接できる技術および仕組みを確立した 11. おわりに今後の技術課題としては 隅肉溶接への適用や 板厚差がある継手に対する施工条件の確立などがあげられる また 厚板への対応やギャップ裕度の拡大なども使用範囲を拡大するための重要な要素になると考えられる 最後に 私が今回溶接管理技術者として 特に気をつけた事項は以下の 2 点である (1) 実作業で発生する問題 ( 今回は開先精度や安全等 ) を予め十分に調査し 実作業前に全て解決しておくこと (2) 客先や社内製造部門など全ての関係者に対して 採用に当たってのメリットやデメリット 検査方法 問題が起こった場合の処置方法などを十分に説明し合意を得ておくこと 今回紹介した事例が 皆様の新規技術採用時のお役に立てれば幸いである 参考文献 1) 坪田. 外 : レーザ アークハイブリッド溶接の造船工作への適用, 溶接学会誌,79,7(2010), p.633 2) 後藤. 外 : 我が国の造船分野におけるレーザ アークハイブリッド溶接技術導入に関する業界共同研究の動向, 第 86 回レーザ加工学会講演論文集,(2016),p.13 3) 国土交通省ホームページ :https://www.mlit.go.jp/common/001183654.pdf 4) 日本海事協会 : レーザーアークハイブリッド溶接ガイドライン (2009) 5) 萩原. 外 : サイドノッチ付シャルピー試験による靭性評価法, 鉄と鋼,90,7(2004),p.526 6) International Association of Classification Societies:Rec. No.56 Fatigue Assessment of Ship Structures (1999) < 略歴 > 小野直洋 ( おのなおひろ ) 2008 年日本大学理工学部精密機械工学科卒業 2008 年三井造船株式会社玉野艦船工場艦艇部技術開発グループ配属 2015 年同課長補佐現在に至る 14