建設業における社会保険未加入対策について 橋本嘉雄 1 1 建政部計画 建設産業課 ( 950-8801 新潟県新潟市中央区美咲町 1 丁目 1 番 1 号 ) 建設業は, これまでの建設投資の減少による競争の激化により, 就労環境の悪化等による若年入職者の減少や, 不公正な競争環境の発生という課題がある. この課題の対策の一つとして行政 元請業者 下請業者が一体となって取り組んでいる社会保険未加入対策について報告する. キーワード建設業の許可, 経営事項審査, 立入検査, 法定福利費, 標準見積書, 担い手確保 1. はじめに 建設業は河川, 道路, 港湾等の社会資本や, 各種の産業施設, そして学校 病院といった文教 福祉施設の建設工事のほか 災害時の応急対応 除雪等を担う我々の社会を支える重要な基幹産業である. 建設業には他の産業と比較をした場合に次の 5 つの特徴がある.1 受注生産が基本で, 規模 内容が工事ごとに異なるため元請 下請の関係が成立しやすいこと 2 建設工事の生産物を完成させるため, 多種類の工事の施工が必要になること 3 建設工事の生産物が土地に定着するため, 工事の施工場所が限定されること 4 施工場所の多くが屋外であるため, 施工条件が天候に影響を受けやすいこと 5 肉体的労働に依存し, 少ない資本で経営することができるため, 他の産業と比べて建設業への参入が容易であること等である. これらの特徴により, 次の 2 つの問題が生じやすい. 1 建設業には参入が容易な部分がある一方で, 資力 技術力 信用等が不足する企業の参入により, 公衆危害や労働災害等の問題が発生すること 2 建設業は受注産業であるため, 注文者の立場が強く, 建設企業の立場が弱いため, 建設工事の請負契約に不平等 不合理な問題が発生することである. この建設業の特徴から発生する問題に対して, 建設業を営む者の資質の向上, 発注者と請負人との契約関係や元請業者と下請業者の契約関係の適正化等により, 建設工事の適正な施工の確保, 発注者の保護そして建設業の健全な発達の促進を目的として制定した法律が建設業法 ( 昭和 24(1949) 年法律第 100 号 ) である. これまでの建設業行政では, 建設業法に基づき, 国土交通省 都道府県が担当部局となり, 建設業の許可, 建設工事の請負契約とその紛争の処理, そして, 施工技術の確保等の対策を実施してきたところである. 一方で, これまでの建設投資の減少により, 契約関係において立場が弱い建設企業によるダンピング受注や下 請業者へのしわ寄せを招いた. そして, このことが一因となり, 下請業者を中心にして, 社会保険 ( 本書では 雇用保険, 健康保険および厚生年金保険 をいう.) に必要な法定福利費を適正に負担しない企業が存在している. 企業が法定福利費を適正に負担しないことは, 技能労働者がいざというときに公的保障を受けられないことを意味し, 若年入職者数の減少の一因となるほか, 法定福利費を適正に負担する事業者ほど, 負担しない企業に比べて, 競争上では不利になるという矛盾した状況を生じさせている. そして, これらの状況が続くことにより, 建設業の担い手確保や, 建設業の技能 技術の継承に支障をきたし, 建設業の健全な発達を阻害する懸念がある. そのため, これまでの建設業法の規定に基づく建設企業への指導 監督に加えて, 建設業における担い手確保の一環として, 行政 元請業者 下請業者が一体となり, 社会保険未加入対策を総合的に推進し, 技能労働者の就労環境の改善や, 不良不適格事業者の排除に取り組むこととした. この取組の計画期間は平成 24(2012) から平成 28(2016) までとしており, 平成 29(2017) 以降の目指す姿としては, 建設業許可業者単位で 100% の加入とし, 労働者単位では製造業相当の加入としている. 本書では 2015 年 5 月末時点における関係法令, 告示および通達等に基づき, 行政 元請業者 下請業者が取り組む社会保険未加入対策の概要について報告する. 2. 社会保険未加入の背景について 本章では, 建設業における社会保険未加入の背景について各種資料を引用し, 分析する. (1) 社会保険の未加入の背景を示す各種資料
a) 建設投資額および建設業就業者に関する資料建設投資の推移を以下に示す ( 図 -1). 図 3 から, 製造業と建設業とを比較すると, 建設業では 55 歳以上の割合が約 3 割と高くなっている一方で,29 歳以下の割合が約 1 割と低い傾向にある. b) 公共工事設計労務単価の推移および入職 離職の原因に関する資料就業者の処遇に関する資料を以下に示す ( 図 -4). 単価 ( 円,1 日 8 時間あたり ) 図 -1 建設投資の推移 ( 出所 : 国土交通省 建設投資見通し ) 25,000 20,000 15,000 19,121 15,394 13,577 13,072 図 -1 から, 建設投資額は, 平成 4(1992) の約 84 兆円をピークとしてからは減少傾向となり, 平成 26(2014) は約 48 兆円 ( ピーク比約 42% 減 ) となっている. 建設業就業者の推移を以下に示す ( 図 -2). 10,000 5,000 0 平成 9 (1997) 平成 14 (2002) 平成 19 (2007) 平成 24 (2012) 図 -4 公共工事設計労務単価における全国全職種平均値の推移 ( 出所 : 国土交通省 公共工事設計労務単価 から抜粋 ) 図 -2 技能労働者等の推移 ( 出所 : 総務省 労働力調査 ( 暦年 平均 ) を基に国土交通省で算出 平成 23(2011) 年デ ータは東日本大震災の影響により推計値 ) 図 4 から, 公共工事設計労務単価は平成 9(1997) から平成 24(2012) まで, 下落傾向に推移していたことがわかる. 建設技能労働者について, 若手が入職しない原因と若手 中堅が離職する原因に関する資料を以下に示す ( 図 -5). 図 -2 から, 建設業就業者は, 平成 9(1997) 年の 685 万人をピークとして, 減少傾向となり, 平成 26(2014) 年は 505 万人 ( ピーク比約 26% 減 ) となっている. 建設業の就業者の年齢構成に関する資料について, 以下に示す ( 図 -3). 図 -5 建設技能労働力の確保に関する調査報告書 ( 平成 19 (2007) 年 3 月 ) ( 出所 :( 一社 ) 建設産業専門団体連 合会 ) 図 -3 建設業就業者の高齢化の進行 ( 出所 : 総務省 労働力調 査 を基に国土交通省で算出 ) 図 5 から, 若年者が入職しない原因および若手 中堅の離職する原因として 収入の低さ を第一位に挙げており, さらに, 社会保険等福利の未整備 も挙げられ, 処遇の低さが入職しない理由と, 離職する理由に共通していることがわかる.
c) 社会保険未加入に関する資料建設業における社会保険の加入 未加入に関する資料を示す ( 表 -1). 表 -1 公共事業労務費調査における社会保険加入割合 ( 出所 : 国土交通省平成 23(2011) 年 10 月公共事業労務費調査 ) 雇用保険健康保険 厚生年金保険 3 保険 企業 94% 86% 86% 84% 労働者 75% 60% 58% 57% 表 1 から, 社会保険未加入の企業 ( 以下 未加入企業 という.) および未加入の労働者 ( 以下 未加入者 という.) の存在がわかる. 元請業者と下請業者の社会保険加入状況を以下に示す ( 図 -6). 図 -6 元請 下請次数別の社会保険加入状況 ( 出所 : 平成 22 (2010) 公共事業労務費調査 ) 図 6 から, 土木工事および建築工事ともに, 元請業者に比べて, 下請業者の加入割合が低いことがわかる. 都道府県別の社会保険加入状況を以下に示す ( 図 -7). (2) 各種資料の分析 (1) に挙げたデータから 1 建設投資の減少に比例して建設業の就業者も減少しており, さらに, 高齢化が進行していること ( 図 -1, 図 -2, 図 -3)2 建設業の就業者の処遇が低く, 収入が低いというイメージがあること ( 図 -4, 図 -5)3 企業と労働者それぞれに未加入企業と未加入者が存在すること ( 表 -1)4 調査項目によっては加入割合に開きがあること ( 図 -6, 図 -7) がわかる. 雇用保険については建設事業主の場合, 個人経営か法人かにかかわらず, 労働者を 1 人でも雇用する限り, 必ず加入手続をとらなければならない. そして, 健康保険と厚生年金保険については, 法人の場合にはすべての事業所について, 個人経営の場合でも常時 5 人以上の従業員を使用する限り, 必ず加入手続を行わなければならない. これらの社会保険に要する費用は, 建設企業が義務的に負担しなければならない法定福利費である. 建設業法第 19 条の 3 には 注文者は, 自己の取引上の地位を不当に利用して, その注文した建設工事を施工するために通常必要と認められる原価に満たない金額を請負代金の額とする請負契約を締結してはならない. と規定しており, 法定福利費は 通常必要と認められる原価 に含まれるものである. しかし, 建設投資が減少している状況下では, 建設業は受注産業であるため, 建設企業の立場が弱く, 注文者の立場が強いため, 義務的に負担しなければいけない法定福利費が確保されない請負契約が発生し, さらに, 未加入企業が存在することにより, 技能労働者の就労環境が悪化し, 建設業の担い手減少の一因となっている. 一方で, 適正に法定福利費を負担している企業は, 未加入企業と比べてコスト高となるため, 企業間の競争では不利になるという矛盾が生じている. このように法定福利費の確保は, 企業活動のみで確保を実現することが困難な状況にあるため, 建設業に関わる行政 元請業者 下請業者が一体となり, 総合的に取り組むことが必要である. 次章では行政 元請業者 下請業者それぞれの具体的な社会保険未加入対策を説明する. 3. 各分野における社会保険未加入対策 図 -7 都道府県別の社会保険加入状況 ( 出所 : 平成 22(2010) 公共事業労務費調査 ) 図 7 から, 地方部と比べて都市部の加入割合は低い傾向にある. (1) 行政による取組 a) 建設業の許可申請時における確認 指導建設業法第 3 条の規定により, 建設工事の完成を請け負う営業を行うためには, 建設工事 (1,500 万円未満の建築一式工事および建築一式工事以外の 500 万円未満の工事を除く ) が公共工事であるか民間工事であるかを問わず, 建設業の許可を受けなければならない.
一方で, 建設業の許可制度では, 未加入企業を把握する仕組みが存在しなかった. そのため, 建設業担当部局が所管する建設業の許可制度に未加入企業をチェックする機能を持たせ, さらに, 建設業担当部局から未加入企業に加入指導をしても加入しない場合に, 社会保険担当部局との連携を図るため, 平成 24(2012) 年 11 月以降は, 建設業の許可申請をする建設企業は, 健康保険等の加入状況を示す書面を添付書類として提出することになった. b) 経営事項審査における確認 指導, 減点幅拡大競争参加資格の審査に用いる経営事項審査についても社会保険未加入対策を行った. 経営事項審査は, 建設業法第 27 条の 23 の規定により, 建設企業が公共工事を発注者から直接請け負う場合, 原則として, その経営に関する客観的事項について, 国土交通大臣または都道府県知事から受ける審査のことである. 経営事項審査の結果は, 主に公共工事の発注者である国 地方公共団体等が競争参加資格の審査において利用する. 経営事項審査の位置づけ ( 図 -8) を以下に示す. 経営事項審査においては, 表 -2 の その他審査項目 ( 社会性等 )1 労働福祉の状況 において, 平成 24 (2012) 年 7 月前は雇用保険と健康保険および厚生年金保険の 2 つに分類し, 審査をしていた. しかし,3 保険とも保険制度の目的 給付内容は別個のものであり, 一定の手続により適用除外を受ける仕組みがあることや, 各保険制度ごとの加入状況を適正に把握し, 評価を行う必要があるため, 平成 24(2012) 年 7 月以降は, 項目を 2 分割し, 健康保険 と 厚生年金保険 のそれぞれを審査の対象とし, さらに, 未加入の場合の減点幅を大きくし, 未加入企業への審査を厳格化した ( 表 -3). 表 -3 経営事項審査での社会保険未加入業者の減点幅拡大 改正前 ( 平成 24(2012) 年 7 月前 ) 改正後 ( 平成 24(2012) 年 7 月以降 ) 雇用保険 30 点雇用保険 40 点 健康保険厚生年金保険 30 点 健康保険 厚生年金保険 40 点 40 点 合計 60 点合計 120 点 図 -8 経営事項審査の位置づけ 次に経営事項審査の審査項目を以下に示す ( 表 -2). 表 -2 経営事項審査の審査項目 ( 出所 : 中央建設審議会資料 ) c) 法令遵守推進本部による立入検査平成 19(2007) 年 4 月以降, 建設業を取り巻く厳しい環境を踏まえ, 建設生産物の品質を確保するとともに, 技術と経営に優れた企業が伸びる環境を整備していくうえで, 建設業者に対する法令違反への対応を強化するため, 建設業法第 31 条の規定により, 北陸地方整備局をはじめとする全国の地方整備局等において, 建設業法令遵守推進本部 を設置し, 建設業者に立入検査を行い, 建設業における法令遵守の徹底を強化している. 北陸地方整備局は管内 ( 新潟県 富山県 石川県 ) の建設業者について, 平成 25(2013) は 113 社, 平成 26 (2014) は 114 社に立入検査を実施している. 立入検査では, 書面による請負契約締結の徹底や, 下請企業に対する適正な下請代金支払の確保のほか, 社会保険加入状況の確認や, 下請契約における法定福利費を内訳明示した見積書 ( 以下 標準見積書 という.) を尊重した下請契約の締結について検査を実施している. 法定福利費は, 第 2 章第 2 節で記述したとおり, 建設業法第 19 条の 3 の 通常必要と認められる原価 であり, 法定福利費を満たさない金額は建設業法 19 条の 3 に違反するおそれがあるため, 検査項目としているものである. (2) 元請業者および下請業者による取組 a) 施工体制台帳による社会保険加入状況の確認建設業法は建設工事の適正な施工の確保も目的としており, その方法の一つが建設業法第 24 条の 7 の規定による施工体制台帳である. 施工体制台帳は下請業者の建設工事内容や工期等を記載した台帳のことである.3,000 万円 ( 建築一式工事では 4,500 万円 ) 以上の工事 ( ただし, 平
成 27(2015) 年 4 月以降に契約する公共工事についてはすべての工事 ) については, 発注者から直接請け負った元請業者は施工体制台帳を作成する義務がある. 平成 24(2012) 年 11 月以降は, 施工体制台帳の記載事項および下請負人が元請業者に通知すべき事項に, 社会保険保険加入状況を追加し, 元請業者は下請業者の社会保険加入状況についても確認することとした. b) 標準見積書の作成 提出平成 24(2012) 年 5 月に行政, 建設業団体等が建設業における社会保険未加入対策を総合的かつ継続的に推進する場として, 社会保険未加入対策推進協議会を開催した. この協議会では, 参画した元請業者が所属する総合工事業団体が標準見積書の提出を下請業者に促すとともに, 提出した標準見積書を尊重すること, そして, 下請業者が所属する各専門工事業団体が法定福利費を明示した標準見積書およびその作成手順書を検討することを決定した. 平成 25(2013) 年 9 月からは各専門工事業団体が作成した標準見積書の様式およびその作成手順書の活用を開始している. 従来, 下請業者が元請業者に提出する見積書の様式について, これまでは材料費と工事費を一式で計上したものや, m2単価そしてトン単価等で表記したものが多く, 法定福利費の有無を確認することが困難であったが, 法定福利費を内訳明示した標準見積書の活用により, 法定福利費を確保することが可能となる. 国土交通省は, 各業界団体が定めた標準見積書の作成様式について, 国土交通省ホームページに掲載するなどし, 活用を支援している. 標準見積書の作成例を以下に示す ( 図 -9). 本章第 1 節 c 項で記述したように法定福利費を確保するためには, 標準見積書を下請業者が作成し, 元請業者が尊重することが必要である. しかし, 個々の企業の努力だけではなく, 業界全体で取り組むことも重要である. 標準見積書の活用にあたっては, 各総合工事業団体および各専門工事業団体が主体となって取り組み, 国土交通省が取り組みを行うよう働きかけ 課題の集約を行うこととしている. 4. おわりに 社会保険加入状況について, 直近の資料を以下に示す ( 図 -10). 法定福利費図 -10 公共事業労務費調査 ( 平成 26(2014) 年 10 月調査結果 ) における社会保険加入状況調査 ( 出所 : 国土交通省 ) 図 -9 標準見積書の作成例 ( 出所 : 国土交通省ホームページ http://www.mlit.go.jp/common/001023918.pdf) 図 -10 から,3 保険の加入割合は, 平成 23(2011) 年 10 月調査結果と比較して, 平成 26(2014) 年 10 月調査結果では, 元請業者および一次 二次 三次下請業者のいずれにおいても,3 保険全体の加入割合は高まっている. しかし, 元請業者と三次下請業者との加入割合の比較をした場合, 三次下請業者の加入割合は元請業者の加入割合より 10 ポイント以上低い.
さらに, 公共事業労務費調査 ( 平成 26(2014) 年 10 月調査結果 ) における社会保険加入状況調査のうち, 以下の調査結果を示す ( 表 -4). 表 -4 公共事業労務費調査 ( 平成 26(2014) 年 10 月調査結果 ) 企業別 における保険加入状況調査 ( 企業別 労働者別の調査 結果から抜粋 )( 出所 : 国土交通省,( ) 内の割合は 3 保険の加入割合 ) 調査項目 加入率高 ( 例 ) 加入率低 ( 例 ) 都道府県別 富山 (99%) 千葉 (78%) 事業所規模別 500~999 人 (97%) 1 人 (59%) 労働者別 調査項目 加入率高 ( 例 ) 加入率低 ( 例 ) 給与形態別 月給制 ( 欠勤差引あり ) 日給制 ( 日雇 臨時 ) (97%) (13%) 職階別 職長 (83%) 指導者以外の労働者 (64%) 表 -4 からは, 企業別および労働者別ともに, 各調査項目において, 加入率が高い例と加入率が低い例が明確になっている. 企業別では, 就業者が多い企業と地方部での加入割合は高いが, 就業者が少ない企業や都市部では加入割合が低いことがわかる. 一方で, 労働者別では, 月給制 や職長といった労働者は高く, 日給制や指導者以外の労働者の加入割合は低い. 調査項目によっては加入割合が上がっていることを示す調査結果 ( 図 -10) がある一方で, 別の調査結果 ( 表 -4) では, 加入割合の差が大きい場合があることもわかる. 社会保険加入の徹底にあたっては, 今後も行政 元請業者 下請業者等の様々な関係者が一体となり, 様々な角度から社会保険未加入対策を進めていくことが必要である. そして, 社会保険未加入対策を進めることによって建設業の持続的な発展に必要な担い手確保および事業者間の公平で健全な競争環境の構築を実現することが必要である. 今後も建設業行政を担当する職員として, 社会保険未加入対策に取り組んでいきたい. 謝辞 : 本書作成にあたり, ご指導をいただいた皆様に対して, 心から御礼を申し上げます. 参考文献 : 1) 山口康夫著 : 逐条解説建設業法 2) 建設業法研究会編著 : 逐条解説建設業法解説改訂 11 版