授業科目名 山本悦夫他 授業科目群展開発展科目必修 選択の別選択開講年次 3 年次後学期 履修条件 特になし 学習の目標 医療は国民の健康と生命を守るものであるが 医療の発達に伴い そこには様々な問題が生じている そこで生起する諸問題を公正かつ効果的に処理できるようにすることを学習の目的とする 授業はオムニバス方式で行う 授業の計画 第 1 回医療の倫理第 2 回医療についての法制度第 3 回患者の権利と先端医療第 4 回医療と情報第 5 回医療と税法第 5 回医療過誤と法 (1) 第 6 回医療過誤と法 第 7 回医療過誤と法 第 8 回医療過誤と法 (4) 第 10 回医療過誤と法 (5) 第 11 回水俣病訴訟 (1) 第 12 回水俣病訴訟 第 13 回水俣病訴訟 第 14 回法医学第 15 回総括 教科書 主な参考文献 試験 成績評価の方法 1. 加藤良夫編著 実務医事法講義 ( 民事法研究会 2005) 2. 宇都木伸他編 医事法判例百選 ( 有斐閣 2006) 1. 手嶋豊 医事法入門 ( 第 2 版 ) ( 有斐閣 2008) 2. 稲垣喬 医事訴訟入門 ( 第 2 版 ) ( 有斐閣 2006) 3. 町野朔他編 安楽死 尊厳死 末期医療 ( 信山社 1999) 4. 中谷謹子 続 21 世紀における生命と法と倫理 ( 有斐閣 2001) 5. 植木哲編 医事法教科書 ( 信山社 1999) 6. 唄孝一編 医療過誤判例百選第 2 版 ( 有斐閣 1996) 成績はテスト (70%) と平常点 (30%) で評価します 1
中村直美 第 1 回全 15 回 医療の倫理 医療の問題を法的に考察する際の基礎 背景となる医療の倫理について考える 授業の前にあらかじめ配布した参考文献を読んでおき 議論をしながら医療に関わる倫理的な問題を考えていく レジュメに基づき概説的な説明も行う (1) 医の倫理の歴史について 最近まで医師の職に就く者の守るべき基準とみなされて来た ヒポクラテスの誓い から インフォームド コンセントの淵源の一つとされる第二次大戦後のニュールンベルグ綱領 同じくもう一つの淵源とされるアメリカにおけるインフォームド コンセント法理などを概観する 医の倫理のうち 特に患者の自律 ( 自己決定 ) と患者の利益との対立問題を医療におけるパターナリズムの問題として取り上げ ともに考えてみる 医療分野においても倫理的 法的な議論として最近特に注目される 正義とケア の問題を取り上げ ともに考えてみる 関係条文憲法 13 条キーワード人格権 自己決定権 自律 インフォームド コンセント パターナリズム 正義 ケア必ず予習すべき文献 判例 (1) 中村直美 エホバの証人との輸血拒否とパターナリズム 医療におけるパターナリズムの一考察 法の理論 13( 93) 所収 同 正義の ケアの議論と自律 パターナリズムの議論 中村直美他編 時代転換期の法と政策 所収 ( 02) 他いずれも事前に資料として配布する (1) フェイドン / ビーチャム 酒井忠昭他訳 インフォームド コンセント ( みすず書房 1996) 西村高宏 専門職としての医師と倫理 田中朋弘他編 ビジネス倫理学 哲学的アプローチー ( ナカニシヤ出版 2004) ノディングズ立山善幸他訳 ケアリング ( 晃洋書房 2003) 2
山本悦夫 第 2 回全 15 回 医療についての法制度 医療法と医師法 歯科医師法 保健師助産師看護師法など医療についての法制度を扱う (1) 医療の法制度はどうなっているのか 医療行う者としての医師と歯科医師などについて法はどう定めているのか 看護師などパラメディカルについて法はどう定めているのか (4) 医療の法制度について 最近いかなる問題が提起されているか (1) 医療法における医療提供の理念医療の担い手の責務 病院の概念 医師 歯科医師の業務独占 名称独占医業における 医行為 と 業 医師の義務 ( 診療義務 診断書等 処方箋交付義務 異状死届出義務 ) 保健師 助産師 看護師の業務独占 名称独占医師 歯科医師の業務との関係介護福祉士などの業務との関係関係条文医療法 1 条の4 医師法 17 条 歯科医師法 17 条 保健師助産師看護師法 2 3 5 条キーワード医行為 業 業務独占 名称独占 診療義務必ず予習すべき文献 判例 (1) 加藤良夫編著 実務医事法講義 ( 民事法研究会 2005)431~481 頁 村山淳子 神戸診療拒否事件 宇都木伸ほか編 医事法判例百選 212 頁 ~213 頁 ( 神戸地判平 4.6.30) 工藤達朗 医業類似行為の禁止 高橋和之ほか編 憲法判例百選 Ⅰ( 第 5 版 ) 200 頁 ~ 201 頁 ( 最大判昭 35.1.27) (1) 宇都木伸 断食道場事件 宇都木伸ほか編 医事法判例百選 224 頁 ~225 頁 ( 最判昭 48.9.27) 平林勝政 在宅医療 宇津木伸ほか フォーラム医事法学 ( 尚学社 1994)121~156 頁 井田良 3% ヌペルカイン事件 宇都木伸ほか編 医事法判例百選 160 頁 ~161 頁 ( 最判昭 28.12.22) (4) 菅野耕毅 神戸診療拒否事件 唄ほか編 医療過誤判例百選 ( 第 2 版 ) 214 頁以下 3
山本悦夫 第 3 回全 15 回 患者の権利と先端医療 医療の法的根拠となる医療契約を前提に インフォームド コンセントを扱う (1) 医療契約とは何か インフォームド コンセントとは何か 患者の権利としてどういったものがあるか 死 をめぐる法的諸問題を扱う (1) 尊厳死と安楽死を法はどう評価するのか 脳死は人の死といえるのか 臓器移植法とは何か (1) 医療契約準委任契約説 請負契約説 雇用契約説 インフォームド コンセント医師の説明義務医療行為の裁量性と患者の自己決定同意取得義務違反の効果 ( 行政責任 民事責任 刑事責任 ) 自己決定権根拠と限界 (4) 自己決定権と死ア. 尊厳死と安楽死尊厳死と刑法安楽死と刑法イ. 脳死従来の死の概念と脳死判定基準臓器の移植に関する法律関係条文憲法 13 条 民法 656 条 医療法 1 条の4 第 2 項 キーワード インフォームド コンセント 自己決定権 刑法 202 条 臓器移植法 必ず予習すべき文献 判例 (1) 加藤良夫編著 実務医事法講義 ( 民事法研究会 2005)85~103 頁 150~164 頁 潮見佳男 輸血拒否 宇都木伸ほか編 医事法判例百選 96 頁 ~97 頁 ( 最判平 12.2.29) (4) 福田雅章 安楽死 ( 東海大学安楽死事件 ) 唄ほか編 医療過誤判例百選( 第 2 版 ) 130 頁以下 (TKC28105325) (1) 唄孝一 医師の説明と患者の承諾 医事法学への歩み ( 岩波書店 1970)3 頁 新美育文 インフォームド コンセントに関する裁判例の変遷 年報医事法学 16 97 頁 町野朔 患者の自己決定権と法 ( 東京大学出版会 1985)116 頁 (4) 中谷謹子 死をめぐる法的問題 続 21 世紀につなぐ生命と法と倫理 ( 有斐閣 2001 年 )55~66 頁 (5) 塚本泰司 死をめぐる法的問題 宇津木伸ほか フォーラム医事法学 ( 尚学社 1994 年 )157~ 199 頁 4
森脇敦史 第 4 回全 15 回 医療と情報 (1) 癌対策の効果的推進等を目的として癌患者の罹患 生存に関する情報を 本人の同意を得ないまま収集することが許されるか 本人の同意を得ないまま その病状や治療法について 医師が他の機関の医師に相談することは許されないか (1) プライバシーと自己情報コントロール 個人情報保護 個人情報保護法と医療情報保護 収集制限 目的制限 開示請求 関係条文個人情報保護 3 法キーワード個人情報保護 医療情報必ず予習すべき文献 判例 (1) 樋口範雄 医療情報保護ガイドライン 法教 291 号 2 頁 厚労省 医療 介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイドライン (http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/seisaku/kojin/dl/170805-11a.pdf) (1) 増成直美 診療情報の法的保護の研究 ( 成文堂 2004) 開原 樋口編 医療の個人情報保護とセキュリティ ( 有斐閣 2003) 5
山崎広道 第 5 回全 15 回 医療と税法 一般の会社経営と同様に病院経営においても税法は種々の面で関わっている これまで病院経営者及び医療法人に関する課税問題で裁決や判例は数多くあるが 医療法人に関する租税訴訟としては 法人税法違反事件が数件見られるだけであり 必ずしも多いとはいえないの実情である 本授業では 医療法人の法人税法違反事件を取り上げ その特質 傾向などを検討するとともに 医療法人をめぐる課税問題について解説する (1) 医療法人と法人税法 損金算入の要件 医療法人をめぐる課税問題 関係条文医療法 42 条 2 項 医療法 54 条キーワード医療法人 特別医療法人必ず予習すべき文献 判例 (1) 大阪高裁平成 3 年 5 月 23 日判決 LEX/DB22008230 福岡地裁平成 6 年 6 月 17 日判決 LEX/DB25200032 (1) 岡村忠生 法人税法講義 ( 成文堂 2004) 6
田尻和子 第 6 回全 15 回 医療過誤と法 (1) 民事責任 1 (1) 民事責任について 医療訴訟の流れア. 医療相談イ. カルテ開示によるカルテの取り寄せカルテの証拠保全 熊本地裁での取り組み 検証と送付嘱託 他の裁判所との比較ウ. カルテの検討エ. 内容証明による要求日本医師会の保険あるいは法人保険の検討による示談の可能性オ. 調停の活用医師を調停委員として事案の争点整理や専門用語についてのアドバイスを受けるカ. 訴訟の提起キ. 判決と和解 医療訴訟促進に向けての新しい試み訴状 答弁書 カルテとその翻訳の提出 診療経過一覧表の作成 被告 とその認否熊本方式と東京集中部 大阪方式 名古屋 千葉 福岡各地での方式準備書面 検証 証拠調べ鑑定 テレビ会議の利用 複数鑑定 書面による尋問 尋問形式の多様化 医事関係訴訟委員会による鑑定人推薦 専門委員の導入について (1) 関係条文 キーワード 必ず予習すべき文献 判例 (1) 加藤良夫編著 実務医事法講義 ( 民事法研究会 2005) (1) 7
田尻和子 第 7 回全 15 回 医療過誤と法 民事責任 2 (1) 民事責任について 医療訴訟の流れ ⅰ) 医療相談 ⅱ) カルテ開示によるカルテの取り寄せカルテの証拠保全 : 熊本地裁での取り組み 検証と送付嘱託 と他の裁判所との比較 ⅲ) カルテの検討 ⅳ) 内容証明による要求日本医師会の保険あるいは法人保険の検討による示談の可能性 ⅴ) 調停の活用 : 医師を調停委員として事案の争点整理や専門用語についてのアドバイスを受ける ⅵ) 訴訟の提起医療訴訟促進に向けての新しい試み訴状 答弁書 カルテとその翻訳の提出診療経過一覧表の作成 被告 とその認否熊本方式と東京集中部 大阪方式 名古屋 千葉 福岡各地での方式準備書面 検証 証拠調べ鑑定 : テレビ会議の利用 複数鑑定 書面による尋問 ( 尋問形式の多様化 ) 医事関係訴訟委員会による鑑定人推薦専門委員の導入について ⅶ) 判決と和解 (1) 民事責任について 医療訴訟の流れ 関係条文 キーワード 必ず予習すべき文献 判例 (1) 加藤良夫編著 実務医事法講義 ( 民事法研究会 2005) (1) 8
田尻和子 第 8 回全 15 回 医療過誤と法 民事責任 3 (1) 医療過誤訴訟の件数等について 判例の動向 ⅰ) 医療過誤訴訟判決の流れの概観 1950 年代後半 ~70 年代半ば : 患者側救済の方向 70 年代後半 ~90 年代前半 : 患者側に厳格な責任論の潮流 90 年代後半 ~( 最判一覧参考 ): 最判の特徴をどう考えるか ⅱ) 医療側の注意義務をめぐる最高裁判決の動向 昭和 36 年輸血梅毒事件の最善注意義務と医療慣行の排斥 一連の未熟児網膜小事件判決による医療水準論の定着と他の医療判決に与えた影響 平成 7.6.9( 未熟児網膜症破棄判決 ) 8.1.23( 腰麻ショックと能書 ) 判決の意義 ⅲ) その他の最高裁判決の検討 H9.2.25 顆粒球減少症と鑑定 開業医の注意義務としての転医措置をとるべき義務の認定 鑑定に沿う他の証拠がない場合に 鑑定に基づく事実認定をするときは鑑定の証拠評価を十分行う必要があることを示し 鑑定の証拠上の扱いを明確にした H11.2.25 肝細胞癌と延命 不作為を過失とするケースで 不作為により重篤化し死亡に至ったが因果関係が必ずしも十分とは言えない場合 死亡時に患者がなお生存していたであろうことが是認しうる高度の蓋然性があれば 不作為と死亡との事実的因果関係を肯定し 患者の立証上の負担を軽減した H12.2.29 宗教的理由による輸血拒否 宗教上の信念からいかなる場合にも輸血を受けることを拒否するとの固い意思を有している患者に対し 他に救命手段がない事態に至った場合には輸血するとの方針を採っていることを医師が説明せずに手術をして輸血した場合 患者が手術を受けるか否かの意思決定をする権利を奪ったとして慰謝料請求を認めた (1) 昭和 36 年輸血梅毒事件の最善注意義務と医療慣行の排斥 一連の未熟児網膜小事件判決による医療水準論の定着と他の医療判決に与えた影響 平成 7.6.9( 未熟児網膜症破棄判決 ) 8.1.23( 腰麻ショックと能書 ) 判決の意義 関係条文 キーワード 必ず予習すべき文献 判例 (1) 加藤良夫編著 実務医事法講義 ( 民事法研究会 2005) (1) 9
佐藤陽子 第 9 回全 15 回 医療過誤と法 (5) 刑事責任 1 病院勤務看護師 A Bは 慢性関節リウマチ治療のため手指手術を受けた入院患者 Cに対し 主治医であるDの指示により当日午前 8 時 30 分頃から病室において 点滴器具を使用して抗生剤を静脈注射した後 血液凝固防止剤ヘパリン生理食塩水 ( ヘパ生 ) を点滴注入することになっていた ( イ )Aは 午前 8 時 15 分頃 ヘパ生 と記載された生理食塩水 10cc 入りの無色透明注射器 1 本と他の患者 E 用の消毒液 10cc 入り無職透明注射器を用意し同じ処置台上に併置した後 前者にマジックで E 様洗浄用ヒビグル との用紙を貼り付け 後者を生理食塩水入り注射器と誤信して これを抗生剤と共にCの病室に持参し 抗生剤の静脈注射を開始しその場を離れた ( ロ )Bは 午前 9 時頃 Cから抗生剤の点滴が終了した旨の合図を受けて同患者の病室に赴き 引き続き生理食塩水点滴を行うに当たり メモの記載を確認することなく Aの持参した注射液を注入した その結果 Cの容態が急変した ( ハ ) その連絡を受けた医師 Fの指示により 午前 9 時 15 分頃 血管確保のための維持液の静脈への点滴が開始されたが 維持液に先立ち 点滴器具内に残留していた消毒液の全量をCの体内に注入させることになり C は そのころ 同所において急性肺塞栓症による右室不全により死亡した (1) 過失と予見可能性 過失と共犯 過失の競合 (4) 過失と因果関係 (5) 信頼の原則 関係条文刑法 211 条等キーワード予見可能性 回避可能性 因果関係 新過失論 旧過失論 過失競合 信頼の原則必ず予習すべき文献 判例 (1) 札幌高判昭和 51 年 3 月 18 日高刑集 29 巻 1 号 78 頁 東京地判平成 13 年 3 月 28 日判時 1763 号 17 頁 最判昭和 28 年 12 月 22 日刑集 7 巻 13 号 2608 頁 (4) 井田良 予見可能性の意義 (1) 刑法判例百選 Ⅰ 総論第 5 版 100 頁 (5) 佐久間修 注意義務の存否 内容 刑法判例百選 Ⅰ 総論第 5 版 110 頁 (6) 阿部純二 他人の行為の介入と因果関係 刑法判例百選 Ⅰ 総論第 2 版 44 頁 (1) (1) 甲府地判平成 6 年 6 月 3 日判タ 1053 号 37 頁 横浜地判平成 13 年 9 月 20 日判タ 1087 号 296 頁 飯田英男 北海道大学電気メス事件 医療過誤判例百選第 2 版 50 頁 (4) 中谷瑾子 過失犯における予見可能性と信頼の原則 ジュリ 590 号 135 頁 (5) 甲斐克則 薬害エイズ事件帝京大ルート第 1 審判決 ジュリ 1224 号 153 頁 (6) 町野朔ほか ( 座談会 ) 薬害エイズ事件をめぐって 法学教室 258 号 22 頁 10
佐藤陽子 第 10 回全 15 回 医療過誤と法 (6) 刑事責任 2 (1) A は 病院の外科部門の医長である 患者は 7 歳の女児であり 足首の骨が結核性の膿瘍を病んでいた 鑑定によれば 結核の感染がそれ以上拡大すれば 慢性の難病に そして結局は死の危険に至ったであろうと思われる 患者の父親は自然療法の信奉者として外科手術に反対であり 事前に A に対して手術に反対であると言明していた しかし A は 足骨の切除によって疾病の進行をくい止めようとし それは成功しなかった その後 A の代理人医師 B によって足の切断がなされた その後 その子供は結核性の徴候も現れることなく 正常に成長してきた 病院の院長である甲は 46 歳の女性患者乙に対して手術を行った 事前の検査で拳 2 個大の子宮筋腫が確認され 甲は手術による筋腫の摘出を乙に勧めた 手術の途中で その筋腫は子宮の表面に付着しているのではなく子宮としっかりと癒着していることが明らかになった それは 同時に子宮を除去することによる以外には取り除きえなかったので 甲は子宮体全部を摘出した 乙はそのような広範な侵襲に対しては同意していなかった (1) 正当業務行為と違法性阻却 治療行為と同意 推定的同意 (4) 治療行為と緊急避難 (5) 医師による治療の中止 自殺関与等 関係条文刑法 35 条 199 条 202 条 204 条 205 条等キーワード治療行為 同意 推定的同意 専断的治療行為 自己決定権必ず予習すべき文献 判例 (1) 高松高判昭和 28 年 5 月 12 日特報 36 号 12 頁 東京高判昭 45 年 11 月 11 日高刑集 23 巻 4 号 759 頁 釧路地判昭和 47 年 4 月 5 日刑裁月報 4 巻 4 号 717 頁 (4) 大阪高判昭和 52 年 12 月 23 日判時 897 号 124 頁 (5) 大阪高判昭和 55 年 9 月 26 日高民集 33 巻 3 号 266 頁 (6) 東京高判平成 9 年 8 月 4 日高刑集 50 巻 2 号 130 頁 (1) 最判昭和 38 年 5 月 15 日刑集 17 巻 4 号 303 頁 小松進 医療と刑罰 現代刑罰法大系 3 巻 71 頁 金沢文雄 医療と刑法 現代刑法講座 2 巻 125 頁 (4) 町野朔 患者の自己決定権と法 ( 東京大学出版会 1986) (5) 大谷實 医療行為と法 ( 弘文堂 1980) 11
原田惠吉 第 11 回全 15 回 水俣病訴訟 (1) 水俣病と呼ばれる疾病は 昭和 31 年に水俣湾を中心とする不知火海沿岸の地域において また 昭和 40 年には新潟県の阿賀野川流域において それぞれ発生が報告された疾病である 水俣病は 魚介類に蓄積されたメチル水銀を大量に経口摂取することにより発症する神経系疾患と考えられている メチル水銀に起因する健康被害を訴える者の救済については 損害賠償請求訴訟による個別の司法的救済に加えて 救済法及び公健法による立法的救済がなされ その後も種々の行政的な救済策が講じられ 平成 21 年には新たに更なる立法的な救済策が講じられている これらの多様な救済策は それぞれ固有の趣旨 目的を持って メチル水銀に起因すると訴えられる健康被害の中から異なる範囲の者を救済対象と捉えてきたものである 水俣病の病象論とこれら種々の救済策の役割を検討する (1) メチル水銀中毒症とは何か 水俣病とは何か ( 病像論 ) メチル水銀に起因する健康被害を訴える者に係る多様な被害に応じた各種の救済策 1. 救済法及び公健法による立法的救済 2. その後の (S60 以降 ) 種々の行政的救済 3. H21 年の新たなる立法的救済 国 県と患者団体との水俣病概念の相違 関係条文公害健康被害補償法 ( 昭 48 法律第 101 号 ) 第 1 条 同法 2 条 2 項 同法同条 3 項水俣病被害者の救済及び水俣病問題の解決に関する特別措置法 ( 平 21 法律第 81 号 ) 第 1 条 キーワードメチル水銀中毒症 水俣病 昭和 46 年事務次官通知 昭和 52 年判断条件必ず予習すべき文献 判例 (1) いわゆる昭和 46 年事務次官通知 いわゆる昭和 52 年環境保健部長通知 (52 年判断条件 ) いずれも事前に資料として PDF に変換して配布する (1) 水俣病に係る病像論に関する図書 水俣病に関する立法的救済に関する資料 水俣病に関する行政的救済に関する資料 いずれも事前に資料として PDF に変換して配布する 12
原田惠吉 国家賠償法に基づく損害賠償請求事件 第 12 回全 15 回 水俣病訴訟 水俣病関西訴訟上告審判決 ( 最二判 H16.10.15) を題材として 国家賠償法における論点を整理する 1. 国及び県の責任について 2. 除斥期間について 3. 因果関係について 4. 病像論について (1) 規制権限の不行使が 国賠法 1 条 1 項の適法上違法となるか 1 違法性判断基準 2 国の責任 ( 水質二法 ) 3 県の責任 ( 県漁業調整規則 ) 因果関係について各原告について 違法な不法行為と損害との間に因果関係を認めることができるか 除斥期間について 1 除斥期間の起算点は 加害行為時 損害発生時のいずれか 2 本件における除斥期間の起算点はいつか 3 裁判外の権利行使によって損害賠償請求権が保存されているのか (4) 水俣病の 病像論 について 関係条文国家賠償法 1 条 1 項 民法 724 条キーワード規制権限不行使と国賠法 1 条 1 項の適用 除斥期間 因果関係の立証 水俣病の 病像論 必ず予習すべき文献 判例 (1) 長谷川浩二 最高裁判所判例解説民事編平成 16 年度 水俣病関西訴訟上告審判決 ( 最二判 H16.10.15) 判例時報 No.1876 (H17. 2.1 号 ) いずれも事前に資料を PDF に変換して 受講生に Email で配布する (1) 水俣病関西訴訟第一審判決 ( 大阪地判 H6. 7.11) 判例時報 No.1506 (H 6.12.1 号 ) 水俣病関西訴訟控訴審判決 ( 大阪高判 H13.7.18) 判例時報 No.1761 (H13.12.1 号 ) 権限不行使に関する最高裁判例の要旨 : 長谷川浩二 法曹時報 58 巻 10 号 3433 頁 いずれも事前に資料を PDF に変換して 受講生に Email で配布する 13
原田惠吉 第 13 回全 15 回 水俣病抗告訴訟 1. 水俣病認定処分取消訴訟及び義務付け訴訟 2. 水俣病認定処分不作為違法訴訟及び義務付け訴訟を題材として 行政事件訴訟法 ( 抗告訴訟 ) の論点を整理する 水俣病訴訟 公害に係る健康被害の救済に関する特別措置法 ( 昭 44 年法律第 90 号 ) 又は公害健康被害の補償等に関する法律 ( 昭 48 年法律第 101 号 ) に基づき 熊本県知事に対して 水俣病認定申請をした者が 知事の処分 ( 水俣病認定棄却処分 ) を不満とし 取消訴訟及び義務付け訴訟を提起している事例がある さらに 水俣病認定申請をしてから長期間経っているのに 未だ処分がないのは違法だとして 不作為違法確認訴訟を提起している事例がある これら事例を教材として 取消訴訟 不作為違法確認訴訟 義務付け訴訟における種々の論点を整理する 関係条文公健法 1 条 同法 108 条 行訴法 3 条 同法 8 条 同法 37 条 同法 37 条の 2 キーワード水俣病の認定 行政裁量 取消訴訟 不作為違法確認訴訟 義務付け訴訟 必ず予習すべき文献 判例 (1) 行政法概説 Ⅱ 行政救済法第 2 版 宇賀克也著 有斐閣 行政法第 2 版 櫻井敬子 橋本博之共著 弘文堂 行政法 2( 行政救済法 ) 第 5 版 塩野宏著 有斐閣上記基本書の取消訴訟 不作為違法確認訴訟 義務付け訴訟の記述箇所 (4) いわゆる昭和 46 年事務次官通知 (5) いわゆる昭和 52 年環境保健部長通知 (52 年判断条件 ) (6) 福岡高裁平成 9 年 3 月 11 日判決 : 不作為違法確認訴訟 (4)~(6) は 事前に資料を PDF に変換して 受講生に Email で配布する (1) 熊本地裁昭和 51 年 12 月 15 日判決 : 不作為違法確認訴訟 熊本地裁平成 20 年 1 月 25 日判決 : 取消 義務付け訴訟 大阪地裁平成 22 年 7 月 16 日判決 : 取消 義務付け訴訟 いずれも事前に資料を PDF に変換して 受講生に Email で配布する 14
西谷陽子 第 14 回全 15 回 法医学 (1) 法医学の定義は 法医学は医学的解明 助言を必要とする法律上の案件 事項について 科学的で公正な医学的判断を下すことによって 個人の基本的人権の擁護 社会の安全 福祉の維持に寄与することを目的とする医学である とあり まずは法医学と医療現場における異状死 ( 必ずしも医療過誤死ではない ) との関係について概説する 医療過誤事件と法医学との関わりについて以下の項目について講義する 1) 医療現場における急死 ( 医療関連死 ) と医師法上の異状届 2) 異状死体の検視 検屍と法医解剖 ( 司法解剖と行政 ( 承諾 ) 解剖 ) 3) 医療現場における異状死 ( 急死 ) の実際例の紹介 (1) 法医学の定義 現状と展望 法医学実務の対象 医療現場における異状死 ( 突然死 急死 不審死など ) (4) 医療事故 医療過誤 医事紛争 関係条文医師法 21 条 刑法 211 条 刑訴法 165 条 168 条 民法 415 条 644 条 709 条 死体解剖保存法 7 条 8 条キーワード法医学 異状死 法医解剖 医療事故 医療過誤必ず予習すべき文献 判例今回の講義に関連して 特別に指定する文献や判例などはない しかし 常日頃から 法科大学院生として 医療問題や医療と福祉に関する新聞報道の他に 法律専門雑誌の記事に関心を抱いておいて頂きたい 法科大学院生として勉学途上にある時に 将来 法曹界に進んだ際に必ず役立つ参考書として法医学教科書を購入して頂きたい 多くの法律は人を対象としたものであり 法医学とも密接に関連するものである (1) 田中宣幸他 学生のための法医学 ( 改訂 5 版 ) ( 南山堂 2002)5,300 円 15
山本悦夫 第 15 回全 15 回 総 括 これまでの授業内容について 重要事項を再確認するとともに 疑問点の解消に努める (1) 関係条文 キーワード 必ず予習すべき文献 判例 (1) (1) 16