患者向医薬品ガイド フィコンパ錠 2mg フィコンパ錠 4mg 2016 年 5 月作成 この薬は? 販売名 フィコンパ錠 2mg フィコンパ錠 4mg Fycompa Tablets 2mg Fycompa Tablets 4mg 一般名 ペランパネル水和物 Perampanel Hydrate

Similar documents
<4D F736F F D E31328C8E8D C834C FF95F8AB38ED28CFC88E396F B E646F6378>

この薬を使う前に 確認すべきことは? 〇意識がもうろうとしたり 睡眠中の異常行動 ( たとえば夢遊症状 : 眠っているときに突然起き上がり 目が覚めているかのように歩き回ったりするなど ) があらわれることがあります また 眠りに入るまでの あるいは途中で目が覚めた時の出来事を記憶していないことがあ

トピナ錠25mg・50mg・100mg

トピナ錠25mg・50mg・100mg

No.16-35

<4D F736F F D E31328C8E8D C834C F8AB38ED28CFC88E396F B E646F6378>

より詳細な情報を望まれる場合は 担当の医師または薬剤師におたずねください また 患者向医薬品ガイド 医療専門家向けの 添付文書情報 が医薬品医療機器総合機構のホームページに掲載されています

この薬を使う前に 確認すべきことは? この薬を飲むと 前兆のない突発的睡眠 ( 前兆もなく突然眠る ) や傾眠 ( 眠気でぼんやりする ) があらわれることがあり この薬を飲んで自動車を運転し 突発的睡眠により自動車事故を起こした例が報告されています 突発的睡眠や傾眠などについて十分に理解できるまで

この薬は? 販売名 一般名 含有量 (1 錠中 ) ランドセン錠 0.5mg ランドセン錠 1mg ランドセン錠 2mg ランドセン細粒 0.1% ランドセン細粒 0.5% ランドセン錠 0.5mg Landsen Tablets 0.5mg ランドセン錠 1mg Landsen Tablets 1

トピナ細粒10%

この薬を使う前に 確認すべきことは? 〇この薬を飲むと 前兆のない突発的睡眠 ( 前兆もなく突然眠る ) や傾眠 ( 眠気でぼんやりする ) があらわれることがあり この薬を飲んで自動車を運転し 突発的睡眠により自動車事故を起こした例が報告されています 突発的睡眠や傾眠などについて十分に理解できるま

この薬は 体調がよくなったと自己判断して使用を中止したり量を減らしたりすると病気が悪化することがあります 指示どおりに飲み続けることが重要です この薬を使う前に 確認すべきことは? 〇この薬を飲むと 前兆のない突発的睡眠 ( 前兆もなく突然眠る ) や傾眠 ( 眠気でぼんやりする ) があらわれるこ

この薬は 体調がよくなったと自己判断して使用を中止したり 量を加減したりすると病気が悪化することがあります 指示どおりに飲み続けることが重要です この薬を使う前に 確認すべきことは? 次の人は この薬を使用することはできません 過去にインチュニブ錠に含まれる成分で過敏な反応を経験したことがある人 妊

患者向医薬品ガイド

ゾルピデム酒石酸塩錠「AA」

ベージニオ(アベマシクリブ)患者向医薬品ガイド

この薬を使う前に 確認すべきことは? 次の人は この薬を使用することはできません 過去に アメル に含まれる成分で過敏な反応を経験したことがある人 妊婦または妊娠している可能性のある人および授乳中の人 次の人は 原則として この薬を使用することはできません 腎臓の機能に関する臨床検査値に異常が認めら

患者向医薬品ガイド

<4D F736F F D204D59538AB38ED28CFC82AF88E396F B DC58F492E646F63>

薬の使い方は? および この薬の使用中に気をつけなければならないことは? に書かれていることに特に注意してください 次の人は この薬を使用することはできません 過去にゾルピデム酒石酸塩錠 日医工 に含まれる成分で過敏な反応を経験したことがある人 肝臓に重篤な障害のある人 重症筋無力症の人 急性狭隅角

患者向医薬品ガイド

反映改訂案_2018年11月更新_プラバスタチン錠「タナベ」)

患者向医薬品ガイドについて 患者向医薬品ガイドは 患者の皆様や家族の方などに 医療用医薬品の正しい理解と 重大な副作用の早期発見などに役立てていただくために作成したものです したがって この医薬品を使用するときに特に知っていただきたいことを 医療関係者向けに作成されている添付文書を基に わかりやすく

患者向医薬品ガイド

untitled

この薬の効果は? この薬は アルツハイマー型認知症治療剤と呼ばれるグループに属する薬です この薬は NMDA(N-メチル-D-アスパラギン酸 ) 受容体チャネル阻害作用により アルツハイマー型認知症が関与しているとされるグルタミン酸系神経の機能異常を抑制します 次の目的で処方されます 中等度及び高度

トラマール OD 錠 25mg 50mg 患者向医薬品ガイド 2018 年 9 月更新 この薬は? 販売名 一般名 含有量 (1 錠中 ) トラマール OD 錠 25mg Tramal OD Tablets 25mg 25mg トラマドール塩酸塩 Tramadol Hydrochloride トラマ

統合失調症における睡眠障害下記疾患における不安 緊張 抑うつおよび筋緊張頸椎症 腰痛症 筋収縮性頭痛 この薬は 体調がよくなったと自己判断して使用を中止したり 量を加減したりすると病気が悪化することがあります 指示どおりに飲むことが重要です この薬を使う前に 確認すべきことは? 次の人は この薬を使

修正済_プラバスタチンNa塩錠5mg, 10mg「タナベ」)

この薬を使う前に 確認すべきことは? 次の人は この薬を使用することはできません 過去にプラバスタチン Na 錠に含まれる成分で過敏症のあった人 妊婦または妊娠している可能性のある人および授乳中の人 次の人は 慎重に使う必要があります 使い始める前に医師または薬剤師にその旨を告げてください 肝臓に重

この薬を使う前に 確認すべきことは? 次の人は この薬を使用することはできません 過去にプラバスタチン Na 錠に含まれる成分で過敏症のあった人 妊婦または妊娠している可能性のある人および授乳中の人 次の人は 慎重に使う必要があります 使い始める前に医師または薬剤師にその旨を 告げてください 肝臓に

この薬を使う前に 確認すべきことは? 次の人は この薬を使用することはできません 過去に NikP に含まれる成分で過敏症のあった人 妊婦または妊娠している可能性のある人および授乳中の人 次の人は 慎重に使う必要があります 使い始める前に医師または薬剤師にその旨を告げてください 肝臓に重篤な障害のあ

<4D F736F F D F E AB38ED B >

untitled

Microsoft Word - ガイド新規案_アダラートカプセル_PTPシート差替_final_150908R.docx

患者向医薬品ガイド

この薬を使う前に 確認すべきことは? 次の人は この薬を使用することはできません 過去に TCK に含まれる成分で過敏症のあった人 妊婦または妊娠している可能性のある人および授乳中の人 次の人は 原則として この薬を使用することはできません 腎臓の機能に関する臨床検査値に異常が認められる人でフィブラ

この薬を使う前に 確認すべきことは? 次の人は この薬を使用することはできません 過去にプラバスタチン Na 錠 NS に含まれる成分で過敏症のあった人 妊婦または妊娠している可能性のある人および授乳中の人 次の人は 慎重に使う必要があります 使い始める前に医師または薬剤師にその旨を告げてください

<4D F736F F D E31328C8E8D A838C F8AB38ED28CFC88E396F B E646F63>

患者向医薬品ガイド 2016 年 7 月作成 サブリル散分包 500mg この薬は? 販売名一般名含有量 (1 包中 ) サブリル散分包 500mg Sabril 500mg Powder ビガバトリン Vigabatrin 500mg 患者向医薬品ガイドについて 患者向医薬品ガイドは 患者の皆様や

プラバスタチンNa錠5mg/10mg「MED」201703

Microsoft Word - ルネスタ錠ガイド170123(固定).docx

患者向医薬品ガイド

この薬を使う前に 確認すべきことは? 次の人は この薬を使用することはできません 過去にミルタザピン錠 共創未来 に含まれる成分で過敏な反応を経験したことがある人 モノアミン酸化酵素阻害剤を使用している人 または使用を中止してから 2 週間以内の人 次の人は 慎重に使う必要があります 飲み始める前に

ストラテラ(アトモキセチン)患者向医薬品ガイド(カプセル)

患者向医薬品ガイド

ゾルピデム酒石酸塩OD錠5mg・10mg「EE」

患者向医薬品ガイド

患者向医薬品ガイド

この薬は 体調がよくなったと自己判断して使用を中止したり 量を加減したりすると病気が悪化することがあります 指示どおりに飲み続けることが重要です この薬を使う前に 確認すべきことは? 次の人は この薬を使用することはできません 過去に DSPB に含まれる成分で過敏な反応を経験したことがある人 妊婦

スライド 1

タイケルブ患者ガイド_final

ゾピクロン錠7.5mg/10mg「サワイ」201306

ノルバスク錠 2.5mg ノルバスク錠 5mg ノルバスク錠 10mg ノルバスク OD 錠 2.5mg ノルバスク OD 錠 5mg ノルバスク OD 錠 10mg 患者向医薬品ガイド 2016 年 5 月作成 この薬は? 販売名 ノルバスク錠 2.5mg Norvasc Tablets 2.5m

患者向医薬品ガイド

のコレステロールを低下させます 次の病気の人に処方されます 高脂血症家族性高コレステロール血症 この薬は 体調がよくなったと自己判断して使用を中止したり 量を加減したりすると病気が悪化することがあります 指示どおりに飲み続けることが重要です この薬を使う前に 確認すべきことは? 次の人は この薬を使

<4D F736F F D DC58F4994C5817A54524D5F8AB38ED28CFC88E396F B CF8945C8CF889CA92C789C1816A5F3294C52E646

この薬を使う前に 確認すべきことは? 患者さんや家族の方は この治療の効果や注意すべき点などについて十分理解できるまで説明を受けてください 説明に同意した場合に使用が開始されます この薬を使用する前に BRAF 遺伝子検査 * が行われます *BRAF 遺伝子検査 : がん組織またはがん細胞を検体と

Microsoft Word - 1812doc.doc

ザルティア(タダラフィル)患者向医薬品ガイド

メプチン吸入液・ユニット

アムロジン(患者向医薬品ガイド)

れることがあります 指示どおりに飲み続けることが重要です この薬を使う前に 確認すべきことは? 次の人は この薬を使用することはできません 過去に 日医工 に含まれる成分で過敏症のあった人 モノアミン酸化酵素阻害剤[ セレギリン塩酸塩 ( エフピー ) ラサギリンメシル酸塩 ( アジレクト )] を

患者向医薬品ガイド

ミルタザピン錠15mg/錠30mg「EE」

患者向医薬品ガイド

<4D F736F F D E31328C8E8D C838B F8AB38ED28CFC88E396F B E646F6378>

フォシーガ錠5mg_患者向医薬品ガイド

この薬を使う前に 確認すべきことは? 次の人は この薬を使用することはできません 過去にキプレス錠に含まれる成分で過敏な反応を経験したことがある人 この薬には併用を注意すべき薬があります 他の薬を使用している場合や 新たに使用する場合は 必ず医師または薬剤師に相談してください この薬の使い方は? 使

患者向医薬品ガイド

急性腎不全の人 体液 ( 血液 尿など ) 中のナトリウム カリウムが明らかに減少している人 過去にチアジド系薬剤またはその類似化合物 ( 例えばクロルタリドン等のスルフォンアミド誘導体 ) に対し過敏な反応を経験したことがある人 次の人は 慎重に使う必要があります 使い始める前に医師または薬剤師に

この薬は 体調がよくなったと自己判断して使用を中止したり 量を加減したりすると病気が悪化することがあります 指示どおりに飲み続けることが重要です この薬を使う前に 確認すべきことは? 次の人は この薬を使用することはできません 過去にモンテルカスト錠 TCK に含まれる成分で過敏な反応を経験したこと

アムロジピンOD錠2.5mg・アムロジピンOD錠5mg・アムロジピンOD錠10mg「EMEC」

患者向医薬品ガイド

<4D F736F F D DC58F4994C5817A53544C2094E789BA928D5F8AB38ED28CFC834B F94CC94848CB392C78B4C C5292E646F63>

この薬を使う前に 確認すべきことは? 次の人は この薬を使用することはできません 過去にモンテルカスト錠 AA に含まれる成分で過敏な反応を経験したことがある人 この薬には併用を注意すべき薬があります 他の薬を使用している場合や 新たに使用する場合は 必ず医師または薬剤師に相談してください この薬の

アイセントレス錠患者向医薬品ガイド

食欲不振 全身倦怠感 皮膚や白目が黄色くなる [ 肝機能障害 黄疸 ] 尿量減少 全身のむくみ 倦怠感 [ 急性腎不全 ] 激しい上腹部の痛み 腰背部の痛み 吐き気 [ 急性膵炎 ] 発熱 から咳 呼吸困難 [ 間質性肺炎 ] 排便の停止 腹痛 腹部膨満感 [ 腸閉塞 ] 手足の筋肉の痛み こわばり

この薬は体調がよくなったと自己判断して使用を中止したり 量を加減したりすると病気が悪化することがあります 指示通りに飲み続けることが重要です この薬を使う前に 確認すべきことは? 次の人は この薬を使用することはできません 閉塞隅角緑内障の人 過去にレボドパ カルビドパ水和物配合剤に含まれる成分で過

次の目的で処方されます ダニ抗原によるアレルギー性鼻炎に対する減感作療法 この薬は 体調がよくなったと自己判断して使用を中止したり 量を加減したりすると病気が悪化することがあります 指示どおりに飲み続けることが重要です この薬を使う前に 確認すべきことは? この薬を使用する前に ダニ抗原によるアレル

この薬は 気道 鼻粘膜の炎症をおこしたり気道を収縮させるロイコト リエンという物質の働きを抑えて 気管支喘息やアレルギー性鼻炎の諸 症状を改善します 次の病気の人に処方されます 気管支喘息アレルギー性鼻炎 この薬は 体調がよくなったと自己判断して使用を中止したり 量を加 減したりすると病気が悪化する

DRAFT#9 2011

Microsoft Word - 編集用Word(テオドール錠100mg・200mg).doc

この薬を使う前に 確認すべきことは? 意識がもうろうとしたり 睡眠中の異常行動 ( たとえば夢遊症状 : 眠っているときに突然起きあがり 目が覚めているかのように歩き回ったりするなど ) があらわれることがあります また 眠りに入るまでの あるいは途中で眼が覚めた時の出来事を記憶していないことがあり

修正済_モンテルカスト_ガイド

タペンタ 錠 25mg タペンタ 錠 50mg タペンタ 錠 100mg に係る 販売名 タペンタ 錠 25mg タペンタ 錠 50mg 医薬品リスク管理計画書 (RMP) の概要 有効成分 タペンタ 錠 100mg 製造販売業者 ヤンセンファーマ株式会社 薬効分類 821 提出年月 平成 30 年

この薬は体調がよくなったと自己判断して使用を中止したり 量を加減したり すると病気が悪化することがあります 指示通りに飲み続けることが重要です この薬を使う前に 確認すべきことは? 次の人は この薬を使用することはできません 閉塞隅角緑内障の人 過去にレボドパ カルビドパ水和物配合剤に含まれる成分で

イーシー・ドパール配合錠 患者向医薬品ガイド

診断がついていない性器出血のある人 *1 稽留( けいりゅう ) 流産または子宮外妊娠の人 *1: 稽留 ( けいりゅう ) 流産 : 胎児が子宮内で死亡し 子宮内に停滞しているが 母体に自覚症状がない状態 肝臓に重度の障害がある人 乳癌または生殖器癌の疑いがある人 または過去にこれらの病気になった

りすると病気が悪化したり 効きにくくなるおそれがあります 指示どおりに飲み続けることが重要です この薬を使う前に 確認すべきことは? B 型慢性肝炎にかかっている人では この薬の使用を中止すると B 型慢性肝炎が悪化することがあります 特に進行した B 型慢性肝炎の場合は B 型慢性肝炎の症状が重く

<4D F736F F D208AB38ED28CFC88E396F B B838B947A8D878FF FA88E38D >

Microsoft Word - ボグリボースOD錠0.2mg_0.3mg「サワイ」201404

<4D F736F F D20834B FC92F988C45F C B836F928D C E E F E646F6378>

<4D F736F F D208AB38ED28CFC82AF88E396F B B837B834C E D838C E5F89968FF932356D

患者向医薬品ガイド 2012 年 1 月更新 フルボキサミンマレイン酸塩錠 25 mg アメル フルボキサミンマレイン酸塩錠 50 mg アメル フルボキサミンマレイン酸塩錠 75 mg アメル この薬は? フルボキサミン フルボキサミン フルボキサミン マレイン酸塩錠 25mg マレイン酸塩錠 5

患者向医薬品ガイド

この薬には併用を注意すべき薬があります 他の薬を使用している場合や 新たに使用する場合は 必ず医師または薬剤師に相談してください この薬の使い方は? 使用量および回数飲む量は あなたの症状などにあわせて 医師が決めます 通常 6 歳以上の小児では 1 日 1 回 1 錠を就寝前に飲みます どのように

この薬は体調がよくなったと自己判断して使用を中止したり 量を加減 したりすると病気が悪化することがあります 指示通りに飲み続けるこ とが重要です この薬を使う前に 確認すべきことは? 次の人は この薬を使用することはできません 閉塞隅角緑内障の人 過去にレボドパ製剤に含まれる成分で過敏な反応を経験し

untitled

ストラテラ(アトモキセチン)患者向医薬品ガイド(内用液)

Transcription:

AMPA 受容体を阻害する新機序の抗てんかん薬 抗てんかん薬ペランパネル ( 商品名フィコンパ錠 2mg 同錠 4mg) の適応は 他の抗てんかん薬で十分な効果が認められないてんかん患者の部分発作 ( 二次性全般化発作を含む ) および強直間代発作に対する抗てんかん薬との併用療法 である 成人および 12 歳以上の小児は 本薬を 1 日 1 回 2mg 就寝前に投与することから始め 1 週間以上の間隔をあけて 2mg ずつ漸増する 本薬の代謝を促進する抗てんかん薬を併用しない場合は 1 日 1 回 8mg 併用する場合は 1 日 1 回 8~12mg を維持量とし 1 日最高 12mg まで てんかんは 脳内の神経細胞の異常な電気的興奮に伴って痙攣や意識障害などが発作的に起こる慢性的な疾患である 発作のタイプにより 部分てんかんと全般てんかんに大別される てんかん全体の約 6 割を占める部分てんかんは 多くの場合 脳の電気信号の異常が一部分に限定されている まれに異常が二次的に脳全体に広がり 全般性の発作になる場合がある ( 二次性全般化発作 ) 全般てんかんは 発作直後から意識がなくなり 全身に症状があらわれる特徴がある 中でも強直間代発作は 全般てんかんにおいて最も一般的かつ重篤な発作型の 1 つといわれており 突然の転倒による重篤なけがの恐れがあるほか その発作頻度はてんかん患者の予期せぬ突然死 (SUDEP) の最も重要な危険因子とされる てんかんの薬物治療では バルプロ酸 ( 商品名セレニカ デパケン他 ) ラモトリギン ( 商品名ラミクタール ) レベチラセタム ( 商品名イーケプラ ) などが臨床使用されている 一方で 日本におけるてんかん患者数は約 100 万人と推定されており うち約 30 万人は既存の抗てんかん薬では発作を十分コントロールできていないという報告がある ペランパネルは てんかん発作が神経伝達物質グルタミン酸に誘導されることから創製された 既存の薬剤とは異なる新しい作用機序を有した薬剤である 具体的には グルタミン酸によるシナプス後 AMPA 受容体の活性化を選択的に阻害して 神経の過興奮を抑制する 非競合的 AMPA 受容体拮抗薬である 海外では 欧州 (2012 年 7 月 ) 米国 (2012 年 10 月 ) で承認されて以降 2015 年 10 月までに世界 29 カ国で承認されている 臨床第 3 相試験として 難治性部分発作 (335 試験 ) および難治性強直間代発作 (332 試験 ) を対象にそれぞれ国際共同試験が実施され 本薬の有効性と安全性が確認された 臨床試験では約 70% に副作用が認められている 主な副作用は浮動性めまい 傾眠などであり 重大な副作用として攻撃性などの精神症状があらわれることが報告されている なお ペランパネルは薬物代謝酵素 CYP3A で代謝されることから CYP3A 誘導作用を有する抗てんかん薬カルバマゼピン ( 商品名テグレトール他 ) フェニトイン ( 商品名アレビアチン ヒダントール ) と併用する場合は ペランパネルの用量を調節する必要がある

患者向医薬品ガイド フィコンパ錠 2mg フィコンパ錠 4mg 2016 年 5 月作成 この薬は? 販売名 フィコンパ錠 2mg フィコンパ錠 4mg Fycompa Tablets 2mg Fycompa Tablets 4mg 一般名 ペランパネル水和物 Perampanel Hydrate 含有量 (1 錠中 ) ペランパネルとして 2.0mg ペランパネルとして 4.0mg 患者向医薬品ガイドについて 患者向医薬品ガイドは 患者の皆様や家族の方などに 医療用医薬品の正しい理解と 重大な副作用の早期発見などに役立てていただくために作成したものです したがって この医薬品を使用するときに特に知っていただきたいことを 医療関係者向けに作成されている添付文書を基に わかりやすく記載しています 医薬品の使用による重大な副作用と考えられる場合には ただちに医師または薬剤師に相談してください ご不明な点などありましたら 末尾に記載の お問い合わせ先 にお尋ねください さらに詳しい情報として PMDA ホームページ 医薬品に関する情報 http://www.pmda.go.jp/safety/info-services/drugs/0001.html に添付文書情報が掲載されています この薬の効果は? この薬は 抗てんかん剤と呼ばれるグループに属する薬剤です この薬は 脳内の神経の過剰な興奮をしずめて てんかん発作を抑えます 次の目的で処方されます 他の抗てんかん薬で十分な効果が認められていないてんかん患者の下記発作に対する抗てんかん薬との併用療法部分発作 ( 二次性全般化発作を含む ) 強直間代発作 この薬は必ず他の抗てんかん薬と一緒に使用されます この薬は 体調がよくなったと自己判断して使用を中止したり 量を減らしたりすると病気が悪化することがあります 指示どおりに使用し続けることが重要です

この薬を使う前に 確認すべきことは? 次の人には この薬を使用することはできません 過去にフィコンパ錠に含まれる成分で過敏な反応を経験したことがある人 重度の肝機能障害のある人 次の人には 慎重に使う必要があります 飲み始める前に医師または薬剤師に告げてください 軽度および中等度の肝機能障害のある人 重度の腎機能障害のある人 または透析中の末期腎障害のある人 高齢の人 この薬には併用を注意すべき薬があります 他の薬を使用している場合や 新たに使用する場合は 必ず医師または薬剤師に相談してください この薬の使い方は? 使用量および回数 飲む量は あなたの症状などにあわせて 医師が決めます 通常 成人および 12 歳以上の小児の飲む量および回数は次のとおりです 開始量 その後 維持量 1 日量 1 回 2mg 1 週間以上の間隔をあけて 2mg ずつ漸増 本剤の代謝を促進する抗てんかん薬注 ) を併用しない場合 :1 回 8mg 本剤の代謝を促進する抗てんかん薬注 ) を併用する場合 :1 回 8~12mg 飲む回数 1 日 1 回就寝前 症状により 1 週間以上の間隔をあけて 2mg ずつ適宜増減されますが 1 日の最高用量は 12mg までです 軽度および中等度の肝機能障害のある人は 開始量 1 日 1 回 2mg を投与し その後 2 週間以上の間隔をあけて 2mg ずつ漸増されます また 症状により 2 週間以上の間隔をあけて 2mg ずつ適宜増減されますが 1 日の最高用量は 軽度の肝機能障害のある人は 8mg 中等度の肝機能障害のある人は 4mg までです 注) 本剤の代謝を促進する抗てんかん薬 : カルバマゼピン フェニトイン どのように飲むか? コップ 1 杯程度の水またはぬるま湯で飲んでください 飲み忘れた場合の対応 決して 2 回分を一度に飲まないでください 気がついた時に 1 回分をできるだけ早く飲んでください ただし 次の飲む時間が近い場合は 1 回とばして 次の時間に 1 回分飲んでください

多く使用した場合 ( 過量使用時 ) の対応 精神状態の変化 激越 ( 落ち着きがない 感情が激しくたかぶる ) 攻撃的行動などの症状があらわれることがあります このような症状があらわれたら ただちに受診してください この薬の使用中に気をつけなければならないことは? 患者さんやご家族などの方は この薬の使用で 攻撃的になる 敵意をもつ 死にたいという気持ちになるなどの症状があらわれる可能性について 医師から十分に理解できるまで説明を受けてください この薬の使用で 易刺激性 ( ちょっとした刺激で気持ちや体の変調を来す ) 攻撃 的になる 敵意をもつ 不安 死にたいという気持ちになるなどの症状があらわれた場合 医師に相談してください また ご家族などの方は 患者さんの状態の変化について観察し 変化がみられた場合には 医師に連絡してください 患者さんご自身も気分に変化があったと感じた場合には ご家族などの方にも伝えるようにしてください 運動失調 ( ふらつき ) などが高頻度で認められ 転倒などを伴うおそれがあります 患者さんやご家族の方は このことについて医師から十分に理解できるまで説明を受けてください これらの症状があらわれた場合は 受診してください 特に高齢の人ではこれらの症状により転倒しやすいため 十分に注意してください この薬を増量した場合に 易刺激性 攻撃的になる 敵意をもつ 不安などの精神症状 運動失調 ( ふらつき ) などが多く認められることがあります 特にこの薬の代謝を促進する抗てんかん薬 ( カルバマゼピン フェニトイン ) を併用しない患者さんで多く認められます めまい 眠気 注意力 集中力 反射運動能力などの低下が起こることがあるので 自動車の運転などの危険を伴う機械の操作は行わないように注意してください 連用中に投与量を急激に減らしたり 使用を中止したりすると てんかん発作の頻度が増えることがあります この薬の使用を中止する場合には 少しずつ量を減らしていくことがあります 妊婦または妊娠している可能性がある人は医師に相談してください 授乳中の人は 授乳を避けてください 他の医師を受診する場合や 薬局などで他の薬を購入する場合は 必ずこの薬を飲んでいることを医師または薬剤師に伝えてください 副作用は? 特にご注意いただきたい重大な副作用と それぞれの主な自覚症状を記載しました 副作用であれば それぞれの重大な副作用ごとに記載した主な自覚症状のうち いくつかの症状が同じような時期にあらわれることが一般的です

このような場合には ただちに医師または薬剤師に相談してください 重大な副作用主な自覚症状攻撃性ちょっとした刺激で気持ちや体の変調を こうげきせい 来す 攻撃的になる 不安 怒り 以上の自覚症状を 副作用のあらわれる部位別に並び替えると次のとおりです これらの症状に気づいたら 重大な副作用ごとの表をご覧ください 部位自覚症状その他ちょっとした刺激で気持ちや体の変調を来す 攻撃的になる 不安 怒り この薬の形は? 販売名フィコンパ錠 2mg フィコンパ錠 4mg PTP シート 形状フィルムコーティング錠フィルムコーティング錠 長径 6.6 mm 8.1 mm 厚さ 3.1 mm 4.2 mm 重さ 105 mg 210 mg 色 橙色 赤色 識別コード E275 E277 この薬に含まれているのは? 販売名フィコンパ錠 2mg フィコンパ錠 4mg 有効成分 添加物 黄色三二酸化鉄 酸化チタン 三二酸化鉄 ステアリン酸マグネシウム タルク 低置換度ヒドロキシプロピルセルロース 乳糖水和物 ヒプロメロース ポビドン マクロゴール 6000 ペランパネル水和物 酸化チタン 三二酸化鉄 ステアリン酸マグネシウム タルク 低置換度ヒドロキシプロピルセルロース 乳糖水和物 ヒプロメロース ポビドン マクロゴール 6000

その他 この薬の保管方法は? 室温 (1~30 ) で保管してください 子供の手の届かないところに保管してください 薬が残ってしまったら? 絶対に他の人に渡してはいけません 余った場合は 処分の方法について薬局や医療機関に相談してください この薬についてのお問い合わせ先は? 症状 使用方法 副作用などのより詳しい質問がある場合は 主治医や薬剤師にお 尋ねください 一般的な事項に関する質問は下記へお問い合わせください 製造販売会社 : エーザイ株式会社 (http://www.eisai.co.jp/) hhc ホットライン 電話 : フリーダイヤル 0120-419-497 受付時間 :9 時 ~18 時 ( 月 ~ 金 )9 時 ~17 時 ( 土 日 祝日 )