福島第一原子力発電所事故を踏まえた安全性向上対策 1 H 福島事故を踏まえた安全性向上対策実行計画等 緊急対策 応急対策 追加対策 シヒ アアクシテ ント対策 H ソフト面等の安全対策実行計画 ソフト面の対策 ハード面の対策 主な対策内容 電源車の配備 消防ホ ンフ 消火

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目次 ( スライド No) 1. 原子力発電所における安全確保の取り組み 1 2. 原子力災害発生時における原子力事業者の支援の枠組み 2 (1) 原子力緊急事態支援センターによる支援 3 (2) 原子力事業者間協力協定に基づく支援 5

目次 Ⅰ. 監視測定設備 3 Ⅱ. 監視測定等に関する手順 9

表紙 NRA 新規制基準概要

《公表資料》柏崎刈羽原子力発電所6,7号機における自主的な安全対策の取り組みについて

平成 19 年 7 月 20 日付, 経済産業大臣からの指示文書 平成 19 年新潟県中越沖地震を踏まえた対応について ( 指示 ) ( 平成 原第 1 号 ) に基づき, 浜岡原子力発電所 ( 以下, 発電所 という ) における自衛消防体制の強化ならびに迅速かつ厳格な事故報告体

1. 東京電力福島第一原子力発電所事故以前の安全規制への指摘 外部事象も考慮したシビアアクシデント対策が十分な検討を経ないまま 事業者の自主性に任されてきた ( 国会事故調 ) 設置許可された原発に対してさかのぼって適用する ( バックフィット といわれる ) 法的仕組みは何もなかった ( 国会事故

原子力安全推進協会 (JANSI) のミッション 日本の原子力産業界における 世界最高水準の安全性の追求 ~ たゆまぬ最高水準 (Excellece) の追求 ~ ミッション達成のための取組み ( 原子力防災関係 ) 〇安全性向上対策の評価と提言 勧告及び支援 過酷事故 (SA) 対策の評価 〇原子

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1. 東北地方太平洋沖地震 発生日時 :2011 年 3 月 11 日 14:46 発生場所 : 三陸沖 ( 北緯 38.1 度, 東経 度 ) 深さ : 24 km マグニチュード : 9.0 震度 ( 気象庁発表 ): 楢葉町 富岡町 大熊町 双葉町で震度 6 強 震源位置と原子力発

(3) 設備復旧対策事例 ~ 基地局及びエントランス回線通信事業者各社で取り組んだ主な基地局あるいはネットワーク設備復旧対策としては 光ファイバー 衛星回線 無線 ( マイクロ ) 回線の活用による伝送路の復旧や 山頂などへの大ゾーン方式 ( 複数の基地局によるサービスエリアを1つの大きなゾーンとし

安全防災特別シンポ「原子力発電所の新規制基準と背景」r1

中部電力グループ アニュアルレポート2012

別紙 1 防災訓練結果報告の概要 1. 訓練の目的本訓練は 核物質管理センター六ヶ所保障措置センター原子力事業者防災業務計画第 2 章第 5 節第 2 項 防災訓練 に基づき 原子力災害を想定した総合訓練を実施することで 原子力防災組織が有効に機能することを確認する 訓練後は訓練モニターの評価結果

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東京電力株式会社福島第一原子力発電所における事故を踏まえた泊発電所1号機の安全性に関する総合評価(一次評価)の結果について(報告) 添付5-(3)

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原子力の安全性向上に向けた  取り組みについて

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資料 2-3 超大規模防火対象物等における自衛消防活動に係る訓練の充実強化方策 ( 案 ) 平成 30 年 10 月 31 日 事務局

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(溶け込み)大阪事務所BCP【実施要領】

再生可能エネルギーの全量買取に 関するプロジェクトチームについて

第 6 節原子力事業者防災業務計画の修正第 2 章原子力災害予防対策の実施第 1 節防災体制第 2 節原子力防災組織の運営第 3 節放射線測定設備及び原子力防災資機材の整備第 4 節応急措置及び原子力災害対策活動で使用する資料の整備第 5 節応急措置及び原子力災害対策活動で使用 利用する施設及び設備

浜岡原子力発電所 防災訓練実施結果の報告について

新安全基準の骨子

5 安全 減災措置 建物建物は地震対策はなされていますか? 耐震補強 耐震 制震 免震設備状況 ( リスト ) 耐震 安全性診断 ( 発災前 ) 耐震 安全性診断を受けていますか? 施行証明書 実施状況 ( リスト ) 応急危険度判定 ( 発災後 ) 転倒 転落の防止措置 6 本部への被害状況の報告

発電用原子炉施設の安全性に関する総合評価(一次評価)に係る報告書(島根原子力発電所2号機)

原子力発電所における自主的・継続的な安全への取り組みについて

東京事務所版 BCP 実施要領目次応急頁 < 第 1グループ> 直ちに実施する業務 1 事務所における死傷者の救護や搬送 応急救護を行う一時的な救護スペースの設置 運営 備蓄の設置 医療機関への搬送 1 2 事務所に緊急避難してきた県民や旅行者等への対応 避難 一次避難スペースの運営 指定避難所への

スライド 1

2010年2月3日

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消火活動のため 消防自動車隊を中心とする消火班をはじめ 避難誘導班や救護班からなる自衛消防 隊を組織しており 夜間休日においても 11 名以上が初期消火活動にあたることにしています 火災が起こった場合 まず火災感知器の感知等により中央制御室の当直長 ( 常駐 ) に連絡が入ります 当直長は 発電所内

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1 現場の状況と技術的知見へのニーズ 東京電力 ( 株 ) 福島第一原子力発電所 1~4 号機の廃止措置等に向けた研究開発計画に係る国際シンポジウム 2012 年 3 月 14 日 東京電力株式会社 無断複製 転載禁止 東京電力株式会社

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19 ページ 19 ページ a. 原子炉 使用済燃料プールへの代替注水及び淡水移送機能号機 1 号機 2 号機 3 号機 4 号機負荷復水移送ポンプ 残留熱除去系封 4D-1 水ポンプ等の負 荷容量 a. 原子炉 使用済燃料プールへの代替注水及び淡水移

原子力発電所の新規制基準適合性に係る審査会合における指摘事項に対する回答一覧表

 

大飯発電所3、4号機における更なる安全性・信頼性向上のための対策の実施計画

添付 (2/11) (2) 原子炉及び格納容器への注水機能に係る対策当発電所の原子炉施設は, 原子炉への注水が必要となる異常時には, 安全保護系の信号により非常用炉心冷却系 ( 以下 ECCS という ) 及び原子炉隔離時冷却系を自動で起動させ, 原子炉へ注水する設計となっている しかし

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運営管理に係る教訓と課題 10 項目 1. 地震発生時の各安全機能の確保 (1) 運転員の訓練 (2) 体制の整備 強化 (3) 非常用 DG( ディーゼル発電機 ) 等の作動確認試験について 2. 地震発生に伴い発生した不適合事象 (1) ホウ酸水注入系配管保温材の損傷について ( スライド式遮蔽

アンケート調査の概要 目的東南海 南海地震発生時の業務継続について 四国内の各市町村における取り組み状況や課題等を把握し 今後の地域防災力の強化に資することを目的としてアンケート調査を実施 実施時期平成 21 年 11 月 回答数 徳島県 24 市町村 香川県 17 市町 愛媛県 20 市町 高知県

(2) 地震発生時の状況地震発生時の運転状況ですが 現在 20 清掃工場で40 炉が稼動していますが 地震発生当日は32 炉が稼動しており 8 炉は定期補修や中間点検のため停止していました 地震後は設備的な故障で停止したのが2 炉ありまして 32 炉稼動していたうち2 炉が停止したというのが地震発生

2 本紙について 本紙は 通信回線の管理者等が脆弱性評価を行うにあたって 有用と考えられるポイントを 電気通信事業者の視点で取りまとめた参考資料である 大規模災害等が発生し 電気通信ネットワークがケーブル切断等により途絶した場合 電気通信事業者は電気通信事業法第 8 条の重要通信の規定に照らし 重要

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( 社会福祉施設用作成例 ) (4) 施設管理者は, 緊急時連絡網により職員に連絡を取りましょう (5) 施設管理者は, 入所者の人数や, 避難に必要な車両や資機材等を確認し, 人員の派遣等が必要な場合は, 市 ( 町 ) 災害対策本部に要請してください (6) 避難先で使用する物資, 資機材等を準

原燃課題への対応

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平成 29 年 ( ヨ ) 第 2 号玄海原発再稼働禁止仮処分命令申立事件 債権者長谷川照外 債務者九州電力株式会社 補充書面 34 債務者準備書面 12 への反論 ( 放射性物質拡散抑制対策 ) 2017( 平成 29) 年 10 月 30 日 佐賀地方裁判所民事部御中 債権者ら代理人 弁護士板井

軽水炉安全技術・人材ロードマップ

はじめに 当社は, 福島第一原子力発電所事故以降, 志賀原子力発電所の安全性確保のため, 電源車や消防車の配備, 防潮堤 防潮壁の設置, 緊急時対策棟の設置など, 安全強化策を実施するとともに, 新規制基準も踏まえ, さらに安全性を向上させる施策の工事を実施してきております 1 また, 万が一原子力

 

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<ハード対策の実態 > また ハード対策についてみると 防災設備として必要性が高いとされている非常用電源 電話不通時の代替通信機能 燃料備蓄が整備されている 道の駅 は 宮城など3 県内 57 駅のうち それぞれ45.6%(26 駅 ) 22.8%(13 駅 ) 17.5%(10 駅 ) といずれも

美浜発電所3号機事故再発防止対策の実施状況について

/h に調整 8 月 12 日午後 7 時 30 分 原子炉への注水量の増加が確認されたため 注水量を約 3.8m 3 /h に調整 8 月 15 日午後 9 時 48 分 原子炉への注水量の低下が確認されたため 注水量を約 3.8m 3 /h に調整 8 月 17 日午後 3 時 46 分 原子炉

設計小委第 号 国内 BWR プラントの非常用電源設備の配置について 平成 23 年 8 月 23 日電気事業連合会 国内 BWR プラントの非常用電源設備の構成例 及び非常用 DG 等の電源設備の配置設計の変遷を東京電力のプラントを例に示す 1. 非常用電源設備の構成図 1~2に 所内

油漏洩 防油堤内 にて火災発生 9:17 火災発見 計器室に連絡 ( 発見 者 計器室 ) 発見後 速やかに計 器室に連絡してい る 出火箇所 火災の状況及び負傷者の発生状況等を確実に伝え 所内緊急通報の実施 火災発見の連絡を受 けて速やかに所内 緊急通報を実施し 水利の確保 ( 防災セ ンター 動

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新安全基準の骨子

 

地震被害予測システムにより建物被災度を予測 また 携帯電話と地図を利用した 被害情報集約システム では GPS 機能と地理情報システムとの連係により 現在位置周辺にある同社施工済物件を検索し 物件や周辺の被害状況を文字 静止画 動画を添付して報告することができる これら被害情報を地理情報システムに集

事業継続計画(BCP)作成用調査ワークシート


平成 30 年度需要家側エネルギーリソースを活用したバーチャルパワープラント構築実証事業 (A 事業 ) 東京電力パワーグリッド株式会社関西電力株式会社 2019 年 3 月

第 1 章実施計画の適用について 1. 実施計画の位置づけ (1) この 南海トラフ地震における具体的な応急対策活動に関する計画 に基づく宮崎県実施計画 ( 以下 実施計画 という ) は 南海トラフ地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法 ( 平成 14 年法律第 92 号 以下 特措法 と

報告会の開催状況 当社は 東京電力株式会社の福島第一原子力発電所での事故を踏まえて様々な安全対策を実施しており これらについて 発電所の周辺にお住いの皆さまにご報告させて頂くため 東海発電所 東海第二発電所の状況報告会を開催しています この報告会は 当社社員が発電所周辺の15 市町村に直接お伺し 平

平成 28 年熊本地震における対応 平成 28 年熊本地震 ( 前震 :4/14 本震 :4/16) において 電力 ガス等の分野で供給支障等の被害が発生 関係事業者が広域的な資機材 人員の融通を実施するなど 迅速な復旧に努めた結果 当初の想定よりも 早期の復旧が実現 また 復旧見通しを早い段階で提

原子炉物理学 第一週


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別 添 実用発電用原子炉に対する保安検査結果等について ( 平成 24 年度第 1 四半期 ) 平成 2 4 年 9 月 3 日経済産業省原子力安全 保安院 核原料物質 核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律 ( 以下 原子炉等規制法 という ) 第 72 条の 3 第 2 項の規定に基づき 16

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防災業務計画 株式会社ローソン

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燕市 ICT 部門の業務継続計画 < 初動版 > ー概要版ー 燕市

はじめに 1 私ども原子力事業者は 福島第一原子力発電所事故の反省に立ち 自主的 継続的に安全性向上活動を推進していかなければ日本の原子力に明日はない という危機感のもと 様々な安全性向上活動を推進してきた とくに 安全性の向上とリスクの低減に向け 確率論的リスク評価 ( 以下 PRA) を意思決定

2. 各社の取り組み 各社においては 六ヶ所再処理工場の竣工に向けた取り組み等に加え これまで使用済燃料の発生量見通し等に応じて 使用済燃料貯蔵設備のリラッキングによる増容量 敷地内乾式貯蔵施設の設置 敷地外中間貯蔵施設の設置等の必要な貯蔵対策に取り組んできている ( 添付資料 1 参照 ) 今後も

1. はじめに本資料では 高速増殖原型炉もんじゅの廃止措置における保安規定の認可の審査に関する考え方 に示された 大規模な自然災害 ( 地震 ( 津波の重畳を含む )) 及び 故意による大型航空機衝突 による大規模な災害が発生した場合に対し 放射性物質の放出低減を目的とした以下の影響緩和策で使用する

「原子力安全改革プラン進捗報告(2013 年度第4 四半期)」の概要

福島第一原子力発電所における高濃度の放射性物質を含むたまり水の貯蔵及び処理の状況について(第276 報)

1 福島県原子力発電所所在町情報会議 データ改ざん 不正に関する調査結果と再発防止対策について 平成 19 年 5 月 30 日東京電力株式会社福島第一原子力発電所福島第二原子力発電所

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安全への思い 2013 年 7 月に原子力発電所の新しい規制基準が施行されました 各原子力発電所では この新規制基準に適合するのはもとより より多くの知見を取り入れながら 世界最高水準の安全性を目指して様々な対策に取り組んでいます また 万一の事態に備え 設備面の対策に加えて 事故の発生防止や抑制と

別添 表 1 供給力確保に向けた緊急設置電源 ( その 1) 設置場所 定格出力 2 発電開始 2 運転開始 公表日 3 姉崎火力発電所 約 0.6 万 kw (0.14 万 kw 4 台 ) 平成 23 年 4 月 24 日平成 23 年 4 月 27 日 平成 23 年 4 月 15 日 袖ケ浦

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Transcription:

資料 No. 4-2 福島第一原子力発電所事故を踏まえた 原子力災害時の初動体制等に係る 追加安全対策について 平成 24 年 3 月 27 日 関西電力株式会社

福島第一原子力発電所事故を踏まえた安全性向上対策 1 H23.4.8 福島事故を踏まえた安全性向上対策実行計画等 緊急対策 応急対策 追加対策 シヒ アアクシテ ント対策 H23.11.28 ソフト面等の安全対策実行計画 ソフト面の対策 ハード面の対策 主な対策内容 電源車の配備 消防ホ ンフ 消火ホースの配備 扉等へのシール施行等 空冷式非常用発電装置の設置 海水供給用可搬式ホ ンフ の設置 防潮堤 防護壁の設置等 恒設非常用発電機の設置 大容量ホ ンフ の配置 海水ホ ンフ モータ予備品の保有等 通信手段の確保 高線量防護服の配備 水素爆発防止対策 免震事務棟の設置等 主な対策内容 緊急時対応体制の強化 発電所支援体制の強化 通信の強化 マニュアルの整備と訓練の実施 資機材運搬手段の多様化等 防潮堤 防護壁等の設置 ( 具体的な計画表明 ) 免震事務棟の設置 ( 具体的な計画表明 ) 外部電源の信頼性向上 強化等 1. 初動人員体制の強化 < 追加計画項目 > 2. 指揮命令系統の明確化 3. 運転員等のシビアアクシデント対応能力の向上 4. 途絶しない情報通信網の確立 5. 災害対応資機材等の充実 H23.12.26 東京電力福島原子力発電所における事故調査 検証委員会による中間報告等

1. 初動人員体制の強化 ( 初動対応要員のさらなる増員 協力会社による発電所支援体制の構築 ) 2 事故前 11 月時点の実行計画 今回の追加対策 福島事故の知見 長時間の全交流電源喪失による電源の枯渇 複数号機の同時発災 各種オペレーション要員 ( 重機による漂流物の除去 消防車による原子炉の注水作業等 ) の確保 整備が不十分であり 迅速な対応に支障を来たした 初動 80 人 美浜 :26 人高浜 :29 人大飯 :29 人 運転員等が駐在 131 人 155 人 美浜 :26+16 人高浜 :29+16 人大飯 :29+15 人 休日 夜間に地震 津波により全プラントで全交流電源喪失が発生した場合において電源 給水の確保が可能な体制を構築 美浜 :26+16+5 人高浜 :29+16+9 人大飯 :29+15+10 人 左記に加え 外部の支援なしでの給水確保に十分な余裕を持った体制 事故前の倍の人数 参集 477 人 美浜 :153 人高浜 :164 人大飯 :160 人 事故時に社員が参集 488 人 美浜 :153 人高浜 :164 人大飯 :160 人 + メーカー :11 人 緊急時に設計根拠や機器の詳細な情報を即座に入手し 事故収束手段を検討する体制を構築 約 900 人 美浜 :153 人高浜 :164 人大飯 :160 人 + メーカー :11 人 + 協力会社 : 約 410 人 美浜 : 約 110 人高浜 : 約 150 人大飯 : 約 150 人 現場作業 ( 例 ; モータ 弁 ポンプ修理 ) 放射線管理支援 ( 例 ; 放射線測定 ) エンジニアリング支援 ( 例 ; 炉心管理 ) 非常時に必要な技量を持った要員の派遣を確実にうけることができるよう要員派遣体制を構築 事故前の倍の人数

2. 指揮命令系統の明確化 3 事故前 11 月時点の実行計画今回の追加対策 福の知島見事故 緊急時対応体制 ( 大飯発電所の例 ) 単独ユニット発災時での体制 社長 ( 代行者 ) 原子力事業本部長 本部長 ( 所長 ) 原子力災害発生時における指示明確化 ( 発電所長 ) 蒸気発生器への海水注入判断 ( 当直課長 ) プラント運転操作や停止判断 副本部長副所長品証保証室長安全防災室長統括長 緊急時の海水注入判断が不明確 本部長付 ( 副本部長班長を除く職位が課長以上の者 ) ( 常駐 :29 人参集 : 約 160 人 ) 総務班 広報班 情報班 安全管理班 放射線管理班 発電班 保修班 本部長 ( 所長 ) 複数ユニット同時発災時に情報が混乱 予期しない事象に対応する役割が不明確 複数ユニット発災時の体制 ( 例 ) 社長 ( 代行者 ) 原子力事業本部長 1 号指揮 (1,2 号統括長 ) 2 号指揮 ( ( 副所長 SBO) ) 3 号指揮 (3,4 号統括長 ) 4 号指揮 総務班 広報班 情報班 安全管理班 放射線管理班 1u 担当グループ ( 品質保証室長 ) 発電班 2u 担当グループ 特命班予期しない事象に対応 予期しない事象が発生し新たな役割が必要となった場合に 本部長 ( 所長 ) の指示により対応する特命班を置く ( 常駐 :54 人参集 : 約 320 人 ) 保修班 1u 担当グループ 2u 担当グループ

3. 運転員等のシビアアクシデント対応能力の向上 4 事故前 11 月時点の実行計画今回の追加対策 福島事故の知見 長時間の全交流電源喪失事故の発生 複数号機同時発災 中央制御室での監視と操作を前提にしたマニュアル 非常用復水器動作状況の誤認識 SPDS が使用出来ない状態での事故対応 福島事故の反映 実効性の向上 シビアアクシデント対応 シヒ アアクシテ ントマニュアルの整備 地震津波による機器の損壊等の想定が不十分 アクシテ ントマネシ メントの概要の教育 シヒ アアクシテ ントやアクシテ ントマネシ メントの概要の教育 シヒ アアクシテ ントの対応時の操作訓練 原災法に基づく総合訓練の実施 原災法に基づく訓練 (1 回 / 年 ) 福島事故を反映したマニュアルの整備 地震津波による機器の損壊等を想定したマニュアルの整備 福島事故を反映したマニュアルに基づく教育 福島事故を反映マニュアルに基づく操作手順等の教育と訓練 福島事故を反映した具体的な訓練の実施 電源接続や給水などの個別訓練の実施 総合訓練の実施 現場操作の詳細情報を盛り込んだマニュアルの整備 現場操作機器の設置場所 操作方法等の詳細を明記 シヒ アアクシテ ント時の線量率予測図の作成 自らがプラント状態を理解して対応するための教育 運転員および技術系事故対応要員に対してマニュアルの基となるプラントの設計思想やシヒ アアクシテ ント時の機器動作等の深い知識について メーカー等の協力を得て実地も含めた教育を実施 事故時に要員派遣を依頼する協力会社に対して シヒ アアクシテ ント対応時の教育を行う より厳しい条件を想定した訓練の実施 抜き打ち参集訓練 通信設備やプラントパラメータ表示システムが使用不能な場合を想定した訓練 高線量環境を想定した訓練 複合事象を想定した実機の模擬制御盤による訓練

福島事故の知見 事故前 4. 途絶しない情報通信網の確立 11 月時点の実行計画 全交流電源喪失や津波による浸水時に通常の通信設備が遮断された 使用済み燃料プール水位監視不能 モニタリングポスト監視不能 今回の追加対策 事故により屋外の放射線量が上昇した場合 衛星電話が屋外で使用できなくなる可能性がある 福島事故において 敷地内に設置されていたモニタリングポスト全てが監視不能となった 原子炉水位等重要計器の不信頼 5 衛星電話 97 台 (+18 台 ) 衛星電話 115 台 衛星電話 衛星電話 8 台 (+89 台 ) (+60 台 ) 外部アンテナ付 :60 台 ( オフサイトセンター新規 18 台含む ) 衛星電話の台数増強 屋外アンテナの新設 オフサイトセンターへの新規配備 L 社 A N 内 有線回線によるネットワーク 衛星回線によるネットワークを追加 社内ネットワークのバックアップ回線として追加 モポニタスリトング 測定データの有線による伝送 発電所敷地境界モニタリングポストの電源強化 バッテリー容量等の増強 モニタリングポストのバックアップ回線の新設 モニタリングポスト測定データの伝送系に無線を追加 可搬型モニタリングポストの整備 固定式のモニタリングポスト被災時に代替監視する可搬型モニタリングポストを整備 計器 使用済燃料プールの水位監視機能の強化 非常用電源につながる水位監視カメラと水位計を新設 原子炉等の状態を監視する計測器の開発 シヒ アアクシテ ント時の過酷な環境下においても 原子炉水位などの重要な情報を計測できるシステムを国および電気事業者で研究開発

5. 災害対応資機材等の充実 事故前 11 月時点の実行計画今回の追加対策 6 福の知島見事故 資機材の不足に対し 必要資機材を確保 福島事故の反映 全ての交流電源や直流電源を喪失を想定した資機材の準備が絶対的に不足との中間報告 資機材等確保のさらなる充実 制圧機材 必要資機材リスト不十分 瓦礫除去資機材等なし 必要資機材の確保 水源確保用: 消防ポンプ等 電源確保用: 空冷式非常用発電装置等 その他: トランシーバー 衛星電話等必要な資機材 予備品について確保するとともに 配備場所 数量等をリスト化 ホイールローダー ブルードーザー 資機材運搬トラック クローラーキャリア リスト化 ( 導入実績は平成 23 年 12 月 ) 事故対応に必要な予備品の追加確保 資機材のさらなる充実 予備品の追加確保 弁駆動用窒素ボンベ 内部被ばく防止マスク用チャコールカートリッシ 等 ホイールローダー 資機材運搬トラック ドーザーショベル ( 持上げ機能を装備 ) ウニモグ ( クレーン機能も装備 ) 設発備電所 格納容器破損防止のためのフィルタ付ベント設備の設置 更なる安全確保の観点から 念のため 格納容器の損傷を防止するベント設備を設置 ベント設備には 周辺環境への影響を緩和するための放射性物質除去フィルタを設置 手運段搬 空路 海路による運搬手段の確保 要員搬送のための小型船舶の手配 要員および資機材搬送のためのヘリコプターの手配など 空路 海路による運搬手段の強化 大物資機材運搬船の新規手配 ヘリコプター発着地の拡大など 管被理ばく 緊急時被ばく管理体制の強化 緊急時に放射線管理要員を助勢する仕組みの整備 内部被ばく評価のための測定器の追加配備と迅速な評価方法の検討

まとめ 7 これまでに実施している安全性向上対策の計画に加え 今回 新たに策定した追加対策を鋭意実施し 安全性向上対策をさらに充実し 実効性の向上に取り組んでまいります 今後も 福島第一原子力発電所事故についての情報収集 分析を継続的に実施し 新たな知見獲得に努める等 原子力発電所の安全性の向上に 全社一丸となって努力していきます