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事業事前評価表

ログラムの審査に産業界からも参画を得ることで 大学がエンジニア予備軍である学部学生に対し社会のニーズに即した教育を実践できるよう 促進する役割を果たしている かかる状況の下 エンジニアの量的拡大が質を伴う形で実現されるよう インドネシア政府は我が国に対し LAM-PS としての インドネシアエンジニ

3 改良灌漑稲作技術がインタボ灌漑スキームで普及される (4) 投入 ( 中間レビュー時点 ) ( 日本 ベトナム側 ) 専門家 : 日本人専門家 1 名 ( チーフアドバイザー ) ベトナム人専門家 4 名 ( 稲作栽培 種子生産 灌漑 通訳 ) を派遣 研修 :2011 年 8 月に本邦研修 (

事業事前評価表

JICA 事業評価ガイドライン ( 第 2 版 ) 独立行政法人国際協力機構 評価部 2014 年 5 月 1

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は Blue Print for Air Transportation にて民間航空長期計画を作成 アクションプラン DGCA 5-Year Strategic Plan を作成した上 航空安全に係る総合的な対策の強化を図っており 本事業はこれに寄与するもので

欠であり 運輸交通分野を中心に膨大なインフラ投資が必要になると見込まれる これらのインフラ整備にあたっては 案件ごとにマスタープランから工事まで段階を踏んで検討 建設が進められるが 対象地の地形などを確認 把握するため 検討段階に応じた精度の地図が必要となる 現在 同国では基本的な測地基準点網が整備

事業事前評価表

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(CANACINTRA) 等と連携を図りつつ設置する案を有しており 国家中小企業コンサルタント養成 認定制度を具現化するためにいかにして事業を進めていくかが課題となっている (2) 相手国政府国家政策上の位置づけカルデロン大統領は 近代的かつ競争力のある経済の強化及び雇用の創出 を 治安 貧困撲滅

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政府説明資料

事業事前評価表

事業事前評価表

ODA による成功例 1 灌漑施設建設の成功例 1 インドネシア小規模灌漑管理事業 (3) 1998 年から 2004 年に実施された円借款 小規模灌漑管理事業 (3) は インドネシアの東部 6 州において堰 ( 頭首工 ) やダムの建設による表流水灌漑施設の整備とともにポンプの設置による地下水灌

新JICAにおける事前評価(技協・無償)について

2008年6月XX日

護ディプロマ課程を 3 年制看護ディプロマ課程に変更したのに加え ディプロマ課程看護師の現任研修により学士が取得できる 2 年制ポスト ベーシック課程とは別に大学教育として看護学士課程制度 (4 年制 ) を導入することを定めた 学術的に高度な 4 年制看護学士課程の卒業生は輩出されたばかりであるが

研究は重要項目とされている 本事業は CERMEL と長崎大学の共同研究を通じて 1 対象地域におけるウイルス感染症の流行状況の解明 2 新規に同定されたウイルスの性状解析 3 公衆衛生対策上優先度の高いウイルスに対する診断法の開発を行い ガボン側研究機関のウイルス感染症研究開発の能力向上に貢献する

と衝突して沈没し 147 人が死亡 2014 年 8 月にはパドマ川で約 250 人を乗せたフェリーが荒天のため転覆し 110 人が死亡等の大事故が発生している また 同国は 雨季には大型サイクロンが度々ベンガル湾から来襲し 沿岸部で遭難事故が多発するなど 地理的に自然災害の影響を受けやすい地域であ

公示番号 : 国名 : タンザニア担当部署 : 農村開発部農業 農村開発第二グループ第五チーム案件名 : コメ振興支援計画プロジェクト終了時評価調査 ( 評価分析 ) 有償勘定技術支援 1. 担当業務 格付等 (1) 担当業務 : 評価分析 (2) 格付 :3 号 ~4 号 (3) 業務

おらず 園芸作物の生産量の増加につれ 収穫期の値崩れや農産物の廃棄 低い保存 加工技術 資金へのアクセス等の課題に直面しており 収入が期待通りに伸びていない また 農家への技術支援を担う中央や地方の行政機関の職員および普及員数は少なく 十分に機能していない状況にあり 小規模農家の根本的な課題解決には

事業事前評価表

(2) 当該国における地震防災分野の開発政策と本事業の位置づけネパール政府は 2009 年に災害リスク国家管理戦略を制定し 対象災害の一つとして地震を上げている 地震防災分野は 2009 年に設置された National Platform for Disaster Risk Reduction にお

事業事前評価表

事業事前評価表

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地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム (SATREPS) 研究課題別中間評価報告書 1. 研究課題名 テーラーメード育種と栽培技術開発のための稲作研究プロジェクト (2013 年 5 月 ~ 2018 年 5 月 ) 2. 研究代表者 2.1. 日本側研究代表者 : 山内章 ( 名古屋大学大学

援 GHGインベントリ策定にかかる技術移転等 気候変動対策を推し進めるための包括的な支援を実施した 同プロジェクトの成果として 国家気候変動緩和行動計画 (RAN-GRK) に基づき州気候変動緩和行動計画 (RAD-GRK) の策定が進められるとともに 国家気候変動適応行動計画 (RAN-API)

政府説明資料

政府説明資料

無償資金協力 案件概要書 2017 年 8 月 29 日 1. 基本情報 (1) 国名 : カンボジア王国 (2) プロジェクトサイト / 対象地域名 : シハヌークビル特別市 プノンペン (3) 案件名 : 港湾近代化のための電子情報処理システム整備計画 (The Project for Port

西アフリカ 3億人ビジネス市場マップ ―2035年5億人市場に向けて―

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事業事前評価表

Microsoft Word - 事前評価

責任ある農業投資 - 原則の策定に向けた背景と概要 年 7 月 外務省

SHEP概要2

4 奨励品種決定調査 (1) 奨励品種決定調査の種類ア基本調査供試される品種につき 県内での普及に適するか否かについて 栽培試験その他の方法によりその特性の概略を明らかにする イ現地調査県内の自然的経済的条件を勘案して区分した地域 ( 以下 奨励品種適応地域 という ) ごとに 栽培試験を行うことに

JICA坂口さんプレゼン資料 pdf

長野県主要農作物等種子条例 ( 仮称 ) 骨子 ( 案 ) に関する参考資料 1 骨子 ( 案 ) の項目と種子の生産供給の仕組み 主要農作物種子法 ( 以下 種子法 という ) で規定されていた項目については 長野県主要農作物等種子条例 ( 仮称 ) の骨子 ( 案 ) において すべて盛り込むこ

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令 (2006 年 5 号 ) では 2025 年までの国家エネルギー政策の数値目標を設定し エネルギー供給量に対する新 再生可能エネルギーの目標値を 17%( うち地熱エネルギーは 5 %) に定めた また 2010 年の Vision 25/25 において 新 再生可能エネルギーの目標値を 25


架鉄道三路線 ( うち 二路線は軽量 ) の総延長は 50km にとどまっている 首都圏南方については マニラ市ツツバンからカブヤオ市ママティッドまでの区間を頻度の低い通勤線が非電化路線として運行しているのみである 首都圏北方は 居住エリアが拡大しているものの 十分な公共交通手段が確保されていないた

プロジェクト ( 年 ) 独 (KfW): 西ナイル地区に特化した配電網の拡充 小水力の開発 ( 年 ) 3. 事業概要 (1) 事業の目的ウガンダにおける産業活性化が期待できる地方において 長距離配電線 (33kV 配電線 ) の資機材の調達 据付を行うことによ

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新JICAにおける事前評価(技協・無償)について

1. 現状認識 ミャンマーにおけるコメ バリューチェーンの現状 投入 生産 集荷 加工 物流 販売 バリューチェーンファクター 種苗会社 肥料農薬供給業者 生産農家 農業機械 集荷業者 精米業者 倉庫業者物流業者 小売, 外食業者輸出業者 バリューチェーン各段階での課題 優良種子の品質 量の不足 優

区間を頻度の低い通勤線が非電化路線として運行しているのみであり 十分な公共交通手段が確保されていないため 同エリアと周辺に住む住民はバスや自動車等により通勤しているが 道路の混雑により 通勤に大きな支障が出ている 加えて 南北鉄道事業南線 ( 通勤線 ) ( 以下 本事業 という ) の対象区間には

第1章 調査の概要

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評価調査結果要約表 1. 案件概要 国名 : メキシコ合衆国案件名 : メキシコ国電子分野における研究 教育手法の開発分野 : 中小企業振興援助形態 : 技術プロジェクト所轄部署 : 中南米部中米 カリブチーム協力金額 ( 評価時点 ):20,375 千円協力期間 (R/D):2003 年 11 月

政府説明資料

ジャカルタ大都市圏空港整備計画調査の必要性については JICA が 2008 年 1 月に実施した 次世代航空保安システム整備に係るフィージビリティー調査 でも提言がなされており 既存空港の拡張及び効率的運用を含めたジャカルタ首都圏周辺の適切な空港整備に係る長期的な計画を策定する必要性は高い インド

事業事前評価表

( 参考様式 1) ( 新 ) 事業計画書 1 事業名 : 2 補助事業者名 : 3 事業実施主体名 : Ⅰ 事業計画 1 事業計画期間 : 年 月 ~ 年 月 記載要領 事業計画期間とは 補助事業の開始から事業計画で掲げる目標を達成するまでに要する期間とし その期限は事業実施年 度の翌年度から 3

Microsoft Word - 事前評価表最終版0623final.doc

国 アメリカ ロシアに次いで世界第 4 位の電力消費国となっている (2014 年 ) 国内の電力供給に関しては 1,114,408GWh の需要に対して供給量は 1,090,851GWh と 2.1% の不足 供給能力もピーク時 153,366MW の需要に対して 148,463MW と 3.2%

ローカルコスト負担 65,633 千円その他 相手国側 : カウンターパート配置 44 名土地 施設提供プロジェクト予算 ( 人件費含む ) 3,220,000 千ドン ( ) その他 2. 評価調査団の概要 調査者 ( 担当分野 : 氏名職位 ) 1. 総括 : 星野和久国際協力機

類似業務対象国 / 類似地域語学の種類 各種評価調査インドネシア / 全途上国英語 5. 条件等 (1) 参加資格のない社等 : なし (2) 必要予防接種 : なし 6. 業務の背景インドネシア政府は 食料安全保障や農家の所得向上を政策上の優先課題の一つとして位置付けており 2013 年 7 月に

0528事業事前評価表(円借款+附帯技プロ)final.doc

Rodrigo Domingues UNDP Borja Santos Porras/UNDP Ecuador UNDP Kazakhstan 2

事業事前評価表 1. 案件名 ( 国名 ) 国際協力機構南アジア部南アジア第四課 国名 : バングラデシュ人民共和国案件名 : 貧困削減戦略支援無償 ( 教育 ) (Poverty reduction efforts) 2. 事業の背景と必要性 (1) 当該国における初等教育セクターの現状と課題バン

評価調査結果要約表 1. 案件の概要 国名 : ザンビア共和国 分野 : 生産安定 生産性向上 / 農村開発 案件名 : 農村振興能力向上プロジェクト 援助形態 : 技術協力プロジェクト 所轄部署 : ザンビア事務所協力金額 ( 評価時点 ):7.18 億円協力期間 R/D:2009 年 11 月

アフリカ稲作振興のための共同体

政府説明資料

事業事前評価表 ( 地球規模課題対応国際科学技術協力 (SATREPS)) 国際協力機構地球環境部防災第一チーム 1. 案件名国名 : フィリピン共和国案件名 : 和名 フィリピンにおける極端気象の監視 情報提供システムの開発 英名 The Project for Development of Ex

モザンビーク共和国ザンベジア州ナンテ地区稲作生産性向上のための技術改善プロジェクト中間レビュー調査報告書 平成 25 年 7 月 (2013 年 ) 独立行政法人国際協力機構 農村開発部

Microsoft Word - MMR事業事前評価表.doc

支援 及び 不均衡の是正と安全な社会造りへの支援 の中で重点分野として掲げており また JICA も国別分析ペーパーの協力プログラムにおいて 首都圏の都市基盤整備プログラム や 地方開発 拠点都市圏整備プログラム の中で開発課題として位置づけている 上水道セクターにおいては 日本は下記 3.(9)

農業農村開発の最近の動向

社会的責任に関する円卓会議の役割と協働プロジェクト 1. 役割 本円卓会議の役割は 安全 安心で持続可能な経済社会を実現するために 多様な担い手が様々な課題を 協働の力 で解決するための協働戦略を策定し その実現に向けて行動することにあります この役割を果たすために 現在 以下の担い手の代表等が参加

5 この施策に係る事務事業 ( 重要度 貢献度順 ) 番号 事務事業名 魅力個店づくり整備促進事業 歳出決算額 ( 千円 ) 施策への関連性 目的に対する指標 年度目標値 年度実績値 推移 区内の既存個店や出店希望 22 者が行う 魅力的な店舗づ 809 くりを支援することで 魅 力個店の集積を図る

Yuriko Koike

プロジェクトマネジメント知識体系ガイド (PMBOK ガイド ) 第 6 版 訂正表 - 第 3 刷り 注 : 次の正誤表は PMBOK ガイド第 6 版 の第 1 刷りと第 2 刷りに関するものです 本 ( または PDF) の印刷部数を確認するには 著作権ページ ( 通知ページおよび目次の前 )

国営農地再編整備事業 ニセコ地区 事業の概要あぶたぐん本事業は 北海道南西部に位置する虻田郡ニセコ町の畑地帯において 区画整理を行い 生産性の高い基盤の形成を通じて農業の振興と耕作放棄地の解消 発生防止を図るものである 事業の目的 必要性本地区の農地は 基盤整備が遅れているため 小区画や急傾斜であり

The Consultative Group of GFDRR

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政府説明資料

本報告会では まずニアサ州農業局 (DPA) 国立農業研究所(IIAM) で聞き取った説明を紹介し 次にその内容に対する所感を付すこととしたい 説明については 出来るだけその場のやり取りを正確に表現することを心掛けた いずれも短時間でかつ現場を見る機会がなかったのが残念である また 農民団体 市民団

るための HIV 予防という マダガスカルの開発ニーズに合致していた 事前評価時における日本の援助方針との整合性 2006 年の日本とマダガスカルの経済協力政策対話に基づく 健康状態の改善を含む 農業 漁業 農村開発に向けたインフラの維持と人材開発を重点とする 日本の援助方針に合致していた 評価判断

資料1:地球温暖化対策基本法案(環境大臣案の概要)

事業事前評価表

Transcription:

事業事前評価表国際協力機構農村開発部農業 農村開発第二グループ第四チーム 1. 案件名国名 : モザンビーク共和国案件名 : ザンベジア州コメ生産性向上プロジェクト Project for Improvement of Rice Production in Zambezia Province (ProAPA) 2. 事業の背景と必要性 (1) 当該国における農業セクターの現状と課題モザンビーク共和国は人口約 2,797 万人 (2015 年 ) を有し 農業セクターは全就業人口の約 8 割 GDP の 28%(2014 年 ) を占め 同国にとって重要なセクターである 同国における主要作物はキャッサバやメイズであるが 近年 都市部を中心にコメの需要が伸長しており 年間コメ消費量は 2001 年 ~2011 年の間で 3.1 倍 (20 万トン / 年から 62 万トン / 年 ) に著しく増加している ただし 消費量の大半 ( 約 56%) は輸入に頼っており 同期間中の輸入量の伸びが 10 倍に増加したのに対し 国内生産量の伸びは 1.6 倍に留まっている (FAO 統計 ) 今後も同様の傾向が続く場合 輸入依存度がますます高まることが予想される そのため 同国におけるコメ生産量の増加が求められている しかし 農業従事者の 90% 以上が小規模農家 ( 農地 1ha 程度 ) であるほか 大半の農家のコメ生産技術は低い また 優良種子の供給体制や生産物の流通ネットワークの未整備などの課題がある 本事業の対象となるザンベジア州においても 同国のコメ生産量の約 6 割を占めるものの 上述した課題により コメの生産性は低い状況にある このような課題に対応するために JICA は 2008 年の TICAD IV でアフリカ緑の革命のための同盟 (AGRA) と共同で発表した アフリカ稲作振興のための共同体 (CARD) 1 の下 モザンビークの稲作増産等を通じた農業開発を支援している これまでに ザンベジア州ナンテ地区稲作生産性向上のための技術改善プロジェクト (2011 年 ~2015 年 ) ショクエ灌漑地区稲作生産性向上プロジェクト (2011 年 ~2014 年 ) を通じて それぞれザンベジア州 ガザ州の 1 灌漑稲作地区を対象に稲栽培技術の向上や農民組織強化を支援し 灌漑稲栽培マニュアル等を作成した その結果 収穫量 ( 単収 ) については ザンベジア州のプロジェクトでは 2.5~3.0 トン /ha から 4.1 トン /ha( 展示圃場 ) に ガザ州のプロジェクトでは 2.7 トン /ha から 4.0 トン /ha( 洪水被害地区を除く対象地区 ) に増加した 同国のコメの需要を満たすためには 同国最大の稲作地帯であるザンベジア州全体の単収の増加が不可欠である これまでの協力成果を応用した 栽培技術の普及による効果的なコメの生産性向上を図ることが必要とされる 1 2008 年 5 月の TICADⅣ において JICA はアフリカ緑の革命のための同盟 (AGRA) と共同で アフリカ稲作振興のための共同体 (CARD) を発表した CARD では モザンビークを含む第 1 グループ (12 カ国 ) 第 2 グループ (11 カ国 ) を対象とし JICA は 2008 年から 2018 年までの 10 年間でサブサハラ アフリカにおけるコメ生産量を 1400 万トンから 2800 万トンへ倍増するための支援を実施している 1

(2) 当該国における農業セクターの開発政策と本事業の位置づけ同国政府は 農業を経済発展の大きな要として位置づけている 具体的には 2011 年に経済発展への貢献を念頭に 農業セクター成長率 7% 達成を目指す農業開発戦略計画 (PEDSA)(2011 年 - 2020 年 ) を策定した 同計画では 食料安全保障及び農業生産者の収入増加への貢献を上位目標に据え その目標達成のために 1 農業生産性の向上 2 市場へのアクセス向上 3 天然資源の活用 4 組織改善と強化 の 4 つの柱を設定している 本事業は灌漑及び天水稲作の栽培技術普及 農民組織強化を通じたコメ生産性の向上と それに伴う農民の生計向上を目標に掲げていることから 上記 1 2 4に貢献するものである また 同国政府は 国内コメ生産量の向上を図るために 2009 年に 国家コメ開発計画 (NRDP) のドラフトを策定した しかし 近年は 2009 年と比較し生産量や輸入量が大きく変化したため 2015 年に同ドラフトを修正した 改訂版 NRDP の中で 1 生産面積の増加 2 単収の増加 3 生産量の増加 の 3 つの目標を掲げているが 本事業では 2 3の達成に寄与することが期待される 上記のとおり本事業は 同国における開発戦略やプログラムに沿って実施することで PEDSA 及び NRDP の推進に貢献するものである (3) 農業セクターに対する我が国及び JICA の援助方針と実績 1) 援助方針我が国は 対モザンビーク共和国国別援助方針 (2013 年 3 月 ) の重点分野の一つである 回廊を含む地域経済活性化 において 港湾から内陸国へと続くインフラ整備や農業開発などの包括的な回廊開発支援を行うこととしている さらに 同重点分野の中に位置づけられた 農業技術支援プログラム では 既存の技術普及体制の整備 強化 営農指導等の支援を通じた農業生産性の向上 及び農民の生計向上を図る方針である 2) これまでの支援実績と今後の展開 JICA は 2001 年のガザ州ショクエ灌漑地区に対する無償資金協力を通じた灌漑施設の整備に始まり ザンベジア州やガザ州に対して灌漑稲栽培技術や灌漑施設維持管理の向上を図る技術協力を継続的に実施してきた 本事業では これまでに移転された技術を対象地区で適応化もしくは応用する ( 例として 灌漑稲栽培技術を天水低湿地稲作に応用 ) とともに 作成された稲栽培等のマニュアルを改訂 統合し コメ生産市場化普及パッケージ ( 仮名 ) として取り纏める 本事業の中で 同パッケージを活用しザンベジア州での技術普及を図る これに加えて 全国への普及を視野に入れ NRDP 推進の一環として 他の主要コメ生産地域においても活用を図り 技術のさらなる拡大を進める 本事業は モザンビーク国のコメ自給率改善を図る推進役となる (4) 他の援助機関の対応 2

コメに特化した他機関の援助としては 世界銀行 ( 世銀 ) が 2011 年 ~2017 年の計画で 稲作のための持続的灌漑施設開発計画 (ProIRRI) を実施中であり ソファラ州 マニカ州 ザンベジア州の 3 州を対象に灌漑システムの導入及び改善による農業生産 市場化の促進を行っている さらに世銀は モザンビーク ザンビア及びマラウイの 3 か国を対象に研究機能強化を目指す アフリカ南部農業生産性プログラム (APPSA) (2013 年 3 月 ~2019 年 7 月 ) を実施しており モザンビークはコメの研究拠点 (Regional Center of Leadership) に位置付けられている その一環として モザンビークでは ザンベジア州に農業研究所 (IIAM) の稲作研究施設を建設するとともに 関連する研究員の能力強化を図っている ProIRRI との灌漑施設維持管理技術の共有 及び APPSA との研究知見の共有の可能性を探っていく また ベトナム農業科学アカデミー (VAAS) が 2014 年から 2018 年までの予定で ザンベジア州 IIAM において 稲の種子生産に関する技術協力を実施中である IIAM の研究員 郡経済活動事務所 (SDAE) の普及員 稲作農家を対象に 日々の業務や研修を通じた ベトナムの稲品種の現地適応化試験やモザンビーク在来品種の改良を含む技術移転を行っている ザンベジア州ナンテでのプロジェクトにおいて ベトナムとは三角協力の背景があることから 本事業においても継続した協力 ( 種子生産技術の向上に限る ) の可能性を探る 3. 事業概要 (1) 事業目的 ( 協力プログラムにおける位置づけを含む ) 本事業は ザンベジア州の灌漑及び天水稲作対象地区において 稲栽培技術の普及 種子生産管理体制の改善 灌漑施設維持管理や農民組織の強化を行うことにより 対象地区でのコメ生産性の向上を図り もってザンベジア州全域でのコメ生産量の増加 及び対象地区のコメ農家の稲作による収入の向上に寄与するものである (2) プロジェクトサイト / 対象地域名 : ザンベジア州内灌漑稲作地区 (4~6 地区 ) 及び天水稲作地区 (2 地区程度 ) 対象灌漑及び天水稲作地区は 事業開始後にベースライン調査を踏まえ 選定することとする (3) 本事業の受益者 ( ターゲットグループ ) 直接受益者 : ザンベジア州内の普及員 ( 約 170 名 ) ザンベジア州種子生産農家( 約 50 農家 ) 最終受益者 : 対象地域のコメ生産農家 ( 約 3,000 農家 ) (4) 事業スケジュール ( 協力期間 ):2016 年 11 月 ~2021 年 10 月を予定 ( 計 60 ヵ月 ) (5) 総事業費 ( 日本側 ):6.7 億円 (6) 相手国側実施機関 3

1) 責任機関 : 農業食料安全保障省 (MASA)( 農業省 ) 農業普及局 (DNEA) 2) 実施機関 : ザンベジア州農業局 (DPA-Zambezia) 3) 協力機関 : 農業省農林業局 国家灌漑院 (INIR) 農業研究所(IIAM) ザンベジア試験場 対象郡経済活動事務所 (SDAE) (7) 投入 ( インプット ): 1) 日本側 1 専門家派遣 ( 総括 / 普及 稲栽培 / 種子生産 灌漑施設維持管理 農民組織 業務調整 / 研修管理 マーケティング その他 ) 2 研修員受け入れ ( 第三国研修 ) 農業普及 等 3 供与機材 ( 車両 事務機器 ) 2) モザンビーク国側 カウンターパート及びその経費プロジェクト ディレクター : 農業省普及局局長プロジェクト マネージャー : ザンベジア州農業局局長 ザンベジア州農業局内事務所 事務所用機材 ならびに事務所に関する維持管理費 カウンターパートのプロジェクト活動に関する活動資金 ( 出張旅費を含む ) 車輛を含む機材輸入のための関税ならびに国内移送費 機材の設置費用 ( 必要がある場合 ) その他 プロジェクトの運営のために必要な方策 (8) 環境社会配慮 貧困削減 社会開発 1) 環境に対する影響 / 用地取得 住民移転 1 カテゴリ分類 :C 2 カテゴリ分類の根拠 : 灌漑施設に関しては 補修工事に留まるとともに 農民組織が主体となって行うため 環境的かつ社会的に大きな影響を与えるものではない 2) ジェンダー平等推進 平和構築 貧困削減圃場では 全てのコメ生産活動において 女性は男性と同様に従事している そのため 本事業の中で 農民を対象にした研修を実施する際 男女双方からのヒアリングを通じ 各々のニーズに合った研修内容を検討するなど ジェンダーバランスへの配慮に留意する また本事業は 灌漑及び天水稲栽培技術の普及を通じて 同国の重要穀物であるコメの生産性の向上及び生産量の増加を図り 将来的にコメ農家の生計向上や同国のコメ自給率の改善への寄与 かつ貧困削減 食料安全保障等に貢献するものである 3) その他 : 特になし 4

(9) 関連する援助活動 1) 我が国の援助活動 : 特になし 2) 他ドナー等の援助活動 : 特になし 4. 協力の枠組み (1) 協力概要 1) 上位目標と指標 1. ザンベジア州全域におけるコメ生産量が増加する 指標 : ザンベジア州全域におけるコメ生産量が 2026 年までに A% 増加する 2. 対象地区におけるコメ生産農家の稲作による年間収入が向上する 指標 : 対象地区におけるコメ生産農家の稲作による年間収入が 2026 年までに A'% 増加する 2) プロジェクト目標と指標ザンベジア州の対象地区におけるコメ生産性が向上する 指標 : 対象地区における単位面積当たりのコメ収穫量が 2021 年までに B% 増加する 3) 成果成果 1: 対象地区において灌漑及び天水稲栽培技術が普及する 成果 2: 対象地区における種子生産管理体制の機能が改善される 成果 3: 対象地区において灌漑施設維持管理状況が改善される 成果 4: 市場志向型アプローチに沿った効果的な農民組織活動を実施するための農民組織能力が向上する 成果 5: 開発されたコメ生産市場化普及パッケージ 2 ( 仮名 ) の内容が 農業セクターの主要関係者 3 により合意される 5. 前提条件 外部条件 ( リスク コントロール ) (1) 前提条件特になし (2) 外部条件 1) 灌漑施設や稲作圃場に甚大な被害をもたらす災害が起こらない 2) コメの価格が暴落しない 6. 評価結果 本事業は モザンビーク国の開発政策 開発ニーズ 日本の援助政策と十分に合致しており また計画の適切性が認められることから 実施の意義は高い 2 稲栽培技術 種子生産 灌漑施設維持管理 農民組織強化 マーケティングに係るマニュアルやガイドラインを纏めた普及パッケージ 成果 1-4 の中でこれらマニュアル等を作成 ( 改訂 ) し パッケージとして取り纏める 3 農業省普及局長 農業省農林業局長 他の主要なコメ生産地域の州農業局長など 5

7. 過去の類似案件の教訓と本事業への活用 (1) モザンビーク国 ザンベジア州ナンテ地区稲作生産性向上のための技術改善プロジェクト 1) 評価結果協力期間中及び終了後に 洪水により対象地区が圃場の冠水や灌漑施設の損壊等の被害を受ける事象が発生した プロジェクト開始前に 過去に発生した洪水被害に関する対策も検討すべきであった 2) 本事業への教訓本事業も同プロジェクトと同じザンベジア州で実施される このことから ベースライン調査時に ザンベジア州における洪水を含む過去の自然災害の履歴等から 洪水被害を受けにくい地区をプロジェクト対象地区とするとともに 洪水に備えて対象地区の排水改良技術を開発する 8. 今後の評価計画 (1) 今後の評価に用いる主な指標 4.(1) のとおり (2) 今後の評価計画事業開始後 6 ヶ月以内 : ベースライン調査事業終了 5 年後 : 事後評価 事後評価は原則事業終了 3 年後であるが 本事業では広大な ( 東西南北それぞれ約 320km) ザンベジア州全域でのコメ生産量の増加を目指すこと 普及員の人材育成に時間を要すること 等を踏まえ事業終了 5 年後に事後評価を行うこととする 以上 6