災害派遣精神医療チーム :DPAT (Disaster Psychiatric Assistance Team) 厚生労働省社会 援護局 障害保健福祉部精神 障害保健課
心のケアチーム派遣状況 平成 23 年 3 月 ~24 年 3 月までの累計で 57 チーム のべ 3,504 人が活動に参画 宮城県 北海道 山梨県 奈良県愛知県三重県 福岡県岡山県 岩手県 富山県 国府台病院 長野県香川県鹿児島県石川県 兵庫県 徳島県 長崎県 東尾張病院 秋田県 佐賀県 福島県 琉球病院 静岡県 栃木県 大阪府 鳥取医療センター 高知県神奈川県 山形県宮崎県 岐阜県 福井県 京都府 埼玉県 群馬県 岡山県 新潟県滋賀県横浜市 和歌山県 大阪市 沖縄県久里浜アルコール症センター東京都千葉県 国立精神 神経医療研究センター
心のケアチーム体制整備事業 近年 地震 風水害などの自然災害 犯罪被害 事故等において いわゆる 心のケア の必要性が一般社会においても また精神保健医療福祉関係者においても強く認識されている こうした災害 犯罪 事故等の被害者は PTSD( 心的外傷後ストレス障害 ) をはじめとする様々な心理的な反応が生じることから 専門的なケアが必要となっている また 平成 23 年東日本大震災においては 近親者の喪失 生活基盤の破壊 恐怖体験等が複合的かつ広範囲に発生し 被災者数が史上に例を見ないほどの人数にのぼっていることから これまで以上に PTSD 対策を中心とした心のケアの対策の実施が必要となっている また これらの症状は一過性のものでなく 震災復興にかかる期間以上に長期的に続くことが予想されるため 対策の継続的な実施が必要となっている しかし 心のケアに対応する公的部門を設置している地方公共団体は少なく 体制は十分とは言えない状況 都道府県 政令市 精神保健福祉センター 公立病院等に常設拠点を設置 心のケア対応体制の整備 電話相談 対面相談 訪問支援等により 災害 犯罪 事故等の被害者に対する長期的な相談対応のための常設窓口設置 県内の事故発生時に対応する緊急危機対応チームの設置 ( 県外被害への対応も兼ねた 初動マニュアルの作成等も行う ) 災害時の心のケアに関する関係機関による定期的会議の開催 災害等の心のケアにかかる支援者のためのマニュアルの作成 改訂 行政機関 ( 警察含む ) 医療機関 学校等の通常時の連絡調整 緊急危機対応チーム研修会の開催 チームへの参加希望者向けの研修や チーム間の情報交換等のための研修会を実施 定率補助国負担 1/2
目的 災害時こころの情報支援センターについて 東日本大震災における心のケア対策については 強い不安やフラッシュバックなどの PTSD 症状等が長期間継続する患者がいることから 総合的な調整 助言指導 データ分析を行う 全国的な機関として 災害時心のケア研究 支援センター を設置することにより 短期間のみならず中長期的にも PTSD 症状や治療内容等の把握や分析を行い 被災 3 県 ( 岩手 宮城 福島 ) のメンタルヘルス支援の質の向上に活用するとともに 今後も災害に備える必要があることから その結果をもとに 全国の災害時における心のケア対応力の向上を目指す 被災県 被災者被災者被災者 支援 調査 相談 支援 調査 相談 支援 調査 相談 心のケアセンター 心のケアセンター 心のケアセンター 分析データ提供 技術的支援 助言等 活動データ等の提供 災害時こころの情報支援センター国立精神 神経医療研究センターに設置 (23 年 12 月 ) 被災地で心のケア活動を行う専門職に対して 対応 支援に関する技術的指導 助言 被災地の心のケア支援活動により得られる精神症状等のデータ等の情報を効率的に集約整理 専門的分析を行い 被災県にフィードバック 被災地の心の健康状況に関する調査 分析 研究事業等の窓口機能 東日本大震災における心のケアチーム活動の検証 及び 今後の大規模自然災害発生時に備えた 全国の心のケアチームの活動手法の研究及び技術的研修 施策に関する技術的助言 技術的研修 全国 自治体 東日本大震災でのチーム活動データ提供 心のケアチーム
災害精神保健医療情報支援システム ;Disaster Mental Health Information Support System(DMHISS) a 平常時有事に備えた事前準備 d 随時 ( 活動中 後 ) 活動記録等の効果的な活用 都道府県等担当窓口 DPAT 体制等の事前登録 厚生労働省 災害時こころの情報支援センター 都道府県等 情報支援システム演習 (H25 年 2 月 ) ; 災害時こころの情報支援センター < 対象者 > 精神保健福祉センター長 精神科医 担当課職員 < 参加自治体 >56 都道府県 政令市 ( 全 67 か所中 ) 計 155 人 活動記録情報掲示板 国立精神 神経医療研究センター委託 DMHISS c 集計による 報告書等の作成支援 傾向分析による施策立案等の支援 災害発生時 ( 主に活動中 ) DPAT 厚生労働省 災害時こころの情報支援センター 都道府県等 活動記録の蓄積とフィードバック b 災害発生時派遣元都道府県 ( 主に初動 ) 厚生労働省災害時健康支援システム ( 国立保健医療科学院 ) EMIS (DMAT) 保健師チーム DMAT との連携 被災地への DPAT 派遣 被災自治体 派遣要請 派遣計画立案活動地域割当 厚生労働省 派遣斡旋 支援自治体 派遣申入れ C 県チーム DPAT 診察 全国統一の相談 診療記録 情報掲示板 被災地情報等の情報提供 被災者 DMHISS DPAT 活動記録の蓄積 DPAT 災害時健康支援システム 保健師 DMAT EMIS 保健師チーム DMAT 等との情報連携
災害派遣精神医療チーム (DPAT) 活動要領
DPAT の概要 自然災害や航空機 列車事故 犯罪事件などの大規模災害等の後に被災者及び支援者に対して 被災地域の都道府県の派遣要請により被災地域に入り 精神科医療及び精神保健活動の支援を行うための専門的な精神医療チーム 自然災害に限らず犯罪事件 航空機 列車事故等の大規模な集団災害において 一度に多くの傷病者が発生し医療の需要が急激に拡大すると 被災地域の都道府県等だけでは対応が困難な場合も想定される このような災害に対しては 被災地域での精神科医療及び精神保健活動の支援を行いつつ 被災地域に参集する各医療関係団体から派遣される医療チームとの有機的な連携が重要 また このような災害時の精神医療活動には 通常の診療に加え DMAT 等の多様な医療チーム 保健師チーム等との連携を含めた災害時精神保健医療のマネージメントに関する知見が必要 この活動を担うべく 専門的な技術 能力を有する災害派遣精神医療チームが DPAT
被災都道府県内での活動 ( イメージ ) 保健所等 災害発生地域 避難所や住宅 病院 被災都道府県
被災都道府県外での活動 ( イメージ ) 被災都道府県 保健所等 避難所や住宅 被災地域 DPAT 病院 D P A T 被災地域外の都道府県 災害対策基本法第 74 条 派遣要請 派遣斡旋の要請 被災地域外の都道府県 派遣調整 厚生労働省
DPAT の構成等 以下の職種等による数名のチーム ( 車での移動を考慮した機動性の確保できる人数を検討 ) で構成 精神科医師 看護師 事務職員等 被災地域には 交通事情が悪い地域 水 電気 ガス等のライフライン が通じていない地域 通信手段 宿泊所のない地域 日常生活品の不 足している地域等があるので自立した活動が可能な準備が必要 DPAT1 班当たりの活動期間は 1 週間 ( 移動日 2 日 活動日 5 日 ) を標準と し 必要があれば一つの都道府県等が数週間 ~ 数カ月継続して派遣す ることが望ましい 交代による引き継ぎの作業はかなり煩雑であり 現地の行政機関を煩わ せることがないよう引き継ぎを完結することが必要である また 要支援 者の情報に限らず 被災状況や地理的情報も引き継ぐことが必要
DPAT の活動内容 1. 災害によって障害された既存の精神保健医療システムの支援 1) 災害によって障害された地域精神保健医療機関の機能を補完 外来 入院診療の支援 保健所等での相談業務の支援 2) 避難所や在宅の精神障害者への対応 症状の悪化や急性反応への対応 薬が入手困難な患者への投薬 受診先が無くなる または 受診先と連絡がとれない患者への対応や現地医療機関への紹介 移動困難な在宅患者の訪問 2. 災害のストレスによって新たに生じた精神的問題を抱える一般住民への対応 災害のストレスによって心身の不調をきたした住民または事故等に居合わせた者への対応 今後発生すると思われる精神疾患 精神的不調を防ぐよう対応 3. 地域の支援者への対応 地域の医療従事者 被災者の支援を行っている者 ( 行政職員等 ) への対応