抜粋 平成 24 年度東久留米市各会計決算及び基金運用状況審査意見書 第 1 審査の期間 平成 25 年 7 月 1 日から平成 25 年 8 月 12 日まで 第 2 審査の対象 1 平成 24 年度東久留米市一般会計歳入歳出決算 2 平成 24 年度東久留米市国民健康保険特別会計歳入歳出決算 3 平成 24 年度東久留米市後期高齢者医療特別会計歳入歳出決算 4 平成 24 年度東久留米市介護保険特別会計歳入歳出決算 5 平成 24 年度東久留米市下水道事業特別会計歳入歳出決算 6 平成 24 年度東久留米市各会計歳入歳出決算付属書類 7 平成 24 年度東久留米市各基金運用状況に関する報告書 第 3 審査の方法 審査に当たっては 地方自治法第 2 条第 14 項の規定の趣旨と予算議決の精神に留意し 決算計数の正確性について検証した さらに 予算が法令に基づいて適正に執行されていたか 基金は適正に運用されていたかについて 関係書類と照合し 必要な事項は関係職員の説明を求め審査を実施した 第 4 審査の結果 審査に付された平成 24 年度の各会計歳入歳出決算及び付属書類並びに各基金運用状況を示す書類は関係法令に準拠して作成されており これを関係書類と照合した結果 計数に誤りは認められなかった また 基金の運用についても適正に執行されていたと認められた 第 5 総括 平成 24 年度は ヨーロッパのユーロ圏全域に及ぶ財政 金融不安の深刻化 長期化 米国の 財政の崖 中国の経済成長の鈍化や環境汚染など様々な問題が発生し世界経済の減速を感じた 1 年であった 国内においても東日本大震災以降 復旧 復興の動きやエコカー補助金などにより一時的に持ち直しをしていたが ヨーロッパの金融危機に端を発した世界同時不況の影響が依然として続き 円高など景気の先行きは不透明であり さらには外交問 - 1 -
題や安全保障政策など多くの課題が山積した 平成 24 年は ロシア フランス 米国 中国 韓国など多くの国で 大統領選挙や国家代表の改選が行われ 世界主要国での政治選択の年でもあった 日本においても 年末に衆議院の解散総選挙と東京都知事選挙が同日に行われ 国政においては 政権が交代し第 96 代内閣総理大臣に安倍晋三氏が就任し 第二次安倍内閣では 日本の危機的状況を突破するため 経済再生 震災復興 危機管理 の三つに全力で取り組む決意を示しており 強いリーダーシップをもって政策を実行していくことが期待される 都政においては 石原都政を継承した猪瀬直樹知事が誕生した また 平成 24 年度を振り返ると東京スカイツリーの開業 日本列島での金環食の観測 ロンドン五輪での史上最多のメダル獲得 i P S 細胞の研究で京都大学の山中教授がノーベル賞を受賞するなど世界を舞台に活躍する日本人が 夢や希望を与えてくれた そして その年の世相を表す漢字に 絆を輝かせる 金色の光明 として 金 が選ばれている しかしながら 台風等の大きな災害もあり 年末には 中央自動車道笹子トンネルの天井板崩落事故を契機に道路や橋 上下水道などインフラ全体への信頼が大きく揺らいだ年でもあった 国の平成 24 年度予算については 昨年に引き続き東日本大震災からの復旧 復興に全力で対応し 日本再生重点化措置 の実施と 提言型政策仕分け 等を反映し徹底してムダを排除し 加えて 中期財政フレーム に定めた新規国債発行額に係る目標を堅持するなど財政規律を維持するとした 東京都においては 景気の低迷に伴い都税収入が昨年度に引き続き減収の見通しとなる厳しい財政状況の中にあっても 都民の安全 安心を確実に取り戻す取組 や 東京の成長と発展に向けた戦略的な取組 に限られた財源を重点的に振り向けるとしている 本市では 景気の低迷や少子高齢化を背景に 市税収入の減少が続いており また これまでの行財政改革等の努力にも関わらず 社会保障費等の増加により歳入一般財源で経常的な事業を賄えない深刻な状況にある このような状況下であっても 東日本大震災の教訓を踏まえた施策の推進 現在直面する諸課題を着実に解決していかなければならない として 予算編成の基本方針においては 改定した第 4 次行財政改革アクションプランを着実に実行し 選択と集中の視点により 財政資源の最適配分をより推進するとともに 新たな歳入確保努力を進め 日常的な行政サービスに関わる経常事業について 市税や地方交付税 税連動交付金といった経常歳入の中で実施できる財政構造の確立を早急に図らなければならない としている - 2 -
このような情勢下における平成 24 年度の決算について総括する 1 決算の規模と収支の概要について (1) 決算の総額について一般会計と特別会計の歳入歳出の総額は次のとおりである 歳入 6 14 億 5,151 万 1 千円歳出 602 億 157 万 4 千円歳入歳出差引残額 1 2 億 4,993 万 7 千円 (2) 各会計における歳入 歳出の状況は次表のとおりである ( 単位 : 千円 ) 区 分 歳入決算額 歳出決算額 差引残額 一般会計 36,744,201 35,916,839 827,362 特別会計 24,707,310 24,284,735 422,575 国 保 13,085,484 12,690,852 394,632 後期高齢者医療 2,229,863 2,216,694 13,169 老人保健 0 0 0 介護保険 6,422,749 6,407,975 14,774 下 水 道 2,969,214 2,969,214 0 合 計 61,451,511 60,201,574 1,249,937 一般会計及び特別会計の決算額は 歳入総額で 614 億 5,151 万 1 千円 歳出総額で 602 億 157 万 4 千円となり 一般会計と特別会計の割合は 歳 入 歳出総額とも概ね 60 対 40 である 予算額 631 億 3,383 万 8 千円に対 する収入率は 97.3% 執行率は 95.4% である なお 老人保健特別会計 は 平成 22 年度で廃止となっている ア一般会計の決算について決算額は 歳入総額 367 億 4,420 万 1 千円 歳出総額 359 億 1,683 万 9 千円である 予算現額 383 億 1,958 万 2 千円に対して 歳入の収入率は 95.9% 歳出の執行率は 93.7% である 歳入総額は 前年度と比較すると 8 億 3,169 万 4 千円 ( 2.2% ) の減少である 歳出総額も 前年度と比較すると 8 億 6,444 万 2 千円 ( 2.4% ) の減少となり いずれも前年度を下回っている 歳入歳出差引額は 8 億 - 3 -
2,736 万 2 千円で その内訳は繰越明許費繰越 1 億 9,242 万 8 千円と 翌年度へ繰り越す財源 6 億 3,493 万 4 千円である 一方 積立金の取り崩しによる繰入金は 予算現額で 11 億 3,403 万 2 千円を計上しており 決算額は 2 億 3,362 万 5 千円であり 前年度 3 億 232 万 6 千円と比較すると 6,870 万 1 千円 ( 22.7% ) の減少となっている なお財政調整基金については 前年度に引き続き平成 24 年度も取り崩しを行っていない 市債は 23 億 690 万円で 前年度の 23 億 7,960 万円と比較すると 7,270 万円 ( 3.1% ) の減少となっている この主な要因は 衛生債 土木債 教育債の借入額が減少し 総務債 消防債 臨時財政対策債の借入額が増加したことによるものである イ特別会計の決算について ( ア ) 国民健康保険特別会計決算額は 歳入総額 130 億 8,548 万 4 千円で 前年度 124 億 6,735 万 2 千円と比較すると 6 億 1,813 万 2 千円 (5.0%) の増加である 歳出総額 126 億 9,085 万 2 千円は 前年度 120 億 2,834 万 1 千円と比較すると 6 億 6,251 万 1 千円 (5.5%) の増加となっており 予算現額 129 億 4,402 万 6 千円に対して 歳入の収入率は 101.1% 歳出の執行率は 98.0% である 歳入歳出差引額 3 億 9,463 万 2 千円は 東久留米市国民健康保険事業運営基金に積み立てられた 繰入金については 一般会計から 10 億 3,933 万 2 千円を繰り入れており 前年度と比較すると 5,986 万 4 千円 (6.1%) の増加となっている ( イ ) 後期高齢者医療特別会計決算額は 歳入総額 22 億 2,986 万 3 千円で 前年度 20 億 639 万 6 千円と比較すると 2 億 2,346 万 7 千円 (11.1%) の増加である 歳出総額 22 億 1,669 万 4 千円は 前年度 19 億 9,665 万 9 千円と比較すると 2 億 2,003 万 5 千円 (11.0%) の増加となっており 予算現額 22 億 2,974 万 5 千円に対して 歳入の収入率は 100.0% 歳出の執行率は 99.4% である 歳入歳出差引額 1,316 万 9 千円は 翌年度へ繰り越している ( ウ ) 介護保険特別会計 決算額は 歳入総額 64 億 2,274 万 9 千円で 前年度 59 億 8,718 万 3-4 -
千円と比較すると 4 億 3,556 万 6 千円 (7.3% ) の増加である 歳出総額 64 億 797 万 5 千円は 前年度 59 億 8,590 万 1 千円と比較すると 4 億 2,207 万 4 千円 (7.1% ) の増加となっており 予算現額 65 億 9,065 万 3 千円に対して 歳入の収入率は 97.5% 歳出の執行率は 97.2% である なお 歳入歳出差引額は 1,477 万 4 千円であり 翌年度へ繰り越している ( エ ) 下水道事業特別会計本市の下水道事業は 平成 24 年度末の公共下水道の人口普及率 整備面積ともにほぼ 100% に達している 決算額は 歳入歳出総額それぞれ 29 億 6,921 万 4 千円で 前年度 32 億 4,108 万 2 千円と比較すると 2 億 7,186 万 8 千円 ( 8.4% ) の減少となっている 予算現額 30 億 4,983 万 2 千円に対して 歳入歳出の収入率 執行率はともに 97.4% である 繰入金については 予算現額で 13 億 5,550 万円を計上していたが 決算額は 13 億 83 万 9 千円で 前年度 13 億 2,547 万 5 千円と比較すると 2,463 万 6 千円 ( 1.9% ) の減少となっている 地方債は 1 億 6,690 万円で 前年度 2 億 870 万円と比較すると 4,180 万円 ( 20.0% ) の減少となり 歳入総額に占める割合は 5.6% である 今年度末の地方債現在高は 139 億 1,274 万 1 千円で 前年度と比較すると 13 億 1,520 万 8 千円 ( 8.6% ) の減少となっている しかしながら 依然として多額の借入金を抱えており 今後の財政運営に当たっては起債計画 償還等に十分留意するよう要望する 2 財政運営について財政構造については 地方財政状況調査表 ( 普通会計決算 ) にしたがって分析し考察すると 概ね次のことが言える (1) 財政指標についてア経常収支比率今年度の経常収支比率は 96.8% で 前年度 96.1% と比較すると 0.7 ポイント上昇した この数値は財政構造の弾力性を示す指標であり 都市においては 75% 程度が望ましく 80% を超えると弾力性を失いつつあるとされている 指標の数値からは 財政構造の硬直化が進んでいると言える 経常一般財源等 ( 歳入 ) の推移をみると 194 億 872 万 8 千円で 前年 - 5 -
度 195 億 6,706 万 8 千円と比較すると 1 億 5,834 万円 ( 0.8% ) の減少となっている その要因は 前年度と比較して地方税 1 億 5,736 万 1 千円 ( 1.1% ) 地方特例交付金 8,739 万 6 千円 ( 48.3% ) 地方譲与税 1,291 万 3 千円 ( 6.3% ) 利子割交付金 504 万 7 千円 ( 4.6% ) などの税連動交付金の減少と 地方交付税 8,837 万 5 千円 (3.0% ) 自動車取得税交付金 1,341 万 2 千円 (13.0% ) などの増加によるものである 一方 経常経費充当一般財源等 ( 歳出 ) の推移をみると 206 億 2,398 万 2 千円で 前年度 205 億 5,648 万 5 千円と比較すると 6,749 万 7 千円 (0.3%) の増加となっている その要因は 前年度と比較して物件費 2 億 6,510 万 4 千円 (8.9% ) 扶助費 2 億 2,900 万 5 千円 (8.0% ) 繰出金 1 億 843 万円 (3.8%) の増加と 人件費 4 億 6,790 万 2 千円 ( 8.6% ) 公債費 1 億 172 万 6 千円 ( 3.3% ) の減少によるものである これらの主な事由は 物件費は可燃ごみ収集及び PET ボトル回収の業務委託範囲の拡大 小学校給食調理業務委託の拡大 ( 1 校 ) の増加等による 扶助費は法内扶助費 ( 生活保護費 ) 及び障害福祉サービス費の増加等による 繰出金は国民健康保険特別会計等への繰出しが増加したことによる 逆に人件費全体は 前年度に引き続き逓減傾向にあり定員管理計画に基づく定数削減や退職手当負担金の引き下げ等による影響である 公債費は 事業債借入の減少によるものである また 経常収支比率 96.8% のうち 51.6% を義務的経費が占めている 前年度と比較すると 義務的経費では 1.4 ポイント減少し 任意的経費では 2.1 ポイント上昇している 義務的経費は 扶助費が増加したものの人件費及び公債費が減少しており全体では減少であり 任意的経費は 前年に引き続き物件費及び繰出金が増加しており これらの経費への充当が増えている イ実質収支比率これは標準財政規模に対する実質収支額の割合であり 概ね標準財政規模の 3~ 5% 程度が望ましいと考えられている 今年度の実質収支比率は 2.9% で 前年度 3.6% と比較すると 0.7 ポイント減少している ウ経常一般財源比率 これは 標準的な行政活動を行うために必要な一般財源の額 ( 標準財政 - 6 -
規模 ) に対する市税等経常的に収入される一般財源の割合である 経常一般財源比率は 100 を超える度合いが高いほど経常一般財源に余裕があり 歳入構造に弾力性があるとされる 今年度は 90.8% で 前年度 91.9% と比較すると 1.1 ポイント下回り 前年度に引き続き 100 を割っている エ財政力指数自治体の財政力を判断するための指数で この指数が 1 に近く あるいは 1 を超えるほど財源に余裕があるものとされており 1 を超えると普通交付税が不交付となる 本市は 今年度は 0.810 であり 前年度 0.831 と比較すると 0.021 ポイント下回っている この指標からは 依然として 本市の財政力は弱く厳しい財政状況にあると言える オ公債費比率地方債の元利償還金等の公債費が 市財政の中で占める割合を表し 財政構造の弾力性を判断する指標である 公債費比率は 一般的に財政構造の健全性を維持していく上での数値は 10% を超えないことが望ましいとされている 今年度の公債費比率は 8.2% で 前年度 9.0% と比較すると 0.8 ポイント下回っている 地方債は ある程度活用すべきものであることは当然であるが 後年度の財政負担や繰り上げ償還等にも慎重に配慮し 適正に努められたい (2) 地方交付税について今年度の地方交付税は 32 億 6,662 万 8 千円で 前年度 31 億 8,066 万 5 千円と比較すると 8,596 万 3 千円 (2.7% ) の増加となっている この内訳を前年度と比較すると普通交付税は 8,837 万 5 千円 (3.0% ) の増加 特別交付税は 588 万円 ( 2.9% ) の減少 震災復興特別交付税は 346 万 8 千円 (530.3% ) の増加である 本市の財政構造からみれば 依然として地方交付税は大きな財源であるが あくまでも依存財源である そして 地方交付税の原資である国税の歳入減や算定基礎 また制度の動向等によりその確保は不確定な部分もあるため 一層の自主財源の確保に努められるよう要望する - 7 -
(3) 収入未済額と不納欠損額一般会計及び特別会計の総計において 収入未済額は 10 億 8,066 万 4 千円で 調定額の 1.7% である 前年度 11 億 7,232 万 8 千円と比較すると 9,166 万 4 千円 ( 7.8% ) の減少となっている 同様に 不納欠損額は 1 億 3,862 万 9 千円で 調定額の 0.2% である 前年度 1 億 377 万 4 千円と比較すると 3,485 万 5 千円 (33.6%) の増加となっている 収入未済額の徴収事務については困難な面もあるが なお一層解消に向け努力を要望する (4) 収納率について市税の収納率は 今年度 96.8% で 前年度 96.6% と比較すると 0.2 ポイント上回った 収納率の状況をみると 現年課税分は前年度と同率となっており 98.9% 滞納繰越分は 35.1% で 前年度 33.6% と比較すると 1.5 ポイント上回っている 市税の収入未済額は 4 億 6,958 万 9 千円で 前年度と比較すると 7,446 万 8 千円 ( 13.7% ) 減少した また 不納欠損額については 5,431 万 2 千円で 前年度と比較すると 2,015 万 9 千円 (59.0%) の増加となっている 国民健康保険税の収納率は 85.4% で 前年度 84.9% と比較すると 0.5 ポイント上回っている 収納率の状況をみると 現年課税分は 94.0% で 前年度 93.8% と比較すると 0.2 ポイント上回っている 滞納繰越分は 31.3% で 前年度 31.0% と比較すると 0.3 ポイント上回っている 国民健康保険税の収入未済額は 4 億 1,756 万 8 千円で 前年度と比較すると 3,316 万 2 千円 ( 7.4% ) の減少となっている また 不納欠損額は 5,705 万 3 千円で 前年度と比較すると 1,111 万 9 千円 (24.2%) の増加となっている 市税の収納事務については毎年度徴税指針を策定し 口座振替制度の推進や徴収体制の整備強化等の重点目標を定め 目標収納率の確保に向けて取り組んでおり 担当職員の日頃からの地道な努力を評価するものである 納税環境としては依然として厳しい社会情勢の中ではあるが もとより市税は歳入の根幹をなすものであり 同時に負担公平の観点からもさらなる努力を望むものである (5) 税外収入未済額について 児童福祉費負担金の収入未済額は 843 万 3 千円で 前年度 888 万 4 千円 - 8 -
と比較すると 45 万 1 千円 ( 5.1% ) の減少となっている そのうち 保育運営費保護者負担金の平成 23 年度までの累積収入未済額は 888 万 8 千円であり このうち 45.8% に当たる 406 万 9 千円を徴収している なお 現年度調定分の収納率は 98.9% で 前年度 98.7% と比較すると 0.2 ポイント上回っている 今後においても さらに収入未済額解消に向け公平の原則 受益者負担の原則に立って 保護者の理解を得ながら納入の徹底を図るよう要望する 3 今年度の事業について今年度も 福祉 教育 都市基盤整備等 市民福祉向上のため各種事業が推進された 主な事業は 病児病後児保育事業補助金 ( 利用者数の拡大 ) 消防団詰所新築工事 ( 第七分団 ) 竹林公園用地購入 保育運営費 ( 受入枠拡大 認定子ども園開設等 ) 都市計画道路整備事業 ( 東 3 4 5 号線 東 3 4 19 号線 東 3 4 20 号線 ) 市道整備事業 ( 207 号線 210 号線 2254 号線 ) ワクチン接種事業 ( 子宮頸がん予防 ヒブ 小児用肺炎球菌 ) 妊婦健康診査 特別支援学級教室整備工事 ( 第六小学校 南町小学校 ) 小学校耐震補強工事 ( 体育館 2 校 校舎棟 1 校 ) 中学校耐震補強工事 ( 体育館 2 校 ) 小学校給食調理業務の拡大 ( 3 校から 4 校へ ) 第十小学校校庭芝生化事業 東京国体競技施設設営管理等業務委託 企業等誘導支援委託 仕分け市民会議 社会福祉審議会 ( 子育て支援部会 ) 等である 今後も 福祉 教育 都市基盤の整備等社会資本充実への行政需要は続くものと予測される 歳出総額のうち投資的経費の決算額は 20 億 8,688 万 4 千円で 前年度 27 億 996 万 8 千円と比較すると 6 億 2,308 万 4 千円 ( 23.0% ) の減少となっている また 今年度の投資的経費の財源内訳をみると 特定財源と一般財源の割合では約 91 対 9 となっており 特定財源を有効に活用している状況が伺える 今後も限られた財源を有効に活用するために 重要性 緊急性 優先度等を十分勘案し ますます多種 多様化する行政需要に対応できるよう全庁を上げて一層の財政の健全化を図り 行政事務の適正化 効率化に努められるよう今年度も重ねて要望する 4 後年度にわたる財政負担について 財政状況をみるには単年度収支だけではなく 地方債や債務負担行為等 - 9 -
のように将来にわたり財政負担になるものや 財政調整基金等の積立金の ように年度間の財源調整を図り 将来における弾力的な財政運営に資する ための財源を留保するものについても 総合的に把握する必要がある ( 1) 地方債現在高平成 24 年度末の普通会計の地方債現在高は 255 億 3,061 万 5 千円で 前年度末 257 億 7,284 万 4 千円と比較すると 2 億 4,222 万 9 千円 ( 0.9% ) 減少している 地方債現在高を目的別にみると 住民税等減税補てん債 臨時税収補てん債 臨時財政対策債で 158 億 7,332 万 4 千円 ( 構成比 62.2% ) 次いで土木債 35 億 338 万 4 千円 ( 構成比 13.7% ) 教育債 25 億 2,612 万 2 千円 ( 構成比 9.9% ) の順となっている 次に 地方債現在高を借入れ先別にみると 政府資金 108 億 1,261 万円 ( 構成比 42.4% ) で最も大きな割合を示しており 次いで地方公共団体金融機構 66 億 3,480 万 7 千円 ( 構成比 26.0% ) 東京都振興基金 30 億 3,398 万 1 千円 ( 構成比 11.9% ) その他金融機関 29 億 3,679 万 3 千円 ( 構成比 11.5% ) の順となっている 下水道事業特別会計の平成 24 年度末の地方債現在高は 139 億 1,274 万 1 千円で 前年度末と比較すると 13 億 1,520 万 8 千円 ( 8.6% ) の減少となっている また 国民健康保険特別会計の平成 24 年度末の地方債現在高は 5,000 万円で 前年度末と比較すると 5,000 万円 ( 50.0% ) 減少している ちなみに 償還期間は 平成 25 年度までである そして 普通会計と国民健康保険特別会計 下水道事業特別会計の地方債現在高を合計すると 394 億 9,335 万 6 千円で 前年度末と比較すると 16 億 743 万 7 千円 ( 3.9% ) 減少している (2) 債務負担行為に基づく翌年度以降の支出予定額債務負担行為に基づく平成 25 年度以降における支出予定額は 15 億 1,195 万 7 千円で 前年度と比較すると 3 億 7,076 万円 (32.5%) と増加している この支出予定額について事業別にみると 物件の購入等に係るもの は皆無で その他 が 15 億 1,195 万 7 千円で 100.0% となっており 消防事務委託に伴う消防職員退職手当相当額負担金や市立図書館地区館指定管理委託などが多くを占めている - 10 -
債務負担行為は 地方債と同様に後年度の財政負担を伴うもので 将来 の財政硬直化をもたらす一因となるので 慎重な運用を行う必要がある (3) 積立金現在高平成 24 年度末の積立金現在高は 40 億 1,337 万 6 千円で 前年度末現在高と比較すると 2 億 2,322 万 6 千円 (5.9% ) 増加している 積立金のうち 財政調整基金は 22 億 568 万 6 千円で 前年度と比較すると 3 億 9,276 万 1 千円 (21.7%) 増加し 減債基金は 32 万 2 千円で前年度と比較すると 1 千円 (0.3% ) の増加である また その他特定目的基金は 18 億 736 万 8 千円で 前年度と比較すると 1 億 6,953 万 6 千円 ( 8.6% ) の減少となっている その他特定目的基金はそれぞれの事業目的のために支出されるが その現在高の内訳は 公共施設等整備基金 2 億 924 万 6 千円 みどりの基金 7 億 6,913 万 8 千円 市街地整備事業基金 9 万 4 千円 郷土美術館建設基金 1 億 7,565 万 2 千円 ふるさと創生基金 8,001 万 9 千円 自転車等駐車場整備基金 1 億 610 万 5 千円 教育振興基金 4 億 6,711 万 4 千円であり それぞれの事業目的により支出されることになる なお 今年度は 公共施設等整備基金は特別養護老人ホーム等建設整備補助 障害者 ( 児 ) 施設整備補助に 6,077 万 3 千円 みどりの基金は竹林公園用地取得事業に 4,382 万 5 千円 教育振興基金は小学校空調機設置工事 校庭雨水排水施設工事のために 1 億 1,845 万円の取り崩しをそれぞれ行った また 前年度に引き続き財政調整基金の取り崩しを行わずに残高を維持している 積立金は 財政運営を計画的に執行するため 又は財源の余裕がある場合において 特定の支出目的のために年度間の財源変動に備え 財政規模及び税収その他の歳入の安定性の程度に応じ積み立てる金銭である とりわけ財政調整基金は 年度間の財源調整機能としての性格を有することから 注視する必要がある (4) 将来にわたる実質的な財政負担地方債現在高 ( 普通会計 国民健康保険特別会計 下水道事業特別会計の合計額 ) に債務負担行為に基づく平成 25 年度以降における支出予定額を加えた額 410 億 531 万 3 千円から積立金現在高 40 億 1,337 万 6 千円を - 11 -
差し引いた額をみると 平成 24 年度末は 369 億 9,193 万 7 千円となっており 前年度末 384 億 5,184 万円と比較すると 14 億 5,990 万 3 千円 ( 3.8% ) 減少している 地方債現在高及び債務負担行為に基づく翌年度以降の支出予定額は 近年減少傾向にあるが 平成 25 年度以降も依然として多額の借入金を抱えている このことは後年度の財政運営にとって大きな負担となるため 将来の財政見通しや財政負担の限度等を考慮し 慎重を期さなければならない 5 むすび平成 24 年度予算は 東日本大震災の教訓を踏まえた施策の推進 また 諸課題を着実に解決していかなければならない という考えから 都市計画道路の整備 小中学校校舎棟及び体育館耐震補強事業 小学校空調整備事業 小学校特別支援学級整備事業 防災行政デジタル無線整備事業 など さまざまな重点施策が予算編成の基本方針に基づき進められた 平成 24 年度の決算では 冒頭でも触れているように景気の低迷や社会構造変化による影響も大きく 歳入では 地方交付税や 歳出における扶助費の増加に伴った国庫支出などが増加したが 都支出金や 市税及び 地方譲与税をはじめとして各種交付金は減少傾向にある 一方歳出では 義務的経費のうち扶助費など社会保障関係経費が増加傾向にあるが 人件費は定員適正化計画に基づく人員削減 時間外手当の抑制などの努力で減少し また 普通建設事業や繰越金等も減少した結果 依然として本市の財政状況は厳しい状況にあるものの 前年度に続き財政調整基金の繰り入れを行わず基金残高の減少を抑えることが出来た さらには 臨時財政対策債の借入れ発行額より 1 億 37 万 2 千円を抑制しながら 8 億円を超す余剰を生みだしている しかしながら 一般会計予算については 4 度にわたる否決となり 当初予算が成立しない異常な事態となり専決処分が行われた 国は 年末の衆議院選の結果 新政権が誕生し 経済の再生を最大かつ喫緊の課題ととらえ 日本経済再生に向けた緊急経済対策 に基づく 復興 防災対策 成長による富の創出 暮らしの安心 地域活性化 に重点化している 東京都においては 平成 24 年度の都税収入が 4 年ぶりに増加に転じ 次年度予算編成は 東京都の輝きを高め 都民の安全 安心を確立する取り組みに財源を投入する として 前年度に比べ 1.6% 増加している - 12 -
少子高齢化や先行きの不透明な社会情勢により 今後も厳しい状況が続くと思われるが 大型商業施設のオープンによる地域雇用の創出や市税の増加を期待するところではある しかしながら 社会保障費の増加に伴う扶助費の増加や高齢者医療費の増加による繰出し金の増加は避けられない状況でもあり さらには 高度成長期以降に整備された公共インフラの大量更新時期を迎える中で 公共施設の維持管理は 最大の行政課題となっており 引き続き厳しい財政状況は続くものと思われる このようなことから 今まで進めてきた行財政改革や職員定員適正化など財政健全化に向けた取り組みを更に推進し 簡素で効率的な行財政運営が求められている 今後においても 知恵と工夫を活かした活力あるまちを創るため 将来に負担を残さないよう配慮しつつ 独自政策の展開などに積極的に取り組むことを強く望むものである 平成 2 4 年度東久留米市決算審査意見書の詳細については 市役所 2 階市政情報コーナーと市立図書館で閲覧できます また 1 冊 1 0 0 円で市政情報コーナー ( 市民部生活文化課窓口 ) にて頒布しています - 13 -