中央競技団体ファイナンシャルレポート サマリー版

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『中央競技団体 ファイナンシャルレポート』(サマリー版)発表 中央競技団体の資産・負債、経常収益・費用を把握

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【体育協会調査】

平成15年度競技強化支援事業助成金配分方針(案)

4 夏季競技の強化戦略プランの達成度については ハイパフォーマンスセンター (HP C) に設置された公益財団法人日本オリンピック委員会 (JOC) JPC を含めた協働チームが得た強化戦略プランの達成度の検証結果を活用する なお 冬季競技の強化戦略プランの達成度については 2018 年平昌大会終了

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目   次

WWFジャパン 2007年度(平成19年度 第37期)決算報告書

Ver.8 Ver 年 8 月 3 日にリオデジャネイロで開催された国際オリンピック委員会 (IOC) 総会において オリンピックにおける追加種目 (5 競技 18 種目 ) が正式に採択されたことに伴い 練習施設 ( 会場 ) に係る要件および国内競技団体連絡先

科目当年度前年度増減 [ 負債の部 ] 流動負債未払金 3,44,15,654 3,486,316,11-46,3,357 給付金未払金 3,137,757,265 3,192,611,196-54,853,931 年金未払金 287,13, ,91,778 7,228,646 その他未

【資料6-2】中央競技団体の現状について

平成 28 年度貸借対照表 平成 29 年 3 月 31 日現在 公益財団法人神奈川県下水道公社

岐阜県体育協会 財団法人滋賀県体育協会 財団法人京都府体育協会 財団法人大阪体育 協会 財団法人兵庫県体育協会 財団法人奈良県体育協会 社団法人和歌山県体育協会 財団法人鳥取県体育協会 財団法人島根県体育協会 財団法人岡山県体育協会 財団法人 広島県体育協会 財団法人山口県体育協会 財団法人香川県体

貸借対照表内訳表 第三号第二様式 ( 第二十七条第四項関係 ) 平成 30 年 3 月 31 日現在 勘定科目 社会福祉事業 公益事業 収益事業 合計 内部取引消去 法人合計 資産の部流動資産 178,500,670 7,595, ,095, ,095,778 現金預

Ⅱ. 各大会の実施競技 1. 第 70 回大会 ( 平成 27 年 )~ 第 73 回大会 ( 平成 30 年 ) 第 1 期実施競技選定 (1) 選定基準 1) 正式競技の基礎的条件国体における 正式競技 については 次の 1~3 の事項すべてを満たしていることとし 本項目を満たしていない競技は


公益社団法人愛知県臨床検査技師会 ( 単位 : 円 ) 資産合計 55,516,520 5,142,325 34,503,869 4,008,577 91,154,137 Ⅱ 負債の部 科 Ⅰ 資産の部 1. 流動資産 現金預金 仮払金 2. 固定資産 特定資産合計 建物 36,452,927 0

目次財務諸表 1. 貸借対照表 貸借対照表内訳表

Ⅱ. 各大会の実施競技 1. 第 70 回大会 ( 平成 27 年 )~ 第 73 回大会 ( 平成 30 年 ) 第 1 期実施競技選定 (1) 選定基準 1) 正式競技の基礎的条件国体における 正式競技 については 次の 1~3 の事項すべてを満たしていることとし 本項目を満たしていない競技は

科目 2015 年度活動計算書 2015 年 4 月 1 日から 2016 年 3 月 31 日まで 特定非営利活動に係る事業 特定非営利活動法人 POSSE ( 単位 : 円 ) その他の事業合計 Ⅰ 経常収益 1. 受取会費正会員受取会費 952, ,000 賛助会員受取会費 1,0

12 70, , , , , , , , , , , , , ,0

財務の概要 (2012 年度決算の状況 ) 1. 資金収支計算書の概要 資金収支計算書は 当該会計年度の教育研究活動に対応するすべての資金の収入 支出の内容を明らかにし かつ 当該会計年度における支払資金の収入 支出の顛末を明らかにするものです 資金収支計算書 2012 年 4 月 1 日 ~201

【資料6】JOC加盟団体規程(JOC提出)

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資金収支計算書 平成 30 年度の収支状況を資金収支計算書の流れでみると 収入額は平成 31 年度新入生の入学時納付金の前受金等を含め 195 億 5,975 万 4 千円となり 前年度より繰越された 40 億 5,576 万 3 千円を加えると 収入合計は 236 億 1,551 万 7 千円とな



中央競技団体現況調査

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財務諸表に対する注記 1. 継続事業の前提に関する注記 継続事業の前提に重要な疑義を抱かせる事象又は状況はない 2. 重要な会計方針 (1) 有価証券の評価基準及び評価方法 満期保有目的の債券 償却原価法 ( 定額法 ) によっている なお 取得差額が少額であり重要性が乏しい銘柄については 償却原価

『学校法人会計の目的と企業会計との違い』

Microsoft Word - 公益法人会計の仕訳


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科 目 貸借対照表平成 30 年 3 月 31 日現在 当年度前年度増減 ( 単位 : 円 ) Ⅰ 資産の部 1. 流動資産 現金預金 28,313,776 24,804,212 3,509,564 未 収 金 5,810,958 5,810,958 0 流動資産合計 34,124,734 30,6

財務諸表に対する注記 1. 継続事業の前提に関する注記 継続事業の前提に重要な疑義を抱かせる事象又は状況はない 2. 重要な会計方針 (1) 有価証券の評価基準及び評価方法 満期保有目的の債券 償却原価法 ( 定額法 ) によっている なお 取得差額が少額であり重要性が乏しい銘柄については 償却原価

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貸借対照表 平成 28 年 3 月 31 日現在 ( 単位 : 円 ) 科目 当年度 前年度 増減 Ⅰ 資産の部 1. 流動資産現金 普通預金 34,426,784 48,558,060 14,131,276 定期預金 1,500,000 1,500,000 0 未収金 76,321,3


社会福祉法人心愛会 貸借対照表平成 26 年 3 月 31 日現在 第 5 号様式 社会福祉法人心愛会 ( 単位 : 円 ) 資 産 の 部 負 債 の 部 勘 定 科 目 当年度末 前年度末 増 減 勘 定 科 目 当年度末 前年度末 増 減 流動資産 915,233, ,793,73

回答作成様式

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決算書目次 1 収支計算書 (1) 収支計算書総括表 1 (2) 一般会計収支計算書 2 (3) 基金特別会計収支計算書 4 2 正味財産増減計算書 (1) 正味財産増減計算書総括表 6 (2) 一般会計正味財産増減計算書 7 (3) 基金特別会計正味財産増減計算書 8 3 賃借対照表 (1) 賃借

科目 2016 年度活動計算書 2016 年 4 月 1 日から 2017 年 3 月 31 日まで 特定非営利活動に係る事業 特定非営利活動法人 POSSE ( 単位 : 円 ) その他の事業合計 Ⅰ 経常収益 1. 受取会費正会員受取会費 1,052,000 1,052,000 賛助会員受取会費

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資料6-2 泉委員提出資料2

科目 期別 損益計算書 平成 29 年 3 月期自平成 28 年 4 月 1 日至平成 29 年 3 月 31 日 平成 30 年 3 月期自平成 29 年 4 月 1 日至平成 30 年 3 月 31 日 ( 単位 : 百万円 ) 営業収益 35,918 39,599 収入保証料 35,765 3

公益財団法人チャイルド ケモ サポート基金 貸借対照表平成 26 年 7 月 31 日現在 科目当年度前年度増減 Ⅰ Ⅱ Ⅲ 資産の部 1. 流動資産現 金 預 金 54,140 5,673,922 5,619,782 未 収 金 106, ,930 前 払 用 2,558,111

(訂正・数値データ修正)「平成29年5月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」の一部訂正について

計算書類等

貸借対照表平成 3 年 3 月 31 日現在 科目 当年度 前年度 増減 Ⅰ 資産の部 1. 流動資産現金預金 6,79,624 49,39,391 42,959,767 未収金 25,837,183 1,184,712 15,652,471 前払金 9,473,784 6,331,565 3,14

第4期電子公告(東京)

中央競技団体現況調査2016

第3 法非適用企業の状況

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第 16 回ビジネス会計検定試験より抜粋 ( 平成 27 年 3 月 8 日施行 ) 次の< 資料 1>から< 資料 5>により 問 1 から 問 11 の設問に答えなさい 分析にあたって 連結貸借対照表数値 従業員数 発行済株式数および株価は期末の数値を用いることとし 純資産を自己資本とみなす は

科目印収納科目一覧

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収支計算書 全事業 自平成 21 年 4 月 1 日 至平成 22 年 3 月 31 日 ( 単位 : 円 ) 事業活動収支の部 会 費 収 入 22,640,000 事 業 収 入 127,251,168 雑 収 入 4,340,828 収入合計 154,231,996 (A) 事 業 直 接 費

科 目 貸借対照表 2018 年 3 月 31 日現在公益社団法人チャンス フォー チルドレン 金額科目金額 Ⅰ 資産の部 Ⅱ 負債の部 1 流動資産 1 流動負債 現 金 0 未払金 11,851,288 普通預金 12,076,910 預り金 230,348 前払費用 696,832 賞与引当金

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( 単位 : 円 ) 科 目 予算額 決算額 差異 (2) 経常費用事 業 費 182,393, ,945,179-63,551,847 会 場 費 24,613,74 33,473,876-8,86,82 旅 費 交 通 費 7,577,36 12,346,581-4,769,221

(Microsoft Word - \216\373\216x\227\\\216Z.doc)

連結貸借対照表 ( 単位 : 百万円 ) 当連結会計年度 ( 平成 29 年 3 月 31 日 ) 資産の部 流動資産 現金及び預金 7,156 受取手形及び売掛金 11,478 商品及び製品 49,208 仕掛品 590 原材料及び貯蔵品 1,329 繰延税金資産 4,270 その他 8,476

2 事業活動収支計算書 ( 旧消費収支計算書 ) 関係 (1) 従前の 消費収支計算書 の名称が 事業活動収支計算書 に変更され 収支を経常的収支及び臨時的収支に区分して それぞれの収支状況を把握できるようになりました 第 15 条関係 別添資料 p2 9 41~46 82 参照 消費収入 消費支出

平成 29 年度連結計算書類 計算書類 ( 平成 29 年 4 月 1 日から平成 30 年 3 月 31 日まで ) 連結計算書類 連結財政状態計算書 53 連結損益計算書 54 連結包括利益計算書 ( ご参考 ) 55 連結持分変動計算書 56 計算書類 貸借対照表 57 損益計算書 58 株主

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綿貫財団会計

Ⅰ 平成 24 年度高鍋町財務書類の公表について 平成 18 年 6 月に成立した 簡素で効率的な政府を実現するための行政改革の推進に関する法律 を契機に 地方の資産 債務改革の一環として 新地方公会計制度の整備 が位置づけられました これにより 新地方公会計制度研究会報告書 で示された 基準モデル

平成16年度

4 地方公営企業会計基準の見直しの影響 ( 概要 ) 地方公営企業会計基準の見直しのため 平成 23 年度に地方公営企業法施行令等を改正し その改正内容が平成 26 年度予算 決算から全面的に適用となっている (1) 見直しの趣旨 昭和 41 年以来大きな改正がなされていない地方公営企業会計制度と国

ご説明用資料 2018 年度決算概要 2019 年度業績予想 2019 年 5 月 15 日 Copyright (C) 2019 Toyo Business Engineering Corporation. All rights Reserved. 事業セグメント ソリューション事業 SAPを始め

平成 30 年 4 月 24 日 各 位 会社名楽天株式会社 代表者名代表取締役会長兼社長三木谷浩史 ( コード :4755 東証第一部 ) 連結子会社 ( 楽天証券株式会社 ) の決算について 当社連結子会社の楽天証券株式会社 ( 代表取締役社長 : 楠雄治 本社 : 東京都世田谷区 以下 楽天証

(1) 連結貸借対照表 ( 添付資料 16 ページ ) (3) 連結株主資本等変動計算書 ( 添付資料 28 ページ ) 6. 個別財務諸表 (1) 貸借対照表 ( 添付資料 31 ページ ) (3) 株主資本等変動計算書 以上 2

財産目録の概要 資産の部では 基本財産が前年度末に比べて 8 億 6,711 万 7,226 円減の 208 億 9,949 万 9,939 円となり 運用財産が前年度末に比べて 9 億 8,029 万 2,610 円増の 211 億 2,209 万 88 円となりました 資産の部合計は 420 億

(1) 貸借対照表 平成 28 年 3 月 31 日現在 ( 公財 ) 東燃ゼネラル石油研究奨励 奨学財団 ( 単位 : 円 ) 科目当年度 前年度 増 減 Ⅰ Ⅱ Ⅲ 資産の部 1. 流動資産 2. 固定資産 現金 1,997,647 1,800, ,757 普通預金 11,155,9

平成 2 8 年度分 自平成 28 年 7 月 1 日至平成 29 年 6 月 30 日 貸借対照表貸借対照表附属明細書財務諸表に対する注記正味財産増減計算書正味財産増減計算書内訳書財産目録 公益財団法人広島平和ライオンズクラブ福祉事業団

計 算 書 類

施策1

平成 29 年度 ( 平成 29 年 6 月 1 日 ~ 平成 30 年 5 月 31 日 )

第4期 決算報告書

科 目 貸借対照表 2017 年 3 月 31 日現在公益社団法人チャンス フォー チルドレン 金額科目金額 Ⅰ 資産の部 Ⅱ 負債の部 1 流動資産 1 流動負債 現 金 3,559 未払金 13,551,189 普通預金 14,777,810 預り金 188,340 前払費用 664,184 賞

貸借対照表平成 29 年 3 月 31 日現在 科目当年度前年度増減 Ⅰ 資産の部 1. 流動資産現金預金 37,096,602 51,412,532 14,315,930 未収金 25,738,147 23,890,278 1,847,869 流動資産合計 62,834,749 75,302,81

2015中央競技団体現況調査 報告書

法人単位事業活動計算書 当年度決算 (A) 前年度決算 (B) 増減 (A)-(B) サービス活動増減の部収益会費収益 4,402,000 4,559, ,000 寄附金収益 764, ,846 37,643 経常経費補助金収益 25,283,623 25,257,870 2

Microsoft Word 【公表】HP_T-BS・PL-H30年度

資料5 国際競技力の向上

Microsoft Word - 訂正短信提出2303.docx

第6期決算公告

法人単位貸借対照表 平成 29 年 3 月 31 日現在 第三号第一様式 ( 第二十七条第四項関係 ) 法人名 : 社会福祉法人水巻みなみ保育所 資産の部当年度末前年度末 増減 負債の部当年度末前年度末 流動資産 23,113,482 23,430, ,370 流動負債 5,252,27

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平成19年度事業報告

平成 28 年度 ( 平成 28 年 6 月 1 日 ~ 平成 29 年 5 月 31 日 )

1. 病院経営の鍵となる指標 病床利用率の推移 1.1 病床稼働率は平均80 強 病院報告 病床稼働率と病床数の不思議な関係 は入院収益そのものに直結します人件費や設備投資などの固定費が多い病院 全病床 6 精神病床 5 は 病床稼働率が一定の水準を下回ると一気に赤字経営に陥りますそのた

Transcription:

中央競技団体ファイナンシャルレポートサマリー版 1 st Edition: 1.9.7

はじめに 研究方法 東京 大会に向け オリンピック パラリンピックともに統括団体のメダル獲得目標を踏まえ 過去最高の金メダル数の獲得をはじめとする優秀な成績を収められるよう 競技力の強化やメダル獲得が期待できる競技数の増加を図り 持続可能な競技力強化が進められる仕組みが構築されている スポーツ庁は 1 年 1 月に 競技力強化のための今後の支援方針 ( 鈴木プラン )- 年以降を見通した強力で持続可能な支援体制の構築 - を示し 中央競技団体には 大会先のオリンピック パラリンピックでの成果を見通した中長期の強化戦略を策定し トップアスリートの強化等を 年単位で総合的 計画的に進めていくことが求められた その後 17 年 月に策定した 第 期スポーツ基本計画 においては 施策目標のひとつに 国際競技力の向上に向けた強力で持続可能な人材育成や環境整備として 中長期の強化戦略に基づく競技力強化を支援するシステムの確立が掲げられた これを受け JOC JPC 日本スポーツ振興センターは協働チームを立ち上げ 各競技団体の強化戦略プランの推進に対しコンサルテーションや進捗の確認をとおして多面的なサポートを行っている さらに それらの支援から得られた知見を基に スポーツ庁等によるターゲットスポーツの指定や各種事業の資金配分に関する競技団体評価に活用している また 1 年度スポーツ庁 スポーツ産業の成長促進事業 ( 中央競技団体の経営基盤強化 ) では 中央競技団体による競技人口の拡大 財源の多様化や競技認知度向上等に係る中期事業計画策定に関するガイドラインの取りまとめが進められ 中央競技団体には中長期的な組織のビジョンの明確化や経営力の強化が求められていくこととなる これら施策に共通する課題は 中央競技団体が中長期的な組織ビジョンを策定するにあたり財務状況を把握する指標や 強化戦略の実行に必要な財源確保の手段についての議論が充分に行われていない点である 東京 大会に向けて右肩上がりに増大してきたスポーツ庁の競技力強化に関連する予算は 大会後の永続的な増加は期待できない これまでの国の支援を継続的に受けながら 東京 大会後の自立的な経営の実現を見据え 収益力を自ら高める方策 (= 経営基盤強化 ) を検討する必要がある そこで本研究では 公益法人格の特性を勘案しながら SSF が考える中央競技団体が留意すべき財務指標を示したうえで 公益法人へ移行した 59 団体の過去 5 年間 (1 年度 ~1 年度 ) に渡る財務諸表から現状の分析 把握を試み 今後の財務分析 財務計画に資する資料づくりを目指した 本レポートは 1st Edition として基本統計量の紹介を主に 中央競技団体の資産 負債および経常収益 費用の状況を示すものである ( 公財 ) 日本スポーツ協会および ( 公財 ) 日本オリンピック委員会に加盟する中央競技団体のうち 公益法人格を有する 59 団体を対象とした 団体リストは次ページ参照 各競技団体の財務諸表は 内閣府公益認定等委員会へ閲覧を請求した 閲覧請求は 17 年 9 月と 11 月に二度行い 公益法人への移行時期に関わらず 閲覧が可能な 1 年度から 1 年度の財務諸表を分析の対象とした 閲覧請求時に入手可能な年度別のは 1 年度 37 団体 13 年度 5 団体 1 年度 57 団体 15 年度 59 団体 1 年度 5 団体であった 財務諸表をもとに 分析のための財務データベースを作成 貸借対照表 / 正味財産増減計算書の勘定科目に任意コードを振り 競技団体の科目設定に従い集計した 研究メンバー 研究担当者吉田智彦笹川スポーツ財団スポーツ政策研究所主任研究員 共同研究者三浦一輝常葉大学法学部准教授武藤泰明早稲田大学スポーツ科学学術院教授 研究協力 KPMG ジャパンスポーツビジネス Center of Excellence 土屋光輝パートナー得田進介アシスタントマネジャー ( 敬称略 五十音 )

目次 財務分析の対象団体 Ⅰ. 中央競技団体の財務状況 本研究における財務分析は 統一の公益法人会計基準の導入が必要となるため 公益法人へ移行した下記の中央競技団体を対象とした 公益財団法人 (3 団体 ) 合気会日本アイスホッケー連盟 ( 冬季 ) 全日本空手道連盟 ( 夏季 ) 全日本弓道連盟日本ゲートボール連合日本ゴルフ協会 ( 夏季 ) 日本サッカー協会 ( 夏季 ) 日本自転車競技連盟 ( 夏季 ) 全日本柔道連盟 ( 夏季 ) 日本水泳連盟 ( 夏季 ) 全日本スキー連盟 ( 冬季 ) 日本スケート連盟 ( 冬季 ) 日本相撲連盟日本セーリング連盟 ( 夏季 ) 日本ソフトテニス連盟日本ソフトボール協会 ( 夏季 ) 日本体操協会 ( 夏季 ) 日本卓球協会 ( 夏季 ) 日本テニス協会 ( 夏季 ) 全日本なぎなた連盟全日本軟式野球連盟日本バスケットボール協会 ( 夏季 ) 日本バドミントン協会 ( 夏季 ) 日本バレーボール協会 ( 夏季 ) 日本ハンドボール協会 ( 夏季 ) 全日本ボウリング協会日本野球連盟日本ラグビーフットボール協会 ( 夏季 ) 日本陸上競技連盟 ( 夏季 ) 日本レスリング協会 ( 夏季 ) 公益社団法人 (9 団体 ) 全日本アーチェリー連盟 ( 夏季 ) 日本アメリカンフットボール協会日本ウェイトリフティング協会 ( 夏季 ) 日本エアロビック連盟日本オリエンテーリング協会日本カーリング協会 ( 冬季 ) 日本カヌー連盟 ( 夏季 ) 日本近代五種協会 ( 夏季 ) 日本グラウンド ゴルフ協会日本山岳 スポーツクライミング協会 ( 夏季 ) 全日本銃剣道連盟日本スカッシュ協会日本スポーツチャンバラ協会日本ダーツ協会日本ダンススポーツ連盟日本チアリーディング協会日本綱引連盟日本トライアスロン連合 ( 夏季 ) 日本馬術連盟 ( 夏季 ) 日本パワーリフティング協会日本ビリヤード協会日本フェンシング協会 ( 夏季 ) 日本武術太極拳連盟日本ペタンク ブール連盟日本ボート協会 ( 夏季 ) 日本ホッケー協会 ( 夏季 ) 日本ボディビル フィットネス連盟日本ボブスレー リュージュ スケルトン連盟 ( 冬季 ) 日本ライフル射撃協会 ( 夏季 ) ( 団体名 5 音順 括弧内は五輪競技の夏季 冬季 ) 3

資産 負債の状況 貸借対照表構成図_5団体合計額 中央競技団体の資産と負債の状況を確認するため 貸借対照表構成図を作成した 1年度における中央競技団体の資産額をみると 5団体の資産総額は19億円に上り 1団体あたりの平均資産額は1億,万円である このうち 現金預金 有価証券 棚卸資産 その 他流動資産 未払金 前払金 立替金 仮払金等 を含む流動資産額は7億円 基本財産 特定資産 その他固定資産 什器備品 敷金 建物付属設備 ソフトウェア等 を含む固定資産額 は1億円である 資産のうち 流動資産は現金預金 51 とその他流動資産 7 でほぼ全体を構成した 固定資産は事業積立基金や退職給付引当資産などの特定資産が6割を占めた 一方 公益法人の特性から保有負債額は低く 短期借入金 その他流動負債 未払金 預り金 前受金 賞与引当金等 を含む流動負債額は111億円 退職給付引当金 長期借入金 その他 固定負債 リース債務 長期未払金 預り保証金等 を含む固定負債額は1億円である 負債のうち 流動負債ではその他流動負債が97 固定負債では退職給付引当金が を占め いず れの負債においても借入金の比率は.1 にも満たない 正味財産計は7億円で 1団体あたりの平均純資産額は億,万円であった 図表1 公益法人格を有する競技団体の資産 負債状況 公益法人5団体 1年度 括弧内数字は総資産に占める割合を示す 以降のスライドも全て同じ 円

資産 負債の状況 法人格別 公益財団法人は 特定の個人や企業などから拠出された財産で設立され その運用益などを主な財源として公益活動を行う法人である 設立には3万円以上の資産が必要で 3人以上の理事と1 人以上の監事が役員となる これに対し公益社団法人は 特定の目的を達成するために社員により構成される法人である 設立のための出資金は不要で 株式会社の株主に当たる社員人以上で設 立できる 内閣府によれば 注 1年1月時点の公益法人数は9,5団体で 内訳は公益財団法人5,3団体 公益社団法人,15団体であった 資産額計では 公益財団法人が兆,15億円 億円 公益社団法人が兆,919億円 1億円 と 組織設立の背景が財産の大きさに明確に表れる 中央競技団体の法人格には 公益財団法人 公益社団法人 一般財団法人 一般社団法人 特定非営利活動法人があり 各団体において法的根拠を踏まえた法人格の選択がなされている 貸借対照表構成図_公益財団法人3団体の平均額 法人格別にみると 公益財団法人3団体の1団体あたりの平均資産額は19億円 平均流 動資産額億3,万円 平均固定資産額13億,万円 で 平均負債額は億円 平均流動負債額3億,万円 平均固定負債額5,3万円 である また 1団体あたり の平均正味財産計は13億,万円であった 図表 競技団体の資産 負債状況 公益財団法人3団体 1年度 円 貸借対照表構成図_公益社団法人団体の平均額 公益社団法人団体の1団体あたりの平均資産額は1億,万円 平均流動資産額,万円 平均固定資産額5,万円 で 平均負債額は,万円 平均流動負債額 3,万円 平均固定負債額万円 である また 1団体あたりの平均正味財産計は,万円であった 平均資産額は 公益財団法人が公益社団法人の15.倍 平均負債額は同じく1倍であった 図表3 競技団体の資産 負債状況 公益社団法人団体 1年度 円 法人格別の資産および負債の構成比をみると 公益財団法人 公益社団法人ともに流動資産では現金預金とその他流動資産で9割以上を占めたが 公益財団法人の固定資産では特定資産割 基本財産とその他固定資産がそれぞれ割程度であるのに対し 公益社団法人は基本財産割 特定資産と定期預金がそれぞれ3割前後と資産保有形態に違いがみられた 一方 公益財団法人の 流動負債では 未払金や預り金 賞与引当金などを含むその他流動負債がほぼ全て 9 % を占めるのに対し 公益社団法人では借入金3割 その他流動負債7割であった 固定負債はいずれ の法人格においても退職給付引当金の比率が高く 公益財団法人で3.1 公益社団法人では9.%を示した 注 内閣府 公益法人の概況および公益認定等委員会の活動報告 17年9月 5

資産 負債の状況 オリンピック 非オリンピック競技団体 1年度の5団体をオリンピック競技と非オリンピック競技に区別し その資産 負債の状況の違いをみた 詳細は3ページ 財務分析の対象団体 を参照 オリンピック競技団体の判別は東京 大会の採用種目とし 空手 スポーツクライミング ソフトボールを対象に含めている オリンピック競技における野球は 一財 全日本野球協会が代表団体であるため本研究では対象外となる 貸借対照表構成図_オリンピック競技3団体の平均額 オリンピック競技 夏季 冬季とも をみると オリンピック競技3団体の1団体あたりの平均資 産額は1億7万円 平均流動資産額5億5,万円 平均固定資産額1億5,1万 円 で 平均負債額は3億,万円 平均流動負債額3億1,万円 平均固定負債 額5,万円 である 平均正味財産計は1億,万円であった 図表 競技団体の資産 負債状況 オリンピック競技3団体 1年度 円 貸借対照表構成図_非オリンピック競技団体の平均額 非オリンピック競技団体の1団体あたりの平均資産額は3億5万円 平均流動資産額 7,万円 平均固定資産額億3,1万円 で 平均負債額は3,万円 平均流動負 債額,1万円 平均固定負債額1,5万円 である 平均正味財産計は億,万円 であった 平均資産額はオリンピック競技団体が非オリンピック競技団体の5.倍 平均負債額は同じく1 倍となっている 非オリンピック競技団体団体のうち 7割にあたる17団体で資産合計が3億円 未満と オリンピック競技団体に比べると資産規模の小さい団体であるために生じる差異と考えられ る 図表5 競技団体の資産 負債状況 非オリンピック競技団体団体 1年度 円 オリンピック 非オリンピック競技団体別の資産および負債の構成比をみると オリンピック競技団体では流動資産のうち現金預金とその他流動資産がそれぞれ約5割を占め 固定資産のうち特定資産 割 基本財産とその他固定資産が割程度で構成する 非オリンピック競技団体では流動資産のうち現金預金が7割を超え その他流動資産が2割で 固定資産のうち特定資産6割 基本財産と 定期預金がそれぞれ割前後で構成する 一方 オリンピック競技団体の流動負債では 未払金や預り金 賞与引当金などを含むその他流動負債がほぼ全て 97. を示し 固定負債では退職 給付引当金割 その他固定資産割で構成する 非オリンピック競技団体の流動負債では その他流動負債 9.1 のほか短期借入金が1割程度あり 固定負債では退職給付引当金が9割台 半ばまで占めた

資産 負債の状況 1 1年度 図表から図表1は 1年度から1年度についての資産 負債 正味財産の全団体の合計を示している ただし 1年度はデータの利用可能な競技が少ないため参考値として計算 に含めていない 経年の推移をみると バランスシートの規模は拡大している 13年度から1年度の年間に 資産合計は約1億円増加している 年平均成長率1は約9%である 内訳をみると 流動資産が 11.7% 固定資産が7.7%の年平均成長率となっている 負債合計は51億円の増加である 年平均成長率は17.%である その内訳をみると 流動負債が1.% 固定負債が3.%の年平均成 長率となっている 正味財産合計は91億円の増加となっている この年間で 競技団体の活動が相当に活発になっていることが確認できる また正味財産合計よりも負債合計の成長が大きく とりわけ流動負債の資金調達が進められていることがわかる 競技団体 は もともと負債規模の小さい経営形態の法人であることから その行動が変化してきていることを示唆している 図表 競技団体の資産 負債状況 37団体, 1年度 図表7 競技団体の資産 負債状況 5団体, 13年度 図表 競技団体の資産 負債状況 57団体, 1年度 図表9 競技団体の資産 負債状況 59団体, 15年度 図表1 競技団体の資産 負債状況 5団体, 1年度 他方で 資本の構成比については 規模ほどの顕著な変化 は見られない 年度の経過とともに 正味財産比率 正味財 産合計/資産合計 は約3%から79%の水準に減少し 負 債比率 負債合計/正味財産比率 は 約17%から1%の 水準へと上昇している 流動比率 流動資産/流動負債 は 13 1年度 には5%を超えていたが 直近の年間では約1 に減少 している これは前述したように 流動負債の増加が要因と考え られる 1 年平均成長率は CAGR=(X_1-X_13 )^(1/3)-1 として計算している 7

正味財産の状況 経常収益の推移 公益法人への移行が進んだ13年度の5団体の経常収益計は5億7,万円で 科目別の収益額が大きい順に 大会参加料や指導者講習参加料 広告収入 協賛金収入等を含む 事 業収益 が3億,万円 競技登録者や社団における会員からの 会費収益 が55億5,7万円 国や他の公益法人等からの 受取補助金等 が7億7万円であった 東京大会開催 決定の翌1年度より 受取補助金 の金額が 会費収益 を上回るようになり 以降ほぼ全ての項目で毎年度増加傾向にあった 調査対象の最新年度にあたる1年度には 5団体の経常収益 計が億,万円となり 収益額の大きい順に 事業収益 17億,万円 受取補助金 97億,5万円 会費収益 億7,7万円であった いずれの年度に共通してこれら3つの 収入科目が収益全体の9割をしめることから 競技団体の3大収入源といえる また 13年度と1年度を比べると約17億円の収益増があり 競技団体の経常収益は過去年間で大きく成長していることがわかる 特に 事業収益 約9億円 と 受取補助金等 約 5億円 で顕著な増加がみられた 図表11 競技団体の経常収益計の推移 1 1年度 本研究では 正味財産増減計算書の経常収益の部に係る勘定科目 大 科目 に従い 基本財産運用益 特定資産運用益 会費収益 事業 収益 受取補助金等 受取負担金 受取寄付金 雑収入 その他の 経常収益 の9科目に分類した その際 たとえば競技登録者からの会費収 入を 受取負担金 に計上したり ケースも確認されたが 団体における区分を 尊重し財務諸表のとおりに分類したうえで金額を算出している 勘定科目 主な内容 基本財産運用益 基本財産から発生する運用益 特定資産運用益 特定資産から発生する運用益 会費収益 競技者の入会金 登録料 社団における社員からの年会費 事業収益 組織の設立目的を達成するために実施する事業から生じる収益 受取補助金等 国や民間企業からの補助金 助成金および交付金 受取負担金 都道府県組織等の加盟団体からの分担金 強化合宿 遠征のために個人 が負担する参加費など 受取寄付金 個人や民間企業からの寄付金 雑収入 受取利息および他のいずれの勘定科目にもあてはまらない雑収益 その他の経常収益 公益法人会計における 公益目的事業会計 収益事業会計 法人会計 の会計区分間の振替により発生する 他会計振替額 また上記の勘定科 目以外に法人独自に設定された勘定科目

正味財産の状況 経常収益の基本統計量 1年度における中央競技団体5団体の経常収益計は億,万円であり 1団体あたりの平均経常収益額は1億7,万円 中央値は億,1万円である また 経常収益の最大 値は3億円と突出した規模になっておりを大きく引き上げているが 最大値を除いた場合のは7億3,5万円となる 公益法人化が進んだ13年度以降の年平均成長率1を勘定科目別にみると 会費収益.1 事業収益 9. 受取補助金等 7.5 受取負担金 1. 受取寄付金. 雑収入. その他経常収益 1.5 と7科目で堅調に成長した一方で 基本財産運用益 と 特定資産運用益 でそれぞれ-1. -.1 の減少がみられた 図表1 経常収益の基本統計量 1 1年度 基本財産運用益 特定資産運用益 会費収益 事業収益 受取補助金等 受取負担金 受取寄付金 雑収入 その他の経常収益 経常収益計 最大値を除く 最小値 中央値 第四分位 最大値 1年度 13年度 1年度 15年度 1年度 3,13,,93,3 9,1,1,313,75 39,717,1 1,7,77,9,57,7 7,3,1,,95,715,511 7,9,11 1,5,,37 553,,73 517,39,3,,57,353 1,1,7,53 9,171,3,79,,737,,9 11,,9 17,37,31,73 37,59,39 5,557,5,19 3,,7,957,77,119,9 1,7,373,1,59,31 5,,37 5,9,5 5,7,911,117 3,, 19,95,315 1,,5,79,975,9 33,9,1 1,1,59,1 5 1,59,75,,3,5 3,1,,3,39,31,33 1,13,15,13 1,1,1,99 3,39,5 7,57,1 5,31,,3 91,59,5 59,59,,95,13,39 1,571,93 11,17,957 1,39,9,57 57 1,35,359,15,7,5 37,1,191,5,71,93, 1,,9,95 1,37,,5 7,,1 7,97,757 5,1,9,7 99,33,3,351,5,5,11,7 17,7,7 39,177,75 1,75,573,17 59 1,13,1,77,91,3 1,7,5,595 9,75,,51 1,5,733,7 1,111,39,99 71,75,757 1,53,9,,,35,15 1,7,9, 735,55,1,1,5, 3,5, 1,1,,31,73,79 5 1 年平均成長率は CAGR=(X_1-X_13 )^(1/3)-1 として計算している 9

正味財産の状況 経常収益規模 各年度で経常収益規模別にをみると いずれの年度においても経常収益が1億円未満の団体が全体の8割を占める 1年度について ボリュームゾーンを形成する1億円未満の団体を 詳細に分布すると 対象となる33団体のうち1団体が1億円未満の経常収益であった 図表15 経常収益規模別 1 図表1 経常収益規模別 13 図表13 経常収益規模別 1 3 3 3 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 3 5 7 9 1 11 1 13 1 15 1 17 3 3 3 1 1 1 1 1 1 1 3 5 経常収益 億円 図表1 経常収益規模別 15 3 3 3 1 1 1 1 1 7 9 1 11 1 図表17 経常収益規模別 1 3 3 1 1 1 1 1 1 3 5 7 9 1 11 1 13 1 15 1 17 1 19 経常収益 億円 13 1 3 5 7 9 1 11 1 13 1 15 1 17 1 19 経常収益 億円 経常収益 億円 図表1 1年度1億円未満の団体分布 3 1 1 3 5 7 9 1 11 1 13 1 15 1 17 1 19 1 経常収益 億円.5 1 1.5.5 3 3.5.5 5 5.5 経常収益 億円.5 7 7.5.5 9 9.5 1 1

正味財産の状況 収益構造 1年度の経常収益額を 1億円未満 1億円以上3億円未満 3億円以上億円未満 億円以上1億円未満 1億円以上 の5グループに分類し規模別にみると それぞれ1団体 11 団体 11団体 9団体 15団体と公益法人格を有する中央競技団体では 1億円以上 の団体が最も多かった 競技団体の3大収入源 会費収益 事業収益 受取補助金 をみると 経常収益が 1億円未満 の団体では 会費収益 15.5 事業収益 9.3 受取補助金等 33. を示し 事業収益と補助金等収入が3割ずつであった 同じく 1億円以上3億円未満 の団体では それぞれ13.% 1.3%.5%を示し 3億円以上億円未満 の団体では13.7 39.5 3.5 と 事業収益 の割合が4割前後まで上昇した 図表19 1億円未満 の団体の収益構造 図表 1億円以上3億円未満 の団体の収益構造 図表1 3億円以上億円未満 の団体の収益構造 11

正味財産の状況 収益構造 経常収益が億円を超えると収益構造は大きく変化し 億円以上1億円未満 の団体では 事業収益 が5.7 を占め 次いで 会費収益 1.1 受取補助金.9 となる 1億円以 上 の団体ではさらに 事業収益 の割合が増加し7割を超え 受取補助金等 1. 会費収益 9. はともに1 前後を示した いずれの収益規模においても 事業収益 と 受取補助金等 の科目の合計で構成比率の%以上を占めている 経常収益が 1億円未満 では 受取補助金等 が 事業収益 の割合を上回るが 1億円以上から6億円未満の団体では約割を 事業収益 が占めることとなる さらに 6億円以上1億円未満 の団体では5.7 1億円以上 の団体では7. と 事業収益 が大幅に増加 し 受取補助金等 の割合が減少することが確認できる 図表 億円以上1億円未満 の収益構造 図表3 1億円以上 の収益構造 1

正味財産の状況 経常収益の基本統計量 法人格別 法人格別にみると 1年度の公益財団法人3団体の経常収益総額は59億5万円で 1団体あたりの平均経常収益額は1億3,万円 中央値は億,万円であった 公益社団法人団体の経常収益総額は73億,万円で 1団体あたりの平均経常収益額は億,1万円 中央値は1億,9万円であった 平均経常収益額は公益財団法人が公益社 団法人の7倍となっている 年度により対象が異なる点には留意が必要だが いずれの法人格においても全ての年度で経常収益額は増加を続けており 公益法人化が進んだ13年度から1年度の年平均成長率1 は公益財団法人で1.3 公益社団法人で1.7 を示した 図表 法人格別の経常収益の基本統計量 1年度 13年度 1年度 15年度 1年度 3,9,71, 1,71,7,9 9,17,37 3,557,39,55 715,5, 1,99,,977 1,1,31,51 1,1,333,77,335,93,9 59,13,3 9 7,95,33,11 1,59,7,3 97,35,9 3,3,73,11 79,33, 3 9,9,5,15 1,3,3, 1,7,135,5 3,5,79,5 753,353,9 3 5,95,995,19 1,3,199, 1,193,5,9 3,553,73,59,99, 3 3,37,33,333 19,,53 11,9,7 1,5,19 1,375,9,1 175,3, 1,,1 11,1,3 5 5,5,1,9 19,7,79 3,9,331 19,,795 7,1,,7 1,57,79,1,9 19,,7 9 7,3,,19 1,515,73 97,17,17 19,1,3 公益財団法人 経常収益計 最大値を除く 中央値 第四分位 公益社団法人 経常収益計 中央値 第四分位 1 年平均成長率は CAGR=(X_1-X_13 )^(1/3)-1 として計算している 13

正味財産の状況 経常収益の基本統計量 オリンピック 非オリンピック競技団体 オリンピック競技 夏季 冬季とも と非オリンピック競技の別にみると 1年度のオリンピック競技3団体の経常収益総額は5億9,5万円で このうち夏季競技の9団体が5億7,7万 円 冬季競技5団体が億1,7万円であった 1団体あたりの平均経常収益額は 3団体では1億5,5万円で このうち夏季競技団体は17億9,5万円 冬季競技団体は億,3万円 である 非オリンピック競技団体の経常収益総額は59億3,3万円で 1団体あたりの平均経常収益額は億,7万円であった 平均経常収益額はオリンピック競技団体が非オリンピック競技団 体の.7倍となっている 13年度から1年度の年平均成長率1では オリンピック競技団体が11.7 夏季競技団体は1.7 冬季競技団体は-1.3 に対し 非オリンピック競技団体は. を示した 図表5 オリンピック競技団体の経常収益 1年度 13年度 1年度 15年度 1年度 3,11,3, 1,,591,97 95,555,333 3,59,155,13 3,91,7,379,,57 1,3,53, 931,,39,91,97,51 55,9,53 31 7,,17,3 1,7,5,53 99,71,19 3,19,9,3,3, 3 5,3,9,1 1,,19,91 95,7,99 3,1,3,51 9,1,1 3 5,95,33,3 1,55,7,5 1,9,71,37 3,377,1,7 9,53, 3 33,19,7,713 1,7,1,353 7,13,99 3,7,19,31 715,5, 19 3,59,3, 1,33,1,137 1,,3,,,37 513,,99 3,17,53,37 1,5,9,9 91,79,9 3,1,,1,3, 7,157,19,519 1,,17,91 1,1,377,15 3,35,7,3 73,3,9 9 5,77,993,11 1,795,79, 1,13,, 3,,3,97 99,19,39 9 3,71,35,553 1,3,73,51 97,,13 57,19,5 3 5,9,57,73 1,99,5,913,,39, 59,13,3 3 3,51,7,79 9,99,177,9, 7,57,1 3,19,99,51 33,59,91 551,3,1 7,73,71 5,17,39,5 3,7,5 9,, 57,59,717 5 オリンピック競技団体 経常収益計 最大値を除く 中央値 第四分位 夏季競技団体 経常収益計 最大値を除く 中央値 第四分位 冬季競技団体 経常収益計 中央値 第四分位 図表 非オリンピック競技団体の経常収益 1年度 13年度 1年度 15年度 1年度 3,3,5,7 5,3,939 11,9,5 7,591,7 15,95,5,539 1,5,7 193,13,13 179,11,9 3 5,31,3,97 1,5,55 19,,3 15,7,5 5 5,,535,77 7,31,31 1,93,39 131,9,539 5 5,933,5,579 7,1,5 3,5,17 17,39,5 非オリンピック競技団体 経常収益計 中央値 第四分位 1 年平均成長率は CAGR=(X_1-X_13 )^(1/3)-1 として計算している 1

正味財産の状況 経常費用の基本統計量 13年度における5団体の経常費用計は億,万円で 1団体あたりの平均経常費用は7億9,万円 中央値は3億3,万円であった その後 経常収益の増加に伴い経常費用も 大きくなり 1年度の経常費用計は57億7,万円 平均経常費用は1億1,3万円 中央値は億万円となった 図表7 経常費用の基本統計量 1年度 13年度 1年度 15年度 1年度 経常費用計 3,75,1,3,,13, 9,71,,9 5,59,31,71 5,71,,931 最大値を除く 最小値 中央値 第四分位 最大値 1,,7,751,735,757,31,1,5,79,57 3,199,31 1,3,79,59 37 79,3,99 59,1,9 1,,7,79 17,9,99 33,77,351 11,1,7,17 5 7,175,51 5,7,315,7,7,9 5,1,33 1,73,933 1,7,3,7 57 91,59,571 3,,9,311,93,57,5,5 35,31, 17,55,337,3 59 1,13,11,395 99,7,5,9,9,7 3,,71,71,35 1,913,79,39 5 法人格別にみると 1年度における公益財団法人3団体の経常費用計は51億,万円で 1団体あたりの平均経常費用は17億1,万円 中央値は7億,5万円であった 公益社団法人団体の経常費用計は7億7,万円で 1団体あたりの平均経常費用は億5,9万円 中央値は1億9,1万円であった 図表 法人格別の経常費用の基本統計量 1年度 13年度 1年度 15年度 1年度 35,93,3,75 1,99,,3 9,33, 3,3,,7 7,15,77 1 3,,37,7 1,317,39,5 95,39,777,71,,13 5,57,7 9,3,7,51 1,1,9,5 95,77,1,93,5,57 93,3,53 3,19,37,9 1,,7,99 1,5,19,3 3,1,,5 759,3,7 3 51,,,319 1,71,7,11 1,13,9,5 3,37,13, 75,5,1 3 3,91,,9 193,37, 1,159,3 17,337,7 1,55,5,35 17,33,1 1,3,33 11,799, 5 5,1,11,5 195,59,911 1,9,13 1,,7 7 5,,7,5,9,35,339,1 1,1,71 9 7,7,1,1 59,957,5 31,57, 191,3,97 公益財団法人 経常費用計 最大値を除く 中央値 第四分位 公益社団法人 経常費用計 中央値 第四分位 15

正味財産の状況 当期経常増減額 経常収益から経常費用を差し引いた当期経常増減額を規模別にみると いずれの年度においても1団体 13年度は団体 が1億円規模の収益を生み出しているのを除き 9割以上の団体が 億円未満に分布している このうち 当期経常増減額がマイナスを示す団体も一定数あり これらの団体は一般正味財産の期首残高をもって補填するため 単年度の赤字経営は免れるものの正味財 産の目減りに繋がる 1年度について ボリュームゾーンを形成する1億円未満の団体を詳細に分布してみると 対象となる5団体のうち3団体が1億円未満 1団体が円未満の当期経常増減額となった 図表9 当期経常増減額規模別 1 1 1 1 1 図表3 当期経常増減額規模別 13 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1-3 - -1 1 3 5 7 9 1 11-3 - -1 1 3 5 7 9 1 11 1 13 1 図表3 当期経常増減額規模別 15 3 1 1 1 1 1 図表33 当期経常増減額規模別 1 1 1 1 1 1 1 3 5 7 当期経常増減額 百万円 9 1 11 1 13 - -1 1 3 5 7 当期経常増減額 百万円 1 3 5 7 9 1 11 1 13 1 15 1 17 1 19 1 当期経常増減額 百万円 - -1 当期経常増減額 百万円 当期経常増減額 百万円 - -3 - -1 図表31 当期経常増減額規模別 1 9 1 11 1 13 1 図表3 1年度1億円未満の団体分布 15 1 13 1 11 1 9 7 5 3 1-11 -1-9 - -7 - -5 - -3 - -1 1 3 5 7 9 1 当期経常増減額 百万円 1

公益財団法人笹川スポーツ財団 1 年 9 月発行 17-5 東京都港区赤坂 1-- 日本財団ビル 3 階 TEL 3-9-53 FAX 3-9-53 Email info@ssf.or.jp www.ssf.or.jp 無断転載 複製および転訳載を禁止します 引用の際は本書が出典であることを明記してください 本事業は ボートレースの交付金による日本財団の助成金を受けて実施しました