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中央建設業審議会による提言について ( 平成 24 年 3 月 14 日 ) 建設産業における社会保険の徹底について ( 提言 ) 建設産業においては 下請企業を中心に 雇用 医療 年金保険について 法定福利費を適正に負担しない企業 ( すなわち保険未企業 ) が存在し 技能労働者の医療 年金など

れている者 個人事業所で5 人以上の作業員が記載された作業員名簿において 健康保険欄に 国民健康保険 と記載され 又は ( 及び ) 年金保険欄に 国民年金 と記載されている作業員がある場合には 作業員名簿を作成した下請企業に対し 作業員を適切な保険に加入させるよう指導すること なお 法人や 5 人

働き方改革 魅力ある建設業の構築に向けて 特集 域によっても大きな差があり, 北陸地方や北海道 など一部の地方では平成 28 年 10 月調査の加入率が 80% を超えているのに対し, 大都市部のある関東 地方 (55%) や近畿地方 (60%) は低い加入率に 留まっている ( ) 建設マネジメン

(2) 法定福利費の基本的な算出方法 法定福利費 = 労務費総額 法定保険料率 法定福利費は 通常 年間の賃金総額に各保険の保険料率を乗じて計算します しかし 各工事の見積りでは 労働者の年間賃金を把握することは不可能です そのため 見積額に計上した 労務費 を賃金とみなして それに各保険の保険料率

法定福利費の明示について 1 社会保険等未加入対策 建設業者の社会保険等未加入対策として 社会保険等への加入を一層推進していくためには 必要な法定福利費が契約段階でも確保されていることが重要です 建設工事における元請 下請間では 各専門工事業団体が法定福利費を内訳明示した 標準見積書 を作成しており

一般社団法人送電線建設技術研究会関西支部社会保険等の加入促進計画 1. はじめに 平成 27 年 4 月 24 日制定 建設産業においては 健康保険 厚生年金保険及び雇用保険 ( 以下 社会保険等 という ) の 1 法定福利費を適正に負担しない企業が存在し 技能労働者の医療 年金など いざというと

工事費構成内訳書の提出について ~ 法定福利費の明示が必要になります ~ 平成 29 年 12 月 6 日 中日本高速道路株式会社

株式会社殿 住所 株式会社 見積金額 L ( 消費税込 ) ( 内訳 ) 項目数量歩掛単価金額 工事材料費 A 労務費 B 経費 ( を除く ) D=A+B +C 事業主負担額対象金額金額雇用保険料 B 1.050% p E B p 消費税等合計 御見積書 ( 例 ) 料率 健康保険料 ( 1 )

株式会社殿 住所 株式会社 見積金額 L ( 消費税込 ) ( 内訳 ) 項目数量歩掛単価金額 工事材料費 A 労務費 B 経費 ( を除く ) D=A+B +C 事業主負担額対象金額金額雇用保険料 B 1.050% p E B p 消費税等合計 御見積書 ( 例 ) 料率 健康保険料 ( 1 )

社会保険等未加入に対する取組 平成 29 年度を目途に 企業単位では加入義務のある建設業許可業者の加入率 100% となるよう社会保険等未加入企業に対する加入指導を強化します 実施項目経営事項審査の厳格化 平成 24 年 7 月より実施 建設業担当部局による立入検査 実施内容 経営事項審査において

建設業における社会保険未加入対策 ( 今までの主な取組 ) 中央建設業審議会 建設産業における社会保険加入の徹底について ( 提言 ) ( 平成 24 年 3 月 ) 関係者を挙げて社会保険未加入問題への対策を進めることで 技能労働者の処遇の向上 建設産業の持続的な発展に必要な人材の確保 法定福利費

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建設業における社会保険未加入対策の概要 参考 1 背景 ( 建設業における課題 ) 社会保険未加入企業が多く存在し いざというときの公的保障が確保されず 若年入職者減少の一因となっている 適正に保険に加入し 法定福利費を負担している事業者が競争上不利になる 中央建設業審議会提言 ( 平成 24 年

PowerPoint プレゼンテーション

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1 医療保険 年金保険についての確認書類 弊社が施工する建設現場に入場する協力業者および作業員の方には 作業所長の指示により 見積書提出時 新規入場時 安全書類提出時に 医療保険 年金保険の加入状況を確認する書 類 ( 下記 A~E いずれか一点 ) を提出または呈示していただきます A. 直近の保

Q&A 集 Q1 社会保険等とは何か A1 社会保険等とは 健康保険 ( 協会けんぽ 健康保険組合等 ) 厚生年金保険 及び雇用保険をいいます Q2 国民健康保険組合に加入しているが 社会保険等未加入建設業者となるのか A2 法人や常時 5 人以上の従業員を使用する国民健康保険組合に加入している建設

A4 経営事項審査の受審状況により確認方法が異なります なお 適用除外は 労働者の就業形態等によって適用除外とならない場合もあることから 元請負人は 年金事務所等に適用除外となる要件を確認した上で判断してください 経営事項審査を受審している場合 有効期間にある経営規模等評価結果通知書総合評定値通知書

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基本問題小委員会における提言 ( 平成 26 年 1 月 ) 社会保険等未加入対策関係 1. これまでの中央建設業審議会 社会資本整備審議会基本問題小委員会における提言 1 行政 元請企業による加入指導 法定福利費確保に向けた取組等の総合的な対策を推進すべき 2 平成 29 年度を目途に 事業者単位

2 低入札対策の拡充

(2) 法定福利費の算出方法 1 法定福利費 = 労務費総額 社会保険料率法定福利費は 通常 年間の賃金総額に各保険の保険料率を乗じて計算します しかし 各工事の見積りでは 労働者の年間賃金を把握することは不可能です そのため 見積額に計上した 労務費 を賃金とみなして それに各保険の保険料を乗じて

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Microsoft Word - QandA-tyougai

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社会保険等加入及び法定福利費を内訳明示した見積書に関する実態調査について 1. 調査の目的 これまでに実施してきた各施策に関する各建設企業における取組状況および施策の現場への浸透状況等を総合的に把握し 社会保険等未加入対策の目標達成を見据えた加入徹底方策を検討することを目的とする 2. 調査の概要

社会保険の加入に関する下請指導ガイドライン改訂案 現行第 1 趣旨建設産業においては 健康保険 厚生年金保険及び雇用保険 ( 以下 社会保険 という ) について 法定福利費を適正に負担しない企業 ( すなわち保険未加入企業 ) が存在し 技能労働者の医療 年金など いざというときの公的保障が確保さ

1 標準見積書とは 1-1 目的は 法定福利費 の原資確保 社会保険未加入の対策を進めるためには法定福利費の原資確保が重要である しかし従来は見積時から法定福利費が明確になっておらず その扱いが分かりにくい状況となっていた 今後は工事費総額ではなく その中に含まれる法定福利費を明示して必要な原資を確

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1 標準見積書とは 1-1 目的は 法定福利費 の原資確保 社会保険未加入の対策を進めるためには法定福利費の原資確保が重要である しかし従来は見積時から法定福利費が明確になっておらず その扱いが分かりにくい状況となっていた 今後は工事費総額ではなく その中に含まれる法定福利費を明示して必要な原資を確

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国土入企第 5 4 号 平成 31 年 2 月 22 日 建設業団体の長殿 国土交通省土地 建設産業局長 技能労働者への適切な賃金水準の確保について 技能労働者の確保 育成のためには 適切な賃金水準の確保等による処遇改善が極めて重要です 国土交通省においては これまでの 6 度にわたる公共工事設計労

Microsoft Word - 01社会保険等加入対策に係る事務処理要領

社会保険等の未加入対策 ( 建設業 ) に関する FAQ 平成 31 年度以後 Q1 発注者として 社会保険等の未加入対策に取り組んでいるのはなぜか A1 社会保険等に加入し 法定福利費を適正に負担する建設業者を確実に契約の相手方とすること等を通じて 技能労働者の処遇の向上を図り 建設業の持続的な発

Q4 建設業の許可を有しない下請負人 ( 下請業者 ) も対象になるのか A4 本対策は 建設業許可を有する者のうち 社会保険等の加入義務を履行していない者を取組みの対象としています 建設業の許可を有しない者との一次下請契約の締結を禁止していません ( 交通誘導員等の警備業のみを行う者も対象外 )

他方で 下請企業を中心に保険未加入企業が存在している状況を改善していくためには 元請企業において下請企業の保険加入を指導する役割を担うことが求められる これについては 従来から 建設産業における生産システム合理化指針 ( 平成 3 年 2 月 5 日建設省経構発第 2 号 ) において 元請企業が下

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下請契約からの社会保険等未加入建設業者の排除等に係る Q&A Q1 社会保険等とはなんですか A1: 雇用保険 健康保険 厚生年金保険の 3 保険のことをいいます Q2 社会保険等に未加入 というのはどういう場合か A2: 社会保険等に未加入 とは 社会保険等の適用を受ける事業所でありながら 各保険

ア事業担当課長 ( 岐阜市上下水道事業部契約規程 ( 昭和 41 年水道部管理規程第 3 号 ) 第 4 条に規定する部長 ) は 工事請負契約約款第 7 条の2 第 2 項の規定に基づき 受注者に対して 期限を定め 当該下請契約を締結した具体的な理由を載した書面を求めるものとする ( 様式 1)

財営第   号

ただし 受注者が下請業者と直接契約を締結 ( 以下 一次下請契約 という ) した請負代金の総額が3,000 万円 ( 建築一式工事の場合は4,500 万円 ) 以上の場合は 次のとおり取り扱うものとする ア主管部長 ( 岐阜市契約規則 ( 昭和 39 年規則第 7 号 ) 第 4 条に規定する部長

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状況を目指すべきである とされており 本ガイドラインは この目標を達成するため 建設業における社会保険の加入について 元請企業及び下請企業がそれぞれ負うべき役割 と責任を明確にしたものであり 建設企業の取組の指針となるべきものである 第 2 元請企業の役割と責任 (1) 総論元請企業は 請け負った工

Ⅰ 概要について 一次下請契約者を社会保険等加入業者に限定します 平成 29 年 4 月 1 日以降に契約締結した工事において 受注者は 原則として社会保険等未加入業者を下請契約 ( 受注者が直接契約締結するものに限る 以下 一次下請契約 という ) の相手方としないこととします 追加 建設工事契約

平成 29 年度の目標達成に向けた今後の取組方針 平成 28 年 5 月 23 日第 6 回社会保険未加入対策推進協議会資料 1. 社会保険加入に向けた対策の強化 2. 法定福利費の確保 元請企業による加入指導の強化 社会保険加入について元請企業の下請企業に対する指導責任の強化を検討 公共工事におけ

なお 受注者から指定した期日までに保険加入を確認できる書類が提出されない場合は 埼玉県流域下水道事業建設工事標準請負契約約款第 7 条の3 第 1 項の規定に違反することとなる旨を併せて通知します 3 発注者が 理由書 ( 一次 ) によっても当該特別の事情を有すると認めないと判断した場合は 受注者

建設業における社会保険未加入問題への行政の取り組み

平成23年度第1回人材確保・育成部会

様式 3 社会保険等一括管理届 ( 一括適用 継続事業一括 ) 11 ページ 本社や支社等ごとに適用されている適用事業所について 本社で人事 給与等が集中的に管理されており 事業主が同一である等 一定の基準を満たすときは 本社において支社等を含めた一つの適用事業所とされる場合があります ( 健康保険

特別の事情 が認められる場合( 2) 特殊な技術 機器又は設備等 ( 以下 特殊技術等 という ) を必要とする工事で 特殊技術等を有する者と下請契約を締結しなければ契約の目的を達することができないことや その下請業者でなければ目的を達することが困難となることが明らかな場合 特別の事情 に該当しない

社会保険加入促進計画に盛込むべき内容

動の徹底に関する決議 を行い 会員企業に適正価格での受注の徹底を要請したとこ ろである 今後の取り組み事項その 1 日建連は主な民間発注者団体に対し 法定福利費を適正に考慮した金額により見積及び契約締結を行うよう要請を行う予定であり 要請次第 会員企業に当該要請を踏まえた対応の周知を行う (2) 見

3. 保険加入義務のあるのある営業所 ( 適用事業所 ) について社会保険法人の事業所 ( 営業所 ) 及び個人経営で常時 5 人以上の労働者を使用する事業所 ( 営業所 ) が適用事業所に該当します 雇用保険については 労働者を 1 人でも雇用する事業所 ( 営業所 ) が適用事業所に該当します

資料3 国土交通省における取組み等<再修正>

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p10 建設産業における社会保険加入の徹底について(提言)

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- 1 - 下請企業 ( 専門工事業者元請企業の方へ ) の方へ 1 2 社会保険への加入を徹底しましょう! 社会保険への加入は 法令上の義務です 建設業では 若い人材がどんどん減っています 建設業 = 社会保険にすら入っていない業界 と思われ 若い人材が集まりません! 労働者の高齢化 若年入職者の

資料6 標準見積書の活用グラフ道塗連全体

1 これまでの社会保険加入状況 2 社会保険の加入及び賃金の状況等に 関する調査結果 3 入札契約適正化法に基づく実施状況 調査結果 4 建設業許可業者の加入率 ( 推計値 ) 1

元請企業から下請企業への指導 25. 社会保険の加入に関する下請指導ガイドライン とは P10 平成 27 年 4 月 1 日から適用する 社会保険の加入に関する下請指導ガイドライン の具体的な改訂内 26. 容は P 元請企業に求められる保険未加入者の排除措置はどのようなものか P11

Microsoft Word Q&A1~30(ガイドライン関係).docx

合は 当該出向社員と当該出向先の会社との間に直接的かつ恒常的な雇用関係があるものとして取り扱うこととする ただし 当該出向先の会社が当該出向社員を主任技術者又は監理技術者として置く建設工事について 当該企業集団を構成する親会社若しくはその連結子会社又は当該親会社の非連結子会社 ( 会社計算規則第 2

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特別の事情 が認められる場合 ( 2) 特殊な技術 機器又は設備等 ( 以下 特殊技術等 という ) を必要とする工事で 特殊技術等を有する者と下請契約を締結しなければ契約の目的を達することができないことや その下請業者でなければ目的を達することが困難となることが明らかな場合 特別の事情 に該当しな

標準見積書に計上する 法定福利費 の算出は次の2つの方法とし 手順は以下の通り 1 施工見積の取付費総額から労務費を算出し それに法定福利費の保険料率を乗じる 2 これまでの施工実績をもとに施工従事者に支払った正味労務費から各商品の単位当りの法定福利費をあらかじめ算出した上で 法定福利費を簡便に算出

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第14章 国民年金 

社会保険等未加入業者との下請契約 (1 次 ) 禁止にかかる事務手続フロー 施工体制台帳により加入状況を確認 工事監督員 添付された加入を証明する書類にて確認します 未加入 加入 適用除外 契約担当に報告するとともに, 受注者に対し, 書面にて当該下請契約を締結した具体的な理由を記載した書面を提出す

懸念事項

4 受注者による社会保険等の加入状況の確認 (1) 確認方法 1 下請負契約の締結前に, 相手方の社会保険等への加入状況を, 保険料の領収済通知書等により確認してください ( 適用除外の場合, 除外事由を相手方から資料等で確認してください ) 2 下請負契約の締結後, 施工体制台帳等を作成し, 工事

被用者年金一元化法

Ⅱ 取組み強化のためのアンケート調査等の実施 (1) 建設技能労働者の賃金水準の実態調査国土交通省から依頼を受けて都道府県建設業協会 ( 被災 3 県及びその周辺の7 県を除く ) に対し調査を四半期ごとに実施 (2) 適切な賃金水準の確保等の取組み状況のアンケート調査国は 平成 25 年度公共工事

該当するか否かについて判断し その結果を式第 3により記録しなければならない 3 社会保険等未加入建設業者と下請契約を締結することについて 提出期限内に理由書の提出がなかった場合は 工事担当課長は 式第 4により以下の額について制裁金を請求する旨を受注者に通知するものとする P=C 0.1 P: 制

Microsoft Word ①概要(整備令)

充実等について指導 助言その他の援助を行うことが期待される とりわけ社会保険については 関係者を挙げて未加入問題への対策を進め 社会保険加入を徹底することにより 技能労働者の雇用環境の改善や不良不適格業者の排除に取り組むことが求められており 元請企業においても下請企業に対する指導等の取組を講じる必要

2. 社会保険の加入に関する下請指導ガイドライン の改訂について 平成 27 年 4 月 建設業における社会保険の加入について 元請企業及び下請企業がそれぞれ負うべき役割と責任を明確にするため 平成 24 年 11 月に 社会保険の加入に関する下請指導ガイドライン を施行 本ガイドラインは 平成 2

1 2

Microsoft Word - 修正2_建設業における社会保険未加入対策について

中央建設業審議会による提言について ( 平成 24 年 3 月 14 日 ) 建設産業における社会保険加入の徹底について ( 提言 ) 建設産業においては 下請企業を中心に 雇用 医療 年金保険について 法定福利費を適正に負担しない企業 ( すなわち保険未加入企業 ) が存在し 技能労働者の医療 年

社会保険加入促進計画 平成 24 年 4 月 19 日 社団法人日本建設業連合会 1. 基本的な方針社会保険等の加入促進の実効性を確保するためには 行政 元請企業 下請企業等が一体となって推進していくことが必要である 日建連は 元請企業としての責務を果たすべく 団体が取り組むべき対策 正会員 ( 以

9. システムの利用規約 Q&A Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism 44

標準請負契約約款の概要 標準請負契約約款は 請負契約の片務性の是正と契約関係の明確化 適正化のため 当該請負契約における当事者間の具体的な権利義務関係の内容を律するものとして 中央建設業審議会が公正な立場から作成し 当事者にその実施を勧告するもの 建設業法第 34 条第 2 項 建設業法 ( 昭和

( ウ ) 支出負担行為担当者は 工事監督員から理由書の送付があった場合は 特別の事情に該当するか否かを決定するものとする また 理由書が提出されなかった場合には 当該特別の事情を有しないものとみなして差し支えない イア以外の下請負人が社会保険等未加入建設業者である場合工事監督員は 当該社会保険等未

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別記様式 2 地方整備局長 知事 支社支社長 印 公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律第 11 条 社会保険等未加入 業者 の通知について 公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律 ( 以下 法 という ) 第 11 条に基づき 弊社の発注工事において社会保険等未加入業者の存在が

3. 一人親方 の取扱いについて事業主としての一人親方は 個人で国民年金や国民健康保険に加入することになりますが 形式が請負であっても実態が労働者である場合は 労働者として会社が保険に加入させることが必要になります 一人親方の保険加入に関するパンフレットを添付しますので ご参照ください 別添資料参照

Microsoft Word - 2.別添(0717訂正セット).docx

社会保険未加入企業の減点措置の厳格化に係る運用 新基準による受付時期及び再審査に係る運用 ( 参考 ) 関係通達 事務連絡 版 重要 経営事項審査の審査基準の改正について平成 24 年 5 月 1 日改正 ( 同年 7 月 1 日施行 ) に係る関東地方整備局の運用等 1 国土交通省関

の 適切な保険 に加入していると解します 個人事業所で雇用する常用労働者が 5 人以上になった場合や その後新たに従業員を 採用した場合についても同様です Q4 元請企業は法令上協会けんぽや厚生年金保険へ加入義務がない事業所の作業員を現場に入場させてよいか A4 ガイドラインは事業主に加入させる義務

Microsoft PowerPoint - 02 別添 パンフレット (3)

所において施工する場合 2 施工にあたり相互に調整を要する工事で かつ 工事現場の相互の間隔が 10km 程度の近接した場所において同一の建設業者が施工する場合 ( 別添 建設工事における現場代理人の常駐義務の緩和に係る取扱いについて に示す 参考 第 2 第 1 項第 3 号に定める該当工事 参照

これまで建設業界では 厳しい状況の中で企業経営を成り立たせるため 従来からの直庸など雇用関係が不明確な労働慣行 重層化した下請構造の中で 技能労働者の非社員化 非常勤化 月給制から日給月給制への転換などを進めてきました その結果 本来固定費であるはずの労務費が変動費化し 賃金が低下するとともに 法令

【別紙】リーフレット①

Microsoft Word 下請指導ガイドライン案.docx

適正化法に係る書類 ( 様式目次 ) 下記書類は( 甲 ) 第 23 号に添付の上提出のこと 名 称 様 式 備 考 頁 請負工事において 元 施工体制台帳 請が下請契約を締結し工事適正化推進要領様式第 1 号た場合に提出する 110 再下請負通知書工事適正化推進要領様式第 2 号 112 施工体系

Microsoft Word - 未加入Q&A集.doc

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ブック 1.indb

加入の手続きは 社会保険 : 年金事務所 ( 健康保険 厚生年金を同時に手続き ) 雇用保険 : 公共職業安定所で行っておりますので 未加入の場合はご相談ください 加入手続きに不安がある場合は 社会保険労務士にご相談ください 社会保険労務士は どのように社会保険の加入手続を行っていいかわからない と

Transcription:

建設業における社会保険未加入対策の概要① 中央建設業審議会 建設産業における社会保険加入の徹底について 提言 平成24年3月 関係者を挙げて社会保険未加入問題への対策を進めることで 技能労働者の処遇の向上 建設産業の持続的な発展に必要な人材の確保 法定福利費を適正に負担する企業による公平で健全な競争環境の構築 を実現する必要がある これまでの主な取組 1 行政 元請 下請一体となった保険加入の推進 社会保険未加入対策推進協議会の設置 H24.5 建設業関係団体等84団体 学識経験者 行政 国交省 厚労省 で構成 実施後5年 H29年度 を目途に 企業単位では許可業者の加入率100 労働者単位では 製造業相当の加入状況を目指すことを目標として共有 目標の達成に向け それぞれの立場で社会保険未加入対策を推進することを申し合わせ 2 行政によるチェック 指導 経営事項審査における減点幅の拡大 H24.7 雇用保険 健康保険 厚生年金保険に未加入の場合の減点幅を拡大 許可更新時等の確認 指導 H24.11 許可更新 経審 立入検査時に保険加入状況を確認 指導 立入検査時には元請企業の下請企業への指導状況も確認 指導に従わず未加入の企業は保険担当部局に通報 25

建設業における社会保険未加入対策の概要② 3 公共工事における対策の実施 国土交通省直轄工事における対策の実施 H26.8 段階的に実施 元請企業及び一次下請企業を社会保険加入企業に限定 二次以下の下請企業についても未加入企業の通報 加入指導を実施 地方公共団体発注の工事における対策の実施 未加入業者の排除を図ることを 入札契約適正化法に基づき要請 H28.6 4 社会保険加入に係る建設企業の取組指針の制定 浸透 下請指導ガイドライン 課長通知 の制定 H24.11 元請企業は 施工体制台帳 再下請通知書 作業員名簿等により下請企業や作業員の保険加入 状況を確認 指導 遅くとも平成29年度以降は ①未加入企業を下請企業に選定しない ②適切な保険に未加入の作業員は特段の理由が無い限り現場入場を認めない 取扱いとすべき 5 法定福利費の確保 直轄工事の予定価格への反映 H24.4 事業主負担分及び本人負担分について 必要な法定福利費を予定価格に反映 法定福利費を内訳明示した見積書の活用 各専門工事業団体毎に法定福利費を内訳明示した 標準見積書 を作成し 下請企業から 元請企業へ提出を開始 H25.9 建設業許可部局の立入検査による見積書の活用徹底 H28.6 26

建設業における社会保険未加入対策の概要 3 6. 相談体制の充実 相談体制の充実 各都道府県単位での相談窓口の設置や個別相談会の開催等 全国社会保険労務士会連合会との 連携を強化 (H28.7~) 今後の取組み 社会保険の加入に向けた対策の強化 (H29.4 以降 ) 保険加入について元請企業の下請企業に対する指導責任の強化の検討 国土交通省直轄工事における未加入企業の排除 現行の未加入対策について 加入に際しての負担も考慮しつつ 2 次以下の下請業者にも対象を拡大 ( 最終案を平成 29 年 2 月に公表し 4 月から施行 ) 建設業者等企業情報検索システムにおける未加入業者の 見える化 周知 啓発の徹底 小規模業者を対象とした研修会の開催 簡易版の 法定福利費を内訳明示した見積書の作成手順 の作成等により 見積書に関する周知 啓発 全国での説明会開催等を通じ 適切な保険加入等について周知の徹底 27

社会保険の加入に関する下請指導ガイドラインの概要① 〇 社会保険の加入に関する下請指導ガイドライン は 建設業における社会保険の加入について 元請企業及び下請企業がそれぞれ負うべき役割と責任を明確にし 建設企業の取組の指針とするべき ものとして策定 〇同ガイドラインは 平成24年7月に通知し 同年11月1日に施行 平成28年7月28日最終改訂 元請企業の役割と責任 社会保険については関係者を挙げて取り組むことが求められており 元請企業においても下請企業に対する指導等の 取組を講じる必要 〇下請企業について保険加入の確認 指導等 選定の候補となる建設企業について社会保険の加入状 況を確認し 未加入である場合には 早期に加入手続 を進めるよう指導する 再下請負通知書の 健康保険等の加入状況 欄により 下請企業が社会保険に加入していることを確認し 未 加入の企業があれば指導する 遅くとも平成29年度以降においては 社会保険の全 部又は一部に適用除外ではなく未加入である建設企業 を下請企業に選定しないとの取扱いとすべき 〇現場に入場する作業員の保険加入の確認 指導等 新規入場者の受け入れに際して 各作業員について作 業員名簿の社会保険欄を確認し 未加入等が発覚した 場合には 作業員名簿を作成した下請企業に対し 作 業員を適切な保険に加入させるよう指導する 遅くとも平成29年度以降においては 適切な保険へ の加入が確認できない作業員について 特段の理由が ない限り現場入場を認めないとの取扱いとすべき 〇法定福利費の適正な確保 見積時から法定福利費を必要経費として適正に確保する必要があり 法定福利費を内訳明示した見積書の提出につ いて 下請企業に対する見積条件に明示するとともに 提出された見積書を尊重すること 元請負人が 法定福利費相当額を一方的に削減したり 労務費そのものや他の費用で減額調整を行うなど 実質的 に法定福利費相当額を賄うことができない金額で建設工事の請負契約を締結することは厳に慎むべき 28

社会保険の加入に関する下請指導ガイドラインの概要② 下請企業の役割と責任 従業員の社会保険加入義務を負っているのは雇用主であるため 下請企業自らが積極的にその責任を果たすことが 必要不可欠 〇雇用する労働者の適切な社会保険への加入 労働者である社員と請負関係にある者の二者を明確に 区別した上で 労働者である社員についての保険加入 手続を適切に行う 労務関係経費の削減を意図して 雇用者を個人事業主 として請負契約を結ぶことは 偽装請負として労働関 係法令に抵触するおそれ 〇元請企業が行う指導等への協力 元請企業の指導が建設工事の施工に携わる全ての 下請企業に行き渡るよう 元請企業が行う指導に 協力する 〇法定福利費の適正な確保 自ら負担しなければならない法定福利費を適正に見積り 法定福利費を内訳明示した見積書を注文者に提出する とともに 業務の一部を再下請負させる場合は 再下請負人の法定福利費を適正に確保する 施行期日等 平成24年 7月 4日 平成24年11月 1日 平成27年 4月 1日 平成28年 7月28日 通知 施行 一部改訂 一部改訂 今後 建設業における社会保険の加入状況や社会保険未加入対策の 取組状況及び成果 本ガイドラインに基づく取組状況等を踏まえて必 要があると認めるときは 速やかにガイドラインの見直しなど所要の 措置を講ずる 29

社会保険の加入に関する下請指導ガイドライン の改訂等について 概要 ガイドラインの取扱いについて 社会保険の加入に関する下請指導ガイドラインの改訂等について 平成28年7月28日付 国土建第429号 より 適切な保険への加入が確認できない作業員の扱いについて 下請指導ガイドライン では 遅くとも平成29年度以降においては 適切な保険に加入していることを確 認できない作業員については 元請企業は特段の理由がない限り現場入場を認めないとの取扱いとすべきである としている 特段の理由とは 工事の円滑な施工に著しい支障が生じる懸念がある場合を除き 以下のような場合に限定する べきである ①当該作業員が現場入場時点で60歳以上であり 厚生年金保険に未加入の場合 雇用保険に未加入の場合は これに該当しない ②例えば伝統建築の修繕など 当該未加入の作業員が工事の施工に必要な特殊の技能を有しており その入場 を認めなければ工事の施工が困難となる場合 ③当該作業員について社会保険への加入手続き中であるなど 今後確実に加入することが見込まれる場合 なお 仮に特段の理由により入場を認めた場合であっても あくまで特例的な対応であり 引き続き加入指導は 行うべきである 上記 特段の理由 により現場入場が認められる場合は 下請指導ガイドライン 上の扱いに限ったもの であり 当然ながら法令上の加入義務が無くなるものではない 雇用と請負の明確化について 現場に入場する各作業員が就労形態に応じて入るべき保険を明確化するため 以下の方針を徹底することとする 元請企業は 作業員名簿に記載された作業員が 雇用されている労働者か 企業と請負関係にある者か疑義 がある場合は 作成した下請企業に確認を求めるなど 適切な保険に加入していることを確認すること 下請企業は 労働者である社員と請負関係にある者を明確に区分したうえで 労働者である社員については 保険加入を適切に行うとともに 請負関係にある者については 再下請負通知書を適切に作成すること 30

社会保険の加入に関する下請指導ガイドライン における 適切な保険 について 所属する事業所 事業所の形態 常用労働者の数 就労形態 労働保険 雇用保険 社会保険 医療保険 ( いずれか加入 ) 年金保険 下請指導ガイドライン における 適切な保険 の範囲 法人 1 人 ~ 常用労働者 雇用保険 3 - 役員等 - 協会けんぽ 健康保険組合 適用除外承認を受けた国民健康保険組合 ( 建設国保等 ) 1 協会けんぽ 健康保険組合 適用除外承認を受けた国民健康保険組合 ( 建設国保等 ) 1 厚生年金 厚生年金 3 保険 健康保険及び厚生年金保険 5 人 ~ 常用労働者 雇用保険 3 協会けんぽ 健康保険組合 適用除外承認を受けた国民健康保険組合 ( 建設国保等 ) 1 厚生年金 3 保険 個人事業主 1 人 ~4 人 常用労働者 雇用保険 3 国民健康保険 国民健康保険組合 ( 建設国保等 ) 国民年金 雇用保険 ( 医療保険と年金保険については個人で加入 ) - 事業主 一人親方 - 国民健康保険 国民健康保険組合 ( 建設国保等 ) 国民年金 医療保険と年金保険については個人で加入 ( 但し 一人親方は請負としての働き方をしている場合に限る ) 2 1 年金事務所健康保険の適用除外の承認を受けることにより 国民健康保険組合に加入する 3 週所定労働時間が 20 時間以上等の要件に該当する場合は常用であるか否かを問わない 2 詳しくは 一人親方 社会保険加入にあたっての判断事例集 参照 : 事業主に従業員を加入させる義務があるもの : 個人で加入 31

一人親方の労働者性 事業者性の判断基準の周知徹底 一人親方 の労働者性に関する注意点 社会保険の加入に関する下請指導ガイドライン 事業主が社会保険料の削減を意図して これまで雇用関係にあった労働者を対象に個人事業主として請負契約を結 ぶことは たとえ請負契約の形式であっても実態が雇用労働者であれば 偽装請負として 中略 労働関係法令に抵 触するおそれがある 労働者ではなく個人事業主である一人親方は 基本的に個人で国民年金や国民健康保険に加入する が 形式が請負契約であっても実態が労働者であれば労働者として社会保険に加入する必要がある 労働者によっては 入場する現場により 働き方が異なる場合もある 社会保険料の支払いを免れるために 雇用関係にあった労働者と請負契約を結ぶ ことは関係法令に抵触するおそれ 詳しくは みんなで進める一人親方の 保険加入 社会保険加入にあたっての判断事例集 を参照 1 請負としての働き方に近い 一人親方 たとえば 仕事を依頼されている会社から 仕事が早く終わった後 予定外の仕事を頼まれたとしても 断る自由がある 毎日の仕事量や進め方などは一任されており 自分の裁量 で判断できる 工事の出来高見合いで報酬が支払われる 事業主として 個人で社会保険 国民健康保険 組 合 国民年金 に加入すればよい可能性が高いで す 2 どちらの働き方ですか? 労働者としての働き方に近い 一人親方 たとえば仕事を依頼されている会社から 仕事が早く終わった後 予定外の仕事を頼まれたとしても 断る自由がない 毎日 細かな指示 具体的な指示を受けて働く 一日当たりの単価など働いた時間により報酬が支払われる 一人親方 仕事を依頼されている会社の社会保険 に加入すべき場合があります 企 業 自社の従業員として 社会保険に加入 させなければならない場合があります 32

よくある質問 下請指導ガイドライン 編 1 Q. 対象となる社会保険とは? A. 建設業における社会保険未加入対策で対象となっているのは 労働者を雇用する企業ごとに加入する健康保険 年金保険及び雇用保険です 他に加入が義務づけられている保険制度として労災保険がありますが 建設業の場合 原則として元請が一括して加入することになります Q. 測量 設計業や警備業なども対象になるのか? A. 建設業において取り組んでいる社会保険未加入対策は 建設業法を所管する国土交通省の立場に基づいて 建設業を営む者 を対象に行っているため 警備業等については 下請指導ガイドライン の対象外です ただし 当然ながら警備業等他の業種についても 法令に基づき適切な保険に加入することは必要です Q. 現場にいる事務員なども対象になるのか? A. 下請指導ガイドライン で対象としているのは現場の建設労働者であり 事務員 清掃員 場内整備員 残土運搬運転手等 それ以外の労働者の保険加入状況まで把握しようとするものではありません Q. 未加入の下請企業や建設作業員はすべて現場から排除されるのか? A. 下請指導ガイドライン では 適用除外でないにもかかわらず未加入 である下請企業については選定しないこと 適切な保険に加入していることを確認できない 作業員については現場入場を認めないこととすべきとしています 法令上 社会保険への加入が義務づけられている企業や作業員についてはこの対象になりますが 適用対象外となるような企業 作業員についてはこの対象となりません 33

よくある質問 社会保険の適用関係 編 2 Q. 国民健康保険や国民年金の加入者は保険未加入という扱いになるのか? A. 社会保険未加入対策の取組は 現行制度で求められている適切な保険への加入を確保しようとするものであり 法令に沿って適正に国民健康保険や国民年金に加入している方については 改めて保険に入り直す必要はありません 一方 国民健康保険や国民年金保険に加入している方でも 健康保険や厚生年金保険への加入義務のある方については 適正な保険に加入する必要があります Q. 従業員 4 人以下の事業所であれば社会保険に加入しなくていいのか? A. 従業員 4 人以下の個人事業所は 健康保険及び厚生年金保険の適用対象外となります 一方で 一人でも労働者を雇用していれば 雇用保険には加入する必要があります また 法人については従業員の数にかかわらず 健康保険及び厚生年金保険には加入する必要があります Q. 一人親方も社会保険に加入しなければならないのか? A. 一般的に一人親方は個人事業主として請負で仕事をしていますので 労働者にあたらず 社会保険の加入対象にはなりません ただし 労働者 なのか 請負人 なのかについては 労働の実態に応じて判断される必要があります 国土交通省では 労働者か請負人かを判断するためのチェックシートを掲載したリーフレットを作成しています なお 一人親方については 個人で国民年金と国民健康保険に加入することになります 34

厚生年金保険加入に関するメリットについて ① 厚生年金受給に係る最低限必要な資格期間の短縮について 〇厚生年金を受給するために最低限必要な資格期間 保険料納付済期間と保険料免除期間等との合算 期間 はこれまで25年間とされてきましたが これを10年間に短縮する法律 公的年金制度の財政基 盤及び最低保障機能の強化等のための国民年金法等の一部を改正する法律 が平成24年の国会で成立 しています これまで加入期間が不足して年金をもらうことが難しかった多くの方が 受給資格を得ることがで きるようになります 老齢基礎年金等の受給資格期間を25年から10年に短縮する改正の施行期日 平成29年8月1日 資格期間は厚生年金と国民年金のそれぞれの納付期間を合算して考えます 過去に国民年金を納付した期間と 厚生年金の納付期間とを合算して最低限必要な資格期間を満たしていれば年金の受給権が得られます 例 過去7年間国民年金の納付期間あり あと3年間厚生年金納付すれば年金の受給権を得られる ② 障がい年金や遺族年金の受給資格について 〇 厚生年金に加入中 本人が病気やケガにより障害を負ったり 万一亡くなった場合 病気やケガに より初めて診療を受けた日や死亡した日が65歳未満であり 前々月までに 直近 1年間に保険料の 未納がないなど一定の条件を満たせば その障害の程度に応じて障害年金が支給され また 遺族の 方が遺族年金を受けとること が出来ます ③ 扶養配偶者の国民年金保険料について 厚生年金に加入している被保険者 65歳未満 に扶養されている配偶者は 国民年金の第三号被 保険者となり 配偶者本人の国民年金保険料の負担はありません 35

法定福利費を内訳明示した見積書 ( 標準見積書 ) について 法定福利費とは : 法令に基づき企業が義務的に負担しなければならない社会保険料 健康保険 厚生年金保険 雇用保険の保険料 ( 労災保険は元請一括加入 ) 労働者を直接雇用する専門工事業者は 労働者を適切な保険に加入させるために必要な法定福利費を確保する必要 法定福利費を内訳明示した見積書 下請企業が元請企業 ( 直近上位の注文者 ) に対して提出する見積書について法定福利費を内訳として明示したもの 法定福利費を内訳明示した見積書 作成手順 基本的な法定福利費算出方法 = 労務費総額 法定保険料率 その他の法定福利費算出方法 = 工事費 工事費あたりの平均的な法定福利費の割合 = 工事数量 数量あたりの平均的な法定福利費の割合 ( 見積書の活用イメージ ) 法定福利費の内訳明示を見積条件に記載 元請企業 標準見積書の活用法定福利費内訳明示 下請企業 技能労働者 法定福利費を請負金額に反映 必要な保険への加入 株式会社殿 見積金額 L ( 消費税込 ) ( 内訳 ) 住所 株式会社 数量歩掛単価金額 工事材料費 A 法定福利費 労務費 経費 ( 法定福利費を除く ) 小計 項目 法定福利費事業主負担額対象金額料率金額 雇用保険料 B 1.050% p E B p 健康保険料 ( 1) B 4.985% q F B q 介護保険料 ( 2) B 0.450% r G B r 厚生年金保険料 ( 児童手当拠出金含む ) 1 協会けんぽ東京支部加入の場合 御見積書 ( 例 ) B 8.887% s H B s B C D=A+B+C 合計 B 15.372% t I B t I 2 介護保険加入割合を 52.4%( 協会けんぽ H24 事業年報より ) と仮定 標準見積書 : 社会保険等への加入原資となる法定福利費を適切に確保するため 各専門工事業団体が作成 ( 国土交通省 HP にも掲載 ) 下請企業から元請企業への提出を平成 25 年 9 月末から一斉に開始 ( 第 3 回社会保険未加入対策推進協議会 (H25.9.26) において申し合わせ ) 小計 消費税等 合計 J=D+I K=J 5% L=J+K 36

よくある質問 法定福利費を内訳明示した見積書 編 1 Q. 内訳明示 する法定福利費の範囲は? A. 原則として 健康保険料 ( 介護保険料含む ) 厚生年金保険料 ( 子ども 子育て拠出金含む ) 雇用保険料のうち 現場労働者 ( 技能労働者 ) の事業主 ( 会社 ) 負担分が対象になります Q. 保険料率はどのように調べるのか? A. それぞれの保険に応じて 適用する保険料率を調べて下さい 健康保険料 協会けんぽのウェブサイト等 ( 個別に健康保険に加入している場合は 組合に問い合わせ ) 厚生年金保険料 日本年金機構のウェブサイト 雇用保険料 厚生労働省のウェブサイト Q. 介護保険料はどのように計算するのか? A. 介護保険の対象者は 基本的に 40 歳から 64 歳までの方になります 実際の現場労働者に占める 40 歳以上の割合を把握するのは困難な場合 協会けんぽウェブサイト掲載の割合 ( 被保険者全体に占める 40~64 歳の者の割合 ) を用いる方法が考えられます Q. 法定福利費も消費税の対象となるのか? A. 法定福利費分も消費税の対象となります 37

よくある質問 法定福利費を内訳明示した見積書 編 2 Q. 下請企業に工事を発注する場合は 下請企業の法定福利費も含めて見積書を作成するのか? A. 下請企業に工事を発注する予定がある場合には 下請企業の法定福利費を含めて見積書を作成して下さい ただし 見積書を作成する段階では下請企業に工事を発注するか決まっていない場合は 自社ですべて施工した場合にかかる法定福利費を計算し 外注した分は下請に支払うこととなります Q. 健康保険 厚生年金保険が適用されない労働者の法定福利費の扱いは? A. 常用労働者が 5 人未満の個人事業所は 健康保険や厚生年金保険の適用対象外となり 法定福利費は発生しないため 内訳明示する法定福利費から除外する必要があります ただし 見積段階で適用対象外となる作業員を把握することが難しい場合は 全ての作業員の加入を前提とした法定福利費を明示して下さい Q. 見積書の作成方法を知りたい場合には何をみればいいのか? A. 各専門工事業団体では 業種毎に法定福利費を内訳明示するための 標準見積書 を作成していますので これを活用し 法定福利費を内訳明示した見積書を作成して下さい また 国土交通省では 各下請企業が自ら負担しなければならない法定福利費を見積もる方法を解説した 法定福利費を内訳明示した見積書の作成手順 を作成し ホームページに公表しています 38

見える化 ~ 社会保険加入状況の表示イメージ ~ 検索条件を入力してクリック 国土交通大臣許可第 1234567 号 国土交通建設 ( 株 ) 国土太郎 100-8918 東京都千代田区霞が関 2-1-3 03-5253-8111 建設業者等企業情報検索システムにおける未加入業者の 見える化 保険の加入状況 保険の加入状況の表示は以下の通りです 加入又は適用除外 - 確認中 健康年金雇用 - - http://etsuran.mlit.go.jp/takken/kensetuinit.do 39

全国社会保険労務士会連合会との連携強化 1 建設企業向け無料相談窓口の設置 47 都道府県社会保険労務士会が窓口となり 建設企業の皆様から社会保険加入等に関する相談を受け付け 社会保険労務士が電話相談に応じます ご利用方法 1 所在地の都道府県社会保険労務士会にご連絡下さい 2 都道府県社会保険労務士会が選任した社会保険労務士から折り返しのご連絡の中で ご相談に対応いたします ( 原則 コールバックで対応 訪問対応に係る費用については 個別にご相談下さい ) 2 安全大会等における講演 個別相談会の実施 建設事業者等で開催している安全大会 安全衛生大会 総会等において 都道府県社会保険労務士会が選任する社会保険労務士が 社会保険加入等に関する講演及び個別相談会に対応します ご利用方法 1 所在地の都道府県社会保険労務士会にご連絡下さい 2 依頼内容に応じ 都道府県社会保険労務士会にて社会保険労務士を選任 派遣します 3 社会保険労務士が 1) 社会保険未加入対策等に関する講演 2) 大会等プログラム中又は終了後等に社会保険の加入等に関する個別相談会の実施 に対応します ( 費用については個別にご相談下さい ) 大阪府社会保険労務士会 ( 電話 :06-4800-8188) 40

社会保険未加入対策に関するQ A よくある質問 の作成 平成27年4月に 社会保険未加入対策に関するQ A よくある質問 を作成し 国交省の ホームページにて公表 随時更新 http://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/totikensangyo_const_tk2_000080.html 社会保険の加入に関する下請指導ガイドライン 本文 みんなで進める一人親方の保険加入 などの資料についても このページに掲載しています 国交省HP トップページ 土地 建設産業ページ 社会保険未加入対策ページ Q&A よくある質問 41