資料 1 新潟県給付型奨学金制度 ( 案 ) 平成 29 年 12 月新潟県教育委員会
制度概要について 制度の趣旨 意欲と能力があるにもかかわらず経済的事情により進学が困難となっている子どもたちの大学への進学を後押しする 対象者 資格 家計基準 学力 資質基準 高校卒業予定者及び卒業後 2 年以内の者 ( 新潟県内在住者の子弟 ) 住民税所得割非課税世帯 生活保護世帯 家計急変世帯 ( 保護者の死亡等により家計が急変し 進学時に住民税所得割非課税等になると見込まれる世帯 ) 成績概評 A(5.0~4.3) ただし 教科以外の学校活動等で優れた成果が認められる場合 成績概評概ね B(4.2~3.5) も対象とする 高校卒業後就職した者等であって 卒業後 3 年以上 5 年以内の者 ( 新潟県内在住者 ) 以下 社会人経験者等 という 世帯収入が給与所得の場合 300 万円以下の者 作文及び面接により 新潟県奨学生選考委員会が審査 高校在学時の成績証明書等も参考とする 進学先 大学 給付月額 国公立 自宅 2 万円 / 自宅外 3 万円 私立 自宅 3 万円 / 自宅外 4 万円 対象規模 300 人程度 125 百万円程度を想定 ( 平成 30 年度進学者 ) 選考手続 県教育委員会から各学校に推薦基準提示 推薦枠配分 希望者から各学校に申込書類提出 各学校から県教育委員会に推薦書提出 県教育委員会で採用候補者決定し 各学校経由で通知 社会人経験者等は県教育委員会に直接申込み また 2 次募集では直接申込み枠も設ける 関連施策 入学時一時金対応 貸与型奨学金の返還が困難な場合の対応及び 奨学金利用者のサポート (H30 当初予算編成で検討 ) 1
選考の考え方について 選考手続 〇県教育委員会において 国制度のガイドラインを踏まえた選考基準を策定〇県教育委員会から各学校に対して推薦枠を配分 ( ) 推薦枠は 各学校の家計基準を満たす者の割合や大学進学状況 国制度の推薦状況等を踏まえて配分 国制度の推薦に漏れた者や進路決定が遅くなった者にも対応できるよう 2 次にわたり配分 給付型奨学金の受給希望者は各学校に対して申請書類を提出 ( 社会人経験者等は県教育委員会に直接提出 ) 各学校において 管理職及び担任以外の教員など複数人により給付奨学生を選考し 県教育委員会に推薦書を提出〇県教育委員会の奨学生選考委員会において 各学校等から提出された推薦書を審査し 給付奨学生を決定 < 選考基準の骨子 ( 案 )> 1 人物について学習活動その他生活の全般を通じて態度 行動が学生にふさわしく 進学の目的及び進学後の人生設計が明確であり 将来良識ある社会人として活動できる見込みがあること 2 健康について健康診断等により 概ね健康であると認められること心身に障害や疾病がある場合であっても修学に耐えられると見込まれること 3 学力及び資質について 1 年生から申込み時までの評定平均値が 4.3 以上 ( 成績概評が A 段階 ) であることただし 教科以外の学校活動等で優れた成果が認められる場合 ( ) は 評定平均値が概ね 3.5 以上 ( 成績概評が概ね B 段階以上 ) の者も対象になること 4 家計について生計を維持する者が 住民税所得割を課されていないこと または生活保護を受給していること保護者の死亡等により家計が急変した世帯にあっては 進学時に生計を維持する者が 住民税所得割を課されない または生活保護を受給する見込みであること 2
資格 対象者 ( 社会人経験者等 ) について 〇高校卒業後就職した者等であって 卒業後 3 年以上 5 年以内の者 < 説明 > 〇本制度で想定する対象者 高校卒業後に働きながら進学資金を準備して大学進学を目指す者 高校卒業後就職したが 当該分野での資格取得や専門性を高めるため あるいは興味や適性を見い出した分野に挑戦するために大学進学を目指す者 病気療養等の事情により 高校卒業後 3 年以上経過後に大学進学を目指す者など〇卒業後の年限については 有識者検討会において 若者の将来や仕事に就くことを考えると 22 歳くらいで絞ってもよいのではないか との意見や 卒業後 10 年までは不要だが 7~8 年までは意欲があれば支援するとよい との意見など 様々な意見があったが 区切りとして卒業後 5 年までとする 家計基準 〇世帯収入が給与所得の場合は 300 万円以下の者 < 説明 > 〇単身の場合 年収 115 万円以上は住民税所得割が課されるため 本人の非課税を基準とすることは不適当〇入学時一時金貸与は世帯年収 300 万円以下が要件〇高校卒業 5 年後の所定内賃金 ( 時間外手当等を除いたもの ) は年間 280 万円程度〇夫婦子ども 2 人世帯の貧困線 ( 世帯人数を考慮した可処分所得が中央値の半分であること ) の世帯年収は 305 万円程度 学力 資質基準〇作文及び面接により 教育委員会が審査 < 説明 > 〇高校卒業後 一定の年数が経過しており 在学時の成績等による学校推薦にはなじまないことから 成績証明書等も参考にしつつ 作文及び面接により 教育次長 校長等を構成員とする新潟県奨学生選考委員会が直接審査〇作文及び面接は 一般教養や勉学への意欲 将来設計等を確認するものとする 3
給付月額及び対象規模について 給付月額 国公立 自宅 2 万円 / 自宅外 3 万円 私立 自宅 3 万円 / 自宅外 4 万円 国制度と同額 素案では 学校 設置主体や通学形態等により必要となる学費及び生活費や国制度とのバランス等を踏まえ 必要とされる金額について引き続き検討 区分国公立自宅国公立自宅外私立自宅私立自宅外 日学支調査 県調査 91,588 140,167 146,467 199,208 学費 59,825 学費 52,100 学費 114,117 学費 114,542 生活費 31,763 生活費 88,067 生活費 33,350 生活費 84,666 80,358 115,882 158,536 181,691 学費 53,027 学費 48,676 学費 123,716 学費 105,313 生活費 27,331 生活費 67,206 生活費 34,820 生活費 76,378 日学支調査 : 平成 26 年度学生生活調査 ( 日本学生支援機構 ) 単位 : 円 県調査 : 平成 29 年 8 月大学生の家計状況に関する調査 学費 生活費は概ね 国公立自宅 : 国公立自宅外 私立自宅 : 私立自宅外 =1:1.5:2 対象規模 300 人程度 125 百万円程度を想定 ( 平成 30 年度進学者 ) 〇成績概評 A は全員 B は教科以外の学校活動等の成果や進歩の状況等を評価し 幅広く大学進学を支援 〇 奨学のための給付金 受給者の進路状況調査結果により 住民税非課税世帯生徒の成績概評 A B の大学進学者数を推計し ( 約 500 人 ) 国制度の推薦者 ( 約 200 人 ) を差し引き 〇上記の他 社会人経験者等を若干名見込む 4
関連施策 募集スケジュール ( 予定 ) 関連施策と募集スケジュールについて 〇入学時一時金対応 ( 制度拡充 ) 進学に伴う入学金や引越費用 生活用品購入等の費用負担に適切に対応できるようにするため 県貸与型奨学金の入学時一時金について入学前に貸与できるよう見直し ( 現行は入学後に貸与 ) 対象者 : 県貸与型奨学金の借入予定者であって保護者が年収 300 万円以下の者 または県給付型奨学金の採用候補者貸与額 : 上限 50 万円 ( 無利子 ) 平成 29 年度 平成 30 年度 ~ 1 月上旬 推薦枠配分 募集開始 (1 次 ) 2 月上旬 入学時一時金募集開始 (1 次 ) 2 月中旬 採用候補者決定 (1 次 ) 推薦枠配分 募集開始 (2 次 社会人経験者等 ) 入学時一時金募集開始 (2 次 ) 2 月下旬 入学時一時金決定 (1 次 ) 3 月下旬 採用候補者決定 (2 次 社会人経験者等 ) 入学時一時金決定 (2 次 ) 5 月中旬 入学確認後 給付決定 5 月下旬 第 1 四半期分給付 以下 四半期ごとに給付 5 月下旬 推薦枠配分 募集開始 (1 次 ) 10 月下旬 採用候補者決定 (1 次 ) 11 月中旬 推薦枠配分 募集開始 (2 次 社会人経験者等 ) 1 月中旬 採用候補者決定 (2 次 社会人経験者等 ) 2 月上旬 入学時一時金募集開始 (1 次 ) 2 月中旬 入学時一時金募集開始 (2 次 ) 2 月下旬 入学時一時金決定 (1 次 ) 3 月下旬 入学時一時金決定 (2 次 ) 5 月中旬 入学確認後 給付決定 5 月下旬 第 1 四半期分給付 以下 四半期ごとに給付 その他関連施策 〇貸与型奨学金の返還が困難な場合の対応及び 奨学金利用者のサポートについて 平成 30 年度当初予算編成において検討 5
素案公表時の課題 素案公表時の課題に係る検討会委員の意見について 〇 対象者の詳細な選考条件 授業料減免制度との調整 社会人経験者の選考方法 入学時の一時的費用への対応 制度の周知 募集方法 奨学金利用者のサポート体制整備 家計状況に応じた返還制度 項目 対象者等 給付額 周辺制度 意見 県内で推薦基準を統一したほうが分かりやすい 教育委員会でも審査するならば 統一基準とすることは妥当 国制度を補完するという流れからすれば 国のガイドラインから逸脱した推薦基準は難しい 限られた予算なので 各学校の事情を把握している教育委員会が推薦枠配分を決めるのはよい 成績概評 B 以上がスタンダードな基準であるが 教科以外の優れた成果を収める生徒も評価して 進学の機会を与えるとよい 学校活動等における優れた成果については ベスト 4 は対象だがベスト 8 は対象外とするようなデジタル発想ではなく 申請する側にも選考する側にも考慮の幅を持たせることが必要である 家計の厳しい世帯ではアルバイトのために部活動ができない子どももいる 学校活動等の評価については 校長であれば大体のイメージがあるので 数値化は難しいが公平性は保てるのではないか 高校卒業後に就職したが 資格取得のために大学に入り直した あるいはひとり親家庭で 働きながらお金を貯めて 大学に入り直したという話を聞いている そうした場合も 21 歳から 22 歳くらいまで救済措置があるとよい 国制度から漏れた者を対象にすることから 国制度に準じた給付月額とすることは避けられないのではないか 入学時に一時的に非常に費用がかかるので 県独自の対応策があるとよい 入学前に借入できると 精神的安定にも効果があると思う 貸与型奨学金の返還猶予は先送りにすぎず 将来的に返還しなければならない 減額返還ならば 少しではあるが返還できるので 精神的に楽なため 国の減額返還制度は利用が伸びているのではないか 返還が困難な場合に利用できる制度を知っていれば ローン回避のために奨学金を借りない率はずっと下がる 制度をきちんと知らせることはかなり重要である 奨学金を借りる時に生徒に制度を説明して 親が決めたとか 先生に言われたということではなく きちんとお金を借りる自覚をさせていく 学校ではなかなか金銭教育はできないが 30 分か 1 時間受けることで生徒の認識が変わる 借りる時 返す時の相談におけるファイナンシャルプランナーの役割は大きいと思う 6