Honda の海外展開の考え方と 単独収益上の課題 2012 年 11 月 15 日本田技研工業株式会社村岡直人
目次 1. 会社紹介と海外展開 2.Honda の海外展開の考え方 (1) 市場に近いところで生産する (2) 二輪から四輪へ (3) 小さく生んで大きく育てる (4) 部品の現地調達の推進 (5) 研究開発は日本中心に推進 3. グローバル経営の課題 4. ホンダモーターの単独収益への影響と国の国際収支への示唆
Honda 製品
業容概要 (2011 年度実績 ) 技術と世界性が特徴 売上高 7 兆 9,480 億円 営業利益 2,313 億円 純利益 2,114 億円 研究開発費 5,198 億円 年間販売台数 ( 世界 ( 世界 2011 2011 年度実績 ) 二輪車 1,529 万台 万台 四輪車 312 万台 汎用製品 582 万台 国内販売 98.6% 80.7% 93.6% 海外販売 海外の持分法適用会社で生産 販売される Honda および連結子会社より生産用部品供給のない Honda ブランド二輪車の台数を含む
ホンダ創業当時 1948 年 組立工場 補助エンジンつき自転車 創業者本田宗一郎 ホンダ本社
創業時の社是 世界的視野 わが社は Honda viewpoint, we are dedicated Philosophy 世界的視野に立ち 顧客の要請に応えて 性能の優れた 廉価な製品を 生産する Maintaining an international to supplying products of the highest efficiency yet at a reasonable price for worldwide customer satisfaction.
現在の社是 わたしたちは 地球的視野に立ち Honda we are dedicated Philosophy 世界中の顧客の 満足のために 質の高い商品を 適正な価格で 供給することに全力を尽くす Maintaining a global viewpoint, to supplying products of the highest quality yet at a reasonable price for worldwide customer satisfaction.
海外から最新鋭の工作機械の購入 売上げの 2 割弱 資本金の 75 倍 世界一であってこそ 日本一 過剰投資で潰れるぞ 万一潰れても 一流の機械類は日本に残る
グローバルでの生産 販売急 販売急拡大 40 35 30 ( 百万台 ) 世界での年間生産台数の推移 お客様 2,550 万人 (11 年 ) 3,900 3,900 万人 (16 年 ) 25 HondaJet (2013) 20 15 10 5 0 ト リーム D (1949) H 型エンシ ン (1953) S500 (1963) 二輪車 汎用製品 四輪車 50 52 54 56 58 60 62 64 66 68 70 72 74 76 78 80 82 84 86 88 90 92 94 96 98 00 02 04 06 08 10 16 ( 年 )
ホンダの地域別二輪販売台数 2007 年 201 2011 年 GRAND TOTAL: 13.5 16.3 million units 07 11 EUROPE, AFRICA & MIDDLE EAST 1,166 CHINA 1,306 JAPAN 331 219 NORTH AMERICA 470 186 377 274 ASIA & OCEANIA 9,596 9,596 12,365 SOUTH AMERICA 1,534 1,950 The amounts for 2007/2011 (in thousand units)
地域別四輪販売台数 2007 年 2011 年 GRAND TOTAL: 3.8 3.1.1 million units 07 11 EUROPE, AFRICA & MIDDLE EAST 480 233 428 CHINA JAPAN 624 621 503 ASIA & OCEANIA NORTH AMERICA 1,776 1,312 343 301 SOUTH AMERICA 117 116 The amounts for 2007/2011 (in thousand units)
Honda 二輪車内外生産推移 ( 万台 ) (%) 20 100 18 16 14 12 10 57 62 61 63 68 74 77 79 80 75 79 82 83 海外生産比率 ( 右軸 ) 89 93 95 95 96 97 98 99 99 99 90 80 70 60 50 8 海外生産 ( 左軸 ) 40 6 30 4 20 2 0 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 ( 年 ) 国内生産 ( 左軸 ) 10 0
Honda 四輪車内外生産推移 (100 万台 ) 5.0 4.5 4.0 Honda 海外生産比率 ( 右軸 ) 日系メーカー全体の海外生産比率 ( 右軸 ) 3.5 48 49 45 47 50 51 52 52 3.0 43 35 36 35 35 37 38 39 2.5 2.0 1.5 1.0 0.5 61 61 63 63 66 46 48 50 49 68 51 50 72 73 76 56 58 61 海外生産 ( 左軸 ) 国内生産 ( 左軸 ) (%) 80 70 60 50 40 30 20 10 0.0 95 96 97 98 99 00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 ( 年 ) 0
目次 1. 会社紹介と海外展開 2.Honda の海外展開の考え方 (1) 市場に近いところで生産する (2) 二輪から四輪へ (3) 小さく生んで大きく育てる (4) 部品の現地調達の推進 (5) 研究開発の推進 3. グローバル経営の課題 4. ホンダモーターの単独収益への影響と国の国際収支への示唆
海外展開考え方 1 需要のあるところで生産する ( 万台 ) 160 140 120 100 80 60 40 20 0 米国での Honda 車販売推移 ( 輸入車 / 現地生産車別 ) 北米生産車比率 13% ( 83) 87% ( 10) 58 62 68 82 73 75 83 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 お客様のニーズに対応した迅速な商品の供給が可能 雇用の創出や部品の調達を通じて現地経済に貢献 為替変動リスク 関税対策 経済摩擦の軽減 輸入車 80 79 77 76 77 87 75 75 78 76 77 84 北米生産車 ( 年 ) 需要のあるところで生産する
海外展開の考え方 2 二輪から四輪へ ~ アジアの事例 ~ 1965 1969 1973 1974 1975 1982 1984 1985 1992 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2003 二輪車 ( 生産開始年 ) タイマレーシアフィリピンインドネシア 中国 ( 委託生産 ) インド中国 ヴェトナム 中国 インドネシア タイ フィリピン タイ ( 新工場 ) インド中国 四輪車 ( 生産開始年 ) マレーシア ( 委託生産 ) マレーシアインドネシア ( 新工場 ) マレーシア ( 新工場 ) ヴェトナム 1965 1969 1973 1974 1975 1982 1984 1985 1992 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2003 2006
海外展開の考え方 二輪から四輪へ ~ 米州の事例 ~ 二輪車 ( 生産開始年 ) 四輪車 ( 生産開始年 ) 1977 1979 1982 1988 1989 1996 1997 2001 ブラジル米国メキシコ 米国 ( オハイオ ) 米国 ( オハイオ ) メキシコブラジル米国 ( アラバマ )) 1977 1979 1982 1988 1989 1996 1997 2001 二輪で現地で現地で経験を積んで四輪に活かす 人が育つ二輪工場は初期投資が小さく リスクが少ない二輪収益の活用で 為替リスク 金利リスクの軽減 ( ブラジルで大きな意味 ) 二輪から四輪 の理由 小さく生んで 大きく育てる
販売台数 生産能力海外展開の考え方 3 小さく生んで 大きく育てる 3 万台 販売台数 5 万台 中国のケース 東風汽車 27 万台 15 万台 12 万台 本田汽車 32 万台 53 万台 広州汽車 61 万台 99.3 03.2 03.7 04.4 05.4 06 なぜ 小さく生んで 大きく育てる か? 10 (year) 過剰投資 借り入れ 過剰在庫を避けるフィロソフィー 社是 ( お客様があってこその生産 ) 小規模生産で 経験 ノウハウを蓄積 ( 一人当たり作業量多い )
海外展開の考え方 4 部品現地調達の推進 700 600 500 400 北米の部品取引サプライヤー数の推移 (number of companies) 590 25 20 15 (billion dollars) 北米の部品購入金額の推移 13.3 300 200 100 0 237 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 理由 (year) 10 5 0 2.9 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 (year) 1 迅速な商品供給 2 地元への貢献 3 為替 摩擦
現地調達を輸出入で補完 ( 事例 ) 部品の現地調達方針 + 輸出入 アジアの競争力を活用 U.K. Turkey engine Pakistan iron parts India transmission pressed parts China Japan transmission aluminum parts Thailand Philippines Malaysia Indonesia aluminum parts U.S.A. Brazil
生産のグローバル化 研究開発の中心は日本 M M M M 研究開発 設計のコア拠点は日本 生産拠点は 67 拠点 (29 カ国 ) マザー工場から支援 M M 生産設備 ( マザー機能 ) 生産設備 研究開発拠点
成果 3 工場のマサ ー機能のマサ ー機能のグローバル展開 CANADA OHIO JAPAN ALABAMA カナダ工場が アラバマ工場立ち上げに マザー工場 として機能 日本からの自立化
マトリックス運営体制マトリックス運営体制 ( 地域ニーズとグローバル最適地域ニーズとグローバル最適 ) 二輪事業本部二輪事業本部四輪事業本部四輪事業本部汎用事業本部汎用事業本部カスタマーサーヒ ス本部カスタマーサーヒ ス本部生産本部生産本部購買本部購買本部管理本部管理本部事業管理本部事業管理本部ホンダエンジニアリング ホンダエンジニアリング 本田技術研究所研究開発担当 ) 日 本田技術研究所 ( 研究開発担当本営業本部日本営業本部北米地域本部北米地域本部南米本部南米本部欧州地域本部欧州地域本部アジア 大洋州本部アジア 大洋州本部中国本部中国本トップは現地駐在 地域のお客様の満足の実現部トップは現地駐在 地域のお客様の満足の実現生産 販売を主導生産 販売を主導グローバル視点で最適性を追求グローバル視点で最適性を追求
目次 1. 会社紹介と海外展開 2.Honda の海外展開の考え方 (1) 市場に近いところで生産する (2) 二輪から四輪へ (3) 小さく生んで大きく育てる (4) 部品の現地調達の推進 (5) 研究開発の推進 3. グローバル経営の課題 4. ホンダモーターの単独収益への影響と国の国際収支への示唆
第一回 ABAC 会議 ( 香港 ) Facilitation of Technology Transfer From a Business Perspective February 23, 2012 ABAC Meeting REIWG Gr Hong Kong Honda Motor Co., Ltd. F
Restriction on the Remittance of IP Fees by Governments( ロイヤリテイ送金制限 ) Country A Head office R&D center technology transfer royalty payment (IP Fee) Country B Local Subsidiary or JV government restrictions on overseas remittances (Below %) government
Refusal to Recognize IP Fees as Deductible Payments (TP による損金不参入 ) Country A Head Office R&D center technology transfer royalty payment (IP Fee) Country B Local Subsidiary JV impose tax on royalty government tax authorities Income Tax on Royalty Paid 課税 Transfer pricing taxation government tax authorities Refuse to recognize as deductible expenses too large Increase of Taxable 損金不参入 profit Higher Tax Double Taxation 課税
中国の商品投入戦略 ( アコード ):: ユーザー構成の変化 1997 年のユーザー構成 80 年のユーザー構成 2003 年のユーザー構成 80%: 政府 法人ユーザー 20%: 20 政府 法人ユーザー 20 97 年から僅か 5 年間でユーサ ー構成は大きく変化 20% % 以下 : 個人ユーザー 80 80%: 個人ユーザー Honda の中国戦略 個人が乗用車消費の中心に 他社は旧モデル 顧客 ネットで世界の最新情報を入手米国の最先端の車を希望 最先端の アコード
タイとインドネシアの商品の特徴 Thailand 同じモデルでも違うスペック Indonesia Sporty slim & mild design spoke wheel narrow tire Masculine thick & sharp design cast wheel wide tire