2 当事者の主張 (1) 申立人の主張の要旨 申立人は 請求を基礎づける理由として 以下のとおり主張した 1 処分の根拠等申立人は次のとおりお願い書ないし提案書を提出し 又は口頭での告発を行った ア.2018 年 3 月 23 日に被申立人資格審査担当副会長及び資格審査委員長あてに 会長の経歴詐称等

Similar documents
事案である 3 仲裁合意本件では 申立人の申立書において仲裁合意の内容の記載があり 被申立人は答弁書においてこれを争わなかったので 本件についての書面による仲裁合意が存在する なお 被申立人は審問期日においても本仲裁に応じる旨の答弁をした 4 当事者の主張 (1) 申立人の主張申立人は 請求を基礎づ

第 2 事案の概要 申立人は 被申立人に所属する自転車競技のロードレース タイム トライアル種目等の競技者である 被申立人は 日本国内において自転車競技を統括する公益財団法人である 本件は 被申立人が 2016 年 6 月 3 日 リオ オリンピック女子ロードレースの選考から申立人を除外するとの決定

個人情報保護規定

<4D F736F F D2095BD90AC E D738CC2816A939A905C91E D862E646F63>

会員に対する処分等に係る手続に関する規則 (2018 年 7 月 30 日制定 ) 第 1 章総則 ( 目的 ) 第 1 条本規則は 定款第 15 条に規定する会員に対する処分及び不服の申立てに係る手続の施行に関し 必要な事項を定めることを目的とする ( 定義 ) 第 2 条本規則において 次の各号

処分に関する規則(案)

がある 7 平成 28 年 3 月 28 日 処分庁は 同日付で審査請求人に対し 借入金収入 円の未申告により生じた保護費過払い分について 法第 78 条第 1 項の規定により費用徴収を行う決定を行い 同年 7 月 7 日 費用徴収決定通知書を審査請求人に手交した 8 審査請求人は 平成 28 年

Microsoft Word - アンチ・ドーピング規程(クリーン).docx

注意・厳重注意および処分申請等に関する規則 案

沖縄厚生年金事案 440 第 1 委員会の結論申立人の申立期間のうち 申立期間 2に係る標準報酬月額は 事業主が社会保険事務所 ( 当時 ) に届け出た標準報酬月額であったと認められることから 当該期間の標準報酬月額を 28 万円に訂正することが必要である また 申立期間 3について 申立人は当該期

返還の必要性を十分説明しており 手続は適法である 第 3 審理員意見書の要旨 1 結論本件審査請求には理由がないので 棄却されるべきである 2 理由 (1) 本件の争点は 本件保険が法第 4 条第 1 項に規定する 利用し得る資産 に該当するかどうかであるが その判断に当たっては 処分庁が判断の要素

ウ 特定個人 a に訂正してほしいとは, 私は書いてない これも日本年金機構の単純ミスなのか? それとも他に理由があるのか? 事実に基づいて, 説明を求める 私の公共職業安定所における氏名は, カタカナの 特定個人 b のスペースなしで管理されている 私の資格画面も氏名欄はカタカナである 国民年金保

資料 1 協会員に対する処分及び勧告について 平成 30 年 4 月 18 日 日本証券業協会 本協会は 本日 下記のとおり 法令等違反の事実が認められた協会員に対し 定款第 28 条第 1 項の規定に基づく処分及び同第 29 条の規定に基づく勧告を行いました 記 岩井コスモ証券株式会社 公表前のア

< F2D F8C668DDA A91E D86939A905C>

教員等の懲戒処分に係る審査に関する規程 ( 平成 21 年 9 月 16 日 ) ( 趣旨 ) 第 1 条この規程は 教育公務員特例法 ( 昭和 24 年 1 月 12 日法律第 1 号 以下 法 という ) 第 9 条第 2 項の規定に基づき 沖縄県立看護大学教授会 ( 以下 教授会 という )

0 月 22 日現在, 通帳紛失の総合口座記号番号 特定番号 A-B~C 担保定額貯金 4 件 ( 特定金額 A): 平成 15 年 1 月 ~ 平成 16 年 3 月 : 特定郵便局 A 預入が証明されている 調査結果の回答書 の原本の写しの請求と, 特定年月日 Aの 改姓届 ( 開示請求者本人

非常に長い期間, 苦痛に耐え続けた親族にとって, 納得のできる対応を日本政府にしてもらえるよう関係者には協力賜りたい ( その他は, 上記 (2) と同旨であるため省略する ) (4) 意見書 3 特定個人 Aの身元を明らかにすること及び親子関係の証明に当たっては財務省 総務省において, 生年月日の

○公立大学法人尾道市立大学教員人事規程

Ⅲ 第 43 期監査報告書等 監査報告書 私たち監事は 平成 27 年 9 月 1 日から平成 28 年 8 月 31 日までの第 43 期事業年度にお ける理事の職務の執行を監査いたしました その方法及び結果につき以下のとおり報告い たします 1. 監査の方法及びその内容私たち監事は 理事及び使用

諮問庁 : 国立大学法人長岡技術科学大学諮問日 : 平成 30 年 10 月 29 日 ( 平成 30 年 ( 独情 ) 諮問第 62 号 ) 答申日 : 平成 31 年 1 月 28 日 ( 平成 30 年度 ( 独情 ) 答申第 61 号 ) 事件名 : 特定期間に開催された特定学部教授会の音声

仲裁判断(案)

丙は 平成 12 年 7 月 27 日に死亡し 同人の相続が開始した ( 以下 この相続を 本件相続 という ) 本件相続に係る共同相続人は 原告ら及び丁の3 名である (3) 相続税の申告原告らは 法定の申告期限内に 武蔵府中税務署長に対し 相続税法 ( 平成 15 年法律第 8 号による改正前の

劇場演出空間技術協会 個人情報保護規程

控訴人は, 控訴人にも上記の退職改定をした上で平成 22 年 3 月分の特別老齢厚生年金を支給すべきであったと主張したが, 被控訴人は, 退職改定の要件として, 被保険者資格を喪失した日から起算して1か月を経過した時点で受給権者であることが必要であるところ, 控訴人は, 同年 月 日に65 歳に達し

ら退去を迫られやむを得ず転居したのであるから本件転居費用について保護費が支給されるべきであると主張して 本件処分の取消しを求めている 2 処分庁の主張 (1) 生活保護問答集について ( 平成 21 年 3 月 31 日厚生労働省社会援護局保護課長事務連絡 以下 問答集 という ) の問 13の2の

財団法人日本体育協会個人情報保護規程

第 2 仲裁手続の経過 別紙に記載のとおり 第 3 事案の概要 1 当事者 (1) 申立人 申立人は コカ コーラウエスト株式会社 ( 以下 コカ コーラウエスト社 という ) の女子ホッケーチームの監督を務めていたが 被申立人からの委嘱を受け 同社の女子ホッケーチームの監督を兼ねたまま 2012

11総法不審第120号

処分済み

青森国民年金事案 697 第 1 委員会の結論申立人の昭和 51 年 9 月から 54 年 3 月までの国民年金保険料については 納付していたものと認めることはできない 第 2 申立の要旨等 1 申立人の氏名等氏名 : 男基礎年金番号 : 生年月日 : 昭和 25 年生住所 : 2 申立内容の要旨申

第一審査会の結論 豊中市教育委員会が行った 内部公益通報に係る調査の実施について ( 報告 ) を不 開示とした決定は妥当ではなく 別紙に記載した部分を除き開示すべきである 第二審査請求の経過 1 開示請求審査請求人は 平成 25 年 7 月 17 日 豊中市情報公開条例 ( 以下 条例 という )

個人情報の取扱いに関する規則 平成 12 年 9 月 29 日 奈良県規則第 2 2 号 改正 平成 13 年 3 月 30 日 規則第 68 号 改正 平成 17 年 3 月 29 日 規則第 30 号 改正 平成 18 年 3 月 31 日 規則第 38 号 改正 平成 27 年 9 月 25

が成立するが 本件処分日は平成 29 年 3 月 3 日であるから 平成 24 年 3 月 3 日以降 審査請求人に支給した保護費について返還を求めることは可能であ る 第 3 審理員意見書の要旨 1 結論本件審査請求には理由がないので 棄却されるべきである 2 理由 (1) 本件処分に係る生活保護

< F2D F C A838A815B835888C456>

Taro-議案第13号 行政手続条例の

<4D F736F F D2095BD90AC E D738FEE816A939A905C91E D862E646F63>

< F2D F8C668DDA A91E D86939A905C>

第1 審査会の結論

の補正書 において, 審査請求の趣旨を この開示請求は本人の給与のみずましにかかわる書面である為 としているが, 原処分を取り消し, 本件対象保有個人情報の開示を求めている審査請求として, 以下, 原処分の妥当性について検討する 2 原処分の妥当性について (1) 給与所得の源泉徴収票について給与所

茨城厚生年金事案 2029 第 1 委員会の結論総務大臣から平成 24 年 10 月 10 日付けで行われた申立人の年金記録に係る苦情のあっせんについては 同日後に新たな事実が判明したことから 当該あっせんによらず 申立人のA 社における資格喪失日に係る記録を昭和 41 年 9 月 5 日に訂正し

(Microsoft Word - 06 \223\232\220\\\217\221\201i\214\210\222\350\201j.doc)

ものであった また, 本件規則には, 貸付けの要件として, 当該資金の借入れにつき漁業協同組合の理事会において議決されていることが定められていた (3) 東洋町公告式条例 ( 昭和 34 年東洋町条例第 1 号 )3 条,2 条 2 項には, 規則の公布は, 同条例の定める7か所の掲示場に掲示して行

制定 : 平成 24 年 5 月 30 日平成 23 年度第 4 回理事会決議施行 : 平成 24 年 6 月 1 日 個人情報管理規程 ( 定款第 65 条第 2 項 ) 制定平成 24 年 5 月 30 日 ( 目的 ) 第 1 条この規程は 定款第 66 条第 2 項の規定に基づき 公益社団法

1 茨城県認可外保育施設指導監督実施要項(H29.3)

11総法不審第120号

1 審査会の結論 平成 28 年度市民税 県民税の賦課決定処分 に係る審査請求は棄却する べきであるとの審査庁の判断は妥当である 2 事案概要南区長 ( 以下 処分庁 という ) は 地方税法 ( 昭和 25 年法律第 226 号 以下 法 という ) 第 24 条及び第 294 条並びに横浜市市税

7 平成 28 年 10 月 3 日 処分庁は 法第 73 条の2 第 1 項及び条例第 43 条第 1 項の規定により 本件不動産の取得について審査請求人に対し 本件処分を行った 8 平成 28 年 11 月 25 日 審査請求人は 審査庁に対し 本件処分の取消しを求める審査請求を行った 第 4

ウ商業地等である 町の土地の平成 28 年度分の固定資産税の課税標準額は 法附則第 18 条第 5 項及び第 25 条第 5 項の規定により 課税標準となるべき価格に0.7を乗じた額となる なお 岐阜市税条例 ( 昭和 25 年岐阜市条例第 14 号 以下 条例 という ) においては これと異なる

新請願・陳情全部

厚生局受付番号 : 東北 ( 受 ) 第 号 厚生局事案番号 : 東北 ( 厚 ) 第 号 第 1 結論請求者のA 社における厚生年金保険被保険者資格の喪失年月日を昭和 53 年 12 月 31 日から昭和 54 年 1 月 1 日に訂正し 昭和 53 年 12 月の

横浜市情報公開・個人情報保護審査会答申

徳島厚生年金事案 422 第 1 委員会の結論申立人の 申立期間に係る標準報酬月額については 当該期間のうち平成 14 年 4 月から同年 12 月までの期間については30 万円 15 年 4 月から同年 12 月までの期間については20 万円 16 年 4 月から同年 12 月までの期間については

諮問庁 : 株式会社日本政策金融公庫諮問日 : 平成 28 年 2 月 8 日 ( 平成 28 年 ( 独個 ) 諮問第 3 号 ) 答申日 : 平成 28 年 4 月 27 日 ( 平成 28 年度 ( 独個 ) 答申第 1 号 ) 事件名 : 本人に関する融資審査の検討資料の不訂正決定に関する件

19 条の4 第 2 項の規定により, 特別職の公務員であるから, 本件不開示情報は, 公務員としての職務遂行情報であり, 精神保健指定医が, 客観的な生体検査もなく, ただその主観に基づいて, 対象者を強制入院させることができるという性質の資格であること, 本件開示請求に係る精神保健指定医らが対象

消費者庁にも苦情相談を行い, 今にも消費者庁が動くであろうこと等を話し, 異議申立人に謝罪及びデータ削除を求めているとのことであった 当初監察部は, 異議申立人に謝罪に応じるよう促したが, 異議申立人が使用しているデータは, 登記事項証明書記載のデータと同一であり 法 を犯していないので謝罪には応じ

11総法不審第120号

高島市職員措置請求に係る監査の結果について 第 1 請求の受付 1 請求書の提出平成 29 年 9 月 28 日 2 請求人 3 請求の要旨 ( 高島市職員措置請求書 の原文のまま記載) 1 請求の要旨高島市長による平成 29 年度の固定資産税の賦課において 別紙の固定資産について 家屋の未評価によ

平成11年6月8日

第 2 仲裁手続の経過 別紙に記載のとおり 第 3 事案の概要 本事案は 2014 年 1 月に国際卓球連盟 (ITTF) が主催する世界予選大会 (2014 YOG World Qualification 以下 本件予選会 という ) への派遣選手の選考に関する紛争である 本件予選会は 各国より

達したときに消滅する旨を定めている ( 附則 10 条 ) (3) ア法 43 条 1 項は, 老齢厚生年金の額は, 被保険者であった全期間の平均標準報酬額の所定の割合に相当する額に被保険者期間の月数を乗じて算出された額とする旨を定めているところ, 男子であって昭和 16 年 4 月 2 日から同

録された保有個人情報 ( 本件対象保有個人情報 ) の開示を求めるものである 処分庁は, 平成 28 年 12 月 6 日付け特定記号 431により, 本件対象保有個人情報のうち,1 死亡した者の納める税金又は還付される税金 欄,2 相続人等の代表者の指定 欄並びに3 開示請求者以外の 相続人等に関

11総法不審第120号

弘前市告示第   号

厚生局受付番号 : 東北 ( 受 ) 第 号 厚生局事案番号 : 東北 ( 国 ) 第 号 第 1 結論昭和 52 年 4 月から同年 8 月までの請求期間及び昭和 52 年 9 月から昭和 56 年 12 月までの請求期間については 国民年金保険料を納付した期間に訂

横浜市情報公開・個人情報保護審査会答申

情報公開に係る事務処理規則 ( 平 18 規則第 16 号平成 18 年 8 月 1 日 ) 改正平 19 規則第 52 号平成 19 年 9 月 21 日平 26 規則第 2 号平成 26 年 5 月 13 日平 26 規則第 22 号平成 27 年 3 月 31 日 第 1 章総則 ( 目的 )

文書管理番号

求めるなどしている事案である 2 原審の確定した事実関係の概要等は, 次のとおりである (1) 上告人は, 不動産賃貸業等を目的とする株式会社であり, 被上告会社は, 総合コンサルティング業等を目的とする会社である 被上告人 Y 3 は, 平成 19 年当時, パソコンの解体業務の受託等を目的とする

3 減免の期間及び割合 下表の左欄の期間に終了する事業年度又は課税期間に応じて右欄の減免割合を適用します H27.6.1~H 減免割合 5/6 納付割合 1/6 H28.6.1~H 減免割合 4/6 納付割合 2/6 H29.6.1~H 減免割合 3/6 納

ETCスルーカード規定

弘前市町会等事務費交付金交付要綱

新潟市政府調達に関する苦情の処理手続要領 1 趣旨この要領は, 市の調達機関 ( 市長, 水道事業管理者及病院事業管理者をいう 以下 調達機関 という ) が行う調達であって政府調達に関する協定 ( 平成 7 年条約第 23 号 以下 協定 という ) の対象となる調達に関係する供給者 ( 調達機関

被申立人は 日本国内において障がい者バドミントン競技を統括する一般社団法人である 2. 本件決定申立人は 被申立人が 2018 年 1 月 13 日に開催した平成 30 年度強化指定選手選考会 ( 以下 選考会 という ) の第 1 試合に遅参したため 選考会の全ての試合について出場を 認められなか

公益財団法人全国競馬 畜産振興会役員慰労金支給規程 ( 平成 25 年 8 月 1 日会長達第 3 号 ) ( 趣旨 ) 第 1 条この規程は 公益財団法人全国競馬 畜産振興会 ( 以下 振興会 という ) 役員及び評議員の報酬等の支給に関する規程第 5 条の規定に基づき 役員 ( 常勤の者に限る

厚生局受付番号 : 東北 ( 受 ) 第 号 厚生局事案番号 : 東北 ( 厚 ) 第 号 第 1 結論請求期間 1について 当該期間のうち請求者のA 社における平成 21 年 9 月 1 日から平成 22 年 12 月 1 日までの期間の標準報酬月額を訂正することが

(6) 不利益処分広域連合長等が 条例等に基づき 特定の者を名宛人として 直接に これに義務を課し 又はその権利を制限する処分をいう ただし 次のいずれかに該当するものを除く ア略イ申請により求められた許認可等を拒否する処分その他申請に基づき当該申請をした者を名宛人としてされる処分ウ名宛人となるべき

して 当審査会に対し諮問をした 以上の事案の経緯は 諮問書 審査請求書及び懲戒処分書から認められる 2 関係する法令等の定め (1) 司法書士に対する懲戒及びその手続についてア法 47 条は 司法書士がこの法律又はこの法律に基づく命令に違反したときは その事務所の所在地を管轄する法務局又は地方法務局

研究活動における不正行為への対応等に関する規程 ( 目的 ) 第 1 条 本規程は小池化学株式会社 ( 以下 当社 という ) における研究活動での不正行為を防止 すると共に 不正行為が行われ 又はそのおそれがある場合の取扱いに関し 必要な事項を 定める ( 定義 ) 第 2 条本規程において 不正

社会福祉法人○○会 個人情報保護規程

( 別紙 ) 答申 : 行文第 24 号 諮問 : 行文第 24-1 号 答申第 1 審査会の結論実施機関が行った本件不開示決定処分については適正であったと認める 第 2 諮問事案の概要 1 行政文書の開示請求異議申立人は 平成 24 年 5 月 7 日 奈良市長 ( 以下 実施機関 という ) に

目 次 1. 適用範囲 引用文書 定義 異議申立て 苦情 のマネジメントシステム第三者認証の利用者 異議申立て及び苦情の取扱い 取扱い窓口 受領

弁護士等の業務広告に関する規程

( 除名 ) 第 9 条社員が次のいずれかに該当するに至ったときは 社員総会の決議によって当該社員を除名することができる (1) この定款その他の規則に違反したとき (2) この法人の名誉を傷つけ または目的に反する行為をしたとき (3) その他除名すべき正当な事由があるとき ( 社員資格の喪失 )

1 本件審査請求について (1) 本件審査請求に係る開示請求は, 法に基づき, 処分庁に対し, 本件対象文書の開示を求めたもの ( 以下 本件開示請求 という ) である (2) 本件開示請求を受けて, 処分庁は, 本件対象文書を作成しておらず不存在として, 不開示決定 ( 原処分 ) を行った (

平成 27 年 2 月までに, 第 1 審原告に対し, 労働者災害補償保険法 ( 以下 労災保険法 という ) に基づく給付 ( 以下 労災保険給付 という ) として, 療養補償給付, 休業補償給付及び障害補償給付を行った このことから, 本件事故に係る第 1 審原告の第 1 審被告に対する自賠法

答 申 第 1 審議会の結論名古屋市長 ( 以下 実施機関 という ) が 本件異議申立ての対象となる保有個人情報を一部開示とした決定は 妥当である 第 2 異議申立てに至る経過 1 平成 23 年 12 月 21 日 異議申立人は 名古屋市個人情報保護条例 ( 平成 17 年名古屋市条例第 26

- 2 - ⑷ 保育所又は学童クラブにおいて 保育又は学童クラブの目的を達成するために 児童又はその保護者に対してされる行政指導 ⑸ 市の職員 ( 地方公務員法 ( 昭和 25 年法律第 261 号 ) 第 2 条に規定する地方公務員に該当する職員をいう 以下同じ ) 又は市の職員であった者に対して

固定資産評価審査申出とは

上陸不許可処分取消し請求事件 平成21年7月24日 事件番号:平成21(行ウ)123 東京地方裁判所 民事第38部

平成 27 年度 特定行政書士法定研修 考査問題 解答と解説 本解答と解説は 正式に公表されたものではなく 作成者が独自に作成したものであり 内容の信頼性については保証しない 以下の事項に全て該当 遵守する場合にのみ 利用を許可する 東京都行政書士会葛飾支部会員であること 営利目的でないこと 内容を

( 平成 23 年 8 月 31 日報道資料抜粋 ) 年金記録に係る苦情のあっせん等について 年金記録確認釧路地方第三者委員会分 1. 今回のあっせん等の概要 (1) 年金記録の訂正を不要と判断したもの 7 件 厚生年金関係 7 件

なお, 基本事件被告に対し, 訴状や上記移送決定の送達はされていない 2 関係法令の定め (1) 道路法ア道路管理者は, 他の工事又は他の行為により必要を生じた道路に関する工事又は道路の維持の費用については, その必要を生じた限度において, 他の工事又は他の行為につき費用を負担する者にその全部又は一

厚生局受付番号 : 九州 ( 受 ) 第 号 厚生局事案番号 : 九州 ( 厚 ) 第 号 請求者のA 社 B 支店における厚生年金保険被保険者資格の喪失年月日を昭和 44 年 4 月 21 日から同年 5 月 1 日に訂正し 昭和 44 年 4 月の標準報酬月額を2

ている しかしながら 本件処分は条例の理念と条文の解釈運用を誤った違法なものであり 取り消されなければならない ⑶ 条例第 7 条第 1 項本文は 個人情報の外部提供の原則禁止を規定している また 同条同項ただし書の趣旨は 単に外部提供の原則禁止規定を解除したにとどまる すなわち 当該法令等が存在す

イ -3 ( 法令等へ抵触するおそれが高い分野の法令遵守 ) サービスの態様に応じて 抵触のおそれが高い法令 ( 業法 税法 著作権法等 ) を特に明示して遵守させること イ -4 ( 公序良俗違反行為の禁止 ) 公序良俗に反する行為を禁止すること イ利用規約等 利用規約 / 契約書 イ -5 (

して弁明の機会を与えるものとする 2 前項の弁明の機会の付与に当たり 会長は 処分にかかる会員に対して 別紙様式第 1 号により処分の対象となる事実 弁明のための日時及び場所をその1 週間前までに通知するものとする 3 弁明の機会の主宰者は 会長の指名する役職員とする 4 弁明に当たり当該会員は 指

取得に対しては 分割前の当該共有物に係る持分割合を超える部分の取得を除いて 不動産取得税を課することができないとするだけであって 分割の方法に制約を設けているものではないから 共有する土地が隣接している場合と隣接していない場合を区別し 隣接していない土地を一体として分割する場合に非課税が適用されない

Microsoft Word 答申件数表.docx

( ウ ) 支出負担行為担当者は 工事監督員から理由書の送付があった場合は 特別の事情に該当するか否かを決定するものとする また 理由書が提出されなかった場合には 当該特別の事情を有しないものとみなして差し支えない イア以外の下請負人が社会保険等未加入建設業者である場合工事監督員は 当該社会保険等未

平成 30 年度改正版 平成 30 年 6 月 1 日から平成 31(2019) 年 5 月 31 日までの間に終了する事業年度に ついては 減免割合が 2/6 に変更となりましたので 30 年度改正版をご使用くださ 1 減免の対象 ( 変更はありません ) 詳細は次ページをご覧ください 1 資本金

Transcription:

仲裁判断の骨子 公益財団法人日本スポーツ仲裁機構 JSAA-AP-2018-003 申立人 :X 被申立人 : 福島県クレー射撃協会 (Y) 主文 本件スポーツ仲裁パネルは次のとおり判断する 1 被申立人が 2018 年 5 月 3 日に申立人に対し行った 申立人を 3 年間の資格停止処分とする決定を取り消す 2 仲裁申立料金 54,000 円は 被申立人の負担とする 本件は 緊急仲裁手続であるので スポーツ仲裁規則 ( 以下 規則 という ) 第 50 条第 5 項に基づき 以下に理由の骨子を示し 規則第 44 条に基づく仲裁 判断は 後日作成し 申立人及び被申立人に送付する 理由の骨子 1 事案の概要 (1) 当事者申立人は 福島県に在住するクレー射撃の競技者であり 被申立人の会員である 被申立人は 福島県に所在するクレー射撃競技を健全に普及させ 会員相互の親睦を図ることを目的とする任意団体である (2) 請求の趣旨及び答弁本件は 被申立人が 2018 年 5 月 3 日に申立人に対し行った 申立人を 3 年間の資格停止処分とする決定 ( 以下 本件処分 という ) について 申立人がその取消し ( 請求の趣旨 (1)) 及び申立料金は被申立人の負担とすること ( 請求の趣旨 (2)) を求めた事案である これに対し 被申立人は いずれの請求も棄却する旨を求める答弁をした

2 当事者の主張 (1) 申立人の主張の要旨 申立人は 請求を基礎づける理由として 以下のとおり主張した 1 処分の根拠等申立人は次のとおりお願い書ないし提案書を提出し 又は口頭での告発を行った ア.2018 年 3 月 23 日に被申立人資格審査担当副会長及び資格審査委員長あてに 会長の経歴詐称等について審議するようお願いした イ.2018 年 3 月 23 日に被申立人あてに 公益財団法人福島県体育協会からの補助金の不正受給 被申立人会長の経歴詐称等の問題を指摘し 改善策を提案した ウ.2018 年 4 月 4 日に一般社団法人日本クレー射撃協会資格審査委員長及び東北ブロック資格審査委員長あてに 被申立人会長の資格審査をお願いした エ.2018 年 4 月 10 日に公益財団法人福島県体育協会を訪問し 被申立人の補助金の不正受給問題について口頭で告発を行った オ.2018 年 4 月 30 日に被申立人執行部あてに 現役員の総辞職と新体制作りについてと題する提案書を提出した これらの申立人の行為があったところ 被申立人は 2018 年 5 月 3 日に開催された臨時総会の場において申立人に対して本件処分を言い渡した しかし 申立人の問い合わせにもかかわらず 被申立人はその理由を未だに申立人に伝えておらず 本件処分は理由がないものである 被申立人が本仲裁手続において本件処分の根拠として主張する被申立人会長の経歴詐称問題については 被申立人が 2017 年 4 月 5 日に一般社団法人日本クレー射撃協会に提出した会長変更届において 被申立人会長の経歴が A 代表取締役 と誤って記載されていた 被申立人会長が 2018 年 4 月 24 日付けで 会長変更届の内容を訂正する申告を行ったとしても 申立人が被申立人の理事全員 一般社団法人日本クレー射撃協会及び東北ブロックの各資格審査委員長に対し上記事実を伝えたのは 2018 年 4 月 4 日であって当該訂正がなされる前のことであるから 単に事実を開示したにすぎない また 開示の目的は 被通知者に事実を開示して改善を促したものである 2 処分に至る手続き本件処分に至る過程で 被申立人は資格審査委員会で審議したと主張するが 申立人は資格審査委員会に呼ばれておらず 弁明の機会は与えられていない また 2018 年 5 月 3 日に本件処分を口頭で通知された際 処分の理由を質問し

たが その説明がなく 後日書面で出すといわれたものの 申立日現在 処分 の理由が記載された書面を受け取っていない (2) 被申立人の主張の要旨 被申立人は 本件処分に関し 以下のとおり主張した 1 根拠となる規定本件処分は 申立人が福島県クレー射撃協会資格審査規定第 5 条第 6 号の 競技者として品位または名誉を傷つけた者 にあたることに基づくものである 2 根拠となる事実申立人は 2018 年 4 月 4 日に被申立人の理事全員 一般社団法人日本クレー射撃協会及び東北ブロックの各資格審査委員長に対し 被申立人会長が一般社団法人日本クレー射撃協会に同人の肩書が A 代表取締役 と記載されている会長変更届を提出し 虚偽の報告をしていると指摘する文書を送付することにより 被申立人会長が役職を詐称していると喧伝した 被申立人会長は 10 年ほど前に A 代表取締役を退任している 被申立人は 被申立人会長の過去の役職が記載された会長変更届出が一般社団法人日本クレー射撃協会に提出されていたことは認めるが 当該届出は 被申立人会長が知らないうちに事務局担当理事によって提出されたものである また 被申立人会長は 既に 2018 年 4 月 24 日には肩書の訂正を申立て済みである また 申立人が誤りに気づいたのであれば 被申立人会長に直接申告する方法で 訂正を促せばよかったのであって 被申立人の理事全員 一般社団法人日本クレー射撃協会及び東北ブロックの各資格審査委員長に対し 上記の文書を送付する必要はなかった 被申立人内で発生した補助金の不正受給やその告発については 処分の根拠としていない 3 処分に至る手続き被申立人は 福島県クレー射撃協会資格審査規定第 14 条に基づき 資格審査委員会 理事会 及び 2018 年 5 月 3 日に開催された臨時総会のいずれの承認も得て 本件処分を決議した 上記手続きの過程で 申立人に対し 弁明の機会は与えている また 被申立人は 2018 年 5 月 3 日当日 申立人に口頭で処分理由を説明しており 申立人も納得していたはずである

3 本件スポーツ仲裁パネルの判断 (1) 請求の趣旨 (1) について競技団体の決定の取消しが争われたスポーツ仲裁における仲裁判断基準として 日本スポーツ仲裁機構の仲裁判断の先例によれば 日本においてスポーツ競技を統括する国内スポーツ連盟については その運営について一定の自律性が認められ その限度において仲裁機関は国内スポーツ連盟の決定を尊重しなければならない 仲裁機関としては 1 国内スポーツ連盟の決定がその制定した規則に違反している場合 2 規則には違反していないが著しく合理性を欠く場合 3 決定に至る手続に瑕疵がある場合 または4 規則自体が法秩序に違反しもしくは著しく合理性を欠く場合において それを取り消すことができると解すべきである と判断されており 本件スポーツ仲裁パネルもこの基準が妥当であると考える まず 上記 1の被申立人による本件処分が被申立人の制定した規則に違反しているかどうかについては 被申立人は 申立人が被申立人会長の経歴詐称問題を指摘する文書を 2018 年 4 月 4 日に被申立人の理事全員 一般社団法人日本クレー射撃協会及び東北ブロックの各資格審査委員長に対して送付した行為をもって 申立人は被申立人資格審査規定第 5 条第 6 号の 競技者として品位または名誉を傷つけた者 にあたるとしている しかし (1) 申立人は 2018 年 3 月 23 日に被申立人会長の経歴詐称問題を被申立人に対して提起したにもかかわらず 被申立人において直ちに是正措置がとられなかったこと (2) したがって申立人が被申立人の理事全員 一般社団法人日本クレー射撃協会及び東北ブロックの各資格審査委員長に対し 被申立人会長の経歴詐称問題を指摘する文書を送付した 2018 年 4 月 4 日時点においては 2017 年 4 月 5 日に一般社団法人日本クレー射撃協会に提出された会長変更届において 被申立人会長の経歴が A 代表取締役 と記載されたままであったことからみて 申立人の行為は被通知者に事実を開示して改善を促すものであったというべきであり 競技者としての品位または名誉を傷つけたということは困難であると思われる 次に 3の決定に至る手続きに瑕疵があるかどうかについて 日本スポーツ仲裁機構の仲裁判断の先例によれば スポーツ団体が その構成員に対して懲戒処分等の不利益処分を行う際には 行政手続法等が求めるものと同等の弁明の機会を付与することが不可欠であると解すべきである 具体的な手続としては 懲戒の対象となる事実の告知 及び 弁解聴取の機会の確保の 2 点につき検討が必要と考える ( JSAA-AP-2016-006 号仲裁事案 ) と判断されており 本件スポーツ仲裁パネルもこの基準が妥当であると考える これを本件についてみれば 申立人が被申立人の資格審査委員会への呼び出しを受けたという事実は認められず したがって 本件処分のような不利益処分を科す場合に手続保

障のため要求される弁明の機会を与えられていなかったということができる この点から見れば 本件処分の決定に至る手続きには瑕疵があったといわざるを得ない したがって 本件処分は上記の1 及び3の基準に該当するので 本件処分は取消しを免れない (2) 請求の趣旨 (2) について 上記に述べた結論から 申立料金は被申立人の負担とする 4 結論 以上に述べたことから 本件スポーツ仲裁パネルは 主文のとおり判断する 以上 2018 年 6 月 22 日 スポーツ仲裁パネル 仲裁人長下條正浩