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Transcription:

冷熱特集技術論文 25 高効率, コンパクトを両立した大容量対応ターボ冷凍機 GART シリーズ GART Series - Large Capacity Centrifugal Chiller Achieved High Efficiency and Downsizing *1 和島一喜 *2 長谷川泰士 Kazuki Wajima Yasushi Hasegawa *3 長谷川修 *3 古賀淳 Osamu Hasegawa Jun Koga 八幡直樹 *2 Naoki Yawata ターボ冷凍機の国内での需要はお客様の生産設備が海外にシフトしていることなどにより, 出荷台数, 総容量とも減少している 当社ターボ冷凍機をお客様に選んでいただくためには, 消費電力低減, 設置空間容積低減など, お客様が熱源機器に求める機能 仕様に応える必要がある GART シリーズはこの要望に応え, 高効率とコンパクトを両立した大容量ターボ冷凍機である 圧縮機, 熱交換器など構成機器の高性能化及びコンパクト化を図るとともに, 空間を有効に利用し空間容積率を向上させるユニット配置とした その結果, 定格の COP( 成績係数 : Coefficient Of Performance) は 6.5,IPLV(Integrated Part Load Value: 期間成績係数 ) も従来機種に対し6% 向上, さらに機器の空間容積は従来機対比で最大 40% 低減を達成した 1. はじめに ターボ冷凍機の需要は, 海外では開発途上国を中心に伸長しているものの, 国内においては 2007 年をピークに減少しており,2012 年は出荷台数, 総容量とも当時の約半分になっている これは 2008 年のリーマンショック以降, お客様の生産設備の海外シフト等により, 国内での熱源設備新設工事が減少しているためである このような背景の中, お客様が熱源設備の新設あるいはリニューアルを行う場合には, 熱源設備について効率的な計画 運用を行うことが必要となり, 設置するターボ冷凍機はより高機能であることが要望される ターボ冷凍機の主機能は, 冷房のための冷水を製造することである ただし, 必要な量の冷水製造を行うことは当然のことであり, お客様がターボ冷凍機を選定するための重要な機能は冷凍機運転時の消費電力を如何に低減できるか, 及び, ターボ冷凍機を設置するための必要空間を如何に小さくできるかである すなわち, 消費電力低減のため高効率, かつ必要空間低減のためコンパクトな冷凍機が, お客様に選ばれる製品となる 本稿では, お客様のこれらの要望に応えるために高効率とコンパクトを両立した大容量対応ターボ冷凍機 GART シリーズについて紹介する 2. GART シリーズ開発の背景 当社の大容量ターボ冷凍機は,2000 年以降はオゾン層を破壊しない冷媒 R134a に特化し, 同年, 高性能機種である NART シリーズを市場投入した 以降,2003 年に定格の COP が業界最高レベルである 6.4 の AART シリーズを, さらに 2006 年にインバータの搭載や制御機構の改善によ *1 機械 設備システムドメイン冷熱事業部大型冷凍機技術部主席技師 *2 機械 設備システムドメイン冷熱事業部大型冷凍機技術部 *3 技術統括本部高砂研究所主席研究員

26 り, 部分負荷を含め実運用される全運転領域において高効率となる機種を投入している COP を向上させることはお客様が熱源設備を運用する際の経済面に直接影響を与え, かつ CO 2 排出量削減等の環境面での寄与度も大きい 当社のターボ冷凍機は性能向上のために圧縮機や熱交換器の高性能化や最適制御を追及してきたが, 現状レベルにとどまらない更なる性能向上が必要である 一方, 配置設計については NART シリーズ以降大きな変更は行っておらず, 機器の全長, 全幅, 全高の積である空間容積は当時から変わっていない 冷凍機の空間容積を小さくすることは, 機械室の拡張なしに冷凍能力を増強することも可能にする さらに, リニューアルの場合には機械室の空間容積が限られているため, いくら高効率の機種であっても寸法が大きければ導入することができない このようにターボ冷凍機の空間容積を小さくすることで, お客様の設備計画の自由度を上げ, お客様の要望に適した機種の選択が可能となる つまり, 高効率, コンパクト化のどちらか一方のみではお客様の要望を満足することはできず, 両者を達成することが, お客様に選ばれる製品となりうる GART シリーズは高効率, コンパクトを両立させることを開発の主要コンセプトとし,COP を現状の 6.4 から 6.5 へ, 空間容積も現行対比で最大 30% 以上削減し業界最小レベルとすることを開発目標とした 3. 高効率化とコンパクト化を両立するための技術 GART シリーズの高効率化, コンパクト化及びそれらを両立する技術に関して, 以下に代表項目を紹介する 3.1 圧縮機の高効率化, コンパクト化圧縮機はターボ冷凍機の性能を決定する重要な構成要素である この圧縮機の高効率化及びコンパクト化を図るため, 次の (1),(2) に示す技術を用いた ( 図 1) 図 1 圧縮機の改良ポイント (1) 高効率, コンパクトを可能とする空力設計圧縮機の高性能化, コンパクト化には羽根車の空力特性の改良が不可欠である 開発した羽根車は翼形状を見直し, より大風量の空力特性とした また, 羽根車翼の前縁形状及び羽根車入口の可変ガイドベーンの形状を改良することにより, 羽根車が小径化しても, 従来機種以上の高効率を実現した (2) コンパクト化による機械損失低減圧縮機は電動機回転数からギアによる増速を行っているが, 羽根車の小径化に合わせて, 電動機軸と圧縮機軸の軸芯間距離を短くし, 歯車周速を抑えることにより, ギア損失を低減し

27 た また圧縮機軸自体も小径化を行い, 軸受の機械損失低減を図った その結果, 機械損失は同じ冷凍能力において最大 25% の低減を達成した これらの技術の採用により, 圧縮機の高効率化, コンパクト化の両立を実現した 圧縮機自体の容積は最大で 30% 減少, 質量は最大で 35% 減少した 3.2 熱交換器のコンパクト化熱交換器は現状性能を維持しつつ, コンパクト化を図った (1) 蒸発器, 凝縮器シェル & チューブ型熱交換器である蒸発器, 凝縮器のチューブには高性能薄肉の伝熱管を採用した また, 伝熱管本数, 伝熱管長さ, 伝熱管径の組合せを見直して伝熱面積を最小化するように設定した その結果, 伝熱管本数の低減が可能となり, 従来の熱交換器と比べて円筒シェルの径を小さくした (2) プレート熱交換器サブクーラ, エコノマイザには高性能のブレージング型プレート熱交換器を採用した 特にエコノマイザは自然膨張式のフラッシュタンクからプレート熱交換器に変更したことにより, その容積は 50% 以上減少し, 充填冷媒量を大幅に削減した 3.3 制御部と操作部の分離操作部はお客様が冷凍機の操作を行う部分であり, 機械の大きさに関わらずお客様が操作しやすい位置に設置する必要がある 操作部と制御部が一体の操作盤の場合, この操作盤の寸法は大きくなる 操作盤はお客様の操作性確保のため, 機器の効率的な配置設計から独立して最外側に設置せざるを得ず, そのため, 操作盤が機器搬入の邪魔になり, 操作盤を取り外して搬入を行うケースも多い そこで, 操作部と制御部を分離し, 寸法の大きくなる制御部はお客様が頻繁にアクセスする必要がないため位置を固定した お客様の要望に応じて配置する操作部はコンパクト化し, 機器の最外寸法に影響を与えることがなく自由に配置できるようにした ( 図 2) 図 2 操作部の比較 3.4 ユニット配置における主要構成機器の空間占有率向上各構成機器のコンパクト化を行うだけではなく, 構成機器を配置する際に空間を有効に活用し, 主要構成機器の空間占有率 (= 主要構成機器が占める容積 冷凍機全体の空間容積 ) を向上させる配置設計を行った 従来の配置設計においては, 蒸発器, 凝縮器を下部に設置し, 圧縮機を凝縮器上に, サブクーラ, エコノマイザ及び操作盤は蒸発器, 凝縮器からオーバーハングした配置としていたため, 冷凍機全体の空間容積に対して主要構成機器が占める容積の割合は約 28% であった これに対し, 蒸発器上に圧縮機を設置し, 凝縮器を圧縮機横に, 凝縮器下にサブクーラ, エコノマイザ, 制御部を設置することにより主要構成機器の空間占有率を約 35% に

28 向上させた この結果, 各構成機器の容積低減率の合計では 25% 低減であったものを, 冷凍機全体の容積として最大約 40% 低減することができた ( 図 3, 表 1) 図 3 構成機器配置における空間の有効活用表 1 従来機種と GART シリーズの空間容積の比較 AART-90 GART-110 低減率 主要機器空間容積計 (m 3 ) 14.8 11.1 25% 冷凍機全体空間容積 (m 3 ) 52.6 31.3 41% 空間占有率 28.1% 35.6% 4.GART シリーズの特徴 前述の技術の採用により,GART シリーズは高効率, コンパクトの両立を達成した 以下にその特徴を示す 4.1 高効率化従来機種では JIS 条件 ( 冷水入口 12 / 出口 7, 冷却水入口 32 / 出口 37 ) での最大 COP は 6.4 であったのに対し,GART シリーズでは 1100USRt,1600USRt,2200USRt の冷凍能力の機種において, 開発目標であった COP 6.5 以上を達成した また, 部分負荷性能も向上させ, 固定速機で IPLV 7.24, インバータ機で IPLV 9.29 とし, 従来機種に対して約 6% の性能向上となった IPLV は部分負荷の性能を加味した, より実際的なターボ冷凍機の性能評価指標である ターボ冷凍機の実運転時間のほとんどは部分負荷での運転であり, 部分負荷での性能向上こそが, お客様の本当の意味での運用メリットとなる GART シリーズでは圧縮機容量制御機構である入口可変ガイドベーンの制御方式の改良により, 最大冷凍能力を向上させ, さらに圧縮機のピーク効率点を部分負荷にシフトすることを可能とした その結果, 部分負荷での COP は向上し, 定格の COP 以上に IPLV を向上させることができた 4.2 コンパクト化冷凍機の外観を図 4に示す 前述のとおり各構成機器のコンパクト化を図るとともにユニット配置設計において, 蒸発器, 凝縮器を幅方向の最外側とし, サブクーラやエコノマイザ, 制御部である回路ボックスが外側にはみ出さない配置としている GART シリーズは高性能モデルである GART-65,95,135,190,270 とコンパクトモデルである GART-75,110,160,225 を設定し, お客様のニーズの優先度に合わせて, 高性能モデル又はコンパクトモデルを選定できようにしている なお高性能型でも従来機種よりコンパクトになっている 代表冷凍能力における従来機種との空間

容積の比較を図 5に示す 最大で約 40% の低減となり, 業界最小レベルである また, 高さ方向を含めない全長と全幅の投影面積である設置面積においても, 最大約 30% の低減を達成している 29 図 4 GART シリーズのターボ冷凍機外観 図 5 従来機種と GART シリーズの空間容積の比較 5. まとめ ターボ冷凍機はお客様の熱源設備において熱源機として運転していただく機械であり, その運転に必要な電力料金の低減, 機械設置のためのスペースの低減はお客様の企業活動に直結するものである また, 経済的な側面のみではなく, 地球温暖化の抑制,CO 2 排出量の削減等, 環境負荷低減に向けた取り組みからもその役割は重要である なお, コンパクト化は設置スペース低減だけではなく, コンパクト化に伴う資材物量の低減, すなわち, 機器製作時に伴う各種エネルギー資源消費の抑制にも貢献できるものである これらのお客様の要望は, 国内外問わず同様と考えており,2014 年 2 月に発売を開始した GART シリーズが今後国内外に広く普及し, お客様や社会からの幅広い要望に対して応えていくことを期待している GART シリーズは高効率とコンパクトを両立したが, その機能がお客様の要望を未来永劫満足できるものとは考えていない 現状の機能に満足せず, 今後もお客様のお役にたてるように更なる高機能化への追及を行っていく所存である