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表 3 の総人口を 100 としたときの指数でみた総人口 順位 全国 94.2 全国 沖縄県 沖縄県 東京都 東京都 神奈川県 99.6 滋賀県 愛知県 99.2 愛知県 滋賀県 神奈川

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年齢 年齢 1. 柏 2. 名古屋 3. G 大阪 4. 仙台 5. 横浜 FM 6. 鹿島 -19 歳 0 0.0% 0 0.0% 2 2.7% 1 1.4% 3 4.0% 3 4.6% 歳 4 5.0% 5 6.7% 7 9.6% 2 2.7% 2 2.7% % 25-2

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(3) 最大較差 平成 17 年国調口平成 22 年国調口 H24.9 選挙名簿 在外選挙名簿 H25.9 選挙名簿 在外選挙名簿 最大 : 千葉 4 569,835 東京 ,677 最大 : 千葉 4 497,350 北海道 1 487,678 最小 : 高知 3 258,681 鳥取

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B 新潟県神戸市千葉市徳島県 新潟県神戸シニア選抜千葉市シニア徳島カバロスシニア (1 日目 ) 第 2 9:55-10:40 新潟県 0 ( ) 4 神戸市 (1 日目 ) 第 2 9:55-10:40 千葉市 1 ( (1 日目 ) 第 6 13:35-14:20 ) 1 徳島県 新潟県 0 (

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ぐに花粉の飛散シーズンに入らなかったのは 暖冬の影響で休眠打破が遅れたことが影響していると考えられます ( スギの雄花は寒さを経験することにより 休眠を終えて花粉飛散の準備に入ると言われています ) その後 暖かい日や風が強い日を中心にスギ花粉が多く飛びましたが 3 月中旬には関東を中心に寒い日が続

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海08:30~17:30 月火水木金土日祝北道08 健診機関リスト 北海道 リ P ト ス リ P 健診 リ P 健 健診 P 健診 リ P リ スリ 診 P リ P 健診 P 健 P ス P P P 健 P 健診 P P P P 健 健診 診 P P P リ P 機 機 P 健 ス 健 リ P P

81 平均寿命 女 単位 : 年 全 国 長野県 島根県 沖縄県 熊本県 新潟県 三重県 岩手県 茨城県 和歌山県 栃木県

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Transcription:

共同住宅の空き家について分析 - 平成 25 年住宅 土地統計調査 ( 速報集計結果 ) からの推計 - 総務省統計局では昨年 10 月 1 日 平成 25 年住宅 土地統計調査を実施し 速報集計結果を7 月 29 日に公表しました その結果 空き家数は 820 万戸と過去最高となり 全国の住宅の 13.5% を占めていることが分かりました ( 図表 1) 空き家については 少子高齢化の進展や人口移動の変化などにより 増加の一途をたどっており 管理が行き届いていない空き家が 防災 衛生 景観等の生活環境に影響を及ぼすという社会問題が起きています また 少子高齢化が進展する中 空き家の有効的な利用のための対応が各地において必要となっています 総務省統計局の住宅 土地統計調査では 空き家については 調査員が外観等から調査し 空き家の種類 ( 別荘等の二次的住宅 売却用の住宅 賃貸用の住宅及びその他の住宅 ) ごとに 外観等から判断できる建物の属性 ( 建て方 構造 腐朽破損の有無など ) に関する結果を提供しています 今回 空き家が社会にもたらすこうした影響に鑑み 統計 Today No.72 において 平成 20 年住宅 土地統計調査結果データを用いた分析と同様の手法で 平成 25 年住宅 土地統計調査の速報集計結果データを用いて 特に空き家の比重が高い共同住宅の空き家について 調査対象となった空き家と同じ建物内にある 他の居住世帯の情報などを基に 住宅の属性 ( 所有の種類 建築時期及び床面積 ) に関する指標を推計しました 空き家の現状 空き家の数は 調査の度に増加し 平成 5 年に 448 万戸だったところ 平成 25 年では 820 万戸と この 20 年間で 1.8 倍になっています また 空き家率でみると 平成 10 年に1 割を超え 11.5% となり その後も一貫して上昇を続けています ( 図表 1) 図表 1 空き家数及び空き家率の推移 - 全国 ( 昭和 38 年 ~ 平成 25 年 ) 空き家数 ( 万戸 ) 1,000 900 800 700 600 500 400 300 200 100 2.5 52 空き家数 ( 左目盛 ) 空き家率 ( 右目盛 ) 8.6 7.6 5.5 4.0 330 268 172 103 9.4 394 9.8 448 11.5 576 12.2 659 13.1 757 13.5 820 (%) 14 12 10 8 6 4 2 空き家率 0 昭和 38 年 * 43 年 * 48 年 53 年 58 年 63 年 * 印の数値は 沖縄県を含まない 平成 5 年 10 年 15 年 20 年 25 年 0 資料 : 総務省統計局 住宅 土地統計調査 ( 平成 25 年は 速報集計結果 )

平成 25 年速報集計結果データを用いた特別集計結果について 空き家の種類 建て方別にみると 賃貸用の住宅 と その他の住宅 ( 世帯が長期にわたって不在の住宅 建て替えのために取り壊すこととなっている住宅等 ) が 全体の 90% 以上を占めています また 賃貸用の住宅 を建て方別にみると 共同住宅の割合が 90% 近くになっています ( 図表 2) 図表 2 空き家の種類 建て方別空き家数 - 全国 ( 平成 25 年 ) ( 戸 ) 総数一戸建長屋建共同住宅 総数 8,196,400 2,999,400 454,000 4,713,300 二次的住宅 412,000 280,500 7,200 121,000 売却用の住宅 308,200 164,500 7,400 135,200 賃貸用の住宅 4,292,300 249,100 292,400 3,745,800 その他の住宅 3,183,900 2,305,300 146,900 711,300 資料 : 総務省統計局 平成 25 年住宅 土地統計調査 の調査情報を独自集計したもの 共同住宅の空き家に係る推計結果 共同住宅の 賃貸用の住宅 及び その他の住宅 ( 以下 賃貸用等空き家 という ) をまとめた上で 同一建物内の類似性を考慮し 以下の住宅の属性に関する結果を推計しました 所有の種類( 民営 民営以外 ) 全国 都道府県 建築時期 全国 床面積 全国 [ 所有の種類別空き家数 ] 賃貸用等空き家の 446 万戸について 所有の種類別にみると 民営の空き家が 360 万戸で 81% 民営以外( 公営 公社 給与住宅等 ) の空き家が 72 万戸で 16% となっており 民営の空き家が民営以外に比べ 5 倍の大きな値になっています ( 図表 3)

[ 建築時期別空き家数 ] また これらを建築時期別にみると 民営の空き家は 昭和 56 年 ~ 平成 12 年に建てられた住宅が 110 万戸と比較的多く この 20 年間に建てられた住宅の空き家数が 民営の空き家全体の 31% となっています ただし 建築時期が不詳の空き家も 154 万戸 (43%) と多く 留意する必要もあります 一方で 民営以外の空き家についてみると 昭和 55 年以前に建てられた住宅が 33 万戸で 民営以外の空き家全体の 45% となっています また 平成 18 年以降に建てられた住宅については5 万戸で7% と 割合としては小さいものとなっています ( 図表 4) 図表 4 賃貸用等空き家 ( 共同住宅 ) の所有の種類 建築時期別空き家数 - 全国 ( 平成 25 年 ) ( 戸 ) 計 賃貸用等空き家数 ( 参考 ) 総数民営民営以外不詳二次的住宅売却用 総数 4,713,300 4,457,000 3,599,700 720,900 136,500 121,000 135,200 ( 建築時期 ) ~ 昭和 45 年 259,500 250,700 123,700 123,300 3,700 3,000 5,800 昭和 45~ 55 年 524,400 489,100 273,200 202,500 13,400 13,500 21,800 昭和 56~ 平成 2 年 729,500 679,300 543,600 120,400 15,400 25,000 25,200 平成 3 ~ 12 年 744,200 693,900 560,400 117,900 15,500 22,200 28,100 平成 13~ 17 年 303,600 283,600 237,900 38,800 6,900 9,600 10,500 平成 18~ 22 年 310,700 288,300 248,600 33,500 6,300 9,300 13,100 平成 23~25 年 9 月 101,600 87,900 71,600 13,500 2,800 1,600 12,100 不 詳 1,739,900 1,684,100 1,540,600 71,100 72,400 37,000 18,800 [ 床面積別空き家数 ] 次に 床面積別にみると 民営の空き家については 30 平方メートル未満の住宅が 92 万戸と最も多く 民営の空き家全体の 26% を占めています 次に多いのが 30~49 平方メートルの 78 万戸 (22%) で この二つの区分を合わせた 50 平方メートル未満の住宅が 民営の空き家全体の約半数を占めており 面積規模の小さい住宅が多くなっています 逆に面積規模の大きい 70 平方メートル以上の住宅は 24 万戸で 全体の7% となっています ただし 床面積が不詳の空き家も 117 万戸 (33%) と多く 留意する必要もあります 一方で 民営以外の空き家についてみると 30~49 平方メートルの住宅が 25 万戸と最も多く 次に多いのが 50~69 平方メートルの 22 万戸となっており この二つの区分で全体の 65% を占めています また 30 平方メートル未満の住宅は 13 万戸 (18%) で 民営の同区分と比べ 低い割合になっています ( 図表 5)

図表 5 賃貸用等空き家 ( 共同住宅 ) の所有の種類 床面積別空き家数 - 全国 ( 平成 25 年 ) ( 戸 ) 計 賃貸用等空き家数 ( 参考 ) 総数民営民営以外不詳二次的住宅売却用 総数 4,713,300 4,457,000 3,599,700 720,900 136,500 121,000 135,200 ( 床面積 ) ~29m2 1,079,600 1,056,500 922,500 132,600 1,500 14,800 8,200 30~49m2 1,075,500 1,034,500 778,800 247,200 8,400 21,100 19,900 50~69m2 796,500 725,300 486,900 219,100 19,300 28,300 42,900 70~99m2 337,100 269,200 169,800 67,800 31,600 21,700 46,200 100m2~ 91,400 85,400 70,300 9,000 6,000 3,000 3,000 不 詳 1,333,200 1,286,200 1,171,400 45,200 69,600 32,100 15,000 [ 所有の種類 都道府県別民営の空き家の割合 ] 賃貸用等空き家のうち民営のものの割合を都道府県別にみると 北海道 東北では 福島県を除き いずれの県でも全国平均 (81%) を上回っています 特に青森県では 89% と 全国平均よりかなり高い割合となっています 関東では 茨城県と千葉県を除き いずれの県でも全国平均を上回っています 北陸では 新潟県で 67% と 全国平均よりかなり低い割合となっています また 石川県で 87% と 全国平均よりかなり高い割合となっています 中部では 愛知県と三重県を除き いずれの県でも全国平均を上回っています 近畿では 滋賀県を除いて いずれも全国平均を下回っており 特に兵庫県では 72% と 全国平均よりかなり低い割合となっています 中国 四国では 島根県で 68% と 全国平均よりかなり低い割合となっています また 愛媛県で 86% 高知県では 85% となっており 全国平均より高い割合となっています 九州 沖縄では 大分県で 85% 沖縄県では 90% と この2 県で全国平均より高い割合となっています 日本全体でみると 東日本では一部を除き全国平均に近い割合の県が多く 西日本では 全国平均より高い県と低い県との差が出る傾向が見られます ( 図表 6)

図表 6 賃貸用等空き家 ( 共同住宅 ) の所有の種類別空き家数及び割合 - 都道府県 ( 平成 25 年 ) 賃貸用等空き家数 ( 戸 ) 割合 (%) 総数 民営 民営以外 不詳 総数 民営 民営以外 不詳 全 国 4,457,000 3,599,700 720,900 136,500 100 80.8 16.2 3.1 北海道 233,500 194,300 31,200 8,000 100 83.2 13.3 3.4 青森県 35,100 31,200 3,300 600 100 88.9 9.4 1.6 岩手県 27,600 23,000 4,200 400 100 83.3 15.4 1.3 宮城県 56,000 48,300 6,500 1,200 100 86.3 11.6 2.1 秋田県 20,500 16,700 3,000 700 100 81.5 14.9 3.6 山形県 18,900 15,600 3,000 300 100 82.7 15.7 1.6 福島県 36,600 29,000 6,800 800 100 79.3 18.6 2.2 茨城県 95,100 75,200 16,700 3,100 100 79.1 17.6 3.3 栃木県 72,800 62,100 9,500 1,300 100 85.2 13.0 1.7 群馬県 64,400 53,900 8,800 1,700 100 83.7 13.6 2.7 埼玉県 220,900 186,100 29,200 5,600 100 84.2 13.2 2.5 千葉県 215,200 169,600 38,400 7,100 100 78.8 17.8 3.3 東京都 645,300 536,200 92,700 16,300 100 83.1 14.4 2.5 神奈川県 347,400 288,600 47,900 10,800 100 83.1 13.8 3.1 新潟県 67,100 45,200 17,100 4,800 100 67.3 25.5 7.2 富山県 22,100 17,400 4,200 500 100 78.8 19.0 2.2 石川県 37,800 32,900 4,300 600 100 87.2 11.3 1.5 福井県 20,500 14,800 5,200 600 100 72.0 25.1 2.9 山梨県 33,700 28,100 4,600 1,000 100 83.5 13.5 2.9 長野県 57,800 48,800 7,300 1,700 100 84.4 12.6 3.0 岐阜県 61,500 51,200 8,500 1,700 100 83.3 13.9 2.8 静岡県 141,000 114,300 22,400 4,300 100 81.1 15.9 3.1 愛知県 271,300 205,000 58,100 8,300 100 75.5 21.4 3.0 三重県 52,400 41,100 9,900 1,500 100 78.4 18.8 2.8 滋賀県 35,100 28,700 5,000 1,400 100 81.8 14.4 3.9 京都府 89,800 71,400 15,500 2,900 100 79.6 17.2 3.2 大阪府 444,000 349,600 78,300 16,100 100 78.7 17.6 3.6 兵庫県 194,800 140,500 46,400 7,800 100 72.2 23.8 4.0 奈良県 33,300 24,900 6,900 1,600 100 74.7 20.6 4.8 和歌山県 25,100 20,200 3,400 1,500 100 80.5 13.5 6.0 鳥取県 13,300 10,200 2,800 200 100 76.7 21.4 1.8 島根県 12,900 8,900 3,700 400 100 68.4 28.7 2.9 岡山県 56,800 47,000 8,600 1,300 100 82.7 15.1 2.2 広島県 103,900 81,100 19,200 3,600 100 78.0 18.5 3.5 山口県 43,000 34,100 7,500 1,400 100 79.3 17.4 3.3 徳島県 21,800 17,700 3,100 1,000 100 81.0 14.1 4.8 香川県 31,300 25,900 4,600 700 100 83.0 14.7 2.3 愛媛県 45,200 38,800 5,300 1,100 100 85.8 11.8 2.4 高知県 21,700 18,500 2,500 800 100 84.9 11.4 3.7 福岡県 186,900 152,500 29,400 5,100 100 81.6 15.7 2.7 佐賀県 15,800 12,100 3,100 600 100 76.7 19.4 3.9 長崎県 38,900 30,600 7,000 1,300 100 78.6 18.0 3.4 熊本県 48,200 40,700 6,300 1,300 100 84.4 13.0 2.6 大分県 36,900 31,200 4,700 1,000 100 84.6 12.9 2.6 宮崎県 25,500 20,500 4,500 500 100 80.3 17.7 2.1 鹿児島県 42,500 33,800 7,300 1,300 100 79.6 17.2 3.2 沖縄県 35,900 32,200 3,200 600 100 89.7 8.8 1.5

おわりに 平成 25 年住宅 土地統計調査の確報集計結果については 都道府県編を 10 月以降 集計が終了した県から順次公表しています 全国編については 来年の 2 月に公表をする予定です 全国編の結果の公表後 今回と同様の推計を行い HP に掲載する予定です また 住環境問題として 空き家対策の重要性は年々高まるものと考えています 今後とも住宅 土地統計調査において 我が国の空き家に関する状況が適切に把握できるよう取り組んでいきたいと考えております 本稿における推計値の算出について 所有の種類 建築時期 床面積の判別空き家と同一建物内に居住世帯のある住宅がある場合は 当該住宅の所有の種類 建築時期 床面積の情報を基に 空き家の所有の状況を統一的に決定しました また 所有の種類及び床面積については 居住世帯のある住宅の情報から判別が不能で決定できない場合 当該共同住宅の建物がある調査区情報を参考に決定しました 上記により決定できない場合は不詳としました 住宅 土地統計調査 とは総務省統計局が 全国約 350 万住戸 世帯を対象に 5 年に1 度実施している基幹統計調査で 空き家についても調査の対象としています