目次 1 本調査の目的 事業運営体制の検討... 2 ⑴ 民間事業者への市場調査を通じた 成立可能な運営体制の検討... 2 ⑵ 市場調査を踏まえた運営体制の設定 事業スキームの検討結果 VFMの検討結果 市場調査結果の概要... 9 ⑴ 回答

Similar documents
〈参考〉

第 7 章事業手法の整理 1. コンセッション等事業スキームの抽出 (1) 従来型の PFI 手法本事業の実施において想定される官民連携スキームは以下の通りである スキームごとの詳細な内容については次頁以降にて解説する なお 本事業では盛岡市 岩手県の共同事業を想定しているが 事業実施時の発注機関は

( 仮称 ) 宇治川太閤堤跡歴史公園整備運営事業特定事業の選定 宇治市 ( 以下 市 という ) は 民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律 ( 平成 11 年法律第 117 号 以下 PFI 法 という ) 第 7 条の規定により ( 仮称 ) 宇治川太閤堤跡歴史公園整備運営事

Microsoft Word - PPPPFI手法導入における優先的検討に係る指針

手法 という ) を検討するものとする この場合において 唯一の手法を選択することが困難であるときは 複数の手法を選択できるものとする なお 本規程の対象とする PPP/PFI 手法は次に掲げるものとする イ民間事業者が公共施設等の運営等を担う手法ロ民間事業者が公共施設等の設計 建設又は製造及び運営

国立大学法人富山大学 PPP/PFI 手法導入優先的検討要項

<4D F736F F D2092B789AA8E EE B193FC974490E693498C9F93A28B4B92F E378DF492E8816A2E646F6378>

豊橋市 PPP/PFI 手法導入優先的検討方針 効率的かつ効果的な公共施設等の整備等を進めることを目的として 多様なPPP/P FI 手法導入を優先的に検討するための指針 ( 平成 27 年 12 月 15 日民間資金等活用事業推進会議決定 ) に基づき 公共施設等の整備等に多様なPPP/PFI 手

特定事業の選定について 1 事業概要 大阪大学 ( 吹田 1) 研究棟改修 ( 工学部 ) 施設整備等事業 ( 以下 本事業 という ) は PFI 法に基づき 選定事業者が大阪大学 ( 吹田 1) の教育研究施設 ( 以下 本施設 という ) を整備 ( 設計 改修 新営 ) し 維持管理業務 並

墨田区 PPP/PFI 手法導入 優先的検討指針 平成 30 年 1 月 墨田区 - 1 -

RO ( 改修 Rehabilitate- 運営等 Operate) 方式ハ民間事業者が公共施設等の設計及び建 BT( 建設 Build- 移転 Transfer) 方式設又は製造を担う手法民間建設借上方式 2 優先的検討の対象とする事業及び検討開始時期一優先的検討の対象とする事業建築物の整備等に関

Microsoft Word - H290324優先的検討規程(裁定).docx

<4D F736F F D2089C2945C90AB92B28DB895F18D908F918A C FC8E448E518D6C8E9197BF816A2E646F6378>

山梨県 PPP/PFI 導入指針 1 総則一目的本指針は PPP/PFIの手法の導入検討を行うに当たって必要な手続を定めることにより 新たな事業機会の創出や民間投資の喚起を図り 効率的かつ効果的に社会資本を整備するとともに 県民に対する低廉かつ良好なサービスの提供を確保することを目的とする 二 定義

PowerPoint プレゼンテーション

平成 29 年 4 月 1 日規程第 18-5 号国立研究開発法人国立がん研究センター PPP/PFI 手法導入優先的検討規程 ( 目的 ) 第 1 条この規程は 国立研究開発法人国立がん研究センター ( 以下 センター という ) の公共施設等の整備等における優先的検討を行うに当たって必要な手続を

<4D F736F F D208AEE967B8C7689E65F DC58F4994C58EA993AE8D C882B5>

相模原市PPP/PFI手法導入優先的検討方針

PowerPoint プレゼンテーション

<4D F736F F D20815A96BC8CC389AE91E58A E EE B193FC974490E693498C9F93A297768D802E646F6378>

<4D F736F F D20956C8FBC88E389C891E58A E EE B193FC974490E693498C9F93A28DD791A52E646F63>

1 事業概要 (1) 事業名称 ( 仮称 ) 鳩山新ごみ焼却施設整備 運営事業 (2) 対象となる公共施設等の種類ごみ処理施設 (3) 公共施設等の管理者埼玉西部環境保全組合管理者 藤縄善朗 (4) 事業目的埼玉西部環境保全組合 ( 以下 本組合 という ) は 鶴ヶ島市 毛呂山町 鳩山町及び越生町

福島市 PPP/PFI 手法導入 優先的検討ガイドライン 平成 29 年 2 月福島市



⑴ ⑵ ⑶

⑴ ⑵ ⑶

⑴ ⑵ ⑶

⑴ ⑵ ⑶

⑴ ⑵ ⑶

⑴ ⑵ ⑶ ⑷ 1

目 次 第 1 審査概要 本書の位置づけ 審査方式 審査体制... 1 第 2 優先交渉権者決定の手順 参加資格審査 基礎審査 加点審査 優先交渉権者の決定... 6 別紙 1 提案内容の審査項目及び評

H26案件形成支援_日野市②

奈良県 PPP/PFI 手法導入優先的検討規程 厳しい財政状況の中で 本県の公共施設等の整備や運営を効率的かつ効果的に進めるとともに 奈良県公共施設等総合管理計画の着実な進捗のためには これまで以上に民間との連携を図り その資金 能力 ノウハウ等を積極的に取り入れていくべきである そこで 本県におけ

⑵ ⑶ ⑷ ⑸ ⑴ ⑵

Microsoft Word 㕕客観çı—ã†ªè©Łä¾¡ã†®çµ’æžœã••.docx

shiryo3_syuusei


参考資料 5 用語集 SPC( 特別目的会社 ) SPC(Special Purpose Company) は特別目的会社ともいわれ プロジェクトファイナンスにおいては 特定のプロジェクトから生み出されるキャッシュフローを親会社の信用とは切り離す事がポイントであるが その独立性を法人格的に担保すべく



設 機能の見直しハード面の効率化財源確保1-3. 再配置パターン ( 手法 ) の考え方 再配置計画の検討に向けて 公共施設の再配置を う場合の基本的なパターン ( 手法 ) について整理し それらの効果についても確認していきます 施設の再配置にあたっては 厳しい財政状況の中 人口が減少傾向にあるこ

-2 -



はじめに 豊岡市 ( 以下 市 という ) は 植村直己冒険館機能強化改修運営事業 ( 以下 本事業 という ) について 民間の資金 経営能力及び技術的能力の活用を図るため 民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律 ( 平成 11 年法律第 117 号 以下 PFI 法 という

創意工夫 ノウハウを活用することにより 公共サービスとしての質の向上や効率化を図るところにある 設計 施工一体型発注方式等の他の事業とPFI 事業との違いは PFIにおいては PFI 事業者に PFI 事業者が管理することが効率的な事業リスクを移転し 全体としてリスク管理のコスト低減を図るとともに


山口県 PPP/PFI 手法導入優先的検討指針 極めて厳しい財政状況の下 公共投資額をできる限り抑制しながら 住民生活や経済活動等に必要な社会資本を整備し 効率的 効果的な公共サービスを提供することが 公共施設等の管理者に課せられた重要な政策課題となっている こうした中で PPP(Public Pr

H28秋_24地方税財源

untitled

事業手法の検討

鈴鹿市不燃物リサイクルセンター 2 期事業 特定事業の選定について 平成 19 年 4 月 12 日

1.UR 都市機構における再開発共同事業者エントリー制度の概要 1 参考資料 1

特定事業の選定について Ⅰ. 事業概要 ( 仮称 ) 道の駅ようか 整備事業 ( 以下 本事業 といいます ) の概要は次のとおりです 1. 事業内容 ( 仮称 ) 道の駅ようか 実施方針( 平成 17 年 1 月 14 日公表 ) に基づき 選定事業者は市が無償提供する造成地に 地域産業振興 地域

民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律 ( 平成 11 年法律第 117 号 以下 PFI 法 という ) 第 7 条の規定に基づき 大阪市海老江下水処理場改築更新事業 ( 以下 本事業 という ) を特定事業として選定したので 同法第 11 条の規定に基づき特定事業の選定に係る

untitled

PFI 事業導入可能性調査報告書 平成 30 年 3 月 鳥栖 三養基西部環境施設組合



2 採用する受注者選定方式の検討について廃棄物処理施設整備事業で一般的に採用されている受注者選定方式は表 -2のとおりです 受注者選定方式の検討に際しての論点を下記に整理しましたので 採用する受注者選定方式について審議をお願いいたします 本施設に求められる5つの整備基本方針に合致した施設の整備運営に

第 1 回専門部会資料 4 事業方式と事業期間の検討 ( 案 ) 1. 事業方式の検討 (1) 想定する事業方式今回 新ごみ処理施設の整備 運営に係る事業方式として考えられるものを以下に示します 公設公営 直営運転 ( 従来方式 ) 資金調達 ごみ処理施設の整備 運営事業の種類 設計建設 公共公共

添付 A02 筑波大学附属病院病棟 B 改修事業にかかる技術提案 交渉方式 ( 設計交渉 施工タイプ ) による公募型プロポーザル優先交渉権者決定基準 2019 年 1 月 15 日 国立大学法人筑波大学

2) 抽出された事業スキームの比較 1 各手法のメリット デメリット事業スキームについては 実施中の民間事業者へのヒアリングの結果を参考にして 決定することになるが 各手法のメリット デメリットは下表の通りとなる 表 : 各手法のメリット デメリット 事業スキームメリットデメリット PFI(BTO)

所沢市 ( 以下 市 という ) は 民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律 ( 平成 11 年法律第 117 号 )( 以下 PFI 法 という ) 第 8 条第 1 項の規定により 所沢市民文化センター改修事業 ( 以下 本事業 という ) を実施する民間事業者を選定したので

評価(案)「財務省行政情報化LANシステムの運用管理業務」

PowerPoint プレゼンテーション

公共建築改善プロジェクト(仮)

浜田市事務事業の外部化 ( 民間委託等 ) に関する指針 の 策定について 平成 25 年 5 月浜田市行財政改革推進本部 浜田市では 平成 17 年 10 月に市町村合併を行い 平成 18 年 2 月に 浜田市行財政改革大綱 を策定して 平成 22 年度までの 5 年間で改革に取り組んできました

(3) 中規模改修工事費 建設年代別にm2単価を設定する 大規模改修後及び改築後は 水準別にm2単価を設定し 冷房設備ありの場合は別途m2単価を設定して加算する 表 中規模改修工事費 大規模改修前 大規模改修後 改築後 中規模改修建設年代改築後改築後大規模改修後円 / m2従来改築一般施

サービス購入費 A-1 提案書 ( 様式 7-7b) 一括支払施設整備費 金額消費税及び地方消費税合計 Ⅰ. 設計業務に係る費用の 100 分の 30 Ⅱ. 建設業務に係る費用の 100 分の 30 合計 (Ⅰ+Ⅱ) A4 版縦 1 枚 他の様式と関連のある項目の数値は 整合を取ること 物価変動及び

を得ないと認めるときは 当該住宅に居住する世帯の世帯主であること ⑶ 補助金の申請時において 補助金の対象となる住宅の所有者 ( 所有者が2 人以上いるときは その全員 ) が市税 ( 所沢市税条例 ( 昭和 25 年告示第 7 6 号 ) 第 3 条に掲げる税目をいう 以下同じ ) を滞納していな

日本基準基礎講座 有形固定資産

( 裏 ) 工事等の概要7東京消防ビル 2 階の東京消防オフィスのテナント入居に伴う使用開始の届出である 添付書類のとおり 8 配置図 備考 1 届出者が法人の場合 氏名欄には その名称及び代表者氏名を記入すること 2 同一敷地内に管理権原が同一である 2 以上の防火対象物がある場合は 主要防火対象

PowerPoint プレゼンテーション

防衛省優先的検討規程について(通知)

Microsoft Word - 19 ‚¾Šz”©fi®”Ô.doc

2 ( 178 9)

Microsoft Word - 03_ 様式集(表紙・目次)

281

<8F5A91EE838A B83808F9590AC E786C73>


7 仕様書 3ページ 11 策定委員会 のメンバー構成が決まっていれば ご教示いただけますでしょうか 8 その他新施設の敷地の候補地について 開示できるようであればお示しください 9 実施要項 1ページ 2⑸ ここに示されている 消費税額及び地方消費税額 は 契約時の8% を見込むという理解でよろし

資料 5 公共施設更新コスト試算 1 試算ケース ケース1: 旧耐震基準のうち 築 60 年以上は建替え それ以外は大規模改修 新耐震基準は老朽箇所修繕 耐用年数を 60 年と想定した場合 旧耐震基準の施設のうち 築 60 年以上の施設は 築 60 年が経過した施設から建替える 建替え対象以外の旧耐

VFM(Value For Money)に関するガイドライン        

第 10 章 PFI 導入可能性調査 1. 事業費の検討建設工事費及び維持管理運営費について 市 県の負担額をそれぞれ算定した ただし 以下は参考値に過ぎないため 以下以外の費用 ( 設計費 SPC 関連費用 金利等 ) を含め 負担割合は市県が協議のうえ定めることが望ましい (1) 施設整備費の検

<4D F736F F D D A8E4F8E9F8E73838A B83808E E968BC695E28F958BE08CF D6A>

表紙

Microsoft PowerPoint アンケート調査

Microsoft Word - 02_21 衛星通信車調達仕様書

1 はじめに 私たちが普段何気なく使っている市立図書館 各々の市立図書館には開館時間 貸出制度等の違いがあり 中でも他の市立図書館より開館時間が長い桑名市立中央図書館に注目してみたところ 桑名市立中央図書館は日本で初めて PFI 事業によって運営されている図書館ということを知った なぜ桑名市は PF

数値目標は選定時に設定した数値であり 市設定の数値を上回る目標を指定管理者が設定している場合 市設定の数値は括弧書きで表している (2) その他利用状況を示す指標指標選定時は未設定選定時は未設定 実績 4 収支状況 (1) 必須業務収支状況 その他収入 合計 ア収入 指定管理料 費目 利用料金収入

(Microsoft PowerPoint \213\246\211\357\203Z\203~\203i\201[.ppt)

< 目次 > 第 1 事業者選定基準の位置づけ... 1 第 2 事業者選定の方法 選定方法の概要 事業者選定の体制 共通事項... 1 第 3 審査の手順... 2 第 第一次審査 資格審査 実績等審査... 3 第


⑴ ⑵ ⑶

図 12 HACCP の導入状況 ( 販売金額規模別 ) < 食品販売金額規模別 > 5,000 万円未満 ,000 万円 ~1 億円未満 億円 ~3 億円未満

2

( 仮称 ) 大阪新美術館の運営への PFI 手法導入に向けた マーケット サウンディング ( 市場調査 ) 実施要領 平成 29 年 11 月 大阪市経済戦略局

日本標準産業分類による飲食サービス業をいう ⑽ 生活関連サービス業 日本標準産業分類による生活関連サービス業をいう 3 対象工事 ⑴ 平成 30 年 4 月 1 日以降に着工し 平成 31 年 3 月末日までに完了検査を受けることができる次に掲げる工事を対象とする 1 住宅リフォーム工事ア住宅または

Transcription:

草加市市民温水プール PFI 導入可能性調査報告書 概要版 平成 28 年 3 月 草加市

目次 1 本調査の目的... 2 2 事業運営体制の検討... 2 ⑴ 民間事業者への市場調査を通じた 成立可能な運営体制の検討... 2 ⑵ 市場調査を踏まえた運営体制の設定... 3 3 事業スキームの検討結果... 5 4 VFMの検討結果... 7 5 市場調査結果の概要... 9 ⑴ 回答事業者の概要... 9 ⑵ PFI 等導入による事業費の削減率... 9 ⑶ 建設等の工程... 11 ⑷ 事業期間... 12 ⑸ 事業手法... 12 ⑹ 本事業への参画意向... 12 6 総合評価... 14 ⑴ 定量的評価のまとめ... 14 ⑵ 定性的評価のまとめ... 14 ⑶ 総合評価... 14 1

1 本調査の目的 本調査は 草加市 ( 以下 市 という ) が建て替えを計画する市民温水プールについて 民間事業者と連携を図りつつ 財政負担の軽減を実現する手法として考えられる 民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律 ( 平成 11 年法律 117 号 ) が定める事業手法を導入して整備することについて 実施の適正について評価することを目的とするものである 2 事業運営体制の検討 ⑴ 民間事業者への市場調査を通じた 成立可能な運営体制の検討本調査では 表 2の施設の運営手法 ( 民間事業者と体育協会との業務分担パターン ) をもとに 市場調査を通じて PFI 1 等事業と体育協会との役割分担のあり方について民間事業者の意向を把握した 市場調査での質問内容は 以下のとおりとし アンケート形式にて実施した後 補足ヒアリングを実施した 調査対象は 代表企業として類似の PFI 事業の経験を有する企業とした 表 1 市場調査における PFI 等事業と体育協会との役割分担に関する質問内容 運営業務の実施体制の方向性現状と同様に運営は体育協会が実施する場合について運営の一部のみを体育協会が実施する場合について 民間事業者への質問内容運営を体育協会が実施する場合 運営を民間事業者が実施する (PFI 事業範囲に含める ) 場合での比較 設計 建設 維持管理に関する削減率への影響 本事業への参画意向への影響 想定されるサービス内容 水準コンソーシアムの組成における運営企業についての考え どのような運営企業を想定するか 代表企業 構成企業 下請企業のいずれでの参加か 本事業に参画可能と考える 民間事業者と体育協会との役割分担 (5つのパターンより選択) 体育協会との共同での運営業務実施の可能性や留意点 1 Private Finance Initiative の略 公共事業を実施するための手法の一つ 民間の資金と経営能力 技術力 ( ノウハウ ) を活用し 公共施設等の設計 建設 改修 更新や維持管理 運営を行う公共事業の手法 2

表 2 民間事業者と体育協会との業務分担パターン 諸室想定される業務内容パターン 1 パターン 2 パターン 3 パターン 4 パターン 5 受付 利用受付 料金徴取 施設 備品貸出 健康増進アドバイス 体育協会体育協会体育協会 全体 : 民間事業者民間事業者プール : 体育協会 温水プール 温水プール管理 ( 安全管理 衛生管理 ) 温水プールでの各種教室の企画 実施 体育協会体育協会体育協会体育協会民間事業者 屋内体育館 清掃管理 ( 日常清掃 ) 体育館での各種教室の実施 任意 体育協会体育協会体育協会民間事業者民間事業者 スタジオ等 トレーニング室管理 ( 安全管理 ) スタジオでの各種教室の企画 実施 体育協会体育協会民間事業者民間事業者民間事業者 物品販売 : スポーツ用品の販売 ( 店舗設置は必須ではない ) 体育協会体育協会民間事業者民間事業者民間事業者 フリースペース 会議室 飲食提供 : 自販機 売店 喫茶店等の設置 清掃管理( 日常清掃 ) ホール等でのイベント等の企画 実施 任意 清掃管理( 日常清掃 ) 会議室での各種教室の企画 実施 任意 体育協会民間事業者民間事業者民間事業者民間事業者 体育協会民間事業者民間事業者民間事業者民間事業者 体育協会民間事業者民間事業者民間事業者民間事業者 温浴施設 温浴施設管理 ( 衛生管理 ) 体育協会民間事業者民間事業者民間事業者民間事業者 ⑵ 市場調査を踏まえた運営体制の設定 体育協会との役割分担について 市場調査を通じた把握した民間事業者の意見は 以下の内容に集約された ア PFI 等事業における運営業務のあり方 PFI 等事業の中で運営業務も扱うのであれば 全ての施設 内容を PFI 等事業とす ることが望ましい ( 前述の パターン 5 に該当 ) イ 体育協会との役割分担の可能性 一部の業務を体育協会と分担する必要がある場合 体育協会による運営は体育館のみとし その他は全て PFI 等事業とすることが望ましい ( プール スタジオ トレーニング室の運営を PFI 等事業に含めることは必須条件とする ) PFI 等事業が施設の運営全体を担い その中で 体育協会が市の事業 ( 健康づくり等のソフト事業 ) の担い手として施設利用をする方法は 実現性が高い ウ 体育協会との協働の可能性 体育協会が 本事業のコンソーシアムの構成員となるような条件は 避ける必要がある ( 体育協会の運営に関するリスクも全て民間事業者が追う必要が生じるため ) 体育協会も PFI 等事業への参加事業者とすることは 避ける必要がある ( 体育協会を取り込んだコンソーシアムが決定的に有利となり 公平な競争環境が確保されなくなるため ) 3

上記の結果をもとに 民間事業者の意向と市の方針を整理し 役割分担の設定を行った 市の方針では 体育協会が運営するスポーツ施設 ( 温水プール 体育館等 ) について その余剰スペースの活用を民間事業者が担い 癒しの空間 交流空間等に関する自主事業を実施することを期待していた ところが 民間事業者のサウンディング調査の結果では 余剰スペースの活用にかかる自主事業の実施は難しく 例えば温浴施設や飲食等の運営を実施する場合には 民間事業者が需要リスクを持たない事業形態とする必要があるとされた また 民間事業者が施設運営に関与する場合には 温水プールを含めたスポーツ施設全体の運営を希望しており 体育協会と民間事業者との役割分担を前提とする市の方針との整合を図ることが難しいことが確認された こうしたことから 体育協会と民間事業者との協働 ( 併用 ) による運営の実現は難しく 運営業務の全てを体育協会とする パターン 1 を本事業の運営体制とすることとした 4

3 事業スキームの検討結果 市場調査等を通じて検討した結果 事業スキームは以下のとおりとする 項目 所在草加市柿木町 163-1 敷地面積 5,42 m2 建設概要建築面積 3,03 9m2 延床面積 4,79 1m2 (1F 床面積 ) 3,03 9m2 (2F 床面積 ) 1,55 4m2 (3F 床面積 ) 198 m2 施設整備概要温水プールプールエリア ギャラリー 職員更衣室 救 事業方式 屋内体育施設 温浴施設 交流スペース フリ ースペース その他 護室 監視室 採暖室 談話室 更衣室 シ ャワー トイレ 倉庫 機械室 体育館 スタジオ トレーニング室 倉庫 浴室 オープンギャラリー ホール 会議室 休憩 室 防災倉庫 PFI(B TO) 方式もしくは DBO 方式を基本とす 支払形態サービス購入型 ( 支払期間 :15 年 ) 事業期間設計期間設計期間として 6~10 ヶ月程度を想定する 民間事業者の事業範 囲 解体工事期間 建設期間 維持管理期間 設計 る 解体工事期間として 4~8 ヶ月程度を想定 する 建設工事期間として 18 ヶ月程度を想定す る 維持管理に係る業務期間を 15 年と設定する 事前調査業務 ( 必要に応じて現況測量及び 地盤調査 土壌汚染調査等 ) 設計業務 電波障害調査業務 本施設整備に伴う各種申請等の業務 その他 業務を実施する上で必要な関連業 5

建設 工事管理業務 維持管理 務 建設工事及びその関連業務( 外構工事費等を含む ) 備品 備品等設置業務 工事監理業務 建設に伴う各種申請等の業務( 建築確認申請等 ) 近隣対応 対策業務( 周辺家屋影響調査も含む ) 国庫補助金申請図書作成補助業務 電波障害対策業務 本施設の引渡し業務 既存施設の解体 撤去業務 建築物保守管理業務 建築設備 機器等保守管理業務 什器 備品等保守管理 更新業務 外構等維持管理業務 環境衛生 清掃業務 保安警備業務 修繕業務( 建築 建築設備 外構等 ) 6

4 VFM の検討結果 事業スキームをもとに 15 年間における従来手法の事業費 (PSC 2 ) と PFI 的手法 (DBO 3 方式 ) 及び PFI 手法 (BTO 4 方式 ) で実施した場合の事業費を比較検討することにより VFM を算出した結果 PFI 的手法 (DBO 方式 ) の場合には現在価値換算で 3.6% PFI 手法 (BTO 方式 ) の場合 3.8% のVFM 5 が期待できるという結果が得られた 表 3 総事業費の算定結果 PSC PFILC C 6 (DBO 方式 ) PFILC C (BTO 方式 ) 1 施設整備費分負担総額交付金 132,527 132,527 132,527 起債 ( 元本 ) 1,850,727 1,708,273 1,708,273 起債 ( 利息 ) 268,706 248,434 248,434 一般財源 1,122,721 1,039,333 569,418 SPC 7 借入 ( 元本 ) 0 489,915 SPC 借入 ( 利息 ) 0 94,917 小計 3,374,681 3,128,568 3,243,485 2 維持管理 運営費分負担総額 (SPC の利潤含む ) 412,676 412,926 454,526 3 その他経費 ( コンサルタントフィー ) 87,110 87,110 4 市税収入 (SPC 法人市民税より ) (941) (1,468) 財政負担総額 (FV 8 ) 3,787,357 3,627,662 3,783,652 (NPV 9 ) 3,089,821 2,978,208 2,972,930 表 4 VFM の算定結果 VFM 算定結果 ( 税抜 ) DBO 方式 BTO 方式 VFM( 現在価値への換算前 ) VFM( 現在価値への換算後 ) 削減額 159,6 95 千円 3,70 5 千円 削減率 4.2% 0.1% 削減額 111,6 13 千円 116,8 90 千円 削減率 3.6% 3.8% 2 Public SectorComparator の略 公共が自ら実施する場合の事業期間全体を通じた公的財政負担の見込額の現在価値をいう 提案されたPFI 事業が従来型の公共事業に比べ VFMが得られるかの評価を行う際に使用される 3 Design Build Operate の略 資金調達は自治体が行うが 設計 建設 長期運営まで一括して民間企業が行う手法である 4 BuildTransferOperate の略 民間事業者が施設等を建設し 施設完成直後に公共施設等の 7

管理者等に所有権を移転し 民間事業者が維持 管理及び運営を行う事業方式 5 ValueForMoney の略 支払 (Money) に対して最も価値の高いサービス (Value) を供給するという考えのこと 6 LifeCycleCost の略 プロジェクトにおいて 計画から 施設の設計 建設 維持管理 運営 修繕 事業終了までの事業全体にわたり必要なコストのこと 7 SpecialPurposeCompany の略 ある特別の事業を行うために設立された事業会社のこと P FIでは 公募提案する共同企業体 ( コンソーシアム ) が 新会社を設立して 建設 運営 管理にあたることが多い 8 Future Value の略 将来価値とも呼ばれ 現在の対象となるものの貨幣価値が将来いくらになっているかを算出したものをいう 9 NetPresentValue の略 投資金額の現在価値と回収の現在価値の差であり 将来のキャッシ ュフローを予測する指標として用いる 8

5 市場調査結果の概要 ⑴ 回答事業者の概要本調査への回答事業者数は 26 者であり 総合建設業 13 者 運営 5 者 維持管理 6 者 ( ビルメンテナンス : うち 2 者は運営も実施することがあると回答 ) その他 2 者 ( プールメーカー : 総合建設業の参画実績を有するマネジメント企業 : ) であった 図 1 回答企業の業種 業種総合建設運営ビルメンテナンス運営 ビルメンテナンスその他 13 者 5 者 4 者 2 者 2 者 ⑵ PFI 等導入による事業費の削減率 事業費の削減率については 下記の方法にて集計対象を設定し 削減率を検討した 表 5 事業費の削減率の集計 項目 集計対象 方法 削減率 建設費 本事業への参画意向があった建設企業 (7 者 ) の回答の加重 7.5% 平均 運営費 本事業への参画意向があった建設企業 (5 者 ) の回答の加重 7.0% 平均 維持管理費 本事業への参画意向があった建設企業 (3 者 ) の回答の加重平均 7.5% 9

図 2 建設工事費のコスト縮減率 コスト縮減の効果 0%~ 5%~ 10%~ 15%~ 20%~ 25%~ 分からない未回答 5 者 図 3 運営費のコスト縮減率 コスト縮減の効果 0% 0%~ 5%~ 10%~ 15%~ 20%~ 25%~ 分からない未回答 2 者 図 4 維持管理費のコスト縮減率 コスト縮減の効果 0%~ 5%~ 10% 10%~ 15%~ 20%~ 25%~ 分からない未回答 2 者 10

⑶ 建設等の工程設計 建設 解体の工事期間に関する建設企業の回答は 以下の通りであった また 解体事業を本事業に含めることの適否については 約半数 (7 者 46.7%) の建設企業が 含めても問題はない と回答していた 図 5 想定する設計期間 設計期間 5ヶ月 6ヶ月 7ヶ月その他 9ヶ月 ( ) 10 ヶ月 (2 者 ) 12 ヶ月 ( ) 未回答 5 者 4 者 4 者 図 6 想定する建設工事期間 建設工事期間 15 ヶ月 3 者 18 ヶ月 6 者 21 ヶ月 3 者その他 未回答 図 7 想定する解体工事期間 解体工事期間 3ヶ月 4ヶ月 5ヶ月その他 6ヶ月 6~8ヶ月 杭抜きを含まず 5ヶ月 ( ) 未検討のため回答不能未回答 3 者 4 者 4 者 2 者 11

⑷ 事業期間本事業を PFI 等の事業手法で実施する場合の望ましいと考える事業期間については 15 年程度 (17 者 ) が最も多く 次いで 10 年程度 (4 者 ) となった( 図 8) :26 図 8 望ましいと考える事業期間 事業期間 10 年程度 15 年程度 20 年程度どれでもよい未回答 4 者 17 者 3 者 2 者 ⑸ 事業手法 PFI 等の事業手法について 望まれる事業方式を複数回答で質問した結果 PFI(BTO) (19 者 ) が最も多く ついで DBO(9 者 ) となった ( 図 9) :32 図 9 望まれる事業方式 事業方式 PFI(BTO) PFI(BOT) DBO どれでもよい未回答 19 者 9 者 3 者 ⑹ 本事業への参画意向本事業への参加については 参加したい (12 者 ) と 積極的に参加したい(6 者 ) が多かった :26 参加意向を示した企業 (18 者 ) を業種別に見ると 建設企業は 13 者中 7 者 運営企業は 5 者中 5 者 維持管理企業は 6 者中 3 者が 参加意向を示す結果となった 参加意向を示した企業 (18 者 ) のうち 本事業への参加については コンソーシアムメンバー ( 出資する )(12 者 ) と コンソーシアム代表 ( 出資する )(6 者 ) が多かった :19( が複数回答したため ) 12

表 6 本事業への参画意向の概要 積極的に参加 参加 合計 建設企業 代表企業 4 者 5 者 構成企業 3 者 3 者 運営企業 代表企業 構成企業 4 者 5 者 維持管理企業 代表企業 構成企業 2 者 3 者 その他 代表企業 ( プールメーカ 構成企業 ー ) 合計 6 者 12 者 18 者 図 10 本事業への参加について 参加意向積極的に参加したい参加したい参加は難しい参加できないその他未回答 6 者 12 者 5 者 2 者 図 11 本事業への参加組織形態 参加組織形態コンソーシアム代表 ( 出資する ) コンソーシアムメンバー ( 出資する ) 下請企業 ( 出資しない ) 分からない未回答 6 者 12 者 13

6 総合評価 ⑴ 定量的評価のまとめ市の財政負担総額は 実質財政負担額 (FV) 割引率 9 4.0% で現在価値化をした額 (NPV) とも 従来手法に比べ PFI 的手法 (DBO 方式 ) PFI 手法 (BTO 方式 ) の削減効果が高い結果となり 優位性があることが確認された 実質財政負担額 (FV) では PFI 的手法 (DBO 方式 ) の削減効果が最も大きかったが 割引率 4.0% で現在価値化した場合の財政負担額 (NPV) では PFI 手法 (BTO 方式 ) の削減効果が最も大きく VFM が最大となる結果を得た 初期投資費に係る財政負担の平準化効果については 起債と一般財源とで資金調達をする従来手法と PFI 的手法 (DBO 方式 ) と比較して 民間資金も活用する PFI 手法 (BTO 方式 ) の方が 優位性があることが確認された 市では 学校施設の耐震化や市庁舎の建替え等の事業も並行して実施する必要があり これらは本施設と比較し 一般財源の活用の優先順位が高い施設である 一方 本施設も 住民還元施設としての位置づけから 一般財源の活用の優先順位は比較的高い 一般財源を効果的に活用しつつ 市の財政状況を鑑みると 本事業の実施において財政負担の平準化を追求することは重要であることから 定量的評価では PFI 手法 (BTO 方式 ) が適した手法であると考えられる ⑵ 定性的評価のまとめ市が本事業に求める条件として 以下の点を重視しており 定性的評価では PFI 的手法 (DBO 方式 ) PFI 手法 (BTO 方式 ) が効果的であると考えられる 〇民間事業者のノウハウや創意工夫の最大限の発揮 ( 設計 建設 維持管理の各段階において ) 〇建設コスト 工期の安定性 維持管理 修繕に係る費用負担の平準化〇事後保全から予防保全への転換 施設の長寿命化なお 従来手法は 設計と建設を分離発注することから 設計期間中に 住民意向を丁寧に反映し 導入機能 施設規模を大がかりに変更 精査するといった進め方にも対応しやすい点は評価できる 一方 これらの要件は 設計着手前 すなわち事業発注前に固めておくことも可能であり DBO 方式 BTO 方式で実施する場合には あらかじめ住民意向等を把握し 要求水準書等へ反映しておく必要がある ⑶ 総合評価本検討結果から この条件で進める場合の事業手法としては PFI 手法 (BTO 方式 ) による事業の実施が適していると考えられる 14

9 現在価値を算出する際に用いる利率のこと 割引率については リスクフリーレート ( 無リスクで運用できる金融商品の利回り ) を用いることが適当である 15