山形県県土整備部における資材単価及び歩掛等の決定方法 1 適用 1-1 適用範囲この決定方法は 山形県県土整備部が行う土木工事及び委託業務等の積算に用いる資材単価 市場単価 損料 積算基準 ( 歩掛 施工パッケージ型積算方式 ) 等に適用する 1-2 適用月日この決定方法は 単価適用月日 : 平成 27 年 10 月 1 日以降の設計書から適用する 2 資材単価について使用頻度の高い資材等については 県土整備部建設企画課において 以下に基づき 土木関係設計単価 ( 以下 県単価表 という ) として決定する なお 県単価表に掲載されていない資材等については 実勢取引価格 ( 消費税相当分は含めない ) を採用することとし 以下により決定することを標準とする 2-1 資材単価の決定方法単価決定方法の優先順位は以下の ア イ ウ の順とする ア. 物価資料による場合物価資料とは ( 一財 ) 建設物価調査会発行の 建設物価 ( 月間版 Web 版 ) 及び( 一財 ) 経済調査会発行の 積算資料 ( 月間版 電子版 ) をいう a) 物価資料に掲載されている実勢価格の平均値を採用する 決定資材単価は 平均価格を切捨てし 物価資料と同じ単位にまとめる 一方の物価資料にしか掲載のないものについては その価格を採用する 該当する掲載都市がない場合は 以下の優先順位により 現場から近い地域名の価格を採用する 山形 東北 仙台 全国 b) 物価資料において 公表価格として掲載されている資材価格は メーカー等の販売希望価格であり 実勢価格と異なるため 積算には使用しない ただし 公表価格で 割引率 ( 額 ) の表示がある資材については その割引率 ( 額 ) を乗じた ( 減じた ) 価格を採用する 1
イ. 特別資料による場合特別資料とは 下記の資料をいう 1 資材の実勢価格を適切に把握できる調査機関に委託して調査 ( 以下 特別調査 という ) した資料 2 山形県農林水産部制定の 建設工事労務資材単価表 3 他の公的機関が公表している単価資料 4 協会等 ( 公益法人 メーカー等で構成する団体 ) の単価資料 a) 特別調査の対象資材 橋梁上部工工事で設置するゴム支承 一工事における調達価格 ( 単価 数量 ) が100 万円以上となるもの b) 採用価格の決定 特別資料 1 及び2については 当該資料の価格をそのまま採用する 特別資料 3 及び4については 妥当性 ( 類似品価格との比較等 ) を判断し 採用可能とする ウ. 見積書による場合 見積対象資材 上記 ア 及び イ により難い場合 1 一工事における調達価格が100 万円未満の場合 2 特別調査の対象資材であるが 特別調査 ( 単価契約方式 ) において 調査適用外 ( 調査不可能 ) となった場合 3 ( 製造 ) メーカー 1 社の直販による 特許製品 等 市場に競争性がない場合 4 土木関係設計単価のうち建設廃棄物処理単価で受入れ条件により別途対応が必要な場合 a) 見積条件の提示形状寸法 品質 規格 数量 納期 納入場所 受渡し方法 見積有効期限等の条件に加え 公表価格 ( 定価 ) ではなく 実勢取引価格としての見積依頼であること及び設計図書に関する公文書開示請求を受けた際には 採用価格を公開することを必ず文書に明記する また 必要に応じて 県単価表 物価資料及び特別資料における類似品と比較できるように見積を依頼する b) 見積社数原則として3 社以上に見積を依頼する なお 見積書が3 社に満たない場合は その理由を明確にしておく 2
ただし 上記 3 及び4のような市場に競争性がないことが明らかな場合は 1 社見積としてよい c) 採用価格全見積の平均額に対して ±30% 以上の差異がある場合は その値を異常値として排除し 残った見積の平均価格を採用する ただし 見積が3 社の場合 原則として同じく平均価格を採用するが 1 社だけ特別に高 ( 低 ) 価格で 他の2 社の見積価格との差異が大きい ( 直近上下位の価格との差が 30% 以上ある ) 場合は その見積以外の2 社の平均価格を採用する 平均価格の端数処理については 下記によることを標準とする 1 1,000 円未満の場合 切捨てによる 1 円単位 2 10,000 円 10 円単位 3 100,000 円 100 円単位 4 100,000 円以上の場合 1,000 円単位 5セメント 生コン アスファルト合材 骨材 石材等 1 円以上 49 円以下は切捨てによる 100 円単位 50 円以上 99 円以下は切捨てによる 50 円単位ただし 1,000 円未満の資材については 切捨てによる 10 円単位とする また 有効な見積社が3 社に満たない場合の採用価格の決定は 下記のとおりとする ⅰ)2 社の場合は 低い価格の方を採用する ⅱ) 対象資材が1 及び2の場合に1 社となった場合は 再見積を徴収する それでもなお有効な見積が1 社となる場合は その見積の妥当性 ( 類似品価格 過去の見積決定価格との比較等 ) を判断し 採用してよい 3 市場単価について市場単価は 以下により 土木工事市場単価 として 県土整備部建設企画課が決定する 3-1 市場単価の決定方法ア. 物価資料 ( 以下の2 誌 ) に掲載されている 山形 価格を平均し 採用する ( 一財 ) 建設物価調査会発行 土木コスト情報 ( 季刊誌 ) ( 一財 ) 経済調査会発行 土木施工単価 ( 季刊誌 ) イ. 平均価格は切捨てにより物価資料と同じ単位にまとめる ウ. 一方の資料のみの掲載品目については その価格を採用する エ. 標準積算基準書 ( 歩掛 ) に基づき 各工種に定められている加算率 係数により補正した価格を採用する なお 補正後の価格は1 円単位まで (1 円未満切り捨て ) とする 3
4 資材単価及び市場単価の管理について 県単価表 掲載の資材単価及び 土木工事市場単価 掲載の市場単価は 県土整備部建設企画課において 以下のとおり管理する 4-1 改定頻度ア. 毎年度 4 月に制定する イ.4 月制定単価に対して 年 3 回 (7 月 10 月 1 月 ) の定期改定を実施する ウ. 価格変動の大きい資材については 定期改定に加え 中間 ( 臨時 ) 改定を実施する 4-2 改定基準ア. 定期改定時において 直近の設計単価に対して価格変動がある場合は 変動率によらず改定する イ. 実勢価格の動向等により 上記により難い場合は 別途対応できるものとする 4-3 資材単価の決定ア. 物価資料による場合 制定は3 月号 改定は最新号による イ. 物価資料による場合 単価の決定方法は 2-1のア と同とする ウ. 特別調査による場合 制定は2 月 改定は8 月に実勢を調査する 4-4 市場単価の決定ア. 単価の制定は 物価資料の春号による イ. 単価の定期改定は 7 月は物価資料の夏号 10 月は物価資料の秋号 1 月は物価資料の冬号による ウ. 単価の決定方法は 3-1 と同とする 5 積算基準 ( 歩掛 ) について標準的な積算基準 ( 歩掛 ) については 国土交通省の基準書 (4 月制定 ) 等に基づき 土木工事標準積算基準書 設計業務等標準積算基準書 として 県土整備部建設企画課において決定し 管理する なお 決定時期は毎年 10 月を標準とする また 標準積算基準書に記載のない歩掛については 実態に即した歩掛の把握に努めることとし 以下により決定することを標準とする 歩掛決定方法の優先順位は ア イ の順とする ア. 特別資料による場合 4
特別資料とは 下記の資料をいう 1 特別調査した資料 2 新技術情報提供システム (NETIS) 登録技術の ( 暫定 ) 歩掛 3 他の公的機関が公表している歩掛資料 4 協会等 ( 公益法人 メーカー等で構成する団体 ) の歩掛資料 a) 採用歩掛の決定 特別資料 1 及び2については 当該資料の歩掛をそのまま採用する 特別資料 3 及び4については 各所属により妥当性 ( 類似歩掛と比較し 著しく乖離していないか等 ) を判断し 採用可能とする イ. 見積書による場合 a) 見積条件の提示使用 適用 ( 施工 ) 時期 適用 ( 施工 ) 場所等の条件を提示し 見積依頼することを標準とする 特に建設コンサルタント業務等に関する見積依頼では 見積を提出する企業が業務内容 業務量を的確に把握し 項目 ( 工種 ) 毎に詳細な内訳の提出ができるよう 具体的な業務内容及び詳細な業務量等明示を行うこととする b) 採用歩掛徴収した見積書の内容を県の労務 ( 技術者 ) 単価 資材単価 損料等に置き換え再構成した上で 見積書単位毎の単純平均見積額を算定し その額に対して ±30% を超える見積は異常値として排除し その他の見積額の平均直下の社の見積 ( 歩掛 ) を採用し 見積書の明細書 単価表の工数及び数量の最低値を集める手法は行なわないものとする 6 損料について一般的な機械損料について 国土交通省の資料 (4 月制定 ) 等に基づき 建設機械等損料算定表 ( 以下 県損料表 という ) として 県土整備部建設企画課において決定 管理する なお 決定時期は隔年 10 月を標準とする また 県損料表 に掲載されていない損料等については 5 積算基準 ( 歩掛 ) について に準じた取扱いとして 見積を徴する場合は 建設機械等の基礎価格 耐用年数 類似規格機種等についても同時に徴することを標準とする 7 積算基準 ( 施工パッケージ型積算方式 ) について標準的な積算基準 ( 施工パッケージ型積算方式 ) については 国土交通省の基準書 (4 月 5
制定 ) 等に基づき 土木工事標準積算基準書 として 県土整備部建設企画課において決定し 管理する なお 積算基準 ( 施工パッケージ型積算方式 ) における積算単価の算出方法等は次のとおりとする 7-1 総則ア. 積算基準 ( 施工パッケージ型積算方式 ) の決定については 毎年 10 月を標準とする イ. 積算基準 ( 施工パッケージ型積算方式 ) にて 積算単価 を算出する際には 標準単価に対して 下記の補正を行うものとする 積算単価 = 標準単価 ( (K: 機械 ) 機械単価 ( 積算地区 ) 機械単価 ( 東京地区 ) + (R: 労務 ) 労務単価 ( 積算地区 ) 労務単価 ( 東京地区 ) + (Z: 材料 ) 材料単価 ( 積算地区 ) 材料単価 ( 東京地区 ) + (S: 市場単価 ) 市場単価 ( 積算地区 ) 市場単価 ( 東京地区 ) + 100-K-R-Z-S 100 ) ウ. 各単価等の適用世代については 県単価表 にて 決定する エ. 代表機労材規格については 土木工事標準積算基準書 に基づく オ. 積算単価の算出にあたっては 計算途中で丸めの処理は行わず 最後に有効数字 4 桁となるように5 桁目以降を切上げる 7-2 各単価等の決定方法ア. 標準単価と国土交通省国土技術政策総合研究所が公表する 標準単価 と を採用する 6
イ. 機械単価 ( 東京地区 ) a) 機械単価 ( 東京地区 ) の機械損料については 国土交通省が公表する 建設機械等損料算定表 に掲載される機械損料を採用する b) 機械単価 ( 東京地区 ) の機械損料については 豪雪地域補正を考慮しない c) 機械単価 ( 東京地区 ) の機械賃料については 物価資料に掲載されている同地区の長期割引後の価格を平均し 採用する ウ. 労務単価 ( 東京地区 ) 単価については 国土交通省が公表する同地区の 公共工事設計労務単価 を採用する エ. 材料単価 ( 東京地区 ) 単価については 物価資料に掲載されている同地区の実勢価格の平均値を採用する オ. 市場単価 ( 東京地区 ) 物価資料 ( 以下の2 誌 ) に掲載されている同地区の価格の平均値を採用する ( 一財 ) 建設物価調査会発行 土木コスト情報 ( 季刊誌 ) ( 一財 ) 経済調査会発行 土木施工単価 ( 季刊誌 ) カ. 機械単価 労務単価 材料単価 市場単価 ( 積算地区 ) a) 単価については 山形県が定める 県単価表 県損料表 及び 県市場単価 を採用する b) 県単価表 県損料表 及び 県市場単価 に掲載されていない単価については 2-1 資材単価の決定方法 と同じとする 参考資料 各単価等の出典元一覧 名称 出典先 標準単価 国土技術政策総合研究所 国土技術政策総合研究所 名称 出典先 東京地区 ( 分母 ) 積算地区 ( 分子 ) 機械単価 ( 損料 ) 建設機械等損料算定表 ( 国土交通省制定 ) 県損料表 ( 山形県制定 ) 機械単価 ( 賃料 ) 物価資料等 県単価表 物価資料等 労務単価 国土交通省 県単価表 材料単価 物価資料等 県単価表 物価資料等 市場単価 物価資料等 県市場単価 物価資料等 7
キ. 物価資料による東京地区単価の決定方法 a) 物価資料に掲載されている価格を平均する場合には 単価の有効桁の大きい方の桁を決定額の有効桁とする b) 大きい方の有効桁が3 桁未満のときは 決定額の有効桁は3 桁とする c) 有効桁未満については 切捨てとする 例 1 単価の有効桁数の大きい方を有効桁とする場合建設物価 33,500 円 ( 有効桁 3 桁 ) 積算資料 34,000 円 ( 有効桁 2 桁 ) 平均額 33,750 円決定額 33,700 円 ( 有効桁 3 桁 4 桁以降切捨て ) 例 2 単価の有効桁数が3 桁未満のために3 桁を有効桁数とする場合 建設物価 560 円 ( 有効桁 2 桁 ) 積算資料 570 円 ( 有効桁 2 桁 ) 平均額 565 円 決定額 565 円 ( 有効桁 3 桁 4 桁以降切捨て ) d) 一方の物価資料にしか掲載のないものについては その単価を採用する e) 両方の物価資料に掲載のないものについては 国土交通省国土技術政策総合研究所が公表する単価を採用する 8