Microsoft Word - 【外務省】インフラ長寿命化(行動計画)

Similar documents
< F2D816994D48D FA957493FC816A >

資料1:地球温暖化対策基本法案(環境大臣案の概要)

H28秋_24地方税財源

11

各取組は PDCA サイクルを回し効果を評価し 目標が達成できない見通しとなったときは さらなる総量の縮減や取組 体制の強化等 基本方針等を見直します [ 図表 40] [ 図表 40:PDCA サイクル ] 計画修正 Action 計画修正 Action Plan Check 計画等修正 Acti

インフラ老朽化対策 10

二さらに現代社会においては 音楽堂等は 人々の共感と参加を得ることにより 新しい広場 として 地域コミュニティの創造と再生を通じて 地域の発展を支える機能も期待されている また 音楽堂等は 国際化が進む中では 国際文化交流の円滑化を図り 国際社会の発展に寄与する 世界への窓 にもなることが望まれる

子宮頸がん予防措置の実施の推進に関する法律案要綱

プレゼンテーションタイトル

平成30年度事業計画書(みだし:HP用)

評価項目 評価ポイント 所管部局コメント 評価 国際交流に関する情報の収集及び提供事業国際交流活動への住民の参加促進事業国際理解推進事業在住外国人に対する相談事業在住外国人に対する支援事業 安定 確実な施設運営管理 公正公平な施設使用許可や地域に出向いた活動に取り組むなど新たな利用者の増加に努め 利

一防災 減災等に資する国土強靱化基本法案目次第一章総則 第一条 第七条 第二章基本方針等 第八条 第九条 第三章国土強靱化基本計画等 第十条 第十四条 第四章国土強靱化推進本部 第十五条 第二十五条 第五章雑則 第二十六条 第二十八条 附則第一章総則 目的 第一条この法律は 国民生活及び国民経済に甚

平成18年度標準調査票

特別養護老人ホーム外川園

第6章「参考資料」

社会的責任に関する円卓会議の役割と協働プロジェクト 1. 役割 本円卓会議の役割は 安全 安心で持続可能な経済社会を実現するために 多様な担い手が様々な課題を 協働の力 で解決するための協働戦略を策定し その実現に向けて行動することにあります この役割を果たすために 現在 以下の担い手の代表等が参加

NEWS 2020 速報 の一部を改正する法律案 REPORT 総会の様子 2025 GDP 3 02 vol

第4次日田市行政改革に向けての方針

4-(1)-ウ①

Microsoft Word - 02_福利厚生会260910

事業継続計画(BCP)作成用調査ワークシート

Microsoft Word - H290324優先的検討規程(裁定).docx

新設 拡充又は延長を必要とする理地方公共団体の実施する一定の地方創生事業に対して企業が寄附を行うことを促すことにより 地方創生に取り組む地方を応援することを目的とする ⑴ 政策目的 ⑵ 施策の必要性 少子高齢化に歯止めをかけ 地域の人口減少と地域経済の縮小を克服するため 国及び地方公共団体は まち

⑴ 政策目的 市街地再開発事業の推進により 土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の更新を図るとともに コンパクトシティの推進及び密集市街地の解消を図る 新設 拡充又は延長を必要とする理由 ⑵ 施策の必要性 以下の施策の推進のため 本措置の延長により 民間事業者による早期かつ着実な保留床の取得を促

施策の体系 本目標3 地域力と行政の連携がつくる人と地球に優しいまち179

チェック式自己評価組織マネジメント分析シート カテゴリー 1 リーダーシップと意思決定 サブカテゴリー 1 事業所が目指していることの実現に向けて一丸となっている 事業所が目指していること ( 理念 ビジョン 基本方針など ) を明示している 事業所が目指していること ( 理念 基本方針

審査の品質管理において取り組むべき事項 ( 平成 27 年度 ) 平成 27 年 4 月 28 日 特許庁 特許 Ⅰ. 質の高い審査を実現するための方針 手続 体制の整備 審査の質を向上させるためには 審査体制の充実が欠かせません そこで 審査の効率性を考慮しつつ 主要国と遜色のない審査実施体制の確

<322E318AEE91628E9197BF2E786C73>

アレルギー疾患対策基本法 ( 平成二十六年六月二十七日法律第九十八号 ) 最終改正 : 平成二六年六月一三日法律第六七号 第一章総則 ( 第一条 第十条 ) 第二章アレルギー疾患対策基本指針等 ( 第十一条 第十三条 ) 第三章基本的施策第一節アレルギー疾患の重症化の予防及び症状の軽減 ( 第十四条

組織目標シート 平成 28 年度 部局 教育委員会事務局局長吉田久芳 1. 部局の使命 児童 生徒一人ひとりを大切にし 豊かな人間性と人間関係を築く力を育むとともに 自ら学び考え行動する子どもの育成を図る学校教育を推進する 市民生活が豊かで活力のあるものになるよう 市民が生涯を通して学習し学び続ける

国立大学法人愛知教育大学 インフラ長寿命化計画 ( 行動計画 ) 平成 29 年度 ~ 平成 32 年度 平成 29 年 3 月 31 日 国立大学法人愛知教育大学

このような周辺状況の変化に対応し 諸課題の解決を図るべく 基本法及び第三次循環型社会形成推進基本計画に沿って 廃棄物処理法やリサイクルの推進に係る諸法等に基づく制度の適切な実施と相まって 改めて大量生産 大量消費 大量廃棄型の従来の社会の在り方や国民のライフスタイルを見直し 社会における高度な物質循

橋梁長寿命化修繕計画 ( 案 ) 平成 25 年 3 月 那覇市役所 建設管理部道路管理課

[ 図表 35: 見直しのイメージ ] 質の高い施設 安心安全で コストの最適化 施設を安心安全に利用するため 点検 診断を実施し その結果に基づき 必要な対策を適切な時期に着実かつ効率的 効果的に実施します また これらの取組を通じて得られた施設の状態や対策履歴等の情報を記録し 次の点検 診断等に

愛知県アルコール健康障害対策推進計画 の概要 Ⅰ はじめに 1 計画策定の趣旨酒類は私たちの生活に豊かさと潤いを与える一方で 多量の飲酒 未成年者や妊婦の飲酒等の不適切な飲酒は アルコール健康障害の原因となる アルコール健康障害は 本人の健康問題だけでなく 家族への深刻な影響や飲酒運転 自殺等の重大

橋 梁 長 寿 命 化 修 繕 計 画

参考資料3(第1回検討会資料3)

国立大学法人富山大学 PPP/PFI 手法導入優先的検討要項

設 機能の見直しハード面の効率化財源確保1-3. 再配置パターン ( 手法 ) の考え方 再配置計画の検討に向けて 公共施設の再配置を う場合の基本的なパターン ( 手法 ) について整理し それらの効果についても確認していきます 施設の再配置にあたっては 厳しい財政状況の中 人口が減少傾向にあるこ

< F2D91DE E8BE08B8B D8790CF97A78BE082CC>

- 2 - 引き起こす可能性がある このような状況の中で 我が国における国民生活の安定向上と国民経済の健全な発展に寄与するためには 管理組合によるマンションの適正な管理が行われることが重要である この指針は このような認識の下に 管理組合によるマンションの管理の適正化を推進するため 必要な事項を定め

(Microsoft Word - \201\2403-1\223y\222n\227\230\227p\201i\215\317\201j.doc)

平成 29 年 4 月 1 日規程第 18-5 号国立研究開発法人国立がん研究センター PPP/PFI 手法導入優先的検討規程 ( 目的 ) 第 1 条この規程は 国立研究開発法人国立がん研究センター ( 以下 センター という ) の公共施設等の整備等における優先的検討を行うに当たって必要な手続を


<4D F736F F D CF682CC8E7B90DD82CC895E89638B7982D18E BF939982CC8CA992BC82B58AEE8F CC8DF492E882C98CFC82AF82BD95FB906A2E646F6378>

平成 31 事業年度 自平成 31 年 4 月 1 日 (2019 年 4 月 1 日 ) 至平成 32 年 3 月 31 日 (2020 年 3 月 31 日 ) 第 15 期 事業計画 ( 案 ) 本州四国連絡高速道路株式会社 - 0 -

<4D F736F F F696E74202D D A A95BD90AC E C8E5A82CC837C AB93EA817B959C8BBB817B8A4

●子宮頸がん予防措置の実施の推進に関する法律案

安全管理規程

平成23年度都市・土地・PFI税制改正に対する要望

(4) 対象区域 基本方針の対象区域は市街化調整区域全体とし 都市計画マスタープランにおいて田園都市ゾーン及び公園 緑地ゾーンとして位置付けられている区域を基本とします 対象区域図 市街化調整区域 2 資料 : 八潮市都市計画マスタープラン 土地利用方針図

企画書タイトル - 企画書サブタイトル -

<4D F736F F D D E518D6C8E9197BF32816A90858F7A8AC28AEE967B964082C982C282A282C4>

公共工事等における新技術活用システムについて 別添 公共工事等に関する優れた技術は 公共工事等の品質の確保に貢献し 良質な社会資本の整備を通じて 豊かな国民生活の実現及びその安全の確保 環境の保全 良好な環境の創出 自立的で個性豊かな地域社会の形成等に寄与するものであり 優れた技術を持続的に創出して

( 基準 ) ランク達成度合 評価 A 100% 達成 B 75% 以上 100% 未満 概ね達成 C 50% 以上 75% 未満 達成はしていないが進展あり D 25% 以上 50% 未満 一定の進展は見られるが不十分 E 25% 未満 進展していない 有効性 ( 具体的成果 ) 成果重視事業とし

- 1 - 農林水産省 経済産業省告示第一号国土交通省合法伐採木材等の流通及び利用の促進に関する法律(平成二十八年法律第四十八号)第三条第一項の規定に基づき 合法伐採木材等の流通及び利用の促進に関する基本方針を定めたので 同条第四項の規定に基づき 公表する 平成二十九年五月二十三日農林水産大臣山本有

Rev

PowerPoint プレゼンテーション

PowerPoint プレゼンテーション

総括的事項について 推進プラン全体に関するもの (2 件 ) 1 行政改革の推進プランであるにもかかわらず コスト削減に関する推進項目やプログラムが少ないのではないか 本市では 過去数次にわたる行政改革のプラン実施において 取り組む必要があると考えられる取組については 可能な限り取り組んできたところ

4 研修について考慮する事項 1. 研修の対象者 a. 職種横断的な研修か 限定した職種への研修か b. 部署 部門を横断する研修か 部署及び部門別か c. 職種別の研修か 2. 研修内容とプログラム a. 研修の企画においては 対象者や研修内容に応じて開催時刻を考慮する b. 全員への周知が必要な

資料 - 3 流山市浄水場運転及び維持管理等業務委託 落札者決定基準 平成 30 年 10 月 流山市上下水道局

<4D F736F F F696E74202D F B8817A93648AC E096BE8E9197BF E >

福利厚生基本計画

Microsoft Word - 01 報道資料(案).doc

の理解と参加を促進し, 開発協力を支える社会的基盤をより一層広げ, 強化するために, NGO/ 市民社会 (CSO) との連携が推進されるべきことが謳われたところである 以上の経緯と背景の下に NGO と ODA の連携に関する中期計画 ~ 協働のための 5 年間の方向性 ~ が策定されることとなっ

●アレルギー疾患対策基本法案

公の施設の指定管理者の指定の手続き等に関する指針(細目的事項)

により 都市の魅力や付加価値の向上を図り もって持続可能なグローバル都 市形成に寄与することを目的とする活動を 総合的 戦略的に展開すること とする (2) シティマネジメントの目標とする姿中野駅周辺や西武新宿線沿線のまちづくりという将来に向けた大規模プロジェクトの推進 並びに産業振興 都市観光 地

Microsoft Word - h26_2_1.docx


12_15_中期計画表紙.ai

5) 輸送の安全に関する教育及び研修に関する具体的な計画を策定し これを適確に実施する こと ( 輸送の安全に関する目標 ) 第 5 条前条に掲げる方針に基づき 目標を策定する ( 輸送の安全に関する計画 ) 第 6 条前条に掲げる目標を達成し 輸送の安全に関する重点施策に応じて 輸送の安全を確 保

(2) 総合的な窓口の設置 1 各行政機関は 当該行政機関における職員等からの通報を受け付ける窓口 ( 以下 通報窓口 という ) を 全部局の総合調整を行う部局又はコンプライアンスを所掌する部局等に設置する この場合 各行政機関は 当該行政機関内部の通報窓口に加えて 外部に弁護士等を配置した窓口を

(1) 当該団体が法人格を有しているか 又は法人格のない任意の団体のうち次の1~2の要件を全て満たすもの 1 代表者の定めがあること 2 団体としての意思決定の方法 事務処理及び会計処理の方法 並びに責任者等を明確にした規約その他の規定が定められていること (2) 関係市町村との協議体制を構築してい

地方消費者行政強化作戦 への対応どこに住んでいても質の高い相談 救済を受けられる地域体制を整備し 消費者の安全 安心を確保するため 平成 29 年度までに 地方消費者行政強化作戦 の完全達成を目指す < 政策目標 1> 相談体制の空白地域の解消 全ての市町村に消費生活相談窓口が設置されており 目標を

新旧対照表

<ハード対策の実態 > また ハード対策についてみると 防災設備として必要性が高いとされている非常用電源 電話不通時の代替通信機能 燃料備蓄が整備されている 道の駅 は 宮城など3 県内 57 駅のうち それぞれ45.6%(26 駅 ) 22.8%(13 駅 ) 17.5%(10 駅 ) といずれも

平成28年度国立国会図書館活動実績評価: 目標2

( 内部規程 ) 第 5 条当社は 番号法 個人情報保護法 これらの法律に関する政省令及びこれらの法令に関して所管官庁が策定するガイドライン等を遵守し 特定個人情報等を適正に取り扱うため この規程を定める 2 当社は 特定個人情報等の取扱いにかかる事務フロー及び各種安全管理措置等を明確にするため 特

公共工事コスト縮減対策に関する新行動指針

OB140418大森法人ニュースVol 月_PDF納品用

目 次 1 はじめに (1) 策定の趣旨 1 (2) 計画の位置づけ 2 2 計画の範囲 (1) 対象施設 3 (2) 計画期間 3 3 施設等の現状及び今後の見通し (1) 四日市港の現状 4 (2) 施設の現状 6 (3) 維持管理 修繕 更新等に係る中期的な経費の見込み 7 4 施設の総合的か

2 マンション管理業界の課題マンション管理業界の課題理事会理事会理事会理事会とのとのとのとのコミュニケーションコミュニケーションコミュニケーションコミュニケーション管理員管理員管理員管理員とのとのとのとのコミュニケーションコミュニケーションコミュニケーションコミュニケーション学習学習学習学習 研磨研

2 保険者協議会からの意見 ( 医療法第 30 条の 4 第 14 項の規定に基づく意見聴取 ) (1) 照会日平成 28 年 3 月 3 日 ( 同日開催の保険者協議会において説明も実施 ) (2) 期限平成 28 年 3 月 30 日 (3) 意見数 25 件 ( 総論 3 件 各論 22 件

姫路市及びたつの市における連携中枢都市圏形成に係る連携協約 姫路市 ( 以下 甲 という ) 及びたつの市 ( 以下 乙 という ) は 連携中枢都市圏構想推進要綱 ( 平成 26 年 8 月 25 日付け総行市第 200 号総務省自治行政局長通知 ) に基づく連携中枢都市圏である播磨圏域 ( 以下

Microsoft PowerPoint - 04-検討プロセス及び検討体制

学生確保の見通し及び申請者としての取組状況

27 ( 一財 ) 札幌市水道サービス協会 [ 所管課 : 水 ) 企画課 ] 平成 27 年度の具体的な行動計画 ( アクションプラン ) 取組結果 1 団体目標 27 ( 一財 ) 札幌市水道サービス協会 新方針重点取組目標 1 新公益法人制度への対応 新たな公益法人制度が施行されたことに伴い

山梨県世界遺産富士山景観評価等技術指針 ( 平成二十八年山梨県告示第九十九号 ) 山梨県世界遺産富士山景観評価等技術指針を次のとおり定める 平成二十八年三月二十四日 山梨県知事 後 藤 斎 山梨県世界遺産富士山景観評価等技術指針 ( 趣旨 ) 第一条 この技術指針は 山梨県世界遺産富士山の保全に係る

(2) 行政の高度化 効率化国や地方公共団体においてデータ活用により得られた情報を根拠として政策や施策の企画及び立案が行われることで (EBPM:Evidence Based Policy Making) 効果的かつ効率的な行政の推進につながる (3) 透明性 信頼の向上政策立案等に用いられた公共デ

政策評価書3-3(4)

第16回税制調査会 別添資料1(税務手続の電子化に向けた具体的取組(国税))

< F2D816988C C816A92E192AA90FC95DB F2E6A7464>

<4D F736F F F696E74202D2095DB A B D DC58F4994C5817A205B8CDD8AB B83685D>

<4D F736F F D AE8A4F8D4C8D9095A CC8A FF38BB52E646F63>

資料2 紙類の判断の基準等の設定に係る検討経緯について

手法 という ) を検討するものとする この場合において 唯一の手法を選択することが困難であるときは 複数の手法を選択できるものとする なお 本規程の対象とする PPP/PFI 手法は次に掲げるものとする イ民間事業者が公共施設等の運営等を担う手法ロ民間事業者が公共施設等の設計 建設又は製造及び運営

三沢市行政経営推進プラン

公共施設等総合管理計画について 公共施設等総合管理計画は平成 28 年度末までにほぼ全ての地方公共団体 (1,756/1,788 団体 ) において策定されたが 策定後も不断の見直しを実施し 順次充実させていくことが適当 総務省においては 地方公共団体における総合管理計画の充実のため 当該計画の改訂

Transcription:

外務省 インフラ長寿命化計画 ( 行動計画 ) 平成 27 年度 ~ 平成 32 年度 平成 28 年 3 月 外務省

目次 1 はじめに 1 2 外務省の役割 1 3 計画の範囲 (1) 対象施設 2 (2) 計画期間 2 4 対象施設の現状と課題 (1) 点検 診断 / 修繕 更新等 2 (2) 基準類の整備 3 (3) 情報基盤の整備と活用 3 (4) 個別施設計画の策定 推進 3 (5) 新技術の導入 3 (6) 予算管理 3 (7) 体制の構築 4 5 中長期的な維持管理 更新等のコストの見通し 4 6 必要施策に係る取組の方向性 (1) 点検 診断 / 修繕 更新等 5 (2) 基準類の整備 5 (3) 情報基盤の整備と活用 5 (4) 個別施設計画の策定 推進 5 (5) 新技術の導入 5 (6) 予算管理 6 (7) 体制の構築 6 7 フォローアップ計画 6

1 はじめに国民生活やあらゆる社会経済活動を支えるインフラは, これまで以上に戦略的に取組を進めることが重要となっており, 中長期的な維持管理 更新等に係るトータルコストの縮減や予算の平準化を図るための方向性を示すものとして, 平成 25 年 11 月にインフラ老朽化対策の推進に関する関係省庁連絡会議にて, あらゆるインフラを対象に インフラ長寿命化基本計画 ( 以下 基本計画 という ) が策定され, 国や地方公共団体等が一丸となってインフラの戦略的な維持管理 更新等を推進することとなった また, 平成 26 年 6 月に閣議決定された 国土強靱化基本計画 においては, 災害等発生時の公共施設に係る被害の最小化が基本目標の一つとして掲げられたほか, 政府横断的な分野の一つとして 老朽化対策 が設定され, インフラの維持管理 更新を確実に実施することとなっている こうした状況を踏まえ, 外務省が所管する施設の維持管理 更新等を着実に推進する中期的な取組の方向性を明らかにするため, 外務省インフラ長寿命化計画 ( 行動計画 ) を策定し, これに基づきインフラの長寿命化に向けた取組を更に推進する 2 外務省の役割外務省の任務は, 平和で安全な国際社会の維持に寄与するとともに主体的かつ積極的な取組を通じて良好な国際環境の整備を図ること並びに調和ある対外関係を維持し発展させつつ, 国際社会における日本国及び日本国民の利益の増進を図ることを任務とする ( 外務省設置法第三条 ) とされており, その任務を達成するため, 国内施設だけでなく外国に在外公館 ( 大使館や総領事館等 ) を設置し, 事務を所掌している 在外施設は, 任国において我が国を代表する機関であり, 有事の際には在留邦人保護のための最後の 砦 となる施設であり, 対外発信及び日本企業支援の拠点として, 日本の顔 としてふさわしい施設とすべく在外公館の整備 拡充及び警備体制の強化を図る必要があるところ, 在外施設についてはその特殊性を踏まえ, 可能な範囲で本計画の取組を推進する 1

3 計画の範囲 (1) 対象施設外務省が所管する以下の施設を対象施設とする なお, 借受施設及び一部の危険な地域の在外施設は除く 分野対象施設国内施設官庁施設 ( 外務本省庁舎, 飯倉別館, 麻布台別館, 外務省研修所, 船橋分室 ) 在外施設在外公館施設 ( 事務所, 公邸 ) (2) 計画期間 基本計画 に示されたロードマップにおいて, 一連の必要施策の取組に一定の目途をつけることとされた平成 32 年度 (2020 年度 ) までを計画期間とする 4 対象施設の現状と課題外務省が所管する施設は, 国内施設と在外施設の2つに大きく分かれている 在外施設については任国の状況が日本とは大きく異なる国も多く, また, 施設の特殊性等から, 国内の基準と同様に扱うことは困難であるが, 可能な限り準拠するように努めている (1) 点検 診断, 修繕 更新等 国内施設は計 5 施設と数は多くないものの, 本省庁舎や飯倉別館は築 40 年を超えており, 老朽化が進んでいる また, 同施設の維持管理は数少ない職員により行われているため, 適切な対応には限界があり, 厳しい財政状況により, その費用の確保に苦慮している 対象となる在外施設の約 6 割が築 30 年を超えており, 著しい老朽化が進んでおり, 毎年度実施する営繕計画書のための調査では, 在外公館から多くの修繕 更新要望が寄せられているも, 厳しい財政状況により, 全ての要望に対応できていない状況 現状が続けば老朽化は更に深刻なものとなる 現状では対象となる200 近い在外施設の全てに施設を点検 管理する技術系職員を配置することは困難であるので, 拠点となる公館に営繕専門の職員を配置する等により, 近隣公館の施設維持管理の支援を実施しているが, 人材不足が深刻であり, 今後対応する必要がある 2

(2) 基準類の整備 施設の維持管理 更新等については, 関係法令や告示, ガイドライン等に基づく必要があり, 今後, 施設の維持管理 更新等にかかる取組を通じて得られた技術や知見を蓄積 共有し, 維持管理 更新等の効率化に努める必要がある 在外施設においては, 既に整備された規程等のマニュアルに沿って業務を進 めている 必要に応じた改定とさらなる活用が必要である (3) 情報基盤の整備と活用 在外施設の各種台帳を整備し, 定期的に更新して日々の業務において活用し ている (4) 個別施設計画の策定 推進 個別施設計画の策定にあたっては, 対象施設の現状を充分に把握し, 定期的な点検 診断の結果を踏まえた計画とする必要があり, 同計画に基づき修繕 更新等の実施に努める必要がある 対象となる在外施設については, 個別施設の長期修繕計画を策定中であり, 平成 29 年度中に全ての計画策定を了する予定 (5) 新技術の導入 国内施設については, 数少ない人数で施設の修繕 更新等を実施しているため, 関係省庁と連携の上, 長寿命化に資する新技術の情報収集及び導入に取り組むことが必要である 在外施設については, 在外公館施設の長寿命化やメンテナンスフリーに資す る建築材料 構工法等について, 事前に調査した上で, 導入に努めている 可能な範囲で最新の日本建材の導入に努めている (6) 予算管理 国内施設は大規模修繕が必要な時期となっており, 厳しい財政状況下においては, 維持管理 更新等に係る経費を縮減し, 予算の平準化に努めることが必要である 3

対象となる在外施設の多くは著しい老朽化が進んでいる中, 現在の厳しい財政状況下においては, 限られた財源の効率的かつ効果的な活用等の観点から, 緊急性の高い修繕 更新等から順に予算を充当している 戦略的な維持管理 更新等の計画に基づくトータルコストの縮減, 修繕コストの平準化を図るとともに, 必要な予算の安定的な確保に向けた取組を進める必要がある (7) 体制の構築 国内施設の維持管理では, 一定の技術力をもった職員が不足していることか ら, 維持管理体制の構築が必要となっている 在外施設においては, 専門的知識を有する技術者が大幅に不足していることから, 拠点公館に配置した営繕専門家や民間の営繕専門家派遣制度を活用し, 在外施設維持管理のための支援の充実を図る必要がある 研修の機会が不足していることから, 各種研修の積極的な活用を進める必要がある 5 中長期的な維持管理 更新等のコストの見通し厳しい財政状況下においても施設の機能を維持していくためには, 維持管理 更新等に係る経費を縮減し, 中長期的なコストの見通しを把握することにより予算の平準化を図り, 必要な予算を確保していく必要がある 国内施設については今後, 個別施設計画を策定の上, より正確に中長期的な 維持管理 更新等のコストを見通すよう努める 対象となる在外施設については, 老朽化が進み, 維持 修繕費が増大する中で, 在留邦人の最後の 砦 である在外公館の整備 拡充 ( 修繕や国有化等 ) 及び警備体制の強化を図り, 日本の顔 としてふさわしい在外公館の整備を図るとの整備指針をも踏まえ, 限られた予算の下, 中長期的に施設の長寿命化を図ることが喫緊の課題 平成 25 年度から, 対象施設に民間の技術者 ( 一級建築士等 ) を派遣し, 長期修繕計画策定に向けた調査を実施している 同策定により, 修繕のトータルコストを見通した上で, 限られた予算をより計画的, 効率的かつ適時の修繕実施につなげることを目指す 4

6 必要施策に係る取組の方向性 4 対象施設の現状と課題 を踏まえ, 以下の取組を進める (1) 点検 診断 / 修繕 更新等 国内施設については, 法令や告示に基づき定期的 ( 建築物の敷地及び構造は 3 年以内毎, 建築設備は1 年以内毎等 ) に点検等を継続する 対象となる在外施設については, 法令や告示に準じ定期的 ( 建築物の敷地及び構造は3 年以内毎, 建築設備は1 年以内毎等 ) に点検等を行う ( 官公庁施設の建設等に関する法律第 12 条に基づく点検に準じるもの ) 現状に鑑み, 可能な範囲で, 有資格者による点検を行うものとする 在外施設について, 平成 29 年度までに 支障がない状態の確認 ( 平成 17 年国交省告示第 551 号保全の基準第二及び第三 ) を実施するよう努める (2) 基準類の整備 国内施設については, 定期的な点検 診断, 修繕 更新等について関係法令 等に基づき実施する 在外施設の各種規程については, 必要に応じ, 適時に改定する (3) 情報基盤の整備と活用 国内施設については, 官庁施設情報管理システム (BIMMS-N) を活用し, 保全の適正化を図る 在外施設の各種台帳は定期に改定し, 外務本省と在外公館とで情報共有する (4) 個別施設計画の策定 推進 対象となる国内施設及び在外施設について, 平成 29 年度までに個別施設計 画を策定する (5) 新技術の導入 国内施設については, 関係省庁から協力を得つつ, 維持管理 更新等や長寿 命化に資する新技術 材料 工法等の情報収集及び導入に努める 在外施設については, 建築物の長寿命化やメンテナンスフリーに資する建築 材料 構工法等を, 引き続き, 事前に調査した上で, 導入に努める 5

日本の技術や伝統の対外発信に寄与する日本建材については, 引き続き, 可 能な範囲で導入に努める (6) 予算管理 個別施設計画に基づく戦略的な維持管理 更新等の推進や新技術の導入により, トータルコストの縮減, 平準化を図るとともに, 必要な予算の安定的な確保に向けた取組を進める (7) 体制の構築 国内施設については, 行動計画における取組の実施に必要な人員の適切な配 置に努める 平成 28 年度中に, 全ての対象となる在外施設で施設保全責任者及び保全担当者を設置する 民間の営繕専門家をさらに活用し, 在外施設維持管理業務の支援を推進する 関係者省庁その他機関において開催される研修を最大限活用し, 技術系職員の育成を継続する 在外施設の保全業務を担当する職員への在外での研修を進める 7 フォローアップ計画本計画を継続し発展させるため, 6 必要施策に係る取組の方向性 の施設毎の具体的な取組を引き続き充実 深化させる 併せて, 上記の取組も含む計画に関する進捗状況を把握するとともに, 進捗が遅れている施策の課題の整理と解決方法等の検討を行い, 必要に応じ, 本行動計画の改定を行う 6