資料 9 随意契約の見直しについて 平成 19 年 11 月 大臣官房経理課
1 近年の公共調達の適正化に向けた取組 H16 IT 関連事業の多重委託問題分割少額随意契約問題等 財務省通知 (H17.2) 随意契約の公表基準を引下げ 少額 ( 委託契約の場合 100 万円 ) を除き 契約相手先 契約金額 理由等を HP で公表 一括再委託の禁止 再委託の承認制 H17.6 橋梁談合問題 ( 国土交通省 旧日本道路公団 ) 総理指示 ( 官製談合防止法の改正等 ) 公共工事の入札契約の改善に関する関係省庁連絡会議設置 (H17.12) H18.1~2 防衛施設庁官製談合問題防衛施設技術協会 建設弘済会等との随意契約問題 公共調達の適正化に関する関係省庁連絡会議設置 (H18.2) 公共調達の適正化に向けた取り組みについて (H18.2)
公共調達の適正化に関する関係省庁連絡会議における取組状況 Ⅰ 公共調達の適正化に向けた取り組みについて (P3 参照 ) (18.2.24 公共調達の適正化に関する関係省庁連絡会議 ) Ⅱ 公益法人等との随意契約の適正化について (P4 参照 ) (18.6.13 公共調達の適正化に関する関係省庁連絡会議 ) Ⅲ 公共調達の適正化について (P8 参照 ) (18.8.25 財務大臣通知 ) Ⅳ 随意契約の適正化について (P9 参照 ) (19.1.26 公共調達の適正化に関する関係省庁連絡会議 ) Ⅴ 随意契約の適正化の一層の推進について (19.11.2 公共調達の適正化に関する関係省庁連絡会議 ) 2
Ⅰ 公共調達の適正化に向けた取り組みについて ( 概要 ) 公共工事における入札談合事件の摘発を踏まえた談合排除の必要性 随意契約における不透明性 非効率性についての指摘 18.2.24 公共調達の適正化に関する関係省庁連絡会議 公共工事における入札契約の改善 随意契約の適正化 Ⅰ. 公共工事等の入札契約の改善 Ⅱ. 随意契約の適正化 1. 公共工事の入札契約の改善 一般競争方式の拡大と総合評価方式の拡充 (18 年度 ~) 予定価格 2 億円以上の工事は基本的に一般競争方式に移行 ( 金額ベースで対象工事の概ね 3 分の 2 をカバー )(2 億円未満もできる限り導入に努める ) 総合評価方式の拡充 ( 国交省の目標値 ( 金額ベース 50% 超 ) を参考に今年度中に目標値設定 ) 評価項目の複数化 多様化を通じ談合抑制 国以外の発注者への普及 中央建設業審議会における条件整備の中間とりまとめ (17 年度中 ) 市場機能を活用した企業評価のための入札ボンド 本格的技術力競争のための多段階審査等 透明性 公正性確保のための第三者機関の活用 1. 随意契約の緊急点検と随意契約見直し計画の作成 公益法人等と締結された全ての随意契約 (17 年度 ) について点検 ( 重点点検項目 ) 随意契約によった理由 契約の性質又は競争を許さない場合 による契約 再委託の状況 点検結果の中間報告 (17 年度末時点の状況 ) 問題のあったもの 見直しの余地があるものについては 18 年度以降 委託等を取り止め 一般競争入札等への移行等 一般競争方式等の入札契約手続きの改善 入札情報の公表方法の透明性等の向上 インターネット公表等 入札契約過程の監視の強化 入札監視委員会の活用 公正取引委員会との連携強化等 ペナルティの強化 入札参加の停止期間最長 24 ヶ月のルール化等 電子入札の一層の活用 談合情報対応マニュアル 策定を全省庁に拡大 2. 公共工事以外の入札契約の改善 適切な入札参加資格の設定や仕様書作成 予定価格の適正な設定等 緊急点検結果の一覧表 及び 随意契約見直し計画 を 18 年 6 月を目途に公表 公共調達適正化関係省庁連絡会議に報告 各省庁 HP に掲載 2. 随意契約の公表の充実等 随意契約の公表の適切な実施 財務省通知 (H17.2.25) の実施状況の点検及び改善 随意契約公表ゲートウェイの新設 本省庁の HP から 全ての地方支分部局等の HP へ直接リンク 公益法人等との随意契約理由を具体的かつ詳細に記載 公益法人等との随意契約に係る決裁体制の強化 公益法人等との随意契約に係る内部監査の重点実施 3
Ⅱ 公益法人等との随意契約の適正化について 18.6.13 公共調達の適正化に関する関係省庁連絡会議 1. 見直しの方針 政府の契約は競争入札が原則であり 随意契約は例外 この原点に立ち帰り 国民の目線に立って厳格かつ徹底的に見直し 2. 見直しの対象とした随意契約 今回の緊急点検 見直しの対象とした随意契約 ( 以下の基準により各府省が抽出 ) 契約年度 : 平成 17 年度 契約主体 : 各府省 ( 地方支分部局も含む 国会 裁判所 会計検査院も自主的に点検 ) 契約の相手先: 所管公益法人 独立行政法人 特殊法人 再就職者のいる民間法人等 契約金額: 100 万円以上 ( 委託契約の場合 ) 3. 見直しの内容 競争的手続の導入により改善することとした主なもの 行政補助的な業務 ( 新聞のスクラップ等 ) 一般競争入札等に移行 複数年を前提とした契約 ( リース契約等 ) 初年度のみならず次年度以降も含めて評価した一般競争入札等に移行 調査研究等の業務等 総合評価による一般競争入札や企画競争 公募に移行 競争的でない随意契約によることがやむを得ないと認められる主なもの ライセンス国産による防衛装備品の調達等 法令等により契約先が特定されているもの ( 貨幣の製造等 ) 物理的理由から供給者が特定されるもの ( 入管業務の審査場を空港管理会社から賃借する場合等 ) その他 ( 電気 ガス 水道 電話代 ( 供給元が一の場合のみ ) 料金後納郵便料等 ) 各府省において 随意契約見直し計画 を策定し 一般競争入札等に移行する時期等を明示し 速やかに移行 効率的かつ公平な政府調達の確保により 歳出の無駄を徹底的に排除 4
争性のある契約方式競に移行競5 会計法上の契約方式の整理 18.6.13 公共調達の適正化に関する関係省庁連絡会議 競争入札 競争性のある随意契約 価格競争総合評価企画競争公募 争入札 競争入札 ( 価格競争 総合評価 ) 参加資格や技術的水準等を満たす不特定多数 特定多数の者による競争 仕様書作成 仕様書作成 ( 総合評価のための評価項目 評価基準の作成 ) 提案要求書等作成 提案要求書等作成 随意契約 競争性のある随意契約 ( 企画競争 公募 ) 特定多数 不特定多数の者による競争 ( 例 ) 広報ポスター 調査研究 競争的でない随意契約 相手先を特定して相対で契約 ( 例 ) 貨幣製造 電気 ガスの供給 入札公告 入札 開札 落札者決定 ( 最低の価格を入札した者 ) 契約 入札公告 ( 評価項目 評価基準を入札公告とあわせて明示 ) 入札 開札 落札者決定 ( 評価値の最も高い者 ) 契約 企画案募集 企画書提出 企画書審査 最も優れた企画書の提案を行った者を選定し 見積書を徴取 契約 公募 ( 行政目的 必要とする技術 性能等を明示 ) 要件を満たす応募者が一者の場合 契約 応募者が多数の場合 総合評価に移行 OR 企画競争
17 年度実績を担保見直しの結果 ( 農林水産省における随意契約の見直し計画の状況 ) 18.6.13 公共調達の適正化に関する関係省庁連絡会議 一般競争入札や企画競争 公募への移行を行うことで 競争性 透明性を担保 について 金額 98% 件数 93% を一般競争入札等に改める 322 億円 (1,386 件 ) 企画競争 公募 50 件 7 億円 金額 315 億円減 (98% 減 ) 件数 1,285 件減 (93% 減 ) 見直し後 (17 年度ベース ) 競競争入札等 122 億円 (710 件 ) 企画競争 公募 200 億円 (625 件 ) 争性 透明性 7 億円 (101 件 ) 330 億円 (1,436 件 ) ( 注 1) 契約件数 契約金額は 平成 17 年度に締結した支出原因契約 ( 少額随意契約は除く ) ( 注 2) 見直し後の件数 金額は 17 年度実績ベース ( 注 3) 競争入札等には 事務 事業を取り止めたもの 87 億円 (318 件 ) が含まれている ( 注 4) 計数は 精査により変動する場合がある 土地 建物の賃貸借 電話料 後納郵便料 2 億円 2 億円 1 億円 6
所管公益法人との随意契約の見直し状況 農林水産省 18.6.13 公共調達の適正化に関する関係省庁連絡会議 特に 所管公益法人との随意契約については徹底した見直し について 金額 100% 件数 100% を一般競争入札等に改める 17 年度実績 企画競争 公募 39 件 6 億円 見直し後 (17 年度実績ベース ) 競争入札等 47 億円 (499 件 ) 108 億円 (886 件 ) 金額 108 億円減 (100% 減 ) 件数 885 件減 (100% 減 ) 企画競争 公募 67 億円 (425 件 ) 114 億円 (925 件 ) 2 百万円 (1 件 ) ( 注 1) 契約件数 契約金額は 平成 17 年度に締結した支出原因契約 ( 少額随意契約は除く ) ( 注 2) 見直し後の件数 金額は 17 年度実績ベース ( 注 3) 競争入札等には 事務 事業を取り止めたもの 25 億円 (229 件 ) が含まれている ( 注 4) 計数は 精査により変動する場合がある 7
Ⅲ 公共調達の適正化について (H18.8.25 財務大臣通知 ) ( ポイント ) 1. 入札及び契約の適正化を図るための措置 競争入札 競争参加資格は 競争を適正かつ合理的に行う範囲に限る 研究開発 調査研究及び広報等の調達について 総合評価方式による一般競争入札の導入を推進等 随意契約 契約の相手方が法令等により明確に特定されるもの等を除き 一般競争入札等に移行 行政補助的な業務 調査研究 リース等について 一般競争入札 ( 総合評価方式を含む ) 等に移行 2. 再委託の適正化を図るための措置 一括再委託の禁止 再委託の承認 履行体制の把握等 3. 契約に係る情報の公表 公表対象を競争入札まで拡大 公共工事を含む契約全般の情報の一覧性を向上 少額を除き 契約を一覧表にして全て公表 公表を拡充した項目 予定価格 落札率 所管する公益法人と随意契約を締結する場合に 当該法人に国の常勤職員であったものが役員として 契約を締結した日に在職していれば その人数等 4. 公共調達に関する問合せの総合窓口を各府省に設置 5. 内部監査の実施 随意契約を重点的に監査 内部監査の実施状況の把握等 6. 契約に関する統計の作成 契約に係る統計を毎年度作成 (18 年度以降 ) 契約件数及び契約金額に関する統計 随意契約に関する統計 8
Ⅳ 随意契約の適正化について 19.1.26 公共調達の適正化に関する関係省庁連絡会議 1. 見直しの現状 政府の契約は競争入札が原則であり 随意契約は例外との原点に立ち帰り 平成 18 年 6 月に 各府省において 所管公益法人等との随意契約についての 随意契約見直し計画 を策定したところ 今回 その他の者との随意契約についても 同様の見直しを行い 随意契約見直し計画 を改訂するもの 2. 見直しの結果 農林水産省 その他の者との合計 1,290 億円のうち 1,077 億円 ( 約 8 割強 ) を一般競争入札等に計画的に移行 この結果 6 月に見直しを行うこととしたものと合わせた合計 1,612 億円のうち 1,392 億円 ( 約 9 割弱 ) を一般競争入札等に移行することとなる その他の者との随意契約 所管公益法人等との随意契約 17 年度実績 企画競争 公募を実施 56 億円 (361 件 ) 1,290 億円 (7,466 件 ) 322 億円 (1,386 件 ) 企画競争 公募を実施 7 億円 (50 件 ) 随意契約計 1,675 億円 (9,263 件 ) 金額 1,077 億円減 (83% 減 ) 件数 5,434 件減 (73% 減 ) 金額 315 億円減 (98% 減 ) 件数 1,285 件減 (93% 減 ) 見直し後 ( 17 年度ベース ) 競争入札等 989 億円 (5,039 件 ) 企画競争 公募 144 億円 (756 件 ) 213 億円 (2,032 件 ) 7 億円 (101 件 ) 企画競争 公募 200 億円 (625 件 ) 競争入札等 122 億円 (710 件 ) 庁舎等の土地建物借料 17 億円 公共事業の用地補償等 54 億円 埋蔵文化財発掘調査等契約の 相手方の特定されているもの 18 億円 植物防疫 動物検疫等のため の土地建物借料等 2 億円 電話料 2 億円 後納郵便料 1 億円 9
10 3. 見直し状況のフォローアップ 公益法人等との随意契約の適正化について ( 平成 18 年 6 月 13 日関係省庁連絡会議 ) において 今後の取組とされたものについての取組状況は 以下のとおり 随意契約見直し計画 の着実な推進 各府省における随意契約の見直し状況を平成 19 年度予算に適切に反映 ( 反映額 106 億円 ) 情報公開の充実等の取組 各府省における随意契約の見直しの取組を踏まえ 財務大臣から各府省に対して 契約全般に係る留意事項を網羅するとともに 新たに 1 競争入札についても随意契約と同様にその情報を公表すること 2 随意契約の公表項目として 予定価格 落札率 再就職者の人数を追加すること 3 各府省に契約に係る問合せの総合窓口を設置すること といった情報公開の一層の充実等の方策を定めた通知を発出 公共調達に関する問合せの総合窓口を各府省に設置し 連絡先をホームページで公開 今後のフォローアップ 各府省は 随意契約見直し計画 ( 改訂 ) の見直し状況をホームページに公表し フォローアップを行う 各府省の取組状況を把握するための統計を毎年度作成し 公表 ( 平成 18 年度実績から )